JP3911716B2 - 炉壁の溶射補修層及び補修方法 - Google Patents

炉壁の溶射補修層及び補修方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工業窯炉内壁の溶射補修層および補修方法に関する。とりわけ、コークス炉内壁に、易被酸化性金属粉と粉状の耐火物を噴射ノズル内で酸素含有ガスと混合して溶融または半溶融状態にし、熱間で溶射して得られる溶射補修層及び補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
工業窯炉、特に鉄鋼設備としての築炉構造物の内壁は、溶鉄、溶鋼、スラグや乾留石炭等の溶融物質を保持しているので、通常1,000℃以上の温度にさらされ、特に注湯、貯留、排出等を行う際には、それら内壁の温度は著しく変化する。従って、それら内壁は、単に溶融物が浸潤して溶損するだけでなく、亀裂や剥離等の損傷が発生する。そこで、種々の損傷要因に対処するため、設計あるいは築炉段階においては適切なれんが材質の選択を図る必要があり、一方では、一炉代の延命を計る上において、稼動期間の中間段階で補修することが重要になっている。
【0003】
この炉壁の補修技術としては、耐火物損傷部に補修材料を熱間で吹き付ける溶射補修方法が盛んに試みられるようになっている。特に、コークス炉においては、炉温を下げることができず、熱間での補修が必須なことから、溶射補修方法が有効である。以下コークス炉の炉壁を例に挙げて説明する。
一般に火炎溶射補修の方法は、可燃性ガス(プロパンガス、アセチレンガス等)と支燃性ガス(通常は酸素ガス)の火炎内に耐火材粉あるいは金属粉と耐火材粉の混合物、いわゆる溶射補修材を供給し、これらの溶射補修材を溶融もしくは半溶融の状態にして炉壁損傷部を補修する。このとき、溶射補修材が融着しやすいように、炉壁の温度は高い方が好ましい。そこで通常は、ライン作業後(コークス炉ではコークスの押し出し後、転炉では出鋼排滓後等)に直ちに補修を開始することによって炉壁の高温を確保することとしている。
【0004】
このようなことから、例えば、特開昭57−166489号公報に示されているように、炉壁温度や損耗状況に応じて火炎だけを照射し、引き続いて吹き付け材を溶射して炉壁を高温に保持しながら溶射補修する方法や、また特公昭58−6875号公報のように、溶射用バーナの前後に予熱及び保熱用のバーナを設置し、炉壁を高温に保持しながら溶射補修する方法や、更に特開昭60−17688号公報のように、テレビカメラでの観察により、炉壁温度に応じて溶射中のフレーム、材料供給量、ノズル移動速度を付着効率・強度が最適となるよう制御しながら溶射補修する技術が知られている。
【0005】
炉壁の溶射補修方法は、例えば特公平2−45110号公報に示されるように、粉末状の耐火物に可燃物質を混合し、支燃性ガスの供給で燃焼火炎を発生させ、その熱により該耐火物を溶融または半溶融状態として、瞬間に内壁の損傷部に吹き付ける乾式方法である。そのため、溶射された耐火物は、使用に際して高品質を保ち、その耐用性は従来の湿式吹き付け法で得たものに比べ、格段に高いという特徴を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
溶射補修層の耐用性は湿式吹き付け法と比較すれば格段に高いが、コスト低減のためには、その耐用性を更に延ばすことが必要とされている。
ところでコークス炉での溶射補修層の耐用性観察を行った結果、ほとんどの溶射補修層は炉壁れんがと溶射補修層の界面より剥離して欠落しており、回収した溶射補修層からは、その界面には炉壁れんがはほとんど付着していないことが分かった。
【0007】
