JP2001098144A - エポキシ樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置

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JP2001098144A
JP2001098144A JP27745199A JP27745199A JP2001098144A JP 2001098144 A JP2001098144 A JP 2001098144A JP 27745199 A JP27745199 A JP 27745199A JP 27745199 A JP27745199 A JP 27745199A JP 2001098144 A JP2001098144 A JP 2001098144A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン系難燃剤やアンチモン系難燃剤を使
用することなしに、難燃性が優れると共に耐湿信頼性に
優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び樹脂封止型
半導体装置を提供する。 【解決手段】 (A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤
と、(C)硬化促進剤と、(D)無機充填剤と、(E)
赤リンの表面を水酸化アルミニウムまたはフェノール樹
脂の少なくとも1種類で被覆した粒子と、(F)窒素原
子を含有する化合物と、(G)低融点ガラス粉末、スズ
酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛及び
三酸化モリブデンから成る第1群のうち少なくとも1種
類を含む無機化合物とを含むことを特徴とするエポキシ
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエポキシ樹脂組成物
及び樹脂封止型半導体装置に係り、特に難燃性に優れた
エポキシ樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、半導体を封止して保護する封止材
料として用いられるエポキシ樹脂組成物は、主成分とし
てエポキシ樹脂、無機充填剤、硬化剤及び硬化促進剤を
含む。また、この封止材料として用いられるエポキシ樹
脂組成物は、難燃性の規格であるUL94V−0を満足
する事が必要とされる為に、組成物中にはさらに難燃剤
が添加されている。
【0003】この難燃剤としては、従来から一般的に、
ハロゲン系難燃剤、あるいはハロゲン系難燃剤と三酸化
アンチモンを併用したものが用いられている。しかしハ
ロゲン系難燃剤については、燃焼時に有毒ガスを発生す
るおそれがあり、さらにはオゾン層の破壊など環境面で
の弊害も問題になっている。またアンチモンについて
は、ハロゲン系難燃剤に対する難燃助剤としての効果は
大きいが、人体への有毒性があり、また排水環境基準の
要監視項目に指定されたこともあって環境衛生上の問題
がある。そのため、これらのハロゲン系やアンチモン系
難燃剤を使用しなくても難燃性が優れる、封止用エポキ
シ樹脂組成物が要求されている。
【0004】このような要求に対して、これまで、水酸
化アルミニウムや水酸化マグネシウムの様な金属水酸化
物、ホウ酸亜鉛等のホウ素化合物、有機リン化合物及び
赤リン系化合物等の、非ハロゲン系難燃剤を用いること
が検討されてきた。
【0005】しかし、金属水酸化物、ホウ素化合物、有
機リン化合物は高い難燃効果を得ることが出来ない、あ
るいは封止樹脂の耐湿性能が急激に低下する原因にな
る、等の問題があり、実用化が困難であった。また、赤
リン系化合物は比較的少量の添加で難燃効果が得られる
が、水分と反応してホスフィンや腐食性のリン酸を生じ
るために、耐湿性に対する要求の厳しい封止用エポキシ
樹脂組成物に難燃剤として使用することは困難であっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、現在
は、ハロゲン系難燃剤やアンチモン系難燃剤を使用する
ことなしに、これらの難燃剤を使用した場合と同等の難
燃性が得られ、かつ耐湿特性が優れた封止用エポキシ樹
脂組成物は得られていない。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、ハロゲン系難燃剤やアンチモン系難燃剤を使用す
ることなしに、難燃性が優れると共に耐湿信頼性に優れ
た半導体封止用のエポキシ樹脂組成物及び樹脂封止型半
導体装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の第1は、
(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)硬化促
進剤と、(D)無機充填剤と、(E)赤リンの表面を水
酸化アルミニウムまたはフェノール樹脂の少なくとも1
種類で被覆した粒子と、(F)窒素原子を含有する化合
物と、(G)低融点ガラス粉末、スズ酸亜鉛、ヒドロキ
シスズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛及び三酸化モリブデン
から成る第1群のうち少なくとも1種類を含む無機化合
