JP2827375B2 - 窯炉内面のコーティング方法 - Google Patents

窯炉内面のコーティング方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、鉄鋼製造プロセスにおける、種々のの窯炉
内面のコーティング方法に関するものであり、さらに詳
しくは、内張耐火物を補強し、溶鋼の清浄度の維持向上
に有効な、窯炉内面のコーティング方法に関する。
(従来の技術) 最近、鉄鋼製造プロセスでは連続鋳造の著しい普及や
鋼の高級化の要求が高まってきた。例えば、取鍋におい
ては一部精錬工程を受け持つ等使用条件は変化して内張
りの高級化が進んできた。また、タンディッシュにおい
ては連々指数の増大による材質の高級化と共に、鋼質向
上のため炉内に堰や介在物吸着フィルターを設置する等
炉材、形態面での変化も著しくなってきた。
また、省力化の観点から耐火物の不定形化や施工の機
械化が進み、高アルミナ質や塩基性質の不定形化が上記
の炉においても実施されるようになってきた。特に、タ
ンディッシュにおいては内張りの表面にMgOのコーティ
ング材を塗布し、使用初期の剥離防止を図っている。
しかし、一般に不定形耐火物では焼成煉瓦と異なって
組織の結合状態が無機系水溶性バインダーによる化学結
合であるため、焼結した結合状態に比較して、熱的衝撃
あるいは機械的衝撃に弱く剥離が生じ易い。このため、
鋼の清浄度を確保するという観点からは好ましい状況で
はなく、本発明者らは溶射によるコーティングに着目し
た。
鉄鋼プロセスにおける、表面処理技術としての溶射
は、例えば製鋼炉では転炉等での湿式吹付法の代替技術
として発展してきた。この溶射方法は、主に次のように
分類できる。
コークス等の固形燃料、LPG、灯油等の気体あるいは
液体燃料を熱源とする火炎法、 SiあるいはAl等の金属粉によるテルミット反応熱を利
用する方法、 プラズマ炎を用いる方法 の三つである。これらの溶射方法は従来の湿式方法に比
較して壁面を過冷却しないため、接着強度が優れ、耐用
性が高まると考えられている。
しかし、に示す燃料燃焼方式では火炎温度を高くす
ることが困難なため、2000℃を越える融点の高い耐火物
原料を使用することができず、溶射被膜の耐久性が高い
ものにはなりにくい。
また、に示すテルミット反応熱を利用する方法は、
コークス炉等の酸性耐火物には有効であるが、塩基性炉
への適用は困難であり、しかも、テルミット反応に伴っ
て多量にSiO2を生成するため鋼質清浄化の要請にもとる
ものである。
これに対して、に示すプラズマ炎による方法では容
易に10000℃を越える融点の高い耐火物原料を使用する
ことができる。
以上に述べたような観点から、すでに特開昭58−5538
4号公報あるいは特開昭58−85090号公報により開示され
るような、水プラズマ溶射を用いた溶射方法が実験室的
に検討されている。しかし、これらの内容は種々の可能
性を示唆するだけであり、最近の不定形化した取鍋やCC
用タンディッシュに対する具体的な適用の要件、条件等
については何ら言及されていない。このことは他方式に
ついても同様であり、これらの炉の構造と機能との違い
にその要因が求められる。
例えば、取鍋あるいはタンディッシュは、従来は精錬
工程と鋳造工程とを接続する溶鋼の中継工程として位置
づけられ、これらは取扱いの容易さやメンテナンスの容
易さ等に重点をおいて設計され、使用されていた。具体
的には、第4図(a)および第4図(b)に示すよう
に、その断面はコップ状を呈し、鉄皮内面にパーマとウ
エアとが各一層で形成された構造を有する。他の窯炉、
例えば転炉に比べて外形寸法に対する内張りの相対的厚
さは極めて薄く、熱放散量が大きい。特に熱損失を補う
熱源を有さない熱放散型の窯炉と言える。また、一部炉
蓋で熱放散を軽減する場合もあるが、例えばRH炉のよう
に熱的に密閉度合の大きい炉に比べると、やはり熱的に
開放型の炉であると言える。
(発明が解決しようとする課題) このように、取鍋あるいはタンディッシュは、他の炉
と異なって熱的に苛酷な条件下で使用されている。した
