JP2737439B2 - 窯炉内面のコーティング材料と方法 - Google Patents
窯炉内面のコーティング材料と方法Info
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- JP2737439B2 JP2737439B2 JP3100896A JP10089691A JP2737439B2 JP 2737439 B2 JP2737439 B2 JP 2737439B2 JP 3100896 A JP3100896 A JP 3100896A JP 10089691 A JP10089691 A JP 10089691A JP 2737439 B2 JP2737439 B2 JP 2737439B2
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- Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、窯炉内面のコーティング材料と
方法、特に鉄鋼製造プロセス等において使用する窯炉の
内張のコーティング材料と方法に関するもので、内張耐
火物を補強し、溶鋼清浄度の維持向上に寄与する施工技
術に関する。
方法、特に鉄鋼製造プロセス等において使用する窯炉の
内張のコーティング材料と方法に関するもので、内張耐
火物を補強し、溶鋼清浄度の維持向上に寄与する施工技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、鉄鋼製造プロセスでは連続鋳造の
急速な普及や鋼の高級化の要求が高まり、鋳込工程での
取鍋やタンディッシュなど窯炉の使用条件が変化し、内
張りの高性能化が進んできた。例えば、取鍋においては
一部精錬工程を受け持つ等使用条件が変化し、不焼成高
純度アルミナ質またはMgO-Cレンガの部分張り等多くの
改良がみられるようになった。また、タンディッシュに
おいては連々指数の増大による材質の塩基性化と共に、
堰や介在物吸着フィルターを設置する等、炉材、形態面
での改善も盛んとなっている。
急速な普及や鋼の高級化の要求が高まり、鋳込工程での
取鍋やタンディッシュなど窯炉の使用条件が変化し、内
張りの高性能化が進んできた。例えば、取鍋においては
一部精錬工程を受け持つ等使用条件が変化し、不焼成高
純度アルミナ質またはMgO-Cレンガの部分張り等多くの
改良がみられるようになった。また、タンディッシュに
おいては連々指数の増大による材質の塩基性化と共に、
堰や介在物吸着フィルターを設置する等、炉材、形態面
での改善も盛んとなっている。
【0003】また、省力化の観点からは耐火物の不定形
化や施工の機械化が進み、高アルミナ質や塩基性質の不
定形化が実施されるようになってきた。しかし、一般に
不定形耐火物や不焼成レンガでは焼成された定形レンガ
と異なり組織の結合状態は有機系もしくは無機系バイン
ダーの結合強度に初期強度が依存するため脆弱であり、
焼結した結合状態に達するまでは、熱的あるいは機械的
衝撃に弱く、剥離が生じ易い。このような剥離は鋼の清
浄度を維持向上させる上で好ましくない。
化や施工の機械化が進み、高アルミナ質や塩基性質の不
定形化が実施されるようになってきた。しかし、一般に
不定形耐火物や不焼成レンガでは焼成された定形レンガ
と異なり組織の結合状態は有機系もしくは無機系バイン
ダーの結合強度に初期強度が依存するため脆弱であり、
焼結した結合状態に達するまでは、熱的あるいは機械的
衝撃に弱く、剥離が生じ易い。このような剥離は鋼の清
浄度を維持向上させる上で好ましくない。
【0004】一方、溶鋼取鍋では、溶損バランスを得る
ために、スラグライン部や炉床部で含炭素型耐火物を使
用するが、そのような場合には極低炭素鋼の溶製に際し
ては炭素ピックアップの懸念が大きく好ましくない。こ
のため、溶製鋼種別に内張内容をかえた取鍋を準備する
場合が多く、製鋼工場内に保有する鍋基数を増やす結果
となり、製鋼工程での内張炉材コストを引き上げるばか
りでなく、作業上も取鍋の振り当て作業を煩雑な状況に
至らしめている。
ために、スラグライン部や炉床部で含炭素型耐火物を使
用するが、そのような場合には極低炭素鋼の溶製に際し
ては炭素ピックアップの懸念が大きく好ましくない。こ
のため、溶製鋼種別に内張内容をかえた取鍋を準備する
場合が多く、製鋼工場内に保有する鍋基数を増やす結果
となり、製鋼工程での内張炉材コストを引き上げるばか
りでなく、作業上も取鍋の振り当て作業を煩雑な状況に
至らしめている。
【0005】そこで、本発明者等は溶射によるコーティ
ングに着目した。鉄鋼プロセスでの溶射の活用は、製鋼
炉では転炉等での湿式吹付法の代替技術として進歩して
きた。この溶射方法は主に次のように区分できる。コ
ークス粉等の固形燃料、LPG 、灯油等の気体あるいは液
体燃料を熱源とする火炎法、プラズマ炎を用いる法
(プラズマ法) 、金属粉のテルミット反応熱を利用す
る方法 (テルミット法)の三つである。
ングに着目した。鉄鋼プロセスでの溶射の活用は、製鋼
炉では転炉等での湿式吹付法の代替技術として進歩して
きた。この溶射方法は主に次のように区分できる。コ
ークス粉等の固形燃料、LPG 、灯油等の気体あるいは液
体燃料を熱源とする火炎法、プラズマ炎を用いる法
(プラズマ法) 、金属粉のテルミット反応熱を利用す
る方法 (テルミット法)の三つである。
