JP3808708B2 - 連絡管ガイド用パネルおよび床暖房用パネル - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、連絡管ガイド用パネルおよび床暖房用パネルに関する。さらに詳しくは、熱媒制御部から床暖房用パネルのパネル板に組み込まれたヘッダーに熱媒を導くための連絡管を、床暖房用パネルの設置場所の状況に応じて最適な延在方向にガイドする連絡管ガイド用パネルと、この連絡管ガイド用パネルを装備した床暖房用パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多様な床暖房技術が提案され、実用化されている。この床暖房技術の一例として、発泡合成樹脂などから調製されたパネル板に、温水などの熱媒を通す熱媒用可撓性合成樹脂管(以下、「樹脂管」ということがある)をあらかじめ埋設して構成した床暖房用パネルを建造物の床の上に敷設し、その上面にカーペットや木製化粧板などの表面被覆材を敷設して、暖房可能な床を構成するという技術が挙げられる。パネル板に埋設された樹脂管内には、熱媒制御部で適温に調温され熱媒循環ポンプなどで調圧された熱媒を循環させる。パネル板は、この熱媒を樹脂管内に循環させることによって暖められる。
【0003】
上記した熱媒制御部で調温・調圧された熱媒は、パネル板の周縁部に組み込まれたヘッダーを経由して、パネル板に埋設された樹脂管に循環されるが、この熱媒制御部とヘッダーとの間は連絡管によって接続される。連絡管には熱媒を循環させるため、建造物の床の下地面に直接配置した状態、または床面に露出した状態とするのは好ましくないので、これを保護する目的で連絡管ガイド用パネルを準備し、連絡管をこの連絡管ガイド用パネルに刻設した溝に埋設して敷設する方法が採用されている。
【0004】
上記した連絡管は、熱媒制御部とヘッダーとの間を最短距離で繋ぐように配置するのが好ましいが、実際には、熱媒制御部が設置される場所、パネル板が配置される場所、パネル板に組み込まれるヘッダーの位置、パネル板の枚数、連絡管を湾曲させる際の最小曲率半径などに応じて直線状、L字状、U字状などの種々の態様で配置される。連絡管ガイド用パネルをこのような種々の態様に対応可能にするためには、極めて多数の部材を準備しておく必要があり、製造、保管、輸送などの作業が極めて煩雑になるという問題がある。また、多数の連絡管ガイド用パネルを準備しておいても、床暖房用パネルを所定の場所に配置した後に、特殊な事情でその配置場所や配置方向を変更しなければならないことがあり、あらかじめ準備した連絡管ガイド用パネルでは対応が困難な場合もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記した状況に鑑み、熱媒接続部とヘッダーとの間に連絡管を配置する際の欠点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。本発明の目的は、次のとおりである。
1.熱媒接続部とヘッダーとの間を連絡管で繋ぐ際に、多数の部材を準備することなく連絡管を種々の態様に対応させて配置することができる、連絡管ガイド用パネルを提供すること。
2.上記連絡管ガイド用パネルを装備した床暖房用パネルを提供すること。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1発明では、パネル板表面に刻設された溝に熱媒用可撓性合成樹脂管が埋設され、このパネル板の周縁部近傍にヘッダーが組み込まれ、このヘッダーの外側近傍に、熱媒制御部に接続された連絡管をヘッダーへと導くための連絡管ガイド用パネルが装備され、ヘッダーに熱媒用可撓性合成樹脂管と連絡管とが接続されてなる床暖房用パネルにおいて、前記パネル板と前記連絡管ガイド用パネルとが同一材料より構成され、かつ、前記連絡管ガイド用パネル表面には、溝が、異なる複数の方向からヘッダーの連絡管接続部に集められて連絡可能に刻設され、この溝に連絡管が埋設されてなることを特徴とする、床暖房用パネルを提供する。