物とを含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物を提供
する。
【0009】本発明の第2は、(A)エポキシ樹脂と、
(B)硬化剤と、(C)硬化促進剤と、(D)無機充填
剤と、(E´)リン原子を含有する化合物と、(F)窒
素原子を含有する化合物と、(G)低融点ガラス粉末、
スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛
及び三酸化モリブデンから成る第1群のうち少なくとも
1種類を含む無機化合物とを具備し、(E´)リン原子
を含有する化合物が、芳香族縮合リン酸エステル化合物
及び下記一般式(1)で表されるホスファゼン化合物か
ら成る第2群のうち少なくとも1種類を含むことを特徴
とするエポキシ樹脂組成物を提供する。なお下記一般式
(1)中、nは3〜10の整数である。また、R1とR
2は、同一でも異なっていても良く、アミノ基、アルコ
キシ基、フェノキシ基またはそれらの誘導体を示す。
【化2】
【0010】本発明の(E´)成分としてホスファゼン
化合物を用いた場合に、ホスファゼン化合物のnが3で
あり、環状ホスファゼン化合物であることが好ましい。
【0011】また本発明の第1または第2において、
(F)窒素原子を含有する化合物がポリリン酸メラミン
又はメラミンシアヌレートであることが好ましい。
【0012】また本発明の第1または第2において、
(G)成分として低融点ガラス粉末を用いた場合に、低
融点ガラス粉末がホウ酸亜鉛系またはリン酸亜鉛系の低
融点ガラス粉末であることが好ましい。
【0013】本発明の第3は、上述したエポキシ樹脂組
成物の硬化物で半導体素子が封止されていることを特徴
とする樹脂封止型半導体装置を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエポキシ樹脂組成
物と樹脂封止型半導体装置について、さらに詳細に説明
する。
【0015】まず、本発明の難燃剤は、主難燃剤として
(E)成分または(E´)成分を用いる。以下、(E)
成分または(E′)成分のことをリン原子を含有する物
質と呼ぶ。リン原子を含有する物質とは、(E)赤リン
の表面を水酸化アルミニウムまたはフェノール樹脂の少
なくとも1種類で被覆した粒子、または(E′)芳香族
縮合リン酸エステル化合物及び上記一般式(1)で表さ
れるホスファゼン化合物からなる第2群のうちの少なく
とも1種類を指す。さらに、本発明では、これらの主難
燃剤に加えて、(F)窒素原子を含有する化合物と、
(G)低融点ガラス粉末、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ
酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛及び三酸化モリブデンからな
る第1群のうち、少なくとも1種類を含む無機化合物を
難燃助剤として用いる。
【0016】本発明のエポキシ樹脂組成物の、リン原子
を含有する物質のうち、(E)赤リンの表面を水酸化ア
ルミニウムまたはフェノール樹脂の少なくとも1種類で
被覆した粒子としては、赤リンの表面を水酸化アルミニ
ウム又はフェノール樹脂のいずれかで被覆した粒子を使
用しても良いし、予め赤リンの表面を水酸化アルミニウ
ムで被覆した後、さらにその表面をフェノール樹脂で被
覆した粒子は、より好ましい。また、赤リンの表面を予
めフェノール樹脂で被覆した後、さらにその表面を水酸
化アルミニウムで被覆しても良い。この粒子の粒径は、
例えば赤リンの直径を約5μmとし、これを、約1μm
の厚さの水酸化アルミニウムまたはフェノール樹脂で被
覆し、約7μmとする等としても良く、限定されるもの
ではない。
【0017】リン原子は、加熱時に酸素と反応してポリ
リン酸を生成し、燃焼成分表面にポリリン酸層による保
護被膜を形成する。また、エポキシ樹脂組成物表面の燃
焼成分の炭化も促進することから非常に難燃性が高い。
【0018】しかし、赤リンは難燃性は高いものの、水
と反応してホスフィンやリン酸を生じさせ電気特性を低
下させる為、封止用エポキシ樹脂組成物に使用する場
合、耐湿信頼性に問題があった。本発明では、赤リンの
表面を水酸化アルミニウムまたはフェノール樹脂の少な
くとも1種類で被覆し使用することにより、耐湿信頼性
が向上し、エポキシ樹脂組成物の難燃剤として使用する
ことが可能となる。なお、粒子中の赤リンの含有量は約
30〜約60重量%であることが好ましい。赤リンの含
有量が約30重量%未満では難燃効果が不十分となり、
粒子を組成物中に多量に入れることが必要となってしま
う。また、赤リンの含有量が約60重量%を超えると、
赤リンの安定性の点で問題がある。ただし、赤リン含有
量が約60重量%を超えても、組成物に対する配合量を
少なくすれば使用することが可能となる。
【0019】本発明に用いる上記粒子としては、例えば
日本化学工業(株)社製のヒシガード、ヒシガードセー
フや、燐化学工業(株)社製のノーバレッド、ノーバエ
クセル、ノーバクエル等があり、市場で容易に入手可能
である。これら以外にも、一般的に用いられているもの
であれば良く、上記物質は限定されるものではない。
【0020】リン原子を含有する物質のうち、(E′)
成分の1種である芳香族縮合リン酸エステル化合物とし
