JP5029861B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技盤を保持する前面枠と、該前面枠に対して開閉可能に取り付けられ、遊技球を貯留可能な球貯留皿を備える開閉部材と、前記球貯留皿に貯留された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するための発射装置とを備える遊技機に関する。
従来、遊技球を用いた弾発遊技を行える遊技機においては、球供給皿に貯留された遊技球を球送り装置により1個宛て発射装置の発射位置に供給し、発射位置にて待機する遊技球を発射装置の弾発部により弾発して発射勢を与え、遊技盤の発射球導入領域を通り抜けた遊技球が遊技領域へ到達するように構成されている。
このように、発射装置により発射された遊技球は、まず遊技盤の発射球導入路を通って行くため、発射装置で弾発された遊技球の発射勢が極端に減衰してしまうような事がないように、発射球導入路に対する発射装置の適切な位置決めを行うべく、遊技盤が固定保持される前面枠に発射装置を固定するものとなっている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2004−194881号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の遊技機においては、発射装置を前面枠に固定することから、発射球導入路に対する発射装置の位置決めは微調整できるものの、発射用の遊技球を貯留する球貯留皿が設けられる開閉部材との適正な位置決めは、別途行わなければならず、作業性が悪いという問題がある。
すなわち、球貯留皿から発射装置へ遊技球を供給する球供給機構の球送り口(開閉部材の裏面側に開口)が、発射装置の球取込口(発射装置の前面側に開口)からずれていると、発射装置の発射位置へ遊技球が常に適切な状態で供給されないため、発射装置の弾発部による弾発位置が微妙にブレてムラ飛びの原因となってしまうので、開閉部材を何度も開け閉めして、開閉部材の取付位置や発射装置の取付位置を慎重に調整しなければならない。しかも、特許文献1に記載の遊技機では、発射装置を前面枠の裏面から取り付ける構造であり、調整作業を一層困難にしている。
なお、球供給機構の球送り口と発射装置の球取込口との位置合わせを容易に行う方法として、発射装置を開閉部材側に取り付ける方法が考えられるものの、開閉部材は頻繁に開閉される関係上、前面枠に対して強固に固定する構造は採られていないし、開閉部材自体が軽量に構成されているため、発射装置を開閉部材に取り付けてしまうと、発射装置の激しい弾発動作で開閉部材が振動し、ムラ飛びが発生してしまう可能性が高く、これを回避できる開閉部材や発射装置の固定手法が必要となる。よって、球供給皿が設けられる開閉部材と発射装置とを単純に一体化するだけでは問題解決にならない。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、発射装置と発射球導入路との適切な位置決めおよび発射装置と開閉部材との適切な位置決めを容易に実現でき、組立時の作業性を高められる遊技機の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、遊技盤を保持する前面枠と、該前面枠に対して開閉可能に取り付けられ、遊技球を貯留可能な球貯留皿を備える開閉部材と、前記球貯留皿に貯留された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するための発射装置とを備える遊技機において、前記前面枠の開閉部材取付側には、発射装置収容空部内へ前面側から前記発射装置を収容して固定保持する発射装置取付部を形成し、前記発射装置は、前記球貯留に貯留された遊技球が送り出される開閉部材裏面の発射球送り込み口を介して遊技球を受け入れる発射球取込口から発射位置に供給された遊技球を弾発する弾発部材と、前記弾発部材を駆動する駆動源と、前記弾発部材および前記駆動源を取り付けると共に、前記発射装置取付部へ固定保持される発射ベース部材と、を一体的に備え、前記発射ベース部材には、前記開閉部材を開閉可能に軸着する軸着部を形成することで、前面枠の発射装置取付部に固定保持された発射装置にて前記開閉部材を開閉可能に保持し、前記開閉部材を前記前面枠に閉止したときには、前記開閉部材の発射球送り込み口と前記発射装置の発射球取込口とが一致するようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の遊技機において、前記発射装置取付部には、前記発射装置収容空部内で発射ベース部材が動くことを抑制して固定する固定状態と、発射装置収容空部から発射装置を取り外せる固定解除状態と、に変換可能な発射装置固定手段、を設けたことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記請求項2に記載の遊技機において、前記発射装置固定手段は、少なくとも、発射装置収容空部の上下幅を後方に向って狭小ならしめる上下動抑制部と、発射装置収容空部の一側方に設けられ、発射ベース部材の第1側部を係合させることで、発射ベース部材を前後動困難に保持する側部係合部と、発射装置収容空部の他側方に設けられ、前記側部係合部に第1側部が係合された発射ベース部材の他側である第2側部を前後動困難に固定する固定状態と、発射ベース部材の第2側部を前後動可能に開放する固定解除状態とに変換可能な固定部材と、を備えることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