次に、本発明に係る遊技機の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1に示すのは、弾球遊技を行える遊技機1の正面図である。参考形態として示す遊技機1には遊技に関連した各種機能(後に詳述)を付加し、遊技機1の一側方には、プリペイドカード(所定の金額で予め販売される弾球遊技用のカードであって、通貨と等価な有価データを記憶させたものをいう)の使用を可能ならしめるカード制御機能や球貸制御機能等を付加した球貸ユニット(図示を省略)を設け、球貸ユニットで借り受けた遊技球を用いて遊技機1で遊技を行えるようにした。なお、球貸ユニットが備える機能の全部もしくは一部を遊技機1に付加し、遊技機1から遊技球を貸し出すようにしても良い。
遊技機1は、額縁状の本体枠2の前面側に各種の遊技機能部が設けられた前面枠3を開閉可能に設け、該前面枠3の前面側に透明部材保持枠4と開閉部材5を各々開閉可能に設けた外観を有するものである。この遊技機1は、遊技店内の基台B上に列設され、遊技機列よりなる遊技島が構成される。
図2は、透明部材保持枠4と開閉部材5を取り外した前面枠3の正面図で、前面枠の一側(図1および図2においては左側)上部に設けた上部ヒンジ31のヒンジ孔31aと下部に設けた下部ヒンジ32のヒンジ孔32aが、各々本体枠2の一側(図1および図2においては左側)上部に設けた上部ヒンジ21のヒンジ軸21aと下部に設けた下部ヒンジ22のヒンジ軸22aに各々嵌合することで、前面枠3の上下部ヒンジ31,32を設けた左側が軸着側となり、他側(図1および図2においては右側)が開放側となる。なお、前面枠3に回動可能に取り付けられる透明部材保持枠4および開閉部材5の軸着側も、前面枠3の軸着側と一致させ、前面枠3,透明部材保持枠4,開閉部材5を開放したときに本体枠2に掛かる重量負荷を一側に集中させるものとした。
前記透明部材保持枠4は、透明なガラスや硬質合成樹脂等よりなる透明部材4aを保持するもので、この透明部材4aを通して、その背面側に装着された遊技盤6の遊技領域6aが遊技者から視認可能となる。また、透明部材保持枠4の適所には、発光演出や報知動作等に用いる装飾部材4b、演出用効果音の出力や音声報知等に用いるスピーカ4cを設けてある。
前記遊技盤6の遊技領域6aは、区画部材7によって区画された略円形状の領域で、発射球導入路6bを介して遊技球が導入される領域である。この遊技領域6aには、遊技球の流下状態に変化を与える障害釘が植設されると共に、変動表示ゲームを行うための変動表示装置や球の入賞状態が変化する変動入賞装置といった大型の遊技装置のほか、種々の入賞口等が配置され、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球は、アウト口6cから回収される。
また、開閉部材5には、遊技者が遊技に際して操作する発射操作ハンドル8、発射用の遊技球を貯留して球供給位置へ供給する球貯留皿9、該球貯留皿9より供給位置に供給された遊技球を1個宛て送り出す球送り機構(後に詳述)、該球送り機構によって1個宛て発射位置に供給された遊技球を弾発部10aによって弾発する発射装置10等が設けられ、発射装置10の弾発部10aによって弾発された遊技球は、発射誘導路10bを介して遊技盤6の発射球導入路6bに向けて打ち上げられ、その発射勢によって遊技盤6の発射導入路6bを通過し、遊技領域6aに到達するのである。
ここで、球貯留皿9の詳細構造について説明する。図3に示すのは、球貯留皿9が前面側に設けられた開閉部材5の上端縁に沿う遊技機1の横断平面図であり、球貯留皿9の球貯留凹部が上方から見える。
球貯留皿9には、図3に示すように、開閉部材5の前面から膨出する膨出外壁部91と開閉部材5の前面壁とで囲まれる有底の空部として球貯留凹部が形成される。この球貯留凹部は、遊技球を貯留しておく比較的広い主貯留領域9aと、該主貯留領域9aの下流からなだらかに下方傾斜しつつ連通し遊技球が1個のみ通過し得る狭小な案内通路9bと、主貯留領域9aよりも上流側に設けられ貸球導入領域9cとからなる。なお、貸球導入領域9cは、遊技機1に隣接された球貸ユニットの貸球排出ノズルから排出された遊技球を受け入れると共に、この貸球が自然流下して主貯留領域9aに到達するような傾斜底面を有する領域である。
また、球貯留皿9の球貯留凹部内には、主貯留領域9aの領域を区画する球誘導壁部92を設け、主貯留領域9aから案内通路9bへ遊技球が整列して滑らかに供給されるような領域形状を下流側に形成し、球誘導壁部92の下流端に連なるように供給通路区画壁部93を設け、この供給通路区画壁部93と開閉部材5の前面との間の領域として案内通路9bが形成されるようにした。
