JP3540215B2 - エポキシ樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエポキシ樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置に係り、特に難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、半導体を封止して保護する封止材料として用いられるエポキシ樹脂組成物は、主成分としてエポキシ樹脂、無機充填剤、硬化剤及び硬化促進剤を含む。また、この封止材料として用いられるエポキシ樹脂組成物は、難燃性の規格であるUL94V−0を満足する事が必要とされる為に、組成物中にはさらに難燃剤が添加されている。
【0003】
この難燃剤としては、従来から一般的に、ハロゲン系難燃剤、あるいはハロゲン系難燃剤と三酸化アンチモンを併用したものが用いられている。しかしハロゲン系難燃剤については、燃焼時に有毒ガスを発生するおそれがあり、さらにはオゾン層の破壊など環境面での弊害も問題になっている。またアンチモンについては、ハロゲン系難燃剤に対する難燃助剤としての効果は大きいが、人体への有毒性があり、また排水環境基準の要監視項目に指定されたこともあって環境衛生上の問題がある。そのため、これらのハロゲン系やアンチモン系難燃剤を使用しなくても難燃性が優れる、封止用エポキシ樹脂組成物が要求されている。
【0004】
このような要求に対して、これまで、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムの様な金属水酸化物、ホウ酸亜鉛等のホウ素化合物、有機リン化合物及び赤リン系化合物等の、非ハロゲン系難燃剤を用いることが検討されてきた。
【0005】
しかし、金属水酸化物、ホウ素化合物、有機リン化合物は高い難燃効果を得ることが出来ない、あるいは封止樹脂の耐湿性能が急激に低下する原因になる、等の問題があり、実用化が困難であった。また、赤リン系化合物は比較的少量の添加で難燃効果が得られるが、水分と反応してホスフィンや腐食性のリン酸を生じるために、耐湿性に対する要求の厳しい封止用エポキシ樹脂組成物に難燃剤として使用することは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、現在は、ハロゲン系難燃剤やアンチモン系難燃剤を使用することなしに、これらの難燃剤を使用した場合と同等の難燃性が得られ、かつ耐湿特性が優れた封止用エポキシ樹脂組成物は得られていない。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ハロゲン系難燃剤やアンチモン系難燃剤を使用することなしに、難燃性が優れると共に耐湿信頼性に優れた半導体封止用のエポキシ樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明の第1は、(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)無機充填剤と、(E)赤リンの表面を水酸化アルミニウムまたはフェノール樹脂の少なくとも1種類で被覆した粒子と、(F)窒素原子を含有する化合物と、(G)低融点ガラス粉末、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛及び三酸化モリブデンから成る第1群のうち少なくとも1種類を含む無機化合物とを含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物を提供する。
【0009】
本発明の第2は、(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)無機充填剤と、(E´)リン原子を含有する化合物と、(F)窒素原子を含有する化合物と、(G)低融点ガラス粉末、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛及び三酸化モリブデンから成る第1群のうち少なくとも1種類を含む無機化合物とを具備し、(E´)リン原子を含有する化合物が、芳香族縮合リン酸エステル化合物及び下記一般式(1)で表されるホスファゼン化合物から成る第2群のうち少なくとも1種類を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物を提供する。なお下記一般式(1)中、nは3〜10の整数である。また、R1とR2は、同一でも異なっていても良く、アミノ基、アルコキシ基、フェノキシ基またはそれらの誘導体を示す。
【化2】
Figure 0003540215
【0010】
本発明の(E´)成分としてホスファゼン化合物を用いた場合に、ホスファゼン化合物のnが3であり、環状ホスファゼン化合物であることが好ましい。
【0011】