【0006】これらの溶射方式は、従来の湿式方法に比
べ壁面を過冷却しないため、接着強度が優れ、耐用性が
高まると考えられている。しかし、燃料燃焼方式をとる
火炎法では火炎温度を高くすることが困難なため、2000
℃を越える融点の高い耐火物原料を使用することができ
ず、溶射皮膜の耐久性は劣る。プラズマ炎によるプラズ
マ法では容易に一万度を越える熱源が得られるものの、
熱源等付帯設備が膨大で汎用性に欠ける面を有する。一
方、従来のテルミット反応熱を利用するテルミット法で
は、Siを多用するため、生成するSiO2はフリーの状態で
多量に生成するので鋼質清浄化に悪影響を及ぼす。
べ壁面を過冷却しないため、接着強度が優れ、耐用性が
高まると考えられている。しかし、燃料燃焼方式をとる
火炎法では火炎温度を高くすることが困難なため、2000
℃を越える融点の高い耐火物原料を使用することができ
ず、溶射皮膜の耐久性は劣る。プラズマ炎によるプラズ
マ法では容易に一万度を越える熱源が得られるものの、
熱源等付帯設備が膨大で汎用性に欠ける面を有する。一
方、従来のテルミット反応熱を利用するテルミット法で
は、Siを多用するため、生成するSiO2はフリーの状態で
多量に生成するので鋼質清浄化に悪影響を及ぼす。
【0007】このような観点から、特開昭58−55384
号、特開昭58−85090 号等においては、水プラズマ溶射
法が検討されている。また、特公昭49−46364 号公報で
はテルミット法が検討されている。しかしこれらの従来
技術は種々の可能性を示唆するのみで、最近の不定形化
が先行した取鍋やタンディッシュに対する具体的な適用
方法については全く記載がなく、示唆するところもな
い。特に、特公昭49−46364 号公報の開示する方法は施
工対象がSiO2質ライニングであって、塩基性、特にCaO
質ライニングに対してはそのような溶射法はむしろ有害
で、前述のような今日的問題に何ら解決手段を示唆する
ものではない。
号、特開昭58−85090 号等においては、水プラズマ溶射
法が検討されている。また、特公昭49−46364 号公報で
はテルミット法が検討されている。しかしこれらの従来
技術は種々の可能性を示唆するのみで、最近の不定形化
が先行した取鍋やタンディッシュに対する具体的な適用
方法については全く記載がなく、示唆するところもな
い。特に、特公昭49−46364 号公報の開示する方法は施
工対象がSiO2質ライニングであって、塩基性、特にCaO
質ライニングに対してはそのような溶射法はむしろ有害
で、前述のような今日的問題に何ら解決手段を示唆する
ものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように鋳込工程に
おける窯炉の内張り、特に不定形施工した内壁面に高融
点で耐火性に優れたコーティングを施すことは、溶鋼に
接したときの耐食性、溶鋼の清浄度の向上に有効である
が、未だ適切な方法が確立していないのが現状である。
すなわち、従来の例えば取鍋における不定形内張り施工
やコーティング方法における問題をまとめると次のよう
である。
おける窯炉の内張り、特に不定形施工した内壁面に高融
点で耐火性に優れたコーティングを施すことは、溶鋼に
接したときの耐食性、溶鋼の清浄度の向上に有効である
が、未だ適切な方法が確立していないのが現状である。
すなわち、従来の例えば取鍋における不定形内張り施工
やコーティング方法における問題をまとめると次のよう
である。
【0009】同一工場内で小量多品種製造に対して溶
製鋼種別に内張内容を変えた取鍋を準備する必要があ
り、製鋼コスト、作業上きわめて効率が悪い状況に至ら
しめられる。不定形内張りに湿式の吹付を行う方法で
は、受鋼時の剥離は防止できず、またその効果は一過性
である。従来の転炉等での火炎法による溶射補修法の
場合、材料融点は2000℃未満で、耐火性が低く、多量に
フリーのSiO2を含むため耐食性が劣る。一般に鋼質の
清浄度を保持する材質としてAl203-SiO2系より塩基性系
が良好であるが、融点が2800℃であるMgO を効率よくコ
ーティングさせる方法がない。溶射熱源としてAl、S
i、Mg、Caおよびそれらの合金粉を考えた場合、平均粒
径10μm 程度の微粉は粉塵爆発が生じ易く、材料の製造
から使用に至る全作業工程で防爆に対して多大の施策を
要し、実施が困難である。MgO-CaO 系あるいはMgO-Cr
203 系炉材を内張したいわゆる塩基性取鍋は、材質の熱
特性からきわめて熱放散の著しいもので、炉材は耐食性
にすぐれているものの、熱的、構造的スポーリングで剥
離し易く、場所によっては地金付きを生じ、通常の溶鋼
取鍋の1/3 未満の耐用寿命しか得られない。
製鋼種別に内張内容を変えた取鍋を準備する必要があ
り、製鋼コスト、作業上きわめて効率が悪い状況に至ら
しめられる。不定形内張りに湿式の吹付を行う方法で
は、受鋼時の剥離は防止できず、またその効果は一過性
である。従来の転炉等での火炎法による溶射補修法の
場合、材料融点は2000℃未満で、耐火性が低く、多量に
フリーのSiO2を含むため耐食性が劣る。一般に鋼質の
清浄度を保持する材質としてAl203-SiO2系より塩基性系
が良好であるが、融点が2800℃であるMgO を効率よくコ
ーティングさせる方法がない。溶射熱源としてAl、S
i、Mg、Caおよびそれらの合金粉を考えた場合、平均粒