更に、球貯留皿9の球貯留凹部内には、貸球導入領域9cの領域を区画する貸球導入壁部94を設け、貸球導入領域9cから主貯留領域9aへ遊技球が整列して滑らかに供給されるような領域形状を下流側に形成した。
遊技の開始に際して、遊技球が貯留されていない球貯留皿9に球貸ユニットの貸球排出ノズルから排出された遊技球は、貸球導入領域9c上に落下するが、その底面傾斜によって主貯留領域9aへ自然流下して行き、この主貯留領域9aから更に案内通路9bへ流下して行く。なお、この案内通路9bの下流端に至った遊技球は、球供給機構(後に詳述)によって発射装置10の発射位置へ1個宛て供給され、発射装置10の駆動に伴って発射される。
案内通路9bが遊技球で満たされると、案内通路9bから溢れた遊技球が主貯留領域9aに貯留され、案内通路9b下端から球送り機構を介して発射装置10へ供給されて減少した分だけ主貯留領域9aから案内通路9bへ遊技球が順次供給されて行く。
遊技を終了する場合には、球貯留皿9の適所に設けた主球抜き操作部11aを操作(例えば、側方へスライド移動)することで、主貯留領域9aの底面に開設した主球抜き口95を開かせて、主球抜き流路12aへ球を流下させると共に、球貯留皿9の適所に設けた補助球抜き操作部11bを操作(例えば、側方へスライド移動)することで、案内通路9bの流下端底部に開設した補助球抜き口96を開かせて、補助球抜き流路12bへ球を流下させる。主球抜き流路12aと補助球抜き流路12bを介して球貯留皿9から抜き出された遊技球は、機外排出流路12cを経て機外排出口12dから遊技機1の外部へ排出される。このとき、球箱BCを基台B上の適切な位置(図1を参照)に置いておけば、球貯留皿9から抜き出した遊技球を球箱BCに貯めることができる。
一方、遊技中に賞として遊技者に与えられる賞球は、球排出装置(図示省略)から排出され、排出球流下路13を経て貯留タンク14に至る。以下、貯留タンク14の詳細構造について説明する。
貯留タンク14の球貯留空部14aは、上流部から下流部へ遊技球が自然流下可能な底面傾斜構造を有することで、賞球として貯留タンク14の球貯留空部14aに流下してきた遊技球は、球貯留空部14aの最下流部に設けた球流出口14bから流出する。なお、本構成例の貯留タンク14においては、球貯留空部14の底面は、後方から前方へ下り傾斜させると共に、左側方(開閉部材5の軸着側)から右側方へ下り傾斜させることで、最下流となる右側前部に球流出口14bが、最上流となる左側後部に排出球受入口14cが各々形成されるものとした。
また、貯留タンク14は、前面枠3の前面側下方部に設けられて遊技盤6の底部が載置される遊技盤支持部材33に設けたもので、開閉部材5を閉止したときに、球貯留皿9の球流入口9dと貯留タンク14の球流出口14bとが球導入部材34を介して連通し、且つ、前面枠3が備える球排出装置から排出された遊技球が流下する排出球流下路13の流下端が貯留タンク14の排出球受入口14cに接続される。
さらに、上記球導入部材34の前面側開口(球貯留皿9の球流入口9dへ後方から臨む開口)には、開放状態および閉止状態に相互変換できる第1シャッター部材15aを設け(図2を参照)、この第1シャッター部材15aによる状態変換を開閉部材5の閉止・開放に連動させる。すなわち、開閉部材5が閉止されたときには、第1シャッター部材15aが球導入部材34の前面側開口を開放状態(図2において実線で示す位置)とし、球流出口14bを球貯留皿9の球流入口9dと連通させ、開閉部材5が開放されたときには、第1シャッター部材15aが上方へスライド移動して球導入部材34の前面側開口を閉止状態(図2において破線で示す位置)とし、球導入部材34内の遊技球が前面側開口からこぼれ落ちてしまうことを防止する。
なお、第1シャッター部材15aの駆動機構は特に限定されるものではなく、電気的駆動源によりスライド移動する第1シャッター部材15aを開閉部材5の開放・閉止をセンサにより検知して電気的駆動源の作動・停止を制御するようにしても良いし、開閉部材5の開放・閉止動作に連動する機械的ギミックで第1シャッター部材15aを作動させるようにしても良いし、或いは、手動により第1シャッター部材15aを移動させて球導入部材34の前面側開口をを閉止状態にするとロックが外れて開閉部材15を開放することができるようなものでも構わない。また、開閉部材5を開放したときに球貯留皿9の球流入口9dから遊技球がこぼれ落ちないように、球流入口9dを閉止できる第2シャッター部材15bを開閉部材5の裏面側に設けてある(図4を参照)。
