JP3933353B2 - コンテナにおける天蓋開閉装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンテナの上方開口部を開閉する天蓋開閉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の天蓋開閉装置は、コンテナの上部左右に前後一対のアームを回動可能に設け、コンテナの開口部を覆う左右一対の天蓋を軸支し、コンテナの前壁に設けた操作レバーを回転操作することにより、チェーンを介してアームをコンテナの側方へ回動させることにより天蓋を開放できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが前記構造にあっては、操作レバーによる天蓋開閉時に、アームの起立位置近辺では天蓋の自重がほとんど作用しないため、操作レバーの操作は容易であるが、アームの初期回動時(天蓋開放開始時及び天蓋閉鎖開始時)に天蓋の自重が大きく作用するため、操作レバーを操作するのに多大な労力を要するという問題がある。
そこで本発明は天蓋の開閉作業をわずかな労力で簡単に行うことができるコンテナにおける天蓋開閉装置を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のコンテナにおける天蓋開閉装置は、上方開口部に左右一対の天蓋を設けてなるコンテナと、前記一対の天蓋の前後それぞれに配置され、当該天蓋を開閉させるべく、一端が前記各天蓋の端部に軸支されているとともに、基部が前記コンテナ上部のブラケットに支持されるとともに当該基部に固定された回転軸によって前記コンテナ上部に回動自在に設けられ、起立位置より一方向側に傾倒することで前記開口部を閉鎖する閉鎖位置と、他方向側に傾倒することで前記開口部を開放する開放位置との間を回動する前後一対のアームと、前記アーム基部に設けられ、前記アームを回動させるための駆動力を伝達する伝達手段を介して前記アームを回動させ前記天蓋を開閉させる操作レバーと、前記アーム基部に固定された前記回転軸に嵌挿され、閉鎖位置から、僅かに閉鎖位置寄りに傾いた起立直前位置の範囲のみで、アームを起立方向に付勢する第1スプリングと、前記アーム基部に固定された前記回転軸に嵌挿され、開放位置から、僅かに開放位置寄りに傾いた起立直前位置の範囲のみで、アームを起立方向に付勢する第2スプリングと、を備えたことを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図13乃至図14において、1は車体で該車体1にはコンテナ2を積み降ろしするための積込装置3を設けてある。前記積込装置3は、車体1後部に回動可能に設けられたダンプアーム4にL字型のリフトアーム5を屈折可能に設け、前記リフトアーム5先端のフック部6にて前記コンテナ2の前部に固定されたシャフト7を係合できるようになっており、前記リフトアーム5をシリンダ8の伸縮にて回動させることによりコンテナ2の積み降ろしやコンテナ2のダンプが行えるようになっている。
【0006】
尚、コンテナ2をダンプさせる際、コンテナ2の底部に設けた固定部材(図示せず)をリフトアーム5側に固定することによりコンテナ2をダンプできるようになっている。
前記コンテナ2は図1乃至図4に示す如く前壁9、側壁10及び後部煽戸11とにより箱形に形成され、コンテナ2上部の開口部12には左右一対の天蓋13を設けるとともに、この天蓋13を開閉操作するための天蓋開閉装置14を設けてある。
【0007】
以下前記天蓋開閉装置14について説明すると、前記コンテナ2の前部および後部上面には前部天井フレーム15および後部天井フレーム16を設けてあり、前記前部天井フレーム15及び後部天井フレーム16には、左右一対の回転軸17が基台18上に固定されたブラケット19を介して回転可能に支持されている。
【0008】
前記各回転軸17にはアーム20の基部がコンテナ2の上方位置にて左右方向に回動するように固定されており、前記前後一対のアーム20先部間には、前記天蓋13の内側部がそれぞれ支持軸21を介して軸支されている。22は上部天井フレーム15に固定されたクッションゴムで、前記アーム20先部がコンテナ2の外側へ回動したときに前記クッションゴム22に当接するようになっている。
【0009】
