JP3926213B2 - 床暖房設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主暖房対象空間と副暖房対象空間との夫々に熱媒体流通管が装備された床暖房パネルが設けられ、熱源からの熱媒体が前記熱媒体流通管に循環流動されるように構成されている床暖房設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のような床暖房設備は、図5に示すように、リビングや和室の主暖房対象空間K1と台所や廊下などの副暖房対象空間K2との夫々の床面に床暖房パネルPを設けて、その床暖房パネルPの熱媒体流通管31に熱源Gから熱媒体としての温水を循環供給することにより、主暖房対象空間K1および副暖房対象空間K2を暖房するものである。
そして、従来では、熱源Gが主暖房対象空間K1と副暖房対象空間K2とに独立して熱媒体を循環供給するように、主暖房対象空間K1に設置される床暖房パネルPと副暖房対象空間K2に設置される床暖房パネルPとの夫々が各別に熱源Gに接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の床暖房設備では、主暖房対象空間に設置される床暖房パネルと副暖房対象空間に設置される床暖房パネルとの夫々が各別に熱源に接続されているために、主暖房対象空間に設置される床暖房パネルにも、副暖房対象空間に設置される床暖房パネルにも、熱源から熱媒体を一律に循環供給されるので、余剰な暖房コストがかかる虞がある。
すなわち、副暖房対象空間は、主暖房対象空間に比べて、使用者が長時間存在する可能性が低く、主暖房対象空間に供給される熱媒体の温度と同様の温度の熱媒体を副暖房対象空間にも供給すると、副暖房対象空間では余剰な暖房が行われることとなって、余剰な暖房コストがかかることになる。
【0004】
また、上記従来の床暖房設備では、熱源からの熱媒体の供給を開始させたり、熱源からの熱媒体の供給を停止させたり、熱源からの熱媒体の供給状態を制御する制御装置が、主暖房対象空間にも、副暖房対象空間にも、夫々別々に必要となり、設備コストの増大を招くとともに、主暖房対象空間の制御装置と副暖房対空間の制御装置との夫々について、熱媒体の供給を開始するまたは停止するなどの指令を与える操作をしなければならず、主暖房対象空間および副暖房対空間を暖房する際の操作が手間のかかるものとなる。
【0005】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、余剰なコストの削減、設備コストの低減、および、主暖房対象空間および副暖房対空間を暖房する際の操作の簡素化を図りながら、主暖房対象空間および副暖房対象空間を暖房することが可能となる床暖房設備を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、主暖房対象空間と副暖房対象空間との夫々に熱媒体流通管が装備された床暖房パネルが設けられ、熱源からの熱媒体が前記熱媒体流通管に循環流動されるように構成されている床暖房設備において、
前記床暖房パネルとして、前記主暖房対象空間に設置される主床暖房パネルと前記副暖房対象空間に設置される副床暖房パネルとが設けられ、前記熱源からの熱媒体を前記主床暖房パネルの熱媒体流通管、前記副床暖房パネルの熱媒体流通管の順に流動させるように、前記主床暖房パネル、前記副床暖房パネル、および、前記熱源が接続されている。
【0007】
すなわち、熱源からの熱媒体は、まず、主暖房対象空間に設置される主床暖房パネルの熱媒体流通管を通流することにより、主床暖房パネルの表面を加熱し、次に、副暖房対象空間に設置される副床暖房パネルの熱媒体流通管を通流することにより、副床暖房パネルの表面を加熱し、その後、熱源に戻ることになる。
そして、熱媒体は通流に伴う放熱によって温度が低下するものとなるが、主床暖房パネルでは放熱前の十分高温な熱媒体が熱源より供給されることになり、副床暖房パネルでは主床暖房パネルにて放熱後の低温の熱媒体が供給されることとなる。
したがって、熱源から副暖房対象空間よりも先に熱媒体が供給される主暖房対象空間では、使用者が快適感を得られる温度まで暖房することができ、しかも、副暖房対象空間では、主暖房対象空間よりも低い温度となるように暖房することができるので、使用者が存在する可能性の高い主暖房対象空間では、使用者が求める所望の暖房効果を得ながら、使用者が存在する可能性の低い副暖房対象空間でも、主暖房対象空間ほど高温ではないものの、暖房効果を得ることができることになる。
【0008】
しかも、熱源からの熱媒体の供給を開始することにより、熱源からの熱媒体が、主床暖房パネルの熱媒体流通管、副床暖房パネルの熱媒体流通管の順に流動することになり、熱源からの熱媒体の供給を停止することにより、熱源からの熱媒体が、主床暖房パネルの熱媒体流通管および副床暖房パネルの熱媒体流通管のいずれに対しても供給が停止することになる。
したがって、熱源からの熱媒体の供給状態を制御する制御装置は、主暖房対象空間と副暖房対象空間とを兼用することができることになり、床暖房設備として設ける制御装置の数を削減でき、主暖房対象空間と副暖房対象空間とを兼用した制御装置に対して熱媒体の供給を開始するまたは停止するなどの指令を与える操作をするだけで主暖房対象空間および副暖房対象空間を暖房することができることになる。