この観察結果をもとにして、本発明は炉壁の溶射補修層の耐用性を向上するため、炉壁れんがと溶射補修層の接着性向上を目的とした溶射補修層及びその方法を提供するものである。
また、窯炉の溶射補修は、前述のように、炉壁を高温に保持しながら溶射することが好ましい。しかしながら、ラインの操業終了後、直ちに溶射補修を施工することは、実際上困難な場合が多い。例えばコークス炉においては、長期操業における炉壁表面へのカーボン付着があり、カーボンが付着した面を補修するにはカーボンを除去してから溶射補修を実施しなければならない。また、特開昭57−166489号公報のように、あらかじめ火炎のみを照射し被着炉壁面を十分高温に保つ場合、転炉のように入口が小さく一度の予熱により容器内の保熱が十分になるような場所では有効ではあるが、コークス炉のように入口が大きく長さのある場所では一度の予熱で十分高温を保持しておくことは不可能である。カーボン除去のような作業を伴うこともあり、炉壁を初期の温度を確保することが困難な場合が多い。
【0008】
一方、溶射用バーナの他に予熱・保熱用バーナを併用する方法及びテレビカメラを用いて炉壁状況を観察しながら溶射補修する技術においては、溶射設備、特に炉内に入るランス及びバーナ部の重装化あるいは複雑化を招くことにより、ことさらに作業を困難化させる問題を有している。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、可燃性ガスおよび支燃性ガスによる火炎内に、燃焼して耐火性酸化物を形成する一種以上の易被酸化性金属の粒子と一種以上の耐火性酸化物粒子とからなる混合耐火材料を溶射材料として炉壁を熱間溶射補修する技術において、炉壁面と溶射補修層の間に溶融固化層を存在させることにより、炉壁への溶射補修層の接着性を向上させた技術である。
【0010】
すなわち、本発明は、窯炉の炉壁面に施された溶射補修層の基体炉壁側3分の1厚さ中の易被酸化性金属粒子酸化物の含有率が、残り3分の2厚さ中の易被酸化性金属粒子酸化物の含有率に対して2.5倍以上であることを特徴とする炉壁の溶射補修層である。
【0011】
上記溶射補修層を得るための第1の方法としては、炉壁面に易被酸化性金属粒子と耐火性酸化物粒子とからなる混合耐火材料を溶射して炉壁面に溶射補修層を形成する炉壁の補修方法において、全溶射補修層厚さのうち基体炉壁側の3分の1以内の厚さの溶射補修層の形成に用いる混合耐火材料中の易被酸化性金属粒子の配合率を、全溶射補修層厚さの表面側3分の2厚さの溶射補修層の形成に用いる混合耐火材料中の易被酸化性金属粒子の配合率の2.5倍以上とすることを特徴とする。但しこの場合に、基体炉壁側の3分の1以内の厚さが2mm未満である時は、これを2mmとする。
【0012】
上記溶射補修層を得るための第2の方法としては、炉壁面に易被酸化性金属粒子と耐火性酸化物粒子とからなる混合耐火材料を溶射して炉壁面に溶射補修層を形成する炉壁の補修方法において、溶射直前の基体炉壁面温度を当該易被酸化性金属粒子の融点以上に加熱することである。
また、上記溶射補修層を得るための第3の方法としては、全溶射補修層厚さのうち基体炉壁側の3分の1以内の厚さの溶射補修層を形成する溶射火炎温度を、残りの溶射補修層を形成する溶射火炎温度よりも200℃以上高温にするとよい。さらに、上記第1の方法と第2の方法の組み合わせ、上記第1の方法と第3の方法の組み合わせ、又は、上記第1、第2、第3の方法の組み合わせのように、これらの手段を組み合わせて、実情に応じて炉壁の補修をすると好適である。
【0020】