また本発明の第1または第2において、(F)窒素原子を含有する化合物がポリリン酸メラミン又はメラミンシアヌレートであることが好ましい。
【0012】
また本発明の第1または第2において、(G)成分として低融点ガラス粉末を用いた場合に、低融点ガラス粉末がホウ酸亜鉛系またはリン酸亜鉛系の低融点ガラス粉末であることが好ましい。
【0013】
本発明の第3は、上述したエポキシ樹脂組成物の硬化物で半導体素子が封止されていることを特徴とする樹脂封止型半導体装置を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物と樹脂封止型半導体装置について、さらに詳細に説明する。
【0015】
まず、本発明の難燃剤は、主難燃剤として(E)成分または(E´)成分を用いる。以下、(E)成分または(E′)成分のことをリン原子を含有する物質と呼ぶ。リン原子を含有する物質とは、(E)赤リンの表面を水酸化アルミニウムまたはフェノール樹脂の少なくとも1種類で被覆した粒子、または(E′)芳香族縮合リン酸エステル化合物及び上記一般式(1)で表されるホスファゼン化合物からなる第2群のうちの少なくとも1種類を指す。さらに、本発明では、これらの主難燃剤に加えて、(F)窒素原子を含有する化合物と、(G)低融点ガラス粉末、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛及び三酸化モリブデンからなる第1群のうち、少なくとも1種類を含む無機化合物を難燃助剤として用いる。
【0016】
本発明のエポキシ樹脂組成物の、リン原子を含有する物質のうち、(E)赤リンの表面を水酸化アルミニウムまたはフェノール樹脂の少なくとも1種類で被覆した粒子としては、赤リンの表面を水酸化アルミニウム又はフェノール樹脂のいずれかで被覆した粒子を使用しても良いし、予め赤リンの表面を水酸化アルミニウムで被覆した後、さらにその表面をフェノール樹脂で被覆した粒子は、より好ましい。また、赤リンの表面を予めフェノール樹脂で被覆した後、さらにその表面を水酸化アルミニウムで被覆しても良い。この粒子の粒径は、例えば赤リンの直径を約5μmとし、これを、約1μmの厚さの水酸化アルミニウムまたはフェノール樹脂で被覆し、約7μmとする等としても良く、限定されるものではない。
【0017】
リン原子は、加熱時に酸素と反応してポリリン酸を生成し、燃焼成分表面にポリリン酸層による保護被膜を形成する。また、エポキシ樹脂組成物表面の燃焼成分の炭化も促進することから非常に難燃性が高い。
【0018】
しかし、赤リンは難燃性は高いものの、水と反応してホスフィンやリン酸を生じさせ電気特性を低下させる為、封止用エポキシ樹脂組成物に使用する場合、耐湿信頼性に問題があった。本発明では、赤リンの表面を水酸化アルミニウムまたはフェノール樹脂の少なくとも1種類で被覆し使用することにより、耐湿信頼性が向上し、エポキシ樹脂組成物の難燃剤として使用することが可能となる。なお、粒子中の赤リンの含有量は約30〜約60重量%であることが好ましい。赤リンの含有量が約30重量%未満では難燃効果が不十分となり、粒子を組成物中に多量に入れることが必要となってしまう。また、赤リンの含有量が約60重量%を超えると、赤リンの安定性の点で問題がある。ただし、赤リン含有量が約60重量%を超えても、組成物に対する配合量を少なくすれば使用することが可能となる。
【0019】
本発明に用いる上記粒子としては、例えば日本化学工業(株)社製のヒシガード、ヒシガードセーフや、燐化学工業(株)社製のノーバレッド、ノーバエクセル、ノーバクエル等があり、市場で容易に入手可能である。これら以外にも、一般的に用いられているものであれば良く、上記物質は限定されるものではない。
【0020】
リン原子を含有する物質のうち、(E′)成分の1種である芳香族縮合リン酸エステル化合物としては、エステル成分として非ハロゲン化芳香族化合物を含有する縮合型のリン酸エステル化合物であって、5価のリン原子を有する縮合型ポリホスフェートまたは縮合型ポリホスホネート等の有機リン化合物等を用いることができる。その具体例としては、レゾルシノール−ビス−(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノール−ビス−(ジトリクレジルホスフェート)、レゾルシノール−ビス−(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールA−ビス−(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールA−ビス−(ジトリクレジルホスフェート)、ビスフェノールA−ビス−(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノールS−ビス−(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールS−ビス−(ジトリクレジルホスフェート)、ビスフェノールS−ビス−(ジキシレニルホスフェート)、ハイドロキノール−ビス−(ジキシレニルホスフェート)、ビフェノール−ビス−(ジキシレニルホスフェート)、テトラメチルビフェノール−ビス−(ジキシレニルホスフェート)、ナフタレンジオール−(ジキシレニルホスフェート)、レゾルシノール−ビス−(フェニルホスホネート)、レゾルシノール−ビス−(トリクレジルホスホネート)、レゾルシノール−ビス−(キシレニルホスホネート)、ビスフェノールA−ビス−(フェニルホスホネート)、ビスフェノールA−ビス−(トリクレジルホスホネート)、ビスフェノールA−ビス−(キシレニルホスホネート)等があげられる。これら以外にも、一般的に用いられているものであれば良く、限定されるものではない。また、これらの芳香族縮合リン酸エステル化合物は、単独でまたは2種類以上混合して使用することが出来る。なお、これらの中でも、製造作業性、耐熱性、耐湿信頼性の観点から室温で粉体状のものが特に好ましく用いられる。
【0021】
芳香族縮合リン酸エステル化合物は、難燃性の高いリン原子を含み、またトリフェニルホスフェートや、トリクレジルホスフェート等のモノマー型リン酸エステル化合物に比べて高分子量であるために、耐熱性、低揮発性、耐加水分解性に優れる。これに対して、モノマー型リン酸エステル化合物は、分子量が低いために、エポキシ樹脂組成物において可塑剤として作用し、流動性は向上するが、硬化物の熱安定性や、耐湿性が低下するという問題がある。
【0022】
リン原子を含有する物質のうち、(E′)成分の1種であるホスファゼン化合物としては、上記一般式(1)で表される化合物であり、nが3〜10の鎖状ポリホスファゼンあるいはnが3〜5の環状ホスファゼン化合物等を用いることができる。上記一般式(1)中のR1、R2はアミノ基、アルコキシ基、フェノキシ基またはそれらの誘導体を示し、これらは同じでも異なっていても良い。また、R1、R2の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヒドロキシフェノキシ基、アミノフェノキシ基、フェニルアミノ基等があげられる。
【0023】
上記に示すようなホスファゼン化合物の具体例としては、例えば鎖状アミドホスファゼンオリゴマー、鎖状アニリドホスファゼンオリゴマー、鎖状プロポキシホスファゼンオリゴマー、鎖状フェノキシホスファゼンオリゴマー、環状アミドホスファゼンオリゴマー、環状アニリドホスファゼンオリゴマー、環状プロポキシホスファゼンオリゴマー、環状フェノキシホスファゼンオリゴマー、環状アミノフェノキシホスファゼンオリゴマー、環状ヒドロキシフェノキシホスファゼンオリゴマー等があげられる。これらのホスファゼン化合物は、単独でまたは2種類以上を併用して使用することが出来る。また、これら以外でも、一般的に用いられるものであれば良く、限定されるものではない。なお、これらの中でも、nが3の3量体6員環の環状ホスファゼン化合物は、エポキシ樹脂組成物の流動性および耐熱性の観点から特に好ましく用いられる。
【0024】
ホスファゼン化合物は、主鎖がリン原子と窒素原子から成る骨格構造を有する化合物である。その為、リン原子による、加熱時に酸素と反応して、燃焼成分表面にポリリン酸層による保護被膜を形成する効果と、また、エポキシ樹脂組成物表面の燃焼成分の炭化を促進する効果と、窒素原子の熱分解時の吸熱反応による冷却し、不燃性ガスを発生する効果の相乗効果により、より大きな難燃効果が期待される。
【0025】
これらの、リン原子を含有する物質においては、これらの物質中のリン原子の量が、本発明のエポキシ樹脂組成物のうち、無機充填剤を除く配合成分の合計量に対して、約0.1〜約3重量%であることが好ましい。これは、リン原子の量が約0.1重量%未満では十分な難燃効果を得ることが難しく、一方約3重量%を超えると硬化物の耐湿性もしくは成形性が低下するおそれがあるからである。
【0026】
本発明のエポキシ樹脂組成物において、(F)窒素原子を含有する化合物としては、例えばトリアジン環骨格を有する含窒素複素環式化合物、イソシアヌレート構造を有する含窒素複素環式化合物、メラミン化合物あるいはその誘導体等があげられる。また、これら以外にも一般的に用いられるものであれば良く、限定されるものではない。これらのなかでも、ポリリン酸メラミン、メラミンシアヌレートは、窒素の含有量が多い為難燃性が高く、特に好ましく用いられる。
【0027】