ては、エステル成分として非ハロゲン化芳香族化合物を
含有する縮合型のリン酸エステル化合物であって、5価
のリン原子を有する縮合型ポリホスフェートまたは縮合
型ポリホスホネート等の有機リン化合物等を用いること
ができる。その具体例としては、レゾルシノール−ビス
−(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノール−ビス
−(ジトリクレジルホスフェート)、レゾルシノール−
ビス−(ジキシレニルホスフェート)、ビスフェノール
A−ビス−(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノー
ルA−ビス−(ジトリクレジルホスフェート)、ビスフ
ェノールA−ビス−(ジキシレニルホスフェート)、ビ
スフェノールS−ビス−(ジフェニルホスフェート)、
ビスフェノールS−ビス−(ジトリクレジルホスフェー
ト)、ビスフェノールS−ビス−(ジキシレニルホスフ
ェート)、ハイドロキノール−ビス−(ジキシレニルホ
スフェート)、ビフェノール−ビス−(ジキシレニルホ
スフェート)、テトラメチルビフェノール−ビス−(ジ
キシレニルホスフェート)、ナフタレンジオール−(ジ
キシレニルホスフェート)、レゾルシノール−ビス−
(フェニルホスホネート)、レゾルシノール−ビス−
(トリクレジルホスホネート)、レゾルシノール−ビス
−(キシレニルホスホネート)、ビスフェノールA−ビ
ス−(フェニルホスホネート)、ビスフェノールA−ビ
ス−(トリクレジルホスホネート)、ビスフェノールA
−ビス−(キシレニルホスホネート)等があげられる。
これら以外にも、一般的に用いられているものであれば
良く、限定されるものではない。また、これらの芳香族
縮合リン酸エステル化合物は、単独でまたは2種類以上
混合して使用することが出来る。なお、これらの中で
も、製造作業性、耐熱性、耐湿信頼性の観点から室温で
粉体状のものが特に好ましく用いられる。
【0021】芳香族縮合リン酸エステル化合物は、難燃
性の高いリン原子を含み、またトリフェニルホスフェー
トや、トリクレジルホスフェート等のモノマー型リン酸
エステル化合物に比べて高分子量であるために、耐熱
性、低揮発性、耐加水分解性に優れる。これに対して、
モノマー型リン酸エステル化合物は、分子量が低いため
に、エポキシ樹脂組成物において可塑剤として作用し、
流動性は向上するが、硬化物の熱安定性や、耐湿性が低
下するという問題がある。
【0022】リン原子を含有する物質のうち、(E′)
成分の1種であるホスファゼン化合物としては、上記一
般式(1)で表される化合物であり、nが3〜10の鎖
状ポリホスファゼンあるいはnが3〜5の環状ホスファ
ゼン化合物等を用いることができる。上記一般式(1)
中のR1、R2はアミノ基、アルコキシ基、フェノキシ
基またはそれらの誘導体を示し、これらは同じでも異な
っていても良い。また、R1、R2の具体例としては、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、
ヒドロキシフェノキシ基、アミノフェノキシ基、フェニ
ルアミノ基等があげられる。
【0023】上記に示すようなホスファゼン化合物の具
体例としては、例えば鎖状アミドホスファゼンオリゴマ
ー、鎖状アニリドホスファゼンオリゴマー、鎖状プロポ
キシホスファゼンオリゴマー、鎖状フェノキシホスファ
ゼンオリゴマー、環状アミドホスファゼンオリゴマー、
環状アニリドホスファゼンオリゴマー、環状プロポキシ
ホスファゼンオリゴマー、環状フェノキシホスファゼン
オリゴマー、環状アミノフェノキシホスファゼンオリゴ
マー、環状ヒドロキシフェノキシホスファゼンオリゴマ
ー等があげられる。これらのホスファゼン化合物は、単
独でまたは2種類以上を併用して使用することが出来
る。また、これら以外でも、一般的に用いられるもので
あれば良く、限定されるものではない。なお、これらの
中でも、nが3の3量体6員環の環状ホスファゼン化合
物は、エポキシ樹脂組成物の流動性および耐熱性の観点
から特に好ましく用いられる。
【0024】ホスファゼン化合物は、主鎖がリン原子と
窒素原子から成る骨格構造を有する化合物である。その
為、リン原子による、加熱時に酸素と反応して、燃焼成
分表面にポリリン酸層による保護被膜を形成する効果
と、また、エポキシ樹脂組成物表面の燃焼成分の炭化を
促進する効果と、窒素原子の熱分解時の吸熱反応による
冷却し、不燃性ガスを発生する効果の相乗効果により、
より大きな難燃効果が期待される。
【0025】これらの、リン原子を含有する物質におい
ては、これらの物質中のリン原子の量が、本発明のエポ
キシ樹脂組成物のうち、無機充填剤を除く配合成分の合
計量に対して、約0.1〜約3重量%であることが好ま
しい。これは、リン原子の量が約0.1重量%未満では
十分な難燃効果を得ることが難しく、一方約3重量%を
超えると硬化物の耐湿性もしくは成形性が低下するおそ
れがあるからである。
【0026】本発明のエポキシ樹脂組成物において、
(F)窒素原子を含有する化合物としては、例えばトリ
アジン環骨格を有する含窒素複素環式化合物、イソシア
ヌレート構造を有する含窒素複素環式化合物、メラミン
化合物あるいはその誘導体等があげられる。また、これ
ら以外にも一般的に用いられるものであれば良く、限定