【0009】
以上のことから、主暖房対象空間では、使用者が求める所望の暖房効果を得ながら、副暖房対象空間では、余剰な暖房を防止しながらも、暖房効果を得ることができることとなり、しかも、主暖房対象空間と副暖房対象空間の兼用の制御装置に対して指令を与える操作を行うだけで、主暖房対象空間および副暖房対象空間を暖房することができることとなって、余剰なコストの削減、設備コストの低減、および、主暖房対象空間および副暖房対空間を暖房する際の操作の簡素化を図りながら、主暖房対象空間および副暖房対象空間を暖房することが可能となる床暖房設備を提供できるに至った。
また、請求項1に記載の発明によれば、前記主床暖房パネルとして、前記主暖房対象空間の中央部分に設置される主パネル部分とその主パネル部分の周囲の全周囲または一部に配置される副パネル部分とが設けられ、前記熱源からの熱媒体を前記主パネル部分の熱媒体流通管、前記副パネル部分の熱媒体流通管の順に流動させるように、前記主パネル部分、前記副パネル部分、および、前記熱源が接続されている。
すなわち、主暖房対象空間のうち、使用者が存在する可能性の高い中央部分に主パネル部分を設置し、その主パネル部分の側脇部として、主パネル部分の側周部の全周や一部など、主パネル部分の周囲のうち、全周囲または一部に副パネル部分を設置することにより、暖房対象空間の床面に全体的に床暖房パネルを敷設することになる。
ちなみに、副パネル部分を主パネル部分の周囲のうち、一部に設置する場合には、主パネル部分の周囲のうち、残りの部分にダミーパネルを設置することにより、副パネル部分およびダミーパネルにて主パネル部分の周囲の全周囲を覆うようにする。
熱源からの熱媒体は、まず、主暖房対象空間の中央部分に設置された主パネル部分の熱媒体流通管を通流することにより、主パネル部分の表面を加熱し、次に、主パネル部分の側周部の全周や一部に設置された副パネル部分の熱媒体流通管を通流することにより、副パネル部分の表面を加熱し、その後、熱源に戻ることになる。
そして、熱媒体は通流に伴う放熱によって温度が低下するものとなるが、主パネル部分では放熱前の十分高温な熱媒体が熱源より供給されることになる。
したがって、熱源からの熱媒体が副パネル部分よりも先に供給される主パネル部分では、使用者が快適感を得られる温度まで表面温度を高くすることができ、しかも、主パネル部分と副パネル部分とによって主暖房対象空間の床面の全体にわたって表面温度を上昇させることができることになるので、主パネル部分が設置された使用者が存在する可能性の高い空間では、快適な暖房効果を得ながら、主暖房対象空間の床面温度の温度バリアフリーを実現することができることになる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、前記主床暖房パネルの熱媒体流通管が、パネル全体にわたって分散配置した熱媒体往動通流用の往路部分と、その往路部分の端部から連なり前記往路部分に対し熱媒体通流方向が逆方向になる状態で並んで配置される熱媒体復動通流用の復路部分とを備えるように構成され、前記復路部分を通流した熱媒体を前記副床暖房パネルに導入するように構成されている。
【0011】
すなわち、主床暖房パネルの熱媒体流通管に供給される熱媒体は、まず、往路部分を通流して主床暖房パネルのパネル全体にわたって往動通流し、次に、往路部分に対し熱媒体通流方向が逆方向になる状態で並んで配置される復路部分を通流して主床暖房パネルのパネル全体にわたって復動通流し、その後、副床暖房パネルの熱媒体流通管に供給されることになる。
そして、熱媒体は通流に伴う放熱によって温度低下するものとなるが、主床暖房パネルにおいては、順次温度が高温から低温に移行する往路部分と、順次温度が高温から低温に移行する復路部分とが、流れ方向が逆になる状態で並ぶため、主床暖房パネルの各部への放熱量を均一化し易いものとなっている。
したがって、熱媒体流通管の往路部分および復路部分を通流する熱媒体により、主床暖房パネルのパネル全体にわたって表面温度を均一にすることができることになって、使用者が存在する可能性の高い主暖房対象空間では、パネルが敷設された床面全体にわたって均一に暖房することができることになる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、前記主床暖房パネルにおける前記熱媒体流通管の設置密度が、前記副床暖房パネルにおける前記熱媒体流通管の設置密度よりも大きくなるように構成されている。
【0013】
すなわち、熱媒体流通管の設置密度とは、単位面積当たりに熱媒体流通管が占める度合いを示したものであり、その熱媒体流通管の設置密度が、主床暖房パネルの方が副床暖房パネルよりも大きくなるように構成することにより、主床暖房パネルは、副床暖房パネルよりも、熱媒体流通管が密集した状態で設けられることになる。