、前記請求項3に記載の遊技機において、前記発射装置固定手段の固定部材は、前後方向の軸回りに回動自在に軸着される回動部と、前記回動部から回動軸方向に直交するよう延出する固定腕部と、を備え、前記固定腕部が発射装置収容空部から退避するように回動部を回動させることで固定解除状態を、発射装置収容空部内に収容された発射ベース部材の第2側部前面に固定腕部を係合させることで固定状態を、各々生ぜしめるようにしたことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、前記請求項3又は請求項4の何れか1項に記載の遊技機において、前記発射装置固定手段には、固定解除状態から固定状態へ変換することに伴って、発射ベース部材の第2側部を第1側部へ押圧する側方移動抑制部を設けたことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、前記請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遊技機において、前記発射ベース部材には、弾発部材により弾発された遊技球を、遊技盤の遊技領域に連通する発射球導入路へガイドする発射球ガイド部材を設け、前記前面枠の発射装置収容空部に発射装置が固定保持されたときに、発射装置の発射球ガイド部材の上端が、前面枠に収容された遊技盤の発射球導入路下端まで延出するようにしたことを特徴とする。
請求項1に係る遊技機によれば、前記前面枠の開閉部材取付側には、発射装置収容空部内へ前面側から前記発射装置を収容して固定保持する発射装置取付部を形成し、前記発射装置は、前記球貯留に貯留された遊技球が送り出される開閉部材裏面の発射球送り込み口を介して遊技球を受け入れる発射球取込口から発射位置に供給された遊技球を弾発する弾発部材と、前記弾発部材を駆動する駆動源と、前記弾発部材および前記駆動源を取り付けると共に、前記発射装置取付部へ固定保持される発射ベース部材と、を一体的に備え、前記発射ベース部材には、前記開閉部材を開閉可能に軸着する軸着部を形成することで、前面枠の発射装置取付部に固定保持された発射装置にて前記開閉部材を開閉可能に保持し、前記開閉部材を前記前面枠に閉止したときには、前記開閉部材の発射球送り込み口と前記発射装置の発射球取込口とが一致するようにしたので、球貯留皿が設けられる開閉部材から発射装置へ適切に球供給できるような調整作業が容易になる。加えて、発射装置は前面枠の発射装置取付部に固定保持されるので、駆動源の駆動による振動が発射装置自体に影響することを抑制し、発射装置による安定的な弾発動作を期せる。さらに、発射装置は、発射装置取付部の発射装置収容空部へ前面側から固定保持するので、前面枠の裏面から発射装置を取り付ける場合に比して、格段に作業性が良いという利点もある。しかも、開閉部材を発射装置に開閉可能に取り付ける構造とすれば、開閉部材の発射球送り込み口と発射装置の発射球取込口との位置合わせに十分な加工精度を容易に実現できるので、組み立て工程を簡素化できる。
また、請求項2に係る遊技機によれば、前記発射装置取付部には、前記発射装置収容空部内で発射ベース部材が動くことを抑制して固定する固定状態と、発射装置収容空部から発射装置を取り外せる固定解除状態と、に変換可能な発射装置固定手段、を設けたので、発射装置取付部に対する発射装置の取付作業や取外作業を効率良く行うことができる。
また、請求項3に係る遊技機によれば、前記発射装置固定手段は、少なくとも、発射装置収容空部の上下幅を後方に向って狭小ならしめる上下動抑制部と、発射装置収容空部の一側方に設けられ、発射ベース部材の第1側部を係合させることで、発射ベース部材を前後動困難に保持する側部係合部と、発射装置収容空部の他側方に設けられ、前記側部係合部に第1側部が係合された発射ベース部材の他側である第2側部を前後動困難に固定する固定状態と、発射ベース部材の第2側部を前後動可能に開放する固定解除状態とに変換可能な固定部材と、を備えるので、発射装置の発射ベース部材を発射装置収容空部の後方へ押し込んで行くだけで、上下動抑制部によって発射ベース部材を上下動困難に固定できると共に、上下動抑制部と発射ベース部材との接触により発射ベース部材の左右方向への動作も抑制でき、更に、側部係合部と固定部材とによって発射ベース部材は前後動困難に固定され、簡易な構造で発射装置を強固に固定保持できる。
また、請求項4に係る遊技機によれば、前記発射装置固定手段の固定部材は、前後方向の軸回りに回動自在に軸着される回動部と、前記回動部から回動軸方向に直交するよう延出する固定腕部と、を備え、前記固定腕部が発射装置収容空部から退避するように回動部を回動させることで固定解除状態を、発射装置収容空部内に収容された発射ベース部材の第2側部前面に固定腕部を係合させることで固定状態を、各々生ぜしめるようにしたので、固定部材の固定腕部を回動させるという簡易な操作で状態変換を行うことができ、作業性が一層良くなる。
また、請求項5に係る遊技機によれば、前記発射装置固定手段には、固定部材を固定解除状態から固定状態へ変換することに伴って、発射ベース部材の第2側部を第1側部へ押圧する側方移動抑制部を設けたので、固定部材を固定状態に変換すると、発射装置の発射ベース部材を前後動困難に固定すると同時に、側方移動抑制部により発射ベース部材は側方移動困難に固定され、簡易な構造で発射装置を強固に固定保持できる。
