JP2002069524A - 転炉耐火物の熱間補修方法 - Google Patents
転炉耐火物の熱間補修方法Info
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Abstract
用性に優れたスラグコーティング層を形成する方法を提
供する。 【解決手段】 転炉の内張り耐火物をスラグコーティン
グにより補修するにあたり、前記転炉内の残留せしめた
溶融スラグに骨材としてかさ密度4(kg/m3)以上
の物質を投入したのち、鎮静、保持する。
Description
補修方法に関し、とくにスラグコーティングにより炉内
耐火物の補修を行う方法に関するものである。
し、炉寿命延長を図る目的でいくつかの補修方法が採用
されており、これらのうち吹き付け補修は、乾燥した吹
付材を圧搾空気で搬送し、ノズル部で水分を供給・混合
する乾式吹付と、予め吹付材と水分を混合してそれを圧
搾空気で搬送する湿式吹付に大別されるが、いずれも水
分と混合されたスラリ−を損傷部に吹き付けて補修する
ものである。焼付け補修は骨材のマグネシアやドロマイ
トにフェノールレジンやピッチを加えたものであり、手
なげあるいは、スクラップシュートなどで炉内に装入さ
れ炉内の熱で軟化、流動、固化する。また溶射補修はプ
ロパン、灯油などの燃料と酸素で形成された燃焼火炎中
に、耐火物粉体を供給、溶融させ、炉内損傷部に吹付け
るもので、吹付けた施工体は緻密で高強度となり、高い
耐用が得られる。しかしながら吹付補修方法は通常溶媒
として水を用いるため、熱間で使用した場合に水の急激
な蒸発に伴う蒸気圧の影響により、吹付材料と耐火物と
の接着強度の劣化、組織の劣化を生じさせる欠点があ
る。また焼付け補修法は結合剤としてピッチ、タール等
の有機結合剤を用いるので、水を用いないから前記の欠
点は緩和されるが、有機結合剤に含まれる揮発分の加熱
による分解ガスの発生のため、組織が不良となり耐用性
が低下する欠点を有する。一方溶射補修は耐用性がそれ
なりにあるが、施工に時間を要し、費用も掛かる欠点を
有する。
物の熱間補修方法として、出鋼後に溶融スラグを炉内に
残した状態で炉を前後に傾動するか、またはスラグに外
力を付加してスラグを炉壁に吹付け付着させるスラグコ
ーティング法が広く使われるようになってきた。このス
ラグコーティング法は炉内耐火物表面に付着凝固したス
ラグ層により、耐火物を補修、保護するものであるが、
形成されたスラグ層は吹錬中の溶鋼よりも融点が低いた
め再溶融されやすく耐用度が非常に小さいという欠点を
有している。
昭61―59364号公報に提案の技術がある。出鋼後
のスラグを転炉内に残留させてスラグコーティング層を
形成して炉内耐火物を熱間補修する方法において、前記
転炉内に残留せしめた溶融スラグに対し、100〜20
0mmの大きさの塊状塩基性耐火物を5〜20重量%投
入したのち、鎮静・保持することにより、スラグコーテ
ィング層の耐用性を向上させることが知られている。
りに有用であるが、骨材を耐火物に限定しているため密
度は溶媒であるスラグとほぼ同程度(3程度)であっ
た。このため投入する骨材の量は溶媒(残留スラグ)量
に応じて一定の範囲内に制御する必要があり、また、適
度な形状が必要とされた。そして投入後骨材が溶媒スラ
グ中を沈降して耐火物表面に定着するためには、両者の
密度差が小さいが故に、補修部位を水平状態にして補修
することを要し、しかも15分以上の鎮静・保持時間を
要することから、転炉の生産性の低下を招く問題も含ん
でいた。さらにコーティング層を形成する溶媒であるス
ラグ組成には制約を設けていないので、このためスラグ
組成のバラツキにより補修効果が予測しがたいという問
題点があった。
なしたものであって、その目的は、転炉耐火物の熱間補
修法に係わり、とくに耐用性に優れたスラグコーティン
グ層を形成する方法を提供するものである。
火物の耐用性を向上させるためには被保護物である耐火
物近傍でのスラグコーティングの接着状態が重要である
との認識から、かさ密度4(kg/m3)以上の物質を
骨材として用いることにより、さらには溶媒であるスラ
グ中の(T.Fe)濃度を10〜18重量%の範囲に調
節することにより、保護すべき耐火物面近傍で強固なス
ラグコーティング層が得られることによる熱間補修法を
可能としたものである。この際骨材としては鉄を含む金
属が好ましいが、無機化合物、耐火物なども使用でき