したがって、主床暖房パネルにおいては、熱媒体流通管を密集した状態で設けることにより、表面温度を使用者が快適感を得られる温度まで的確に上昇させることができることとなって、使用者が存在する可能性の高い主暖房対象空間では、所望の暖房効果を的確に得ることができることになる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、前記主床暖房パネルを通流した熱媒体を前記副床暖房パネルを通流させて前記熱源に戻す併用通流状態と、前記主床暖房パネルを通流した熱媒体を前記副床暖房パネルをバイパスして前記熱源に戻す単独通流状態とに切換自在な通流状態切換手段が設けられている。
【0015】
すなわち、手動操作や切換指令が指令されるなどによって、通流状態切換手段を併用通流状態と単独通流状態とに切り換えることにより、熱源からの熱媒体を主床暖房パネルの熱媒体流通管と副床暖房パネルの熱媒体流通管の両方に通流させる状態と、熱源からの熱媒体を主床暖房パネルの熱媒体流通管のみに通流させる状態とに切り換えることになる。
したがって、使用者が手動操作や切換指令を指令することにより、主床暖房パネルと副床暖房パネルとの両方にて、暖房対象空間の全体にわたって暖房する状態と、主床暖房パネルのみにて、暖房対象空間の一部を集中して暖房する状態とに切り換えることができることになって、使用者の意図に応じた状態で暖房対象空間を暖房することができることになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる床暖房設備について図面に基づいて説明する。
参考実施形態〕
この床暖房設備は、図1および図2に示すように、リビングや和室などの主暖房対象空間K1と台所や廊下などの副暖房対象空間K2の夫々の床面に設置される床暖房パネル1,2と、その床暖房パネル1,2の熱媒体流通管3,4に熱媒体としての温水を循環流動させる熱源としての熱源機Gとを備えて構成されている。
前記床暖房パネル1,2として、主暖房対象空間K1に設置される主床暖房パネル1と、副暖房対象空間K2に設置される副床暖房パネル2とが設けられ、主床暖房パネル1および副床暖房パネル2に熱媒体流通管3,4が装備されている。
【0021】
前記熱源機Gからの温水を主床暖房パネル1の熱媒体流通管3、副床暖房パネル2の熱媒体流通管4の順に流動させるように、主床暖房パネル1、副床暖房パネル2、および、熱源機Gが接続されている。
すなわち、熱源機Gから温水を供給する側が、主床暖房パネル1の熱媒体流通管3の入口側に接続され、主床暖房パネル1の熱媒体流通管3の出口側が、副床暖房パネル2の熱媒体流通管4の入口側に接続され、副床暖房パネル2の熱媒体流通管4の出口側が、熱源機Gに温水を戻す側に接続されている。
【0022】
ちなみに、図1では、熱源機G、主床暖房パネル1、副床暖房パネル2の接続は2系統に分けて接続され、ひとつは、熱源機Gと、リビングに設置された主床暖房パネル1と、台所に設置された副床暖房パネル2とを接続し、もうひとつは、熱源機Gと、和室に設置された主床暖房パネル1と、廊下に設置された副床暖房パネル2とを接続するようにしている。
図2は、図1において、熱源機Gと、リビングに設置された主床暖房パネル1と、台所に設置された副床暖房パネル2とを取り出した状態での拡大平面図を示している。
【0023】
以下、主床暖房パネル1および副床暖房パネル2の構成について説明するが、主床暖房パネル1は、リビングに設置するものも、和室に設置するものも、形状が異なる以外は同様の構成をしており、副床暖房パネル2は、台所に設置するものも、廊下に設置するものも、形状が異なる以外は同様の構成をしているので、以下、図2に示すように、一方の主床暖房パネル1および副床暖房パネル2について説明し、他方の主床暖房パネル1および副床暖房パネル2については説明を省略する。
【0024】
前記主床暖房パネル1は、図2に示すように、主暖房対象空間K1の中央部分に設置され、主直線用基材5の複数枚と、主直線用基材5の幅のほぼ2倍の幅を備えた幅広の主湾曲用基材6の複数枚と、主直線用基材5の幅とほぼ同じ幅を備えた幅狭の主湾曲用基材7とから構成され、主直線用基材5、幅広の主湾曲用基材6、および、幅狭の主湾曲用基材7の夫々には、熱媒体流通管3を配設するための上方が開口した凹入状の主溝部8が形成されている。
そして、主直線用基材5、幅広の主湾曲用基材6、および、幅狭の主湾曲用基材7の夫々は、厚みが同じで、例えば、ポリエチレン発泡体などの発泡体にて構成され、熱媒体流通管3を配設するための溝部の形状が異なる複数の矩形基材を並べることにより、主床暖房パネル1を構成している。
ちなみに、主暖房対象空間K1において、主床暖房パネル1の側周部の全周にわたってダミーパネルBを配置するようにしている。
【0025】
前記主床暖房パネル1は、主直線用基材5の長さ方向(図2中Y方向)に隣接させた2つの主直線用基材5を、その幅方向(図2中X方向)を同一方向として、複数の主直線用基材5を互いに隣接するように配置し、主直線用基材5の長さ方向(図2中Y方向)の両端部に幅広の主湾曲用基材6を配置して構成されている。
前記幅狭の主湾曲用基材7は、主直線用基材5の長さ方向(図2中Y方向)の一端部で、かつ、主直線用基材5の幅方向(図2中X方向)の一端部に配置されている。
