JP3932198B2 - 難燃剤組成物 - Google Patents
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Description
(A)成分:三価のリン化合物
(B)成分:特定のホスファゼン化合物
(C)成分:芳香族含有樹脂
すなわち、本発明は下記の通りである。
1.下記の(A)成分と(B)成分とを含む難燃剤組成物。
(A)成分:三価のリン化合物
(B)成分:TGAによる不活性ガス雰囲気下、昇温速度10℃/minで常温から600℃まで加熱した時の、50重量%の重量減少時の温度と5重量%の重量減少時の温度の差が40〜100℃である五価のリン化合物。
2.(A)成分と(B)成分の合計100重量部中、(A)成分を0.1〜60重量部、(B)成分を99.9〜40重量部含有することを特徴とする上記1に記載の難燃剤組成物。
3.(B)成分の酸価が1.0以下であり、且つカールフィッシャー法により150℃にて測定した水分量が1000ppm以下である上記1又は2に記載の難燃剤組成物。
4.(B)成分における、TGAによる不活性ガス雰囲気下、昇温速度10℃/minで常温から600℃まで加熱した時の、50重量%の重量減少時の温度が320〜460℃であることを特徴とする上記1〜3のいずれか一項に記載の難燃剤組成物。
5.(A)成分が、TGAによる不活性ガス雰囲気下、昇温速度10℃/minで常温から600℃まで加熱した時の10重量%の重量減少時の温度が120℃〜320℃である上記1〜4のいずれか一項に記載の難燃剤組成物。
6.(A)成分が、三級ホスフィン類である上記1〜4のいずれか一項に記載の難燃剤組成物。
7.(A)成分が、トリアリールホスフィン類であることを上記1〜4のいずれか一項に記載の難燃剤組成物。
8.更に、(C)芳香族樹脂を含有することを特徴とする上記1〜7のいずれか一項に記載の難燃剤組成物。
9.(C)成分が、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、フェノール系樹脂、芳香族ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、サーモトロピック液晶から選ばれる少なくとも一種の樹脂であることを特徴とする上記8に記載の難燃剤組成物。
10.(C)成分が、ポリフェニレンエーテル系樹脂であることを特徴とする上記8に記載の難燃剤組成物。
11.(C)成分と(B)成分の重量比が(C)/(B)=95/5〜5/95であることを特徴とする上記8〜10のいずれかに一項に記載の難燃剤組成物。
本発明においては、(A)成分である三価のリン化合物及び、(B)成分である特定の五価のリン化合物は必須成分である。これらの成分を適宜組み合わせることにより、高温加熱時に炭化層の成長を促進し、少量の添加で優れた難燃性、諸特性を得ることができる。また、炭化層の形成を効率良く行う為に、第三成分として(C)成分である芳香族樹脂を添加することも可能である。
本発明で用いられる三価のリン化合物としては、従来公知のものを好適に用いることができるが、耐熱性及び、難燃性、機械特性のバランスを考慮すると、TGAによる不活性ガス雰囲気下、昇温速度10℃/minで常温から600℃まで加熱した時の10重量%の重量減少時の温度が、150℃〜320℃である三価のリン化合物であることが好ましい。なお、以下では「〜重量%の重量減少時の温度」を「〜%減量温度」という場合がある。
これらの三価のリン化合物は一種単独で用いても良いし、二種以上の混合物として用いても良い。
本発明のホスファゼン化合物は、(A)成分と併用して用いた場合の、難燃性、燃焼時の低発煙性、低揮発性等を考慮すると、TGAによる不活性ガス雰囲気下、昇温速度10℃/minで常温から600℃まで加熱した時の、50重量%の重量減少時の温度と5重量%の重量減少時の温度の差が、40〜100℃、好適には40〜90℃、より好ましくは45〜85℃、更に好ましくは45〜75℃、特に好ましくは45〜70℃であるものが好ましい。また、樹脂に対して用いた場合、燃焼時の炭化層形成促進効果による難燃効率を考えると、50重量%の重量減少時の温度が320〜460℃であるものが好ましく、より好ましくは350〜450℃であるものが好ましい。
これらの化合物は、一種単独で用いても、二種以上の混合物として用いても良い。
