JP3924790B2 - 自動車の車体用の側壁モジュール - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の前文による自動車の車体用の側壁モジュール、および請求項５の前文によるその製造方法に関する。

一般的なタイプの側壁モジュール、および一般的なタイプの方法は特許文献１で開示されている。これは、そのモジュールが、その図２ｂによる、パネル部分およびマルチパート側壁構造から構成される、セダンで使用する、側壁モジュールについて記載している。側壁構造は基本的に、内側部分と、内側部分の外側で固定され、一体的に側壁モジュールを強化する壁部分とで形成される。内側部分は、独立構成要素として、Ｃピラー、前方に延ばされたシルセクションを備えた車輪マウント、側部ルーフフレームセクション、Ａピラーを備えた前ドアカットアウト、前壁ピラー、Ｂピラー、他の側部ルーフフレームおよび他のシルを具備する。形状に関し、強化部分は基本的に前ドアカットアウトから適応され、強化部分はシル領域全体にわたってさらに延びる。シルやＢピラーもパネル無しであり、それは、それらの表面それ自体が、この領域において外側に視覚的に見える車体の外板をなす。パネルは、後輪マウントからＣピラーおよび側部ルーフフレームを越え前壁ピラーまで延び、Ｂピラーの取付は側部ルーフフレームに形成される。

コンバーチブルやクーペでは、セダンと比べて非常に薄いパネル部分は、側部ルーフフレームの固有安定性に関わる理由で、２つに分割され、その部分のＡピラーセクションが、覆いの形態で独立した構成要素として設計される。その覆いは、側壁構造の強化部分にクリップ留めされ、パッドによって前記強化部分で支えられる。覆いは一般に、彩色プラスチックからなるので、他のパネルの塗装仕上げとの厄介な色差が時々不都合にも生じる。さらに、覆いは一般に製造公差に関連し、それは隣接した側部ルーフフレームに向かう異なるギャップ幅となる。これを修正するために、深刻且つ複雑な再仕上げの作業が必要となる。

独国特許発明第１９５ ３１ ８７４ Ｃ１号明細書

本発明は、側壁モジュールをコンバーチブルまたはクーペに簡単に使用できるように、一般的なタイプの側壁モジュール、およびそれを製造する一般的なタイプの方法を開発することを目的とする。

その目的は、側壁モジュールに関する請求項１の特徴により、および製造方法に関する請求項５の特徴により本発明に従って達成される。

側部パネルが一体構造ものであり、それによって、一体構造でない場合にはコンバーチブルやクーペでは通例であるＡピラーの覆いがゆえに不要となるため、側壁モジュールの構造が著しく簡単になる。これは、Ｂピラー支柱が側壁構造内にもパネル内にも提供されず、側壁構造が単に、シル領域、ＡピラーおよびＣピラーまでの側部ルーフフレームを具備するだけであるのでなおさら簡単になる。さらに、側壁構造のボックスセクションピラーの表面品質に関し、パネルがこの部分を担うので、特に要求する必要もなくなり、これは側壁構造がより簡単に設計されることを意味する。

請求項２に記載の開ループの形態での、一方で、側壁構造の、および他方で、パネルの特定の構造によって、ドアやウインドウ開口部の構造や製造が実質的に簡単になる。

本発明による解決法は、従来にはパネルの独立部分であった覆いが不要となることによって、第１に覆いと他のパネルの間の色差がもはや起こらず、第２に、覆いとパネルの側部ルーフフレームの間に異なるギャップ幅をもたらした覆いの製造公差がもはや再仕上げされる必要がないということで製造をより容易にもする。さらに、補助フレームとの同時使用により、比較的細い側部ルーフフレームを備えたパネルに必要な特有の剛性を与え、その結果、パネルがドアやウインドウ開口部を形成するために切断された後、パネルを側壁構造に接合するのを不可能にする、特にルーフフレーム領域内のパネル部分の不可逆歪みや、パネルの板金材料の弾性バネ反発は、パネルがプレス加工ツールから取り出されるときに生じない。さらに、覆いの省略は、覆いが構造体で保持されるクリップ留め技術や、覆いとその構造体の外部強化外板の間の支持パッドも不要となるので、運転者の視界の制限されない自由に対する障害となるＡピラーをより細く製造することができるという利点となる。その結果、Ａピラーに起因する運転者の視界の障害は低減され、それは、同時に、Ａピラーの剛性の、ゆえに衝突時の安全性のいかなる喪失も受け入れる必要はない。