径10μm 程度の微粉は粉塵爆発が生じ易く、材料の製造
から使用に至る全作業工程で防爆に対して多大の施策を
要し、実施が困難である。MgO-CaO 系あるいはMgO-Cr
203 系炉材を内張したいわゆる塩基性取鍋は、材質の熱
特性からきわめて熱放散の著しいもので、炉材は耐食性
にすぐれているものの、熱的、構造的スポーリングで剥
離し易く、場所によっては地金付きを生じ、通常の溶鋼
取鍋の1/3 未満の耐用寿命しか得られない。
【0010】したがって、本発明の一般的目的は、窯炉
内面に高融点で耐火性に優れたコーティング層を施す材
料と方法を提供することである。本発明のより具体的目
的は、窯炉内面に溶射法により例えばMgO−CaO系
あるいはMgO−Al2O3系塩基性コーティング層を
施す材料と方法を提供することである。
内面に高融点で耐火性に優れたコーティング層を施す材
料と方法を提供することである。本発明のより具体的目
的は、窯炉内面に溶射法により例えばMgO−CaO系
あるいはMgO−Al2O3系塩基性コーティング層を
施す材料と方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため、種々検討を重ねた結果、装置および操作
が簡便なテルミット法に着目し、10トンの溶鋼取鍋で溶
射施工実験を行って以下の知見を得た。
解決するため、種々検討を重ねた結果、装置および操作
が簡便なテルミット法に着目し、10トンの溶鋼取鍋で溶
射施工実験を行って以下の知見を得た。
【0012】熱源として易酸化性金属粉、例えば微粉
のSiと粗粉のMg粉との組合せからなる易酸化性金属
粉を用い、これに軽量骨材として例えば塩基性軽量骨材
を混合して得た複合粉体を予め有機樹脂を使って造粒
し、600〜700℃に予熱した壁面に酸素ガスで吹付
けたところ良好なコーティング層が得られた。 さらに施工を良好ならしめる上で用いた粉粒体に次の
ような付帯条件を付与することが特に有効であると判明
した。易酸化性金属粉としてSi粉は平均粒径20μm
未満のものを用い、Mg粉は200μm〜100μmの
ものを用いることで、防爆上の改善が図られる。
のSiと粗粉のMg粉との組合せからなる易酸化性金属
粉を用い、これに軽量骨材として例えば塩基性軽量骨材
を混合して得た複合粉体を予め有機樹脂を使って造粒
し、600〜700℃に予熱した壁面に酸素ガスで吹付
けたところ良好なコーティング層が得られた。 さらに施工を良好ならしめる上で用いた粉粒体に次の
ような付帯条件を付与することが特に有効であると判明
した。易酸化性金属粉としてSi粉は平均粒径20μm
未満のものを用い、Mg粉は200μm〜100μmの
ものを用いることで、防爆上の改善が図られる。
【0013】金属粉と造粒される軽量骨材として粒度
2mm〜0.1mmのもので、空隙率の高い軽量骨材、
特にMgO系軽量骨材を用いることで、塩基性コーティ
ング層のマトリックス部の改善が図られる。すなわち、
射出、溶融のプロセスを経てコーティングする「溶射」
技術では、一般に、融点の高い粒子(=骨材)を溶融す
るには高度の熱エネルギー集中を要する。さらに、その
ような高融点粒子では溶融のための受熱効果を高める必
要から、個々の比表面積を大きくする必要がある。 そこ
で、本願発明にあっては、「高度の熱エネルギー集中」
を実現するために、酸化物とSi粉との密着、すなわ
ち、造粒を行ない、また、「受熱効果」を高めるため
に、軽量骨材を配合することで粒子の比表面積を大きく
するのである。
2mm〜0.1mmのもので、空隙率の高い軽量骨材、
特にMgO系軽量骨材を用いることで、塩基性コーティ
ング層のマトリックス部の改善が図られる。すなわち、
射出、溶融のプロセスを経てコーティングする「溶射」
技術では、一般に、融点の高い粒子(=骨材)を溶融す
るには高度の熱エネルギー集中を要する。さらに、その
ような高融点粒子では溶融のための受熱効果を高める必
要から、個々の比表面積を大きくする必要がある。 そこ
で、本願発明にあっては、「高度の熱エネルギー集中」
を実現するために、酸化物とSi粉との密着、すなわ
ち、造粒を行ない、また、「受熱効果」を高めるため
に、軽量骨材を配合することで粒子の比表面積を大きく
するのである。
【0014】ここに、本発明に要旨とするところは、易
酸化性金属粉と搬送ガスを兼ねた酸素ガスとの組合せを
熱源とした溶射法による窯炉内面のコーティング方法に
おいて用いる窯炉内面のコーティング材料であって、前
記易酸化性金属粉の少なくとも一部としてのSi粉と軽
量骨材を予め有機バインダーを使って造粒したものを配
合して成ることを特徴とする窯炉内面のコーティング材
料である。
酸化性金属粉と搬送ガスを兼ねた酸素ガスとの組合せを
熱源とした溶射法による窯炉内面のコーティング方法に
おいて用いる窯炉内面のコーティング材料であって、前
記易酸化性金属粉の少なくとも一部としてのSi粉と軽
量骨材を予め有機バインダーを使って造粒したものを配
合して成ることを特徴とする窯炉内面のコーティング材
料である。
【0015】本発明の好適態様によれば、主たる前記易
酸化性金属粉は、Si粉とMg粉との混合物である。好
ましくは、前記Si粉の平均粒径が20μm未満、前記
Mg粉の平均粒径が100〜200μmである。本発明
の別の好適態様によれば、前記軽量骨材が平均粒度0.