がって、前述の溶射方法では、施工時における内張り表
面の温度(以下、予熱温度)の高低で、補修効率、補修
層(以下、「コーティング層」という。)の性状あるい
は補修される内張り面での損傷発生の頻度が大きく変化
するとみられる。そこで、鋼の清浄度の確保に適合した
材料を用いて、熱的作用を考慮したコーティング方法を
確立する必要がある。そこで、本発明者らは前述の溶射
法について、その問題点を明らかにするため、さらに検
討した。
その結果、溶鋼用取鍋あるいはタンディッシュ等窯炉
の内張り、特に不定形施工した内壁面に高融点で耐火性
に優れたコーティングを施すことは、溶鋼に接した際の
耐食性および清浄度の確保の上では有効であるが、未だ
適切なコーティング方法方法が確立されていないという
ことがわかった。すなわち、従来のコーティング方法に
は、 不定形内張り材に対する湿式の塗布あるいは吹付を行
う方法では、受鋼時の剥離は防止できず、効果は一過性
であること、 従来の転炉性での火炎法による溶射補修法の場合、材
料の融点は2000℃未満であるため、耐火性が低く、また
多量にSiO2を含むため、侵食性が劣ること、 従来の溶射補修の対象炉と異なり、熱放散型の炉では
壁面の温度が1000℃以下に低下し易く、施工材の付着率
の低下を招き、かつ得られるコーティング層はポーラス
で付着力の低いものとなり易いこと、 相対的に薄壁の熱放散型の炉では、施工時の受熱も鉄
皮から放散し易く、コーティング層は背面で冷却され、
剥離する場合があること、 一般に鋼質の清浄度を保持するものとして、Al2O3−S
iO2系より塩基性系が良好であるが、融点が2600℃のCaO
を効率よくコーティングさせる方法がないこと、さらに
は、 コーティング頻度と作業性とを勘案すると、コーティ
ング層の効果を持続させるための層厚は経験的に少なく
とも10mm以上を要すること というないしに列記した問題があり、その解決が望
まれていたのである。
ここに、本発明の目的は、鉄鋼製造プロセスにおいて
用いる鉄鋼用窯炉、特に取鍋あるいはタンディッシュの
内張り壁面に耐食性に優れたコーティング層を提供する
ことができる窯炉内面のコーティング方法に関するもの
であり、溶射によって内張り耐火物を補強し、溶鋼の清
浄度を従来よりも向上させることができる窯炉内面のコ
ーティング方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記課題を解決するため、種々検討を
重ねた結果、本発明者らの開示した特開昭60−17688号
公報に記載されている窯炉の炉壁補修装置を一部改造し
て水プラズマガンを搭載し、容量2.5tonのタンディッシ
ュで水プラズマ溶射施工実験を行った結果、以下に示す
知見〜を得た。すなわち 粒径1mm以下のカルシアクリンカーもしくは石灰石あ
るいはこれらの混合物である耐火粉末を、施工面の表面
温度を500℃以上として水プラズマ溶射すると容易に、
耐火性の高いCaO系のコーティング層を効率的に得るこ
とができるとともに、コーティング層の剥離を防止する
ことができること、 上記耐火粉末に低融点のカルシウム系化合物を添加す
るとコーティング層の付着率が増大し、同時にコーティ
ング層は緻密化すること、 従来は、施工の前後にバーナー予熱しなから炉蓋(Al
2O3系耐火ブランケット)で熱放散を抑制していたが、
内張り構造の一部に、すなわちウエアの表面もしくは背
面に断熱層を設けるとコーティング層の剥離が完全に回
避できること、および 上記ないしの条件下で延べ10tonの溶鋼通過後に
も侵食は全くなく、若干の介在物低減効果が認められた
こと、 である。
そこで、これらの知見に基づいて、本発明者らはさら
に検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
ここに本発明の要旨とするところは、溶鋼を受容する
窯炉内張りにプラズマ溶射することによる窯炉内面のコ
ーティング方法であって、予めウエアの表面もしくは背
面に厚さが10〜30mmである耐火断熱層を設け、施工表面
の温度が500℃以上である状態で水プラズマを熱源に用