ちなみに、主床暖房パネル1において、幅狭の主湾曲用基材7の配置位置と対向する端部には、熱媒体流通管3の入口部分および出口部分を配管するように、他の主直線用基材5よりも長さが長い接続用の主直線用基材5aが配置されている。
【0026】
前記主直線用基材5および前記主湾曲用基材6,7の幅方向に隣接する形態で木製の小根太9が設けられ、この小根太9は、幅が同じで長さが異なる複数の板体を主直線用基材5および主湾曲用基材6,7の幅方向に並べて構成されている。
ちなみに、小根太9として、主直線用基材5と同じ長さを備えた長尺の板体と、その長尺の板体よりも短くて主湾曲用基材6,7と同じ長さを備えた中尺の板体と、その中尺の板体よりも短い長さを備えた短尺の板体とが設けられ、長尺の板体を主直線用基材5の間に設置し、中尺の板体を幅広の主湾曲用基材6どうしの間または幅広の主湾曲用基材6と幅狭の主湾曲用基材7の間に設置し、短尺の板体を幅広の主湾曲用基材6の中央部分に設置するようにしている。
【0027】
前記主溝部8は、主直線用基材5に形成された直線状の主直線溝部8aと、幅広の湾曲用基材6に形成された湾曲状の主湾曲溝部8bと、幅狭の湾曲用基材7に形成された湾曲状の主湾曲溝部8cとから構成され、主直線溝部8a、主湾曲溝部8b、および、主湾曲溝部8cにわたって熱媒体流通管3を配管するように構成されている。
前記主湾曲溝部8bは、主直線用基材5の幅方向に隣接する主直線用基材5に形成された主直線溝部8aにわたって熱媒体流通管3を配管するように構成されている。
前記主湾曲溝部8cは、同じ主直線用基材5に形成された主直線溝部8aにわたって熱媒体流通管3を配管するように構成されている。
【0028】
前記主床暖房パネル1の熱媒体流通管3は、一般的に架橋ポリエチレン管やポリブテン樹脂管など可撓性のあるものが使用され、接続部のない管により構成されている。
そして、主床暖房パネル1の熱媒体流通管3は、主直線溝部8aおよび主湾曲溝部8bにわたって蛇行状に配管されて主湾曲溝部8cに連なる熱媒体往動通流用の往路部分3aと、主湾曲溝部8cから連なり主直線溝部8aおよび主湾曲溝部8bにわたって蛇行状に配管される熱媒体復動通流用の復路部分3bとを備えるように構成されている。
すなわち、主床暖房パネル1の熱媒体流通管3は、パネル全体にわたって分散配置した往路部分3aと、その往路部分3aの端部から連なり往路部分3aに対し熱媒体通流方向が逆方向になる状態で並んで配置される、すなわち往路部分3aの端部から連なり往路部分3aと平行またはほぼ平行な姿勢で配置される復路部分3bとを備えて構成され、往路部分3aと復路部分3bとを主床暖房パネル用間隔D1を隔てて隣接する状態で配置するようにしている。
【0029】
前記副床暖房パネル2は、副直線用基材10と、副直線用基材10の幅とほぼ同じ幅を備えた副円弧用基材11の複数枚と、副直線用基材10の幅とほぼ同じ幅を備えた副湾曲用基材12とから構成され、副直線用基材10、副円弧用基材11、および、副湾曲用基材12の夫々には、熱媒体流通管4を配設するための上方が開口した凹入状の副溝部13が形成されている。
そして、副直線用基材10、副円弧用基材11、および、副湾曲用基材12の夫々は、同じ厚みで、例えば、木製にて構成され、熱媒体流通管4を配設するための溝部の形状が異なる複数の矩形基材板状を並べることにより、副床暖房パネル2を構成している。
【0030】
前記副溝部13は、副直線用基材10に形成された直線状の副直線溝部13aと、副円弧用基材11に形成された円弧状の副円弧溝部13bと、副湾曲用基材12に形成された湾曲状の副湾曲溝部13cとから構成され、副直線溝部13a、副円弧溝部13b、および、副湾曲溝部13cにわたって熱媒体流通管4を配管するように構成されている。
【0031】
前記副床暖房パネル2の熱媒体流通管4も、主床暖房パネル1の熱媒体流通管3と同様に、一般的に架橋ポリエチレン管やポリブテン樹脂管など可撓性のあるものが使用され、接続部のない管により構成されている。
そして、副床暖房パネル2の熱媒体流通管4は、副直線溝部13aおよび副円弧溝部13bにわたって配管されて副湾曲溝部13cに連なる熱媒体往動通流用の往路部分4aと、副湾曲溝部13cから連なり副直線溝部13aおよび副円弧溝部13bにわたって配管される熱媒体復動通流用の復路部分4bとを備えるように構成され、往路部分4aと復路部分4bとを副床暖房パネル用間隔D2を隔てて隣接する状態で配置するようにしている。
【0032】
前記主床暖房パネル1の熱媒体流通管3は、主床暖房パネル用間隔D1を隔てて隣接する状態で配置され、副床暖房パネル2の熱媒体流通管4は、主床暖房パネル用間隔D1よりも大きい副床暖房パネル用間隔D2を隔てて隣接する状態で配置されて、主床暖房パネル1における熱媒体流通管3の設置密度が、副床暖房パネル2における熱媒体流通管4の設置密度よりも大きくなるように構成されている。
ちなみに、主床暖房パネル1では、小根太9を、例えば、主直線基材5の幅方向(図2中X方向)に303mmの間隔を隔てて配置し、その小根太9間に熱媒体流通管3を2本配置させるようにして、主床暖房パネル用間隔D1を、例えば、150mmとし、副床暖房パネル用間隔D2を、例えば、200〜300mmとしている。
【0033】