1〜2mm、空隙率80%である。
酸化性金属粉は、Si粉とMg粉との混合物である。好
ましくは、前記Si粉の平均粒径が20μm未満、前記
Mg粉の平均粒径が100〜200μmである。本発明
の別の好適態様によれば、前記軽量骨材が平均粒度0.
1〜2mm、空隙率80%である。
【0016】好ましくは、金属粉と共に造粒される前記
軽量骨材は、MgO 系であり、必要によりさらにこの塩基
性耐火 (材料) 骨材以外に、MgO-Al2O3 系あるいはMgO-
CaO系骨材を含有するものであってもよい。前記有機樹
脂としては、特定のものに制限されないが、一般にはフ
ェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、およびアクリル樹脂か
ら成る群から選んだ少なくとも一種の非水系有機樹脂で
あればよい。
軽量骨材は、MgO 系であり、必要によりさらにこの塩基
性耐火 (材料) 骨材以外に、MgO-Al2O3 系あるいはMgO-
CaO系骨材を含有するものであってもよい。前記有機樹
脂としては、特定のものに制限されないが、一般にはフ
ェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、およびアクリル樹脂か
ら成る群から選んだ少なくとも一種の非水系有機樹脂で
あればよい。
【0017】別の面からは、本発明は、鋳込終了して排
滓したのちに付着物を除去し、炉温600℃以上に予熱
した後、上述のいずれかのコーティング材料を窯炉内面
に酸素ガスとともに吹付けることで厚さ5〜35mmの
範囲でプロフィルを修復することを特徴とする窯炉内面
のコーティング方法である。なお、本発明が対象とする
窯炉としては、取鍋、タンディッシュなどが想定され、
通常は取鍋、タンディッシュにおけるコーティングに本
発明を適用すると効果的である。酸素ガスを熱源として
用いる溶射法においてはAl粉を着火促進剤として用い
る場合があるが、本発明にあってもそのような着火促進
剤の使用を制限するものではない。なお、以下の本発明
の好適態様の説明にあっては、上述の軽量骨材としてM
gO質骨材を用いているが、すでに以上の説明から当業
者には明らかなように、MgO質以外に、市場で入手容
易な軽量骨材としては、中空アルミナボール、発泡シリ
カ等が挙げられる。
滓したのちに付着物を除去し、炉温600℃以上に予熱
した後、上述のいずれかのコーティング材料を窯炉内面
に酸素ガスとともに吹付けることで厚さ5〜35mmの
範囲でプロフィルを修復することを特徴とする窯炉内面
のコーティング方法である。なお、本発明が対象とする
窯炉としては、取鍋、タンディッシュなどが想定され、
通常は取鍋、タンディッシュにおけるコーティングに本
発明を適用すると効果的である。酸素ガスを熱源として
用いる溶射法においてはAl粉を着火促進剤として用い
る場合があるが、本発明にあってもそのような着火促進
剤の使用を制限するものではない。なお、以下の本発明
の好適態様の説明にあっては、上述の軽量骨材としてM
gO質骨材を用いているが、すでに以上の説明から当業
者には明らかなように、MgO質以外に、市場で入手容
易な軽量骨材としては、中空アルミナボール、発泡シリ
カ等が挙げられる。
【0018】
【作用】本発明において金属によるテルミット反応熱を
利用する理由は以下の如くである。すなわち、Si粉、Mg
粉のような易酸化性金属粉は発熱反応後SiO2-MgO系の液
滴となって溶射層のマトリックスを形成する形態をとっ
て凝固するため、溶射直後には可塑性に富み、相変化の
進行で層中の気孔層に比し、強固な結合組織を形成す
る。特に、Mg金属は他の金属に比し急激な酸化反応性に
富み、極めて短時間に大量の発熱能を有すると共に、酸
化物粒子とのなじみも良い。一方では爆燃性もあり、そ
のため好ましくは粒度は200 〜100 μm の範囲に限定さ
れる。200μmを大幅に越えるとMgO の巨大粒となる恐れ
があり、組織構成上好ましくない。100 μm 未満では既
述の如く安全上取り扱いに特別の注意を要する。
利用する理由は以下の如くである。すなわち、Si粉、Mg
粉のような易酸化性金属粉は発熱反応後SiO2-MgO系の液
滴となって溶射層のマトリックスを形成する形態をとっ
て凝固するため、溶射直後には可塑性に富み、相変化の
進行で層中の気孔層に比し、強固な結合組織を形成す
る。特に、Mg金属は他の金属に比し急激な酸化反応性に
富み、極めて短時間に大量の発熱能を有すると共に、酸
化物粒子とのなじみも良い。一方では爆燃性もあり、そ
のため好ましくは粒度は200 〜100 μm の範囲に限定さ
れる。200μmを大幅に越えるとMgO の巨大粒となる恐れ
があり、組織構成上好ましくない。100 μm 未満では既
述の如く安全上取り扱いに特別の注意を要する。
【0019】Siは高融点のMgO を急速溶融させるため細
粒が望ましく、平均粒径20μm 未満が望ましい。また、
酸化後SiO2の単独粒子の形成は溶鋼への溶解すなわち溶
射層の侵食を促進するのでSiO2粒生成を防止する上でも
細粒構造が望ましい。さらにSiO2とならずMgO-SiO2系の
鉱物相、望ましくはMg2SiO4 相とするため、SiとMgの配
合比率はSi/Mg比で1:2が望ましく、ヒュームロス等
を肝案すると30/70〜60/40の範囲が好ましい。この範