【0007】
また、第2発明では、パネル板表面に刻設された溝に熱媒用可撓性合成樹脂管が埋設され、このパネル板の周縁部近傍にヘッダーが組み込まれ、このヘッダーの外側近傍に、熱媒制御部に接続された連絡管をヘッダーへと導くための連絡管ガイド用パネルが装備され、ヘッダーに熱媒用可撓性合成樹脂管と連絡管とが接続されてなる床暖房用パネルにおいて、前記連絡管ガイド用パネル表面には、溝が、異なる複数の方向からヘッダーの連絡管接続部に集められて連絡可能に刻設され、この溝に連絡管が埋設されてなり、前記連絡管ガイド用パネルが、前記ヘッダーが組み込まれた近傍に設けられた、前記パネル板の周縁部近傍の切り取り部分に嵌合されてなることを特徴とする、床暖房用パネルを提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
第1発明に係る連絡管ガイド用パネル(以下、「ガイドパネル」ということがある)は、熱媒制御部から床暖房用パネルのパネル板に組み込まれたヘッダーに熱媒を導く連絡管を、床暖房用パネルの設置場所に応じて最適な延在方向にガイドするという機能を果たすものである。この機能を達成するために、ガイドパネルは、熱媒制御部とパネル板に組み込まれたヘッダーとの間に配置される。
【0009】
熱媒制御部とヘッダーとが近接している場合には、1枚のガイドパネルによって連絡管をガイドすることができる。熱媒制御部とヘッダーとが離隔している場合には、熱媒制御部とこのガイドパネルとの間に、ガイドパネルとは異なる単純な構造の連絡管ガイド用パネルを配置し、この溝に連絡管を埋設させてガイドする。ガイドパネルは、これと組み合わせて配置されるパネル板の厚さと実質的に同一の厚さとされるのが好ましい。ガイドパネルの平面形状は適宜決めることができ、例えば、矩形状、多角形状、半円形状などとしてパネル板の周縁部の外側に配置してもよいし、パネル板の周縁部近傍を矩形状、多角形状または半円形状に切り取って調製し、敷設する際に切り取った部分に嵌合させてもよい。ガイドパネルの材料は、パネル板の材料と同一のものとするのが好ましい。
【0010】
ガイドパネルの表面には、連絡管埋設用の溝が刻設される。この溝は、熱媒制御部とヘッダーとの間に配置される連絡管を埋設させるように機能する。この溝は、熱媒往き用の連絡管と、熱媒戻り用の連絡管とを対にして配置させるために、通常は2列刻設される。この溝の幅・深さは、連絡管を溝の刻設面に可及的密着させた状態で埋設させて外れ難くするために、埋設される連絡管の外径とほぼ同一幅・ほぼ同一深さとするのがよく、かつ、この溝の長さ方向に直角に切断した際の断面を、U字型とするのが好ましい。
【0011】
上記した連絡管埋設用の溝は、異なる複数の方向からヘッダーの連絡管接続部に集められて連絡可能に刻設される。ここで、「異なる複数の方向」とは、連絡管を、ガイドパネルの外縁の相互に異なる複数の位置からヘッダーの連絡管接続部に導く方向を意味する。このようにガイドパネルにあらかじめ連絡管埋設用の溝を刻設しておくことによって、熱媒制御部とヘッダーとの位置関係に応じて溝を適宜選ぶことができ、場合によっては1枚のガイドパネルによって複数の態様に対応することができるので、事前に準備するガイドパネルの数を大幅に減らすことができる。
【0012】
溝の刻設例を挙げると、矩形のパネル部の角隅部近傍にヘッダーを組み込み、この外側近傍に配置されるガイドパネルにおいて、(1)ガイドパネル外縁から直線状にヘッダーの連絡管接続部に延在する溝、(2)ガイドパネル外縁から右(左)に90°湾曲してヘッダーの連絡管接続部に達する溝(後記、図1および図6参照)、(3)ガイドパネル外縁から180°湾曲してヘッダーの連絡管接続部に達する溝(後記、図6参照)などを挙げることができる。後記する図1に示したガイドパネルは、熱媒制御部が異なる2箇所に設置された態様に対応できるものであり、図6に示したガイドパネルは、異なる6箇所に設置された態様に対応できるものである。