また、請求項6に係る遊技機によれば、前記発射ベース部材には、弾発部材により弾発された遊技球を、遊技盤の遊技領域に連通する発射球導入路へガイドする発射球ガイド部材を設け、前記前面枠の発射装置収容空部に発射装置が固定保持されたときに、発射装置の発射球ガイド部材の上端が、前面枠に収容された遊技盤の発射球導入路下端まで延出するようにしたので、発射装置に設けた発射球ガイド部材から遊技盤の発射球導入路へ適切に球供給できるようにする調整作業が容易となるし、弾発部材に弾発された遊技球は発射球ガイド部材から発射球導入路へ円滑に導入されることとなり、ムラ飛び防止に有効である。
次に、本発明に係る遊技機の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1に示すのは、弾球遊技を行える遊技機1の正面図である。本実施形態として示す遊技機1には遊技に関連した各種機能(後に詳述)を付加し、遊技機1の一側方には、プリペイドカード(所定の金額で予め販売される弾球遊技用のカードであって、通貨と等価な有価データを記憶させたものをいう)の使用を可能ならしめるカード制御機能や球貸制御機能等を付加した球貸ユニット(図示を省略)を設け、球貸ユニットで借り受けた遊技球を用いて遊技機1で遊技を行えるようにした。なお、球貸ユニットが備える機能の全部もしくは一部を遊技機1に付加し、遊技機1から遊技球を貸し出すようにしても良い。
遊技機1は、額縁状の本体枠2の前面側に各種の遊技機能部が設けられた前面枠3を開閉可能に設け、該前面枠3の前面側に透明部材保持枠4と開閉部材5を各々開閉可能に設けた外観を有するものである。この遊技機1は、遊技店内の基台B上に列設され、遊技機列よりなる遊技島が構成される。
図2は、透明部材保持枠4と開閉部材5を取り外した前面枠3の正面図で、前面枠の一側(図1および図2においては左側)上部に設けた上部ヒンジ31のヒンジ孔31aと下部に設けた下部ヒンジ32のヒンジ孔32aが、各々本体枠2の一側(図1および図2においては左側)上部に設けた上部ヒンジ21のヒンジ軸21aと下部に設けた下部ヒンジ22のヒンジ軸22aに各々嵌合することで、前面枠3の上下部ヒンジ31,32を設けた左側が軸着側となり、他側(図1および図2においては右側)が開放側となる。なお、前面枠3に回動可能に取り付けられる透明部材保持枠4および開閉部材5の軸着側も、前面枠3の軸着側と一致させ、前面枠3,透明部材保持枠4,開閉部材5を開放したときに本体枠2に掛かる重量負荷を一側に集中させるものとした。
前記透明部材保持枠4は、透明なガラスや硬質合成樹脂等よりなる透明部材4aを保持するもので、この透明部材4aを通して、その背面側に装着された遊技盤6の遊技領域6aが遊技者から視認可能となる。また、透明部材保持枠4の適所には、発光演出や報知動作等に用いる装飾部材4b、演出用効果音の出力や音声報知等に用いるスピーカ4cを設けてある。
前記遊技盤6の遊技領域6aは、区画部材7によって区画された略円形状の領域で、発射球導入路6bを介して遊技球が導入される領域である。この遊技領域6aには、遊技球の流下状態に変化を与える障害釘が植設されると共に、変動表示ゲームを行うための変動表示装置や球の入賞状態が変化する変動入賞装置といった大型の遊技装置のほか、種々の入賞口等が配置され、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球は、アウト口6cから回収される。
また、開閉部材5には、遊技者が遊技に際して操作する発射操作ハンドル8、発射用の遊技球を貯留して球供給位置へ供給する球貯留皿9などが設けられ、該球貯留皿9より供給位置に供給された遊技球が球送り機構(後に詳述)によって1個宛て発射装置10の発射位置へ供給されると、弾発部材10aによって弾発され、発射誘導路10bを介して遊技盤6の発射球導入路6bに向けて打ち上げられる。打ち上げられた遊技球は、その発射勢によって発射導入路6bを通過し、遊技領域6aに到達するのである。
ここで、球貯留皿9の詳細構造について説明する。図3に示すのは、球貯留皿9が前面側に設けられた開閉部材5の上端縁に沿う遊技機1の横断平面図であり、球貯留皿9の球貯留凹部が上方から見える。
球貯留皿9には、図3に示すように、開閉部材5の前面から膨出する膨出外壁部91と開閉部材5の前面壁とで囲まれる有底の空部として球貯留凹部が形成される。この球貯留凹部は、遊技球を貯留しておく比較的広い主貯留領域9aと、該主貯留領域9aの下流からなだらかに下方傾斜しつつ連通し遊技球が1個のみ通過し得る狭小な案内通路9bと、主貯留領域9aよりも上流側に設けられ貸球導入領域9cとからなる。なお、貸球導入領域9cは、遊技機1に隣接された球貸ユニットの貸球排出ノズルから排出された遊技球を受け入れると共に、この貸球が自然流下して主貯留領域9aに到達するような傾斜底面を有する領域である。
また、球貯留皿9の球貯留凹部内には、主貯留領域9aの領域を区画する球誘導壁部92を設け、主貯留領域9aから案内通路9bへ遊技球が整列して滑らかに供給されるような領域形状を下流側に形成し、球誘導壁部92の下流端に連なるように供給通路区画壁部93を設け、この供給通路区画壁部93と開閉部材5の前面との間の領域として案内通路9bが形成されるようにした。
更に、球貯留皿9の球貯留凹部内には、貸球導入領域9cの領域を区画する貸球導入壁部94を設け、貸球導入領域9cから主貯留領域9aへ遊技球が整列して滑らかに供給されるような領域形状を下流側に形成した。
遊技の開始に際して、遊技球が貯留されていない球貯留皿9に球貸ユニットの貸球排出ノズルから排出された遊技球は、貸球導入領域9c上に落下するが、その底面傾斜によって主貯留領域9aへ自然流下して行き、この主貯留領域9aから更に案内通路9bへ流下して行く。なお、この案内通路9bの下流端に至った遊技球は、球供給機構(後に詳述)によって発射装置10の発射位置へ1個宛て供給され、発射装置10の駆動に伴って発射される。