囲を外れる場合、SiO2もしくはMgO の単独粒を形成し、
得られるコーティング層の耐火物性状が劣る。特に微粒
で空隙率の高いMgO 骨材と事前に混合造粒すると、溶射
時にMgO を溶解し、MgO-SiO2系溶融相となって溶射層を
形成する。
粒が望ましく、平均粒径20μm 未満が望ましい。また、
酸化後SiO2の単独粒子の形成は溶鋼への溶解すなわち溶
射層の侵食を促進するのでSiO2粒生成を防止する上でも
細粒構造が望ましい。さらにSiO2とならずMgO-SiO2系の
鉱物相、望ましくはMg2SiO4 相とするため、SiとMgの配
合比率はSi/Mg比で1:2が望ましく、ヒュームロス等
を肝案すると30/70〜60/40の範囲が好ましい。この範
囲を外れる場合、SiO2もしくはMgO の単独粒を形成し、
得られるコーティング層の耐火物性状が劣る。特に微粒
で空隙率の高いMgO 骨材と事前に混合造粒すると、溶射
時にMgO を溶解し、MgO-SiO2系溶融相となって溶射層を
形成する。
【0020】Al粉は、一般に着火促進剤として配合され
るが、場合によってはAl粉も易酸化性金属として配合し
てもよく、その場合にはAl2O3 を形成し、マトリックス
の一部となる。本発明の好適態様において、Siとの組合
せで造粒に供する高空隙率の骨材としてMgO 質に限定し
たのは、融点が2700℃以上と高く、また低比熱で酸化発
熱したSiO2と反応して容易にMg2SiO4 層を得やすいため
である。この種の材料としては海水マグネシアの副成品
でMgO 95%、SiO2あるいはB203含有量約1%の多孔質マ
グネシアが好適である。この材料は嵩比重が1.5 〜1.7
で平均気孔径10〜50μm のポアを0.5cc/g 内包したもの
で活性に富む。粒度2mm〜0.1 mmに限定したのは0.1 mm
未満では造粒時のバインダー使用量が多くなり、溶射熱
源のヒートロスが無視できなくなるためである。また、
2mm超では空隙率が低下したものとなり、上記目的が達
成できない。
るが、場合によってはAl粉も易酸化性金属として配合し
てもよく、その場合にはAl2O3 を形成し、マトリックス
の一部となる。本発明の好適態様において、Siとの組合
せで造粒に供する高空隙率の骨材としてMgO 質に限定し
たのは、融点が2700℃以上と高く、また低比熱で酸化発
熱したSiO2と反応して容易にMg2SiO4 層を得やすいため
である。この種の材料としては海水マグネシアの副成品
でMgO 95%、SiO2あるいはB203含有量約1%の多孔質マ
グネシアが好適である。この材料は嵩比重が1.5 〜1.7
で平均気孔径10〜50μm のポアを0.5cc/g 内包したもの
で活性に富む。粒度2mm〜0.1 mmに限定したのは0.1 mm
未満では造粒時のバインダー使用量が多くなり、溶射熱
源のヒートロスが無視できなくなるためである。また、
2mm超では空隙率が低下したものとなり、上記目的が達
成できない。
【0021】上記の金属粉で造粒された骨材と易酸化性
金属粉とを造粒するには、転動造粒機または流動層造粒
機を用いて0.5 mmから3mm程度の球状粒子とする。押出
し造粒機では柱状粒子となって被覆が不十分であると共
に溶射前の気流搬送に不向きである。造粒用バインダー
としては非水溶性で熱硬化性を有するものが有効であ
る。水溶性バインダーは、接着力が弱く、また水分の蒸
気は溶射熱源のロスを招く。具体的には、フェノール樹
脂、ポリ塩化ビニルあるいはアクリル樹脂が温風乾燥し
ながら骨材に効率良く、Si粉を被覆し造粒できた。特
に、溶射時に熱分解点の低いアクリル樹脂が好適であ
る。また、一部もしくは全量のMg粉を同時に混合造粒し
ても良く、金属粉の防爆の観点では望ましい処理であ
る。Al粉の場合には、球状化処理されていれば不必要で
ある。
金属粉とを造粒するには、転動造粒機または流動層造粒
機を用いて0.5 mmから3mm程度の球状粒子とする。押出
し造粒機では柱状粒子となって被覆が不十分であると共
に溶射前の気流搬送に不向きである。造粒用バインダー
としては非水溶性で熱硬化性を有するものが有効であ
る。水溶性バインダーは、接着力が弱く、また水分の蒸
気は溶射熱源のロスを招く。具体的には、フェノール樹
脂、ポリ塩化ビニルあるいはアクリル樹脂が温風乾燥し
ながら骨材に効率良く、Si粉を被覆し造粒できた。特
に、溶射時に熱分解点の低いアクリル樹脂が好適であ
る。また、一部もしくは全量のMg粉を同時に混合造粒し
ても良く、金属粉の防爆の観点では望ましい処理であ
る。Al粉の場合には、球状化処理されていれば不必要で
ある。
【0022】以上の如く造粒した金属粉被覆によるMgO
から成るMgO 系軽量骨材と残部を形成する骨材 (例:Mg
O、MgO-Al203 、MgO-CaO もしくはMgO-Cr203)との配合
割合は5重量%以上30重量%以内とする。金属粉被覆に
よる造粒骨材の配合割合が5%未満では溶射熱源として
満足した溶射用フレームは得られない。30%を越えると
熱源は必要十分量確保できるが、多量のSiO2系鉱物相が
溶射相内に形成され、使用に耐えない。
から成るMgO 系軽量骨材と残部を形成する骨材 (例:Mg
O、MgO-Al203 、MgO-CaO もしくはMgO-Cr203)との配合
割合は5重量%以上30重量%以内とする。金属粉被覆に
よる造粒骨材の配合割合が5%未満では溶射熱源として