本発明において、耐火物粒子については、珪石、アルミナ、ムライト、シャモット系、ジルコン、ジルコニア、スピネル、マグネシア及びマググロ等のうちのいずれかの1種類以上を含むことでよいが、特に珪石を使用した場合に効果を発揮する。珪石以外の上記kの値についてはそれぞれの物質の融点と密度、比熱の関係として求めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、炉壁面の溶射補修層の耐用性がその基体炉壁れんがと溶射補修層の界面に支配されることから、その界面を強固にすることで溶射補修層の接着性すなわち耐用性を向上することができる。基体炉壁と溶射補修層の界面において溶射補修層側の界面近傍を溶融固化層を形成するには、溶射補修開始直後の炉壁れんがの第一層目の溶射補修層が溶融するようにすれば良い。
【0022】
その溶融固化層を形成する方法について以下に詳細に述べる。
(a)炉壁側近傍の溶射補修層を形成する溶射補修材料中の易被酸化性金属粒子の配合率を増加すること。
溶融補修層を十分に溶融する1つの方法として、溶射補修材料中に配合している易被酸化性金属粒子の燃焼熱に注目し、溶射補修層の溶融を充分に図ろうと試み、種々の実験を行った。溶射火炎は可燃性ガスと支燃性ガスの燃焼により生成するので、この溶射火炎に注目して溶射補修層の溶融を充分に図るために、全溶射補修層の厚さの内、基体炉壁側の3分の1以内の溶射補修層の形成に用いる混合耐火材料中の易被酸化性金属粒子の配合率を、溶射補修層の表面側3分の2の厚さの部分に用いる混合耐火物材料中の易被酸化性金属粒子の配合率の2.5倍以上とすればよいことを見出した。
【0023】
ここで全溶射補修層の厚さの内、基体炉壁側3分の1以内の厚さの溶射補修層の形成に用いる混合耐火材料中の易被酸化性金属粒子の配合率を、溶射補修層の表面側3分の2の厚さの補修層に用いる混合耐火物材料中の易被酸化性金属粒子の配合率の2.5倍以上と規定したのは、以下の理由による。
混合耐火材料中の易被酸化性金属粒子の配合率を高くした材料の使用を全溶射補修層の炉壁側3分の1以内としたのは、3分の1より大きくしたのでは、耐火材料全体の溶融が進み過ぎて固化が遅れ、溶射補修層が溶融状態のままとなり、固化した部分を含んで流れ落ちていくこととなり、その結果、溶射補修層表面の平滑性が得られなくなり、炉壁の補修には不適になる。すなわち、表面の凹凸が激しいと、例えばコークス炉では、コークスの押し止まり・押し詰まりが発生してしまうので好ましくない。
【0024】
全溶射補修層の炉壁側3分の1以内の形成において、溶融補修材料中の易被酸化性金属粒子の配合率を増加することにより、易酸化性金属粒子の酸化により大きな燃焼熱が得られ、その熱によって耐火材料はより溶融しやすくなる。この結果、溶射補修層側の炉壁の界面近傍は溶融固化層が形成される。
易被酸化性金属粒子について特に規定しないが、好ましくはその最大粒子径を0.3mm以下にする。このことによって、溶射補修部の密着性・接着性の一層の向上を図ることが可能になる。
【0025】
また、耐火性粒子について特に規定しないが、好ましくはその最大粒子径を0.5mm以下にする。溶射補修部の密着性・接着性の一層の向上を図ることが可能になるからである。
(b)溶融補修直前の基体炉壁温度を溶射材料中に配合する易被酸化性金属の融点より高くすること。
【0026】
溶融固化層を形成する別の方法は、溶融補修直前の基体炉壁温度を溶射材料中に配合する易被酸化性金属の融点より高くすることである。
基体炉壁が低温であると、炉壁れんがへの溶射補修開始直後に溶射材料から炉壁れんがへの吸熱が大きいため、溶射補修層の溶融が不充分になる。そこで溶射補修直前の炉壁温度を高温にする必要があるが、種々の実験を行った結果、炉壁温度を易被酸化性金属粒子の融点以上であれば良いとの結果を得た。
【0027】
