JP3763906B2 - 温度調節装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、周囲温度を調節する温度調節装置に関し、特に、室内の床等に配置して室内温度を調節する温度調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、室内の床に配置され、床から室内を暖房する床暖房装置が公知である。かかる従来の床暖房装置は、例えば、図7に示すように、面状に広がるマット部材102と、このマット部材102の略全面に熱媒体としての温水が導入される温水パイプ103が蛇行して配置されている。
【0003】
マット部材102には、所定の間隔で複数の小根太104が配置されており、床に配置されるフローリング(床板)がくぎ打ちにより固定できるようになっている。温水パイプ103は、ヘッダー105を介して、外部の給湯器等の加熱手段に接続されており、加熱された高温の温水が供給される。即ち、この床暖房装置は、温水パイプ103から温水の熱を放熱して、室内を暖房する構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の暖房装置にあっては、ヘッダー105から、温水パイプ103に導入されたばかりの高温の温水が流れる箇所と、この温水が温水パイプ103内を所定距離流れた後に放熱されると温水の温度が低下するので、温水の入口部側と出口部側とでは、熱媒体の温度が異なり、熱が伝わる床面に温度むらが生じるという不都合があった。
【0005】
特に、高温の温水が導入される往路管103aの入口部では、高い放熱温度が得られるが、温水の温度が低下した復路管103bの出口部では放熱温度が低く、快適な暖房が得られないという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、簡易な構成で、温度むらを緩和できる温度調節装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、支持部材に支持された伝熱管に熱媒体を循環させるとともに伝熱管に接触して放熱又は吸熱する熱移動部材を備えて、周囲温度を調節する温度調節装置において、支持部材には溝が形成されており、伝熱管は支持部材に形成された溝内に配置されており、熱移動部材は支持部材上に配置された金属箔であり、伝熱管の部位に応じて前記溝の深さを変え、溝の深さを伝熱管の直径よりも浅くして溝から突出した伝熱管の側面に熱移動部材を接触することにより接触面積を広くした部位を設け、前記伝熱管の部位に応じて前記熱移動部材と前記伝熱管との接触面積を変えたことを特徴とする。
【0008】
この請求項1に記載の発明によれば、伝熱管と熱移動部材との接触面積を、簡易な構成で調整でき、温度むらを緩和できる。
伝熱管を支持する溝の深さを変えて、支持部材から突出(または凹む)する伝熱管の量を調節して、支持部材上に載置された金属箔との接触面積を変える。即ち、伝熱管の突出量が多ければ支持部材上に載置された金属箔との接触面積が増えるものである。支持部材に形成する溝の深さを変えるだけで、簡単に温度むらを緩和できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記伝熱管の部位における熱移動部材との接触面積は、熱媒体が導入される入口部側よりも出口部の方が広いことを特徴とする。
【0010】
この請求項2に記載の発明では、熱媒体の入口部側では、熱交換がすすんでいないため対象雰囲気に対して熱媒体の温度差が大きく、出口部側では熱交換がすすんで熱媒体の温度差が小さいことから、入口部側に比較して出口部側の接触面積を広くして熱交換を促進して、入口部側と出口部側とにおける温度むらを緩和する。
【0011】
【0012】
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記溝は、伝熱管における熱媒体の入口部側が深く出口部側が浅く形成されていることを特徴とする。
【0014】
この請求項3に記載の発明は、熱媒体の温度差が大きい熱媒体の入口部側の溝を深くして熱移動部材との接触面積を小さくし、熱媒体の温度差が小さい出口部側の溝を浅くして接触面積を大きくし、入口部側と出口部側とにおける温度むらを具体的に緩和する。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記熱移動部材には、伝熱管側の面に接着剤層が設けられていることを特徴とする。
【0016】
この請求項4に記載の発明は、熱移動部材と伝熱管との接触を接着材により確実にして、所定の接触面積を確保して、温度むらを確実に緩和する。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記伝熱管は、熱媒体を導入する入口部を有する往路管と、出口部を有する復路管とから構成されており、前記入口部と前記出口部とが配置された導出入領域における往路管と復路管との間隔が、導出入領域以外の領域である循環領域における往路管と復路管との間隔よりも狭く設定されていることを特徴とする。
