JP3907717B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ球の発射方式と球受皿を改良することで、遊技盤の盤面拡大を容易にするパチンコ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なパチンコ機は、図5に示すように、パチンコ機の下部に上皿1と下皿2という2つの球受皿を設け、上皿1に貸し球と賞球を受け入れ、上皿1が賞球で満杯になったときに下皿2内へ賞球を流すようになっている。更に、遊技盤3の下方に、パチンコ球を右側下部から左側斜め上方に向けて発射する発射レール4を設け、発射レール4側へ逆戻りしてくるファール球を下皿2内に回収するようになっている。
【0003】
近年のパチンコ機は、ゲーム内容が益々多様化する傾向にあり、それに伴って遊技盤3に設ける各種の役物・入賞装置の大型化や表示器・イルミネーションの増加等、遊技盤3の盤面構成にも様々な工夫が凝らされるようになってきている。盤面構成上は、遊技盤3の盤面が大きくなるほど、盤面構成の設計の自由度も大きくなり、盤面構成の多様化・ゲーム性向上に好都合である。従来より、パチンコ機の外形寸法は一定サイズに規定されているので、遊技盤13の盤面を拡大するとしたら、遊技盤3の盤面を下方に拡大することになるが、上述したように、遊技盤3の下方には、発射レール4と上下2つの球受皿1,2を設けるスペースが必要となるため、実際には遊技盤13の盤面を下方に拡大することは不可能であった。
【0004】
そこで、本発明者は、特開平1−214383号公報に示すように、発射レールを遊技盤の右側下方部にほぼ垂直に設け、パチンコ球を遊技盤の右側下方部からほぼ垂直上方に打ち上げるようにしたパチンコ機を提案している。このパチンコ機では、遊技盤の下方を発射レールが横切らないため、その分、遊技盤面を下方へ拡大することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公開公報のパチンコ機でも、図5のパチンコ機と同じく、上下2つのの球受皿が必要となる。つまり、貸し球と賞球を受け入れる上皿と下方へ逆戻りしてくるファール球を受け入れる下皿とが必要となるため、遊技盤面の下方への拡大が上下2つの球受皿によって制限されてしまい、遊技盤面を少量拡大できるに過ぎない。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、遊技盤面の下方への拡大が容易で、盤面構成の設計の自由度を大きくすることができるパチンコ機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のパチンコ機は、遊技盤の左側下方部に、パチンコ球を該遊技盤へ向ってほぼ垂直上方に打ち上げる発射装置を設けると共に、前記遊技盤の右側下方部に、前記発射装置の発射動作を操作する操作ハンドルを設け、且つ、前記遊技盤の下方に設ける球受皿を1皿のみとし、この球受皿内に貸し球と賞球を受け入れてその球を1個ずつ前記発射装置へ供給すると共に、前記発射装置で打ち上げるパチンコ球を前記遊技盤へ向ってほぼ垂直上方に案内する発射レールを、その上方側をやや左側に傾斜させた状態で前記遊技盤の左側下方部に設け、前記遊技盤の下方へ逆戻りしてくるファール球を回収するためのファール球回収口を前記発射レールの上部左側に隣接して設けると共に、このファール球回収口と前記球受皿との間をファール球回収通路で接続し、前記発射レールから上方に飛び出したパチンコ球を前記遊技盤の上部中央へ案内するガイドレールの中間膨らみ部分よりも前記発射レールの上端部を右側に位置させることで、前記ガイドレールの中間膨らみ部分の垂直下方に前記ファール球回収口を位置させた構成としたものである。
【0008】
この構成では、パチンコ球を遊技盤の左側下方部からほぼ垂直上方に打ち上げるため、遊技盤の下方をパチンコ球の発射通路が左右に横切らずに済み、遊技盤面の下方への拡大に発射通路が障害とならない。しかも、貸し球と賞球が受け入れられる球受皿に、発射レール側へ逆戻りしてくるファール球がファール球回収通路を通って回収される。これにより、1つの球受皿で貸し球と賞球及びファール球を全て処理することができるようになるため、従来の“下皿”が不要となり、遊技盤の下方に設ける球受皿が1皿のみで良くなる。この球受皿の1皿化により、球受皿の位置を従来の上皿の位置よりも低くすることができ、その分、遊技盤面の下方への拡大量を大きくすることができる。
ところで、前述した特開平1−214383号公報に示されているパチンコ機は、パチンコ球の発射位置を遊技盤の右側下方部(操作ハンドルの近傍)に設定し、遊技盤の右側下方部からパチンコ球をほぼ垂直上方に打ち上げるようにしているため、遊技盤上部へのパチンコ球の跳び出し方向が反時計回り方向(従来の一般的なパチンコ機と反対)となり、従来機種でゲームしなれた遊技者が違和感を感じることがあった。
そこで、請求項1では、発射装置で打ち上げるパチンコ球を遊技盤へ向ってほぼ垂直上方に案内する発射レールを遊技盤の左側下方部に設け、遊技盤の左側下方部からパチンコ球をほぼ垂直上方に打ち上げるようにしているため、遊技盤上部へのパチンコ球の跳び出し方向が従来の一般的なパチンコ機と同じ時計回り方向となり、従来機種でゲームしなれた遊技者でも違和感を感じることがない。
しかも、発射レールの上端部を遊技盤のガイドレールの中間膨らみ部分よりも右側に位置させて、ガイドレールの中間膨らみ部分の垂直下方(つまりファール球の落下方向)にファール球回収口を位置させるようにしたので、ファール球がファール球回収口内に回収されやすい構造となっている。
【0009】
ところで、球受皿の1皿化に伴い、球受皿の容量をある程度大きくする必要があるが、球受皿の容量を大きくするに従って、球受皿内で下流側のパチンコ球に加わる背圧(背後のパチンコ球から受ける荷重)が大きくなり、その背圧によってパチンコ球がブリッジを組んで球流れが悪くなってしまうおそれがある。