例えばコークス炉炉壁の材質がけい石れんがの場合、溶射材料中に配合する易被酸化性金属は金属シリコンになるが、その融点は1400℃である。1400℃以上の基体炉壁れんがに金属シリコンが付着すると金属シリコンが溶融するため液化し、炉壁れんがが濡れる。その濡れた部分に耐火性酸化物粒子のけい石粉が付着する。また、それと同時に金属シリコンが酸化するため金属シリコンから燃焼熱が得られ、その熱によって付着したけい石粉が溶融する。この結果、溶射補修層側の界面近傍が溶融固化する。
【0028】
以上のように、溶射補修直前の炉壁温度を易被酸化性金属粒子の融点以上とすることによって、溶射補修層側の炉壁界面近傍を溶融固化層を形成することができる。なお炉壁材がアルミナ系耐火材である場合に易被酸化性金属粒子としてアルミニウム粒子を使用するには、炉壁温度をアルミニウムの融点の670℃以上とすれば良い。
(c)炉壁側近傍の溶射補修層形成の火炎温度を高めること。
【0029】
全溶射補修層の厚さの内、基体炉壁側3分の1以内の溶射補修層を形成するための溶射火炎温度を、残りの溶射補修層を形成するための火炎温度よりも200℃以上の高温とすれば、強固な溶融固化層を形成することができることを見出した。
ここで全溶射補修層の内炉壁側3分の1以内の溶射補修層を形成するための溶射火炎温度を残りの溶射補修層を形成するための火炎温度よりも200℃以上高温とすると規定したのは、以下の理由による。
【0030】
溶射火炎温度を高温とする溶射補修層を全溶射補修層の炉壁側3分の1以内としたのは、3分の1より大きくしようとすると、耐火材料の溶融が進み過ぎて固化が遅れ、溶射補修層は溶融状態のままとなり、固化した部分を含んで流れ落ちていく。その結果、溶射補修層表面の平滑性が得られなくなり、炉壁の補修には不適になる。すなわち表面の凹凸が激しいと、例えばコークス炉では押し止まり・押し止まりが発生してしまうので不可である。
【0031】
全溶射補修層の炉壁側3分の1以内の形成における溶射火炎温度を残りの溶射補修層の形成における温度よりも200℃以上高くすることにより、易被酸化性粒子の酸化によるより大きな燃焼熱が得られ、その熱によって耐火材料はより溶融しやすくなる。この結果、溶射補修層側の炉壁との界面近傍に良好な溶融固化層が形成される。
(d)炉壁側近傍の溶射補修層形成時のノズル移動速度を低下すること。
【0032】
全溶射補修層厚さのうち、基体炉壁側の3分の1以内の厚さの溶射補修層を形成する、溶射時のノズル移動速度を0.5mm/分以下とすれば、強固な溶融固化層を形成することができることを見出した。
ここで全溶射補修層厚さのうち、基体炉壁側の3分の1以内の厚さの溶射補修層を形成する、溶射時のノズル移動速度を0.5m/分以下とすると規定したのは以下の理由による。
【0033】
ノズル移動速度を低速化する溶射補修層を全溶射補修層の炉壁側3分の1以内としたのは、3分の1より大きくしようとすると、火炎が耐火材料を照射する時間が長くなり耐火材料の溶融が進みすぎて固化が遅れ、溶射補修層は溶融状態のままとなり、固化した部分を含んで流れ落ちていく。その結果、溶射補修層表面の平滑性が得られなくなり、炉壁の補修には不適になる。すなわち表面の凹凸が激しいと、例えばコークス炉では押し止まり、押し詰まりが発生してしまうので不可である。
【0034】
全溶射補修層の炉壁側3分の1以内の形成における溶射時のノズル移動速度を0.5m/分以下とすることにより、火炎が基体炉壁を照射する時間が長くなり基体炉壁の温度が十分に上昇して耐火材料が溶融、固着し易くなる。この結果、溶射補修層側の炉壁と界面近傍に良好な溶融固化層が形成される。ノズル移動速度が0.5mm/分を越えると基体炉壁の温度上昇が不十分となり良好な溶融固化層が形成しにくくなる。
(e)炉壁側近傍の溶射補修層形成時の溶射時の(酸素/プロパン)体積比を高めること。
【0035】
