JP3923497B2 - ホスファゼン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、耐加水分解性に優れたホスファゼン組成物、及びそれを有効成分とする難燃剤及び難燃性樹脂組成物に関する。
ホスファゼン組成物は優れた特性を有することから、様々な分野で研究がなされており、広範囲で好適に使用されている。一例として、高分子材料に対する難燃剤、ゴム、潤滑剤、リチウムイオン電池、太陽電池、燃料電池、不燃性電解液、電池電槽、離形剤、離形膜、粗化面形成材、撥水剤、その他には肥料や、制癌剤、エイズ抑制剤、歯科用材料等の医薬用途等、様々な用途に提案されている。
その中で難燃剤について述べれば、従来から易燃性樹脂の難燃化の手法として、樹脂中に塩素系化合物、臭素系化合物、三酸化アンチモンなどを添加する方法が用いられてきた。しかし、これらは環境保護の観点、毒性の面等からも好ましくないと言われており、難燃化手法の改善が求められていた。そこで、塩素、臭素や金属酸化物を含有しない代替の難燃剤としてリン系難燃剤を用いた難燃化が検討されている。リン系難燃剤として、従来、赤燐、リン酸エステル、縮合リン酸エステル等が使用されている。しかし、赤燐は加水分解性の問題や、腐食性のリン酸が発生することによる金型腐食等の問題がある。リン酸エステルや縮合リン酸エステルは比較的低いリン濃度の為に多量添加が必要であり、その機械的物性、熱的物性等が悪化する上、添加量が増大することによるコストの増大等の問題があった。また、樹脂中に添加した場合、ガラス転移温度の低下が大きく、耐熱性も劣っていた。さらには、電気・電子機器用途での使用を考えた場合、耐加水分解性にも劣っていた。
その一方で、ホスファゼン系化合物は、燐含有率が高い上に、耐熱性、耐加水分解性が比較的良好であること、また、優れた難燃性を持つことから注目されている。近年、ホスファゼン系化合物を用いた樹脂組成物の難燃化手法が既に幾つか提案されている。一例を挙げると、特開平08−302124号公報には、スチレン系樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物とホスファゼン化合物とポリフェノール化合物からなる難燃性樹脂組成物が、特開平10−259292号公報には、フェノキシホスファゼンをエポキシ樹脂に添加した難燃性エポキシ組成物が記載されている。これらの提案は難燃性付与という観点からは有効である。但し、これらの提案は、耐加水分解性や優れた電気特性安定性等の特性も必要とされる分野での使用を考えた場合、十分とは言いがたいものであった。また、日本国特許第3053617号には、JIS−K2246規格即ち、沸騰水浴上で2時間加熱後の揮発分の少ないホスファゼン組成物に関しての記載がある。しかしながら、揮発性成分の含有量が難燃性、耐加水分解性、電気特性安定性に与える効果については何等触れておらず、該方法で得られたホスファゼン組成物を用いた場合も耐加水分解性や電気特性安定性の点で十分とは言い難いものであった。
これらの従来技術からは、以下に開示するように本発明者らが見出したホスファゼン組成物中に含有される揮発性成分の効果について一切読み取れない。即ち、ホスファゼン組成物中に含有される揮発性成分が該組成物の難燃性、耐加水分解性、電気特性安定性に与える驚くべき効果については従来技術からは窺い知ることは出来ず、本発明により初めて明らかにされたものである。
本発明は、塩素、臭素化合物を含まず、耐湿性、難燃性、及び1ギガヘルツ(GHz)以上の高周波領域における電気特性安定性に優れたホスファゼン組成物を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を達成する技術を鋭意検討した結果、200℃の高温加熱時の揮発分量が特定の範囲内であるホスファゼン組成物が、驚くべきことに、耐吸湿性に優れ、又、樹脂組成物中に添加した場合、電気特性の安定性及び難燃性に優れた樹脂組成物を与えることを見出した。
すなわち、本発明は、以下に記載する通りのホスファゼン組成物および難燃性樹脂組成物である。
(1) 少なくとも一種のホスファゼン化合物を含有するホスファゼン組成物であって、該ホスファゼン化合物中の全置換基のうち90%以上の置換基がフェノキシ基であり、該ホスファゼン組成物からの揮発分が、200℃で2時間加熱した時に該ホスファゼン組成物の全重量に対して0.02重量%以上、1.0重量%以下であり、且つ、TGAによる不活性ガス雰囲気下、昇温速度10℃/分で常温から600℃まで加熱した時の500℃における重量保持率が15重量%以下であるホスファゼン組成物。
(2) TGAによって不活性ガス雰囲気下、昇温速度10℃/分で常温から600℃まで加熱した時の500℃における重量保持率が10重量%以下である上記(1)項に記載のホスファゼン組成物。
(3) 環状三量体及び/又は環状四量体化合物を80重量%以上含む上記(1)又は(2)項に記載のホスファゼン組成物。
(4) 150℃でカールフィッシャー法により測定した含有水分量が、1000ppm以下である、上記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載のホスファゼン組成物。
(5) 150℃でカールフィッシャー法により測定した含有水分量が、650ppm以下である、上記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載のホスファゼン組成物。
(6) ホスファゼン組成物の総重量に基づいて、環状ホスファゼン化合物を95重量%以上含有する、上記(1)〜(5)項のいずれか1項に記載のホスフアゼン組成物。
(7) ホスファゼン組成物の総重量に基づいた一種または複数種のアルカリ金属元素含有量がそれぞれ200ppm以下であり、且つ、P−OH結合を有する化合物含有量が1重量%以下であり、且つ、塩素含有量が1000ppm以下である、上記(1)〜(6)項のいずれか1項に記載のホスファゼン組成物。
(8) ホスファゼン組成物の総重量に基づいた一種または複数種のアルカリ金属元素含有量がそれぞれ50ppm以下であり、且つ、P−OH結合を有する化合物含有量が1重量%以下であり、且つ、塩素含有量が500ppm以下である、上記(1)〜(7)項のいずれか1項に記載のホスファゼン組成物。
(9) 前記ホスファゼン化合物中のリン含有量がホスファゼン組成物の総重量に基づいて13.0〜14.5重量%である、上記(1)〜(8)項のいずれか1項に記載のホスファゼン組成物。
(10) 嵩密度が0.45g/cm以上である、上記(1)〜(9)項のいずれか1項に記載のホスファゼン組成物。
以下に本発明を詳細に説明する。
一般に、ホスファゼン組成物のような難燃剤はポリエチレン内袋付紙袋、アルミ内袋付紙袋、ポリエチレン内袋等に入れたものをドラム缶やフレコン等で包装されるなど、ある程度外気と遮断された環境下で運搬、保管される。しかし、運搬、保管条件によっては高温多湿条件となりうる環境下で扱われることもよくあることであり、こういった条件下に置かれた場合、ホスファゼン組成物は吸湿し、品質劣化を起こすという問題を有する。即ち、貯蔵安定性に劣る。吸湿したホスファゼン組成物を原料として用いた樹脂組成物は、耐加水分解性、電気特性安定性に劣ることになる。