満足した溶射用フレームは得られない。30%を越えると
熱源は必要十分量確保できるが、多量のSiO2系鉱物相が
溶射相内に形成され、使用に耐えない。
【0023】残部の骨材としては、単独SiO2粒 (例え
ば、石英質粒) を含まぬ純度が90%以上のものを用い
る。具体的には電融CaO クリンカー、電融CaO-MgO クリ
ンカーあるいは焼結品、電融もしくは焼結MgO-Al203 ク
リンカー、電融MgO-Cr203 クリンカーが好適である。し
かし、例えばMgO-Cr203 系のクロム鉄鉱は脈石として石
英を含むものであり、鉄系酸化物を含むため生鉱石は使
用に耐えない。また、これら材料の粒度は2.5 mm〜0.5
mmの造粒粒子より粗いものが良い。2.5 mm超では気流搬
送時の流動性や材料粒子の均一性に問題があるが、同時
に骨材として緻密であるため溶融が困難となり、溶射の
付着率に影響する。0.5 mm未満では溶融性は良いが、吸
湿性をおびる場合があり、気流搬送時の流動性、均一性
に問題が生ずる。
ば、石英質粒) を含まぬ純度が90%以上のものを用い
る。具体的には電融CaO クリンカー、電融CaO-MgO クリ
ンカーあるいは焼結品、電融もしくは焼結MgO-Al203 ク
リンカー、電融MgO-Cr203 クリンカーが好適である。し
かし、例えばMgO-Cr203 系のクロム鉄鉱は脈石として石
英を含むものであり、鉄系酸化物を含むため生鉱石は使
用に耐えない。また、これら材料の粒度は2.5 mm〜0.5
mmの造粒粒子より粗いものが良い。2.5 mm超では気流搬
送時の流動性や材料粒子の均一性に問題があるが、同時
に骨材として緻密であるため溶融が困難となり、溶射の
付着率に影響する。0.5 mm未満では溶融性は良いが、吸
湿性をおびる場合があり、気流搬送時の流動性、均一性
に問題が生ずる。
【0024】本発明によれば、以上の如くに構成された
粉体をO2ガスで気流搬送して赤熱した炉壁面に吹付けて
材料を着火させて火炎を持続させて溶射層を形成する。
粉体の飛行速度はO2ガス量で調整する。火炎を着火する
には600 ℃以上でなければならない。このため、定形耐
火物を新たに築炉した新鍋では最低600 ℃とした予熱を
要する。多数回使用した鍋では鋳込完了後、徐滓を確認
して、炉温度を600 ℃以上にしてから溶射施工する。地
金付やビルドアップした壁面ではこれらを除去し、炉温
の確認を行って溶射施工する。
粉体をO2ガスで気流搬送して赤熱した炉壁面に吹付けて
材料を着火させて火炎を持続させて溶射層を形成する。
粉体の飛行速度はO2ガス量で調整する。火炎を着火する
には600 ℃以上でなければならない。このため、定形耐
火物を新たに築炉した新鍋では最低600 ℃とした予熱を
要する。多数回使用した鍋では鋳込完了後、徐滓を確認
して、炉温度を600 ℃以上にしてから溶射施工する。地
金付やビルドアップした壁面ではこれらを除去し、炉温
の確認を行って溶射施工する。
【0025】通常の条件下では、施工厚さは5〜35mmの
範囲とする。5mm未満では、1チャージの使用に耐えな
い部分も生じ易く、付着率と粉体の供給速度を肝案して
施工する。35mmを超える場合、溶射層と施工壁面の変質
した旧材もしくは異材質との膨脹差等で熱間容積安定性
が不安定となり、剥離を生じ易い。特に、徐滓した鍋に
施工する場合は炉壁面上でコーティング状態となってい
るスラグフィルムの影響を考えると35mm以下で、15mm以
上の厚さに施工する。15mm未満では受鋼後再加熱状態下
でスラグフィルム層からの溶融、剥離が進行し易い。本
発明によれば、以上の如く窯炉内面にコーティング施工
した取鍋を1000℃以上で保熱し、溶鋼を受鋼するが、被
覆層の剥離は見られず、さらに耐用寿命の延長が図られ
る。
範囲とする。5mm未満では、1チャージの使用に耐えな
い部分も生じ易く、付着率と粉体の供給速度を肝案して
施工する。35mmを超える場合、溶射層と施工壁面の変質
した旧材もしくは異材質との膨脹差等で熱間容積安定性
が不安定となり、剥離を生じ易い。特に、徐滓した鍋に
施工する場合は炉壁面上でコーティング状態となってい
るスラグフィルムの影響を考えると35mm以下で、15mm以
上の厚さに施工する。15mm未満では受鋼後再加熱状態下
でスラグフィルム層からの溶融、剥離が進行し易い。本
発明によれば、以上の如く窯炉内面にコーティング施工
した取鍋を1000℃以上で保熱し、溶鋼を受鋼するが、被
覆層の剥離は見られず、さらに耐用寿命の延長が図られ
る。
【0026】
【実施例1】炭化珪素(SiC) 電気抵抗体を熱源とする電
気炉内で650 ℃に予熱した中アルミナれんが面(500×50
0 mm)に表1に示す配合構成の材料、つまり金属粉と共
にアクリル樹脂で造粒したマグネシア軽量骨材 (粒径1
mm) に各種骨材を配合したものを酸素ガスと共に吹付け
て厚さ10〜15mmまで慣用法で溶射し、30分間熱間で保持
して4℃/min の速度で徐冷して30×70×180 mmのサン
プルを切り出した。なお、比較例では造粒は行わなかっ
た。溶射材の付着量を調べると軽量骨材を用いない比較
例を100 として本発明によれば145 以上であった。
気炉内で650 ℃に予熱した中アルミナれんが面(500×50
0 mm)に表1に示す配合構成の材料、つまり金属粉と共