前述した貯留タンク14を備えることで、開閉部材5が閉止されているときに、貯留タンク14の球流出口14bと球貯留皿9の球流入口9dとが球導入部材34を介して連通しているので、遊技結果の賞として球排出装置から排出された賞球は、貯留タンク14および球導入部材34を介して球貯留皿9の主貯留領域9aに導かれる。また、発射装置10によって発射された遊技球の発射勢が足りないで遊技領域6aに到達できず、発射球導入路6bを逆流してきた遊技球は、発射誘導路10bの上端開口の一側方(図3においては左側方)および他側方(図3においては右側方)に各々設けた第1ファール球回収部14d1および第2ファール球回収部14d2にて回収し、ファール球流入路14eを経て貯留タンク14の主貯留領域14aへ流入させるので、この貯留タンク14を介して球貯留皿9の主貯留領域9aに導かれる。なお、球排出装置によって貸球を排出する構成とした場合には、球貸操作により球排出装置から排出された貸球も、貯留タンク14を介して球貯留皿9の主貯留領域9aへ導かれる。
そして、主貯留領域9aに遊技球が貯まって、貯留タンク14の球流出口14bから球導入部材34を介して球貯留皿9の主貯留領域9aへ遊技球を排出できない状態になると、貯留タンク14の球貯留空部14aの下流側から上流側へ徐々に遊技球が貯まって行くこととなる。
すなわち、特別遊技状態(比較的短時間に遊技者が多くの賞球を獲得できる遊技者に有利な遊技状態)の発生等に起因して、遊技に供して消費した遊技球(発射装置10により遊技領域6aへ発射した球)による貯留球の減少分よりも、遊技結果として獲得した賞球による貯留球の増加分が多くなると、案内通路9bはもとより主貯留領域9aも遊技球で一杯となり、球排出装置から排出される賞球を球貯留皿9にて受入れることはできなくなるが、球貯留皿9に貯留できずに溢れた遊技球は貯留タンク14に貯留されて行くので、上述した主球抜き操作部11aを操作して主貯留領域9aから遊技球を抜き出す必要がない。
しかも、貯留タンク14の球貯留空部14aは、上流部から下流部へ遊技球が自然流下可能であるから、例えば、特別遊技の終了に伴って遊技で獲得する賞球よりも遊技に消費した遊技球の方が多くなった場合でも、貯留タンク14に貯留されている遊技球が球貯留皿9の主貯留領域9aへ順次供給されて行くので、球貯留皿9の貯留容量を増大させたのと同様の効果がある。このように、遊技用の球を球貯留皿9と貯留タンク14とで貯留しておく構成とすれば、特別遊技の発生などで貯留タンク14が満杯になるぐらい多くの遊技球を獲得した場合、特別遊技の終了などに伴って獲得できる遊技球の量が減っても、球貯留皿9が空になるまでの遊技時間を長期化でき、次回の特別遊技が発生するまで球貯留皿9への球補充が不要になる可能性もあることから、遊技者の利便性向上を期せるのである。
また、貯留タンク14は、例えば、透光性の合成樹脂等で形成することにより、球貯留空部14a内に貯留されている遊技球が前面壁14fから見えるようにしてある。これにより、開閉部材5に設けた貯留タンク前面透視窓16から前面壁14fを介して球貯留空部14aの前面側に貯留されている遊技球を遊技者が視認できるのである。なお、貯留タンク14の球貯留空部14aは、後方から前方へ下降傾斜させてあるので、前面壁14fに接している最前列の遊技球は遊技者から確認できるものの、その奥側にどの程度の遊技球が貯留されているかを貯留タンク前面透視窓16から遊技者が正確に知ることは困難である。そこで、満杯センサ17(例えば、静電誘導式非接触センサ)を貯留タンク14の上流側適所における底壁下面に設け、この満杯センサ17の検出情報に基づいて遊技制御部が遊技者に球抜き動作を促す報知(例えば、装飾部材4bの点灯・点滅制御や表示装置による文字情報表示等による満杯状態の視覚的報知、あるいはスピーカ4cの制御による警告音や音声の出力による満杯状態の聴覚的報知)を行うようにしても良い。
なお、本参考形態に係る遊技機1においては、開閉部材5の球貯留皿9の主貯留領域9aから溢れた遊技球は、前面枠3に設けた貯留タンク14にて貯留する構造としたが、これに限定されるものではなく、球貯留皿9の下方に下皿を設けておき、球貯留皿9に貯まった遊技球を下皿に抜き出して貯留しておくような構造の遊技機であっても構わない。
上記のように遊技球が貯留される球貯留皿9を備える開閉部材5の裏面側には、図4に示すように、発射装置10が取り付けられ、開閉部材5の一側方(本参考形態においては左側)に設けた軸着部51を介して前面枠3へ開閉自在に取り付けられる。この開閉部材5を閉止状態としたとき、発射装置10は、前面枠3の遊技盤支持部材33の適所に設けた後方へ窪む凹室形状の発射装置収容部35に収容されて、安定的に保持される。