前記主床暖房パネル1および副床暖房パネル2の夫々には、主床暖房パネル1、副床暖房パネル2、および、熱源機Gを接続するための接続用基材14,15が備えられ、この接続用基材14,15にも、上方が開口した凹入状の接続溝部16,17が形成されている。
【0034】
そして、主床暖房パネル1の接続用基材14に形成された接続溝部16に、主床暖房パネル1の熱媒体流通管3の入口部分および出口部分を配管させて、主床暖房パネル1の熱媒体流通管3と副床暖房パネル2の熱媒体流通管4とを接続するように構成されている。
また、副床暖房パネル2の接続用基材15に形成された接続溝部17は、直線状の供給用溝部17aと、L字状の中継用溝部17bと、L字状の戻し用溝部17cと、中継用溝部17bと戻し用溝部17cとを接続する直線状のバイパス用溝部17dなどから構成されている。
そして、供給用溝部17a、中継用溝部17b、戻し用溝部17c、および、バイパス用溝部17dは、熱源機Gと副床暖房パネル2を接続する管部分、および、副床暖房パネル2と主床暖房パネル1とを接続する管部分を配管するように構成されている。
【0035】
ちなみに、図示は省略しているが、熱源機Gと副床暖房パネル2を接続する接続管、および、副床暖房パネル2と主床暖房パネル1とを接続する接続管などの各接続管として、直線状やT字状などの各種形状の接続管が設けられ、これらの接続管を接続溝部17に配管するように構成されている。
【0036】
前記バイパス溝部17dと戻し溝部17cとの接続箇所には、熱源機Gからの温水を主床暖房パネル1および副床暖房パネル2の両方に通流させて熱源機Gに戻す併用通流状態と、熱源機Gからの温水を主床暖房パネル1のみに通流させて熱源機Gに戻す単独通流状態とに切換自在な通流状態切換手段としての通流状態切換体18が配設されている。
すなわち、通流状態切換体18は、使用者による手動操作や、図外のリモコンからの切換指令により、主床暖房パネル1を通流した温水を副床暖房パネル2を通流させて熱源機Gに戻す併用通流状態と、主床暖房パネル1を通流した温水を副床暖房パネル2をバイパスして熱源機Gに戻す単独通流状態とに切り換えるように構成されている。
【0037】
以上のように構成された床暖房設備にて、主暖房対象空間K1および副暖房対象空間K2を暖房する場合について説明を加える。
ちなみに、この床暖房設備では、図示はしないが、熱源機Gからの温水の供給を開始したり、熱源機Gからの温水の供給を停止するなど、熱源機Gからの温水の供給状態を制御する主暖房対象空間K1と副暖房対象空間K2の兼用の制御装置が設けられ、図外のリモコンにて熱源機Gからの温水の供給を開始するまたは停止する指令を与えることによって、主暖房対象空間K1および副暖房対象空間K2を暖房するようにしている。
【0038】
まず、主床暖房パネル1および副床暖房パネル2にて主暖房対象空間K1および副暖房対象空間K2を暖房するときについて説明すると、手動操作あるいは図外のリモコンにて併用通流状態用の切換指令を指令することにより、通流状態切換体18を併用通流状態に切り換える。
熱源機Gからの温水は、まず、主床暖房パネル1の熱媒体流通管3に供給され、その熱媒体流通管3における往路部分3aおよび復路部分3bを通流される。そして、主床暖房パネル1を通流した温水は、通流状態切換体18の作用により、副床暖房パネル2の熱媒体流通管4に供給され、その熱媒体流通管4における往路部分4aおよび復路部分4bを通流したのち、熱源機Gに戻される。
【0039】
このようにして、熱源機Gからの温水を、主床暖房パネル1の熱媒体流通管3、副床暖房パネル2の熱媒体流通管4の順に通流させたのち、熱源機Gに戻すことにより、主床暖房パネル1のパネル全体にわたって表面温度を使用者が快適感を感じる温度まで上昇させて、主暖房対象空間K1では、所望の暖房効果を得るようにするとともに、副床暖房パネル2の表面温度を主床暖房パネル1の表面温度よりも低い温度まで上昇させて、副暖房対象空間K2では、余剰な暖房を防止しながら、暖房効果を得るようにしている。
【0040】
次に、主床暖房パネル1にて主暖房対象空間K1のみを暖房するときについて説明すると、手動操作あるいは図外のリモコンにて単独通流状態用の切換指令を指令することにより、通流状態切換体18を単独通流状態に切り換える。
熱源機Gからの温水は、まず、主床暖房パネル1の熱媒体流通管3に供給され、その熱媒体流通管3における往路部分3aおよび復路部分3bを通流される。そして、主床暖房パネル1を通流した温水は、通流状態切換体18の作用により、副床暖房パネル2をバイパスして熱源機Gに戻される。
【0041】
このようにして、熱源機Gからの温水を、主床暖房パネル1の熱媒体流通管3を通流させたのち、熱源機Gに戻すことにより、主床暖房パネル1のパネル全体にわたって表面温度を使用者が快適感を感じる温度まで上昇させて、主暖房対象空間K1のみを集中して暖房するようにしている。
【0042】
本発明の実施形態〕
この本発明の実施形態は、上記参考実施形態における主暖房対象空間K1に設置される主床暖房パネル1の別実施形態を示すものであり、その他の構成については、上記参考実施形態と同様であるので、同符号を記すなどにより省略し、上記参考実施形態と異なる構成について説明する。