されるものではない。これらのなかでも、ポリリン酸メ
ラミン、メラミンシアヌレートは、窒素の含有量が多い
為難燃性が高く、特に好ましく用いられる。
【0027】(F)窒素原子を含有する化合物は、熱分
解時の吸熱反応による冷却効果と、生成された不燃性ガ
スが樹脂で封止された半導体装置の周りを覆う効果によ
って、難燃性を発揮する。(F)窒素原子を含有する化
合物の配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物のうち、
無機充填剤を除く配合成分の合計量に対して、約1〜約
10重量%であることが好ましい。これは、(F)窒素
原子を含有する化合物の添加量が、約1重量%未満では
十分な難燃効果を得ることが難しく、一方、約10重量
%を超えると、これらを含むエポキシ樹脂組成物の流動
性が低下するために成形性が低下するおそれがある為で
ある。
【0028】本発明のエポキシ樹脂組成物において、
(G)成分の無機化合物とは、低融点ガラス粉末、スズ
酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛及び
三酸化モリブデンからなる第1群のうち少なくとも1種
類を含むものである。これらの(G)成分の無機化合物
は、単独で使用しても良いし、これらのうち2種類以上
を併用して用いても良い。
【0029】(G)成分の無機化合物のうち、低融点ガ
ラス粉末は、本発明では非鉛系で融点または軟化点が約
800℃以下であるものをいう。好ましくは、これらの
温度が約600℃以下であると良い。低融点ガラス粉末
としては、例えば、ホウ酸塩系、ホウケイ酸塩系、リン
酸塩系、ビスマス系、バリウムホウ酸塩系等のものがあ
げられる。低融点ガラス粉末は基本的に酸化物の組み合
わせで構成されており、その構成成分の具体例として
は、B、P、ZnO、SiO、Bi
、Al、BaO、CaO、MgO、MnO
ZrO、TiO 、CeO、SrO、V、S
nO、LiO、NaO、KO等があげられる
が、一般的に用いられるものであれば良く、限定される
ものではない。また、上記成分以外に、CuO、Fe
等の遷移金属酸化物を適宜加えても良い。ただし、
耐湿性の向上の為に、アルカリ成分は出来るだけ含まな
いことが好ましい。これらの酸化物から成る低融点ガラ
ス粉末の中でも、BとZnOを主成分とするホウ
酸亜鉛系もしくはPとZnOを主成分とするリン
酸亜鉛系低融点ガラス粉末が特に好ましく用いられる。
【0030】低融点ガラス粉末は、加熱時に容易に溶融
し、燃焼成分表面にガラス質被膜を形成する為に、表面
を被覆し燃焼を防ぐことによって、難燃性を発揮する。
また、ガラス中の金属成分の触媒作用により、燃焼成分
の表面の炭化を促進し、表面を炭化物の被膜で覆うこと
により難燃効果を得ることもできる。さらに、B
とZnOを主成分とするホウ酸亜鉛系もしくはP
とZnOを主成分とするリン酸亜鉛系低融点ガラス粉末
は、熱分解によって生成するホウ酸もしくはリン酸の脱
水効果によっても燃焼成分の炭化が促進されるためにエ
ポキシ樹脂組成物表面を炭化物の被膜で覆うことによ
り、さらに良好な難燃性が得られる。
【0031】(G)成分の無機化合物のうち、スズ酸亜
鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛及び三酸
化モリブデンのうち少なくとも1種類を含む化合物は、
耐湿性を向上させるために、アルカリ金属イオン等のイ
オン性不純物をできるだけ含まないことが望ましい。
【0032】スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、モリ
ブデン酸亜鉛及び三酸化モリブデンのうち少なくとも1
種類を含む化合物は、高温になるとガラス状の溶融物質
となるために、燃焼成分表面にこのガラス状の溶融物質
を形成し、表面を被覆して燃焼を防ぎ、難燃性を発揮す
る。また、スズ酸、モリブデン酸等の脱水作用によって
炭化が促進され燃焼成分の表面を炭化し、表面を炭化物
の被膜で覆うことにより難燃効果を得ることもできる。
【0033】(G)成分の無機化合物の配合量は、本発
明のエポキシ樹脂組成物のうち、無機充填剤を除く配合
成分の合計量に対して、約1〜約10重量%であること
が好ましい。これは、これらの物質を含有する化合物の
添加量が、約1重量%未満では十分な難燃効果を得るこ
とが難しく、一方、約10重量%を超えるとこれらを含
むエポキシ樹脂組成物の流動性の低下により成形性が低
下し、また硬化物の耐湿性も低下するおそれがある為で
ある。
【0034】上述したように本発明のエポキシ樹脂組成
物において、主難燃剤としては、(E)または(E´)
成分のリン原子を含有する物質を用い、難燃助剤として
(F)窒素原子を含有する化合物と、(G)成分の無機
化合物を用いる。
【0035】従来、(E)または(E´)成分は難燃性
は高かったが、耐湿性について問題があり、高い耐湿性
の要求される封止用のエポキシ樹脂組成物として用いる
のが難しいとされていた。また、(F)、(G)を単独
で、または併用して用いた場合は難燃性が低く、十分な
難燃効果を得ることは出来なかった。また、(E)もし
くは(E´)と(F)、または(E)もしくは(E´)
と(G)から成る二成分系の複合難燃剤でも、大きな相
乗効果は得られず、十分な耐湿性と十分な難燃性を得る