【0010】
そこで、請求項2では、球受皿を、数百個程度若しくはそれ以上のパチンコ球を貯留できるように大容量化すると共に、その底面の少なくとも一部を上下方向に傾動可能な可動底板により構成し、この可動底板を弾性支持手段により弾性支持させる。この球受皿は、パチンコ球の貯留量が多くなるに従ってその重量により可動底板が弾性支持手段の反発力に抗して押し下げられ、その下り勾配が小さくなる(ここで「下り勾配が小さくなる」とは下り勾配が0°に近付くことと0°以下になることのいずれかを意味する)。この構成により、球受皿内のパチンコ球の貯留量が従来よりも多くなっても、パチンコ球1個当りの背圧が小さくなって、下流側のパチンコ球に加わる背圧が適正レベルに抑えられ、下流側でパチンコ球がブリッジを組んで球流れが悪くなることが未然に防止される。
【0011】
その後、パチンコ球の貯留量が少なくなるに従って、可動底板に加わるパチンコ球の重量が小さくなって、可動底板が弾性支持手段により上方へ押し戻され、可動底板の下り勾配が大きくなる。これにより、下流側のパチンコ球に加わる背圧が常に適正レベルに自動調整されて、スムーズな球流れが確保される。
【0014】
また、遊技盤の盤面拡大に伴って球受皿の位置を低くすれば、それに伴なって発射位置への球流れを確保するために発射位置を低くする必要がある。そして、発射位置が低くなれば、発射装置の上下方向の設置スペースが制約され、狭いスペースで正確な発射動作を行わせる必要がある。
【0015】
そこで、請求項3では、発射装置は、打球槌を上下方向に揺動させてパチンコ球を打ち上げる構成となっている。この構成では、打球槌がほぼ水平方向に取り付けられるので、上下方向に狭いスペースでも、十分な長さの打球槌を配置することが可能となり、上下方向に安定した発射動作を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。パチンコ機の機枠10に遊技盤11が取り付けられ、この遊技盤11の盤面には、例えば複数の表示器12を組み合わせた大型センター役物、各種の入賞口13、大型センター役物を始動させるための始動口14、大型センター役物の動作結果によって開放時間・開放回数が可変される可変入賞装置15等が設けられている。また、遊技盤11の左側部には、後述するように遊技盤11の左側下方部からほぼ垂直上方に打ち上げられたパチンコ球を遊技盤11の上部中央へ案内するガイドレール16が設けられている。
【0017】
また、機枠10の前面下部には前板17が設けられ、この前板17には、操作ハンドル18と、数百個程度若しくはそれ以上のパチンコ球を貯留できるように大容量化された球受皿25が1皿のみ設けられている。以下、この球受皿25の構成を図3(縦断右側面図)及び図4(縦断正面図)に基づいて説明する。この球受皿25は、機枠10の前面に設けられた賞球流入口30から流入したパチンコ球(賞球)を受け溜め、このパチンコ球を球受皿25の前部に設けられた流出口31に向けて前方へ流すようになっている。この球受皿25は、底面を可動底板26により構成し、この可動底板26の前端部を軸27を介して球受皿25の側壁に支持させることで、その軸27を支点にして可動底板26を上下方向に傾動可能に支持させている。
【0018】
この可動底板26の後部側は、下方から弾性支持手段であるバネ28により受け支えられ、パチンコ球の貯留量が少ないときには、可動底板26の後部側がバネ28の反発力により押し上げられて、可動底板26の下り勾配が大きくなる。この可動底板26の最大勾配は、可動底板26の上流側端部(後端部)に設けられた突片26aが、球受皿25の後壁に形成されたストッパ部29に突き当たることで規制される。そして、球受皿25内のパチンコ球の貯留量が多くなるに従って、その重量により可動底板26がバネ28の反発力に抗して図3に二点鎖線で示すように押し下げられてその下り勾配が小さくなる(この実施形態では、最終的には下り勾配が0°以下になる)。
【0019】
この実施形態では、可動底板26の下流側の1辺部を除く他の3辺部に、立上り壁26bが一体に形成され、この立上り壁26bでパチンコ球を受けることによって球受皿25の内側面とパチンコ球との接触抵抗を少なくして、可動底板26の上下動をスムーズに行わせるようになっている。更に、この可動底板26は左右両側部から中央部の流出口31側に向けて自然に球流れするように、左右両側部から中央部に向けて下り傾斜がつけられている。
【0020】
一方、可動底板26から流出口31へ流出したパチンコ球は、球受皿25の前部に設けられた整流路32(図4参照)に流れ込み、この整流路32内で一列に整列されながら左側方へ流れて、球受皿25の左側部に設けられた整流器(図示せず)に導かれる。上記整流路32の途中部の上壁面には、パチンコ球の流れを一列にならす球ならし板34がスプリング35により下方に付勢された状態で設けられている。また、整流路32の上流部には球抜き口36が設けられ、この球抜き口36を球抜き部材37によって開閉できるようになっている。この球抜き部材37は、通常はスプリング38の弾発力により球抜き口36を閉鎖する位置に保持され、遊技客が球抜き部材37のレバー39(図3参照)を右方向にスライド操作することによって球抜き口36が開放される。
【0021】
次に、図2に基づいてパチンコ球の発射方式を説明する。遊技盤11の左側下方に、パチンコ球を発射するための発射レール40がほぼ垂直(正確にはファール球の逆戻りを避けるために上方側をやや左側に傾斜させた状態)に取り付けられている。この発射レール40の下端部をL字形に屈曲することにより形成された発射位置41には、パチンコ球の発射毎に前記整流器からパチンコ球が1個ずつ送られてくる。
【0022】