一般的にホスファゼン化合物に限らず、難燃剤は揮発分を含有しないことが好ましいとされる。それに対し、本発明においては、本願で規定する揮発分はむしろ、品質安定の為の必須成分であり、200℃で二時間加熱した時の重量変化率(揮発性成分含有量に相当すると考えてよい)が0.02重量%以上、1.0重量%以下、好ましくは0.02重量%以上、0.8重量%以下、さらに好ましくは0.04重量%以上、0.8重量%以下であるホスファゼン組成物が、高温多湿条件下においても耐吸湿性に優れ、それに伴って、電気特性安定性に優れる、即ち貯蔵安定性に優れることを見出した。本発明のホスファゼン組成物は高温高湿下、長期間貯蔵しても吸湿せず、品質が安定している。揮発分量が0.02重量%未満である場合は吸湿時の吸水率が高くなる上、電気特性安定性に劣る。一方1.0重量%を超える場合は、電気特性安定性及び難燃性が劣り、好ましくなく、また、樹脂組成物とした場合に、成型片に膨れが生じたりするなど、表面外観が悪化する傾向にある。
一般にホスファゼン化合物は、ハロゲン化リンと塩化アンモニウムとを有機溶媒中で反応させてハロゲン化ホスファゼンオリゴマーを得、さらに有機溶媒中でヒドロキシ化合物のアルカリ金属塩を作用させることにより、得ることができる。ホスファゼン化合物の合成反応に好適に使用される有機溶媒としては、特に規定はされないが、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド等のアミド系溶媒等が挙げられる。この合成反応において、使用する反応溶媒、反応条件により、様々な低沸点の副生成物が生成することもあり、これらが最終生成物中に揮発性成分として残存することがある。
本発明におけるホスファゼン組成物からの揮発分には、その組成物中に残存するホスファゼン化合物合成における反応溶媒や、フェノール類、アルコール類等の低沸点の残存原料が含まれる。残存する溶媒種は、当然使用する反応溶媒によって異なる。また、揮発分としては、使用原料又は使用溶媒から副生した、あるいは使用溶媒と使用原料との反応により副生した構造不明の低沸点不純物等も挙げられる。使用原料からの副生成物の一例として、ハロゲン化リンから生成したリン酸系化合物や、原料フェノール類、アルコール類から副生する二量化化合物等の多量化化合物等が挙げられる。また、使用溶媒由来の副生成物の一例として、エーテル系溶媒を使用した場合に開環反応により得られる化合物等が挙げられる。使用溶媒と使用原料との反応による副生成物の一例として、原料フェノール類、アルコール類と溶媒との反応により得られるエーテル類等が挙げられる。
本発明のホスファゼン組成物に含有される水分量は1000ppm以下、好ましくは800ppm以下、さらに好ましくは650ppm以下、さらには500ppm以下、より好ましくは300ppm以下であることが望ましい。1000ppmを超える場合は、電気特性安定性、耐加水分解性に劣ることになり好ましくない。
本発明で用いられるホスファゼン化合物は、例えばJames E. Mark, Harry R.
Allcock, Robert West 著、”Inorganic Polymers” Pretice-Hall
International, Inc., 1992, p61-p140に記載されている。例えば、下記一般式(1)
Figure 0003923497
で示される環状ホスファゼン化合物及び/又は、下記一般式(2)
Figure 0003923497
で示される鎖状ホスファゼン化合物が挙げられる。
ここで、式中のnは3〜25の整数、mは3〜10000の整数であり、置換基X及びXは各々独立に炭素数が1〜6のアルキル基、炭素数が6〜11のアリール基、フッ素原子、又は下記一般式(3)
Figure 0003923497
で示される置換基を有するアリールオキシ基(式中のR、R、R、R及びRは各々独立に水素原子、フッ素原子、炭素数が1〜5のアルキル基またはアルコキシ基、又はフェニル基の中からなる群より選ればれた少なくとも一種の置換基を表す)、又はナフチルオキシ基、又は炭素数が1〜6のアルコキシ基やアルコキシ置換アルコキシ基で表される置換基のうち、少なくとも一種の置換基であり、置換基上の水素は一部又は全部がフッ素に置換されていても構わない。また、式中のYは-N=P(O)(X)又は-N=P(X)を表し、Zは-P(X)又は-P(O)(X)を表す。
上記置換基X及びXの一例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、イソアミル基等のアルキル基、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2−メチル−4−tert−ブチルフェニル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、s−ブチルオキシ基、n−アミルオキシ基、イソアミルオキシ基、tert−アミルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基等のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシエトキシメトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、メトキシプロピルオキシ基等のアルコキシ置換アルコキシ基、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2−エチルフェノキシ基、3−エチルフェノキシ基、4−エチルフェノキシ基、2,6−ジエチルフェノキシ基、2,5−ジエチルフェノキシ基、2,4−ジエチルフェノキシ基、3,5−ジエチルフェノキシ基、3,4−ジエチルフェノキシ基、4−n−プロピルフェノキシ基、4−イソプロピルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、2−メチル−4−tert−ブチルフェノキシ基、2−フェニルフェノキシ基、3−フェニルフェノキシ基、4−フェニルフェノキシ基等のアルキル置換フェノキシ基、アリール置換フェノキシ基、ナフチル基、ナフチルオキシ基等が挙げられ、これらの基の一部又は全部の水素がフッ素に置き換わっていても構わない。
本発明のホスファゼン組成物において、ホスファゼン化合物は、一種単独で用いても、二種以上の混合物として用いても良いが、ホスファゼン組成物の総重量に基づいて、上で例示した一般式(1)及び(2)の構造を有するものを95重量%以上含有することが好ましい。
難燃性を決める因子の一つとして、ホスファゼン化合物の分子中に含有するリン原子の濃度が挙げられる。ホスファゼン化合物において、鎖状構造を有する鎖状ホスファゼン化合物は分子末端に置換基を有することから、環状ホスファゼン化合物よりもリン含有率が低くなる。従って、同量を添加する場合、鎖状ホスファゼン化合物よりも環状ホスファゼン化合物の方がより難燃性付与効果が高いと考えられることから、本発明においては、ホスファゼン組成物の総重量に基づいて、環状ホスファゼン化合物を95重量%以上含有するものが好ましい。
また、耐熱性・難燃性のバランスを考慮すると、ホスファゼン化合物中の全置換基のうち90%以上の置換基がフェノキシ基であることが好ましい。