(F)窒素原子を含有する化合物は、熱分解時の吸熱反応による冷却効果と、生成された不燃性ガスが樹脂で封止された半導体装置の周りを覆う効果によって、難燃性を発揮する。(F)窒素原子を含有する化合物の配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物のうち、無機充填剤を除く配合成分の合計量に対して、約1〜約10重量%であることが好ましい。これは、(F)窒素原子を含有する化合物の添加量が、約1重量%未満では十分な難燃効果を得ることが難しく、一方、約10重量%を超えると、これらを含むエポキシ樹脂組成物の流動性が低下するために成形性が低下するおそれがある為である。
【0028】
本発明のエポキシ樹脂組成物において、(G)成分の無機化合物とは、低融点ガラス粉末、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛及び三酸化モリブデンからなる第1群のうち少なくとも1種類を含むものである。これらの(G)成分の無機化合物は、単独で使用しても良いし、これらのうち2種類以上を併用して用いても良い。
【0029】
(G)成分の無機化合物のうち、低融点ガラス粉末は、本発明では非鉛系で融点または軟化点が約800℃以下であるものをいう。好ましくは、これらの温度が約600℃以下であると良い。低融点ガラス粉末としては、例えば、ホウ酸塩系、ホウケイ酸塩系、リン酸塩系、ビスマス系、バリウムホウ酸塩系等のものがあげられる。低融点ガラス粉末は基本的に酸化物の組み合わせで構成されており、その構成成分の具体例としては、B、P、ZnO、SiO、Bi、Al、BaO、CaO、MgO、MnO、ZrO、TiO、CeO、SrO、V、SnO、LiO、NaO、KO等があげられるが、一般的に用いられるものであれば良く、限定されるものではない。また、上記成分以外に、CuO、Fe等の遷移金属酸化物を適宜加えても良い。ただし、耐湿性の向上の為に、アルカリ成分は出来るだけ含まないことが好ましい。これらの酸化物から成る低融点ガラス粉末の中でも、BとZnOを主成分とするホウ酸亜鉛系もしくはPとZnOを主成分とするリン酸亜鉛系低融点ガラス粉末が特に好ましく用いられる。
【0030】
低融点ガラス粉末は、加熱時に容易に溶融し、燃焼成分表面にガラス質被膜を形成する為に、表面を被覆し燃焼を防ぐことによって、難燃性を発揮する。また、ガラス中の金属成分の触媒作用により、燃焼成分の表面の炭化を促進し、表面を炭化物の被膜で覆うことにより難燃効果を得ることもできる。さらに、BとZnOを主成分とするホウ酸亜鉛系もしくはPとZnOを主成分とするリン酸亜鉛系低融点ガラス粉末は、熱分解によって生成するホウ酸もしくはリン酸の脱水効果によっても燃焼成分の炭化が促進されるためにエポキシ樹脂組成物表面を炭化物の被膜で覆うことにより、さらに良好な難燃性が得られる。
【0031】
(G)成分の無機化合物のうち、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛及び三酸化モリブデンのうち少なくとも1種類を含む化合物は、耐湿性を向上させるために、アルカリ金属イオン等のイオン性不純物をできるだけ含まないことが望ましい。
【0032】
スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛及び三酸化モリブデンのうち少なくとも1種類を含む化合物は、高温になるとガラス状の溶融物質となるために、燃焼成分表面にこのガラス状の溶融物質を形成し、表面を被覆して燃焼を防ぎ、難燃性を発揮する。また、スズ酸、モリブデン酸等の脱水作用によって炭化が促進され燃焼成分の表面を炭化し、表面を炭化物の被膜で覆うことにより難燃効果を得ることもできる。
【0033】
(G)成分の無機化合物の配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物のうち、無機充填剤を除く配合成分の合計量に対して、約1〜約10重量%であることが好ましい。これは、これらの物質を含有する化合物の添加量が、約1重量%未満では十分な難燃効果を得ることが難しく、一方、約10重量%を超えるとこれらを含むエポキシ樹脂組成物の流動性の低下により成形性が低下し、また硬化物の耐湿性も低下するおそれがある為である。
【0034】
上述したように本発明のエポキシ樹脂組成物において、主難燃剤としては、(E)または(E´)成分のリン原子を含有する物質を用い、難燃助剤として(F)窒素原子を含有する化合物と、(G)成分の無機化合物を用いる。
【0035】
従来、(E)または(E´)成分は難燃性は高かったが、耐湿性について問題があり、高い耐湿性の要求される封止用のエポキシ樹脂組成物として用いるのが難しいとされていた。また、(F)、(G)を単独で、または併用して用いた場合は難燃性が低く、十分な難燃効果を得ることは出来なかった。また、(E)もしくは(E´)と(F)、または(E)もしくは(E´)と(G)から成る二成分系の複合難燃剤でも、大きな相乗効果は得られず、十分な耐湿性と十分な難燃性を得ることは出来なかった。さらに、(F)と(G)に加えて、水酸化アルミニウムを用いて三成分系とした場合も、大きい相乗効果は見られず、十分な難燃効果を得ることは難しかった。