この発射位置41の近傍には、前記操作ハンドル18によって操作される発射装置42が設けられている。この発射装置42の操作ハンドル18は、図1に示すように、発射レール40の位置とは左右反対側の位置である遊技盤11の右側下方部に配置されている。この発射装置42は、モータ43で風車型のカム44を回転させ、そのカム44によりカム従動レバー45を軸46を中心に右方向に回動させることで、該軸46に固定された打球槌47を上下方向に揺動させる構成となっている。この場合、打球槌47はほぼ水平方向に取り付けられて、その先端の打撃部47aが発射位置41の下方に位置し、操作ハンドル18の回動操作量で引張力が調整されるスプリング(図示せず)によって打球槌47が上方(反時計回り方向)に付勢されている。
【0023】
そして、モータ43で回転されるカム44がカム従動レバー45を右方向に押して回動させる毎に、打球槌47が上記スプリングに抗して下方に回動され、カム44がカム従動レバー45から外れた瞬間に打球槌47が上記スプリングにより上方に瞬間的に回動され、打撃部47aが発射位置41上のパチンコ球を発射レール40に沿ってほぼ垂直上方に打ち上げる。発射レール40の上方には、遊技盤11に設けられたガイドレール16が位置し、発射レール40から上方に飛び出したパチンコ球がガイドレール16に沿って遊技盤11の上部中央へ案内される。
【0024】
一方、ガイドレール16を下方に逆戻りしてくるパチンコ球(ファール球)を球受皿25に回収するために、発射レール40の上部左側に隣接してファール球回収口48が設けられ、このファール球回収口48と球受皿25に設けられたファール球流入口49との間がファール球回収通路50によって連通されている。このファール球回収通路50は、ファール球流入口49に向かって下り勾配となるように形成され、ファール球回収口48内に落下したファール球が重力により自然にファール球回収通路50を流れてファール球流入口49から球受皿25内に流れ込むようになっている。
【0025】
この場合、発射レール40をやや左側に傾斜させることで、ガイドレール16の中間膨らみ部分(図1参照)から垂直に落下するファール球が発射レール40内に落下しないようになっており、ガイドレール16の中間膨らみ部分の垂直下方(つまりファール球の落下方向)にファール球回収口48が位置して、ファール球がファール球回収口48内に回収されやすい構造となっている。また、ファール球回収口48と発射レール40との境界部分にはファール球受片51が設けられ、このファール球受片51に落下したファール球がファール球回収口48内に転がり込むようになっている。
【0026】
以上説明した実施形態によれば、パチンコ球を遊技盤11の一側下方部からほぼ垂直上方に打ち上げるため、遊技盤11の下方を発射レール40が左右に横切らず、遊技盤11の盤面を下方に拡大するのに発射レール40が障害とならない。しかも、貸し球と賞球が受け入れられる球受皿25に、発射レール40側へ逆戻りしてくるファール球がファール球回収通路50を通って回収されるので、1つの球受皿25で貸し球と賞球及びファール球を全て処理することができて、従来の“下皿”が不要となり、遊技盤11の下方に設ける球受皿25が1皿のみで良くなる。
【0027】
この球受皿25の1皿化により、球受皿25の位置を従来の上皿の位置よりも低くすることができ、その分、遊技盤11の盤面の下方への拡大量を大きくすることができる。これにより、盤面構成の設計に余裕ができ、遊技盤11に設ける各種の役物・入賞装置の大型化や表示器・イルミネーションの増加等を容易に実現することができて、従来構造のものでは実現できない多様な入賞形態の盤面構成も可能となり、ゲーム性向上の要求も満たすことができる。しかも、従来では下皿に流れ込んでいたファール球も貸し球と賞球と一緒に1つの球受皿25に受け溜めることができるので、ゲーム中に遊技客がゲームを中断して下皿からパチンコ球を上皿へ移し替える作業を行う必要が無く、遊技客の手間を省くことができると共に、遊技客はパチンコ球に手を触れずにゲームすることができて、清潔である。
【0028】
ところで、球受皿25の1皿化に伴い、球受皿25の容量をある程度大きくする必要があるが、球受皿25の容量を大きくするに従って、球受皿25内で下流側のパチンコ球に加わる背圧(背後のパチンコ球から受ける荷重)が大きくなり、その背圧によってパチンコ球がブリッジを組んで球流れが悪くなってしまうおそれがある。
【0029】
この問題を解消するため、上記実施形態では、球受皿25の大容量化・1皿化に際して、球受皿25の底面を可動底板26で構成し、パチンコ球の貯留量が多くなるに従って、その重量により可動底板26がバネ28の反発力に抗して押し下げられてその下り勾配が小さくなるように構成している。これにより、球受皿25内のパチンコ球の貯留量が従来よりも多くなっても、パチンコ球1個当りの背圧を小さくすることができて、流出口31周辺のパチンコ球に加わる背圧を適正レベルに抑えることができ、流出口31周辺でパチンコ球がブリッジを組んで球流れが悪くなることを未然に防止することができる。そして、球受皿25内のパチンコ球の貯留量が減少するに従って、可動底板26に加わるパチンコ球の重量が小さくなって、可動底板26がバネ28により上方に押し戻され、可動底板26の下り勾配が大きくなって、パチンコ球が下流側へ流れ易い状態になる。これにより、流下口31周辺のパチンコ球に加わる背圧を常に適正レベルに自動調整することができて、スムーズな球流れを確保することができる。このため、球流れを悪くすることなく、球受皿25の容量を十分に大きくすることが可能となる。
【0030】
ところで、前述した特開平1−214383号公報に示されているパチンコ機は、パチンコ球の発射位置を遊技盤の右側下方部(操作ハンドルの近傍)に設定し、遊技盤の右側下方部からパチンコ球をほぼ垂直上方に打ち上げるようにしているので、遊技盤上部へのパチンコ球の跳び出し方向が反時計回り方向(従来の一般的なパチンコ機と反対)となり、従来機種でゲームしなれた遊技者が違和感を感じることがあった。