【0013】
ガイドパネルに埋設させる連絡管は、熱媒制御部から床暖房用パネルのパネル板に組み込まれたヘッダーに熱媒を導くように機能するものであり、後記する樹脂管と同様に、可撓性、機械的強度、耐熱性、耐薬品性などに優れている必要がある。このような連絡管としては、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管、ポリプロピレン管、管の壁面に金属線を埋設した樹脂管などを挙げることができる。連絡管の直径は、後記する樹脂管の直径よりも若干大きくされるのが一般的であり、外径は6〜35mm、内径は4〜25mm程度とされる。連絡管の内部を流通する熱媒としては、温水、水蒸気、オイルなどを挙げることができる。
【0014】
第2発明に係る床暖房用パネルのパネル板は、木、合成樹脂発泡体などから調製することができる。合成樹脂発泡体の材料となる合成樹脂は、硬質樹脂、軟質樹脂のいずれでもよい。硬質樹脂としては、硬質ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどを挙げることができる。軟質樹脂としては、ポリ酢酸ビニル、ゴムなどを挙げることができる。合成樹脂発泡体の発泡倍率は、合成樹脂の種類や基体の厚さによって適宜変えることができ、2〜50倍程度とすることができる。発泡体とする際に架橋剤を配合し、架橋させて硬い板状体とすることもできる。
【0015】
パネル板の平面形状は、複数枚並べて配置可能な形状、例えば、長方形・正方形などの矩形や多角形のほか、円弧と直線とから形成された形状などとすることができる。このパネル板の広さは、床暖房用パネルを配置する場所の広さに応じて、適宜決めることができ、例えば、縦3300mm×横2400mmの長方形、または、一辺が1800mmの正方形などとすることができる。パネル板の厚さは、床暖房用パネルを配置する場所に応じて、適宜決めることができ、例えば、6mm〜50mmの範囲で選ぶことができる。
【0016】
パネル板の表面に刻設される溝は、樹脂管を埋設させるように機能する。この溝の幅・深さは、樹脂管を溝に可及的密着させた状態で埋設させて外れ難くするために、埋設される樹脂管の外径とほぼ同一幅・ほぼ同一深さとするのが好ましく、かつ、溝の長さ方向に直角に切断した際の断面をU字型とするのが好ましい。また、この溝は、熱媒の熱が床暖房用パネル全体に均一に行き渡るように、蛇行させて刻設するのが好ましい。
【0017】
パネル板の溝に埋設される樹脂管は、その内側空間に熱媒を流通させて外部に熱を供給するように機能するものである。この樹脂管は、前記した連絡管と同様に、可撓性、耐熱性などに優れた樹脂材料から調製する。中でも、架橋ポリエチレン、ポリブテン製のものが好適である。樹脂管の直径は、一般的には外径が5〜30mm、内径が3〜20mmの範囲とされる。
【0018】
パネル板の周縁部近傍には、ヘッダーが組み込まれる。熱媒制御部から供給される高温の熱媒は、このヘッダーを経由して、パネル板に埋設された樹脂管に流される。また、パネル板の樹脂管に循環させている間に温度が低下した熱媒は、このヘッダーを経由して熱媒制御部へと戻され、ここで加温されて再度ヘッダーに供給される。このヘッダーの構造は、上記機能を果たすことができるものであればよく、例えば、特開平9−269135号公報に記載されているような直方体状のブロックに樹脂管接続部と連絡管接続部とを備えた構造を挙げることができる。なお、パネル板の平面形状が、矩形や三角形などの角隅部を有する形状である場合には、ヘッダーをこのパネル板のいずれか1つの角隅部近傍に組み込むのが好ましい。
【0019】