案内通路9bが遊技球で満たされると、案内通路9bから溢れた遊技球が主貯留領域9aに貯留され、案内通路9b下端から発射装置10へ供給されて減少した分だけ主貯留領域9aから案内通路9bへ遊技球が順次供給されて行く。
遊技を終了する場合には、球貯留皿9の適所に設けた主球抜き操作部11aを操作(例えば、側方へスライド移動)することで、主貯留領域9aの底面に開設した主球抜き口95を開かせて、主球抜き流路12aへ球を流下させると共に、球貯留皿9の適所に設けた補助球抜き操作部11bを操作(例えば、側方へスライド移動)することで、案内通路9bの流下端底部に開設した補助球抜き口96を開かせて、補助球抜き流路12bへ球を流下させる。主球抜き流路12aと補助球抜き流路12bを介して球貯留皿9から抜き出された遊技球は、機外排出流路12cを経て機外排出口12dから遊技機1の外部へ排出される。このとき、球箱BCを基台B上の適切な位置(図1を参照)に置いておけば、球貯留皿9から抜き出した遊技球を球箱BCに貯めることができる。
一方、遊技中に賞として遊技者に与えられる賞球は、球排出装置(図示省略)から排出され、排出球流下路13を経て貯留タンク14に至る。以下、貯留タンク14の詳細構造について説明する。
貯留タンク14の球貯留空部14aは、上流部から下流部へ遊技球が自然流下可能な底面傾斜構造を有することで、賞球として貯留タンク14の球貯留空部14aに流下してきた遊技球は、球貯留空部14aの最下流部に設けた球流出口14bから流出する。なお、本構成例の貯留タンク14においては、球貯留空部14の底面は、後方から前方へ下り傾斜させると共に、左側方(開閉部材5の軸着側)から右側方へ下り傾斜させることで、最下流となる右側前部に球流出口14bが、最上流となる左側後部に排出球受入口14cが各々形成されるものとした。
また、貯留タンク14は、前面枠3の前面側下方部に設けられて遊技盤6の底部が載置される遊技盤支持部材33に設けたもので、開閉部材5を閉止したときに、球貯留皿9に形成した球流入口9dに連通する適所に球流出口14bを開口させ、且つ、前面枠3が備える球排出装置から排出された遊技球が流下する排出球流下路13の流下端が貯留タンク14の排出球受入口14cに接続される。
さらに、遊技盤支持部材33には、貯留タンク14の球流出口14bを開放状態および閉止状態に相互変換できるシャッター部材15を設け(図2を参照)、このシャッター部材15による状態変換を開閉部材5の閉止・開放に連動させる。すなわち、開閉部材5が閉止されたときには、シャッター部材15が貯留タンク14の球流出口14bを開放状態(図2において実線で示す位置)とし、球流出口14bを球貯留皿9の球流入口9dと連通させ、開閉部材5が開放されたときには、シャッター部材15が上方へスライド移動して貯留タンク14の球流出口14bを閉止状態(図2において破線で示す位置)とし、貯留タンク14内の遊技球が球流出口14bから溢れ出すのを防止する。
なお、シャッター部材15の駆動機構は特に限定されるものではなく、電気的駆動源によりスライド移動するシャッター部材15を開閉部材5の開放・閉止をセンサにより検知して電気的駆動源の作動・停止を制御するようにしても良いし、開閉部材5の開放・閉止動作に連動する機械的ギミックでシャッター部材15を作動させるようにしても良いし、或いは、手動によりシャッター部材15を移動させて球流出口14bを閉止状態にするとロックが外れて開閉部材15を開放することができるようなものでも構わない。
前述した貯留タンク14を備えることで、開閉部材5が閉止されているときに、貯留タンク14の球流出口14bと球貯留皿9の球流入口9dとが連通しているので、遊技結果の賞として球排出装置から排出された賞球は、貯留タンク14を介して球貯留皿9の主貯留領域9aに導かれる。また、発射装置10によって発射された遊技球の発射勢が足りないで遊技領域6aに到達できず、発射球導入路6bを逆流してきた遊技球は、発射誘導路10bの上端開口の一側方(図3においては左側方)および他側方(図3においては右側方)に各々設けた第1ファール球回収部14d1および第2ファール球回収部14d2にて回収し、ファール球流入路14eを経て貯留タンク14の主貯留領域14aへ流入させるので、この貯留タンク14を介して球貯留皿9の主貯留領域9aに導かれる。なお、球排出装置によって貸球を排出する構成とした場合には、球貸操作により球排出装置から排出された貸球も、貯留タンク14を介して球貯留皿9の主貯留領域9aへ導かれる。
そして、主貯留領域9aに遊技球が貯まって、貯留タンク14の球流出口14bから球貯留皿9の主貯留領域9aへ遊技球を排出できない状態になると、貯留タンク14の球貯留空部14aの下流側から上流側へ徐々に遊技球が貯まって行くこととなる。
すなわち、特別遊技状態(比較的短時間に遊技者が多くの賞球を獲得できる遊技者に有利な遊技状態)の発生等に起因して、遊技に供して消費した遊技球(発射装置10により遊技領域6aへ発射した球)による貯留球の減少分よりも、遊技結果として獲得した賞球による貯留球の増加分が多くなると、案内通路9bはもとより主貯留領域9aも遊技球で一杯となり、球排出装置から排出される賞球を球貯留皿9にて受入れることはできなくなるが、球貯留皿9に貯留できずに溢れた遊技球は貯留タンク14に貯留されて行くので、上述した主球抜き操作部11aを操作して主貯留領域9aから遊技球を抜き出す必要がない。
しかも、貯留タンク14の球貯留空部14aは、上流部から下流部へ遊技球が自然流下可能であるから、例えば、特別遊技の終了に伴って遊技で獲得する賞球よりも遊技に消費した遊技球の方が多くなった場合でも、貯留タンク14に貯留されている遊技球が球貯留皿9の主貯留領域9aへ順次供給されて行くので、球貯留皿9の貯留容量を増大させたのと同様の効果がある。このように、遊技用の球を球貯留皿9と貯留タンク14とで貯留しておく構成とすれば、特別遊技の発生などで貯留タンク14が満杯になるぐらい多くの遊技球を獲得した場合、特別遊技の終了などに伴って獲得できる遊技球の量が減っても、球貯留皿9が空になるまでの遊技時間を長期化でき、次回の特別遊技が発生するまで球貯留皿9への球補充が不要になる可能性もあることから、遊技者の利便性向上を期せるのである。
また、貯留タンク14は、例えば、透光性の合成樹脂等で形成することにより、球貯留空部14a内に貯留されている遊技球が前面壁14fから見えるようにしてある。これにより、開閉部材5に設けた貯留タンク前面透視窓16から前面壁14fを介して球貯留空部14aの前面側に貯留されている遊技球を遊技者が視認できるのである。なお、貯留タンク14の球貯留空部14aは、後方から前方へ下降傾斜させてあるので、前面壁14fに接している最前列の遊技球は遊技者から確認できるものの、その奥側にどの程度の遊技球が貯留されているかを貯留タンク前面透視窓16から遊技者が正確に知ることは困難である。そこで、満杯センサ17(例えば、静電誘導式非接触センサ)を貯留タンク14の上流側適所における底壁下面に設け、この満杯センサ17の検出情報に基づいて遊技制御部が遊技者に球抜き動作を促す報知(例えば、装飾部材4bの点灯・点滅制御や表示装置による文字情報表示等による満杯状態の視覚的報知、あるいはスピーカ4cの制御による警告音や音声の出力による満杯状態の聴覚的報知)を行うようにしても良い。
なお、本実施形態に係る遊技機1においては、開閉部材5の球貯留皿9の主貯留領域9aから溢れた遊技球は、前面枠3に設けた貯留タンク14にて貯留する構造としたが、これに限定されるものではなく、球貯留皿9の下方に下皿を設けておき、球貯留皿9に貯まった遊技球を下皿に抜き出して貯留しておくような構造の遊技機であっても構わない。
ここで、球貯留皿9に貯留された遊技球を発射装置10へ供給する球送り機構18につき説明する(例えば、図4を参照)。球送り機構18は、開閉部材5の裏面側に設けられ、球供給皿9の案内通路9bの流下端にて後方に開口する供給口(図示省略)から発射球送り込み口181へ遊技球を1個宛て送り出す機能を備えるもので、遊技球を1個のみ受け入れ得る断面コ字状の球受け凹部182aを備える球送り部材182を揺動自在に設け、常時は球受け凹部182aの後方開口が発射球送り込み口181に臨む送球状態にある球送り部材182の上面を電磁石183にて吸引することで、球受け凹部182aの前方開口が案内通路9bの流下端の供給口に臨む受球状態に変換させる。
すなわち、球送り機構18の駆動源たる電磁石183がONとなって球送り部材182を吸着すると受球状態に変換し、球供給皿9側の供給口から1個の遊技球が球受け凹部182aに送り込まれ、電磁石183がOFFとなって球送り部材182が開放されると自重により下方へ回動して送球状態に変換し、球受け凹部182aに保持された遊技球が発射球送り込み口181を介して開閉部材5の後方へ送り出されるのである。なお、本構成例の球送り機構18による球送り動作は、遊技機制御部からの制御により電磁石183のON/OFFさせることで、発射装置10の弾発動作と同期して行わせるものとしたが、例えば、発射装置10による発射動作と連携するリンク機構を介して、球送り動作が機械的に行われる構造を採用しても構わない。
上記のような球送り機構18が設けられる開閉部材5は、発射装置10に対して回動可能に保持されるもので、軸着側に設ける軸着部として、上面に開閉部材ヒンジ孔51を開設し、下面からは開閉部材ヒンジ軸52の下端が延出するものとした。常態における開閉部材ヒンジ軸52は、コイルスプリングよりなる付勢部材53によって下方に押圧され、軸着部の下面より突出した状態にあるが、開閉部材ヒンジ軸52の上部を屈曲させて形成した操作部52aを操作開口54から手指を差し込んで持ち上げると、開閉部材ヒンジ軸52の下端が軸着部の下面から引っ込む。
一方、開閉部材10を回動可能に保持する発射装置10は、発射ベース部材101の取付ベース部101aの前面側に、遊技球を弾発する弾発部材102と、該弾発部材102により弾発された遊技球を発射球導入路6bへガイドする発射球ガイド部材103を設け、取付ベース部101aの裏面側に、弾発部材102を駆動する駆動源たるロータリーソレノイド104を設けたものである。なお、発射装置10の弾発部材102が遊技球を直上方へ打ち上げるような構造とした場合には、その自然な弾発軌道で発射球を遊技盤6の発射球導入路6bへ到達させることができるので、発射球ガイド部材103等のガイド手段を発射装置10に設けて発射球導入路6bまでガイドする必要はない。
発射ベース部材101は、例えば金属製の板材を折り曲げ加工して形成でき、取付ベース部101aの一側(軸着側)で前側に立ち上がる屈曲部101bと、該屈曲部101bの前側端から一側(軸着側)へ屈曲するヒンジ機構部101cを備える。そして、ヒンジ機構部101cの上端部には、例えば前方に延出する上部ヒンジ105を設け、ヒンジ機構部101cの下端部には、例えば前方に延出する下部ヒンジ106を設け、上部ヒンジ105の下面から延出する開閉部材用ヒンジ軸105aを開閉部材5の開閉部材ヒンジ孔に嵌合させると共に、下部ヒンジ105に設けた開閉部材用ヒンジ孔106aに開閉部材5の開閉部材ヒンジ軸52を嵌入すれば、発射装置10にて開閉部材5を開閉可能に保持できるのである(図5を参照)。すなわち、発射ベース部材101には、開閉部材3を開閉可能に軸着する軸着部として、上下部ヒンジ105,105を備えるヒンジ機構部101cを形成したのである。