【0031】
そこで、上記実施形態では、発射レール40を遊技盤11の左側下方部に設け、遊技盤11の左側下方部からパチンコ球をほぼ垂直上方に打ち上げるようにしている。これにより、遊技盤11上部へのパチンコ球の跳び出し方向が従来の一般的なパチンコ機と同じ時計回り方向となり、従来機種でゲームしなれた遊技者でも違和感を感じることがない。
【0032】
また、遊技盤11の盤面拡大に伴って球受皿25の位置を低くすれば、それに伴なって発射位置41への球流れを確保するために発射位置41を低くする必要がある。そして、発射位置41が低くなれば、発射装置42の上下方向の設置スペースが制約され、狭いスペースで正確な発射動作を行わせる必要がある。
【0033】
そこで、上記実施形態では、発射装置42の打球槌47を上下方向に揺動させてパチンコ球を打ち上げる構成とし、打球槌47をほぼ水平方向に取り付けているので、上下方向に狭いスペースでも、十分な長さの打球槌47を配置することができて、上下方向に安定した発射動作を行うことができ、パチンコ球の跳び具合も安定させることができる。
【0034】
尚、上記実施形態では、可動底板26の前端部を下流側にして軸支させるようにしたが、例えば、可動底板の左端部又は右端部を下流側にして軸支させ、この可動底板の側方に流出口を形成するようにしても良い等、可動底板の軸支箇所,流出口の位置を適宜変更して実施することができる。
【0035】
その他、本発明は、球受皿25内に賞球を導く賞球通路の途中に、球受皿25内の賞球貯留量が満杯になったか否かを検出する手段を設け、満杯になったときにその旨を表示又は音で報知する報知手段を設けるようにしても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1のパチンコ機は、遊技盤の左側下方部に、パチンコ球をほぼ垂直上方に向けて打ち上げる発射装置を設けると共に、遊技盤の右側下方部に、発射装置の発射動作を操作する操作ハンドルを設け、且つ、遊技盤の下方に設ける球受皿を1皿のみとし、この球受皿内に貸し球、賞球及びファール球を受け入れるようにしたので、遊技盤面の下方への拡大が容易となり、遊技盤に設ける各種の役物・入賞装置の大型化や表示器・イルミネーションの増加等を容易に実現することができて、盤面構成の多様化やゲーム性向上の要求を満たすことができる。しかも、ゲーム中に遊技客が下皿からパチンコ球を上皿へ移し替える作業を行う必要が無く、遊技客の手間を省くことができると共に、遊技客はパチンコ球に手を触れずにゲームすることができて、清潔である。
更に、発射レールを遊技盤の左側下方部に設け、遊技盤の左側下方部からパチンコ球をほぼ垂直上方に打ち上げるようにしているので、遊技盤上部へのパチンコ球の跳び出し方向が従来の一般的なパチンコ機と同じ時計回り方向となり、従来機種でゲームしなれた遊技者でも違和感を感じることがない。
しかも、発射レールの上端部を遊技盤のガイドレールの中間膨らみ部分よりも右側に位置させて、ガイドレールの中間膨らみ部分の垂直下方(つまりファール球の落下方向)にファール球回収口を位置させるようにしたので、ファール球がファール球回収口内に回収されやすいという利点もある。
【0037】
更に、請求項2の構成では、球受皿内のパチンコ球の貯留量が多くなるに従って、その重量により可動底板が弾性支持手段の反発力に抗して押し下げられてその下り勾配が小さくなるように構成されているので、パチンコ球の貯留量が従来よりも多くなっても、パチンコ球1個当りの背圧を小さくすることができて、下流側のパチンコ球に加わる背圧を適正レベルに抑えることができ、下流側でパチンコ球がブリッジを組んで球流れが悪くなることを未然に防止することができ、球受皿の大容量化が可能となる。
【0039】
また、請求項3では、打球槌を上下方向に揺動させてパチンコ球を打ち上げる構成となっているので、上下方向に狭いスペースでも、十分な長さの打球槌を配置することができて、パチンコ球の跳び具合を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すパチンコ機全体の正面図
【図2】発射装置及び発射レール周辺の構造を説明する正面図
【図3】球受皿の縦断右側面図
【図4】図3のA−A線に沿って示す球受皿の縦断正面図
【図5】従来のパチンコ機を示す正面図
【符号の説明】
10…機枠、11…遊技盤、16…ガイドレール、18…操作ハンドル、25…球受皿、26…可動底板、28…バネ(弾性支持手段)、30…賞球流入口、31…流出口、32…整流路、36…球抜き口、37…球抜き部材、40…発射レール、41…発射位置、42…発射装置、43…モータ、44…カム、45…カム従動レバー、47…打球槌、48…ファール球回収口、49…ファール球流入口、50…ファール球回収通路、51…ファール球受片。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ球の発射方式と球受皿を改良することで、遊技盤の盤面拡大を容易にするパチンコ機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的なパチンコ機は、図5に示すように、パチンコ機の下部に上皿1と下皿2という2つの球受皿を設け、上皿1に貸し球と賞球を受け入れ、上皿1が賞球で満杯になったときに下皿2内へ賞球を流すようになっている。更に、遊技盤3の下方に、パチンコ球を右側下部から左側斜め上方に向けて発射する発射レール4を設け、発射レール4側へ逆戻りしてくるファール球を下皿2内に回収するようになっている。
【0003】