これらのホスファゼン化合物は一種単独で用いても、二種以上の混合物として用いても良い。
本発明においては、(A)成分、(B)成分の他に、炭化皮膜の形成をより促進する目的で、芳香族樹脂を含有しても良い。
本発明で用いられる芳香族樹脂は、燃焼時に炭化皮膜を形成し易い樹脂であれば特に規定はされず、従来公知の芳香族樹脂を好適に用いることができる。一例を挙げると、ASTM D2863に基づいて測定された酸素指数が24以上であり、且つ、主鎖に芳香族分子を20mol%以上含有している樹脂であることが好ましい。より好ましくは30mol%以上、更に好ましくは40mol%以上、特に好ましくは50mol%以上含有していることが好ましい。
また、(C)成分の芳香族樹脂を用いる場合、(A),(B)及び(C)成分のみで樹脂組成物として用いることもできる。
本発明で好適に用いることができるポリフェニレンエーテル樹脂は、下記一般式(9)及び/または(10)で表される繰り返し単位を有する単独重合体、あるいは共重合体であることが好ましい。
本発明で好適に用いることのできる芳香族含有ポリアミド樹脂は、本発明の効果を発揮するものであれば従来公知のものを広く用いることができ、特に制限されない。一例を挙げると、ε−カプロラクタム、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロへキシル)メタン等のポリアミド形成性モノマーを適宜組み合わせて得られるホモポリマー、共重合体及びこれらの混合物を用いることができる。
本発明によるポリアミド樹脂の分子量は、何等規定されるものではないが、JIS K6810規格に示される硫酸相対粘度が1.5〜3.5の範囲にあるものを好適に用いることができる。
本発明で好適に用いることのできるサーモトロピック液晶は、本発明の効果を発揮するものであれば従来公知のものを広く用いることができ、特に制限されない。一例を挙げると、p−ヒドロキシ安息香酸及びエチレンテレフタレートを主構成単位とするサーモトロピック液晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸及び2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸を主構成単位とするサーモトロピック液晶ポリエステル、p−ヒドロキシ安息香酸及び4,4’−ヒドロキシビフェニル並びにテレフタル酸を主構成単位とするサーモトロピック液晶ポリエステルなどが挙げられ、特に制限はない。
本発明で好適に用いられるサーモトロピック液晶の見かけの溶融粘度(液晶 開始温度+30℃でずり速度100/秒)は本発明の効果が得られる範囲であれば特に規定はないが、特に流動性が必要な場合の溶融粘度は10〜3,000Pa・sであることが好ましく、より好ましくは10〜2,000Pa・s、特に好ましくは10〜1,000Pa・sである。
本発明で好適に用いることができるポリフェニレンスルフィド系樹脂は、、本発明の効果を発揮するものであれば従来公知のものを広く用いることができ、特に制限されない。一例を挙げると、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリビフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン等が挙げられ、特にポリフェニレンスルフィドを好適に用いることができる。
また、ポリフェニレンスルフィドは、−SX基(Sは硫黄原子、Xはアルカリ金属または水素原子である)量が、15μmol/g以上、好ましくは18〜35μmol/g、特に好ましくは20〜30μmol/gであるものが好ましい。
本発明において好適に用いられるフェノール系樹脂としては、従来公知のものを好適に用いることができる。一例を挙げると、フェノールとアルデヒドを塩基性触媒で付加、縮合して得られるレゾール型フェノール樹脂、フェノールとアルデヒドを酸触媒で付加、縮合して得られるノボラック型フェノール樹脂等がある。中でもノボラック型フェノール樹脂が好適に用いられる。これらのフェノール樹脂は一種単独でも二種以上を併用して用いても良い。
また、本発明で用いられるフェノール樹脂の数平均分子量は、特に制限はされないが、300〜50000のものが好適に用いられ、分子量の異なるフェノール樹脂を併用しても良い。