ここで、球貯留皿9に貯留された遊技球を発射装置10へ供給する球送り機構18につき説明する(例えば、図5を参照)。球送り機構18は、開閉部材5の裏面側に設けられ、球供給皿9の案内通路9bの流下端にて後方に開口する供給口(図示省略)から発射球送り込み口181へ遊技球を1個宛て送り出す機能を備えるもので、遊技球を1個のみ受け入れ得る断面コ字状の球受け凹部182aを備える球送り部材182を揺動自在に設け、常時は球受け凹部182aの後方開口が発射球送り込み口181に臨む送球状態にある球送り部材182の上面を電磁石183にて吸引することで、球受け凹部182aの前方開口が案内通路9bの流下端の供給口に臨む受球状態に変換させる。
すなわち、球送り機構18の駆動源たる電磁石183がONとなって球送り部材182を吸着すると受球状態に変換し、球供給皿9側の供給口から1個の遊技球が球受け凹部182aに送り込まれ、電磁石183がOFFとなって球送り部材182が開放されると自重により下方へ回動して送球状態に変換し、球受け凹部182aに保持された遊技球が発射球送り込み口181を介して開閉部材5の後方へ送り出されるのである。なお、本構成例の球送り機構18による球送り動作は、遊技機制御部からの制御により電磁石183のON/OFFさせることで、発射装置10の弾発動作と同期して行わせるものとしたが、例えば、発射装置10による発射動作と連携するリンク機構を介して、球送り動作が機械的に行われる構造を採用しても構わない。
一方、球送り機構18から遊技球の供給を受ける発射装置10は、金属製の板材よりなる発射ベース部材101の前面側に、遊技球を弾発する弾発部材102と、該弾発部材102により弾発された遊技球を発射球導入路6bへガイドする発射球ガイド部材103を設け、発射ベース部材101の裏面側に、弾発部材102を駆動する駆動源たるロータリーソレノイド104を設けたものである。なお、発射装置10の弾発部材102が遊技球を直上方へ打ち上げるような構造とした場合には、その自然な弾発軌道で発射球を遊技盤6の発射球導入路6bへ到達させることができるので、発射球ガイド部材103等のガイド手段を発射装置10に設けて発射球導入路6bまでガイドする必要はない。
また、発射装置10の発射球ガイド部材103は四角筒状の中空部材で、内部に発射球誘導路10bが形成され、前面側下方部には発射球取込口103aが開設してある。そして、開閉部材5の裏面側適所(例えば、球送り機構18の左右両側方)に設けた発射装置取付部材52(上下一対の止着ボス部52a,52aの間を縦板状の補強板部52bで接続した形状の部材)に発射装置10を取り付けたときには、球送り機構18の発射球送り込み口181が発射球取込口103aに一致することで、球送り機構18から送り出された遊技球が発射球取込口103aを経て発射球ガイド部材103内へ取り込まれ、発射球ガイド部材103の下端に設けた球受け突部103bに受け止められる発射位置にて遊技球が待機する。
弾発部材102は、略く字状に屈曲した部材で、例えば、上部に設けた回動軸がロータリーソレノイド104の駆動軸と連結され、ロータリーソレノイド104の駆動によって弾発部材102の下方部である自由端側が回動すると、弾発部材102に設けた弾発部10aが発射球ガイド部材103の下部開口から突入し、発射位置にて待機する遊技球を弾発する。なお、弾発部材102の回動範囲は、有弾性素材で形成した弾発側ストッパ部材105aと待機側ストッパ部材105bにより規制する。また、弾発部材102による動作は、ロータリーソレノイド104による往復回動方式に限定されるものではなく、例えば、リニアソレノイドのプランジャ先端を弾発部とし、プランジャの伸縮動作で遊技球を弾発する構造を採用しても構わない。
弾発部材102の弾発部10aにより発射勢を与えられた遊技球は、発射球ガイド部材103内の発射誘導路10bを経て遊技盤6の発射球導入路6bへ導入されることとなるが、本構成例においては、発射装置10の発射球ガイド部材103を発射ベース部材101の上縁部101aよりも適宜上方へ延出させておき、発射装置10が前面枠3の発射装置収容部35に収容されたときには、発射球ガイド部材103の上部開口端(発射誘導路10bの上端)が、前面枠3に収容された遊技盤6の発射球導入路6bの下端まで延出するようにしておき(例えば、図7を参照)、発射誘導路10bから発射球導入路6bへ至る間に極端な段差が生じないようにした。よって、弾発部材102に弾発された遊技球は発射球ガイド部材103から発射球導入路6bへ円滑に導入されることとなり、ムラ飛び防止に有効である。加えて、本構成例においては、発射球ガイド部材103の上部が、貯留タンク14の第1ファール球回収部14d1と第2ファール球回収部141d2との間に定置される構造としたので、強い発射勢で打ち出される遊技球が発射球導入路6b内を通過する際の衝撃で発射球ガイド部材103の上部が振動することを効果的に防止できるので、一層安定した発射動作を期せる。