ことは出来なかった。さらに、(F)と(G)に加え
て、水酸化アルミニウムを用いて三成分系とした場合
も、大きい相乗効果は見られず、十分な難燃効果を得る
ことは難しかった。
【0036】しかしながら本発明において本発明者等
は、(E)もしくは(E´)と(F)と(G)の三成分
系とすることにより、難燃性、耐湿性双方に優れた難燃
剤が得られることを発見した。まず、難燃性の高いリン
原子が加熱時に酸素と反応して燃焼成分表面にポリリン
酸層による保護被膜を形成し、また、エポキシ樹脂組成
物表面の燃焼成分の炭化も促進して炭化物の被膜で表面
を覆う。また(E)もしくは(E´)だけでは耐湿性に
問題があることから(F)、(G)を加えることによっ
て耐湿信頼性の低下を防ぐことが出来る。また(F)、
(G)は耐湿性に優れるだけでなく、(F)は熱分解時
の吸熱反応による冷却効果と、不燃性ガスの生成によっ
て樹脂で封止された半導体装置の周りを覆う効果によっ
て難燃性を有する。また(G)も、加熱時に容易に溶融
し、燃焼成分表面にガラス質被膜を形成することにより
表面を被覆し燃焼を防ぎ、難燃性を発揮する効果と、中
に含まれる金属成分の触媒作用により、燃焼成分の表面
の炭化を促進し、表面を炭化物の被膜で覆うことによる
難燃効果などを有するために、相乗効果によってさらに
高い難燃性を得ることが出来る。また従来は、(E)も
しくは(E´)のうち、リン含有量の低い赤リン系難燃
剤や芳香族縮合リン酸エステル、ホスファゼン化合物
は、耐湿性は良好であるが難燃性が劣るという欠点があ
ったが、本発明では、(F)や(G)を加えることによ
り、上述したような効果が得られるために、耐湿性も難
燃性も良好な難燃剤とすることが出来る。
【0037】本発明のエポキシ樹脂組成物において、
(A)エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエ
ポキシ基を有するものであれば良く、限定されるもので
はない。
【0038】(A)エポキシ樹脂の具体例としては、例
えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトー
ル系のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAの
ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリ又はテトラ(ヒド
ロキシフェニル)アルカンから誘導されるエポキシ化合
物、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂、フェノ
ールアラルキル樹脂のエポキシ化合物等があげられる。
これら以外にも、一般的に用いられているものであれば
良く、限定されるものではない。これらの(A)エポキ
シ樹脂は、単独で用いても良いし、または2種類以上混
合して用いても良い。
【0039】また本発明のエポキシ樹脂組成物におい
て、(B)硬化剤としては、一般的にエポキシ樹脂の硬
化剤として用いられるものであれば良く、限定されるも
のではない。
【0040】(B)硬化剤の具体例としては、例えば、
フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹
脂、t−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェ
ノールノボラック樹脂、ビスフェノールAのノボラック
樹脂もしくはナフトール系ノボラック樹脂等のノボラッ
ク型フェノール樹脂や、ポリパラオキシスチレンや、
2,2´−ジメトキシ−p−キシレンとフェノールモノ
マーとの縮合重合化合物等のフェノールアラルキル樹脂
や、ジシクロペンタジエン−フェノール重合体や、トリ
ス(ヒドロキシフェニル)アルカン等の多官能フェノー
ル樹脂や、テルペン骨格を有するフェノール樹脂や、無
水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒ
ドロフタル酸、無水トリメリット酸等の酸無水物等があ
げられる。これらの中でも、フェノールノボラック樹脂
やフェノールアラルキル樹脂が特に好ましく用いられ
る。なお、これらの(B)硬化剤は、単独で用いても良
いし、または2種類以上混合して用いても良い。
【0041】ここで、(B)硬化剤の配合量は特に制限
されないが、硬化反応が十分に起こり、硬化物の特性、
特に耐湿性を良好に保つために、(A)エポキシ樹脂の
エポキシ基と(B)硬化剤のフェノール性水酸基または
酸無水物基との当量比を、約0.5〜約1.5の範囲と
することが好ましく、約0.8〜約1.2の範囲とする
ことがさらに好ましい。
【0042】また本発明のエポキシ樹脂組成物におい
て、(C)硬化促進剤としては、一般的に用いられるも
のであれば良く、限定されるものではない。
【0043】(C)硬化促進剤としては、例えば塩基性
触媒が使用でき、その具体例としては、トリメチルホス
フィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン、トリ(p−メチルフェニ
ル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリス
(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン等の有機ホ
スフィン化合物や、2−エチルイミダゾール、2,4−
ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ヘプタデシル
イミダゾール等のイミダゾール化合物及びその誘導体
や、DBU(1,8−ジアザビシクロウンデセン−7)
又はそのフェノール塩や、6−ジブチルアミノ−1や、
8−ジアザビシクロウンデセン−7等があげられる。
【0044】ここで、(C)硬化促進剤の配合量は特に
制限されないが、硬化物の硬化特性、耐湿性を良好に保
つために、(C)硬化促進剤の配合量を、(A)エポキ
シ樹脂及び(B)硬化剤の合計量に対して、約0.01
〜約10重量%とすることが好ましい。
【0045】また本発明のエポキシ樹脂組成物におい
て、(D)無機充填剤としては、溶融シリカ、結晶性シ
リカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化
ホウ素及び雲母等を用いることが出来る。(D)無機充
填剤はこれらの他にも一般的に用いられるものであれば
良く、限定されるものではない。これらは単独で用いて
も良いし、または2種類以上混合して用いても良い。こ
れらの中でも、溶融シリカや結晶性シリカ等が特に好ま
しく用いられる。また、溶融シリカや結晶性シリカの形
状は、破砕状や球状のものがあるが、これらは組み合わ
せて配合しても良い。また、これらの(D)無機充填剤
の粒径は特に限定されないが、流動性、充填性の点か
ら、平均粒径が約5〜約100μmであることが好まし
い。
【0046】ここで、(D)無機充填剤の配合量は、エ
ポキシ樹脂組成物に対して約50〜約90重量%である
ことが好ましく、更に約60〜80重量%であることが
好ましい。エポキシ樹脂組成物中の(D)無機充填剤の
配合量が約50重量%以上であることにより十分な難燃
性、良好な耐湿信頼性が得られ、約90重量%以下であ
ることにより、溶融粘度が低くなり良好な成形性が得ら
れる。
【0047】また本発明のエポキシ樹脂組成物には、上
述したような成分に加え、さらに必要に応じて、シラン
カップリング剤等のフィラー表面処理剤や、天然ワック
ス類、合成ワックス類、直鎖脂肪酸やその金属塩、酸ア
ミド類、パラフィン類等の離型剤や、カーボンブラッ
ク、二酸化チタン等の顔料や、シリコーン化合物、有機
ゴム等の低応力付与剤や、ハイドロタルサイト類等のイ
オン捕捉剤や、石油樹脂、ロジン、テルペン、インデン
樹脂等の粘着性付与剤等の、各種の添加剤を適宜配合す
ることも出来る。
【0048】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上述した
ような各成分を、加熱ロール、ニーダーまたは押出機に
よって溶融混練する、または微粉砕可能な特殊混合機に
よって混合する、またはこれらの方法を適切に組み合わ
せることによって容易に調整することが出来る。
【0049】また本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化さ
せて半導体素子を封止する際には、最も一般的には、低
圧トランスファー成形が用いられるが、これらに限定さ
れるものではない。すなわち、インジェクション成形、
圧縮成形、注型等の任意の方法で半導体素子を封止し
て、樹脂封止型半導体装置を作成することが可能であ
る。
【0050】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0051】実施例1〜28、比較例1〜12及び参考
例は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填
剤、離型剤、顔料、フィラー表面処理剤としてのシラン
カップリング剤、難燃剤等を配合してなるエポキシ樹脂
組成物である。これらのエポキシ樹脂組成物の各成分の
原料を、下記に示す。 (1)エポキシ樹脂 エポキシ樹脂Aは、オルソクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂(エポキシ当量197、住友化学社製、ESC
N−195XL) エポキシ樹脂Bはビスヒドロキシビフェニル型エポキシ
樹脂(エポキシ当量193、油化シェルエポキシ社製、
YX−4000H) 難燃エポキシ樹脂は、臭素化ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(エポキシ当量400、旭化成社製、AER−7
45T) (2)硬化剤 フェノールノボラック樹脂(水酸基当量104、昭和高
分子社製、BRG−556) (3)硬化促進剤 トリフェニルホスフィン (4)離型剤 エステル系ワックス (5)顔料 カーボンブラック (6)フィラー表面処理剤 シランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン (7)無機充填剤 無機充填剤Aは、溶融シリカ(平均粒径20μm、破砕
状、東芝セラミックス社製、USS−80K) 無機充填剤Bは、水酸化アルミニウム(平均粒径18μ
m、破砕状、昭和電工社製、ハイジライトH31) (8)難燃剤 赤リン系物質Aは、表面を水酸化アルミニウムとフェノ
ール樹脂で被覆した赤リン(赤リン含有率約33%、日
