JP3932062B2 - ズームレンズ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はズームレンズに関し、特に固体撮像素子を用いる小型カメラ等に好適なズームレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、ホームビデオカメラ等の本体自体の小型軽量化に従って、撮影レンズとしてのズームレンズにも小型化が求められる一方で、高い変倍比および広い画角を確保することが必要とされている。従来のこの種のズームレンズにおいて高変倍化を達成させる場合、望遠側の焦点距離を長くすることは容易であるが、広角側の画角を拡大することは困難とされている。これは、広角化に伴って広角端における負の歪曲収差や高次の非点収差の発生が大きくなり、収差補正が困難となるからである。また、広角化に伴って前玉径が大きくなるため、レンズ系の大型化を避けることができないからである。そのため、広角側の画角を拡大して高変倍化しつつ光学性能の高性能化および小型化を達成することが、レンズ設計上の一般的な課題である。
【0003】
レンズ系の小型化のひとつの方法として、最も物体側に配置された第1レンズ群以外のレンズ群を移動させてフォーカシング(合焦)を行う、いわゆるリヤフォーカス方式(インナーフォーカス方式を含む概念)のズームレンズが知られている。一般に、リヤフォーカス方式のズームレンズでは、第1レンズ群を移動させてフォーカシングを行うズームレンズに比べて、第1レンズ群の有効径が小さくなり、レンズ系全体の小型化が容易になる。また、近接撮影、特に極近接撮影が容易となる。さらに、リヤフォーカス方式では比較的小型で軽量のレンズ群を移動させてフォーカシングを行うので、レンズ群の所要駆動力が小さく、焦点合わせを迅速に行うことができるという特徴がある。
【0004】
例えば、特開平8−5913号公報、特開平8−190051号公報および特開平5−215967号公報には、比較的高い変倍比を有するズームレンズが開示されている。各公報に開示のズームレンズはともに、物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群と、負の屈折力の第2レンズ群と、正の屈折力の第3レンズ群と、負の屈折力の第4レンズ群と、正の屈折力の第5レンズ群とからなる5群構成のズームレンズである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−5913号公報および特開平8−190051号公報に開示されたズームレンズでは、変倍比が約20倍と高いが、広角端における画角が約60°であり、広角化が十分ではなかった。
また、特開平5−215967号公報に開示されたズームレンズでは、広角端において70°以上の画角を有するが、変倍比は約12倍であり、変倍比が十分ではなかった。
【0006】
なお、上述の各公報で提案されている5群タイプのズームレンズでは、更なる高変倍化を図ろうとすると、変倍レンズ群(変倍に際して移動するレンズ群)の移動量が増え、レンズ系が大型化するという不都合がある。
また、各レンズ群の屈折力を強めてレンズ系全体の小型化および高変倍化を図ろうとすると、ペッツバール和が負側に過大となる。その結果、像面湾曲、変倍に伴う収差変動が大きくなり、高い光学性能を得ることが難しくなるという不都合があった。
【0007】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、高画角化および高変倍化を確保しながらも高い光学性能を有する小型のズームレンズを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明においては、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6とを備え、
広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群G1と前記第2レンズ群G2との空気間隔は拡大し、前記第2レンズ群G2と前記第3レンズ群G3との空気間隔は縮小し、前記第3レンズ群G3と前記第4レンズ群G4との空気間隔は拡大し、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との空気間隔は拡大し、前記第5レンズ群と前記第6レンズ群との空気間隔は縮小し、
広角端における前記第3レンズ群G3と前記第4レンズ群G4との合成結像倍率β 34w が、
0.3<|β 34w |<0.7
の条件を満足することを特徴とするズームレンズを提供する。
【0009】
本発明の好ましい態様によれば、前記第3レンズ群G3、前記第4レンズ群G4、前記第5レンズ群G5および前記第6レンズ群G6のうちの少なくとも1つのレンズ群を光軸に沿って移動させることによって、物体への合焦を行う。この場合、前記第6レンズ群G6だけを光軸に沿って移動させることによって、物体への合焦を行うことが好ましい。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記第1レンズ群G1は、変倍に際して固定である。さらに、前記第4レンズ群G4は、変倍に際して固定であることが好ましい。
さらに、前記第1レンズ群G1の焦点距離をf1とし、前記第2レンズ群G2の焦点距離をf2としたとき、
5.0<|f1/f2|<7.0
の条件を満足することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のズームレンズの基本的な構成は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6とからなる6群構成である。本発明では、レンズ構成を6群構成にすることにより、25倍以上の高い変倍比を実現することができる。
【0012】
また、具体的には、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔は拡大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔は縮小し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔は拡大し、第4レンズ群と第5レンズ群との空気間隔は拡大し、第5レンズ群と第6レンズ群との空気間隔は縮小する。本発明では、各レンズ群間の空気間隔を上述のように変化させる変倍方式により、高変倍化および広画角化を実現することができる。
【0013】
図1は、本発明のズームレンズの屈折力配置および構成的特徴を示す図であって、(a)および(b)は広角側および望遠側における屈折力配置を、(c)および(d)は広角側および望遠側における構成的特徴を示している。