さらに、これらのホスファゼン化合物は国際公開番号00/09518号パンフレットに開示されている技術により、フェニレン基、ビフェニレン基および下記に示す基(4)
Figure 0003923497
(式中Rは、―C(CH−、−SO−、−S−、または−O−を、lは0又は1を表す)からなる群より選ばれた架橋基によって架橋されていても良い。これらの架橋構造を有するホスファゼン化合物は、具体的にはジクロロホスファゼンオリゴマーにフェノールのアルカリ金属塩および芳香族ジヒドロキシ化合物のアルカリ金属塩を反応させることにより製造される。これらのアルカリ金属塩は、ジクロロホスファゼンオリゴマーに対して理論量よりもやや過剰に添加される。
また、ホスファゼン化合物は環状三量体、環状四量体等の環状体や鎖状ホスファゼン化合物といった構造の異なる化合物の混合物であるが、難燃性樹脂組成物の加工性は環状三量体、環状四量体含有率が高いほど好ましい傾向にあり、具体的には環状三量体及び/又は環状四量体化合物を80重量%以上含むホスファゼン化合物が好ましい。さらに好ましくは、環状三量体を70重量%以上、より好ましくは環状三量体を80重量%以上含有することが好ましい。
また、ホスファゼン化合物は、置換基の種類や構造の違いによって液状、ワックス状、固体状等、さまざまな形態を取り得るが、本発明の効果を損なわないものであれば、どのような形態でも構わない。固体状態の場合、嵩密度が0.45g/cm以上、0.75g/cm以下であることが好ましい。嵩密度が0.45g/cm未満の場合、粒子径の小さいものを多く含むことになることから、粉塵爆発の可能性も出てくる為好ましくない。
ホスファゼン化合物中に含有されるナトリウム、カリウム等のアルカリ金属成分は、ホスファゼン組成物の総重量に基づいて、それぞれ200ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下であり、より好ましくは、全アルカリ金属成分が50ppm以下である。また、ホスファゼン組成物の総重量に基づいて、一般式(1)において置換基Xのうち少なくとも一つが水酸基であるホスファゼン化合物、即ちP−OH結合を含有するホスファゼン化合物の含有量が、1重量%未満であることが望ましく、且つ、塩素含有量が1000ppm以下、好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下であることが望ましい。ホスファゼン組成物の総重量に基づいて、アルカリ金属成分が200ppmを超え、且つ、水酸基含有ホスファゼン化合物が1重量%以上、塩素含有量が1000ppmを超える場合、そのようなホスファゼン組成物を含有する樹脂組成物は、難燃性、耐加水分解性に劣る上、電気特性を悪化させる等の問題がある。また、そのようなホスファゼン組成物を酸により分解しやすい樹脂に添加しようとした場合、P−OHに由来するリン酸痕によって樹脂そのものが分解し、樹脂組成物の機械特性を低下させることもある。
一般式(1)で表される環状構造を有し、かつ置換基Xの少なくとも一つが水酸基であるホスファゼン化合物は、下記一般式(5)(式中、a+b=nである)で表されるオキソ体構造をとることもあるが、このようなオキソ体化合物も水酸基含有ホスファゼン化合物の場合と同様にホスファゼン組成物の全重量に基づいて1重量%未満であることが望ましい。一般式(2)で表される鎖状構造を有するホスファゼン化合物でも同様である。
Figure 0003923497
本発明の200℃で2時間加熱した時の揮発分が0.02重量%以上、1.0重量%以下であるホスファゼン組成物の製造方法は、そのような要求を満足するホスファゼン組成物を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。本発明のホスファゼン組成物は、例えば下記の方法により好適に得ることができる。
ホスファゼン化合物の合成工程においては、副生成物の抑制は高度に行う必要はなく、寧ろある程度の副生成物は本発明のホスファゼン組成物においては好適である。例えば、反応系中の水分濃度、原料の純度、反応温度、反応時間等を適切に制御することにより、適度な量の副生成物を含有するホスファゼン組成物が得られる。
精製工程においては、精製に使用する溶媒、温度、時間、乾燥工程においては、乾燥装置の種類、乾燥温度、時間、減圧度、ホスファゼン化合物の表面積等を適切に制御する必要がある。本発明のホスファゼン組成物は、これら全ての工程の条件を制御して初めて得られるものである。
本発明のホスファゼン組成物は、広範囲で好適に使用することができ、使用方法、使用分野は特に規定されない。好適な使用方法として、一例として挙げると、難燃剤、ゴム、潤滑剤、リチウムイオン電池、太陽電池、燃料電池、不燃性電解液、電池電槽、離形剤、離形膜、粗化面形成材、撥水剤、その他には肥料や、制癌剤、エイズ抑制剤、歯科用材料等の医薬用途等にも提案されており、いずれも好適に使用されるが、特に高分子材料の難燃剤、潤滑剤、リチウムイオン電池、燃料電池、太陽電池、不燃性電解液、電池電槽、離形膜として好適に使用される。
本発明のホスファゼン組成物を使用する場合、本発明の効果が達成できる範囲で、本発明のホスファゼン化合物以外に、従来公知のノンハロゲン、ノンアンチモンの難燃剤を併用することができる。例示すると、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジキシレニルフェニルホスフェート、レゾルシノールビスホスフェート、ビスフェノールAビスホスフェート等の燐酸エステル類、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミン酸カルシウム等の金属水酸化物、トリアジン化合物、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミン樹脂、グアニジン化合物等の含窒素化合物、ホウ酸亜鉛化合物、スズ酸亜鉛化合物、さらにはシリカ、カオリンクレー、タルクなどの無機ケイ素化合物、含珪素有機化合物等が挙げられる。
本発明のホスファゼン組成物を使用する場合、剛性や寸法安定性等の他の特性を付与するため、本発明の効果を損なわない範囲で他の添加剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤などの安定剤、硬化剤、硬化促進剤、帯電防止剤、応力緩和剤、離型剤、流動調整剤、染料、増感材、着色用顔料、ゴム質重合体、導電性高分子等を予め添加することができる。
本発明のホスファゼン組成物は、従来公知の樹脂と組み合わせて使用することができる。使用することができる樹脂は何等限定されるものではなく、公知の硬化性樹脂、可塑性樹脂が好適に使用される。一例を挙げると、可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、エラストマー含有ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネートとABS樹脂のアロイ、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、ポリアミド、サーモトロピック液晶等が挙げられ、特にポリフェニレンエーテル、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテルとポリスチレンのアロイ、ポリフェニレンエーテルとポリアミドのアロイ、ポリフェニレンエーテルとサーモトロピック液晶とのアロイ、ポリフェニレンエーテルとポリフェニレンサルファイドとのアロイが好適に使用される。
硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、キシレン樹脂、トリアジン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ウレタン樹脂、ケトン樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、スチリルピリジン樹脂、シリコン樹脂、合成ゴムがあり、特にエポキシ樹脂で好適に使用される。
これらの可塑性樹脂及び硬化性樹脂は一種単独で用いても、二種以上含有するポリマーアロイ、或いはこれらの樹脂とゴム状重合体とのポリマーアロイ等として用いても良い。
本発明において好適に用いられるエポキシ樹脂は、分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物であればよく、特に制限されるものではない。一例として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂等が挙げることができ、これらのエポキシ樹脂は単独又は二種以上を混合して用いることができる。
本発明において、好適に使用されるポリフェニレンエーテル樹脂としては、下記一般式(6)及び/または(7)で表される繰り返し単位を有する単独重合体、あるいは共重合体が用いられる(ここで、R、R、R、R10
11、R12は独立に炭素1〜4のアルキル基、アリール基、ハロゲン、水素を表す。但し、R11、R12は同時に水素ではない)。
Figure 0003923497
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ポリフェニレンエーテル樹脂の単独重合体の代表例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル等のホモポリマーが挙げられる。
この中で、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルが好ましく、特開昭63−301222号公報等に記載されている、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニットや2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等を部分構造として含んでいるポリフェニレンエーテルは特に好ましい。
ここでポリフェニレンエーテル共重合体とは、フェニレンエーテル構造を主単量単位とする共重合体である。その例としては、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノールとo−クレゾールとの共重合体あるいは2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール及びo−クレゾールとの共重合体等がある。
本発明においてはポリフェニレンエーテル樹脂の一部又は全部を、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基、シリル基を含有する基により変性された変性ポリフェニレンエーテル樹脂を用いることができ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いても良い。官能化された変性ポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法は、例えば特表昭63−503392号公報、特公平7−5818号公報、特公平3−6185号公報、特開2001−302738号公報、特開2001−302789号公報、日本国特許3289715号、日本国特許3109735号、日本国特許3403179号、日本国特許3409035号等に記載の方法で製造される。
本発明のホスファゼン組成物を用いた樹脂組成物においては、本発明の効果が達成できる範囲で、本発明のホスファゼン化合物以外に、従来公知のノンハロゲン、ノンアンチモンの難燃剤を併用することができる。例示すると、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジキシレニルフェニルホスフェート、レゾルシノールビスホスフェート、ビスフェノールAビスホスフェート等の燐酸エステル類、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルミン酸カルシウム等の金属水酸化物、トリアジン化合物、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミン樹脂、グアニジン化合物等の含窒素化合物、含珪素化合物等が挙げられる。
本発明のホスファゼン組成物を用いた樹脂組成物においては、さらに樹脂組成物の剛性や寸法安定性を向上させる必要のあるときには、無機充填材を添加することができる。充填材種は目的によって任意に選べるが、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、ガラスクロス、ガラスフレーク、カーボン繊維、マイカ、タルク、シリカ、ジルコン、アルミナ、石英、マグネサイト、グラファイト、フラーレン、石膏、カオリン、炭化珪素、炭酸カルシウム、鉄粉、銅粉等が一般的に用いられる。
本発明のホスファゼン組成物を用いた樹脂組成物においては、更に寸法安定性等の他の特性を付与するため、本発明の効果を損なわない範囲で他の添加剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤などの安定剤、硬化剤、硬化促進剤、帯電防止剤、応力緩和剤、離型剤、流動調整剤、染料、増感材、着色用顔料、ゴム質重合体等を添加することができる。また、従来から知られた各種難燃剤および難燃助剤、例えば結晶水を含有する水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウム等のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物、ホウ酸亜鉛化合物、スズ酸亜鉛化合物、さらにはシリカ、カオリンクレー、タルクなどの無機ケイ素化合物を添加して更なる難燃性の向上も可能である。
本発明におけるホスファゼン組成物と樹脂との配合方法は、本発明の効果が達成できる方法であれば特に限定されるものではない。ホスファゼン組成物と樹脂、必要に応じて添加する添加物は、すべて同時に配合しても良いし、ホスファゼン組成物と添加物を予め配合した後に樹脂に配合しても良い。また、各成分は順次配合されても良い。
本発明におけるホスファゼン組成物と熱可塑性樹脂との配合方法は、本発明の効果が達成できる方法であれば特に限定されるものではない。例えば、押出機、加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練製造することができる。その中でも押出機による混練が、生産性の面で好ましい。混練温度は、ベース樹脂の好ましい加工温度に従えばよく、目安としては200〜360℃の範囲、好ましくは240〜320℃の範囲である。