また、発射ベース部材101のヒンジ機構部101cの上端は、少なくとも取付ベース部101aの上縁部101a1よりも適宜上方となるように形成し、この発射装置10が前面枠3の発射装置取付部34(後に詳述)に固定保持されたときには、概ね、透明部材保持枠4の下端部と開閉部材5の上端部との境界近傍に位置させる。これにより、取付ベース101の上部ヒンジ105の上面に突設した透明部材保持枠用ヒンジ軸105bと、前面枠3の軸着側上部適所に設けた透明部材保持枠用ヒンジ35のヒンジ孔35aとで、透明部材保持枠4を前面枠3に開閉可能に保持する。すなわち、本構成例の発射装置10においては、透明部材保持枠4を保持するためのヒンジ機能の一部を担うものとしたので、透明部材保持枠4を保持する下部ヒンジを前面枠3へ別途取り付ける作業を要しないので、この点からも組み立て作業の効率化を期せる。なお、ヒンジ機構部101cの下端と取付ベース部101aの下縁部101bとは同一位置としたが、取付ベース部101aの下縁部101bがヒンジ部101cの下端より上方に位置するような形状としても構わない。
上記のように開閉部材5を開閉可能に保持できる発射装置10において、内部に発射球誘導路10bが形成される四角筒状の発射球ガイド部材103の前面側下方部には、発射球取込口103aが開設してあり、開閉部材5を閉止したときには、球送り機構18の発射球送り込み口181が発射球取込口103aに一致することで、球送り機構18から送り出された遊技球が発射球取込口103aを経て発射球ガイド部材103内へ取り込まれ、発射球ガイド部材103の下端に設けた球受け突部103bに受け止められる発射位置にて遊技球が待機する。本実施形態に係る遊技機1の如く、開閉部材5を発射装置10に開閉可能に取り付ける構造とすれば、開閉部材5の発射球送り込み口181と発射装置10の発射球取込口103aとの位置合わせに十分な加工精度を容易に実現できるので、組み立て工程を簡素化できる。
弾発部材102は、略く字状に屈曲した部材で、例えば、上部に設けた回動軸がロータリーソレノイド104の駆動軸と連結され、ロータリーソレノイド104の駆動によって弾発部材102の下方部である自由端側が回動すると、弾発部材102に設けた弾発部10aが発射球ガイド部材103の下部開口から突入し、発射位置にて待機する遊技球を弾発する。なお、弾発部材102の回動範囲は、有弾性素材で形成した弾発側ストッパ部材107aと待機側ストッパ部材107bにより規制する。また、弾発部材102による動作は、ロータリーソレノイド104による往復回動方式に限定されるものではなく、例えば、リニアソレノイドのプランジャ先端を弾発部とし、プランジャの伸縮動作で遊技球を弾発する構造を採用しても構わない。
弾発部材102の弾発部10aにより発射勢を与えられた遊技球は、発射球ガイド部材103内の発射誘導路10bを経て遊技盤6の発射球導入路6bへ導入されることとなるが、本構成例においては、発射装置10の発射球ガイド部材103を取付ベース101aの上縁部101aよりも適宜上方へ延出させておき、発射球ガイド部材103の上部開口端(発射誘導路10bの上端)が、前面枠3に収容された遊技盤6の発射球導入路6bの下端まで延出するようにしたので、発射誘導路10bから発射球導入路6bへ至る間に極端な段差が生ずることを抑制できる。よって、弾発部材102に弾発された遊技球は発射球ガイド部材103から発射球導入路6bへ円滑に導入されることとなり、ムラ飛び防止に有効である。加えて、本構成例においては、発射球ガイド部材103の上部が、貯留タンク14の第1ファール球回収部14d1と第2ファール球回収部141d2との間に定置される構造としたので、強い発射勢で打ち出される遊技球が発射球導入路6b内を通過する際の衝撃で発射球ガイド部材103の上部が振動することを効果的に防止できるので、一層安定した発射動作を期せる。
次に、発射装置10を前面枠3の発射装置取付部34に取り付ける具体的構造を説明する。発射装置取付部34は、遊技盤支持部材33の軸着側(図2においては左側)下部に形成され、発射装置10を収容可能な形状に後方へ窪む発射装置収容空部内に発射装置10を収容し、発射装置固定手段によって固定保持するものである。この発射装置固定手段は、発射装置収容空部内で発射ベース部材101が動くことを抑制して固定する固定状態と、発射装置収容空部から発射装置10を取り外せる固定解除状態と、に変換可能なもので、発射装置10の着脱を容易に行える構造としたが、例えば、ネジ止め等で発射装置10を固定しても構わない。
また、発射装置取付部34の発射装置収容空部341は、発射ベース部材101の形状に適合するように、取付ベース101aを受け入れ得る奥行を有する主収容空部341aと、ヒンジ機構部101cの裏面が当着もしくは近接し得るよう前側に膨出したヒンジ機構収容空部341bとからなり、例えば、主収容空部341aの裏面壁342には駆動源挿通孔342aを開設することで、ロータリーソレノイド341aが駆動源挿通孔341aから裏面へ延出できるので、取付ベース101の背面が発射装置取付部34の裏面壁341に当着もしくは近接するように発射装置10を収容できる。