いて耐火粉末を溶射することを特徴とする窯炉内面のコ
ーティング方法である。
また、上記の本発明においては、前記耐火粉末は、カ
ルシアクリンカーもしくは石灰石あるいはこれらの混合
物に、CaF2、CaCN2、CaCl2あるいはCa(NO3の1種
もしくは2種以上のカルシウム化合物を10〜20重量%添
加してなる耐火粉末であることが好適である。
(作用) 以下、本発明を作用効果とともに詳述する。なお、本
明細書においては、特にことわりがない限り、「%」は
「重量%」を意味するものとする。
まず、本発明において水プラズマを使用する理由は以
下の如くである。すなわち、プラズマ火炎は温度、気流
の速度が10000℃あるいは300m/sec以上であり、火炎法
より一桁高いエネルギー密度の大きい熱源であるため、
融点が2000℃を越え、耐火性に優れるCaO等の酸化物を
効率よく溶融させて、10mm以上のコーティング層厚を確
保することができるからである。特に、水プラズマ溶射
法は他の熱源より処理量とランニングコストとの比較で
は1/10以下となり、経済性の点でも極めて有利である。
なお、水プラズマ溶射を行うための装置の構成は、従
来から用いられているガスプラズマ装置と全く同一でよ
く、異なるのはプラズマトーチの構造である。このトー
チでは、カーボンで作られた陰極およびCuで作られた陽
極の間で発生させる直流アークにより水蒸気を電離して
プラズマジェットを作る。水冷用の水とこのプラズマジ
ェットとの間には隔膜があり、この膜を通りアークによ
り加熱された水蒸気が通過し、直流アークを囲む渦流と
なり、これが電離してプラズマジェットを形成する構造
となっている。
また、溶射施工時には、被覆される内張り壁は500℃
以上、望ましくは800℃以上に温度保持されていなけれ
ばならない。500℃未満では、液滴状に吹付けられる溶
射材料からこの熱が内張りに吸熱されてしまうため、接
着力の低い多孔質なコーティング層が形成されるため
に、受鋼時のコーティング層の剥離を防止できないとと
もに、溶射材料の付着率も低下するからである。
さらに、内張りのウエアの内部もしくは背面には予め
断熱材を設けて鉄皮からの熱放散を防止する。具体的に
は、断熱材の厚さは10〜30mmであることが有効である。
10mm未満では断熱による効果はなく、30mm超では蓄熱損
失を大きくするからである。
また、断熱材は、耐火性の材料であることが必要であ
り、具体的には熱伝導率が例えば0.5Kcal/m・hr・℃以
下であるMgO−SiO2、Al2O2−SiO2、CaO−SiO2系の材料
を例示することができる。
なお、このような耐火断熱層を設ける方法は何ら制限
を要するものではなく、内張材と同材質系の耐火モルタ
ルを塗布し、背面側(鉄皮側)ライニングに接着し、乾
燥、予熱すればよい。
すなわち、本発明は、例えば、取鍋においては第1図
の如くにウエア〜パーマ間に断熱層を設け、タンディッ
シュにおいては、、第2図の如くにウエア内面側に断熱
層を設けた状態でコーティング施工すなわち溶射処理を
行う。
また、ウエア層が使用に耐え得る十分な厚さを維持で
きている間は、当然ながら稼働の途中くりかえし溶射を
実施する。
このようにして、炉材コスト面で有利であると同様
に、熱的にも極めて有効な施工を達成できる。
なお、溶射する耐火粉末としては、純度が90%以上の
カルシアクリンカー(CaO)もしくは石灰石(CaCO3)あ
るいはこれらの混合物を主剤として用いることが好適で
ある。具体的には電融CaOクリンカー、石灰石あるいは
生石灰を用いることが例示される。コーティング層の耐
食性を高めるために、耐火粉末中のSiO2、Al2O3あるい
はFe酸化物の含有量は10%未満であることが望ましい。
特に、SiO2は2CaO・SiO2を生成して粉化し易く、1%以
下であるのが望ましい。さらに、本発明にかかる耐火粉
末においては、これらカルシウム系主剤にカルシウム系
化合物を添加し、溶射の施工性を向上させることが必要
である。
カルシウム系化合物として具体的には、CaF2(融点:1
373℃)、CaCN2(融点:1300℃)、CaCl2(融点:774