本化学社製、ヒシガードセーフPM−13)赤リン系物
質Bは、表面を水酸化アルミニウムで被覆した赤リン
(赤リン含有率約90%、日本化学社製、ヒシガードT
P−10) 芳香族縮合リン酸エステルAは、レゾルシノール−ビス
−(ジキシレニルホスフェート)(リン含有率約9.0
%、大八化学社製、PX−200) 芳香族縮合リン酸エステルBは、レゾルシノール−ビス
−(ジフェニルホスフェート)(リン含有率約10.8
%、大八化学社製、CR−733S) トリフェニルホスフェート(リン含有率約9.5%、大
八化学社製、TPP) ホスファゼン化合物Aは、nが3で環状のフェノキシホ
スファゼンオリゴマー(リン含有率約13%、大塚化学
社製、SP−134) ホスファゼン化合物Bは、nが3〜10で鎖状のフェノ
キシホスファゼンオリゴマー(リン含有率約13%、大
塚化学社製、SP−100) ポリリン酸メラミン(三和ケミカル社製、MPP−A) メラミンシアヌレート(日産化学社製、MC−610) 低融点ガラス粉末Aは、ホウ酸亜鉛系のもの(融点約5
00℃、U.S.Borax社製) 低融点ガラス粉末Bは、リン酸亜鉛系のもの(融点約5
40℃、旭硝子社製) スズ酸亜鉛(日本軽金属社製、Flamtard S) ヒドロキシスズ酸亜鉛(日本軽金属社製、Flamta
rd H) モリブデン酸亜鉛(日本無機化学社製) 三酸化モリブデン(日本無機化学社製) 三酸化アンチモン(三国製錬社製) 上記各成分は、下記表1(実施例1〜7)、表2(実施
例8〜14)、表3(実施例15〜21)、表4(実施
例22〜28)、表5(比較例1〜7)、表6(比較例
8〜12、参考例)に示す割合で配合し、以下のように
調整して所望のエポキシ樹脂組成物を得る。表中の配合
量は重量部を示す。ただし、難燃剤の配合量は、エポキ
シ樹脂組成物から無機充填剤を除いたものに対する割合
(重量%)で示す。また、リン原子含有物質を含む場合
は、リン原子の、エポキシ樹脂組成物から無機充填剤を
除いたものに対する割合(重量%)も合わせて示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】まず、へンシェルミキサー中でシランカッ
プリング剤によって無機充填剤を処理した後、これに他
の成分を混合して、約60〜約120℃の加熱ロールに
よって溶融混練する。次に、この混合物を冷却した後、
粉砕することによって所望のエポキシ樹脂組成物を得
る。
【0059】これら実施例1〜28、比較例1〜12及
び参考例に係る41種類のエポキシ樹脂組成物について
流動性を調べ、また各エポキシ樹脂組成物を硬化させて
なる硬化物について難燃性を調べる。さらにこれらの各
エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止して、得
られた樹脂封止型半導体装置の耐湿信頼性の評価を行
う。ここで参考例は、従来のハロゲン系難燃剤やアンチ
モン系難燃剤を用いたエポキシ樹脂組成物である。
【0060】なお、上記の特性評価は、以下の手法によ
って行う。 (1)流動性評価 高化式フローテスターを用いて、約175℃における各
エポキシ樹脂組成物の溶融粘度を測定する。 (2)難燃性評価 各エポキシ樹脂組成物を用いて、低圧トランスファー成
形機により成形温度約175℃、約3分間の条件で成形
を行い、約180℃で約8時間アフターキュアして、約
125mm×約13mm×約1.6mm厚の試験片を得
る。各試験片について、難燃性の規格であるUL94規
格に従って、最大フレーミング時間の測定と難燃性レベ
ルの判定を行う。 (3)耐湿信頼性評価 各エポキシ樹脂組成物によって約10mm×約10mm
の試験用半導体素子を封止して、樹脂封止型半導体装置
を作製する。作製したこの樹脂封止型半導体装置に対
し、プレッシャークッカー試験(PCT試験)により耐
湿信頼性の評価を行う。すなわち、作製したこの樹脂封
止型半導体装置を、約121℃、約2気圧の飽和水蒸気
雰囲気中に放置して、不良(リーク不良及びオープン不
良)の発生率を調べる。
【0061】以上の評価結果を、下記表7から表12に
示す。
【表7】
【0062】
【表8】
【0063】
【表9】
【0064】
【表10】
【0065】
【表11】
【0066】
【表12】
【0067】上記表7〜表10に示されるように、本発
明の範囲内である、エポキシ樹脂組成物(実施例1〜2
8)は、溶融時の流動性が良好で、硬化物の難燃性が高
く、またこれらエポキシ樹脂組成物により封止された半
導体装置は、PCT試験における不良発生がほとんどな
く、優れた耐湿性を有することがわかる。難燃性に関し
ては、最大フレーミング時間が短く、難燃性レベルがV
−0で難燃性が高いことから、ハロゲン系難燃剤やアン
チモン系難燃剤を使用することなしに、これらの難燃剤
を用いた表12の参考例と同等の難燃性が得られている
ことがわかる。これは、難燃性を有する無機充填剤の配
合量が約80重量%以上の場合はもとより、無機充填剤
の配合量が約80重量%以下についても同様である。
【0068】これに対して表11〜表12に示されるよ
うに(G)を含まないエポキシ樹脂組成物(比較例1、
4、7)や、(F)を含まないエポキシ樹脂組成物(比
較例2、5、8)は、難燃性が劣っている。また、
(F)を含まない場合でも(E)もしくは(E´)の添
