JP3916497B2 - 塗装方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の被塗装体を同一塗料で同時に塗装する塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車のバンパーをスプレー塗装ガンにより塗装することが行われている。この際、一般に、バンパーのフェース部が塗装の施される塗装域とされる一方、このフェース部に連続して一体成形された車体への取付フランジは塗装の不要な部分(塗装不要域)とされている。この取付フランジは車体への組み付け後には目立たない個所なので、フェース部の塗装の際にその塗料が取付フランジへ付着しても問題とならず、このためマスキングを省略して塗装作業を行っている。すなわち、フェース部の塗装面全体に均一な塗膜を形成するためには、その塗装面よりも広い範囲に塗料を噴霧する必要があり、このときに飛散した塗料が取付フランジの一部にも付着することになる。
【0003】
また、例えば、実開平5−559号公報に開示されるように、バンパーの車体内方に牽引フックを配設するようにしたものにおいて、フェース部の牽引フックに対応する部位に開口部を形成し、牽引フックを使用しないときにはその開口部を別体のカバー部材により閉塞するようにしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記後者の従来例(実開平5−559号)のようにバンパーのフェース部に別体のカバー部材を設けるようにすると、フェース部及びカバー部材の2つの部材(第1被塗装体及び第2被塗装体)を同色に塗装しなければならない。しかしながら、カバー部材をフェース部に組み付けた状態で同時に塗装すると、塗料が2つの部材の隙間に入り込んで両部材を固着させたり、そのことによって塗膜の厚さが不均一になったりし、また、その塗装後に、固着したカバー部材を取り外すとカバー部材の周縁や開口部の周縁の塗料が剥離することがあり、見栄えが悪くなるという問題がある。このことに対して、2つの部材を別々に塗装することが考えられるが、そのようにした場合、それぞれについて、前記の如く塗装面よりも広く塗料を噴霧しなければならず、塗料の無駄が相対的に多くなるとともに、塗装工数の増大を招くことになる。
【0005】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、第1及び第2被塗装体を同一塗料で同時に塗装する場合に、第2被塗装体の保持位置に工夫を凝らし、塗装作業を効率的に行うことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、第1被塗装体の塗装不要域に形成された取付フランジに第2被塗装体を保持して、第1被塗装体及び第2被塗装体をスプレー塗装ガンにより塗装するようにした。
【0007】
具体的には、請求項1の発明では、複数の被塗装体を同一塗料で同時に塗装する塗装方法を対象とする。そして、塗装域と該塗装域に隣接する塗装不要域とを有するとともに、前記塗装不要域に、取付孔を有する取付フランジが一体形成された第1被塗装体を用意し、前記取付フランジの取付孔に挿入可能な爪部が設けられた第2被塗装体を用意し、前記第2被塗装体の爪部が挿入される一対のスリットが形成された折り畳み可能な板材からなるセット治具を用意し、その後、前記第2被塗装体の爪部を前記セット治具の一方のスリット及び前記取付フランジの取付孔に挿入した状態で、前記セット治具を、前記取付フランジを挟持するように、かつ他方のスリットが前記一方のスリットと一致するように折り畳み、次いで、前記第2被塗装体の爪部を前記セット治具の他方のスリットに挿入して、前記セット治具に他方のスリットで囲まれるように形成された片部で前記爪部を押圧することにより、前記第1被塗装体の取付フランジに、第2被塗装体をその塗装面が第1被塗装体の塗装面と略同じ方向に向くように保するとともに、前記セット治具の端部を前記第1被塗装体に当接させた後、前記第1被塗装体及び第2被塗装体の塗装面に向かってスプレー塗装ガンにより塗料を噴霧塗布する。
【0008】