難燃剤組成物の配合割合は、本発明の効果が得られる範囲であれば特に規定はされないが、本発明の効果を効率良く得ようとした場合、(A)成分と(B)成分の配合割合は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部中、(A)成分を0.1〜60重量部、(B)成分を99.9〜40重量部、好ましくは(A)成分を0.1〜50重量部、(B)成分を99.9〜50重量部、より好ましくは(A)成分を0.1〜37重量部、(B)成分を99.9〜63重量部であることが好ましい。
また、(C)成分の芳香族樹脂を配合する場合の配合割合は、(C)成分と(B)成分の比が(C)/(B)=95/5〜5/95、より好ましくは、(C)/(B)=90/10〜10/95であることが好ましい。
本発明の難燃剤組成物は、広範囲で好適に使用することができ、使用方法、使用分野は特に規定されない。好適な使用方法として、一例を挙げると、樹脂用難燃剤、樹脂組成物、塗料、コーティング剤、ゴム、潤滑剤、リチウムイオン電池、太陽電池、燃料電池、不燃性電解液、電池電装用、離形剤、離形膜、粗化面形成材、撥水剤等に好適に用いられる。
本発明における難燃剤組成物の形状は、本発明の効果が達成できるものであれば特に規定するものではない。例えば、粉体、錠剤型、ペレット、塊状、ワックス、液体、オイル等の状態で供給される。また、必要であれば、難燃剤組成物の一部又は全部を気化させて用いることもできる。また、本発明における難燃剤組成物においては、各成分は完全に相溶させても良いし、単純に混合させて用いても良い。また、相溶させたものと単純混合のものとの混合物でも良い。
本発明の難燃剤組成物は、従来公知の樹脂と組み合わせて使用することができる。使用に供される樹脂は何等規定されるものではなく、公知の硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が好適に使用される。一例を挙げると、熱可塑性樹脂としては、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハイインパクトポリスチレン、エラストマー含有ポリスチレン、シンジオタクテックポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、AS系樹脂、生分解性樹脂、ポリカーボネート−ABS樹脂のアロイ、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、サーモトロピック液晶等が挙げられ、特にポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリフェニレンエーテルとポリスチレンのアロイ、ポリフェニレンエーテルとポリアミドのアロイ、ポリフェニレンエーテルとサーモトロピック液晶とのアロイ、ポリフェニレンエーテルとポリフェニレンサルファイドとのアロイが好適に使用される。
本発明で使用される樹脂は、一種単独でも、二種以上の樹脂を組み合わせて用いても良い。
難燃剤組成物の一成分として(C)成分も添加する場合、使用する樹脂は(C)成分として添加した樹脂とは異なる樹脂であって、同一のものではない。
本発明による難燃剤組成物と、樹脂との配合割合は、本発明の効果を得ることのできる割合であればよく特に規定はされないが、樹脂成分(a)の100重量部に対し、難燃剤組成物(b)を1〜1000重量部であることが好ましい。より好ましくは(a)成分100重量部に対し、(b)成分は5〜500重量部である。
本発明による難燃剤組成物においては、本発明の効果が達成できる範囲で、従来公知のノンハロゲン、ノンアンチモンの難燃剤を併用することができる。例示すると、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスフィン、ビス(ジアリールホスフィノ)ベンゼン、トリス(ジアリールホスフィノ)ベンゼン等の三級ホスフィン類の酸化物や硫化物、ホスフィン酸やホスホン酸等の金属塩、アミド、アンモニウム塩、メラミンとの誘導体、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、アルミン酸カルシウム等の金属水酸化物、メラミン、メラム、メレム、メロン、メチレンジメラミン、エチレンジメラミン、デカメチレンジメラミン、1,3−シクロヘキシルジメラミン、4,4’−ジエチレンジメラミン、ジエチレントリメラミン、ベンゾグアナミン、ジベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