前記各天蓋13の外側部は図11に示す如く前記側壁10上部の前後両端部にブラケット23を介して回転自在に支持されたガイドローラ24にてスライド可能に支持されている。
これにより天蓋13は前記アーム20を回動させることにより開口部12を覆う閉鎖位置(図3)と、側壁10の外側面に沿接する開放位置(図4)との間を移動できるようになっている。
【0010】
25は走行時に閉鎖位置にある天蓋13の外側部が振動や風圧にて上下動するのを防止するための係合装置で、前記係合装置25は図12に示す如く側壁10のカバー部材26の左右両端部に固定されたL字型の被係合部材27と、天蓋13の外側の左右両端部に固定されたコ字型の係合部材28とからなり、天蓋13を閉鎖位置まで移動させると前記係合部材28が被係合部材27に係合するようになっている。
【0011】
29は一方の天蓋13(図3左側)の内側部に固定されたシール部材で、天蓋13閉鎖位置にて前記シール部材29が他方の天蓋13の内側部に当接させることにより、両天蓋13が干渉するのを防止するようになっている。
前記前壁9の左側には、窪み部30を形成してあり、前記窪み部30の底部にはブラケット31を介して駆動軸32が回転可能に支持されており、前記駆動軸32には下部スプロケット33を固定してあり、前記下部スプロケット33と前記窪み部30の上方位置にある回転軸17に固定された上部スプロケット34との間にはチェーン35を掛け回してあり、駆動軸32に固定された操作レバー36を回転操作することにより、前記チェーン35を介して回転軸17が回転するようになっている。
【0012】
また前記前後の左右一対の回転軸17には図5に示す如くスプロケット37をそれぞれ固定し、前記両スプロケット37間にチェーン38を8の字に掛け回して各回転軸17が同調して回転するようになっている。
39は前記窪み部30上方に設けられたカバーボックス、40は窪み部30前方を閉鎖するカバー板で、前記カバーボックス39とカバー板40とにて、上部スプロケット34、下部スプロケット33及びチェーン35とを閉鎖して外部に露出しないようにしてある。
【0013】
前記各回転軸17には、図6に示す如くアーム20を閉鎖位置から起立方向へ付勢する第1弾性部材である第1スプリング41及び開放位置から起立方向へ付勢する第2弾性部材である第2スプリング42を嵌挿してある。前記第1スプリング41の一端は図7に示す如く基台18に当接しており、他端にはアーム20の内側にて後方に突出した当接部43を形成してあり、閉鎖位置(図9A位置)と、僅かに閉鎖位置寄りに傾いた起立直前位置(図9B位置)との回動範囲において、アーム20下部が前記当接部43に当接することによりアーム20に起立方向への付勢力が作用するようになっており、前記第1スプリング41の付勢力は天蓋13閉鎖位置において天蓋13の自重がわずかに打ち勝って閉鎖位置に保持される程度に調整されている。
【0014】
前記第2スプリング42の一端は図8に示す如く基台18に常時当接しており、他端にはアーム20の外側にて後方に突出した当接部44を形成してあり、開放位置(図9D位置)と、僅かに開放位置寄りに傾いた起立直前位置(図9C位置)との回動範囲において、アーム20下部が前記当接部44に当接することによりアーム20に起立方向への付勢力が作用するようになっており、前記第2スプリング42の付勢力は天蓋13開放位置において天蓋13の自重がわずかに打ち勝って開放位置に保持される程度に調整されている。
【0015】
45は天蓋13を閉鎖位置に固縛するためのロック装置で、該ロック装置45は図2及び図10に示す如く前部天井フレーム15及び後部天井フレーム16の中央にブラケット46を介してフック47が左右方向に揺動可能に軸支されている。
前記フック47は通常時はスプリング48にて固縛方向に付勢され、前記ブラケット46に固定されたストッパ49に当接して固縛位置に保持されており、アーム20先部に突設したコ字型の係止部材50が前記フック47のテーパ部51に当接してフック47を固縛解除方向に押し広げることによりフック47が係止部材50に係合するようになっている。これにより天蓋13は閉鎖位置に固縛されることから天蓋13が風圧にて回動するのを防止できるようになっている。
【0016】