図1において、f1、f2、f3、f4、f5およびf6は、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5および第6レンズ群G6の焦点距離をそれぞれ示している。また、f12、f23、f45およびf56は、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との合成レンズ群G12、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との合成レンズ群G23、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との合成レンズ群G45、および第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との合成レンズ群G56の焦点距離をそれぞれ示している。
【0014】
図1に示すように、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3を前群とし、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5および第6レンズ群G6を後群とし、レンズ系全体を2つのレンズ群に分割して考察する。
図1(a)に示すように、広角側の前群においては、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との屈折力配置が近く、また第2レンズ群G2の負の屈折力が強いため、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との合成レンズ群G12の合成屈折力は負の屈折力になる。したがって、図1(c)に示すように、広角側の前群の屈折力配置は、物体側から順に負・正となり、いわゆるレトロフォーカスタイプになっている。
【0015】
一方、図1(a)の広角側の後群おいては、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との屈折力配置が近く、また第5レンズ群G5の負の屈折力が強いため第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との合成レンズ群G45の合成屈折力は負の屈折力になる。したがって、図1(c)に示すように、広角側の後群の屈折力配置は、物体側から順に負・正となり、広角側の前群と同様にレトロフォーカスタイプになっている。
こうして、図1(c)に示すように、広角側ではレトロフォーカスタイプが2つ結合した屈折力配置になっている。したがって、前群と後群との合成焦点距離は前群の焦点距離および後群の焦点距離よりも短くなり、広画角化および適切なバックフォーカスの確保を実現することができる。
【0016】
次に、望遠側について考察する。本発明では、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔は拡大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔は縮小する。このため、広角端から望遠端への変倍に際して、負の屈折力を有する第2レンズ群G2が像側へ移動する。こうして、図1(b)に示すように、望遠側の前群において、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との屈折力配置が近くなり、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との合成レンズ群G23の合成屈折力は負の屈折力になる。したがって、図1(d)に示すように、望遠側の前群の屈折力配置は、物体側から順に正・負となり、いわゆるテレフォトタイプになる。特に、広角端から望遠端への変倍に際して、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔は縮小し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔は拡大することにより、前群のレトロフォーカスタイプからテレフォトタイプへの変倍による移行が助長される。
【0017】
さらに、本発明では、広角端から望遠端への変倍に際して、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔は拡大し、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との空気間隔は縮小する。このため、広角端から望遠端への変倍に際して、負の屈折力を有する第5レンズ群G5が像側へ移動する。こうして、図1(b)に示すように、望遠側の後群において、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との屈折力配置が近くなり、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との合成レンズ群G56の合成屈折力は負の屈折力または広角端の後群における第6レンズ群G6よりも弱い正の屈折力になる。したがって、図1(d)に示すように、望遠側の後群の屈折力配置は、物体側から順に正・負または正・正となり、テレフォトタイプまたはペッツバールタイプになる。
【0018】
こうして、望遠側においては、図1(d)に示すようにテレフォトタイプが2つ結合した屈折力配置、またはテレフォトタイプとペッツバールタイプとが結合した屈折力配置になり、長焦点化と小型化とを実現することができる。
このように、広角側から望遠側への変倍に際して、前群の屈折力配置がレトロフォーカスタイプからテレフォトタイプに移行し、後群の屈折力配置がレトロフォーカスタイプからテレフォトタイプまたはペッツバールタイプに移行することにより、各レンズ群に適切な変倍効果を担わせて変倍を効率良く行っていることが理解できる。
以上の説明により、本発明では、上述の屈折力配置を有する6群構成および上述の変倍方式を採用することにより、高変倍化および広画角化を達成することができることは明らかである。
【0019】
本発明において、例えば望遠端で無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングを行う場合、変倍可動レンズ群である第3レンズ群G3以降のうちの少なくとも1つのレンズ群が光軸上移動することが好ましい。
一般に、第1レンズ群を光軸上移動させてフォーカシングを行うフロントフォーカス方式では、広角側での至近距離撮影時に画面最周辺の光束を確保するために前玉径が大きくなり、レンズ系の小型化は難しくなる。つまり、構成上の観点から、レンズ径の最も大きい第1レンズ群はフォーカシング時には固定である方がレンズ系の小型化ために有利である。したがって、第3レンズ群G3以降に配置されたレンズ群のうちの1つのレンズ群、たとえば第6レンズ群G6を移動させてフォーカシングを行うのがレンズ系の小型化のためには好ましい。