ガイドパネルを使用して、熱媒制御部とヘッダーとの間に連絡管を配置する手順を例示する。(1)平面形状が長方形であって角隅部にヘッダーを組み込んだパネル板1枚を、所定の室内の床に配置して暖房可能な床を構成する場合には、まず、上記パネル板を、そのヘッダーを熱媒制御部に近接させて配置する。次いで、このヘッダーに連絡管を接続した後、ガイドパネルを、その溝に連絡管を埋設させながらパネル板に装備する。このガイドパネルには、連絡管埋設用の溝が、異なる複数の方向からヘッダーの連絡管接続部に集められて連絡可能に刻設されているので(後記、図1または図6参照)、熱媒制御部の設置場所に応じて最適な溝を選んで連絡管を埋設させることができる。この後、連絡管の端部を熱媒制御部に接続して作業を終了する。なお、この際、パネル板とガイドパネルによって覆われない床部分が残る場合には、パネル板と同じ厚さの板や、パネル板と同じ素材より構成されるダミーパネルを配置する。
【0020】
(2)上記(1)で使用したパネル板2枚を配置して暖房可能な床を構成する場合(後記、図2ないし図5参照)には、まず、各パネル板を、その敷設場所の平面形状や広さなどに応じて、例えばパネルの短辺同士または長辺同士を当接させて、熱媒制御部の設置場所にヘッダーを近付けながら配置する。次いで、これらパネル板のヘッダーに連絡管を接続し、ガイドパネルを、その溝に連絡管を埋設させながらパネル板に装備する。この際、各連絡管を最も適切な延在方向にガイドするように溝を選ぶ。この後、各連絡管の端部を熱媒制御部に接続して作業を終了する。なお、この例のように熱媒制御部と各ヘッダーとが離隔している場合には、熱媒制御部とガイドパネルとの間に別構造の連絡管ガイド用パネルを配置する。また、この例においても、パネル板やガイドパネルによって覆われない床部分にダミーパネルを配置するのは、上記(1)の例と同様である。
【0021】
ガイドパネルを装備して構成した床暖房用パネルの上面は、可撓性薄板で被覆するのが好ましい。可撓性薄板は、樹脂管および連絡管が溝から外部に飛び出すのを防ぐとともに、熱媒からの熱を均等に放熱するという機能を果たす。可撓性薄板は、熱伝導性に優れた材料で調製された可撓性の薄板であればよく、例えば、アルミニウム箔、錫箔、銅箔、ステンレス鋼箔などの金属箔、織布や不織布、樹脂シート、およびこれらを組み合わせた積層体、などを挙げることができる。これらの中でも、製造の容易さやコストなどを勘案すると、アルミニウム箔が最も好ましい。また、この上にカーペット、木製板状体などの表面被覆材を配置することもできる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。
【0023】
図1は、本発明の第1発明に係るガイドパネルの一例を装備した床暖房用パネルの部分拡大平面図であり、図2は、図1に示した床暖房用パネルの短辺同士を当接させて配置した状態の概略平面図であり、図3は、図2に示した床暖房用パネルの長辺同士を当接させて配置した状態の概略平面図である。図4は、対称な構造の床暖房用パネルを短辺同士を当接させて配置した状態の概略平面図であり、図5は、図4に示した床暖房用パネルの長辺同士を当接させて配置した状態の概略平面図である。図6は、本発明の第1発明に係るガイドパネルの他の例を装備した床暖房用パネルの部分拡大平面図である。
【0024】
図1は、図2に示した床暖房用パネル10のパネル板11の角隅部Iの拡大図である。この図1に示したガイドパネル20は、パネル板11の角隅部Iを矩形状に切り取って溝21、溝22を刻設した後、パネル板11の切り取った部分に嵌合させたものである。図1ないし図3に示した床暖房用パネル10は、長辺1800mm×短辺900mmの長方形状にされており、パネル板11の角隅部Iにはヘッダー12が組み込まれている。
【0025】
ヘッダー12には、樹脂管接続部12aと連絡管接続部12bとが設けられており、樹脂管接続部12aには樹脂管30が接続されている。ガイドパネル20の表面には、ガイドパネル外縁から直線状にヘッダーの連絡管接続部12bに延在する溝21、および、ガイドパネル外縁から左に90°湾曲してヘッダーの連絡管接続部12bに達する溝22が刻設されている。これら溝21、溝22は、熱媒往き用の連絡管と熱媒戻り用の連絡管とを対にして埋設させるために、2列にして刻設されている。このガイドパネル20は、上記した溝21、溝22が刻設されているので、熱媒制御部が異なる2箇所に設置された態様に対応させることができる。