全溶射補修層厚さのうち、基体炉壁側の3分の1以内の厚さの溶射補修層を形成する、溶射時の支燃性ガス/可燃性ガスの体積比、すなわち(酸素/プロパン)体積比を、残りの溶射補修層を形成する(酸素/プロパン)体積比よりも2.5以上高くすれば、強固な溶融固化層を形成することができることを見出した。(酸素/プロパン)体積比とは、単位時間当たりに噴出する酸素ガスとプロパンガスの標準状態換算の容積比率とする。
【0036】
ここで全溶射層補修厚さのうち、基体炉壁側の3分の1以内の厚さの溶射補修層の形成する溶射時の(酸素/プロパン)体積比を残りの溶射補修層を形成する(酸素/プロパン)体積比よりも2.5以上高くすると規定したのは、以下の理由による。
可燃性ガス及び支燃性ガスによる火炎内に、燃焼して耐火性酸化物を形成する一種以上の易被酸化性金属の粒子と一種以上の耐火性酸化物粒子とからなる混合耐火材料を溶射材料として、不活性ガス及び可燃性ガスの混合ガスまたは可燃性ガスと共に支燃性ガス気流中に噴射して、炉壁を熱間で溶射補修する技術において、溶射時の(酸素/プロパン)体積比を高めることは、緻密な溶射補修層を形成できる反面、材料歩留りが低下することになる。これは、(酸素/プロパン)体積比を高めるとは例えば支燃性ガスが酸素の場合酸素量が多くなることであり、溶射材料中の易被酸化性金属粒子の燃焼を促進し、そのときの燃焼熱により炉壁に付着した耐火性酸化物粒子は溶融することになる。一方で、例えば可燃性ガスであるプロパンとは燃焼しない過剰な酸素が存在するため、火炎温度が低下し、火炎中を飛行中には耐火性酸化物粒子は溶融しないことになり、炉壁に付着する耐火性酸化物粒子数は減少してしまう。このため、緻密な溶射補修層を形成できる反面、材料歩留りが低下することになる。以上を考慮して実験を行なった結果、全溶射補修層厚さのうち基体炉壁側の3分の1以内の厚さの溶射補修層を形成する、溶射時の(酸素/プロパン)体積比を、残りの溶射補修層を形成する(酸素/プロパン)体積比よりも2.5以上10.0以下大きくすることによって、材料歩留り低下も低く押えられ、しかも溶射補修層側の炉壁と界面近傍に良好な溶融固化層が形成される。
【0037】
なお、残りの溶射補修層を形成する(支燃性ガス/可燃性ガス)比は、通常の火炎溶射で用いられている体積比でよい。
2.5未満では十分な溶融固化層を得にくく、10.0を越えると支燃性ガス過剰となって火炎の温度低下が起り易い。
(f)上記各手段を組み合わせること。
【0038】
以上の(a)(b)(c)(d)(e)の手段を任意に組み合わせることによって、それらの相乗効果により好ましい溶融固化層を容易に得ることができる。本発明によれば、補修用材料をパルス状態で火炎内に供給することにより、溶射用バーナの前後に予熱及び保熱用のバーナを設置して炉壁を高温に保持しながら溶射補修する方法と同等の健全な溶射補修層が容易に形成できる。
【0039】
溶射補修用バーナに、本溶射補修に要する可燃性ガスと支燃性ガスの供給により形成する火炎で、補修用材料を吹きつける前にあらかじめ火炎で損傷部炉壁を加熱することによって、炉壁の初期の高温を確保することができる。
次いで、溶射補修用バーナに本溶射補修に要する可燃性ガスと支燃性ガスの供給により形成する火炎中に補修用材料を供給すれば、炉壁の初期の高温が確保されているので、補修用材料は溶融もしくは反溶融の状態で炉壁損傷部に付着する。
【0040】
次いで、火炎のみを照射することにより補修部をさらに加熱することで炉壁の高温を維持すると共に補修用材料のうち、未溶融であった材料を溶融して、炉壁界面近傍に健全な溶射補修層好ましくは溶融固化層を形成することができる。
前述の補修方法を炉壁補修部の広範囲に対して繰り返しパルス的に実施することにより、健全な溶射補修層を容易に形成することができる。