近年のパチンコ機は、ゲーム内容が益々多様化する傾向にあり、それに伴って遊技盤3に設ける各種の役物・入賞装置の大型化や表示器・イルミネーションの増加等、遊技盤3の盤面構成にも様々な工夫が凝らされるようになってきている。盤面構成上は、遊技盤3の盤面が大きくなるほど、盤面構成の設計の自由度も大きくなり、盤面構成の多様化・ゲーム性向上に好都合である。従来より、パチンコ機の外形寸法は一定サイズに規定されているので、遊技盤13の盤面を拡大するとしたら、遊技盤3の盤面を下方に拡大することになるが、上述したように、遊技盤3の下方には、発射レール4と上下2つの球受皿1,2を設けるスペースが必要となるため、実際には遊技盤13の盤面を下方に拡大することは不可能であった。
【0004】
そこで、本発明者は、特開平1−214383号公報に示すように、発射レールを遊技盤の右側下方部にほぼ垂直に設け、パチンコ球を遊技盤の右側下方部からほぼ垂直上方に打ち上げるようにしたパチンコ機を提案している。このパチンコ機では、遊技盤の下方を発射レールが横切らないため、その分、遊技盤面を下方へ拡大することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公開公報のパチンコ機でも、図5のパチンコ機と同じく、上下2つのの球受皿が必要となる。つまり、貸し球と賞球を受け入れる上皿と下方へ逆戻りしてくるファール球を受け入れる下皿とが必要となるため、遊技盤面の下方への拡大が上下2つの球受皿によって制限されてしまい、遊技盤面を少量拡大できるに過ぎない。
【0006】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、遊技盤面の下方への拡大が容易で、盤面構成の設計の自由度を大きくすることができるパチンコ機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のパチンコ機は、遊技盤の左側下方部に、パチンコ球を該遊技盤へ向ってほぼ垂直上方に打ち上げる発射装置を設けると共に、前記遊技盤の右側下方部に、前記発射装置の発射動作を操作する操作ハンドルを設け、且つ、前記遊技盤の下方に設ける球受皿を1皿のみとし、この球受皿内に貸し球と賞球を受け入れてその球を1個ずつ前記発射装置へ供給すると共に、前記発射装置で打ち上げるパチンコ球を前記遊技盤へ向ってほぼ垂直上方に案内する発射レールを、その上方側をやや左側に傾斜させた状態で前記遊技盤の左側下方部に設け、前記遊技盤の下方へ逆戻りしてくるファール球を回収するためのファール球回収口を前記発射レールの上部左側に隣接して設けると共に、このファール球回収口と前記球受皿との間をファール球回収通路で接続し、前記発射レールから上方に飛び出したパチンコ球を前記遊技盤の上部中央へ案内するガイドレールの中間膨らみ部分よりも前記発射レールの上端部を右側に位置させることで、前記ガイドレールの中間膨らみ部分の垂直下方に前記ファール球回収口を位置させた構成としたものである。
【0008】
この構成では、パチンコ球を遊技盤の左側下方部からほぼ垂直上方に打ち上げるため、遊技盤の下方をパチンコ球の発射通路が左右に横切らずに済み、遊技盤面の下方への拡大に発射通路が障害とならない。しかも、貸し球と賞球が受け入れられる球受皿に、発射レール側へ逆戻りしてくるファール球がファール球回収通路を通って回収される。これにより、1つの球受皿で貸し球と賞球及びファール球を全て処理することができるようになるため、従来の“下皿”が不要となり、遊技盤の下方に設ける球受皿が1皿のみで良くなる。この球受皿の1皿化により、球受皿の位置を従来の上皿の位置よりも低くすることができ、その分、遊技盤面の下方への拡大量を大きくすることができる。
ところで、前述した特開平1−214383号公報に示されているパチンコ機は、パチンコ球の発射位置を遊技盤の右側下方部(操作ハンドルの近傍)に設定し、遊技盤の右側下方部からパチンコ球をほぼ垂直上方に打ち上げるようにしているため、遊技盤上部へのパチンコ球の跳び出し方向が反時計回り方向(従来の一般的なパチンコ機と反対)となり、従来機種でゲームしなれた遊技者が違和感を感じることがあった。
そこで、請求項1では、発射装置で打ち上げるパチンコ球を遊技盤へ向ってほぼ垂直上方に案内する発射レールを遊技盤の左側下方部に設け、遊技盤の左側下方部からパチンコ球をほぼ垂直上方に打ち上げるようにしているため、遊技盤上部へのパチンコ球の跳び出し方向が従来の一般的なパチンコ機と同じ時計回り方向となり、従来機種でゲームしなれた遊技者でも違和感を感じることがない。
しかも、発射レールの上端部を遊技盤のガイドレールの中間膨らみ部分よりも右側に位置させて、ガイドレールの中間膨らみ部分の垂直下方(つまりファール球の落下方向)にファール球回収口を位置させるようにしたので、ファール球がファール球回収口内に回収されやすい構造となっている。
【0009】
ところで、球受皿の1皿化に伴い、球受皿の容量をある程度大きくする必要があるが、球受皿の容量を大きくするに従って、球受皿内で下流側のパチンコ球に加わる背圧(背後のパチンコ球から受ける荷重)が大きくなり、その背圧によってパチンコ球がブリッジを組んで球流れが悪くなってしまうおそれがある。
【0010】
そこで、請求項2では、球受皿を、数百個程度若しくはそれ以上のパチンコ球を貯留できるように大容量化すると共に、その底面の少なくとも一部を上下方向に傾動可能な可動底板により構成し、この可動底板を弾性支持手段により弾性支持させる。この球受皿は、パチンコ球の貯留量が多くなるに従ってその重量により可動底板が弾性支持手段の反発力に抗して押し下げられ、その下り勾配が小さくなる(ここで「下り勾配が小さくなる」とは下り勾配が0°に近付くことと0°以下になることのいずれかを意味する)。この構成により、球受皿内のパチンコ球の貯留量が従来よりも多くなっても、パチンコ球1個当りの背圧が小さくなって、下流側のパチンコ球に加わる背圧が適正レベルに抑えられ、下流側でパチンコ球がブリッジを組んで球流れが悪くなることが未然に防止される。