【0018】
この請求項5に記載の発明は、導出入領域では、熱媒体温度の温度差が大きい往路管と、すでに熱交換されて熱媒体温度の温度差が小さい復路管との間隔を狭くして熱移動により両者の温度差の均衡を図っているので、更に、隣あう往路管と復路管とにおける温度むらを緩和する。従って、接触面積の変化との相乗効果により、更に温度むらを緩和する。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記導出入領域及び前記循環領域には、一対の往路管と復路管とが配置されていることを特徴とする。
【0020】
この請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、各領域では、一対の往路管と復路管との2本の管を配置するという構成であるから、伝熱管の配管が少なくて済み、部品点数の削減と、コストダウンが図れ、更に、全体として伝熱管の距離も短くなるので、伝熱管を流れる熱媒体の圧力損失が少ない。また、各領域では伝熱管のスペースが少ないので、例えばクギ打ち等による設置作業時に伝熱管が邪魔になることが少ない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面の図1乃至図6を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の実施の形態にかかる温度調整装置としての温水暖房装置10は、温水(水とエチレングリコール、又は水とプロピレングリコールとの混合液)を熱媒体とし、床に設置されるものである。温水暖房装置10の温水マット11は、図1に示すように、床構造20の上に配置されており、好ましくは、暖房する室内の床面積の50乃至80%の範囲で配置される。
【0022】
ここで、温水マット11が設置される床構造について説明する。床20は、いわゆる木造建築の床であり、根太22が並列に間隔Lを開けて配置されており、この間隔Lは、通常303mmである。根太22、22の間には、断熱材24が配置されており、断熱材の厚みは根太22の厚みと略同じに設定されている。根太22の上には、いわゆるステコンパネと呼ばれる合板26が配置されている。この構造用合板26の上に、温水マット11が配置されている。
【0023】
温水マット11は、この合板26の上に配置されていると共に、温水マット11以外の領域にダミーの合板28が配置されている。この合板28は、いわゆるダミーコンパネである。
【0024】
温水マット11は、熱媒体としての温水が導入される温水パイプ(伝熱管)14と、この温水パイプ14を保持する支持部材としてのマット12及び床板(フローリング)を固定するための小根太16a、16b及び熱移動手段としてのアルミ箔18とを備えている。
【0025】
マット12は、断熱材からできており、略12mmの厚みを有する略長方形形状に形成され、温水パイプ14の熱が下方に逃げないようになっている。小根太16a、16bも同様に12mmの厚みを有しており、温水マット11上に床板32をくぎにより打ちつけ可能な構成となって、温水マット11を設置した上から容易に床板32を施工できる構成となっている。
【0026】
マット12は、温水パイプ14を所定の位置に保持すれば足り、汎用の断熱パネルやこれに代わる熱伝導部材を用いることもできる。この場合には熱伝導部材の下に断熱材を敷く必要がある。更に、マット12を用いずに、温水パイプ14を小根太16a、16bに支持させて固定金具で固定する構成とし、温水パイプ14間に空気を介在させて熱を伝導する構成としてもよい。
【0027】
マット12としては、例えば、断熱機能を持つ発泡ポリエチレン(たとえば発泡率20倍)やポリスチレンフォーム等により作られている。
【0028】
熱媒体としての温水を流す温水パイプ14は、架橋ポリエチレン管、ポリプロピレン管、ポリブデン管又は金属管が使用されるが、可撓性を有するポリエチレン管等の樹脂材料によれば、マット12を丸めることができ、搬送に便利である。温水パイプ14は、断面略円形であり、そのパイプ径は例えば7.2mmである。そして、この温水パイプ14が保持される埋め込み溝41は温水パイプ14の断面形状に対応した形状となっている。
【0029】
尚、温水パイプ14は断面形状を楕円形形状とすれば、アルミ箔との接触面積を増やすことができ、その分伝熱効率を向上させることができる。
【0030】
アルミ箔18は温水パイプ14及びマット12を覆う被覆手段であると共に、温水パイプ14からの熱を伝え、若しくは熱を保持する役割を有する。したがって、図1に示すように、マット12の略全面に温水パイプ14を配置し、全面への熱伝導を行なわない場合には、アルミ箔18はマット12の表又は裏の一部にのみ設けてもよい。また、アルミ箔18の厚みを異ならせてもよい。尚、アルミ箔18には、好ましくは、図1に示すように、マーキング18aがされており、小根太16a、16bの位置を示すものであり、小根太16a、16bの長さに対応して形成されている。このマーキング18aは、例えば緑色の線で30mmの幅で構成されている。