【0043】
この本発明の実施形態では、図3および図4に示すように、主床暖房パネル1として、主パネル部分1aとその主パネル部分1aの側脇部に設置される副パネル部分1bとが設けられ、主パネル部分1aの側周部の全周にわたって副パネル部分1bを配置するようにしている。
ちなみに、図4は、図3において、熱源機Gと、リビングに設置された主床暖房パネル1と、台所に設置された副床暖房パネル2とを取り出した状態での拡大平面図を示している。
【0044】
すなわち、上記参考実施形態における床暖房パネル1を主パネル部分1aとし、その主パネル部分1aに加えて、その主パネル部分1aの側周部の全周にわたって設置される副パネル部分1bを設けることにより、主パネル部分1aと副パネル部分1bにより主床暖房パネルを構成するようにしている。
以下、この本発明の実施形態について説明するが、主パネル部分1aは上記参考実施形態における主床暖房パネル1であるので、副パネル部分1bを中心に説明する。
【0045】
前記副パネル部分1bは、主パネル部分1aの側周部の全周にわたって設置され、副パネル直線用基材19の複数枚と、副パネル直線用基材19の幅とほぼ同じ幅を備えた副パネル円弧用基材20の複数枚と、副パネル直線用基材19の幅とほぼ同じ幅を備えた副パネル湾曲用基材21とから構成され、副パネル直線用基材19、副パネル円弧用基材20、および、副パネル湾曲用基材21の夫々には、熱媒体流通管3を配設するための上方が開口した凹入状の副パネル溝部22が形成されている。
そして、副パネル直線用基材19、副パネル円弧用基材20、および、副パネル湾曲用基材21の夫々は、同じ厚みで、例えば、木製にて構成され、熱媒体流通管3を配設するための溝部の形状が異なる複数の矩形基材を並べることにより、副パネル部分1bを構成している。
【0046】
前記副パネル部分1bは、主パネル部分1aの四隅部に副パネル円弧用基材20および副パネル湾曲用基材21を配置させ、副パネル円弧用基材20と副パネル湾曲用基材21の間および副パネル円弧用基材20間に副パネル直線用基材19を配置させて、副パネル直線用基材19、副パネル円弧用基材20、および、副パネル湾曲用基材21にて主パネル部分3aの側周部の全周を囲むように構成されている。
【0047】
また、熱源機Gからの温水を主パネル部分3aの熱媒体流通管1、副パネル部分3bの熱媒体流通管2の順に流動させるように、主パネル部分3a、副パネル部分3b、および、熱源機Gが接続されている。
すなわち、熱源機Gから温水を供給する側が、主パネル部分1aの熱媒体流通管3の入口側に接続され、主パネル部分1aの熱媒体流通管3の出口側が、副パネル部分1bの熱媒体流通管3の入口側に接続され、副パネル部分1bの熱媒体流通管3の出口側が、熱源機Gに温水を戻す側に接続されている。
【0048】
前記副パネル溝部22は、副パネル直線用基材19に形成された直線状の副パネル直線溝部22aと、副パネル円弧用基材20に形成された円弧状の副パネル円弧溝部22bと、副パネル湾曲用基材21に形成された湾曲状の副パネル湾曲溝部22cとから構成され、副パネル直線溝部22a、副パネル円弧溝部22b、および、副パネル湾曲溝部22cにわたって熱媒体流通管3を配管するように構成されている。
前記副パネル円弧溝部22bは、副パネル円弧用基材20に対して直交する方向に配置される副パネル直線用基材19の副パネル直線溝部22aにわたって熱媒体流通管3を配管するように構成されている。
前記副パネル湾曲溝部22cは、同じ副パネル直線用基材19に形成された副パネル直線溝部22aにわたって熱媒体流通管3を配管するように構成されている。
【0049】
前記副パネル部分3bに配管される熱媒体流通管3も、主パネル部分3aの熱媒体流通管3と同様に、パネル全体にわたって分散配置した熱媒体往動通流用の往路部分3cと、その往路部分3cの端部から連なり往路部分3cと平行またはほぼ平行な姿勢で配置される熱媒体復動通流用の復路部分3dとを備えて構成されている。
【0050】
そして、主床暖房パネル1の熱媒体流通管3は、主パネル部分1aにおいては、主床暖房パネル用間隔D1を隔てて隣接する状態で配置され、副パネル部分1bにおいては、主床暖房パネル用間隔D1よりも大きい副パネル用間隔D3を隔てて隣接する状態で配置されて、主パネル部分1aにおける熱媒体流通管3の設置密度が、副パネル部分1bにおける熱媒体流通管3の設置密度よりも大きくなるように構成されている。
ちなみに、主床暖房パネル用間隔D1を、例えば、150mmとし、副パネル用間隔D3を、例えば、200〜300mmとしている。
【0051】
前記副パネル部分1bには、熱源機Gからの温水を、主パネル部分1aの熱媒体流通管3、副パネル部分1bの熱媒体流通管3の順に流動させるように、主パネル部分1a、および、副パネル部分1bを接続するための接続用基材23が備えられ、この接続用基材23にも、上方が開口した凹入状の接続溝部24が形成されている。
【0052】
前記接続溝部24は、直線状の供給用溝部24aと、L字状の中継用溝部24bと、L字状の戻し用溝部24cと、中継用溝部24bと戻し用溝部24cとを接続する直線状のバイパス用溝部24dなどから構成されている。