【0036】
しかしながら本発明において本発明者等は、(E)もしくは(E´)と(F)と(G)の三成分系とすることにより、難燃性、耐湿性双方に優れた難燃剤が得られることを発見した。まず、難燃性の高いリン原子が加熱時に酸素と反応して燃焼成分表面にポリリン酸層による保護被膜を形成し、また、エポキシ樹脂組成物表面の燃焼成分の炭化も促進して炭化物の被膜で表面を覆う。また(E)もしくは(E´)だけでは耐湿性に問題があることから(F)、(G)を加えることによって耐湿信頼性の低下を防ぐことが出来る。また(F)、(G)は耐湿性に優れるだけでなく、(F)は熱分解時の吸熱反応による冷却効果と、不燃性ガスの生成によって樹脂で封止された半導体装置の周りを覆う効果によって難燃性を有する。また(G)も、加熱時に容易に溶融し、燃焼成分表面にガラス質被膜を形成することにより表面を被覆し燃焼を防ぎ、難燃性を発揮する効果と、中に含まれる金属成分の触媒作用により、燃焼成分の表面の炭化を促進し、表面を炭化物の被膜で覆うことによる難燃効果などを有するために、相乗効果によってさらに高い難燃性を得ることが出来る。また従来は、(E)もしくは(E´)のうち、リン含有量の低い赤リン系難燃剤や芳香族縮合リン酸エステル、ホスファゼン化合物は、耐湿性は良好であるが難燃性が劣るという欠点があったが、本発明では、(F)や(G)を加えることにより、上述したような効果が得られるために、耐湿性も難燃性も良好な難燃剤とすることが出来る。
【0037】
本発明のエポキシ樹脂組成物において、(A)エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば良く、限定されるものではない。
【0038】
(A)エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール系のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリ又はテトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンから誘導されるエポキシ化合物、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化合物等があげられる。これら以外にも、一般的に用いられているものであれば良く、限定されるものではない。これらの(A)エポキシ樹脂は、単独で用いても良いし、または2種類以上混合して用いても良い。
【0039】
また本発明のエポキシ樹脂組成物において、(B)硬化剤としては、一般的にエポキシ樹脂の硬化剤として用いられるものであれば良く、限定されるものではない。
【0040】
(B)硬化剤の具体例としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、t−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAのノボラック樹脂もしくはナフトール系ノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂や、ポリパラオキシスチレンや、2,2´−ジメトキシ−p−キシレンとフェノールモノマーとの縮合重合化合物等のフェノールアラルキル樹脂や、ジシクロペンタジエン−フェノール重合体や、トリス(ヒドロキシフェニル)アルカン等の多官能フェノール樹脂や、テルペン骨格を有するフェノール樹脂や、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水トリメリット酸等の酸無水物等があげられる。これらの中でも、フェノールノボラック樹脂やフェノールアラルキル樹脂が特に好ましく用いられる。なお、これらの(B)硬化剤は、単独で用いても良いし、または2種類以上混合して用いても良い。
【0041】
ここで、(B)硬化剤の配合量は特に制限されないが、硬化反応が十分に起こり、硬化物の特性、特に耐湿性を良好に保つために、(A)エポキシ樹脂のエポキシ基と(B)硬化剤のフェノール性水酸基または酸無水物基との当量比を、約0.5〜約1.5の範囲とすることが好ましく、約0.8〜約1.2の範囲とすることがさらに好ましい。
【0042】
また本発明のエポキシ樹脂組成物において、(C)硬化促進剤としては、一般的に用いられるものであれば良く、限定されるものではない。
【0043】
(C)硬化促進剤としては、例えば塩基性触媒が使用でき、その具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン等の有機ホスフィン化合物や、2−エチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物及びその誘導体や、DBU(1,8−ジアザビシクロウンデセン−7)又はそのフェノール塩や、6−ジブチルアミノ−1や、8−ジアザビシクロウンデセン−7等があげられる。