【0011】
その後、パチンコ球の貯留量が少なくなるに従って、可動底板に加わるパチンコ球の重量が小さくなって、可動底板が弾性支持手段により上方へ押し戻され、可動底板の下り勾配が大きくなる。これにより、下流側のパチンコ球に加わる背圧が常に適正レベルに自動調整されて、スムーズな球流れが確保される。
【0014】
また、遊技盤の盤面拡大に伴って球受皿の位置を低くすれば、それに伴なって発射位置への球流れを確保するために発射位置を低くする必要がある。そして、発射位置が低くなれば、発射装置の上下方向の設置スペースが制約され、狭いスペースで正確な発射動作を行わせる必要がある。
【0015】
そこで、請求項3では、発射装置は、打球槌を上下方向に揺動させてパチンコ球を打ち上げる構成となっている。この構成では、打球槌がほぼ水平方向に取り付けられるので、上下方向に狭いスペースでも、十分な長さの打球槌を配置することが可能となり、上下方向に安定した発射動作を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。パチンコ機の機枠10に遊技盤11が取り付けられ、この遊技盤11の盤面には、例えば複数の表示器12を組み合わせた大型センター役物、各種の入賞口13、大型センター役物を始動させるための始動口14、大型センター役物の動作結果によって開放時間・開放回数が可変される可変入賞装置15等が設けられている。また、遊技盤11の左側部には、後述するように遊技盤11の左側下方部からほぼ垂直上方に打ち上げられたパチンコ球を遊技盤11の上部中央へ案内するガイドレール16が設けられている。
【0017】
また、機枠10の前面下部には前板17が設けられ、この前板17には、操作ハンドル18と、数百個程度若しくはそれ以上のパチンコ球を貯留できるように大容量化された球受皿25が1皿のみ設けられている。以下、この球受皿25の構成を図3(縦断右側面図)及び図4(縦断正面図)に基づいて説明する。この球受皿25は、機枠10の前面に設けられた賞球流入口30から流入したパチンコ球(賞球)を受け溜め、このパチンコ球を球受皿25の前部に設けられた流出口31に向けて前方へ流すようになっている。この球受皿25は、底面を可動底板26により構成し、この可動底板26の前端部を軸27を介して球受皿25の側壁に支持させることで、その軸27を支点にして可動底板26を上下方向に傾動可能に支持させている。
【0018】
この可動底板26の後部側は、下方から弾性支持手段であるバネ28により受け支えられ、パチンコ球の貯留量が少ないときには、可動底板26の後部側がバネ28の反発力により押し上げられて、可動底板26の下り勾配が大きくなる。この可動底板26の最大勾配は、可動底板26の上流側端部(後端部)に設けられた突片26aが、球受皿25の後壁に形成されたストッパ部29に突き当たることで規制される。そして、球受皿25内のパチンコ球の貯留量が多くなるに従って、その重量により可動底板26がバネ28の反発力に抗して図3に二点鎖線で示すように押し下げられてその下り勾配が小さくなる(この実施形態では、最終的には下り勾配が0°以下になる)。
【0019】
この実施形態では、可動底板26の下流側の1辺部を除く他の3辺部に、立上り壁26bが一体に形成され、この立上り壁26bでパチンコ球を受けることによって球受皿25の内側面とパチンコ球との接触抵抗を少なくして、可動底板26の上下動をスムーズに行わせるようになっている。更に、この可動底板26は左右両側部から中央部の流出口31側に向けて自然に球流れするように、左右両側部から中央部に向けて下り傾斜がつけられている。
【0020】
一方、可動底板26から流出口31へ流出したパチンコ球は、球受皿25の前部に設けられた整流路32(図4参照)に流れ込み、この整流路32内で一列に整列されながら左側方へ流れて、球受皿25の左側部に設けられた整流器(図示せず)に導かれる。上記整流路32の途中部の上壁面には、パチンコ球の流れを一列にならす球ならし板34がスプリング35により下方に付勢された状態で設けられている。また、整流路32の上流部には球抜き口36が設けられ、この球抜き口36を球抜き部材37によって開閉できるようになっている。この球抜き部材37は、通常はスプリング38の弾発力により球抜き口36を閉鎖する位置に保持され、遊技客が球抜き部材37のレバー39(図3参照)を右方向にスライド操作することによって球抜き口36が開放される。
【0021】
次に、図2に基づいてパチンコ球の発射方式を説明する。遊技盤11の左側下方に、パチンコ球を発射するための発射レール40がほぼ垂直(正確にはファール球の逆戻りを避けるために上方側をやや左側に傾斜させた状態)に取り付けられている。この発射レール40の下端部をL字形に屈曲することにより形成された発射位置41には、パチンコ球の発射毎に前記整流器からパチンコ球が1個ずつ送られてくる。
【0022】
この発射位置41の近傍には、前記操作ハンドル18によって操作される発射装置42が設けられている。この発射装置42の操作ハンドル18は、図1に示すように、発射レール40の位置とは左右反対側の位置である遊技盤11の右側下方部に配置されている。この発射装置42は、モータ43で風車型のカム44を回転させ、そのカム44によりカム従動レバー45を軸46を中心に右方向に回動させることで、該軸46に固定された打球槌47を上下方向に揺動させる構成となっている。この場合、打球槌47はほぼ水平方向に取り付けられて、その先端の打撃部47aが発射位置41の下方に位置し、操作ハンドル18の回動操作量で引張力が調整されるスプリング(図示せず)によって打球槌47が上方(反時計回り方向)に付勢されている。
【0023】