上記のような発射装置10が設けられる開閉部材5の軸着部51は、上面に開閉部材ヒンジ孔511を開設し、下面からは開閉部材ヒンジ軸512の下端が延出するものとした。常態における開閉部材ヒンジ軸512は、コイルスプリングよりなる付勢部材513によって下方に押圧され、軸着部51の下面より突出した状態にあるが、開閉部材ヒンジ軸512の上部を屈曲させて形成した操作部512aを操作開口514から手指を差し込んで持ち上げると、開閉部材ヒンジ軸512の下端が軸着部の下面から引っ込む。
上記開閉部材5の軸着部51を支持する前面枠3の軸着部として、前面枠3の一側部(本参考形態においては左側部)にヒンジ部材36を設ける。このヒンジ部材36は、例えば金属製の板材を折り曲げ加工して形成でき、前面枠3に取り付けられる平板状の止着部361の上端部を前方に延出させた上部ヒンジ362と、止着部361の下端部を前方へ延出させた下部ヒンジ363を設け、上部ヒンジ362の下面から延出する開閉部材用ヒンジ軸362aを開閉部材5の開閉部材ヒンジ孔511に嵌合させると共に、下部ヒンジ363に設けた開閉部材用ヒンジ孔363aに開閉部材5の開閉部材ヒンジ軸512を嵌入すれば、開閉部材5の軸着部51をヒンジ部材36にて開閉可能に保持できるのである。なお、本構成例のヒンジ部材36は、上部ヒンジ362の上面に透明部材保持枠用ヒンジ軸362bを突設し、前面枠3の軸着側上部適所に設けた透明部材保持枠用ヒンジ35のヒンジ孔35aとで透明部材保持枠4を前面枠3に開閉可能に保持するものとした。
また、開閉部材5の他側(反軸着側である右側)には係止部53を設け、前面枠3に設けた被係止部たる係止受け部材38に係止部53が係止されることで開閉部材5が閉止状態に維持されるものとした。係止部53の詳細は、図4に示すように、開閉部材5の裏面側に固着される固着部材531に対してスライド部材532を上下方向へスライド移動自在に保持し、このスライド部材532の適宜上方部には後方へ突出する上向きの上部係止爪532aを、適宜下方部には後方へ突出する上向きの下部係止爪532bを各々設けると共に、コイルスプリング等の付勢部材533によって、常態におけるスライド部材532は上限位置へ引き上げられるように付勢してある。
一方、係止部53が係止される係止受け部材38は、前面枠3における遊技盤支持部33の右側方部前面にビス等で固定される平板状の固定部381の一側(本構成例においては右側)を前方に延出させた起立部382を有する横断面が略L字状の金属製部材で構成し、起立部382の上部および下部には一側方(例えば、軸着側である左側)に屈折する上部係止受け片383aおよび下部係止受け片383bを備える。
従って、前面枠3へ開閉部材5を閉止するときには、係止部53の上部係止爪532aが係止受け部材38の上部係止受け片383aの下方へ、下部係止爪532bが係止受け部材38の下部係止受け片383bの下方へ、各々潜り込みながら押し込まれて行き、開閉部材5がちょうど前面枠3に閉止されたときに、上下部係止爪532a,532bの前側端部が上下部係止受け片383a,383bの後方縁を通過し、スライド部材532を下方へ押圧する力が消失してスライド部材532が付勢部材533の付勢力で上方へ引き上げられるため、上部係止爪532aが上部係止受け片383aに、下部係止爪532bが下部係止受け片383bに各々係止され、開閉部材5が閉止状態に維持されることとなる。
また、前面枠3から開閉部材5を開くときには、スライド部材532の上部に設けた解除操作部532cを押圧し、付勢部材533の付勢力に抗してスライド部材532を下方へ押し込むと、上下部係止爪532a,532bと上下部係止受け片383a,383bとの係止が解かれるので、そのまま開閉部材5の開放端側を手前に引いてゆけば良い。なお、開閉部材5に設ける係止部や前面枠3に設ける被係止部は、上述した構造に限定されるものではなく、開閉部材5の閉止状態を適切に維持することが可能であって、比較的簡単な操作で係止状態を解除できれば、公知既存の適宜な手法を適用して構わない。
しかして、本参考形態に係る遊技機1においては、開閉部材5における軸着部51と係止部53との間の適所、具体的には発射装置10の取付位置の右側方(開閉部材5の開放側)に補助係止部54を設け、前面枠3に設けた補助被係止部たる補助係止受け部材39に補助係止部54が係止されることで、開閉部材5の閉止状態を安定させ、開閉部材5に設けられる発射装置10の発射動作も安定させ、飛びムラを効果的に抑制できるものとした。
補助係止部54の詳細は、図4に示すように、開閉部材5の裏面側に固着される固着部材541に対してスライド部材542を上下方向へスライド移動自在に保持し、このスライド部材542の適宜上方部には後方へ突出する上向きの上部係止爪542aを、適宜下方部には後方へ突出する上向きの下部係止爪542bを各々設けると共に、コイルスプリング等の付勢部材543によって、常態におけるスライド部材542は上限位置へ引き上げられるように付勢してある。