℃)、Ca(NO32:(融点:561℃)を添加する。
これら化合物の1種もしくは2種以上を混合したもの
を10〜20%の範囲で前記カルシウム系主剤に添加したも
のを溶射材料として用いることが望ましい。これらには
いずれも低融点で未溶融の粒子を付着させる効果があ
り、また、熱分解され易く、水プラズマ中で小径のCaO
液滴を生成し、コーティング層の付着性を高めるという
性質がある。したがって、添加量が10%未満であると添
加効果は不十分であり施工の作業性を低下させるおそれ
があり、一方20%を越えると、NOXあるいはハロゲンガ
スを多量に発生し、これらがコーティング層中に含まれ
ることとなって、多孔質で脆弱なコーティング層を形成
することになってしまうおそれがあるからである。
さらに、本発明を実施例を用いて詳述するが、これは
あくまでも本発明を例示するものであり、これにより本
発明が限定されるものではない。
実施例1 SiC抵抗体を熱源とする電気炉で650℃に予熱した500
×500mmの中アルミナ質レンガ壁面(ウエア)に、第1
表に示す配合構成の材料を厚さ25mmまで水プラズマ溶射
し、30分間熱間保持し、5℃/minの速度で室温まで冷却
して切断加工により、30×70×180(mm)のサンプルを
得た。
なお、本例はコーティング層の性能評価のためのもの
で、耐火断熱層を設けなかったが、加熱後一定温度で施
工しており、同等の機能は確保された状態で溶射を行っ
た。
これらのサンプルをるつぼ状に張合わせ、高周波誘導
炉で25kgの溶鋼を1650℃、2hr保持して侵食テストを行
った。結果を第2表にまとめて示す。
なお、第2表中の比較例の溶射材料は、70%級アルミ
ナ質レンガである。
この結果、従来例に比し、本発明に係る溶射層では見
掛気孔率に比して、侵食量は極めて低く、優れた耐食性
を有することが判る。
また、各サンプルの稼働面近傍(〜5mm)をエネルギ
ー分散型X線アナライザーで微細構造観察を行った結果
から、骨材間のマトリックス部にAl、Siの集積(濃度増
加)が見られた。これに対し、従来材では、SiO2の溶出
が著しく相対的にAlが多いが、大半はFeと共通した領域
に分布してスピネルを形成していた。
実施例2 次に、壁面の予熱温度とコーティング層の性状との関
係についての調査試験を行った。
SiO抵抗体を熱源とする電気炉で均熱した500×500mm
の中アルミナ質レンガ壁面に第1表の配合構成の材
を、溶射前の壁面の予熱温度を種々変更して水プラズマ
溶射し、溶射前の予熱温度と付着量と、得られたコーテ
ィング層の嵩比重とを求めた。なお、供試レンガ背面に
高アルミナモルタルで固定した耐火断熱層を25mm設け、
溶射時に炉電源を切り放熱状態とした。粉体の供給量は
30kg/hrで一定とした。水プラズマガンの作動条件は、
出力300kw、溶射距離250mm、ガン走行速度4m/minとし、
厚さ15mmまで被覆される時間を測定した結果を第3図に
示す。
この結果、付着率(付着重量/総供給量、但し、500
℃付着重量比を1として基準とする)は予熱温度500℃
前後で急激に変化し高温ほど良好であり、特に嵩比重の
比較から、予熱温度が低い場合、多孔質で脆弱なコーテ
ィング層しか得られないことが判る。
したがって、本発明において、施工表面の温度が500
℃以上であることが有効である。
実施例3 容量が2.5tonの舟型タンディッシュと30tonのT字型
スラブCC用タンディッシュの片側壁面に本発明にかかる
窯炉内面のコーティング方法を適用し、アルミキルド鋼
を鋳込んだ。築炉施工内容は以下の手順である。すなわ
ち、通常のシャモット系(Al2O340%)のパーマを内張
りし、内張り母材のウエア部として約65mm厚さで中アル
ミナ質流込み材(Al2O351%)を内張りし、養生後300℃
まで昇温し乾燥させた。
さらに、2.5tonタンディッシュにおいては、内壁全面
にアルミナ系モルタルで耐火断熱層を設け、500℃まで
再昇温させた。用いたボードは厚さ30mmで熱伝導率0.5k
cal/m・hr・℃(at 350℃)のもので、MgO−Al2O3質(M