【0031】
小根太16a、16bは、本実施例では、マット12の略全面にわたって互いに平行に且つ交互に配列されている。具体的には、マット12の一辺、即ち、図2において上辺からこれと対向する下辺に対して、複数の小根太16aが配列され、これらの小根太16aの先端側は、下辺に達しないように一定の間隔を12aを開けている。これらの小根太16a同志の間には、図2の下辺からこれに対向する上辺に対して延出するように、小根太16bが互いに平行に配置されている。これらの小根太16bの先端側は、上辺に達しないように配置されている。この小根太16a、16bの寸法は、例えば、厚みが12mmで、幅が45mmである。
【0032】
伝熱管としての温水パイプ14は、マット12に1本のジグザグ状に配置されており、一端部に設けられた入口部13aから導入された温水が出口部13bから導出されるようになっている。即ち、図2に示すように、温水パイプ14の配置状態を模式的に示すように、小根太16a、16bに沿ってマット12の内側に温水パイプ14を蛇行して配置しており、マット12の略全体に渡って温水を循環させている。そして、小根太16a、16bにより規定される各領域には、それぞれ一対の往路管14aと復路管14bとが並んで配置されている。
【0033】
次に、温水パイプ14の配置について説明する。マット12の周辺と小根太16a、16bにより規定される領域について、入口部13aと、出口部13bとを備えるヘッダー15を含む領域を導出入領域Aとし、そこから次第に温水パイプ14が遠のく領域を循環領域Bとし、この循環流域を構成する部分を導出入領域A側から順次第1循環領域C、第2循環領域D、第3循環領域Eとする。この第3循環領域Eでは、温水パイプ14の往路管14aと復路管14bとが切り替わる構成となっており、各領域A、C、D、Eでは、往路管14aと復路管14bとが並んで配置されており、往路管14aと復路管14とでは向流となるように温水を流している。
【0034】
即ち、各領域A、C、D、Eでは、一対の往路管14aと復路管14bとの2本の管を配置するという構成であるから、4本等の多数配置する従来の構成に比較して、伝熱管の配管が少なくて済み、部品点数の削減と、コストダウンが図れる。更に、全体として熱媒体が循環する伝熱管の距離も短くなると共に、配管の曲げ部分が少なくて済み、伝熱管を流れる熱媒体の圧力損失が少ない。従って、温水を供給するためのポンプを小さくすることができると共にポンプ出力を小さくすることができる。また、各領域A、C、D、Eでは伝熱管以外のスペースが広く取れるので、上に床板(フローリング)をくぎ等で止める場合にも、誤って温水パイプ14を破損することを防止できる。
【0035】
往路管14aと復路管14bとは、第1乃至第3循環領域C、D、Eでは、所定の距離S1を介して配置されているが、往路管14aに導入された温水温度の高い導出入領域Aでは、往路管14aと復路管14bとの間の距離S2が、S1よりも狭い寸法で配置されている。従って、導出入領域Aでは、温水温度の高い往路管14aと、循環後に放熱されて温水温度が低くなった復路管14bとの間における熱移動により両者の温度差の均衡を図ることができ、隣あう往路管14aと復路管14bとの温度むらを緩和している。更に、往路管14aの温水熱が復路管14bに吸熱して両方の管の温度むらを緩和している。結果的に全体として、導出入領域Aにおける極端な高温を防止し、更に、導出入領域Aと循環領域Bとにおける温度むらをも緩和するものである。特に、各領域A、C、D、Eでは往路管14aと復路管14bとは対向流となるので熱交換効率が向上する。
【0036】
次に、マット12に支持される温水パイプ14と、アルミ箔18との接触面積について説明する。
【0037】
マット12には、温水パイプ14を埋め込んで支持する溝41が温水パイプ14の配置に沿って形成されている。この溝41は、図3に示すように、入口部13a付近における導出入領域A及び第1循環領域Cの往路管14aでは深さH1を有しており、第2及び第3循環領域D、Eにおける往路管14a及び復路管14bでは深さH1よりも浅い深さH2を有しており、出口部13b付近における導出入領域A及び第1循環領域の復路管14bでは、深さH2よりも浅い深さH3を有しており、温水の入口部13aからの距離が遠くなる温水パイプ14の部位に応じて溝41の深さを浅くしている。このように、溝の深さを変えることによって、マット12上に載置されたアルミ箔18との接触面積を変えており、溝41の深さが浅いほど接触面積を大きくするものである。つまり、溝41の深さは、H1>H2>H3の関係になっている。
【0038】