そして、供給用溝部24a、中継用溝部24b、戻し用溝部24c、および、バイパス用溝部24dは、熱源機Gと主パネル部分3aを接続する管部分、主パネル部分3aと副パネル部分3bを接続する管部分、および、副パネル部分3bと熱源機Gとを接続する管部分を配管するように構成されている。
【0053】
ちなみに、図示は省略しているが、熱源機Gと主パネル部分1aを接続する接続管、主パネル部分1aと副パネル部分1bを接続する接続管、および、副パネル部分1bと熱源機Gとを接続する接続管などの各接続管として、直線状やT字状などの各種形状の接続管が設けられ、これらの接続管を接続溝部24に配管するように構成されている。
【0054】
前記バイパス溝部24dと戻し溝部24cとの接続箇所には、熱源機Gからの温水を主パネル部分1aおよび副パネル部分1bの両方に通流させて副床暖房パネル2に通流させる全体通流状態と、熱源機Gからの温水を主パネル部分1aのみに通流させて副床暖房パネル2に通流させる一部通流状態とに切換自在な主床暖房パネル用の通流状態切換体25が配設される。
前記通流状態切換体25は、使用者による手動操作や、図外のリモコンからの切換指令により、全体通流状態と一部通流状態とに切り換えられるように構成されている。
【0055】
以上のように構成された床暖房設備にて、主暖房対象空間K1および副暖房対象空間K2を暖房する場合について説明を加える。
すなわち、この本発明の実施形態では、上記参考実施形態と同様に、通流状態切換体18を併用通流状態と単独通流状態とに切り換えることにより、主暖房対象空間K1および副暖房対象空間K2の両方を暖房する状態と主暖房対象空間K1のみ暖房する状態とに切り換え可能に構成されていることに加えて、主暖房対象空間K1を暖房するときには、主パネル部分1aおよび副パネル部分1bの両方にて暖房する状態と、主パネル部分1aのみにて暖房する状態とに切り換え可能に構成されている。
【0056】
以下、主暖房対象空間K1を暖房するときについて説明を加える。
まず、主パネル部分1aおよび副パネル部分1bの両方にて主暖房対象空間K1を暖房するときには、手動操作あるいは図外のリモコンにて全体通流状態用の切換指令を指令することにより、主床暖房パネル用の通流状態切換体25を全体通流状態に切り換える。
熱源機Gからの温水は、まず、主床暖房パネル1の熱媒体流通管3のうち、主パネル部分1aの熱媒体流通管3に供給され、その熱媒体流通管3における往路部分3aおよび復路部分3bを通流される。
そして、主パネル部分1aを通流した温水は、主床暖房パネル用の通流状態切換体25の作用により、副パネル部分1bの熱媒体流通管3に供給され、その熱媒体流通管3における往路部分3cおよび復路部分3dを通流する。
【0057】
このようにして、熱源機Gからの温水を、主パネル部分1aの熱媒体流通管3、副パネル部分1bの熱媒体流通管3の順に通流させることにより、主パネル部分1aのパネル全体にわたって表面温度を使用者が快適感を感じる温度まで上昇させて、主暖房対象空間K1の中央部分では、所望の暖房効果が得られ、主パネル部分1aおよび副パネル部分1bにて主暖房対象空間K1の床面を全体的に暖房するようにしている。
【0058】
次に、主パネル部分1aのみにて主暖房対象空間K1を暖房するときには、手動操作あるいは図外のリモコンにて一部通流状態用の切換指令を指令することにより、主床暖房パネル用の通流状態切換体25を一部通流状態に切り換える。
熱源機Gからの温水は、まず、主パネル部分1aの熱媒体流通管3に供給され、その熱媒体流通管3における往路部分3aおよび復路部分3bを通流される。
そして、主パネル1aを通流した温水は、主床暖房パネル用の通流状態切換体25により、副パネル部分1bをバイパスされる。
【0059】
このようにして、熱源機Gからの温水を、主パネル部分1aの熱媒体流通管3を通流させたのち、副パネル部分1bをバイパスさせることにより、主パネル部分1aのパネル全体にわたって表面温度を使用者が快適感を感じる温度まで上昇させて、主暖房対象空間K1の中央部分を集中して暖房して、所望の暖房効果を得るようにしている。
【0060】
〔別実施形態〕
(1)上記本発明の実施形態では、主パネル部分1aの側周部の全周にわたって副パネル部分1bを配置させるようにしているが、例えば、主パネル部分1aの側周部の一部に副パネル部分1bを配置して、残りの部分には、ダミーパネルBを配置させるようにしてもよい。
すなわち、副パネル部分1bは、主パネル部分1aの側周部の全周にわたって配置するものに限らず、主パネル部分1aの側周部の一部に配置するものでもよい。
【0061】
(2)上記本発明の実施形態では、リビングに設置した主床暖房パネル1も、和室に設置した主床暖房パネル1も、主パネル部分1aおよび副パネル部分1bとから構成した例を示したが、リビングに設置した主床暖房パネル1のみ、主パネル部分1aおよび副パネル部分1bとから構成してもよい。
すなわち、複数の主床暖房パネル1を設ける場合には、複数の主床暖房パネル1の一部のみ、主パネル部分1aおよび副パネル部分1bとから構成して実施することも可能である。
【0062】