【0020】
一般に、従来のズームレンズでは、入射瞳が第1レンズ面(最も物体側のレンズ面)から像側に遠い位置にあるため、画面最周辺の光束の入射高は広角端寄りの中間変倍配置において光軸から最も大きく隔たる。この中間変倍配置で開口絞りSPを物体側へ移動させることによって入射瞳をより物体側に設定することができれば、第1レンズ群の有効径を最も効率的に小さくすることができる。また、前述のように広角側において入射瞳位置を第1レンズ面に近づけるのが好ましいので、前玉径の小型化に関係する開口絞りSPを第3レンズ群G3の物体側に配置するのが良い。本発明で提案しているように、複数のレンズ群に変倍を分担させることにより、主変倍群である第2レンズ群G2の変倍移動量を抑えることができ、広角側において入射瞳位置を第1レンズ面に近づけることが可能になる。その結果、第1レンズ面における画面最周辺光束の入射高を小さくすることが可能になり、高変倍化しても前玉径を小型化することができる。
【0021】
以下、本発明の条件式について説明する。
本発明においては、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
5.0<|f1/f2|<7.0 (1)
ここで、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離
f2:第2レンズ群G2の焦点距離
【0022】
条件式(1)は、前玉径の小型化および高変倍比を確保しつつ、良好な収差補正(特に像面湾曲の良好な補正)を可能にするための第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との屈折力配分を規定している。
具体的には、条件式(1)の下限値を下回ると、高変倍化のために第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔を大きく確保する必要があり、レンズ系の大型化および前玉径の大型化につながるので好ましくない。また、望遠端において第2レンズ群G2の変倍による移動量が増し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3とが干渉するので好ましくない。
一方、条件式(1)の上限値を上回ると、ペッツバール和が負側に大きくなり、像面が大きくプラス側に湾曲する傾向となり、収差補正が困難になるので好ましくない。
【0023】
また、本発明では、変倍域の全体に亘って、第3レンズ群G3に対して発散光束で入射し、第4レンズ群G4により収束光束として導くのが良い。したがって、レンズ系の小型化のためには、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との合成結像倍率β34が変倍域の全体に亘って常に負の値を有すること、すなわち以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
β34<0 (2)
条件式(2)を満たすことにより、各レンズ群間の空気間隔を適切に設定することができる。
【0024】
また、本発明においては、広角端における第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との合成結像倍率β34w が以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
0.3<|β34w |<0.7 (3)
条件式(3)を満たすことにより、各レンズ群間の空気間隔を適切に設定することができ、レンズ系の小型化および諸収差の良好な補正が可能になる。
具体的には、条件式(3)の上限値を上回ると、広角端において第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とが干渉するので好ましくない。また、広角端において第4レンズ群G4と第5レンズ群G5とが干渉するので好ましくない。
一方、条件式(3)の下限値を下回ると、第1レンズ群G1に入射する画面最周辺の主光束の入射高が光軸に対して高くなり、前玉径が大型化してしまう。
【0025】
また、本発明においては、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
0.3<f3/f4<2.5 (4)
ここで、
f3:第3レンズ群G3の焦点距離
f4:第4レンズ群G4の焦点距離
【0026】
条件式(4)は、レンズ系の小型化および高変倍化のための第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との屈折力配分を規定している。
具体的には、条件式(4)の下限値を下回ると、第3レンズ群G3の屈折力が強くなり、高い変倍効果が得られるとともにレンズ系の小型化が可能となるが、諸収差、特に球面収差の良好な補正が困難となる。
一方、条件式(4)の上限値を上回ると、第3レンズ群G3における変倍効率が低くなるため、第3レンズ群G3の変倍移動量が増加し、レンズ系全体が大きくなって小型化を達成することができなくなる。また、第4レンズ群G4における光束の入射高が光軸に対して高くなるため、第4レンズ群G4が大きくなってレンズ系が大型化すると共に、第4レンズ群G4における諸収差、特に中間変倍配置付近における球面収差の良好な補正が困難になる。
【0027】
また、本発明においては、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
0.6<|f5/f6|<1.3 (5)
ここで、
f5:第5レンズ群G5の焦点距離
f6:第6レンズ群G6の焦点距離
【0028】
条件式(5)は、第6レンズ群G6を光軸に沿って移動させることによって物体への合焦を行う場合の第6レンズ群G6のフォーカシング移動量およびバックフォーカスを適切に設定するための条件式である。
具体的には、条件式(5)の下限値を下回ると、広角端での第6レンズ群G6の有効径が大きくなるとともに、フォーカシング移動量が大きくなり、レンズ系が大型化して小型化を達成することができなくなる。
一方、条件式(5)の上限値を上回ると、望遠端において第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との空気間隔を十分に確保することができなくなるとともに、第6レンズ群G6の屈折力が強くなりすぎてフォーカシングに伴う収差変動が大きくなり好ましくない。また、バックフォーカスを十分に確保することができなくなるので、好ましくない。
【0029】
本発明におけるズームレンズでは、従来のズームレンズよりも高変倍化および広画角化を達成しているにもかかわらず、従来のズームレンズに比べて歪曲収差が良好に補正されている。一般に、歪曲収差の少ない光学系は、開口絞りに関してレンズ形状および屈折力配置が対称性の強いレンズ構成を有するが、レンズ群が移動するズームレンズにおいて対称性の強いレンズ構成は難しい。変倍において歪曲収差の少ない光学系を得るには、基本的には本発明のズームレンズのように、各レンズ群の屈折力配分が開口絞りに関してある程度の対称性を有することが不可欠である。