また、硬化性樹脂に配合する場合には、樹脂組成物を製造するための成分を、無溶媒で、若しくは、必要に応じて均一に混合できる溶媒を用いて混合した後、溶媒を除去して樹脂混合物を得て、これを金型内へ注形し硬化させた後冷却し、型から取り出すことにより成型品を得る方法でも良い。また、型に注型し、熱プレスにより硬化させることもできる。各成分を溶解させる為の溶媒は各種材料を均一に混合することができ、且つ、使用することによって本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されるものではない。一例としてはトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、メチルセロソルブ、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、n−ヘキサン、n−ペンタン等が挙げられる。
また、加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機等の混練機を用いて混練製造した後、冷却、粉砕し、さらにトランスファー成形、射出成形、圧縮成形等により成形を行う方法も一例として挙げることができる。また、硬化方法は使用する硬化剤により異なるが、特に限定はされない。例としては、熱硬化、光硬化、圧力による硬化、湿気による硬化等が挙げられるが、本発明の効果が達成できる硬化方法であれば規定されるものではない。各成分を混合させる順序は、本発明の効果が達成できる方法であれば特に限定されるものではない。樹脂組成物の製造方法は、それぞれの樹脂の適性に応じて、好ましい方法を用いることができる。
本発明のホスファゼン組成物を用いた樹脂組成物は、コイルボビン、フライバックトランス、コネクター、偏光ヨーク等の電気・電子機器部品、プリント配線板、プリント基板、封止剤、電気絶縁材料、電気被覆剤、積層板、高速演算用ワニス、先端複合材料、電線、アンテナ剤、ケーブル、高性能成型材料等の電気・電子材料用途、塗料、接着剤、コーティング材、食器、ボタン、繊維・紙処理剤、化粧板、UV硬化型インキ、シーラント、合成皮革、断熱緩衝材料、塗膜防水材、防食ライニング、鋳型用バインダー、ラッカー、ペイント、インキの改質材、樹脂変性材、航空機内装剤、複合材料用マトリックス、家庭用品、OA機器、AV機器、電池電槽、照明機器、自動車部品用途、ハウジング用途、ETC、ITC、携帯電話等に最適に使用される。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
1)揮発分の測定
ホスファゼン組成物をガラス瓶に5g量り取り、設定温度200℃のオーブンで2時間加熱し、加熱前後での重量変化分を測定し、揮発分量とした。
2)ホスファゼン組成物の水分量測定
設定温度150℃で、カールフィッシャー法により測定した。
3)ホスファゼン組成物の吸湿後の水分量測定
予め、ホスファゼン組成物を目開き710μmの篩いに掛け、篩いだされたホスファゼン組成物10gをシャーレに取り、恒温恒湿槽にて、温度85℃、相対湿度95%Rhの条件下で6時間加湿し、加湿前後の含有水分量を設定温度150℃で、カールフィッシャー法により測定した。
4)ホスファゼン組成物の嵩密度
ホソカワミクロン(株)社製、パウダテスタを用いてゆるみ見掛比重(Aerated Bulk Density)を測定し、嵩密度とした。
5)電気特性(電気特性安定性)
厚さ約2mmの120×120mmの成型片を用いて、比誘電率及び比誘電正接を円筒空洞共振器法により周波数4GHzにて測定した。
さらに、90℃、相対湿度95%Rhに設定された恒温恒湿槽で48時間吸湿させた後、成型片の比誘電率及び比誘電正接を円筒空洞共振器により周波数4GHzにて測定した。
6)TGA(Thermogravimetric Analysis;熱重量分析)
ホスファゼン組成物10mgを、パーキンエルマー社製 Thermal Analysis
System 7 Seriesを用いて、窒素気流30ml/min中、10℃/minの速度で600℃まで昇温したとき、500℃における重量を100℃における重量で除して100を乗じた値を、500℃における重量保持率とした。
7)難燃性
UL−94 垂直燃焼試験に基づき、1/16インチ厚みの射出成形試験片を用いて測定し、10回接炎時の平均燃焼時間と燃焼時の滴下物による脱脂綿着火の有無を評価した。
8)MFR(Melt Flow Rate;メルトフローレート)
JIS K7210に基づき、250℃、10kg荷重にて測定した。
9)金属含有量測定
試料に濃硫酸を加え灰化し、希硝酸に溶解後、原子吸光分析装置によりカリウム、ナトリウムの定量分析を行った。
10)リン含有量測定
試料約100mgを量り取り、濃硫酸を加え灰化し、希硝酸に溶解後、ICP−AES法によりリンの定量分析を行った。
11)塩素含有量測定
イオンクロマトグラフィー法により測定を行った。
12)耐湿性
厚さ約2mm、50×50mmの成型片を、恒温恒湿槽にて設定温度85℃、相対湿度95%Rhの条件下で56時間加湿し、加湿前後の重量の差を測定することにより、吸水率とした。また、試験片の色の変化を目視により確認し、吸湿前後で色の変化がほとんど見られなかったものを○、色の変化が確認できたものを×として、吸湿時の色調安定性を確認した。
実施例及び比較例で用いた各成分は以下のものである。
(1)ポリフェニレンエーテル(PPE)
30℃のクロロホルム溶液で測定したηsp/cが0.54のポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル。
(2)ゴム補強ポリスチレン(HIPS)
ゴム含量9重量%、30℃、トルエン溶液で測定したマトリックスポリスチレンのηsp/cが0.64、体積平均ゴム粒子径が1.5μmのゴム補強ポリスチレン。
(3)エポキシ樹脂:
AER250(旭化成エポキシ(株)社製);エポキシ当量184〜186。
(4)硬化剤
m−キシレン−α,α’−ジアミン(和光純薬工業(株)社製)。
ホスファゼン組成物は実施例1〜6及び比較例1〜3の方法により合成した。
[実施例1]
FR1:ジムロート型冷却管を備えたディーンスターク管、滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備え付けた2Lの四口フラスコに、フェノール160.2g、固体状の水酸化カリウム112.2g及びキシレン500mlを仕込み、窒素気流下、油浴温度145℃で加熱還流を行った。生成する水はキシレンとの共沸により系外へと取り出し、キシレンのみ系中に戻した。生成してくる水の溜出が終了するまで加熱還流を行ったところ、反応完結まで4時間を要した。