(3)上記参考および本発明の実施形態では、主床暖房パネル1の熱媒体流通管3、および、副床暖房パネル2の熱媒体流通管4は、ともに、熱媒体往動通流用の往路部分と熱媒体復動通流用の復路部分とを備えて、熱媒体流通管を往復配管するようにしているが、必ずしも熱媒体流通管を往復配管する必要はなく、また、主床暖房パネル1または副床暖房パネル2の一方のみ熱媒体流通管を往復配管することも可能である。
【0063】
(4)上記参考および本発明の実施形態では、主床暖房パネル1における熱媒体流通管3の設置密度を、副床暖房パネル2における熱媒体流通管4の設置密度よりも大きくするために、主床暖房パネル用間隔D1よりも副床暖房パネル用間隔D2を大きくしているが、このような構成に限らず、例えば、主床暖房パネル1に配管する熱媒体流通管の数を副床暖房パネル2に配管する熱媒体流通管の数よりも多くするなど、適宜変更が可能である。
また、主床暖房パネル1における熱媒体流通管3の設置密度と、副床暖房パネル2における熱媒体流通管4の設置密度とを、同様な設置密度となるようにしてもよい。
【0064】
(5)上記参考および本発明の実施形態では、併用通流状態と単独通流状態とに切換自在な通流状態切換体14を設けるようにしているが、この通流状態切換体14を設けずに、常時、併用通流状態として実施することも可能である。
【0065】
(6)上記参考および本発明の実施形態では、主床暖房パネルとして、小根太9を設ける小根太付きパネルを例示したが、小根太9を設けるものに限らず、その他の各種の床暖房パネルを適応することが可能である。
また、副床暖房パネル2についても、各種の床暖房パネルを適応することが可能である。
【0066】
(7)上記参考および本発明の実施形態では、主床暖房パネル1として、複数に分割された基材に熱媒体流通管3を配管するように構成されたパネルを例示したが、予め熱媒体流通管が装備された一体型のパネルを適応することも可能である。
副床暖房パネル2についても、複数に分割された基材に熱媒体流通管4を配管するように構成されたパネルに限らず、予め熱媒体流通管が装備された一体型のパネルを適応することも可能である。
【0067】
(8)上記参考および本発明の実施形態では、主暖房対象空間K1として、リビングや和室を例示し、副暖房対象空間K2として、台所や廊下を例示しているが、主暖房対象空間K1および副暖房対象空間K2をどの空間にするかは適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考実施形態の住居の横断平面図
【図2】 参考実施形態の主床暖房パネルおよび副床暖房パネルの平面図
【図3】 本発明の実施形態の住居の横断平面図
【図4】 本発明の実施形態の主床暖房パネルおよび副床暖房パネルの平面図
【図5】 従来技術の住居の横断平面図
【符号の説明】
1 主床暖房パネル
1a 主パネル部分
1b 副パネル部分
2 副床暖房パネル
3,4 熱媒体流通管
3a 往路部分
3b 復路部分
18 通流状態切換手段

Claims (4)

  1. 主暖房対象空間と副暖房対象空間との夫々に熱媒体流通管が装備された床暖房パネルが設けられ、熱源からの熱媒体が前記熱媒体流通管に循環流動されるように構成されている床暖房設備であって、
    前記床暖房パネルとして、前記主暖房対象空間に設置される主床暖房パネルと前記副暖房対象空間に設置される副床暖房パネルとが設けられ、
    前記熱源からの熱媒体を前記主床暖房パネルの熱媒体流通管、前記副床暖房パネルの熱媒体流通管の順に流動させるように、前記主床暖房パネル、前記副床暖房パネル、および、前記熱源が接続され、
    前記主床暖房パネルとして、前記主暖房対象空間の中央部分に設置される主パネル部分とその主パネル部分の周囲の全周囲または一部に設置される副パネル部分とが設けられ、
    前記熱源からの熱媒体を前記主パネル部分の熱媒体流通管、前記副パネル部分の熱媒体流通管の順に流動させるように、前記主パネル部分、前記副パネル部分、および、前記熱源が接続されている床暖房設備。
  2. 前記主床暖房パネルの熱媒体流通管が、パネル全体にわたって分散配置した熱媒体往動通流用の往路部分と、その往路部分の端部から連なり前記往路部分に対し熱媒体通流方向が逆方向になる状態で並んで配置される熱媒体復動通流用の復路部分とを備えるように構成され、
    前記復路部分を通流した熱媒体を前記副床暖房パネルに導入するように構成されている請求項1に記載の床暖房設備。
  3. 前記主床暖房パネルにおける前記熱媒体流通管の設置密度が、前記副床暖房パネルにおける前記熱媒体流通管の設置密度よりも大きくなるように構成されている請求項1または2に記載の床暖房設備。
  4. 前記主床暖房パネルを通流した熱媒体を前記副床暖房パネルを通流させて前記熱源に戻す併用通流状態と、前記主床暖房パネルを通流した熱媒体を前記副床暖房パネルをバイパスして前記熱源に戻す単独通流状態とに切換自在な通流状態切換手段が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の床暖房設備。
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