【0044】
ここで、(C)硬化促進剤の配合量は特に制限されないが、硬化物の硬化特性、耐湿性を良好に保つために、(C)硬化促進剤の配合量を、(A)エポキシ樹脂及び(B)硬化剤の合計量に対して、約0.01〜約10重量%とすることが好ましい。
【0045】
また本発明のエポキシ樹脂組成物において、(D)無機充填剤としては、溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素及び雲母等を用いることが出来る。(D)無機充填剤はこれらの他にも一般的に用いられるものであれば良く、限定されるものではない。これらは単独で用いても良いし、または2種類以上混合して用いても良い。これらの中でも、溶融シリカや結晶性シリカ等が特に好ましく用いられる。また、溶融シリカや結晶性シリカの形状は、破砕状や球状のものがあるが、これらは組み合わせて配合しても良い。また、これらの(D)無機充填剤の粒径は特に限定されないが、流動性、充填性の点から、平均粒径が約5〜約100μmであることが好ましい。
【0046】
ここで、(D)無機充填剤の配合量は、エポキシ樹脂組成物に対して約50〜約90重量%であることが好ましく、更に約60〜80重量%であることが好ましい。エポキシ樹脂組成物中の(D)無機充填剤の配合量が約50重量%以上であることにより十分な難燃性、良好な耐湿信頼性が得られ、約90重量%以下であることにより、溶融粘度が低くなり良好な成形性が得られる。
【0047】
また本発明のエポキシ樹脂組成物には、上述したような成分に加え、さらに必要に応じて、シランカップリング剤等のフィラー表面処理剤や、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸やその金属塩、酸アミド類、パラフィン類等の離型剤や、カーボンブラック、二酸化チタン等の顔料や、シリコーン化合物、有機ゴム等の低応力付与剤や、ハイドロタルサイト類等のイオン捕捉剤や、石油樹脂、ロジン、テルペン、インデン樹脂等の粘着性付与剤等の、各種の添加剤を適宜配合することも出来る。
【0048】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上述したような各成分を、加熱ロール、ニーダーまたは押出機によって溶融混練する、または微粉砕可能な特殊混合機によって混合する、またはこれらの方法を適切に組み合わせることによって容易に調整することが出来る。
【0049】
また本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させて半導体素子を封止する際には、最も一般的には、低圧トランスファー成形が用いられるが、これらに限定されるものではない。すなわち、インジェクション成形、圧縮成形、注型等の任意の方法で半導体素子を封止して、樹脂封止型半導体装置を作成することが可能である。
【0050】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0051】
実施例1〜28、比較例1〜12及び参考例は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填剤、離型剤、顔料、フィラー表面処理剤としてのシランカップリング剤、難燃剤等を配合してなるエポキシ樹脂組成物である。これらのエポキシ樹脂組成物の各成分の原料を、下記に示す。
(1)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂Aは、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、住友化学社製、ESCN−195XL)
エポキシ樹脂Bはビスヒドロキシビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量193、油化シェルエポキシ社製、YX−4000H)
難燃エポキシ樹脂は、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量400、旭化成社製、AER−745T)
(2)硬化剤
フェノールノボラック樹脂(水酸基当量104、昭和高分子社製、BRG−556)
(3)硬化促進剤
トリフェニルホスフィン
(4)離型剤
エステル系ワックス
(5)顔料
カーボンブラック
(6)フィラー表面処理剤
シランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(7)無機充填剤
無機充填剤Aは、溶融シリカ(平均粒径20μm、破砕状、東芝セラミックス社製、USS−80K)
無機充填剤Bは、水酸化アルミニウム(平均粒径18μm、破砕状、昭和電工社製、ハイジライトH31)
(8)難燃剤