、メチルグアナミン、アセトグアナミン、メラミン樹脂等や、上記化合物のシアヌル酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硼酸塩、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジン、2−N−フェニルアミノ−4,6−ジメルカプト−S−トリアジン、2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート等のトリアジン系化合物、バナジウム、二オブ、タンタル、鉄、ルテニウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金等の酸化物や硫化物、硼酸、硼酸亜鉛化合物等の硼素含有化合物、ポリオルガノシロキサン、シルセスキオキサン、シリコン樹脂等の珪素含有化合物、シリカ、カオリンクレー、タルク、ウォラストナイト等の無機珪素化合物を添加して更なる難燃性の向上も可能である。
本発明における難燃剤組成物において、各成分の配合方法は、本発明の効果が達成できる方法であれば特に規定するものでない。(A)成分と(B)成分及び、他の成分を予め混合して用いても良いし、(A)成分と(B)成分を混合した後、他の成分を配合しても良い。
本発明における難燃剤組成物と樹脂との配合方法は、本発明の効果が達成できる方法であれば特に規定するものではない。例えば、押出機、加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練製造することができる。その中でも押出機による溶融混練が、生産性の面で好ましい。溶融混練温度は、ベース樹脂の好ましい加工温度に従えばよく、目安としては140〜360℃の範囲、好ましくは180〜320℃の範囲である。
本発明の難燃剤組成物を用いた難燃性樹脂組成物は、コイルボビン、フライバックトランス、コネクター、偏光ヨーク等の電気・電子機器部品、プリント配線板、プリント基板、封止剤、電気絶縁材料、電気被覆剤、積層板、高速演算用ワニス、先端複合材料、電線、アンテナ剤、ケーブル、高性能成型材料等の電気・電子材料用途、塗料、接着剤、コーティング材、食器、ボタン、繊維・紙処理剤、化粧板、UV硬化型インキ、シーラント、合成皮革、断熱緩衝材料、塗膜防水材、防食ライニング、鋳型用バインダー、ラッカー、ペイント、インキの改質材、樹脂変性材、航空機内装剤、複合材料用マトリックス、家庭用品、OA機器、AV機器、電池電装用、照明機器、自動車部品用途、ハウジング用途、ETC、ITC、携帯電話等に最適に使用される。
まず、実施例及び比較例で得たサンプルの評価手法について述べる。
UL−94垂直燃焼試験に基づき、約1.6mm厚みの射出成形試験片、若しくは2mm厚みの硬化試験片を用いて測定し、10回接炎時の平均燃焼時間と燃焼時の滴下物による脱脂綿着火の有無を評価した。
UL−94垂直燃焼試験は、UL燃焼テストチャンバー(HVUL−C;(株)東洋精機製作所製)を用いて行い、燃焼試験時に発生する煙がチャンバーからほとんど漏れでなかった場合は○、少し漏れ出た場合は△、多量に漏れ出た場合は×として、目視により評価を行った。
サンプル約10mgを、パーキンエルマー社製Thermal Analysis System 7 Seriesを用いて、窒素気流30ml/min中、10℃/minの速度で600℃まで昇温したときの重量が、5%減量した時の温度及び、50%減量した時の温度を測定し、その差を測定した。
設定温度150℃で、カールフィッシャー法により測定した。
5) 耐熱性(DTUL)
ASTM−D−648に基づき、厚さ6.4mmの試験片を用いて、18.6kg荷重にて測定した。
6) 誘電特性
厚さ約2.5mmの成型片を用いて、比誘電率を周波数1GHzにて容量法で測定した。
下記設定温度にて、射出成形により、ASTM−D−638ダンベル型試験片を成形し、成形した際に、試験片およびランナーの金型からの型離れのし易さの程度を目視判定した。離型が良いものは○、離型が良くないものは×で表した。
実施例18〜20、比較例7 バレル温度220℃ 金型温度60℃
実施例21〜23、比較例8〜11 バレル温度280℃ 金型温度80℃
加熱シリンダーの最高温度を下記の温度で設定し、スクリュー直径25mmの二軸押出機で、スクリュー回転数300rpmで溶融混合した。