【0030】
具体的には、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と負の屈折力を有する第2レンズ群G2と正の屈折力を有する第3レンズ群G3とを前群とし、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と負の屈折力を有する第5レンズ群G5と正の屈折力を有する第6レンズ群G6とを後群とし、レンズ系全体を2つのレンズ群に分割して考察すると、前群および後群においてそれぞれ正・負・正の対称性のある構造になっている。したがって、前群および後群の内部においてそれぞれ歪曲収差の良好な補正が可能になり、その結果レンズ系全体の歪曲収差を良好に補正することができる。本発明では、上述のようなレンズ構成を採用することによって、従来の高変倍ズームレンズに比べて、変倍に伴う歪曲収差の変動を良好に抑えることが可能になる。
【0031】
したがって、本発明においては、歪曲収差を良好に補正することができるように、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
0.25<f123w/f456w<1.5 (6)
ここで、
f123w :広角端における前群の合成焦点距離
f456w :広角端における後群の合成焦点距離
【0032】
条件式(6)は、広角端における前群(第1レンズ群G1〜第3レンズ群G3)と後群(第4レンズ群G4〜第6レンズ群G6)との屈折力配分を規定している。
条件式(6)の下限値を下回ると、前群の屈折力が強くなり過ぎるとともに後群の屈折力が弱くなり過ぎるため、レンズ全系の屈折力の対称性が崩れる。特に、広角端において前群と後群との主点間隔が負の値であるため、広角端における負の歪曲収差の補正の負荷が増大し、好ましくない。
一方、条件式(6)の上限値を上回ると、前群の屈折力が弱くなり過ぎるとともに後群の屈折力が強くなり過ぎて、前群と後群との屈折力の対称性が崩れるため、歪曲収差の補正の負荷が増大するので好ましくない。また、レンズ系全体が大型化するので好ましくない。
なお、上述の説明では、変倍に際して第2レンズ群G2と第3レンズ群G3と第5レンズ群G5だけを移動させているが、第1レンズ群G1や第4レンズ群G4や第6レンズ群G6を付加的に移動させることにより、さらなる高変倍化を容易に実現することができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明の各実施例を、添付図面に基づいて説明する。
〔第1実施例〕
図2は、本発明の第1実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
図2のズームレンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、両凸レンズ、および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズから構成されている。
また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、両凹レンズ、両凹レンズ、および両凸レンズから構成されている。
【0034】
さらに、第3レンズ群G3は、両凸レンズから構成されている。
また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの貼り合わせレンズから構成されている。
さらに、第5レンズ群G5は、物体側から順に、両凹レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの貼り合わせレンズから構成されている。
また、第6レンズ群G6は、物体側から順に、両凸レンズ、および物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズとの貼り合わせレンズから構成されている。
なお、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間には、開口絞りSPが設けられている。
【0035】
第1実施例では、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔は拡大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔は縮小し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔は拡大し、第4レンズ群と第5レンズ群との空気間隔は拡大し、第5レンズ群と第6レンズ群との空気間隔は縮小するように、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第5レンズ群G5および第6レンズ群G6が図2に示す軌道に沿って移動する。なお、第1レンズ群G1および第4レンズ群G4は、変倍に際して固定である。
また、第6レンズ群G6を物体側へ繰り出すことにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行っている。
【0036】
次の表(1)に、本発明の第1実施例の諸元の値を掲げる。表(1)において、fは焦点距離を、FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォーカスをそれぞれ表している。また、表(1)において、面番号は物体側からのレンズ面の順序を、rはレンズ面の曲率半径を、dはレンズ面の間隔を、νおよびnはd線(λ=587.6nm)に対するアッベ数および屈折率をそれぞれ示している。
【0037】
なお、表(1)の(合焦におけるフォーカシング移動量)において、βは倍率を、d0は物体距離(物体と最も物体側のレンズ面との軸上距離)を、δ6は無限遠物体から近距離物体への合焦に伴う第6レンズ群G6のフォーカシング移動量を示している。ここで、フォーカシング移動量δ6は、像側への移動量を正の値とし、物体側への移動量を負の値としている。
また、表(1)の(条件式対応値)において、βiw、βimおよびβitは、広角端、中間焦点距離状態および望遠端での第iレンズ群の結像倍率をそれぞれ示している。さらに、β34w 、β34m およびβ34t は、広角端、中間焦点距離状態および望遠端での第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との合成結像倍率をそれぞれ示している。
【0038】
【表1】
Figure 0003932062
Figure 0003932062