前記の方法によれば、第1被塗装体の塗装不要域に一体形成された取付フランジに第2被塗装体をセット治具により保持した後、第1被塗装体と第2被塗装体とをスプレー塗装ガンにより同時に塗装できる。すなわち、第2被塗装体は第1被塗装体の塗装不要域に保持されているので、第1被塗装体の塗装状態に影響を及ぼすことなく第2被塗装体を塗装でき、しかも、このとき、第2被塗装体を保持している取付フランジは第1被塗装体の塗装域に隣接しているので、その塗装域を塗装する際に周辺に飛散する塗料を利用して第2被塗装体を同時に塗装できる。このことで、塗料の無駄を抑えることができるとともに、塗装工数を短縮することができる。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記第1被塗装体は車両用のバンパーであり、該バンパーの塗装域には、車体の牽引フックに対応して開口部を形成し、前記第2被塗装体は前記開口部を覆う牽引フックカバーであり、爪部は前記開口部周縁に係合するものとする。
【0010】
このことで、牽引フックカバーを設定した車両のバンパーを塗装する際に、牽引フックカバーをバンパーに保持させて同時に塗装することができる。すなわち、牽引フックカバーは相対的に小さいのでバンパーへ容易に保持させることができ、このことで、塗装作業をより効率的に行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の塗装方法により塗装されるフロントバンパー(第1被塗装体)1を装着した自動車を示すものであり、まず、このフロントバンパー1の構造について説明する。フロントバンパー1は樹脂材料の射出成形品で、全体として、車体前端の左右両側に廻り込むように、車体後側が開放したコ字状をなしており、この自動車の意匠面を構成するフェース部3と、図2に示すように該フェース部3の下端に一体成形された車体への取付部5と有し、フェース部3が塗装の施される塗装域とされる一方、取付部5は塗装不要域とされている。
【0013】
前記フェース部3は、略鉛直に車幅方向に延びる鉛直壁部7と、この鉛直壁部7の下端縁から車体後方へ略水平に延出する水平壁部9とを有している。水平壁部9の車体後端縁には、車幅方向両側に亘って下方へ突出する突条部9aが形成されている。該突条部9aは、突出高さの寸法よりも幅寸法の方が長い矩形状断面を有している。
【0014】
また、前記水平壁部9の車体左端側及び右端側には、それぞれ前記取付部5(車体右側のもののみ図示する)が設けられている。この左右の取付部5は同様に構成されているので、右側のものについて詳しく説明すると、右側取付部5は車体右端部から左側へ向かって並設された3つの取付フランジ13,15,17からなり、そのうちの車体右端に位置する第1取付フランジ13は、水平壁部9の右端から車体内方へ向かって大略矩形に延出しており、その略中央部に車体への締結部材(図示せず)の挿通する取付孔13aが形成されている。該第1取付フランジ13の車体左側には第2取付フランジ15が設けられ、その略中央部に車体への取付孔15aが形成されている。さらに、該第2取付フランジ15の車体左側には、比較的大型な矩形状に形成された第3取付フランジ17が形成されている。該第3取付フランジ17は、前記水平壁部9の突条部9aの下端から該水平壁部9の上端に亘って比較的厚肉に形成され、その左右両端近傍にそれぞれ車体への取付孔17a,17aが形成されている。
【0015】
ところで、この自動車には、図示しないが、フロントバンパー1の車体内方に位置する車体左側のフレーム部材に牽引フックが取り付けられており、これに対応して前記フロントバンパー1の鉛直壁部7には略円形の開口部7aが形成されている。そして、牽引フックを使用するときには、図示しないが、この開口部7aよりロープ等を挿入して牽引フックに連結する一方、使用しないときには開口部7aを牽引フックカバー(第2被塗装体)19により覆うようにしており、従って、この牽引フックカバー19の車体前面は、フェース部3と同色に塗装される。
【0016】