前記コンテナ2の側面下部には図1の如く操作レバー52が上下揺動可能に軸支され、この操作レバー52と前記フック47とはワイヤ53にて連結されており、前記操作レバー52の操作にてスプリング48の付勢力を抗してフック47を揺動させることにより係止部材50との係合を解除して固縛解除されるようになっている。
【0017】
また前記操作レバー52は天蓋13開閉用の操作レバー36に近接した位置に設けてあるため、操作レバー52を固縛解除位置に保持した状態で天蓋13の開閉作業を行えるようになっている。
尚、本実施の形態では第1弾性部材及び第2弾性部材をアームの回転軸に嵌挿してあるが、回転軸の近辺に別途第1及び第2弾性部材を設けるようにしても同様の作用効果を有するものである。
【0018】
また本実施の形態ではコンテナを車両に搭載してあるが、鉄道貨車等の輸送手段に搭載するようにしても同様の作用効果を有するものである。
本発明は前記の如き構成で、次に作用について説明する。
図13の如くコンテナ2を搭載した走行中においては、天蓋13は開口部12を覆う閉鎖位置にある。作業現場まで移動すると図14の如く積込装置3にてコンテナ2を地上へ降ろした後、操作レバー52を回転操作する。するとワイヤ53を介してフック47が揺動し、係止部材50との係合が解除され、閉鎖位置にロックされた天蓋13のロック状態が解除される。
【0019】
ついで前記操作レバー52をロック解除位置に保持した状態で天蓋13の開放作業を行う。天蓋13の開放作業は、操作レバー36を回転操作し駆動軸32とともに下部スプロケット33を回転させる。するとチェーン35を介して上部スプロケット34および左側のスプロケット37が回転軸17とともに回転する。左側のスプロケット37が回転するとチェーン38を介して右側のスプロケット37が回転し、左右の回転軸17が同調して回転し、左右のアーム20が起立方向に回動し始める。
【0020】
その際、アーム20基部の内側面には図7実線の如く第1スプリング41の当接部43が当接しており、各アーム20には第1スプリング41による起立方向への付勢力が作用するため、操作レバー36の回転操作をわずかな労力で行うことができる。
アーム20が回動し始めると、天蓋13の内側部が前後一対のアーム20にて上方へ持ち上げられるとともに、天蓋13の外側部がガイドローラ24上をスライドして側壁10の外側に移動する。アーム20が起立位置付近(図9B位置)まで回動すると、アーム20基部が図7一点鎖線の如く当接部43から離れ、アーム20は第1スプリング41の付勢力から解放される。
【0021】
さらに操作レバー36の回転操作によりアーム20が起立位置を通過して図9C位置まで回動すると、アーム20の外側面が図8一点鎖線の如く第2スプリング42の当接部44に当接し、アーム20には第2スプリング42にて起立方向への付勢力が作用するが、天蓋13の自重が第2スプリング42の付勢力に打ち勝ってアーム20は回動し、アーム20先部がクッションゴム22に当接すると天蓋13は図4の如く側壁10の外面に沿接した状態(開放位置)となり、コンテナ2の開口部12が開放される。
【0022】
天蓋13開放後は、開口部12から土砂等をコンテナ2内に投入する。
投入作業が終了すると天蓋13を閉鎖する。天蓋13の閉鎖作業は、操作レバー36を回転させて駆動軸32を回転させる。すると下部スプロケット33、チェーン35、上部スプロケット34を介して回転軸17が回転するとともに、チェーン38を介してスプロケット37が回転し、各アーム20先部が天蓋13とともに起立方向へ回動し始める。
【0023】
その際、アーム20基部の外側面には図8実線の如く第2スプリング42の当接部44が当接しており、各アーム20には第2スプリング42による起立方向への付勢力が作用するため、操作レバー36の回転操作をわずかな労力で行うことができる。
アーム20が回動し始めると、天蓋13の内側部がアーム20先部とともに上方へ持ち上げられるとともに、天蓋13の外側部がガイドローラ24上をスライド移動し、アーム20が起立位置付近(図8C位置)まで回動させると、アーム20基部が図8一点鎖線の如く当接部44から離れ、アーム20は第2スプリング42の付勢力から解放される。
【0024】