主収容空部341aの上壁部343と下壁部344との間は、概ね取付ベース101aの上下幅に一致するか若干広めとなるように形成すると共に、例えば、下部壁344の上面側に後方に向って突出量が増大する緩やかな傾斜のガイド突起部344aを所定数(例えば3箇所)設け、また、ヒンジ機構収容空部341bの左側壁345には、ヒンジ機構部101cの裏面が膨出後壁部346に当着または近接したときに、発射ベース部材101の第1側部(ヒンジ機構部101cの軸着側端縁部)である左側縁部101c1の前面に係合するガイド係合部345aを所定数(例えば、上下に3箇所)設けておく。なお、本構成例の発射装置取付部34においては、ヒンジ機構収容空部341bの底部にもガイド突起部344bを設けてある。
上記のように構成した発射装置取付部34の発射装置収容空部341へ発射装置10を前方から取り付けるとき、先ず、ヒンジ機構部346の左側縁部101cをガイド係合部345aの後面に沿わせて、左側壁345に当着させるように押し込み、発射ベース部材101の第2側部(取付ベース101aの反軸着側端縁部)である右側縁部101a3側を自由端として後方回動させるように発射装置収容空部341へ前方から押し込んでゆくと、取付ベース101aの下縁部101a2はガイド突起部344aによって徐々に上方へ押し上げられるので、取付ベース101aの上縁部101a1は上壁343に押圧され、上下動しないように保持される。
すなわち、本構成例においては、ヒンジ機構収容空部341bの左側壁345にガイド係合部345aを設けることにより、「発射装置収容空部の一側方に設けられ、発射ベース部材の第1側部を係合させることで、発射ベース部材を前後動困難に保持する側部係合部」を構成し、下部壁344にガイド突起部344aを設けることにより、「発射装置収容空部の上下幅を後方に向って狭小ならしめる上下動抑制部」を構成した。
さらに、発射ベース部材101の第2側部である右側縁部101a3側を固定保持するために、本構成例の発射装置取付部34においては、主収容空部341aの右側方には、固定部材347を設けた。この固定部材347が、「発射装置収容空部の他側方に設けられ、前記側部係合部に第1側部が係合された発射ベース部材の他側である第2側部を前後動困難に固定する固定状態と、発射ベース部材の第2側部を前後動可能に開放する固定解除状態とに変換可能な固定部材」である。
図2に示すように、固定部材347は、回動部3471が前後方向の回動軸3472にて回動自在に前面枠3に軸着され、回動部3471から側方(回動軸3472に直交する向き)に延出する固定腕部3473の背面から裏面壁342の前面までの距離が、概ね発射ベース部材101の取付ベース101aの板厚に等しく設定してある。従って、固定腕部3473が発射装置収容空部341から退避するように回動部3471を回動させた固定解除状態にして、上述した如く発射装置10を発射装置収容空部341へ押圧挿入した後、回動部3471を回動させて、発射装置収容空部341内に収容された発射ベース部材101の第2側部である取付ベース101aの右側縁部101a3の前面に固定腕部3473を係合させることで、固定状態に変換できる。なお、固定部材347の回動変換操作を容易にできるよう、本構成例の固定部材347では、手指でつまめる程度の操作部3474を固定腕部3473の前面側に突出形成してある。
更に、本構成例の固定部材347においては、固定腕部3473の回動部3471側の基端に側方押圧部3475を設けてある。この側方押圧部3475は、固定腕部3473を固定状態から固定解除状態に変換するよう回動させる方向(図2におけるA方向)に向って、固定部材347の回動中心からの離隔距離が徐々に長くなるような曲面形状を備えるので、固定腕部3473を固定解除状態から固定状態に変換する方向(反A方向)へ回動させて行くと、側方押圧部3475と右側縁部101a3の側面との距離は縮まり、やがて当着し、更には左側へ押し込むようになる。したがって、固定腕部3471を取付ベース101aの右側縁部101a3の前面に係合させる方向へ回動すると、側方押圧部3475が右側縁部101a3の側面を左側へ押圧し、発射装置10が左右方向にガタつくことがないように固定できる。すなわち、固定部材347に設けた側方押圧部3475は、「固定部材を固定解除状態から固定状態へ変換することに伴って、発射ベース部材の第2側部を第1側部へ押圧する側方移動抑制部」として機能するのである。
このように、本実施形態に係る遊技機1では、比較的簡単な構造で実現した発射装置取付部34の発射装置収容空部341へ前面側から発射装置10を固定保持する取付手法を採用したので、前面枠3の裏面から発射装置を取り付ける旧来の取付手法に比べて、格段に作業性が良くなる。しかも、発射装置10の発射ベース部材101を発射装置収容空部341の後方へ押し込んで行くだけで、下壁部344に設けたガイド突起344aによって発射ベース部材101を上下動困難に固定できると共に、取付ベース101aの上縁部101a1が発射装置取付部34の上壁部343と、取付ベース101aの下縁部101a2が発射装置取付部34の下壁部344上面のガイド突起344aと各々接触することで側方への動きに対して摺動抵抗が生じ、発射ベース部材101の左右方向への動作も抑制される。更に、発射ベース部材101の左側縁部101c1が左側壁345のガイド係合部345aにより、発射ベース部材101の右側縁部101a3が固定部材347の固定腕部3473により各々前後動困難に固定され、併せて、固定部材347が固定解除状態から固定状態へ変換されることに伴って、固定部材347の側方押圧部3475が発射ベース部材101を側方移動困難に固定して行くので、発射ベース部材101の左右方向への動作抑制がより強固なものとなる。