実施例18〜20、比較例7 − 220℃
実施例21〜23、比較例8〜11 − 300℃
10分間溶融混練を行ったときに、ストランドが途中で二度以上切れたものは×、一度切れたものを△、一度も切れなかったものを○として目視により判定を行った。
厚さ約2mmの成形片を、恒温恒湿槽にて設定温度85℃、相対湿度95%Rhの条件下で64時間加湿し、加湿前後の重量の差を測定し、加湿後の重量と加湿前の重量との差を、加湿前の重量で割り、100を乗じた数が、2%以下のものを○、2〜2.4%のものを△、2.4%を超えるものを×として、耐吸湿性の指標とした。
(A)三価のリン化合物
(P−1)
トリフェニルホスフィン(和光純薬工業(株)社製)。
(P−2)
トリス(m−メチルフェニル)ホスフィン(和光純薬工業(株)社製)。
(P−3)
1−ブロモ−2−メチルベンゼン(TolBr)と金属マグネシウムから調製した2−メチルフェニルマグネシウムブロマイド(TolMgBr)と三塩化リンとの反応により得たトリス(o−メチルフェニル)ホスフィン。
(P−4)
1−ブロモ−2,4,6−トリメチルベンゼン(MesBr)とマグネシウムから調製したメシチルマグネシウムブロマイド(MesMgBr)と三塩化リンとの反応により得たトリメシチルホスフィン(Mes3P)
(FR−1)
下記化学式(12)においてn=3が93.6wt%、n=4が4.0wt%、n≧5が2.4wt%であるフェノキシホスファゼン。5%減量温度;336℃、50%減量温度;398℃、500℃残渣量;4.7重量%、酸価;0.17、含有水分量;182ppm。
下記化学式(12)において、n=3が85.3wt%、n=4が9.3wt%、n≧5が5.4wt%であるフェノキシホスファゼン。5%減量温度;318℃、50%減量温度;421℃、500℃残渣量;14.2重量%、酸価1.04、含有水分量;1100ppm。
下記化学式(13)において、n=3が99.3wt%、n=4が0.7wt%であるキシレノキシホスファゼン。5%減量温度;349℃、50%減量温度;418℃、500℃残渣量;11.0重量%、酸価;0.23、含有水分量;137ppm。
レゾルシンと2,6−キシレノールを原料として合成される縮合リン酸エステルで、PX−200(大八化学工業(株)社製)。酸価0.11、5%減量温度:319℃、50%減量温度;388℃、500℃残渣量;0.9重量%、含有水分量;235ppm。
ビスフェノールAとフェノールを原料として合成される縮合リン酸エステルで、下記化学式(14)において、n=1である化合物を85.3重量%、n=2である化合物を12.6重量%含有する縮合リン酸エステル。酸価0.18、5%減量温度;359℃、50%減量温度;433℃、500℃残渣量;2.1重量%、含有水分量;324ppm。
(1) ポリフェニレンエーテル系樹脂
(PPE−1)
GPCによって測定したポリスチレン換算数平均分子量が2600のポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル。
(PPE−2)
GPCによって測定したポリスチレン換算数平均分子量が2100のポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル。
GPCによって測定したポリスチレン換算数平均分子量が3600のポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル。
(PPE−4)
エポキシ基により官能化されたポリフェニレンエーテル:PPE−1を500g、AER250を200g及び、トリ−n−ブチルアミン(和光純薬工業(株)製)15gをよく混合した後、オートクレーブに密閉し、130℃、1時間加熱して得た。
(PPE−5)
30℃のクロロホルム溶液で測定したηsp/cが0.54のポリ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル。
ゴム含量9%、30℃、トルエン溶液で測定したマトリックスポリスチレンのηsp/cが0.64、体積平均ゴム粒子径が1.5μmのゴム補強ポリスチレン。
(3)ポリスチレン(GPPS)
トルエン溶液で測定したηsp/cが、0.8のポリスチレン
(4)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Epoxy)