る。
火物をスラグコーティングにより補修するにあたり、前
記転炉内の残留せしめた溶融スラグに骨材としてかさ密
度4(kg/m3)以上の物質を投入したのち、鎮静、
保持することを特徴とする転炉耐火物の補修方法であ
る。転炉内に残留せしめたスラグコーティングの母材と
なる溶融スラグの密度は3〜4(kg/m3)程度であ
る。骨材としてかさ密度4(kg/m3)以上の物質を
溶融スラグ中に投入すると骨材のかさ密度と溶融スラグ
の密度差により埋没して耐火物表面近傍に確実に着地す
る。この作用は密度差が大きい程大きい。その結果骨材
群の間隙を溶融スラグが埋め、そして溶融スラグは骨材
により冷却されて固化し、適切な骨材,スラグ比率をも
った強固なスラグコーティング層が得られる。
e)濃度を10〜18重量%の範囲内に調節した請求項
1記載の転炉耐火物の補修方法である。スラグ中の
(T.Fe)濃度は融点などのスラグ性状や流動性と密
接な関係があり、またコーティング層としての耐用性に
も影響する。(T.Fe)濃度が低い場合には、全体と
して液相比率が低いためスラグが滓化し難いから、流動
性に乏しくスラグコーティングし難いため不適当であ
る。一方(T.Fe)濃度が高い場合には、過度の滓化
状態であり流動性は大きいから、骨材も容易に埋没し、
骨材群の間隙にスラグがバインダーとして浸透しやす
い。しかし、(T.Fe)濃度の高いスラグは融点が低
いのでコーティング層は付着するものの転炉吹錬時溶鋼
流の侵食に対し耐用性が著しく低くなる。以上からスラ
グコーティングに適したスラグ中(T.Fe)濃度は1
0〜18重量%が適切である。
材を投入する請求項1または2記載の転炉耐火物の補修
方法であって、投入された骨材群は溶融スラグ中に埋没
して耐火物面近傍に位置し、溶融スラグが間隙を埋めバ
インダーとして固化してスラグコーティング層を形成す
る。この際、過度に大きな骨材を用いると、固化したス
ラグ中での亀裂発生の起点となり、コーティング層の耐
用性が低下する。テストの結果、500mmを超える骨
材を投入すると亀裂発生の確率が高くなり、耐用性の低
下が確認された。
の鉄鋼材を投入する請求項1または2または3記載の転
炉耐火物の補修方法であって、骨材として用いられる鉄
鋼材のかさ密度(空隙が殆ど無いから密度と同じ数値を
もつ)は6.9〜7.85(kg/m3)で溶融スラグ
の密度よりはるかに大きいから、スラグ中に投入される
と速やかに埋没して確実に耐火物面近傍に定着し、骨材
群の充填を緻密にする。また鉄鋼材は密度が大きく、か
つ熱伝導度が高いから冷却能が大きく、埋没されると直
ちに周りの溶融スラグを冷却、固化して、骨材とスラグ
が強固に結合したスラグコーティング層が形成されるの
で、耐用性が増加する。
う。転炉で吹錬終了後、出鋼する。かさ密度4(kg/
m3)以上の骨材をスクラップシュートに用意するが、
鉄鋼材の時は粒度100〜500mmの範囲で補修部位
の溶融スラグに対し10〜100容積%、また耐火物で
あるクロム質やジルコニア質の場合で粒度100〜30
0mmの範囲で補修部位の溶融スラグに対し20〜10
0容積%が適当である。骨材の形状は溶融スラグ中への
埋没するし易さから塊状が望ましい。この場合の粒度は
最大の一辺の長さをいう。なお、骨材の粒度の下限値は
溶融スラグ中への骨材の埋没が充分であること及び吹錬
中の溶鋼の流れによって洗い流されない観点から決めら
れる。
(T.Fe)濃度は融点、流動性、耐用性の点で10〜
18重量%が望ましく、この(T.Fe)濃度の調整は
スラグコーティングを実施する前のチャージの残留スラ
グに対して行うだけで良いものであり、転炉操業で調節
可能である。
の耐火物の補修部位にスラグコーティング用の溶融スラ
グを保持して、その補修部位を目標とし、シュートから
均一に骨材が分布するように行う。または局部的に補修
する場合は骨材をシュートから局部に投入することも可
能である。骨材のかさ密度が4(kg/m3)以上であ
るので、骨材は補修部位の溶融スラグ中に速やかに埋没
して耐火物表面に定着し、しかも骨材同士が強固に絡み
合うとともに骨材間の間隙も大きくなることがない。そ
して適切な流動性と耐用性を持った溶融スラグが間隙に
十分浸透して埋めると同時に骨材により冷却、固化する
ため強力なバインダーとして機能する。そして、骨材、
スラグの容積比率も適切な範囲に維持できることと相ま