Figure 0003932062
【0039】
図3乃至図5は、第1実施例の諸収差図である。すなわち、図3は広角端における諸収差図であり、図4は中間焦点距離状態における諸収差図であり、図5は望遠端における諸収差図である。
各収差図において、FNOはFナンバーを、Aは半画角を、dはd線(λ=587.6nm)を、gはg線(λ=435.8nm)をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。
図3乃至図5を参照すると、第1実施例では、広角端から望遠端までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正されていることがわかる。すなわち、第1実施例では、変倍比が約25倍と高く、且つ広角端での画角が約67°と広いにもかかわらず、優れた結像性能が確保されていることがわかる。
【0040】
〔第2実施例〕
図6は、本発明の第2実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
図6のズームレンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、両凸レンズ、および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズから構成されている。
また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、両凹レンズ、両凸レンズ、および両凹レンズから構成されている。
【0041】
さらに、第3レンズ群G3は、両凸レンズから構成されている。
また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの貼り合わせレンズから構成されている。
さらに、第5レンズ群G5は、物体側から順に、両凹レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの貼り合わせレンズから構成されている。
また、第6レンズ群G6は、物体側から順に、両凸レンズ、および物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの貼り合わせレンズから構成されている。
なお、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間には、開口絞りSPが設けられている。
【0042】
第2実施例では、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔は拡大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔は縮小し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔は拡大し、第4レンズ群と第5レンズ群との空気間隔は拡大し、第5レンズ群と第6レンズ群との空気間隔は縮小するように、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第5レンズ群G5および第6レンズ群G6が図6に示す軌道に沿って移動する。なお、第1レンズ群G1および第4レンズ群G4は、変倍に際して固定である。
また、第6レンズ群G6を物体側へ繰り出すことにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行っている。
【0043】
次の表(2)に、本発明の第2実施例の諸元の値を掲げる。表(2)において、fは焦点距離を、FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォーカスをそれぞれ表している。また、表(2)において、面番号は物体側からのレンズ面の順序を、rはレンズ面の曲率半径を、dはレンズ面の間隔を、νおよびnはd線(λ=587.6nm)に対するアッベ数および屈折率をそれぞれ示している。
【0044】
なお、表(2)の(合焦におけるフォーカシング移動量)において、βは倍率を、d0は物体距離(物体と最も物体側のレンズ面との軸上距離)を、δ6は無限遠物体から近距離物体への合焦に伴う第6レンズ群G6のフォーカシング移動量を示している。ここで、フォーカシング移動量δ6は、像側への移動量を正の値とし、物体側への移動量を負の値としている。
また、表(2)の(条件式対応値)において、βiw、βimおよびβitは、広角端、中間焦点距離状態および望遠端での第iレンズ群の結像倍率をそれぞれ示している。さらに、β34w 、β34m およびβ34t は、広角端、中間焦点距離状態および望遠端での第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との合成結像倍率をそれぞれ示している。
【0045】
【表2】
Figure 0003932062
Figure 0003932062
Figure 0003932062
【0046】
図7乃至図9は、第2実施例の諸収差図である。すなわち、図7は広角端における諸収差図であり、図8は中間焦点距離状態における諸収差図であり、図9は望遠端における諸収差図である。
各収差図において、FNOはFナンバーを、Aは半画角を、dはd線(λ=587.6nm)を、gはg線(λ=435.8nm)をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。
図7乃至図9を参照すると、第2実施例では、広角端から望遠端までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正されていることがわかる。すなわち、第2実施例では、変倍比が約25倍と高く、且つ広角端での画角が約67°と広いにもかかわらず、優れた結像性能が確保されていることがわかる。
【0047】
〔第3実施例〕
図10は、本発明の第3実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
図10のズームレンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズとの貼り合わせレンズ、および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズから構成されている。
また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、両凹レンズ、および両凸レンズから構成されている。
【0048】
さらに、第3レンズ群G3は、両凸レンズから構成されている。
また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズとの貼り合わせレンズから構成されている。