前記牽引フックカバー19は、樹脂材料を射出成形してなり、図3に示すように、大略円盤状の本体部21と、該本体部21の車体後面の周縁部略全周に設けられた周壁部23と、前記フロントバンパー1の開口部7a周縁に係合する一対の爪部25,27とを有している。前記爪部25,27は、この牽引フックカバー19をフロントバンパー1に取り付けた状態で上端部及び下端部となる部位にそれぞれ設けられている。その一対の爪部25,27のうち、上側の爪部25は、本体部21の車体後面から後方へこの後面に対し略垂直に延出する矩形の片部25aと、該片部25aの先端側から上方へ突出する断面三角形状の突起部25bと、片部25aの車幅方向両端縁から下方へ延びる一対の壁部25c,25cとからなる。従って、同図(a)に示すように、牽引フックカバー19の爪部25を車体前後方向に見ると、その断面形状は略コ字状とされている。一方、前記下側の爪部27も上側の爪部25と同様に、片部27aと、該片部27aの先端側から下方へ突出する突起部27bと、片部27aの車幅方向両端縁から上方へ延びる一対の壁部27c,27cとからなる。尚、前記牽引フックカバー19の本体部21の下端部には略コ字状の切欠部29が形成されており、フロントバンパー1からの取り外し時に工具の挿入が可能となっている。
【0017】
次に、前記フロントバンパー1及び牽引フックカバー19の塗装手順について説明する。まず、フロントバンパー1を上下反転させて搬送台車(図示せず)に固定する。その後、牽引フックカバー19をセット治具31によりフロントバンパー1の第2取付フランジ15に固定する。セット治具31は、図4に示すように、樹脂製の薄板を大略矩形に形成してなり、長手方向(図の左右方向)の略中央部には、セット治具31を表裏方向に見て、その長手方向に直交する直線状に形成された薄肉ヒンジ31aが設けられていて、この部分で長手方向一側の部分31f及び他側の部分31gが重なるように折り畳み可能となっている。
【0018】
前記セット治具31の長手方向両端近傍には、それぞれ前記薄肉ヒンジ31aを中心として略対称となるように一対のスリット31b,31cが形成されていて、このセット治具31を薄肉ヒンジ31aにより折り畳むと両スリット31b,31cが略一致する。すなわち、セット治具31の長手方向一側の部分31fのスリット31bは、他側に開放したコ字状に形成され、一方、他側の部分31gのスリット31cは一側に開放したコ字状に形成されており、また、両スリット31b,31cの形状は、前記牽引フックカバー19の爪部25,27における突起部25b,27bよりも基端側のコ字状断面を有する部分が略合致する形状に設定されている。
【0019】
一方、前記フロントバンパー1の第2取付フランジ15について詳しく説明すると、図2に示すようにこの第2取付フランジ15は、大略直角三角形状とされていて、底辺がフロントバンパー1の水平壁部9の車体後縁に連続し、他の2辺はそれぞれ車幅方向及び車体前後方向に延びるように形成されている。該第2取付フランジ15には、その車体左側縁の車体前後方向の中間部から取付孔15aの周縁に連続して薄肉部が形成されている。尚、この第2取付フランジ15の取付孔15aは、前記牽引フックカバー19の爪部25が挿入可能な大きさを有している。
【0020】
前記牽引フックカバー19の保持の手順について図5に基づいて説明すると、まず、同図(a)に示すようにセット治具31を略水平に拡げた状態で、牽引フックカバー19を、その車体上下方向がセット治具31の長手方向となるように、かつ車体前面が上側となるように、該セット治具31の上方に位置付け、その後、牽引フックカバー19の車体上側の爪部25をセット治具31の長手方向一側の部分31fのスリット31bに差し込む。この際、セット治具31のスリット31bに囲まれた矩形の片部31dが爪部25の先端に押圧されて撓み、該爪部25の突起部25bがスリット31bを通過した後、片部31dが元の形状に戻り、ちょうど牽引フックカバー19の爪部25がセット治具31のスリット31bを貫通した状態となり牽引フックカバー19がセット治具31に保持される。
【0021】