一方、補助係止部54が係止される補助係止受け部材39は、前面枠3における遊技盤支持部33における発射装置収容部35の右側方にビス等で固定される平板状の固定部391の一側(本構成例においては右側)を前方に延出させた起立部392を有する横断面が略L字状の金属製部材で構成し、起立部392の上部および下部には一側方(例えば、軸着側である左側)に屈折する上部係止受け片393aおよび下部係止受け片393bを備える。
従って、前面枠3へ開閉部材5を閉止するときには、補助係止部54の上部係止爪542aが補助係止受け部材39の上部係止受け片393aの下方へ、下部係止爪542bが補助係止受け部材39の下部係止受け片393bの下方へ、各々潜り込みながら押し込まれて行き、開閉部材5がちょうど前面枠3に閉止されたときに、上下部係止爪542a,542bの前側端部が上下部係止受け片393a,393bの後方縁を通過し、スライド部材542を下方へ押圧する力が消失してスライド部材542が付勢部材543の付勢力で上方へ引き上げられるため、上部係止爪542aが上部係止受け片393aに、下部係止爪542bが下部係止受け片393bに各々係止され、開閉部材5が閉止状態に維持されることとなる。
このように、発射装置10の近傍に設けた補助係止部54にて開閉部材5を前面枠3に設けた補助係止部へ係止する構造とすれば、発射装置10が駆動する際に発生する振動を抑制して閉止状態を安定に維持することができるので、ムラ飛び防止効果を一層良好ならしめることが可能である。また、補助係止部と補助被係止部とのペアを複数対設けて、安定した閉止状態の維持を一層確実ならしめても良い。
なお、前面枠3から開閉部材5を開く場合、上述した開閉部材5の係止部と前面枠3の被係止部との係止を解除することと併せて、補助係止部54における付勢部材543の付勢力に抗してスライド部材542を下方へスライド移動させ、上下部係止爪542a,542bと上下部係止受け片393a,393bとの係止を解けば良いが、そのまま開閉部材5の開放端側を手前に引いてゆけば良い。また、前面枠3に開閉部材5を係脱自在に係止する構造は本構成例に限定されるものではなく、例えば、本構成とは逆に、前面枠3の前面側に係止部および補助係止部を設け、開閉部材5の裏面側に被係止部および補助被係止部を設けるようにしても良い。
さらに、本構成例のように、2箇所で係止する構造を採用した場合、係止部53と被係止部との解除動作、補助係止部54と補助被係止部との解除動作を別々に行うのでは、作業効率が良くない。そこで、本構成例においては、補助係止部54の構造を係止部53の構造と近似させ、開閉部材5の係止部53が前面枠3の被係止部に係止している係止状態を解除する動作と、開閉部材5の補助係止部54が前面枠3の補助被係止部に係止している係止状態を解除する動作とを連動させる連動機構部55を設けた。
本構成例で示す連動機構部55は、一端に受動部551aを他端に駆動部551bを形成した連動軸551を軸受部552で開閉部材5の裏面側へ回動自在に支承し、連動軸551の受動部551aを係止部53のスライド部材532の適所(例えば、下部係止爪532b)へ揺動自在に取り付けると共に、連動軸551の駆動部551bを補助係止部54のスライド部材542の適所(例えば、下部係止爪542b)へ揺動自在に取り付けたものであり、係止部53の解除操作部532cが押圧されてスライド部材532が下方へ押し下げられると、その下方移動量に応じて連動軸551が回動し、この連動軸551の回動量に応じて駆動部551bが補助係止部54のスライド部材542を下方へ押し下げることで、係止部53のスライド部材532と補助係止部54のスライド部材542の下方移動を連動させるものとした。無論、連動機構55の構造は、これに限定されるものではなく、係止部53と補助係止部54の係止状態を同時に解除できれば、公知既存の適宜な手法を適用して構わない。
また、開閉部材5の裏面側には押圧部材56を設け、開閉部材5が前面枠3に閉止された状態で、開閉部材5が前面枠から前方へ押圧される力が作用するようにした。この押圧部材56は、コイルスプリング等の弾性体561の一方端に固定体562を、他方端に押圧体563を設けたもので、固定体562を開閉部材5の裏面側適所に固定し、開閉部材5を前面枠3に閉止したときには、押圧体563の後方側平坦面である押圧面563aが前面枠3の遊技盤支持部材33の前面に押し当り、弾性体561の復元力によって開閉部材5と前面枠3が相互に離隔する方向へ力を受けることとなる。