さらに、第5レンズ群G5は、物体側から順に、両凹レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの貼り合わせレンズから構成されている。
また、第6レンズ群G6は、物体側から順に、両凸レンズ、および物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、および両凸レンズから構成されている。
なお、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間には、開口絞りSPが設けられている。
【0049】
第3実施例では、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔は拡大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔は縮小し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔は拡大し、第4レンズ群と第5レンズ群との空気間隔は拡大し、第5レンズ群と第6レンズ群との空気間隔は縮小するように、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第5レンズ群G5および第6レンズ群G6が図10に示す軌道に沿って移動する。なお、第1レンズ群G1および第4レンズ群G4は、変倍に際して固定である。
また、第5レンズ群G5を像側へ移動させることにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行っている。
【0050】
次の表(3)に、本発明の第3実施例の諸元の値を掲げる。表(3)において、fは焦点距離を、FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォーカスをそれぞれ表している。また、表(3)において、面番号は物体側からのレンズ面の順序を、rはレンズ面の曲率半径を、dはレンズ面の間隔を、νおよびnはd線(λ=587.6nm)に対するアッベ数および屈折率をそれぞれ示している。
【0051】
なお、表(3)の(合焦におけるフォーカシング移動量)において、βは倍率を、d0は物体距離(物体と最も物体側のレンズ面との軸上距離)を、δ5は無限遠物体から近距離物体への合焦に伴う第5レンズ群G5のフォーカシング移動量を示している。ここで、フォーカシング移動量δ5は、像側への移動量を正の値とし、物体側への移動量を負の値としている。
また、表(3)の(条件式対応値)において、βiw、βimおよびβitは、広角端、中間焦点距離状態および望遠端での第iレンズ群の結像倍率をそれぞれ示している。さらに、β34w 、β34m およびβ34t は、広角端、中間焦点距離状態および望遠端での第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との合成結像倍率をそれぞれ示している。
【0052】
【表3】
Figure 0003932062
Figure 0003932062
Figure 0003932062
【0053】
図11乃至図13は、第3実施例の諸収差図である。すなわち、図11は広角端における諸収差図であり、図12は中間焦点距離状態における諸収差図であり、図13は望遠端における諸収差図である。
各収差図において、FNOはFナンバーを、Aは半画角を、dはd線(λ=587.6nm)を、gはg線(λ=435.8nm)をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。
図11乃至図13を参照すると、第3実施例では、広角端から望遠端までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正されていることがわかる。すなわち、第3実施例では、変倍比が約20倍と高く、且つ広角端での画角が約65°と広いにもかかわらず、優れた結像性能が確保されていることがわかる。
【0054】
〔第4実施例〕
図14は、本発明の第4実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
図14のズームレンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、両凸レンズ、および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズから構成されている。
また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹レンズ、両凹レンズ、両凹レンズ、および両凸レンズから構成されている。
【0055】
さらに、第3レンズ群G3は、両凸レンズから構成されている。
また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの貼り合わせレンズから構成されている。
さらに、第5レンズ群G5は、物体側から順に、両凹レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの貼り合わせレンズから構成されている。
また、第6レンズ群G6は、物体側から順に、両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの貼り合わせレンズ、および両凸レンズから構成されている。
なお、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間には、開口絞りSPが設けられている。
【0056】
第4実施例では、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔は拡大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔は縮小し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔は拡大し、第4レンズ群と第5レンズ群との空気間隔は拡大し、第5レンズ群と第6レンズ群との空気間隔は縮小するように、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第5レンズ群G5および第6レンズ群G6が図14に示す軌道に沿って移動する。なお、第1レンズ群G1および第4レンズ群G4は、変倍に際して固定である。
また、第4レンズ群G4および第6レンズ群G6を物体側へ繰り出すことにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行っている。
【0057】
次の表(4)に、本発明の第4実施例の諸元の値を掲げる。表(4)において、fは焦点距離を、FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォーカスをそれぞれ表している。また、表(4)において、面番号は物体側からのレンズ面の順序を、rはレンズ面の曲率半径を、dはレンズ面の間隔を、νおよびnはd線(λ=587.6nm)に対するアッベ数および屈折率をそれぞれ示している。