そして、モータ43で回転されるカム44がカム従動レバー45を右方向に押して回動させる毎に、打球槌47が上記スプリングに抗して下方に回動され、カム44がカム従動レバー45から外れた瞬間に打球槌47が上記スプリングにより上方に瞬間的に回動され、打撃部47aが発射位置41上のパチンコ球を発射レール40に沿ってほぼ垂直上方に打ち上げる。発射レール40の上方には、遊技盤11に設けられたガイドレール16が位置し、発射レール40から上方に飛び出したパチンコ球がガイドレール16に沿って遊技盤11の上部中央へ案内される。
【0024】
一方、ガイドレール16を下方に逆戻りしてくるパチンコ球(ファール球)を球受皿25に回収するために、発射レール40の上部左側に隣接してファール球回収口48が設けられ、このファール球回収口48と球受皿25に設けられたファール球流入口49との間がファール球回収通路50によって連通されている。このファール球回収通路50は、ファール球流入口49に向かって下り勾配となるように形成され、ファール球回収口48内に落下したファール球が重力により自然にファール球回収通路50を流れてファール球流入口49から球受皿25内に流れ込むようになっている。
【0025】
この場合、発射レール40をやや左側に傾斜させることで、ガイドレール16の中間膨らみ部分(図1参照)から垂直に落下するファール球が発射レール40内に落下しないようになっており、ガイドレール16の中間膨らみ部分の垂直下方(つまりファール球の落下方向)にファール球回収口48が位置して、ファール球がファール球回収口48内に回収されやすい構造となっている。また、ファール球回収口48と発射レール40との境界部分にはファール球受片51が設けられ、このファール球受片51に落下したファール球がファール球回収口48内に転がり込むようになっている。
【0026】
以上説明した実施形態によれば、パチンコ球を遊技盤11の一側下方部からほぼ垂直上方に打ち上げるため、遊技盤11の下方を発射レール40が左右に横切らず、遊技盤11の盤面を下方に拡大するのに発射レール40が障害とならない。しかも、貸し球と賞球が受け入れられる球受皿25に、発射レール40側へ逆戻りしてくるファール球がファール球回収通路50を通って回収されるので、1つの球受皿25で貸し球と賞球及びファール球を全て処理することができて、従来の“下皿”が不要となり、遊技盤11の下方に設ける球受皿25が1皿のみで良くなる。
【0027】
この球受皿25の1皿化により、球受皿25の位置を従来の上皿の位置よりも低くすることができ、その分、遊技盤11の盤面の下方への拡大量を大きくすることができる。これにより、盤面構成の設計に余裕ができ、遊技盤11に設ける各種の役物・入賞装置の大型化や表示器・イルミネーションの増加等を容易に実現することができて、従来構造のものでは実現できない多様な入賞形態の盤面構成も可能となり、ゲーム性向上の要求も満たすことができる。しかも、従来では下皿に流れ込んでいたファール球も貸し球と賞球と一緒に1つの球受皿25に受け溜めることができるので、ゲーム中に遊技客がゲームを中断して下皿からパチンコ球を上皿へ移し替える作業を行う必要が無く、遊技客の手間を省くことができると共に、遊技客はパチンコ球に手を触れずにゲームすることができて、清潔である。
【0028】
ところで、球受皿25の1皿化に伴い、球受皿25の容量をある程度大きくする必要があるが、球受皿25の容量を大きくするに従って、球受皿25内で下流側のパチンコ球に加わる背圧(背後のパチンコ球から受ける荷重)が大きくなり、その背圧によってパチンコ球がブリッジを組んで球流れが悪くなってしまうおそれがある。
【0029】
この問題を解消するため、上記実施形態では、球受皿25の大容量化・1皿化に際して、球受皿25の底面を可動底板26で構成し、パチンコ球の貯留量が多くなるに従って、その重量により可動底板26がバネ28の反発力に抗して押し下げられてその下り勾配が小さくなるように構成している。これにより、球受皿25内のパチンコ球の貯留量が従来よりも多くなっても、パチンコ球1個当りの背圧を小さくすることができて、流出口31周辺のパチンコ球に加わる背圧を適正レベルに抑えることができ、流出口31周辺でパチンコ球がブリッジを組んで球流れが悪くなることを未然に防止することができる。そして、球受皿25内のパチンコ球の貯留量が減少するに従って、可動底板26に加わるパチンコ球の重量が小さくなって、可動底板26がバネ28により上方に押し戻され、可動底板26の下り勾配が大きくなって、パチンコ球が下流側へ流れ易い状態になる。これにより、流下口31周辺のパチンコ球に加わる背圧を常に適正レベルに自動調整することができて、スムーズな球流れを確保することができる。このため、球流れを悪くすることなく、球受皿25の容量を十分に大きくすることが可能となる。
【0030】
ところで、前述した特開平1−214383号公報に示されているパチンコ機は、パチンコ球の発射位置を遊技盤の右側下方部(操作ハンドルの近傍)に設定し、遊技盤の右側下方部からパチンコ球をほぼ垂直上方に打ち上げるようにしているので、遊技盤上部へのパチンコ球の跳び出し方向が反時計回り方向(従来の一般的なパチンコ機と反対)となり、従来機種でゲームしなれた遊技者が違和感を感じることがあった。
【0031】
そこで、上記実施形態では、発射レール40を遊技盤11の左側下方部に設け、遊技盤11の左側下方部からパチンコ球をほぼ垂直上方に打ち上げるようにしている。これにより、遊技盤11上部へのパチンコ球の跳び出し方向が従来の一般的なパチンコ機と同じ時計回り方向となり、従来機種でゲームしなれた遊技者でも違和感を感じることがない。
【0032】
また、遊技盤11の盤面拡大に伴って球受皿25の位置を低くすれば、それに伴なって発射位置41への球流れを確保するために発射位置41を低くする必要がある。そして、発射位置41が低くなれば、発射装置42の上下方向の設置スペースが制約され、狭いスペースで正確な発射動作を行わせる必要がある。