即ち、図4に、導出入領域A及び第1循環領域Cにおける往路管14aの配置状態を示すように、マット12の溝41の深さH1は、往路管14aがマット12の表面よりも下に埋め込まれる深さである。マット12の表面に配置されたアルミ箔18は、溝41に凹み状に湾曲しており湾曲した一部が温水パイプの往路管14aと接触している。従って、アルミ箔18と往路管14aとの接触面積は小さい範囲に限られている。また、アルミ箔18のマット12側面の面には、一面に接着材42が塗られており、アルミ箔18と往路管14aとの接触面は確実に密着させており、接触面積を確保している。尚、深さH1は、特に限定されないが、温水パイプの外径が、例えば7.2mmの場合に、8乃至10mmが好ましい。
【0039】
次に、図5に、第2循環領域D及び第3循環領域Eにおける往路管14a及び復路管14bの配置状態を示すように、かかる領域における溝41の深さH2は、往路管14a及び復路管14bの側面がマット12の表面付近に位置する深さである。これにより、図5に示すように、マット12の表面に配置されたアルミ箔18は、図4に示す状態よりも広い範囲で往路管14a及び復路管14bと接触している。従って、アルミ箔18と往路管14aとの接触面積は、図4に示す領域A及びCの往路管よりも大きい。この場合、深さH2は、7乃至8mmが好ましい。
【0040】
図6に、第2循環領域C及び導出入領域Aにおける復路管14aの配置状態を示すように、かかる領域における溝41の深さH3は、復路管14bの側面がマット12の表面よりも突出する深さである。これにより、図6に示すように、マット12の表面に配置されたアルミ箔18は、復路管14bの突出した側面を覆うように接触して、図5に示す状態よりも広い範囲で接触する。従って、アルミ箔18との接触面積は、上述した図4及び図5に示す状態よりも広くなる。この場合、深さH3は、5乃至7mmが好ましい。尚、図6に示す配置状態では、復路管14bは、マット12の表面から突出しているが、床下に設置後は、マット12が弾力性を有するので、マット12に向けて圧せられて、マット12の表面は略平坦な状態に維持される。
【0041】
即ち、温水の温度の異なる温水パイプ14の部位に応じて、アルミ箔18の接触面積を調整して、熱移動量を変えるものであり、簡易な構成で、温度むらを緩和する構成となっている。
【0042】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0043】
図示しない温水器から供給された高温の温水は、ヘッダー15の入口部13aから温水パイプ14の往路管14aに流入される。温水の熱は熱伝導によりアルミ箔18を介して室内の床に向けて次第に発散され、各領域A、C、D、Eを通過した後、第3循環領域Eで復路管14bを流れ、出口部13bから導出される。
【0044】
一方、入口部13aから導入された温水は、導入部付近では高い温度を有するから、放熱量も多い。しかし、温水パイプ14を通過中に次第にその温度が低下して、例えば、入口部と出口部とでは通常約5℃程度の温度差を生じている。従って、温水パイプの箇所によっては温水の温度差により、温度むらが生じようとする。しかし、図4に示すように、温水温度が高い導出入領域A及び第1循環領域Cの往路管14aの部位では、アルミ箔18との接触面積が小さいので、熱移動量が小さい。従って、この部位での放熱量が少ない。
【0045】
図5に示す第2循環領域D及び第3循環領域Eの往路管14a及び復路管14bの部位、即ち、温水パイプ14の中間の部位では、アルミ箔18との接触面積を、図4に示す導入部位よりも広くしているので、それよりも熱移面積が大きい。従って、導入部よりも温度の低下した部位での熱移動面積を大きくとっており、図4に示す導入部付近に近似した放熱量を得ることができる。
【0046】
図6に示す第1循環領域D及び導出入領域A復路管14bの部位、即ち、温水パイプ14の導出部付近の部位では、アルミ箔18との接触面積を、最も広くしている熱移面積が最も大きい。従って、温水の温度が最も低下した部位での熱移動面積を大きくとっており、図4及び図5に示す部位に近似した放熱量を得るこができる。
【0047】
即ち、本実施の形態によれば、温水の温度に応じてアルミ箔18との接触面積を調整しているから、各部位で略近似した放熱量に調節でき、温度むらを緩和している。
【0048】
本発明は上述した実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、熱媒体として温水を例に用いて説明したが、これに限らず、冷水や気体又は他の熱媒体を用いるものであっても同様な効果を得ることができる。
【0049】
また、アルミ箔18と温水パイプとの接触面積は、温水パイプを支持するマットの溝の深さに限らず、アルミ箔18と温水パイプとの間に断熱材を介在させたり、アルミ箔18の一部を切り欠いて実質的に接触する部分を調節する方法であってもよい。
【0050】