従って、本構成例の押圧部材56は、「前面枠の前面と前記開閉部材の裏面との間に配され、前面枠に閉止された開閉部材の裏面を前方へ押圧する押圧手段」として機能し、閉止状態の開閉部材5が前面枠3に対して前後方向にガタつくことを効果的に抑制できるのである。なお、押圧手段の構造も本構成例に限定されるものではなく、前面枠3に押圧部材を設ける構造としても良いし、前面枠3と開閉部材5の両側に押圧部材(例えば、スポンジ等の弾性部材)を設けて、両方から反発し合う押圧手段としても良い。
次に、開閉部材5が前面枠3に閉止されたときに、発射装置10を収容して保持する発射装置収容部35の具体的構造を説明する。発射装置収容部35は、発射装置10を収容可能なように、発射ベース部材101の略四角形状およびその上縁部101aよりも上方へ突出する発射球ガイド部材103の形状に適合する前面開口の浅い凹部である発射装置収容空部351を備える。
また、発射装置収容空部351における上壁部351aと下壁部351bとの間は、発射装置10における発射ベース部材101の上縁部101aから下縁部101bまでの長さよりも若干長く、発射装置収容空部351における左側壁部351cから右側壁部351dまでの長さは、発射装置10における発射ベース部材101の左側縁部101cから右側縁部101dまでの長さよりも若干長く形成しておき、発射装置10を開閉部材5に取り付ける際に多少の位置ズレがあっても、発射装置収容空部351へ無理なく導入できる余裕を設け、しかも、このクリアランスによって発射装置10が発射装置収容空部351内で移動する事の無いよう、発射装置10の所要部(本構成例においては、発射ベース部材101の四側部である上縁部101a,下縁部101b,左側縁部101c,右側縁部101d)に接し、発射装置10の上下方向及び左右方向の移動を規制する規制手段を設けてある。
本参考形態に係る遊技機1においては、発射装置収容部35に設ける規制手段として、発射装置収容空部351の上壁部351aには、下方に突出する微小突起状の上部ガイド部材352aを適宜離隔させて複数(例えば4個)設け、発射装置収容空部351の下壁部351bには、上方に突出する微小突起状の下部ガイド部材352bを適宜離隔させて複数(例えば3個)設け、発射装置収容空部351の左側壁部351cには、右側に突出する微小突起状の右側部ガイド部材352cを適宜離隔させて複数(例えば4個)設け、発射装置収容空部351の右側壁部351dには、左側に突出する微小突起状の左側部ガイド部材352dを適宜離隔させて複数(例えば4個)設けた。
例えば、図8に示すように、発射装置収容空部351の前面開口における上下幅Xに対して、発射装置収容空部351の後壁351eにおいては、上部ガイド部材352aによってα1、下部ガイド部材352bによってα2だけ上下幅が狭められるので、発射装置10における発射ベース部材101の上下幅と発射装置収容部35における発射装置収容空部351の上下幅Xとのクリアランスを「α1+α2」の範囲に抑えることで、発射装置10の上下方向の位置規制を強固に実現できる。また、左右方向の位置規制についても同様に、発射装置10における発射ベース部材101の左右幅と発射装置収容部35における発射装置収容空部351の左右幅とのクリアランスを「左ガイド部材352cの突出量+右ガイド部材352dの突出量」の範囲に抑えることで、発射装置10の左右方向の位置規制を強固に実現できる。
また、上部ガイド部材352a,下部ガイド部材352b,左側部ガイド部材352c,右側部ガイド部材352dは、何れも、後方に向って徐々に突出量が増加するガイド傾斜部を備え、開閉部材5が前面枠3へ閉止されることに伴って発射装置10が発射装置収容空部351の前面開口から徐々に奥へ招じ入れられるとき、発射ベース部材101の四側縁部101a,101b,101c,101dが各ガイド部材352a〜352dに突き当たって円滑な閉止動作を妨げることの無いようにしてある。
なお、本構成例のように四側壁全てにガイド部材を形成して規制手段とせずに、上下方向の一方(例えば、下壁部351b側)と、左右方向の一方(例えば、右側壁部351d側)にのみガイド部材を設けるようにしても構わない。
更に、本参考形態に示す発射装置収容部35においては、発射装置10の発射ベース部材101の裏面側に設けられるロータリーソレノイド104を収容できるように、351eの適所を後方へ窪ませてなる駆動源収容室351fを形成した。この駆動源収容室351fに収容されるロータリーソレノイド104は略円筒状であることから、駆動源収容室351fの前面開口351f1はロータリーソレノイド104よりも大径の開口領域としてロータリーソレノイド104を受け入れ易くすると共に、この前面開口351f1から駆動源収容室351fの後壁351f2に向って縮径する周壁部351f3を形成し、発射装置10の発射ベース部材101が発射装置収容部35の発射装置収容空部351内へ収容された際には、ロータリーソレノイド104の後端部が駆動源収容室351fの周壁部351f3に内接した状態に収容され、上下方向および左右方向への移動が規制されて安定的に保持されるものとした(図8(b)を参照)。