本発明の好ましい改良は、従属請求項から理解され；さらに、本発明を、図で例示される例示的実施形態を参照して以下でさらに詳細に説明する。

図１および２は、自動車の車体用の側壁モジュール１を例示し、そのモジュールは、側壁構造体２および側壁構造体２に接続された側壁パネル３を含む。その輪郭形状において、側壁構造体２は、開ループ、この例示的実施形態では、自動車後部に向かう開口部４を有する４分の３ループとなるように設計され、シル５、前壁ピラー６、前壁ピラー６に隣接するＡピラー７、側部ルーフフレーム８、およびシル５に接合されたボックスセクションピラー９から構成される。側壁構造体２は、内側部分１０（図３）、および内側部分１０の外側で固定され、一体的に側壁モジュール１を強化する壁部分１１から構成される。前記壁部分は、シェル形の中空断面として設計されるので、衝突時の安全性に関し非常に有利な効果を有する高剛性が得られる。それらの亀裂プロファイリング（ｆｉｓｓｕｒｅｄ ｐｒｏｆｉｌｉｎｇ）のおかげで、内側部分１０および壁部分１１は、深絞り工程後にそれらの部分が歪むのを防ぐ特有の剛性を有する。壁部分１１および内側部分１０は、ゆえに、側壁モジュール１を製造する第１のステップで、自動車の長手方向を横断する方向に暫定的に互いに、容易に接続され、特に取り付けられる。

本発明による解決法は、単に運転者のドア開口部および前壁ピラー６および／またはパネル３を有する運転者のドア開口部の下に位置するシル領域に関連するだけのループが開いたままであるセダンの場合でも利用することが考えられる。

側壁パネル３は、後輪マウント１２から、第１に側部ルーフフレーム８およびＡピラー７を越えて前壁ピラー６まで、第２に、その上縁部１４がウインドウ開口部の下方端部をなすサイドボード１３を越えてボックスセクションピラー９まで延びる単一構成プレス加工部分として設計される。この場合、上縁部１４は、ボックスセクションピラー９と面一となる。側壁パネル３は、開ループの形態の断面形状において側壁構造体２と同様に設計されるが、自動車の前方に向いた開口部１５を有する。

側壁パネル３および側壁構造体２の組み立てられた状態では、ループの開口部１５および４は対面し、それらのループは自動車の長手方向で部分的に重複する。この場合、側壁構造体２は、それが側壁パネル３をそこで補完するようにボックスセクションピラー９までシル領域内に設計される（図２）。第１のステップと並行して行なうことができる、側壁モジュール１を製造する第２のステップでは、後輪マウント１２から側壁ルーフフレーム８およびＡピラー７を越えて延びる側壁パネル３は、加工前の素材から深絞り加工され、ウインドウ開口部１６で切断され、ドア開口部１７が形成される。ドア開口部１７、および側壁パネル３のサイドボードの上に位置するウインドウ開口部１６は、中断されることなく互いに合流する。但し、組み立てられた状態では、側壁パネル３は、開ループとして設計され、それは、上述の切断加工後、前壁ピラー６および、ドア開口部１７の下を走るシルセクション１９の代わりに、Ａピラー７のパネル部分とドア開口部１７に隣接する他のシル２０のものとを互いに接続する補助フレーム１８を有する。補助フレーム１８は、切断加工後、側部ルーフフレーム８およびＡピラー７およびＣピラー２１からなる比較的細長く延びたパネルの円弧状部が、プレス加工ツールから取り出されたとき修正不能に歪むのを、すなわち側壁パネル３を構造体２にもはや接合できなくなるのを防ぐ。

次の接合加工を障害も無く行うことができるように、補助フレーム１８が、角度板金セクションとして製造に関し簡単に設計されるという前提で、補助フレーム１８を固定した状態のパネルから分離するために側壁パネル３がクランプ装置に堅く固定されなければならないことが次の製造ステップとして考えられる。クランプ動作には、パネルの円弧状部に沿って配置され、パネル３が深絞り加工後に切断されると同時に形成される保持タブ２２を必要とする。取付加工の形態で実行される側壁構造体２へのパネル３の仮接合加工後に、前記保持タブは、切断され、特に補助フレーム１８と同じようにレーザによっても切り取られる。