【0026】
図2は、床暖房用パネル10を2枚、短辺同士を当接させて配置した状態を示している。この場合には、図1に示したヘッダーの連絡管接続部12bに連絡管40を接続し、この連絡管40を、図1に示したガイドパネル20の溝22に埋設させる。これによって、各床暖房用パネルのヘッダーの連絡管接続部12bに接続された連絡管40はパネルの長辺側にガイドされる。
【0027】
図3は、図2に示した床暖房用パネル10を、長辺同士を当接させて配置した状態を示している。この場合には、図1に示したヘッダーの連絡管接続部12bに連絡管40を接続し、この連絡管40を、図1に示したガイドパネル20の溝21に埋設させる。これによって、各床暖房用パネルのヘッダーの連絡管接続部12bに接続された連絡管40は、パネルの短辺側にガイドされる。以上のように、床暖房用パネル10は、連絡管40を埋設させる溝を溝22から溝21に変えるだけで、図2の配置状態から図3の配置状態へと容易に変更することができる。
【0028】
図4は、図1ないし図3に示した床暖房用パネル10と、これと対称な構造の床暖房用パネル10´とを、短辺同士を当接させて配置した状態を示している。この場合には、図2で説明した手順と同様にして、各床暖房用パネルの長辺側に連絡管40をガイドすることができる。また、図5は、これら床暖房用パネル10、床暖房用パネル10´を、長辺同士を当接させて配置した状態を示している。この場合には、図3で説明した手順と同様にして、各床暖房用パネルの短辺側に連絡管40をガイドすることができる。
【0029】
図6は、矩形状の床暖房用パネル10″のパネル板11″の角隅部近傍の部分が示されており、この部分にはヘッダー12″が組み込まれている。このヘッダー12″の外側近傍には、ガイドパネル20″が装備されている。このガイドパネル20″は、パネル板11″を切り取った部分よりも広い面積で調製されており、その表面には、ガイドパネル外縁から直線状にヘッダーの連絡管接続部12b″に延在する溝21″、ガイドパネル外縁から左に90°湾曲してヘッダーの連絡管接続部12b″に達する溝22″、溝23″、ガイドパネル外縁から右に90°湾曲してヘッダーの連絡管接続部12b″に達する溝24″、ガイドパネル外縁からS字状に湾曲してヘッダーの連絡管接続部12b″に達する溝25″、およびガイドパネル外縁から180°湾曲してヘッダーの連絡管接続部12b″に達する溝26″が刻設されている。このガイドパネル20″は、上記した溝21″ないし溝26″が刻設されているので、熱媒制御部が異なる6箇所に設置された態様に対応させることができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、以上詳細に説明したとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明の第1発明に係る連絡管ガイド用パネルは、その表面に、連絡管埋設用の溝が、異なる複数の方向からヘッダーの連絡管接続部に集められて連絡可能に刻設されてなるので、熱媒制御部とヘッダーとの間を連絡管で繋ぐ際に、熱媒制御部の設置場所、床暖房用パネルの設置場所、床暖房用パネルに組み込まれたヘッダーの位置などに対応させて、この連絡管ガイド用パネルの溝を選べばよい。従って、1枚の連絡管ガイド用パネルによって種々の態様で連絡管を配置することができる。
2.本発明の第1発明に係る連絡管ガイド用パネルは、熱媒制御部とヘッダーとの間を連絡管で繋ぐ際に、熱媒制御部の設置場所、床暖房用パネルの設置場所、床暖房用パネルに組み込まれたヘッダーの位置などに対応させて、この連絡管ガイド用パネルによって種々の態様で連絡管を配置することができるので、従来のように多くの態様ごとに各個別に部材を準備する必要がなく、部材の数を大幅に減らすことができ、製造、保管、輸送の際の煩雑さが解消される。