にアクリル樹脂で造粒したマグネシア軽量骨材 (粒径1
mm) に各種骨材を配合したものを酸素ガスと共に吹付け
て厚さ10〜15mmまで慣用法で溶射し、30分間熱間で保持
して4℃/min の速度で徐冷して30×70×180 mmのサン
プルを切り出した。なお、比較例では造粒は行わなかっ
た。溶射材の付着量を調べると軽量骨材を用いない比較
例を100 として本発明によれば145 以上であった。
【0027】これらのサンプルをルツボ状に張合わせ高
周波誘導炉で25kgの溶鋼を1650℃×2hr保持する侵食テ
ストを行った。なお、表1のAl粉は着火促進材として添
加したもので平均粒径50μmであった。結果の複数例を
表2に示す。従来の気孔量および侵食量を100 として示
す。
周波誘導炉で25kgの溶鋼を1650℃×2hr保持する侵食テ
ストを行った。なお、表1のAl粉は着火促進材として添
加したもので平均粒径50μmであった。結果の複数例を
表2に示す。従来の気孔量および侵食量を100 として示
す。
【0028】この結果、従来例に比し、本発明に係る溶
射層では見掛気孔率に比して、侵食量は極めて低く、優
れた耐食性を有することが判る。比較例の溶射層組成は
本発明のそれに近似しているが気孔量が多いことから侵
食量は増大している。また各サンプルの稼動面近傍 (〜
5mm) をエネルギー分散型X線アナライザーで微構造観
察したところ、骨材間のマトリックスにAl、Siの集積が
みられた。これに対して従来材ではSiO2の溶出が著し
く、Alが多くなるが、Feと共通した領域に分布してスピ
ネルを形成していた。
射層では見掛気孔率に比して、侵食量は極めて低く、優
れた耐食性を有することが判る。比較例の溶射層組成は
本発明のそれに近似しているが気孔量が多いことから侵
食量は増大している。また各サンプルの稼動面近傍 (〜
5mm) をエネルギー分散型X線アナライザーで微構造観
察したところ、骨材間のマトリックスにAl、Siの集積が
みられた。これに対して従来材ではSiO2の溶出が著し
く、Alが多くなるが、Feと共通した領域に分布してスピ
ネルを形成していた。
【0029】
【実施例2】容量が50トンの取鍋の側壁に本発明のコー
ティング施工を適用し、アルミキルド鋼を鋳込んだ。取
鍋の永久張りれんがは通常のロウ石れんがを内張りした
もので、ウェアは不焼成ハイアルミナれんが(Al203 80
%) であった。30 回鋳込後、マス煉瓦の交換に際し、
底部を中間修理した後に、本発明にしたがってコーティ
ング施工を行った。壁面温度は750 ℃で表1に示すA材
を厚さ15〜25mmの範囲で側壁全面 (スラグライン部を含
む) に施工し、1150℃まで予熱後、受鋼し5回連続使用
した。本発明にかかるコーティング施工前には一部地金
付きを除去した後に予熱バーナーで壁面温度を750 ℃の
設定温度まで高めた。
ティング施工を適用し、アルミキルド鋼を鋳込んだ。取
鍋の永久張りれんがは通常のロウ石れんがを内張りした
もので、ウェアは不焼成ハイアルミナれんが(Al203 80
%) であった。30 回鋳込後、マス煉瓦の交換に際し、
底部を中間修理した後に、本発明にしたがってコーティ
ング施工を行った。壁面温度は750 ℃で表1に示すA材
を厚さ15〜25mmの範囲で側壁全面 (スラグライン部を含
む) に施工し、1150℃まで予熱後、受鋼し5回連続使用
した。本発明にかかるコーティング施工前には一部地金
付きを除去した後に予熱バーナーで壁面温度を750 ℃の
設定温度まで高めた。
【0030】比較のため、リン酸塩をバインダーとした
MgO 系吹付材 (MgO 85%、CaO 6%) を20〜30mmの厚さ
で施工した。適用した取鍋は同一容量の別個の取鍋で、
34回使用後にマス交換した中間修理鍋で使用条件はほぼ
同一であった。すなわち、施工時の壁面温度は750 ℃で
さらに1150℃まで予熱後に受鋼した。使用回数は連続3
回であった。鋳込終了後に炉壁の侵食状況と介在の析出
状況を比較した結果を表3に示す。鋳込み終了後侵食深
さ(mm)と鋳込回数の比を求め、従来の結果(mm/ch) を10
0 とした指数で示した。また、鋼の清浄度については各
施工鍋によりなる鋳片で比較したが、JIS-G0555 により
非金属介在物量で比較表示した。
MgO 系吹付材 (MgO 85%、CaO 6%) を20〜30mmの厚さ
で施工した。適用した取鍋は同一容量の別個の取鍋で、
34回使用後にマス交換した中間修理鍋で使用条件はほぼ
同一であった。すなわち、施工時の壁面温度は750 ℃で
さらに1150℃まで予熱後に受鋼した。使用回数は連続3
回であった。鋳込終了後に炉壁の侵食状況と介在の析出
状況を比較した結果を表3に示す。鋳込み終了後侵食深
さ(mm)と鋳込回数の比を求め、従来の結果(mm/ch) を10
0 とした指数で示した。また、鋼の清浄度については各
施工鍋によりなる鋳片で比較したが、JIS-G0555 により
非金属介在物量で比較表示した。
【0031】この結果、本発明によりなる効果が明白で
あるが、特に溶射施工した鍋ではスラグを一部浸透して
変質した旧材と溶射層の接着状態も良好で、使用中の剥
離はなかったものと見られる。また、各取鍋のスラグラ
イン部には、MgO-C れんが(C量18%) を内張りしていた
が、従来は炭素ピックアップが10〜15ppm 認められてい