AER250(旭化成エポキシ(株)社製);エポキシ当量184〜186。
(5)ポリカーボネート樹脂(PC)
パンライトL−1250Y(帝人化成(株)製);非難燃透明グレード。
(6)硬化剤
m−キシレン−α,α’−ジアミン(和光純薬工業(株)社製)。
表1に示す量のエポキシ樹脂及び(A)成分、(B)成分を、設定温度130℃のオイルバス中でを混合した。温度を保ったまま、mXDAを添加した後、型に流し込んだ。
次いで、100℃、0kgf/cm2で2分間、100℃/10kgf/cm2で2分間、100℃/40kgf/cm2で12分、熱プレス機で硬化させることにより試験片を成型して、物性評価を行い、表1の結果を得た
表2〜5に示す量のエポキシ樹脂及びPPEを、設定温度140℃のオイルバス中で溶解させた後、設定温度130℃のオイルバス中で(A)成分、(B)成分を混合した。温度を保ったまま、mXDAを添加した後、型に流し込んだ。
次いで、100℃、0kgf/cm2で2分間、100℃/10kgf/cm2で2分間、100℃/40kgf/cm2で12分、熱プレス機で硬化させることにより試験片を成型して、物性評価を行い、表2〜5の結果を得た。
各成分を表6〜9に示す割合で混合し、加熱シリンダーの最高温度を200〜330℃に設定したスクリュー直径25mmの二軸押出機に供給して、スクリュー回転数300rpmで溶融混合し、ストランドを冷却裁断して樹脂組成物ペレットを得た。
次に、得られた樹脂組成物ペレットを、射出成形により200〜330℃にて物性試験片を成形し、上記試験法により物性試験を行い、表6〜9の結果を得た。
Claims (11)
- 下記の(A)成分と(B)成分とを含む難燃剤組成物。
(A)成分:三価のリン化合物
(B)成分:TGAによる不活性ガス雰囲気下、昇温速度10℃/minで常温から600℃まで加熱した時の、50重量%の重量減少時の温度と5重量%の重量減少時の温度の差が40〜100℃であるホスファゼン化合物。 - (A)成分と(B)成分の合計100重量部中、(A)成分を0.1〜60重量部、(B)成分を99.9〜40重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の難燃剤組成物。
- (B)成分の酸価が1.0以下であり、且つカールフィッシャー法により150℃にて測定した水分量が1000ppm以下である請求項1又は2に記載の難燃剤組成物。
- (B)成分における、TGAによる不活性ガス雰囲気下、昇温速度10℃/minで常温から600℃まで加熱した時の、50重量%の重量減少時の温度が320〜460℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃剤組成物。
- (A)成分が、TGAによる不活性ガス雰囲気下、昇温速度10℃/minで常温から600℃まで加熱した時の10重量%の重量減少時の温度が120℃〜320℃である請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃剤組成物。
- (A)成分が、三級ホスフィン類である請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃剤組成物。
- (A)成分が、トリアリールホスフィン類であることを請求項1〜4のいずれか一項に記載の難燃剤組成物。
- 更に、(C)成分として芳香族樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の難燃剤組成物。
- (C)成分が、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、フェノール系樹脂、芳香族ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、サーモトロピック液晶から選ばれる少なくとも一種の樹脂であることを特徴とする請求項8に記載の難燃剤組成物。
- (C)成分が、ポリフェニレンエーテル系樹脂であることを特徴とする請求項8に記載の難燃剤組成物。
- (C)成分と(B)成分の重量比が(C)/(B)=95/5〜5/95であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに一項に記載の難燃剤組成物。
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