本発明のパルス的に溶射補修用材料(混合耐火材料)を供給する方法は、基体炉壁側1/3以内で用いれば十分であり、それ以降は通常の火炎溶射補修方法でもよい。
【0041】
溶融固化層を形成する方法について、以下に詳細に述べる。
全溶射補修層厚さのうち、基体炉壁側3分の1以内の厚さの溶射補修層を形成する、溶射時の耐火物粒子最大粒径Dmax(μm)を混合耐火材料が噴射するノズル先端から基体炉壁までの距離をx(mm)としたときに、(1)式で規定すれば、強固な溶融固化層を形成することができることを見出した。
【0042】
ここで、全溶射補修層厚さのうち、基体炉壁側3分の1以内の厚さの溶射補修層を形成する、溶射時の耐火性酸化物粒子の最大粒径Dmaxを、混合耐火材料が噴射するノズル先端から基体炉壁間での距離をxとしたときに、(1)式で規定したのは、以下の理由による。
発明者等は、種々の実験結果や熱バランスを検討し、耐火材粒子を珪石とした時の粒径D(μm)が、距離をx(mm)、溶射形成時の溶射層生成面の中央部分の火炎温度(℃)に対し、
D≦4.5×10-4(Tf−1650)×x
までに耐火材料が溶融することを見出した。つまりこのDを最大粒径とする耐火物粒子であれば、距離xまでに全ての耐火物粒子は溶融することになり、この距離xを混合耐火材料の噴射先端から基体炉壁間での距離とすれば、火炎内で全ての耐火物粒子は溶融し、基体炉壁に溶融した耐火材料が到着する。この結果、溶射補修層側の炉壁と界面近傍に良好な溶融固化層が形成される。
【0043】
上記知見について、同様に耐火物粒子であるアルミナ、マグネシアについても検討したところ、その最大粒径Dmaxがx、Tf、Tmに対し、
Dmax=k×(Tf−Tm)×x
であれば火炎内で全ての耐火物粒子は溶融し、基体炉壁に溶融した耐火材料が到着することにより、溶射補修層側の炉壁と界面近傍に良好な溶融固化層が形成されることがわかった。ここで、係数kは、耐火物粒子の融点T(K)と密度ρ(g/cm3 )、比熱C(J/g・K)に依存し、k=f(T,ρ、C)で表わされる。また、Tmは耐火物粒子の融点T(℃)である。
【0044】
具合的なkの値として例えば珪石のようなSiO2 耐火物の場合4.5×10-4アルミ系耐火物の場合7.0×10-4である。
全溶射補修層の炉壁側3分の1以内の形成における溶射時の耐火性酸化物粒子の最大粒径Dmaxを、混合耐火材料の噴射先端から基体炉壁までの距離をxとしたときに、(1)式で規定することにより、火炎内で耐火物粒子が完全に溶融し、基体炉壁に溶融した耐火材料が到着する。この結果、溶射補修層側の炉壁と界面近傍に良好な溶融固化層が形成される。
【0045】
【実施例】
(実施例−1)
けい石質の耐火性粉体(平均粒径150μm)と、金属シリコン粉(平均粒径82μm)とを重量比率を変えて混合した溶射補修材料を用いて、雰囲気温度を750℃に設定した実験炉内に設置したけい石質の基体れんがに火炎溶射して溶射補修層を形成させ、基体れんがと溶射補修層との接着状況を調査した。溶射補修層の模式図を図1に示した。基体れんが1の表面に溶射補修層2,3を形成した。図1において、基体れんが1に近接する溶射補修層2と、溶射補修層の表面側の溶射補修層3の厚さをそれぞれb,cとし、これをB層,C層とし、その溶射条件を種々変更して試験を行った。全厚さをaとした。基体れんが1は溶射直前に火炎のみ当ててその表面温度を上昇させた。
【0046】
溶射条件を表1に示した。またこれらの溶射条件ならびに基体れんが1の表面温度と溶射補修層の接着状況を表2にまとめて示した。溶射補修層の接着状況は、実体顕微鏡による観察により評価した。