以上本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態は例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、上記の実施形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものではなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内での全ての変更が含まれる。
例えば、固定状態と固定解除状態とに変換可能な固定部材は、固定腕部を回動させるタイプに限定されるものではなく、横方向にスライド移動可能な構造とし、固定部材が発射ベース部材の第2側部の前面に係合して前後動困難に保持すると同時に、コイルスプリング等の付勢手段により付勢された固定部材が発射ベース部材の第2側部を第1側部側へ押圧することで、側方移動抑制部としても機能するようにしても良い。
本実施形態に係る遊技機の正面図である。 前面枠の正面図である。 貯留タンクの上方を水平方向に切断した遊技機の横断平面図である。 発射装置と開閉部材を分離させた状態の斜視図である。 発射装置に開閉部材を軸着固定した状態の斜視図である。 前面枠から発射装置を取り外した状態の斜視図である。
符号の説明
1 遊技機
3 前面枠
34 発射装置取付部
341 発射装置収容空部
5 開閉部材
51 開閉部材ヒンジ孔
52 開閉部材ヒンジ軸
6 遊技盤
6a 遊技領域
6b 発射球導入路
9 球貯留皿
10 発射装置
101 発射ベース部材
101c ヒンジ機構部
102 弾発部材
103 発射球ガイド部材
104 ロータリーソレノイド
105 上部ヒンジ
105a 開閉部材用ヒンジ軸
106 下部ヒンジ
106a 開閉部材用ヒンジ軸

Claims (6)

  1. 遊技盤を保持する前面枠と、該前面枠に対して開閉可能に取り付けられ、遊技球を貯留可能な球貯留皿を備える開閉部材と、前記球貯留皿に貯留された遊技球を遊技盤の遊技領域に向けて発射するための発射装置とを備える遊技機において、
    前記前面枠の開閉部材取付側には、発射装置収容空部内へ前面側から前記発射装置を収容して固定保持する発射装置取付部を形成し、
    前記発射装置は、
    前記球貯留に貯留された遊技球が送り出される開閉部材裏面の発射球送り込み口を介して遊技球を受け入れる発射球取込口から発射位置に供給された遊技球を弾発する弾発部材と、
    前記弾発部材を駆動する駆動源と、
    前記弾発部材および前記駆動源を取り付けると共に、前記発射装置取付部へ固定保持される発射ベース部材と、
    一体的に備え、
    前記発射ベース部材には、前記開閉部材を開閉可能に軸着する軸着部を形成することで、前面枠の発射装置取付部に固定保持された発射装置にて前記開閉部材を開閉可能に保持し、前記開閉部材を前記前面枠に閉止したときには、前記開閉部材の発射球送り込み口と前記発射装置の発射球取込口とが一致するようにしたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記発射装置取付部には、
    前記発射装置収容空部内で発射ベース部材が動くことを抑制して固定する固定状態と、発射装置収容空部から発射装置を取り外せる固定解除状態と、に変換可能な発射装置固定手段、
    を設けたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記発射装置固定手段は、少なくとも、
    発射装置収容空部の上下幅を後方に向って狭小ならしめる上下動抑制部と、
    発射装置収容空部の一側方に設けられ、発射ベース部材の第1側部を係合させることで、発射ベース部材を前後動困難に保持する側部係合部と、
    発射装置収容空部の他側方に設けられ、前記側部係合部に第1側部が係合された発射ベース部材の他側である第2側部を前後動困難に固定する固定状態と、発射ベース部材の第2側部を前後動可能に開放する固定解除状態とに変換可能な固定部材と、
    を備えることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記発射装置固定手段の固定部材は、
    前後方向の軸回りに回動自在に軸着される回動部と、
    前記回動部から回動軸方向に直交するよう延出する固定腕部と、
    を備え、
    前記固定腕部が発射装置収容空部から退避するように回動部を回動させることで固定解除状態を、発射装置収容空部内に収容された発射ベース部材の第2側部前面に固定腕部を係合させることで固定状態を、各々生ぜしめるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
  5. 前記発射装置固定手段には、固定部材を固定解除状態から固定状態へ変換することに伴って、発射ベース部材の第2側部を第1側部へ押圧する側方移動抑制部を設けたことを特徴とする請求項3又は請求項4の何れか1項に記載の遊技機。
  6. 前記発射ベース部材には、弾発部材により弾発された遊技球を、遊技盤の遊技領域に連通する発射球導入路へガイドする発射球ガイド部材を設け、
    前記前面枠の発射装置収容空部に発射装置が固定保持されたときに、発射装置の発射球ガイド部材の上端が、前面枠に収容された遊技盤の発射球導入路下端まで延出するようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の遊技機。
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