【0058】
なお、表(4)の(合焦におけるフォーカシング移動量)において、βは倍率を、d0は物体距離(物体と最も物体側のレンズ面との軸上距離)を、δ4およびδ6は無限遠物体から近距離物体への合焦に伴う第4レンズ群G4および第6レンズ群G6のフォーカシング移動量を示している。ここで、フォーカシング移動量δ4およびδ6は、像側への移動量を正の値とし、物体側への移動量を負の値としている。
また、表(4)の(条件式対応値)において、βiw、βimおよびβitは、広角端、中間焦点距離状態および望遠端での第iレンズ群の結像倍率をそれぞれ示している。さらに、β34w 、β34m およびβ34t は、広角端、中間焦点距離状態および望遠端での第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との合成結像倍率をそれぞれ示している。
【0059】
【表4】
Figure 0003932062
Figure 0003932062
Figure 0003932062
【0060】
図15乃至図17は、第4実施例の諸収差図である。すなわち、図15は広角端における諸収差図であり、図16は中間焦点距離状態における諸収差図であり、図17は望遠端における諸収差図である。
各収差図において、FNOはFナンバーを、Aは半画角を、dはd線(λ=587.6nm)を、gはg線(λ=435.8nm)をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。
図15乃至図17を参照すると、第4実施例では、広角端から望遠端までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正されていることがわかる。すなわち、第4実施例では、変倍比が約26倍と高く、且つ広角端での画角が約71°と広いにもかかわらず、優れた結像性能が確保されていることがわかる。
【0061】
〔第5実施例〕
図18は、本発明の第5実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
図18のズームレンズにおいて、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、両凸レンズ、および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズから構成されている。
また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ、両凹レンズ、および物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズから構成されている。
【0062】
さらに、第3レンズ群G3は、両凸レンズから構成されている。
また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの貼り合わせレンズから構成されている。
さらに、第5レンズ群G5は、物体側から順に、両凹レンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの貼り合わせレンズから構成されている。
また、第6レンズ群G6は、物体側から順に、両凸レンズ、および物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズとの貼り合わせレンズから構成されている。
なお、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間には、開口絞りSPが設けられている。
【0063】
第5実施例では、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔は拡大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔は縮小し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔は拡大し、第4レンズ群と第5レンズ群との空気間隔は拡大し、第5レンズ群と第6レンズ群との空気間隔は縮小するように、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、第5レンズ群G5および第6レンズ群G6が図18に示す軌道に沿って移動する。なお、第1レンズ群G1および第4レンズ群G4は、変倍に際して固定である。
また、第5レンズ群G5を像側へ移動させるとともに第6レンズ群G6を物体側へ繰り出すことにより、無限遠物体から近距離物体への合焦を行っている。
【0064】
次の表(5)に、本発明の第5実施例の諸元の値を掲げる。表(5)において、fは焦点距離を、FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォーカスをそれぞれ表している。また、表(5)において、面番号は物体側からのレンズ面の順序を、rはレンズ面の曲率半径を、dはレンズ面の間隔を、νおよびnはd線(λ=587.6nm)に対するアッベ数および屈折率をそれぞれ示している。
【0065】
なお、表(5)の(合焦におけるフォーカシング移動量)において、βは倍率を、d0は物体距離(物体と最も物体側のレンズ面との軸上距離)を、δ5およびδ6は無限遠物体から近距離物体への合焦に伴う第5レンズ群G5および第6レンズ群G6のフォーカシング移動量を示している。ここで、フォーカシング移動量δ5およびδ6は、像側への移動量を正の値とし、物体側への移動量を負の値としている。
また、表(5)の(条件式対応値)において、βiw、βimおよびβitは、広角端、中間焦点距離状態および望遠端での第iレンズ群の結像倍率をそれぞれ示している。さらに、β34w 、β34m およびβ34t は、広角端、中間焦点距離状態および望遠端での第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との合成結像倍率をそれぞれ示している。
【0066】
【表5】
Figure 0003932062
Figure 0003932062
Figure 0003932062
【0067】
図19乃至図21は、第5実施例の諸収差図である。すなわち、図19は広角端における諸収差図であり、図20は中間焦点距離状態における諸収差図であり、図21は望遠端における諸収差図である。
各収差図において、FNOはFナンバーを、Aは半画角を、dはd線(λ=587.6nm)を、gはg線(λ=435.8nm)をそれぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。