って、転炉耐火物面と良好に接着した耐用性の高いスラ
グコーティング層を形成して熱間補修することが可能と
なる。この場合、骨材投入後に良好なスラグコーティン
グ層を得るために、若干の鎮静、保持時間すなわち5−
10分間とることが好ましい。通常転炉での耐火物の補
修部位は装入側、出鋼側の炉壁と炉底であるが、炉壁面
は円弧状であるので補修部位にスラグコーティング用の
溶融スラグを保持したとき、部分的に深いスラグのプー
ルが出来るし、炉底の場合も同様なプールが出来る。骨
材がとくに鉄鋼材の場合にはかさ密度が大きいこと、冷
却能が大きいことで、この深いスラグプールでも、従来
法に比しスラグコーティング層を容易に形成させること
が出来る特長がある。
温度1600℃前後の吹錬を行う240t転炉を用いて
スラグコーティング層の耐用性テストを実施した。骨材
はかさ密度に応じて、不定形耐火物屑( かさ密度
2)、MgO−Cれんが(かさ密度3)、Cr2O3質れ
んが(かさ密度4)、銑鉄(かさ密度7)を用いた。溶
融スラグは(T.Fe)濃度9〜20重量%の範囲内に
調整したものをスラグコーティング用に供した。耐用性
は耐用したヒート数で表し、残存面積が50%に減少し
たら耐用限界に達したと判断した。転炉耐火物の熱間補
修を行うに際し、同転炉出鋼後溶融スラグ約20tに
し、次いで同上補修部に溶融スラグを置いて骨材が投入
できるように炉を傾動調節して後、骨材を投入して、そ
のままの状態で10分保持、鎮静して補修を完成させ
た。
1に示す。これに依れば骨材のかさ密度4(kg/m
3)以上で耐用性の効果が認められ、しかも溶融スラグ
中の(T.Fe)濃度が10〜18重量%の範囲であれ
ば、さらに耐用性が向上し25ヒート前後の実績が得ら
れた。
項1によれば、転炉の内張り耐火物のスラグコーティン
グにおいて骨材が転炉耐火物の表面に定着し、適切な骨
材、スラグ比率をもった強固なスラグコーティング層が
得られる耐用性に優れた熱間補修方法である。請求項2
によれば流動性に優れた溶融スラグであって、固化した
場合には耐用性の良いスラグとなり、スラグコーティン
グ層の耐用性をさらに向上する効果がある。請求項3に
よれば冷却しても亀裂発生のほとんどないスラグコーテ
ィング層を得る熱間補修方法である。請求項4によれば
骨材として緻密であり、かさ密度が大きいから、しか
も、冷却能にも優れているので、補修部位が溶融スラグ
の深いプールであっても、耐用性の高いスラグコーティ
ング層が得られ、熱間補修の効果に大いに寄与する。
耐用性に係わるグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 転炉の内張り耐火物をスラグコーティン
グにより補修するにあたり、前記転炉内の残留せしめた
溶融スラグに骨材としてかさ密度4(kg/m3)以上
の物質を投入したのち、鎮静、保持することを特徴とす
る転炉耐火物の熱間補修方法。 - 【請求項2】 前記溶融スラグがその(T.Fe)濃度
を10〜18重量%の範囲内に調節した請求項1記載の
転炉耐火物の熱間補修方法。 - 【請求項3】 前記骨材として粒度500mm以下の骨
材を投入する請求項1または2記載の転炉耐火物の熱間
補修方法。 - 【請求項4】 前記骨材として銑鉄、鋼などの鉄鋼材を
投入する請求項1または2または3記載の転炉耐火物の
熱間補修方法。
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JP2000270374A JP3718624B2 (ja) | 2000-09-06 | 2000-09-06 | 転炉耐火物の熱間補修方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104673966A (zh) * | 2015-01-22 | 2015-06-03 | 河北钢铁股份有限公司承德分公司 | 转炉炉衬的快速维护方法 |
CN115044733A (zh) * | 2022-07-13 | 2022-09-13 | 重庆钢铁股份有限公司 | 一种修补转炉炉帽缺口的方法 |
-
2000
- 2000-09-06 JP JP2000270374A patent/JP3718624B2/ja not_active Expired - Lifetime
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