表2中のNo.1〜3のごとく全溶射補修層のうち基体れんが側2mm以上、3分の1以内の溶射補修層の形成に際して使用する混合耐火材料中の金属シリコン粒子の配合率が、残り3分の2の溶射補修層の形成に際して使用する混合耐火材料中の金属シリコン粒子の配合率に対して、2.5倍以上とすることにより、また、No.7のごとく溶射直前の基体れんが表面温度を金属シリコンの融点である1400℃以上に加熱することにより、また、No.9,10のごとく全溶射補修層のうち基体れんが側2mm以上、3分の1以内の溶射補修層を形成するための溶射火炎温度が、溶射補修層を形成するための溶射火炎温度よりも200℃以上高温とすることで、いずれも接着性の優れた溶射補修層を得ることができた。さらにまた、上記方法を組合わせることによって、No.13〜16のごとく溶射補修層の接着性は一層良好となった。
【0047】
表2から明らかなように、本発明を用いることにより、基体れんがとの接着性が優れ、かつ表面が滑らかな溶射補修層が得られた。基体れんがに接する溶射補修層はいずれもいったん溶融後固化した溶融固化層となっていた。
【0048】
【表1】
Figure 0003911716
【0049】
【表2】
Figure 0003911716
【0050】
(実施例−2)
あらかじめ実験炉内に設置した、表面温度約600℃の基体れんが(珪石質れんが)に、可燃性ガスとしてプロパンガスを12.5Nm3 /hとし、支燃性ガスとして酸素ガスを125Nm3 /hとして火炎を形成させ、珪石粉(平均粒径165μm)と金属シリコン粉(平均粒径82μm)を85:15の配合率で混合した補修用材料を使用して、溶射速度70kg/hにより溶射補修実験を実施した。また、評価項目として、溶射補修層の気孔率、残留金属率、材料歩留りを測定した。
【0051】
表3に実施例とその比較例を示す。実施例では、補修用材料をパルス状態で供給することにより溶射補修層の気孔率が低く、溶射補修層内の残留金属もなく十分金属が燃焼しており、しかも材料歩留りも高いことがわかり、しかも材料供給時間よりも予熱・保熱時間の方が大きいとより健全な溶射層が形成されることになり、補修用材料をパルス状態で火炎内に供給することの効果が確認できた。
【0052】
【表3】
Figure 0003911716
【0053】
(実施例−3)
珪石質の耐火性粉体(平均粒径165μm)と金属シリコン粉(平均粒径105μm)とを重量比を変えて混合した溶射補修材料を用いて、雰囲気温度を750℃に設定した実験炉内に設置した珪石質の基体れんがに火炎溶射して溶射層を形成させ、基体れんがと溶射補修層との接着状況を調査した。溶射補修層の模式図を図1に示した。基体れんが1の表面に溶射補修層2、3を形成した。図1において、基体れんが1に近接する溶射補修層2と、溶射補修層の表面側の溶射補修層3の厚みをそれぞれb、cとし、これらをB層、C層とし、その溶射条件を種々変更して試験を行った。また全厚さをaとした。
【0054】
溶射条件を表5に示した。またこれらの溶射条件と溶射保守層の接着状況を表5にまとめて示した。溶射補修層の接着状況は、実体顕微鏡による観察により評価した 。
表2中のNo.1、2のごとく全溶射層のうち基体れんが側2mm以上、3分の1以内の溶射補修層の形成に際して、全溶射補修厚さのうち、基体炉壁側の3分の1以内の厚さの溶射補修層の形成する溶射時のランス移動速度を0.5m/分以下とすることにより、また、No.6、7のごとく全溶射補修厚さのうち基体炉壁側2mm以上、3分の1以内の厚さの溶射補修層の形成する溶射時の(酸素/プロパン)体積比を残りの溶射補修層を形成する(酸素/プロパン)体積比よりも2.5以上高くすることで、いずれも接着性の優れた溶射補修層を得ることができた。更にまた、上記方法を組み合わせることによって、No.10のごとく溶射補修層の接着性は一層良好となった。
【0055】
表5から明らかなように、本発明を用いることにより、基体れんがとの接着性が優れかつ表面が滑らかな溶射補修層が得られた。基体れんがに接する溶射補修層はいずれも一旦溶融後固化した溶融固化層となっていた。