さらに操作レバー36の回転操作によりアーム20が起立位置を通過して図9B位置まで回動すると、図7一点鎖線の如くアーム20の内側面が第1スプリング41の当接部43に当接し、アーム20には第1スプリング41にて起立方向への付勢力が作用するが、天蓋13の自重が第1スプリング41の付勢力に打ち勝ってアーム20はさらに下方回動し、アーム20先部の係止部材50は図12の如く側壁10の被係合部材27に係合するとともに、天蓋13内側部の係止部材50がフック47のテーパ部51に当接する。
【0025】
するとフック47は係止部材50の押付力によりスプリング48の付勢力を抗して押し広げられるとともに係止部材50がフック47の下方位置へ移動して、図10の如くフック47はスプリング48の付勢力にて係止部材50に係合する。
この状態で天蓋13は図3の如く左側の天蓋13のシール部材29が右側の天蓋13に当接し、開口部12を閉鎖した閉鎖位置に固縛される。これにより天蓋13が風圧にて回動するのを防止することができる。
【0026】
開口部12を閉鎖すると図14の如くリフトアーム5のフック部6をコンテナ2のシャフト7に係合させ積込装置3にてコンテナ2を車体1上に積み込み、所定場所までコンテナ2を輸送する。
コンテナ2内の土砂を排出するときは、コンテナ2をダンプさせるのであるが、事前に天蓋13を開放させてからダンプさせ、コンテナ2内が負圧にならないようにしている。
【0027】
【発明の効果】
以上の如く本発明は、天蓋を前後一対のアームにて軸支し、前記アーム基部近辺に天蓋閉鎖状態にてアームを起立方向に付勢させうる第1弾性部材を設けるとともに、天蓋開放状態にてアームを起立方向に付勢させうる第2弾性部材を設けるようにしたので、天蓋開閉時に第1弾性部材と第2弾性部材の付勢力にてアームが常に起立方向に付勢されるため、天蓋の開閉作業をわずかな労力で簡単に行うことができる。
【0028】
また第1弾性部材と第2弾性部材とを組み合わせることにより、各弾性部材の圧縮作用だけでアームを起立方向へ付勢させるようにしたので、単体の弾性部材を使用して引張作用と圧縮作用にてアームを起立方向に付勢させる場合と比較すると、弾性部材のデッドポイントの位置決め作業が不要になり、精密な組付精度が要求されないため、弾性部材を簡単に組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンテナの側面図である。
【図2】コンテナの平面図である。
【図3】コンテナの正面図である。
【図4】天蓋の開放状態を示す作用図である。
【図5】図2のA−A断面図である。
【図6】図2の要部拡大図である。
【図7】図6のB−B断面図である。
【図8】天蓋開放時の図6のC−C断面図である。
【図9】天蓋開閉時のアームの回動軌跡を示す作用図である。
【図10】図2のD−D断面図である。
【図11】図1のE−E断面図である。
【図12】図1のF−F断面図である。
【図13】コンテナを車両に搭載した全体図である。
【図14】コンテナを積み降ろし作業を示す作動状態図である。
【符号の説明】
2 コンテナ
12 開口部
13 天蓋
14 天蓋開閉装置。
20 アーム
36 操作レバー
41 第1弾性部材
42 第2弾性部材

Claims (1)

  1. 上方開口部に左右一対の天蓋を設けてなるコンテナと、
    前記一対の天蓋の前後それぞれに配置され、当該天蓋を開閉させるべく、一端が前記各天蓋の端部に軸支されているとともに、基部が前記コンテナ上部のブラケットに支持されるとともに当該基部に固定された回転軸によって前記コンテナ上部に回動自在に設けられ、起立位置より一方向側に傾倒することで前記開口部を閉鎖する閉鎖位置と、他方向側に傾倒することで前記開口部を開放する開放位置との間を回動する前後一対のアームと、
    前記アーム基部に設けられ、前記アームを回動させるための駆動力を伝達する伝達手段を介して前記アームを回動させ前記天蓋を開閉させる操作レバーと、
    前記アーム基部に固定された前記回転軸に嵌挿され、閉鎖位置から、僅かに閉鎖位置寄りに傾いた起立直前位置の範囲のみで、アームを起立方向に付勢する第1スプリングと、
    前記アーム基部に固定された前記回転軸に嵌挿され、開放位置から、僅かに開放位置寄りに傾いた起立直前位置の範囲のみで、アームを起立方向に付勢する第2スプリングと、を備えたことを特徴とするコンテナにおける天蓋開閉装置。
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