図19乃至図21を参照すると、第5実施例では、広角端から望遠端までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正されていることがわかる。すなわち、第5実施例では、変倍比が約20倍と高く、且つ広角端での画角が約63°と広いにもかかわらず、優れた結像性能が確保されていることがわかる。
【0068】
【効果】
以上説明したように、本発明によれば、高画角化および高変倍化を確保しながらも高い光学性能を有する小型のズームレンズを実現することができる。特に、本発明では、歪曲収差や諸収差を良好に補正することが可能になり、広画角化と高変倍化とを更に進めることができる。また、合焦方式としてリアフォーカス方式を採用することにより、第1レンズ群のレンズ径の小型化が可能になり、レンズ系全体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のズームレンズの屈折力配置および構成的特徴を示す図であって、(a)および(b)は広角側および望遠側における屈折力配置を、(c)および(d)は広角側および望遠側における構成的特徴を示している。
【図2】本発明の第1実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図3】第1実施例の広角端における諸収差図である。
【図4】第1実施例の中間焦点距離状態における諸収差図である。
【図5】第1実施例の望遠端における諸収差図である。
【図6】本発明の第2実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図7】第2実施例の広角端における諸収差図である。
【図8】第2実施例の中間焦点距離状態における諸収差図である。
【図9】第2実施例の望遠端における諸収差図である。
【図10】本発明の第3実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図11】第3実施例の広角端における諸収差図である。
【図12】第3実施例の中間焦点距離状態における諸収差図である。
【図13】第3実施例の望遠端における諸収差図である。
【図14】本発明の第4実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図15】第4実施例の広角端における諸収差図である。
【図16】第4実施例の中間焦点距離状態における諸収差図である。
【図17】第4実施例の望遠端における諸収差図である。
【図18】本発明の第5実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図19】第5実施例の広角端における諸収差図である。
【図20】第5実施例の中間焦点距離状態における諸収差図である。
【図21】第5実施例の望遠端における諸収差図である。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
G4 第4レンズ群
G5 第5レンズ群
G6 第6レンズ群
SP 開口絞り

Claims (10)

  1. 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と、正の屈折力を有する第6レンズ群G6とを備え、
    広角端から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群G1と前記第2レンズ群G2との空気間隔は拡大し、前記第2レンズ群G2と前記第3レンズ群G3との空気間隔は縮小し、前記第3レンズ群G3と前記第4レンズ群G4との空気間隔は拡大し、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との空気間隔は拡大し、前記第5レンズ群と前記第6レンズ群との空気間隔は縮小し、
    広角端における前記第3レンズ群G3と前記第4レンズ群G4との合成結像倍率β 34w が、
    0.3<|β 34w |<0.7
    の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
  2. 前記第3レンズ群G3、前記第4レンズ群G4、前記第5レンズ群G5および前記第6レンズ群G6のうちの少なくとも1つのレンズ群を光軸に沿って移動させることによって、物体への合焦を行うことを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
  3. 前記第6レンズ群G6だけを光軸に沿って移動させることによって、物体への合焦を行うことを特徴とする請求項2に記載のズームレンズ。
  4. 前記第1レンズ群G1は、変倍に際して固定であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  5. 前記第4レンズ群G4は、変倍に際して固定であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  6. 前記第1レンズ群G1の焦点距離をf1とし、前記第2レンズ群G2の焦点距離をf2としたとき、
    5.0<|f1/f2|<7.0
    の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  7. 前記第3レンズ群G3と前記第4レンズ群G4との合成結像倍率β34が、変倍域の全体に亘って、
    β34<0
    の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  8. 前記第3レンズ群G3の焦点距離をf3とし、前記第4レンズ群G4の焦点距離をf4としたとき、
    0.3<f3/f4<2.5
    の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  9. 前記第5レンズ群G5の焦点距離をf5とし、前記第6レンズ群G6の焦点距離をf6としたとき、
    0.6<|f5/f6|<1.3
    の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のズームレンズ。
  10. 前記第1レンズ群G1、前記第2レンズ群G2、および前記第3レンズ群G3を前群とし、前記第4レンズ群G4、前記第5レンズ群G5、および前記第6レンズ群G6を後群とし、広角端における前記前群の合成焦点距離をf 123w 、広角端における前記後群の合成焦点距離をf 456w としたとき、
    0.25<f 123w /f 456w <1.5
    の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のズームレンズ。
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