しかる後、同図(b)に示すように、前記セット治具31をその長手方向がフロントバンパー1の車幅方向となるように、該フロントバンパー1の第2取付フランジ15の車体下方に位置付け、牽引フックカバー19の車体上側の爪部25を第2取付フランジ15の取付孔15aに挿入する。このとき、爪部25の車体前後方向の寸法は第2取付フランジ15の厚みよりも長く設定されているので、爪部25の突起部25bは第2取付フランジ15の車体上面から突出した状態となる。
【0022】
次いで、前記セット治具31を、その他側の部分31gが一側の部分31fに重なるように折り畳んで、同図(c)に示すように長手方向他側のスリット31cを第2取付フランジ15の車体上方から牽引フックカバー19の車体上側の爪部25に、前記した一側のスリット31bの場合と同様に挿入する。この際、スリット31cに囲まれた片部31eは、爪部25を押圧するように屈曲しており、このことで、爪部25がスリット31cに挿通した状態が保持される。すなわち、セット治具31は、その一側の部分31f及び他側の部分31gによりそれぞれ第2取付フランジ15をその車体下方及び上方から挟持した状態で該第2取付フランジ15に固定され、このとき、図6に示すように、牽引フックカバー19はその塗装面が水平壁部9の塗装面と略同じ方向に向くようにフロントバンパー1に保持される。
【0023】
その後、搬送台車を塗装ブースに搬入する。この際、セット治具31は前記の如く樹脂の薄板からなるので、搬送台車の振動等により牽引フックカバー19の位置がずれてフェース部3の塗装面に重なるようになる虞れがある。このことに対し、この実施形態では、牽引フックカバー19を保持した状態にあるセット治具31の車体前端部が、フロントバンパー1の水平壁部9の突条部9a後側面に当接するように形成されており、このことで、セット治具31はフロントバンパー1に対してしっかりと位置決めがなされ、よって、搬送台車の振動等によって牽引フックカバー19が所定の位置からずれることはない。
【0024】
しかる後、前記フロントバンパー1のフェース部3及び牽引フックカバー19にスプレー塗装ガンにより塗料を噴霧塗布する。この際、前記取付フランジ13,15,17は塗装が不要な部分であるが、車体への組み付け後には目立たない部分なので、マスキングを省略して塗装作業を行う。すなわち、フェース部3に均一な塗膜を形成するためには、その塗装面よりも広い範囲に塗料を噴霧する必要があり、このときの塗料がフェース部3に隣接する取付フランジ13,15,17に付着することとなる。この実施形態では、第2取付フランジ15に牽引フックカバー19を保持しているので、フェース部3の塗装時に第2取付フランジ15に向かって飛散する塗料を利用して、該フェース部3と同時に牽引フックカバー19を塗装できる。また、牽引フックカバー19をフロントパンパー1の開口部7aから取り外した状態で塗装するので、牽引フックカバー19とフロントバンパー1とが塗料によって固着することはなく、見栄えを良好にできる。
【0025】
したがって、この実施形態に係る塗装方法によると、フロントバンパー1のフェース部3と牽引フックカバー19の車体前面とを同一塗料で同時に塗装する場合に、フロントバンパー1の第2取付フランジ15に、牽引フックカバー19をその車体前面がフェース部3の水平壁部9の塗装面と略同じ方向に向くようにセット治具31により保持した後、フェース部3と牽引フックカバー19とをスプレー塗装ガンにより塗装するので、フェース部3の塗装状態に影響を及ぼすことなく牽引フックカバー19を同時に見栄え良く塗装できるとともに、塗料の無駄を抑制でき、このことで、塗装作業を効率良く行うことができる。
【0026】
また、牽引フックカバー19はフロントバンパー1よりも大幅に小さいので、該牽引フックカバー19をセット治具31により容易に保持することができ、このことで、牽引フックカバー19を設定した車両のバンパーの塗装を効率良く行うことができる。
【0027】
尚、前記実施形態では、第2被塗装体を牽引フックカバー19として説明しているが、これに限るものではなく、また、フロントバンパー19は射出成形によるものに限定されず、例えば、真空成形やブロー成形によるものであってもよい。
【0028】