【0033】
そこで、上記実施形態では、発射装置42の打球槌47を上下方向に揺動させてパチンコ球を打ち上げる構成とし、打球槌47をほぼ水平方向に取り付けているので、上下方向に狭いスペースでも、十分な長さの打球槌47を配置することができて、上下方向に安定した発射動作を行うことができ、パチンコ球の跳び具合も安定させることができる。
【0034】
尚、上記実施形態では、可動底板26の前端部を下流側にして軸支させるようにしたが、例えば、可動底板の左端部又は右端部を下流側にして軸支させ、この可動底板の側方に流出口を形成するようにしても良い等、可動底板の軸支箇所,流出口の位置を適宜変更して実施することができる。
【0035】
その他、本発明は、球受皿25内に賞球を導く賞球通路の途中に、球受皿25内の賞球貯留量が満杯になったか否かを検出する手段を設け、満杯になったときにその旨を表示又は音で報知する報知手段を設けるようにしても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1のパチンコ機は、遊技盤の左側下方部に、パチンコ球をほぼ垂直上方に向けて打ち上げる発射装置を設けると共に、遊技盤の右側下方部に、発射装置の発射動作を操作する操作ハンドルを設け、且つ、遊技盤の下方に設ける球受皿を1皿のみとし、この球受皿内に貸し球、賞球及びファール球を受け入れるようにしたので、遊技盤面の下方への拡大が容易となり、遊技盤に設ける各種の役物・入賞装置の大型化や表示器・イルミネーションの増加等を容易に実現することができて、盤面構成の多様化やゲーム性向上の要求を満たすことができる。しかも、ゲーム中に遊技客が下皿からパチンコ球を上皿へ移し替える作業を行う必要が無く、遊技客の手間を省くことができると共に、遊技客はパチンコ球に手を触れずにゲームすることができて、清潔である。
更に、発射レールを遊技盤の左側下方部に設け、遊技盤の左側下方部からパチンコ球をほぼ垂直上方に打ち上げるようにしているので、遊技盤上部へのパチンコ球の跳び出し方向が従来の一般的なパチンコ機と同じ時計回り方向となり、従来機種でゲームしなれた遊技者でも違和感を感じることがない。
しかも、発射レールの上端部を遊技盤のガイドレールの中間膨らみ部分よりも右側に位置させて、ガイドレールの中間膨らみ部分の垂直下方(つまりファール球の落下方向)にファール球回収口を位置させるようにしたので、ファール球がファール球回収口内に回収されやすいという利点もある。
【0037】
更に、請求項2の構成では、球受皿内のパチンコ球の貯留量が多くなるに従って、その重量により可動底板が弾性支持手段の反発力に抗して押し下げられてその下り勾配が小さくなるように構成されているので、パチンコ球の貯留量が従来よりも多くなっても、パチンコ球1個当りの背圧を小さくすることができて、下流側のパチンコ球に加わる背圧を適正レベルに抑えることができ、下流側でパチンコ球がブリッジを組んで球流れが悪くなることを未然に防止することができ、球受皿の大容量化が可能となる。
【0039】
また、請求項3では、打球槌を上下方向に揺動させてパチンコ球を打ち上げる構成となっているので、上下方向に狭いスペースでも、十分な長さの打球槌を配置することができて、パチンコ球の跳び具合を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すパチンコ機全体の正面図
【図2】発射装置及び発射レール周辺の構造を説明する正面図
【図3】球受皿の縦断右側面図
【図4】図3のA−A線に沿って示す球受皿の縦断正面図
【図5】従来のパチンコ機を示す正面図
【符号の説明】
10…機枠、11…遊技盤、16…ガイドレール、18…操作ハンドル、25…球受皿、26…可動底板、28…バネ(弾性支持手段)、30…賞球流入口、31…流出口、32…整流路、36…球抜き口、37…球抜き部材、40…発射レール、41…発射位置、42…発射装置、43…モータ、44…カム、45…カム従動レバー、47…打球槌、48…ファール球回収口、49…ファール球流入口、50…ファール球回収通路、51…ファール球受片。
Claims (3)
- 遊技盤の左側下方部に、パチンコ球を該遊技盤へ向ってほぼ垂直上方に打ち上げる発射装置を設けると共に、前記遊技盤の右側下方部に、前記発射装置の発射動作を操作する操作ハンドルを設け、且つ、前記遊技盤の下方に設ける球受皿を1皿のみとし、この球受皿内に貸し球と賞球を受け入れてその球を1個ずつ前記発射装置へ供給するパチンコ機であって、
前記発射装置で打ち上げるパチンコ球を前記遊技盤へ向ってほぼ垂直上方に案内する発射レールを、その上方側をやや左側に傾斜させた状態で前記遊技盤の左側下方部に設け、
前記遊技盤の下方へ逆戻りしてくるファール球を回収するためのファール球回収口を前記発射レールの上部左側に隣接して設けると共に、このファール球回収口と前記球受皿との間をファール球回収通路で接続し、
前記発射レールから上方に飛び出したパチンコ球を前記遊技盤の上部中央へ案内するガイドレールの中間膨らみ部分よりも前記発射レールの上端部を右側に位置させることで、前記ガイドレールの中間膨らみ部分の垂直下方に前記ファール球回収口を位置させたことを特徴とするパチンコ機。 - 前記球受皿は、数百個程度若しくはそれ以上のパチンコ球を貯留できるように大容量化されていると共に、その底面の少なくとも一部が上下方向に傾動可能な可動底板により構成され、この可動底板が弾性支持手段により弾性支持されていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機。
- 前記発射装置は、打球槌を上下方向に揺動させてパチンコ球を打ち上げることを特徴とする請求項1又は2に記載のパチンコ機。
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