赤リン系物質Aは、表面を水酸化アルミニウムとフェノール樹脂で被覆した赤リン(赤リン含有率約33%、日本化学社製、ヒシガードセーフPM−13)
赤リン系物質Bは、表面を水酸化アルミニウムで被覆した赤リン(赤リン含有率約90%、日本化学社製、ヒシガードTP−10)
芳香族縮合リン酸エステルAは、レゾルシノール−ビス−(ジキシレニルホスフェート)(リン含有率約9.0%、大八化学社製、PX−200)
芳香族縮合リン酸エステルBは、レゾルシノール−ビス−(ジフェニルホスフェート)(リン含有率約10.8%、大八化学社製、CR−733S)
トリフェニルホスフェート(リン含有率約9.5%、大八化学社製、TPP)
ホスファゼン化合物Aは、nが3で環状のフェノキシホスファゼンオリゴマー(リン含有率約13%、大塚化学社製、SP−134)
ホスファゼン化合物Bは、nが3〜10で鎖状のフェノキシホスファゼンオリゴマー(リン含有率約13%、大塚化学社製、SP−100)
ポリリン酸メラミン(三和ケミカル社製、MPP−A)
メラミンシアヌレート(日産化学社製、MC−610)
低融点ガラス粉末Aは、ホウ酸亜鉛系のもの(融点約500℃、U.S.Borax社製)
低融点ガラス粉末Bは、リン酸亜鉛系のもの(融点約540℃、旭硝子社製)
スズ酸亜鉛(日本軽金属社製、Flamtard S)
ヒドロキシスズ酸亜鉛(日本軽金属社製、Flamtard H)
モリブデン酸亜鉛(日本無機化学社製)
三酸化モリブデン(日本無機化学社製)
三酸化アンチモン(三国製錬社製)
上記各成分は、下記表1(実施例1〜7)、表2(実施例8〜14)、表3(実施例15〜21)、表4(実施例22〜28)、表5(比較例1〜7)、表6(比較例8〜12、参考例)に示す割合で配合し、以下のように調整して所望のエポキシ樹脂組成物を得る。表中の配合量は重量部を示す。ただし、難燃剤の配合量は、エポキシ樹脂組成物から無機充填剤を除いたものに対する割合(重量%)で示す。また、リン原子含有物質を含む場合は、リン原子の、エポキシ樹脂組成物から無機充填剤を除いたものに対する割合(重量%)も合わせて示す。
【0052】
【表1】
Figure 0003540215
【0053】
【表2】
Figure 0003540215
【0054】
【表3】
Figure 0003540215
【0055】
【表4】
Figure 0003540215
【0056】
【表5】
Figure 0003540215
【0057】
【表6】
Figure 0003540215
【0058】
まず、へンシェルミキサー中でシランカップリング剤によって無機充填剤を処理した後、これに他の成分を混合して、約60〜約120℃の加熱ロールによって溶融混練する。次に、この混合物を冷却した後、粉砕することによって所望のエポキシ樹脂組成物を得る。
【0059】
これら実施例1〜28、比較例1〜12及び参考例に係る41種類のエポキシ樹脂組成物について流動性を調べ、また各エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物について難燃性を調べる。さらにこれらの各エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止して、得られた樹脂封止型半導体装置の耐湿信頼性の評価を行う。ここで参考例は、従来のハロゲン系難燃剤やアンチモン系難燃剤を用いたエポキシ樹脂組成物である。
【0060】
なお、上記の特性評価は、以下の手法によって行う。
(1)流動性評価
高化式フローテスターを用いて、約175℃における各エポキシ樹脂組成物の溶融粘度を測定する。
(2)難燃性評価
各エポキシ樹脂組成物を用いて、低圧トランスファー成形機により成形温度約175℃、約3分間の条件で成形を行い、約180℃で約8時間アフターキュアして、約125mm×約13mm×約1.6mm厚の試験片を得る。各試験片について、難燃性の規格であるUL94規格に従って、最大フレーミング時間の測定と難燃性レベルの判定を行う。
(3)耐湿信頼性評価
各エポキシ樹脂組成物によって約10mm×約10mmの試験用半導体素子を封止して、樹脂封止型半導体装置を作製する。作製したこの樹脂封止型半導体装置に対し、プレッシャークッカー試験(PCT試験)により耐湿信頼性の評価を行う。すなわち、作製したこの樹脂封止型半導体装置を、約121℃、約2気圧の飽和水蒸気雰囲気中に放置して、不良(リーク不良及びオープン不良)の発生率を調べる。
【0061】
以上の評価結果を、下記表7から表12に示す。
【表7】
Figure 0003540215
【0062】
【表8】
Figure 0003540215
【0063】
【表9】
Figure 0003540215
【0064】
【表10】
Figure 0003540215
【0065】
【表11】
Figure 0003540215
【0066】
【表12】