また、前記実施形態では、自動車用のフロントバンパー1の塗装に適用した場合について説明しているが、これに限るものではなく、例えば、インストルメントパネル等の車両の内装材の塗装に適用してもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る塗装方法によると、複数の被塗装体を同一塗料で同時に塗装する場合に、塗装不要域に取付フランジが一体形成された第1被塗装体を用意し、該取付フランジに、第2被塗装体をその塗装面が第1被塗装体の塗装面と略同じ方向に向くようにセット治具により保持した後、第1被塗装体及び第2被塗装体をスプレー塗装ガンにより塗装するようにしたので、第1被塗装体の塗装域を塗装する際に周辺に飛散する塗料を利用して第2被塗装体を同時に塗装でき、このことで、塗装作業を効率良く行うことができる。
【0030】
請求項2記載の発明によると、第1被塗装体は車両用のバンパーであり、第2被塗装体は、牽引フックに対応してバンパーに形成された開口部を覆う牽引フックカバーであるので、牽引フックカバーを設定した車両のバンパーを効率良く塗装することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る塗装方法により塗装されたフロントバンパーを装着した自動車の正面図である。
【図2】フロントバンパーを示し、(a)は車体右側の部分を下方から見た平面図であり、(b)は(a)におけるA−A線断面図である。
【図3】牽引フックカバーを示し、(a)は正面図であり、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。
【図4】セット治具の平面図である。
【図5】牽引フックカバーをセット治具により第2取付フランジに保持する手順を示し、(a)は牽引フックカバーをセット治具に保持した状態を示し、(b)は牽引フックカバーの爪部を第2取付フランジの取付孔に挿入した状態でを示し、(c)は図6におけるC−C線断面図であり、セット治具を折り畳んで牽引フックカバーを完全に保持した状態を示す。
【図6】牽引フックカバーを保持した状態を示す図2(a)相当図である。
【符号の説明】
1 フロントバンパー(第1被塗装体)
3 フェース部(塗装域)
5 取付部(塗装不要域)
7a 開口部
15 第2取付フランジ
19 牽引フックカバー(第2被塗装体)
31 セット治具

Claims (2)

  1. 複数の被塗装体を同一塗料で同時に塗装する塗装方法であって、
    塗装域と該塗装域に隣接する塗装不要域とを有するとともに、前記塗装不要域に、取付孔を有する取付フランジが一体形成された第1被塗装体を用意し、
    前記取付フランジの取付孔に挿入可能な爪部が設けられた第2被塗装体を用意し、
    前記第2被塗装体の爪部が挿入される一対のスリットが形成された折り畳み可能な板材からなるセット治具を用意し、
    その後、前記第2被塗装体の爪部を前記セット治具の一方のスリット及び前記取付フランジの取付孔に挿入した状態で、前記セット治具を、前記取付フランジを挟持するように、かつ他方のスリットが前記一方のスリットと一致するように折り畳み、
    次いで、前記第2被塗装体の爪部を前記セット治具の他方のスリットに挿入して、前記セット治具に他方のスリットで囲まれるように形成された片部で前記爪部を押圧することにより、前記第1被塗装体の取付フランジに、第2被塗装体をその塗装面が第1被塗装体の塗装面と略同じ方向に向くように保するとともに、前記セット治具の端部を前記第1被塗装体に当接させた後、
    前記第1被塗装体及び第2被塗装体の塗装面に向かってスプレー塗装ガンにより塗料を噴霧塗布することを特徴とする塗装方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1被塗装体は車両用のバンパーであり、
    前記バンパーの塗装域には、車体の牽引フックに対応して開口部が形成されており、
    前記第2被塗装体は前記開口部を覆う牽引フックカバーであり、爪部は前記開口部周縁に係合することを特徴とする塗装方法。
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