これに代わるものとして、補助フレーム１８が垂直角度板金として形成されるのではなく、自動車の横断方向に横側外方の突起として形成され、その結果、パネル３が構造体２と共に組み立てられるときに補助フレームがもはや障害とならないように、深絞り加工法または深絞りツールを設計することがさらに考えられる。この改良では、パネル３の十分な剛性も同様に確保される。パネル３の製造は、保持タブ２２、ゆえにパネルプレス加工部分の特殊切断や保持タブ２２の後の切断も省略できるので、ゆえに簡単になる。さらに、補助フレーム１８を含むパネル３が側壁構造体２に直接接合されるか、または最初に取り付けることから始め、次に接合されるので、複雑なクランプ装置を省略することができる。補助フレーム１８は、それが組立によって所定位置に固定されている歪みやすいパネルのこれらのセクションのため、もはや不要となるので、次にパネル３から切断されても良い。但し、パネル３の背後に位置する側壁構造体２がその切断中に損傷を受けないように、３次元ガイドできるレーザ切断装置が必要となる。

最後に、パネル３は、側壁構造体２に接合される。これはボンディング接続によって行われても良く、その目的のため、パネル３と構造体２とが、次に互いに一緒に結合される対応接続フランジ２３を有する。これらはＡピラー７上に図３の実例で示される。ウインドシールド２４およびサイドウインドウ２５に加え、およびパネル３のＡピラーセクションのシール２６も、強化壁部分１１の２つの半分割シェル２７、２８と、これらの半分割シェルが前記パネル３で覆われ、構造体２の内側部分１０と、さらに半分割シェル２７、２８で形成された中空断面に配置され、自動車の床に向かって走る強化パイプ２９とが見られる。互いに支え合うフランジ２３は、一方で、それらが外部から見えないようにシール２６の背後に、第２に、ウインドシールド２４の縁領域の背後に位置する。外部半分割シェル２７の外側３０に配置された覆いの、および支持パッドのクリップ接続の省略のおかげで、覆いの代わりに使用されるパネルが半分割シェル２７の外側３０に沿ってより近接してガイドされるので、Ａピラーは視覚的により細く見える効果を有し、運転者の視界を遮る角度の低減を機能的にもたらすことができる。

ボンディング接続の１つの変形は、溶接接続の、通常では技術に関し非常に少ない支出で実行できる特にスポット溶接接続の形成にある。但し、これらは、互いに支え合う接続フランジ２３の４層の構成のためもはや容易に実現できない。接続フランジ２３は、この目的のため多数のノッチ３１（図４および５）を有する。これらのノッチ３１は、半分割シェル２８のフランジに関わっても良く、その場合、構造体２の内側部分１０はこのポイントで押し上げられて半分割シェル２７の下面にぴったり接する。但し、接続フランジ２３に沿って規則的な距離に配置されるノッチ３１は構造体の内側部分１０に排他的に単独で同様に形成されることは同様であっても良い。パネル３上の構造体２の安定性改良のため、ノッチ３１が側壁構造体２の内側部分１０の、および壁部分１１の半分割シェル２８のフランジ上に交互に提供される。ノッチ３１の位置に、互いに支え合うフランジ２３は今や３層のものとなるので、スポット溶接加工を問題も無く容易に行うことができる。当然、ノッチ３１は、外部半分割シェル２７（図５）の、またはパネル３のフランジ２３上に形成されても良いが、後者の場合は恐らく美的理由で不都合となる。

組立前の本発明による側壁モジュールの側壁構造体および側壁パネルを斜視図で示す。 組立および切断後の図１からの側壁構造体および側壁パネルを斜視図で示す。 図２からの側壁モジュールのＡピラーの断面を平面図で示す。 図３によるＡピラー領域内の側壁モジュールの接続フランジの断面を詳細図で示す。 図１からのＡピラー領域および前壁ピラー領域の側壁構造体の強化壁部分の一部を斜視図で示す。

Claims (10)