更に、温水マット11は、床に配置される床暖房装置に限らず、天井や壁等に配置されるものであってもよい。天井に設置する際には、熱を伝える空間は室内のみに限らず、その裏側である屋根裏側に設けるようにして、暖房装置としてでなく、屋根裏の結露を防止する装置等として構成することもできる。
【0051】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、伝熱管と熱移動部材との接触面積を、簡易な構成で調整でき、簡易な構成で、温度むらを緩和する。
伝熱管を支持する溝の深さを変えて、支持部材上に載置された金属箔との接触面積を変え構成であるから、溝の深さを変えるだけで、簡単に温度むらを緩和できる。
【0052】
請求項2に記載の発明によれば、熱媒体の入口部側では熱媒体の温度差が大きく、出口部側では熱媒体の温度差が小さいことから、入口部側に比較して出口部側の接触面積を広くして放熱量を調節し、温度むらを緩和する。
【0053】
【0054】
請求項3に記載の発明によれば、熱媒体の温度差が大きい熱媒体の入口部側の溝を深くして熱移動部材との接触面積を小さくし、熱媒体の温度差が小さい出口部側の溝を浅くするという簡単な構成で、具体的に温度むらを緩和する。
【0055】
請求項4に記載の発明は、熱移動部材と伝熱管とを接着材で確実に接着して、所定の接触面積を確保できる。
【0056】
請求項5に記載の発明によれば、導出入領域では、熱媒体温度の温度差が大きい往路管と、すでに熱交換されて熱媒体温度の温度差が小さい復路管との間隔を狭くして熱移動により両者の温度差の均衡を図っているので、更に、隣あう往路管と復路管とにおける温度むらを緩和する。従って、接触面積の変化との相乗効果により、更に温度むらを緩和する。
【0057】
請求項6に記載の発明によれば、上述の効果に加えて、一対の往路管と復路管との2本の管を配置するという構成であるから、伝熱管の配管が少なくて済み、部品点数の削減と、コストダウンが図れ、更に、全体として伝熱管の距離も短くなるので、伝熱管を流れる熱媒体の圧力損失が少ない。また、各領域では伝熱管のスペースが少ないので、例えばクギ打ち等による設置作業時に伝熱管が邪魔になることが少ない。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる床暖房装置の一部を切断して示す斜視図である。
【図2】図1に示す温水パイプの配管状態を模式的に示す平面図である。
【図3】図2のG−G線における断面図である。
【図4】図3に示すA、C領域における温水パイプの配管状態を拡大して示す断面図である。
【図5】図3に示すD、E領域における温水パイプの配管状態を拡大して示す断面図である。
【図6】図3に示すA、C領域における温水パイプの配管状態を拡大して示す断面図である。
【図7】従来の暖房装置の構造を示す平面図である。
【符号の説明】
10 床暖房装置(温度調節装置)
11 温水マット
14 温水パイプ(伝熱管)
13a 入口部
13b 出口部
14a 往路管
14b 復路管
18 アルミ箔(熱移動部材)
41 溝
H1、H2、H3 溝の深さ
Claims (6)
- 支持部材に支持された伝熱管に熱媒体を循環させるとともに伝熱管に接触して放熱又は吸熱する熱移動部材を備えて、周囲温度を調節する温度調節装置において、支持部材には溝が形成されており、伝熱管は支持部材に形成された溝内に配置されており、熱移動部材は支持部材上に配置された金属箔であり、伝熱管の部位に応じて前記溝の深さを変え、溝の深さを伝熱管の直径よりも浅くして溝から突出した伝熱管の側面に熱移動部材を接触することにより接触面積を広くした部位を設け、前記伝熱管の部位に応じて前記熱移動部材と前記伝熱管との接触面積を変えたことを特徴とする温度調節装置。
- 前記伝熱管と熱移動部材との接触面積は、熱媒体が導入される入口部側よりも出口部の方が広いことを特徴とする請求項1に記載の温度調節装置。
- 前記溝は、伝熱管における熱媒体の入口部側が深く出口部側が浅く形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の温度調節装置。
- 前記熱移動部材には、伝熱管側の面に接着剤層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の温度調節装置。
- 前記伝熱管は、熱媒体を導入する入口部を有する往路管と、出口部を有する復路管とから構成されており、前記入口部と前記出口部とが配置された導出入領域における往路管と復路管との間隔が、導出入領域以外の領域である循環領域における往路管と復路管との間隔よりも狭く設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の温度調節装置。
- 前記導出入領域及び前記循環領域には、一対の往路管と復路管とが配置されていることを特徴とする請求項5に記載の温度調節装置。
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