反応容器を氷浴につけ、反応溶液が10℃以下になるまで冷却し、反応溶液を10℃以下に保ったままで、クロロホスファゼンオリゴマー72.1g(三量体95%、四量体4%、その他の成分1%)とキシレン250mlの混合溶液を、滴下ロートを用いて30分かけて滴下した。滴下後、反応溶液を再度加熱し、油浴温度145℃で7時間加熱還流を行った。反応の終点は、31PNMRにより追跡し、ハロゲン置換ホスファゼン化合物由来のシグナルが観測されなくなるまで反応を行った。反応終了後、反応溶液を80℃まで冷却し、70〜85℃の温度を保って、10%水酸化ナトリウム水溶液で二度洗浄し、さらに希塩酸で一度、水洗を四度行った。無水硫酸マグネシウムで反応溶液を乾燥し、硫酸マグネシウムを濾別、80℃、10mmHg以下で溶媒を溜去した後、設定温度105℃のオーブン中で、1mmHg以下で5時間減圧乾燥させて、フェノキシホスファゼン混合物132.5g得た。得られた塊状のホスファゼン組成物は、ヘンシェルミキサーを用いて粉砕した。得られたホスファゼンの組成は31PNMRにより求めた。三量体:96%、四量体3%、その他のホスファゼン化合物:1%。K含有量;23ppm、Na含有量;12ppm。リン含有量;13.4%。塩素含有量:30ppm。500℃残渣:2.2重量%。揮発分量は0.174重量%であった。嵩密度は0.46g/cmであった。
[実施例2]
FR2:ジムロート型冷却管を備えたディーンスターク管、滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備え付けた2Lの四口フラスコに、フェノール151.5g、固体状の水酸化カリウム103.6g及びキシレン500mlを仕込み、窒素気流下、油浴温度145℃で加熱還流を行った。生成する水はキシレンとの共沸により系外へと取り出し、キシレンのみ系中に戻した。生成してくる水の溜出が終了するまで加熱還流を行ったところ、反応完結まで4時間を要した。
反応容器を氷浴につけ、反応溶液が10℃以下になるまで冷却し、反応溶液を10℃以下に保ったままで、クロロホスファゼンオリゴマー70.0gとキシレン250mlの混合溶液を、滴下ロートを用いて30分かけて滴下した。滴下後、反応溶液を再度加熱し、油浴温度145℃で7時間加熱還流を行った。反応の終点は、31PNMRにより追跡し、ハロゲン置換ホスファゼン化合物由来のシグナルが観測されなくなるまで反応を行った。反応終了後、反応溶液を80℃まで冷却し、70〜85℃の温度を保って、10%水酸化ナトリウム水溶液で二度洗浄し、さらに希塩酸で一度、水洗を四度行った。無水硫酸マグネシウムで反応溶液を乾燥し、硫酸マグネシウムを濾別、80℃、10mmHg以下で溶媒を溜去した後、設定温度105℃のオーブン中で、1mmHg以下で5時間減圧乾燥させて、フェノキシホスファゼン化合物の混合物を含むホスファゼン組成物126.3g得た。得られた塊状のホスファゼン組成物は、ヘンシェルミキサーを用いて粉砕した。得られたホスファゼンの組成は31PNMRにより求めた。三量体:88%、四量体8%、その他のホスファゼン化合物4%。K含有量;20ppm、Na含有量;11ppm。リン含有量:13.7重量%、塩素含有量:82ppm。500℃残渣:6.3重量%。揮発分量は0.225重量%であった。嵩密度は0.47g/cmであった。
[実施例3]
FR3:ジムロート型冷却管を備えたディーンスターク管、滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備え付けた2Lの四口フラスコに、フェノール158.0g、固体状の水酸化カリウム110.0g及びクロロベンゼン500mlを仕込み、窒素気流下、油浴温度145℃で加熱還流を行った。生成する水はクロロベンゼンとの共沸により系外へと取り出し、クロロベンゼンのみ系中に戻した。生成してくる水の溜出が終了するまで加熱還流を行ったところ、反応完結まで6時間を要した。
反応容器を氷浴につけ、反応溶液が10℃以下になるまで冷却し、反応溶液を10℃以下に保ったままで、クロロホスファゼンオリゴマー72.1gとクロロベンゼン250mlの混合溶液を、滴下ロートを用いて30分かけて滴下した。滴下後、反応溶液を再度加熱し、油浴温度145℃で7時間加熱還流を行った。反応の終点は、31PNMRにより追跡し、ハロゲン置換ホスファゼン化合物由来のシグナルが観測されなくなるまで反応を行った。反応終了後、反応溶液を80℃まで冷却し、70〜85℃の温度を保って、10%水酸化ナトリウム水溶液で二度洗浄し、さらに希塩酸で一度、水洗を四度行った。無水硫酸マグネシウムで反応溶液を乾燥し、硫酸マグネシウムを濾別、80℃、10mmHg以下で溶媒を溜去した後、設定温度105℃のオーブン中で、1mmHg以下で5時間減圧乾燥させて、フェノキシホスファゼン化合物の混合物を含むホスファゼン組成物121.8g得た。得られた塊状のホスファゼン組成物は、ヘンシェルミキサーを用いて粉砕した。得られたホスファゼンの組成は
31PNMRにより求めた。三量体:84%、四量体14%、その他のホスファゼン化合物:2%。K含有量;30ppm、Na含有量;15ppm。リン含有量;13.5%。塩素含有量:65ppm。500℃残渣:7.1重量%。揮発分量は0.586重量%であった。嵩密度は0.55g/cmであった。
[実施例4]
FR4:FR1をトルエン/メタノール=10/90の混合溶媒に溶解した後、再結晶し、得られた結晶を設定温度105℃のオーブン中で、1mmHg以下で4時間減圧乾燥させた後、得られた塊状のホスファゼン組成物は、ヘンシェルミキサーを用いて粉砕した。三量体:97%、四量体:2%、その他のホスファゼン化合物:1%。K含有量;8ppm、Na含有量;10ppm。リン含有量;13.4重量%、塩素含有量:10ppm以下、500℃残渣:2.1重量%。揮発分量は0.125重量%であった。嵩密度は0.57g/cmであった。
[実施例5]
FR5:ジムロート型冷却管を備えたディーンスターク管、滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備え付けた2Lの四口フラスコに、フェノール150.0g、固体状の水酸化カリウム100.1g及びキシレン500mlを仕込み、窒素気流下、油浴温度145℃で加熱還流を行った。生成する水はキシレンとの共沸により系外へと取り出し、キシレンのみ系中に戻した。生成してくる水の溜出が終了するまで加熱還流を行ったところ、反応完結まで4時間を要した。
反応容器を氷浴につけ、反応溶液が10℃以下になるまで冷却し、反応溶液を10℃以下に保ったままで、クロロホスファゼンオリゴマー70.3gとキシレン250mlの混合溶液を、滴下ロートを用いて30分かけて滴下した。滴下後、反応溶液を再度加熱し、油浴温度145℃で6時間加熱還流を行った。反応の終点は、31PNMRにより追跡し、ハロゲン置換ホスファゼン化合物由来のシグナルが観測されなくなるまで反応を行った。反応終了後、反応溶液を80℃まで冷却し、70〜85℃の温度を保って、10%水酸化ナトリウム水溶液で二度洗浄し、さらに希塩酸で一度、水洗を四度行った。無水硫酸マグネシウムで反応溶液を乾燥し、硫酸マグネシウムを濾別、80℃、10mmHg以下で溶媒を溜去した。得られた粗結晶を、メタノール100mlを用いて洗浄した後、設定温度105℃のオーブン中で、1mmHg以下で5時間減圧乾燥させて、フェノキシホスファゼン化合物の混合物を含むホスファゼン組成物118.1g得た。得られた塊状のホスファゼン組成物は、ヘンシェルミキサーを用いて粉砕した。得られたホスファゼンの組成は、三量体:93.6%、四量体4.0%、その他のホスファゼン化合物2.4%。K含有量;28ppm、Na含有量;10ppm。リン含有量:13.5重量%、塩素含有量:102ppm。500℃残渣:4.3重量%。揮発分量は0.088重量%で、嵩密度は0.49g/cmであった。