1. Ａピラーから後輪マウントまで自動車の長手方向後部に延び、側壁構造体および該側壁構造体に接続された側壁パネルを有する、自動車の車体用の側壁モジュールであって、前記側壁構造体が、内側部分と、前記内側部分の外側で固定され、前記側壁モジュールを一体的に強化する壁部分とから構成され、前記側壁パネルを補完するようにシル領域内に部分的に設計される側壁モジュールにおいて、
   前記側壁パネル（３）は、前記後輪マウント（１２）から第１に側部ルーフフレーム（８）越えて前記Ａピラー（７）まで延び、第２にサイドボード（１３）を越えてボックスセクションピラー（９）まで延びる、単一構成要素プレス加工部分として設計され、
   前記側壁モジュール（１）の前記ボックスセクションピラー（９）は前記サイドボード（１３）の上縁部（１４）まで延び、ドア開口部（１７）と前記サイドボード（１３）の上に位置するウインドウ開口部（１６）とが中断されることなく互いに合流していることを特徴とする側壁モジュール。
2. 前記側壁パネル（３）および前記側壁構造体（２）は、開ループのような輪郭形状に設計され、前記ループの開口部（４、１５）は組み立てられた状態で互いに対面することを特徴とする請求項１に記載の側壁モジュール。
3. 前記強化壁部分（１１）はシェル形構造の中空断面として設計されることを特徴とする請求項１あるいは２に記載の側壁モジュール。
4. 前記側壁モジュール（１）を形成する前記側壁パネル（３）および前記側壁構造体（２）の接続フランジ（２３）の領域に、前記壁部分（１１）は、前記側壁構造体（２）の前記内側部分（１０）と交互に溶接接続を形成するためのノッチ（３１）を有することを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の側壁モジュール。
5. Ａピラーから後輪マウントまで自動車の長手方向後部に延び、内側部分と前記内側部分の外側に取り付けられた強化壁部分とを具備する側壁構造体は、加工前の素材から予め深絞り加工され、ウインドウ開口部で切断され、少なくとも１つのドア開口部が形成された側壁パネルに前記自動車の横断方向に接合される側壁モジュールであって、前記側壁構造体の内側部分は外側で、側壁モジュールを一体的に強化し、シル領域内の前記側壁パネルを補完する強化壁部分に固定され、前記ドア開口部と前記側壁パネルのサイドボードの上に位置する前記ウインドウ開口部とが中断されることなく互いに合流する、側壁モジュールを製造する方法であって、
   前記後輪マウント（１２）から側部ルーフフレーム（８）および前記Ａピラー（７）を越えて延びる前記側壁パネル（３）は、第１に、前記ドア開口部（１７）と前記サイドボード（１３）の上に位置する前記ウインドウ開口部（１６）とが中断されることなく互いに合流し、第２に、前壁ピラー（６）と前記ドア開口部（１７）の下を走るシルセクション（１９）の代わりに、前記Ａピラー（７）のパネル部分と前記ドア開口部（１７）に隣接するシル（２０）のパネル部分とを互いに接続する補助フレーム（１８）が形成されるように切断され、
   前記側壁パネル（３）は、続いて堅く固定されて前記側壁構造体（２）に接合され、その固定が行われた後、前記補助フレーム（１８）は前記側壁パネル（３）から切断されることを特徴とする方法。
6. 前記固定は、前記パネル（３）のＡピラー（７）および前記側部ルーフフレーム（８）上に配置され、前記パネル（３）が前記深絞り加工後に切断されると同時に形成される保持タブ（２２）によってクランプ装置内で前記側壁パネル（３）をクランプすることで行われることを特徴とする請求項５に記載の方法。
7. 前記側壁パネル（３）が所定位置でクランプされた後、前記側壁構造体（２）は前記パネル（３）に接合され、
   前記保持タブ（２２）は続いて切断されることを特徴とする請求項６に記載の方法。
8. 前記パネル（３）は、それを前記側壁構造体（２）に接合することによって所定位置で固定され、
   その時に限り前記自動車の横断方向に前記パネル（３）から外側に突出する前記補助フレーム（１８）が切断されることを特徴とする請求項５に記載の方法。
9. 前記内側部分（１０）と、前記パネル（３）と一緒に、中空断面を形成する２つのシェル（２７、２８）から構成される前記強化壁部分（１１）とは、接続フランジ（２３）で互いに接合されることを特徴とする請求項５〜８のいずれか一項に記載の方法。
10. ノッチ（３１）は、それらが互いに支え合う前記フランジ（２３）の接合位置において互いに交互に配置されるように前記内側部分（１０）のおよび前記壁部分（１１）の接続フランジ（２３）上に提供され、
    前記接合位置において、前記側壁構造体（２）のおよび前記パネル（３）の前記フランジ（２３）は前記ノッチ（３１）の位置で互いにスポット溶接されることを特徴とする請求項５〜９のいずれか一項に記載の方法。

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