たが、今回の施工鍋では5ppm 未満であった。したがっ
て、使用途中の取鍋で溶射によるコーティング施工を行
うことにより、清浄性を要求される鋼種を問題なく受容
するこができることが判明した。なお、MgO 軽量骨材で
の被覆造粒は、イソ・プロピル・アルコールで10%濃度
にまで希釈したアクリル樹脂を用い、転動造粒機に骨材
と既述のSi粉を5:1の比で装入し、バインダーを噴霧
しながら造粒した。被覆造粒された粒子径とバインダー
使用量は転動時間に応じて増加するが、一定時間造粒後
0.5 mm以上のものを回収し構成原料とした。なお、表1
のAl粉は着火促進材として添加したもので平均粒径50μ
m であった。
あるが、特に溶射施工した鍋ではスラグを一部浸透して
変質した旧材と溶射層の接着状態も良好で、使用中の剥
離はなかったものと見られる。また、各取鍋のスラグラ
イン部には、MgO-C れんが(C量18%) を内張りしていた
が、従来は炭素ピックアップが10〜15ppm 認められてい
たが、今回の施工鍋では5ppm 未満であった。したがっ
て、使用途中の取鍋で溶射によるコーティング施工を行
うことにより、清浄性を要求される鋼種を問題なく受容
するこができることが判明した。なお、MgO 軽量骨材で
の被覆造粒は、イソ・プロピル・アルコールで10%濃度
にまで希釈したアクリル樹脂を用い、転動造粒機に骨材
と既述のSi粉を5:1の比で装入し、バインダーを噴霧
しながら造粒した。被覆造粒された粒子径とバインダー
使用量は転動時間に応じて増加するが、一定時間造粒後
0.5 mm以上のものを回収し構成原料とした。なお、表1
のAl粉は着火促進材として添加したもので平均粒径50μ
m であった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明方法に
よりコーティング施工された窯炉は、従来に比較して耐
食性において優れ、溶鋼の清浄度を向上させることがで
きる。特に使用途中の鍋に施工することにより一つの鍋
で任意の鋼種を受容できるこになり、オンラインする鍋
基数を削減することにより産業上益するところ極めて大
である。
よりコーティング施工された窯炉は、従来に比較して耐
食性において優れ、溶鋼の清浄度を向上させることがで
きる。特に使用途中の鍋に施工することにより一つの鍋
で任意の鋼種を受容できるこになり、オンラインする鍋
基数を削減することにより産業上益するところ極めて大
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 易酸化性金属粉と搬送ガスを兼ねた酸素
ガスとの組合せを熱源とした溶射法による窯炉内面のコ
ーティング方法において用いる窯炉内面のコーティング
材料であって、前記易酸化性金属粉の少なくとも一部と
してのSi粉と軽量骨材を予め有機バインダーを使って
造粒したものを配合して成ることを特徴とする窯炉内面
のコーティング材料。 - 【請求項2】 鋳込終了して排滓したのちに付着物を除
去し、炉温600℃以上に予熱した後、請求項1に記載
の窯炉内面のコーティング材料を窯炉内面に酸素ガスと
ともに吹き付けることで厚さ5〜35mmの範囲でプロ
フィルを修復することを特徴とする窯炉内面のコーティ
ング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3100896A JP2737439B2 (ja) | 1991-05-02 | 1991-05-02 | 窯炉内面のコーティング材料と方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3100896A JP2737439B2 (ja) | 1991-05-02 | 1991-05-02 | 窯炉内面のコーティング材料と方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04332386A JPH04332386A (ja) | 1992-11-19 |
JP2737439B2 true JP2737439B2 (ja) | 1998-04-08 |
Family
ID=14286105
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3100896A Expired - Lifetime JP2737439B2 (ja) | 1991-05-02 | 1991-05-02 | 窯炉内面のコーティング材料と方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2737439B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110158015A (zh) * | 2019-04-25 | 2019-08-23 | 承德铱格斯曼航空科技有限公司 | 一种金属陶瓷复合吸波涂层结构及制造方法 |
-
1991
- 1991-05-02 JP JP3100896A patent/JP2737439B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04332386A (ja) | 1992-11-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19971209 |