[実施例6]
FR6:ジムロート型冷却管を備えたディーンスターク管、滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備え付けた2Lの四口フラスコに、フェノール155.1g、固体状の水酸化カリウム100.0g及びキシレン500mlを仕込み、油浴温度145℃で加熱還流を行った。生成する水はキシレンとの共沸により系外へと取り出し、キシレンのみ系中に戻した。生成してくる水の溜出が終了するまで加熱還流を行ったところ、反応完結まで4時間を要した。
反応容器を氷浴につけ、反応溶液が10℃以下になるまで冷却し、反応溶液を10℃以下に保ったままで、クロロホスファゼンオリゴマー72.2gとキシレン250mlの混合溶液を、滴下ロートを用いて30分かけて滴下した。滴下後、反応溶液を再度加熱し、油浴温度145℃で6時間加熱還流を行った。反応の終点は、31PNMRにより追跡した。反応終了後、反応溶液を80℃まで冷却し、70〜85℃の温度を保って、10%水酸化ナトリウム水溶液で二度洗浄し、さらに希塩酸で一度、水洗を四度行った。無水硫酸マグネシウムで反応溶液を乾燥し、硫酸マグネシウムを濾別、80℃、10mmHg以下で溶媒を溜去した後、設定温度105℃のオーブン中で、1mmHg以下で5時間減圧乾燥させて、フェノキシホスファゼン化合物の混合物を含むホスファゼン組成物124.1g得た。得られた塊状のホスファゼン組成物は、ヘンシェルミキサーを用いて粉砕した。得られたホスファゼンの組成は、三量体:90.3%、四量体4.3%、分子内に水酸基を一つ有するホスファゼン三量体化合物:0.1%、モノクロロペンタフェノキシホスファゼン三量体:0.4%、その他のホスファゼン化合物4.9%。K含有量;35ppm、Na含有量;13ppm。リン含有量:14.1%、塩素含有量:290ppm。500℃残渣:8.6重量%。揮発分量は0.451重量%で、嵩密度は0.57g/cmであった。
[比較例1]
FR7:ジムロート型冷却管を備えたディーンスターク管、滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備え付けた2Lの四口フラスコに、フェノール177.0g及びキシレン750mLを仕込み、窒素気流下、油浴温度を145℃とした。そこへ、水酸化カリウム120.2gを精製水に溶解させて40%水溶液とした溶液を、滴下ロートを用いて4時間かけて滴下し、系中の水分はキシレンとの共沸により逐次系外に除去した。水酸化カリウム水溶液滴下終了後、生成してくる水の溜出が終了するまで加熱還流を行ったところ、反応完結まで90分を要した。
反応容器を氷浴につけ、反応溶液が10℃以下になるまで冷却し、反応溶液を10℃以下に保ったままで、クロロホスファゼンオリゴマー85.1gとキシレン250mlの混合溶液を、滴下ロートを用いて30分かけて滴下した。滴下後、反応溶液を再度加熱し、油浴温度145℃で7時間加熱還流を行った。反応の終点は、31PNMRにより追跡した。反応終了後、反応溶液を40℃以下まで冷却した後、10%水酸化ナトリウム水溶液/メタノール=7:3の溶液で二度洗浄し、さらに希塩酸で一度、水/メタノール=7:3溶液での洗浄を三度行った。無水硫酸マグネシウムで反応溶液を乾燥し、硫酸マグネシウムを濾別、80℃、10mmHg以下で溶媒を溜去した後、設定温度80℃のオーブン中で、1mmHg以下で13時間減圧乾燥させて、フェノキシホスファゼン化合物の混合物を含むホスファゼン組成物154gを得た。得られたホスファゼンの組成は31PNMRにより求めた。三量体:87%、四量体:10%、その他のホスファゼン化合物:3%。K含有量;10ppm、Na含有量;10ppm。500℃残渣:7.8重量%。揮発分量は0.017重量%であった。嵩密度は0.42g/cmであった。
[比較例2]
FR8:ジムロート型冷却管を備えたディーンスターク管、滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備え付けた2Lの四口フラスコに、フェノール167.0g、水酸化カリウム100.1gを精製水に溶解させて40%溶液とした水酸化カリウム水溶液及びキシレン500mlを仕込み、窒素気流下、油浴温度145℃で加熱還流を行った。系中の水と生成する水はキシレンとの共沸により系外へと取り出し、キシレンのみ系中に戻した。生成してくる水の溜出が終了するまで加熱還流を行ったところ、反応完結まで8時間を要した。
反応容器を氷浴につけ、反応溶液が10℃以下になるまで冷却し、反応溶液を10℃以下に保ったままで、クロロホスファゼンオリゴマー80.1gとキシレン250mlの混合溶液を、滴下ロートを用いて30分かけて滴下した。滴下後、反応溶液を再度加熱し、油浴温度145℃で6時間加熱還流を行った。反応の終点は、31PNMRにより追跡した。反応終了後、反応溶液を40℃以下まで冷却し、希塩酸で中和し、水洗を三度行った。無水硫酸マグネシウムで反応溶液を乾燥し、硫酸マグネシウムを濾別、80℃、10mmHg以下で溶媒を溜去した後、設定温度80℃のオーブン中で、1mmHg以下で3時間減圧乾燥させて、フェノキシホスファゼン化合物の混合物を含むホスファゼン組成物151g得た。得られたホスファゼンの組成は31PNMRにより求めた。三量体:81%、四量体12%、分子内に水酸基を一つ有するホスファゼン化合物:1%、モノクロロペンタフェノキシホスファゼン三量体:2%、その他のホスファゼン化合物4%。K含有量;212ppm、Na含有量;38ppm。リン含有量;14.6重量%、塩素含有量;2200ppm。500℃残渣:15.1重量%。揮発分量は5.12重量%であった。嵩密度は0.76g/cmであった。
[比較例3]
FR9:ジムロート型冷却管を備えたディーンスターク管、滴下ロート、温度計及び攪拌装置を備え付けた2Lの四口フラスコに、フェノール155.1g、水酸化カリウム100.1g、精製水25ml及びモノクロロベンゼン500mlを仕込み、油浴温度145℃で加熱還流を行った。生成する水はモノクロロベンゼンとの共沸により系外へと取り出し、モノクロロベンゼンのみ系中に戻した。生成してくる水の溜出が終了するまで加熱還流を行ったところ、反応完結まで7時間を要した。
反応容器を氷浴につけ、反応溶液が10℃以下になるまで冷却し、反応溶液を10℃以下に保ったままで、クロロホスファゼンオリゴマー72.2gとモノクロロベンゼン250mlの混合溶液を、滴下ロートを用いて30分かけて滴下した。滴下後、反応溶液を再度加熱し、油浴温度145℃で6時間加熱還流を行った。反応の終点は、31PNMRにより追跡した。反応終了後、反応溶液を50℃以下まで冷却し、10%水酸化ナトリウム水溶液で二度洗浄し、さらに希塩酸で一度、水洗を三度行った。無水硫酸マグネシウムで反応溶液を乾燥し、硫酸マグネシウムを濾別、80℃、10mmHg以下で溶媒を溜去した後、95℃、1mmHg以下で5時間減圧乾燥させて、フェノキシホスファゼン化合物の混合物を含むホスファゼン組成物121.1g得た。得られたホスファゼンの組成は、三量体:62.1%、四量体26.4%、分子内に水酸基を一つ有するホスファゼン三量体化合物:0.8%、モノクロロペンタフェノキシホスファゼン三量体:1.2%、その他のホスファゼン化合物9.5%。K含有量;126ppm、Na含有量;31ppm。リン含有量:14.3%、塩素含有量:1270ppm。500℃残渣:18.2重量%。揮発分量は1.24重量%で、嵩密度は0.62g/cmであった。