加量を多くした場合(比較例3、6、9)は難燃性は向
上するが、耐湿信頼性が低下する。また、(E)もしく
は(E´)を含まないエポキシ樹脂組成物(比較例1
0)は、難燃性が著しく低く、かつ溶融粘度が高いた
め、成形性が劣る。さらに、(E)もしくは(E´)成
分として用いる芳香族縮合リン酸エステル化合物の代わ
りに、モノマー型リン酸エステル化合物のトリフェニル
ホスフェートを用いたエポキシ樹脂組成物(比較例1
1)は耐湿信頼性が劣る。また、(E)もしくは(E
´)の代わりに水酸化アルミニウムを用いたエポキシ樹
脂組成物は(比較例12)、難燃性が不十分であり、か
つ耐湿信頼性も劣る事がわかる。
【0069】
【発明の効果】以上本発明によれば、ハロゲン系難燃剤
やアンチモン系難燃剤を使用することなしに、難燃性が
優れると共に耐湿信頼性に優れた半導体封止用エポキシ
樹脂組成物及び樹脂封止型半導体装置を提供することが
出来る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/40 C08K 3/40 5/16 5/16 5/3477 5/3477 5/521 5/521 5/5399 5/5399 9/02 9/02 9/04 9/04 C09C 1/00 C09C 1/00 H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 Fターム(参考) 4J002 BC122 CC042 CC052 CC062 CD001 CD021 CD041 CD051 CD061 CD071 CE002 DA059 DE090 DE148 DE160 DF018 DJ008 DJ018 DJ058 DK008 DL000 EL136 EU117 EU137 EU180 EU190 EW017 EW049 EW129 EW159 FB079 FD018 FD130 FD139 FD142 FD146 FD157 GQ05 4J037 AA08 CA12 CB19 CB22 CC22 CC23 EE03 FF13 4M109 AA01 BA01 CA21 EA02 EB02 EB04 EB07 EB12 EB15 EB18 EC01 EC03 EC05 EC20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤
    と、(C)硬化促進剤と、(D)無機充填剤と、(E)
    赤リンの表面を水酸化アルミニウムまたはフェノール樹
    脂の少なくとも1種類で被覆した粒子と、(F)窒素原
    子を含有する化合物と、(G)低融点ガラス粉末、スズ
    酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛及び
    三酸化モリブデンから成る第1群のうち少なくとも1種
    類を含む無機化合物とを含むことを特徴とするエポキシ
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤
    と、(C)硬化促進剤と、(D)無機充填剤と、(E
    ´)リン原子を含有する化合物と、(F)窒素原子を含
    有する化合物と、(G)低融点ガラス粉末、スズ酸亜
    鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛及び三酸
    化モリブデンから成る第1群のうち少なくとも1種類を
    含む無機化合物とを具備し、前記(E´)リン原子を含
    有する化合物が、芳香族縮合リン酸エステル化合物及び
    下記一般式(1)で表されるホスファゼン化合物から成
    る第2群のうち少なくとも1種類を含むことを特徴とす
    るエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中、nは3〜10の整数である。また、R1とR2
    は、同一でも異なっていても良く、アミノ基、アルコキ
    シ基、フェノキシ基またはそれらの誘導体を示す。)
  3. 【請求項3】 前記(E´)成分として前記ホスファゼ
    ン化合物を用いた場合に、前記ホスファゼン化合物のn
    が3であり、環状ホスファゼン化合物であることを特徴
    とする請求項2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記(F)窒素原子を含有する化合物が
    ポリリン酸メラミン又はメラミンシアヌレートであるこ
    とを特徴とする請求項1、2または3記載のエポキシ樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記(G)成分として前記低融点ガラス
    粉末を用いた場合に、前記低融点ガラス粉末がホウ酸亜
    鉛系またはリン酸亜鉛系の低融点ガラス粉末であること
    を特徴とする請求項1、2、3または4記載のエポキシ
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5記載のエ
    ポキシ樹脂組成物の硬化物で半導体素子が封止されてい
    ることを特徴とする樹脂封止型半導体装置。
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