Figure 0003540215
【0067】
上記表7〜表10に示されるように、本発明の範囲内である、エポキシ樹脂組成物(実施例1〜28)は、溶融時の流動性が良好で、硬化物の難燃性が高く、またこれらエポキシ樹脂組成物により封止された半導体装置は、PCT試験における不良発生がほとんどなく、優れた耐湿性を有することがわかる。難燃性に関しては、最大フレーミング時間が短く、難燃性レベルがV−0で難燃性が高いことから、ハロゲン系難燃剤やアンチモン系難燃剤を使用することなしに、これらの難燃剤を用いた表12の参考例と同等の難燃性が得られていることがわかる。これは、難燃性を有する無機充填剤の配合量が約80重量%以上の場合はもとより、無機充填剤の配合量が約80重量%以下についても同様である。
【0068】
これに対して表11〜表12に示されるように(G)を含まないエポキシ樹脂組成物(比較例1、4、7)や、(F)を含まないエポキシ樹脂組成物(比較例2、5、8)は、難燃性が劣っている。また、(F)を含まない場合でも(E)もしくは(E´)の添加量を多くした場合(比較例3、6、9)は難燃性は向上するが、耐湿信頼性が低下する。また、(E)もしくは(E´)を含まないエポキシ樹脂組成物(比較例10)は、難燃性が著しく低く、かつ溶融粘度が高いため、成形性が劣る。さらに、(E)もしくは(E´)成分として用いる芳香族縮合リン酸エステル化合物の代わりに、モノマー型リン酸エステル化合物のトリフェニルホスフェートを用いたエポキシ樹脂組成物(比較例11)は耐湿信頼性が劣る。また、(E)もしくは(E´)の代わりに水酸化アルミニウムを用いたエポキシ樹脂組成物は(比較例12)、難燃性が不十分であり、かつ耐湿信頼性も劣る事がわかる。
【0069】
【発明の効果】
以上本発明によれば、ハロゲン系難燃剤やアンチモン系難燃剤を使用することなしに、難燃性が優れると共に耐湿信頼性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置を提供することが出来る。

Claims (6)

  1. (A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)無機充填剤と、(E)赤リンの表面を水酸化アルミニウムまたはフェノール樹脂の少なくとも1種類で被覆した粒子と、(F)窒素原子を含有する化合物と、(G)低融点ガラス粉末、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛及び三酸化モリブデンから成る第1群のうち少なくとも1種類を含む無機化合物とを含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. (A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)無機充填剤と、(E´)リン原子を含有する化合物と、(F)窒素原子を含有する化合物と、(G)低融点ガラス粉末、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛及び三酸化モリブデンから成る第1群のうち少なくとも1種類を含む無機化合物とを具備し、前記(E´)リン原子を含有する化合物が、芳香族縮合リン酸エステル化合物及び下記一般式(1)で表されるホスファゼン化合物から成る第2群のうち少なくとも1種類を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0003540215
    (式中、nは3〜10の整数である。また、R1とR2は、同一でも異なっていても良く、アミノ基、アルコキシ基、フェノキシ基またはそれらの誘導体を示す。)
  3. 前記(E´)成分として前記ホスファゼン化合物を用いた場合に、前記ホスファゼン化合物のnが3であり、環状ホスファゼン化合物であることを特徴とする請求項2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記(F)窒素原子を含有する化合物がポリリン酸メラミン又はメラミンシアヌレートであることを特徴とする請求項1、2または3記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記(G)成分として前記低融点ガラス粉末を用いた場合に、前記低融点ガラス粉末がホウ酸亜鉛系またはリン酸亜鉛系の低融点ガラス粉末であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1、2、3、4または5記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物で半導体素子が封止されていることを特徴とする樹脂封止型半導体装置。
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