[応用例]
[実施例7〜10、比較例4、5]
実施例1〜4及び比較例1、2で得られたホスファゼン組成物の吸湿前後でのそれぞれの水分含有量の測定を行い、表1の結果を得た。表1にはこれらのホスファゼン組成物の揮発分量も併記した。
また、実施例1〜4及び比較例1、2で得たホスファゼン組成物11重量%、HIPSを39重量%、PPEを50重量%の割合で混合し、加熱シリンダーの最高温度を300℃に設定したスクリュー直径25mmの二軸押出機に供給して、スクリュー回転数300rpmで溶融混合し、ストランドを冷却裁断して樹脂組成物ペレットを得た。次に、得られた樹脂組成物ペレットを、射出成形によりシリンダー設定温度280℃、金型温度80℃にてUL−94試験用試験片及び、電気特性測定用試験片を成形し、上記試験法により物性試験を行い、表1の結果を得た。
Figure 0003923497
表1の結果から、揮発分量が本願に示す範囲のものは吸湿前後での電気特性の変化が小さく、また良好な難燃性を示すことがわかる。
[実施例11〜15]
実施例2で得たホスファゼン組成物(FR2)を、ヘンシェルミキサーを用いて粉砕し、粉砕時間を変えることにより、嵩密度の異なるホスファゼン組成物を得た。得られたホスファゼン組成物を実施例7〜10と同様に六時間吸湿し、その前後での含有水分量を測定した。
Figure 0003923497
表2の結果から、嵩密度が0.45g/cm以上のものは、耐吸湿性が特に高いことがわかる。
[実施例16−22、比較例6〜8]
実施例1、2、5、6及び比較例2、3で得られたホスファゼン組成物の吸湿前後でのそれぞれの水分含有量、重量保持率の測定を行い、表3、4の結果を得た。表3、4にはこれらのホスファゼン組成物の揮発分量、嵩密度も併記した。
さらに、各成分を下記に示す割合で混合し、加熱シリンダーの最高温度を300℃に設定したスクリュー直径25mmの二軸押出機に供給して、スクリュー回転数300rpmで溶融混合し、ストランドを冷却裁断して樹脂組成物ペレットを得た。次に、得られた樹脂組成物ペレットを、射出成形によりシリンダー設定温度240−290℃にて物性試験片を成形し、上記試験法により物性試験を行い、表3及び表4の結果を得た。
Figure 0003923497
樹脂組成物:PPE/HIPS/ホスファゼン組成物=55/33/12(重量%)
Figure 0003923497
樹脂組成物:PPE/HIPS/ホスファゼン組成物=40/45/15(重量%)
表3及び4の結果から、TGAの500℃残渣量が低いものは特に良好な加工流動性、難燃性を示すことがわかる。
[実施例23〜26、比較例9〜12]
実施例1、2、4、5及び比較例1〜3で得られたホスファゼン組成物の吸湿前後でのそれぞれの水分含有量の測定を行い、表5、6の結果を得た。表5、6にはこれらのホスファゼン組成物の揮発分量も併記した。
さらに、AER250 71.0重量%及びホスファゼン組成物16.0重量%を110℃で溶解させた後、110℃で硬化剤 13.0重量%を添加、90秒攪拌しながら加熱した後、型に流し入れた。
次いで、100℃/0kgf/cmで2分間、100℃/10kgf/cmで2分間、100℃/40kgf/cmで30分、熱プレス機で硬化させて耐湿性測定用の成型片を得た。耐湿性測定結果は表5及び表6に示す。
[比較例12]
AER250 84.5重量%を110℃に保ち、そこへ硬化剤15.5重量%を添加、90秒攪拌しながら加熱した後、型に流し入れた。
次いで、100℃/0kgf/cmで2分間、100℃/10kgf/cmで2分間、100℃/40kgf/cmで30分、熱プレス機で硬化させて耐湿性測定用の成型片を得た。耐湿性測定結果は表6に示す。
Figure 0003923497
Figure 0003923497
200℃で二時間加熱した時の揮発分が0.02重量%以上、1.0重量%以下であるホスファゼン組成物は、塩素系化合物、臭素系化合物を含まず、樹脂に添加した場合に耐加水分解性、難燃性及び1GHz以上の高周波領域における電気特性安定性のバランスを高度に保持することのできる樹脂組成物を提供することができる。

Claims (10)

  1. 少なくとも一種のホスファゼン化合物を含有するホスファゼン組成物であって、該ホスファゼン化合物中の全置換基のうち90%以上の置換基がフェノキシ基であり、該ホスファゼン組成物からの揮発分が、200℃で2時間加熱した時に該ホスファゼン組成物の全重量に対して0.02重量%以上、1.0重量%以下であり、且つ、TGAによる不活性ガス雰囲気下、昇温速度10℃/分で常温から600℃まで加熱した時の500℃における重量保持率が15重量%以下であるホスファゼン組成物。
  2. TGAによって不活性ガス雰囲気下、昇温速度10℃/分で常温から600℃まで加熱した時の500℃における重量保持率が10重量%以下である請求項1に記載のホスファゼン組成物。
  3. 環状三量体及び/又は環状四量体化合物を80重量%以上含む請求項1又は2に記載のホスファゼン組成物。
  4. 150℃でカールフィッシャー法により測定した含有水分量が、1000ppm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のホスファゼン組成物。
  5. 150℃でカールフィッシャー法により測定した含有水分量が、650ppm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のホスファゼン組成物。
  6. ホスファゼン組成物の総重量に基づいて、環状ホスファゼン化合物を95重量%以上含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のホスフアゼン組成物。
  7. ホスファゼン組成物の総重量に基づいた一種または複数種のアルカリ金属元素含有量がそれぞれ200ppm以下であり、且つ、P−OH結合を有する化合物含有量が1重量%以下であり、且つ、塩素含有量が1000ppm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のホスファゼン組成物。
  8. ホスファゼン組成物の総重量に基づいた一種または複数種のアルカリ金属元素含有量がそれぞれ50ppm以下であり、且つ、P−OH結合を有する化合物含有量が1重量%以下であり、且つ、塩素含有量が500ppm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のホスファゼン組成物。
  9. 前記ホスファゼン化合物中のリン含有量がホスファゼン組成物の総重量に基づいて13.0〜14.5重量%である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のホスファゼン組成物。
  10. 嵩密度が0.45g/cm以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のホスファゼン組成物。
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