【0056】
【表4】
Figure 0003911716
【0057】
【表5】
Figure 0003911716
【0058】
(実施例−4)
珪石質粉体と金属シリコン質粉体(平均粒径105μm)とを重量比を変えて混合した溶射補修材料を用いて、雰囲気温度を750℃に設定した実験炉内に設置した珪石質の基体れんがに火炎溶射して溶射層を形成させ、基体れんがと溶射補修層との接着状況を調査した。溶射補修層の模式図を図1に示した。基体れんが1の表面に溶射補修層2、3を形成した。図1において、基体れんが1に近接する溶射補修層2と、溶射補修層の表面側の溶射補修層3の厚みをそれぞれb、cとし、これらをB層、C層とし、その溶射条件を種々変更して試験を行った。また全厚さをaとした。また、基体れんがをアルミナ質とした場合の試験も行った。
【0059】
溶射条件を表6に示した。またこれらの溶射条件と溶射補修層の接着状況を表7にまとめて示した。溶射補修層の接着状況は、実体顕微鏡による観察により評価した。
表7中のNo.1、2及び6のごとく全溶射層のうち、基体れんが側2mm以上、3分の1以内の溶射補修層の形成に際して、全溶射補修厚さのうち、基体炉壁側の3分の1以内の厚さの溶射補修層の形成する溶射時の耐火性酸化物粒子の最大粒径Dmax(μm)を、混合耐火材料の噴射先端から基体炉壁までの距離をx(mm)としたときに、Dmax=k×(Tf−Tm)×xの関係を満足することにより、接着性の優れた溶射補修層を得ることができた。
【0060】
表7から明らかなように、本発明を用いることにより、基体れんがとの接着性が優れ、かつ表面が滑らかな溶射補修層が得られた。基体れんがに接する溶射補修層はいずれも一旦溶融後固化した溶融固化層となっていた。
【0061】
【表6】
Figure 0003911716
【0062】
【表7】
Figure 0003911716
【0063】
【発明の効果】
本発明に係る溶射補修層およびその方法を炉壁の熱間溶射補修に採用することにより、炉壁と溶射補修層の界面で溶射補修層側の界面近傍を溶融固化することができ、溶射補修層の耐用性向上が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶射補修層を示す模式図である。
【符号の説明】
1 基体れんが
2 溶融固化層(溶射補修層)
3 溶射補修層

Claims (4)

  1. 窯炉の炉壁面に施された溶射補修層の基体炉壁側3分の1厚さ中の易被酸化性金属粒子酸化物の含有率が、残り3分の2厚さ中の易被酸化性金属粒子酸化物の含有率に対して2.5倍以上であることを特徴とする炉壁の溶射補修層。
  2. 窯炉の炉壁面に易被酸化性金属粒子と耐火性酸化物粒子とからなる混合耐火材料を溶射して炉壁面に溶射補修層を形成する炉壁の補修方法において、全溶射補修層厚さのうち基体炉壁側の3分の1以内の厚さの溶射補修層の形成に用いる混合耐火材料中の易被酸化性金属粒子の配合率を、全溶射補修層厚さの表面側3分の2厚さの溶射補修層の形成に用いる混合耐火材料中の易被酸化性金属粒子の配合率の2.5倍以上とすることを特徴とする炉壁の補修方法。
  3. さらに、溶射直前の炉壁面温度を当該易被酸化性金属粒子の融点以上に加熱することを特徴とする請求項2記載の炉壁の補修方法。
  4. さらに、全溶射補修層厚さのうち基体炉壁側3分の1以内の厚さの溶射補修層を形成する溶射火炎温度を、残りの溶射補修層を形成する溶射火炎温度よりも200℃以上高温にすることを特徴とする請求項2記載の炉壁の補修方法。
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