3.本発明の第2発明に係る床暖房用パネルは、第1発明に係る連絡管ガイド用パネルが装備されてなるので、この床暖房用パネルのパネル板に組み込まれたヘッダーと熱媒制御部との間を連絡管で繋ぐ際に、連絡管ガイド用パネルによって種々の態様で連絡管を配置することができるため、この床暖房用パネルの配置場所や配置方向を急遽変更したい場合でも、連絡管を適切に対応させて配置し直すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1発明に係る連絡管ガイド用パネルの一例を装備した床暖房用パネルの部分拡大平面図である。
【図2】 図1に示した床暖房用パネルを短辺同士を当接させて配置した状態の概略平面図である。
【図3】 図2に示した床暖房用パネルを長辺同士を当接させて配置した状態の概略平面図である。
【図4】 対称な構造の床暖房用パネルを短辺同士を当接させて配置した状態の概略平面図である。
【図5】 図4に示した床暖房用パネルを長辺同士を当接させて配置した状態の概略平面図である。
【図6】 本発明の第1発明に係る連絡管ガイド用パネルの他の例を装備した床暖房用パネルの部分拡大平面図である。
【符号の説明】
I:パネル板の角隅部
10、10´、10″:床暖房用パネル
11、11″:パネル板
12、12″:ヘッダー
12a:樹脂管接続部
12b、12b″:連絡管接続部
20、20″:連絡管ガイド用パネル
21、21″:連絡管ガイド用パネル外縁から直線状にヘッダーの連絡管接続部に延在する溝
22、22″、23″:連絡管ガイド用パネル外縁から左に90°湾曲してヘッダーの連絡管接続部に達する溝
24″:連絡管ガイド用パネル外縁から180°湾曲してヘッダーの連絡管接続部に達する溝
25″:連絡管ガイド用パネル外縁からS字状に湾曲してヘッダーの連絡管接続部に達する溝
26″:連絡管ガイド用パネル外縁から180°湾曲してヘッダーの連絡管接続部に達する溝
30:熱媒用可撓性合成樹脂管
40:連絡管
Claims (4)
- パネル板表面に刻設された溝に熱媒用可撓性合成樹脂管が埋設され、このパネル板の周縁部近傍にヘッダーが組み込まれ、このヘッダーの外側近傍に、熱媒制御部に接続された連絡管をヘッダーへと導くための連絡管ガイド用パネルが装備され、ヘッダーに熱媒用可撓性合成樹脂管と連絡管とが接続されてなる床暖房用パネルにおいて、前記パネル板と前記連絡管ガイド用パネルとが同一材料により構成され、かつ、前記連絡管ガイド用パネル表面には、溝が、異なる複数の方向からヘッダーの連絡管接続部に集められて連絡可能に刻設され、この溝に連絡管が埋設されてなることを特徴とする、床暖房用パネル。
- パネル板表面に刻設された溝に熱媒用可撓性合成樹脂管が埋設され、このパネル板の周縁部近傍にヘッダーが組み込まれ、このヘッダーの外側近傍に、熱媒制御部に接続された連絡管をヘッダーへと導くための連絡管ガイド用パネルが装備され、ヘッダーに熱媒用可撓性合成樹脂管と連絡管とが接続されてなる床暖房用パネルにおいて、前記連絡管ガイド用パネル表面には、溝が、異なる複数の方向からヘッダーの連絡管接続部に集められて連絡可能に刻設され、この溝に連絡管が埋設されてなり、前記連絡管ガイド用パネルが、前記ヘッダーが組み込まれた近傍に設けられた、前記パネル板の周縁部近傍の切り取り部分に嵌合されてなることを特徴とする、床暖房用パネル。
- パネル板の平面形状が矩形状である、請求項1または請求項2に記載の床暖房用パネル。
- ヘッダーが、パネル板のいずれか1つの角隅部近傍に組み込まれてなる、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の床暖房用パネル。
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