gO:80%、Al2O3:8%、曲げ強度:55kgf/cm2)である。50
0℃で3hr昇温後、一方の壁面に第1表中のA材を厚さ第
10〜15mmまで水プラズマ溶射した。さらに、もう一方の
壁面にMgO−SiO2系繊維を添加したコーティング材(MgO
−86%、SiO26%)を吹付けし、1150℃まで昇温して、
事例1とした。
一方、30tonタンディッシュにおいては一方の壁面に
上記ボードを施工し、500℃に昇熱後、第1表中のE材
を溶射施工し、さらにもう一方の壁面にMgO−CaO系材料
を火炎溶射した。施工後、直ちに1150℃まで昇温して、
事例2とした。
鋳込回数は各3回とし、侵食状況と介在物の析出状況
を比較した。結果を第3表にまとめて示す。なお、侵食
状況は、鋳込終了後侵食深さ(mm)と鋳込溶鋼量(to
n)の比を求め、事例1の従来例の結果(mm/ton)を100
とした指数で示した。また、鋼の清浄度は、JIS G 0555
により非金属介在物量を測定した結果により表示した。
なお、30tonタンディッシュでは異なる鋳込口別の差
を比較し、2.5tonタンディッシュでは水プラズマ溶射の
有無で差を求めた。
第3表からも明らかなように、本発明により、鉄鋼用
窯炉、特に取鍋あるいはタンディッシュの内張り壁面に
耐食性に優れた、窯炉内面のコーティング方法、具体的
には、溶射によって内張り耐火物を補強し、溶鋼の清浄
度を従来よりも向上させることが可能な、窯炉内面のコ
ーティング方法を提供することができたことがわかる。
(発明の効果) 以上のように、本発明により、コーティング施工され
た窯炉は従来法に比較して、受鋼時のコーティング層の
剥離もなく、高融点のCaOのコーティング層を形成する
ことができるため、耐食性において著しく優れているこ
とが判る。また、溶射材料である耐火粉末にCa系化合物
を添加することにより付着率および付着力を向上させる
こともできる。
さらに、これにより、溶鋼の清浄度を高めることもで
きる。
かかる効果を有する本発明の意義は著しい。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明を実施して得た溶鋼受容
容器の略式断面図; 第3図は、本発明の実施例における、コーティング層の
付着率または嵩比重に及ぼす壁面予熱温度の関係を示す
グラフ;および 第4図(a)および第4図(b)は、それぞれ従来の溶
鋼受容容器を示す略式断面図であり、第4図(a)は取
鍋を、また第4図(b)はタンディッシュをそれぞれ示
す略式断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−93384(JP,A) 特開 昭61−79980(JP,A) 特開 昭60−57184(JP,A) 特開 昭58−85090(JP,A) 特開 昭58−13986(JP,A) 特開 昭57−140674(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F27D 1/00 - 1/18 C04B 35/66

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶鋼を受容する窯炉内張りにプラズマ溶射
    することによって窯炉内面のコーティング方法であっ
    て、予めウエアの表面もしくは背面に厚さが10〜30mmで
    ある耐火断熱層を設け、施工表面の温度が500℃以上で
    ある状態で水プラズマを熱源に用いて耐火粉末を溶射す
    ることを特徴とする窯炉内面のコーティング方法。
  2. 【請求項2】前記耐火粉末は、カルシアクリンカーもし
    くは石灰石あるいはこれらの混合物に、CaF2、CaCN2、C
    aCl2あるいはCa(NO3の1種もしくは2種以上のカ
    ルシウム化合物を10〜20重量%添加してなる耐火粉末で
    ある請求項1記載の窯炉内面のコーティング方法。
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