上述したように、本構成例の発射装置収容部35においては、各ガイド部材352a〜352dによって、発射装置10の発射ベース部材101を発射装置収容空部351内の適正位置へガイドすると共に上下左右への移動を規制でき、併せて、駆動源収容室351fによってロータリーソレノイド104も上下左右への移動を規制できるので、開閉部材5を前面枠3へ閉止したときに発射装置10は適正位置へ安定配置される。よって、開閉部材5の開閉を行う毎に発射装置10の位置が変動することを防いで、遊技盤6の発射球導入路6bと発射装置10との位置関係を一定とし、飛びムラの無い安定した弾発動作を実現できると共に、発射装置10が上下方向及び左右方向へ移動することなく安定保持されることで、開閉部材5に生じた振動の影響を発射装置10が受け難くなり、安定した弾発動作を期せる。
なお、前面枠3に設けた発射装置収容部35によって、開閉部材5に設けた発射装置10を保持すれば、発射装置10を極めて安定した状態で動作させることができるものの、開閉部材5に装着される球貯留皿を強く叩かれたりすると、その振動が前面枠3に伝達されて、遊技機1全体が振動する可能性もある。また、上記参考形態の遊技機1で採用した開閉部材5の係止部53および補助係止部54を前面枠3の係止受け部材38および補助係止受け部材39に係止させる構造においては、閉止状態の開閉部材5が前面枠3に対して上下方向に多少のガタ付きが生ずる可能性がある。そこで、図9〜図12に基づいて、開閉部材5と前面枠3とのガタつきを効果的に抑制し、一層の安定化を図れるようにした本発明の実施形態に係る遊技機について説明する。
本実施形態に係る遊技機は、前述した参考形態に係る遊技機と同一の基本構造を有するが、開閉部材5′の裏面における右側(開放側)端部には右第1櫛歯部材19aを、前面枠3′の前面における対応位置には右第2櫛歯部材20aを設け、また、開閉部材5′の裏面における左側(軸着側)端部には左第1櫛歯部材19bを、前面枠3′における対応位置には左第2櫛歯部材20bを設てある。
右第1櫛歯部材19aと左第1櫛歯部材19bは、共に同一構造で、開閉部材5′の裏面に取り付けられる縦長帯状の止着片191の背面側(開閉部材5′に取り付けない側)から後方へ略水平に延出する板状の前側櫛歯部192を縦方向に複数設けたものである。なお、前側櫛歯部192の配設間隔は、前側櫛歯部192の厚み(縦方向の長さ)と同じとし、各前側櫛歯部192の後方端縁部は上面から下面にかけて半円状の曲面を呈する歯噛ガイド部を設ける。
また、右第2櫛歯部材20aと左第2櫛歯部材20bも、共に同一構造で、前面枠3′の前面に取り付けられる縦長帯状の止着片201の前面側(前面枠3′に取り付けない側)から前方へ略水平に延出する板状の後側櫛歯部202を縦方向に複数設けたものである。なお、後側櫛歯部202の厚み(縦方向の長さ)は、左右第1櫛歯部材19a、19bの前側櫛歯部192の厚みと同じで、その配設間隔も前側櫛歯部202の厚みと同じとし、各後側櫛歯部202の前方端縁部にも上面から下面にかけて半円状の曲面を呈する歯噛ガイド部を設ける。
しかして、左右第1櫛歯部材19a,19bにおける前側櫛歯部192と、左右第2櫛歯部材20a,20bにおける後側櫛歯部202とは、その突出位置を上下方向にずらしておくことで(図11(a)を参照)、前面枠3′に開閉部材5′を閉止すると、左右第1櫛歯部材19a,19bの前側歯噛部192と左右第2櫛歯部材20a,20bの後側歯噛部202とが相互に噛み合うようにする(図11(b)を参照)。すなわち、右第1櫛歯部材19aの前側櫛歯部192と右第2櫛歯部材20aの後側櫛歯部202とを上下方向に噛み合わせると共に、左第1櫛歯部材19bの前側櫛歯部192と左第2櫛歯部材20bの後側櫛歯部202とを上下方向に噛み合わせることで、前面枠3′に対して開閉部材5′を上下方向に位置規制でき、開閉部材5′の安定閉止を実現できる。
これに加えて、左右第1櫛歯部材19a,19bの前側歯噛部192と左右第2櫛歯部材20a,20bの後側歯噛部202を軟質ゴムのような有弾性素材により形成することで、開閉部材5′に作用した上下方向の振動が前面枠3′へ伝わり難くなるので、効果的な緩衝作用を期せる。よって、開閉部材5′に設けられる球貯留皿9を遊技者が叩いたりして開閉部材5′に衝撃が加えられても、この振動は左右第1櫛歯部材19a,19bの前側歯噛部192と左右第2櫛歯部材20a,20bの後側歯噛部202により緩衝されるので、前面枠3′に衝撃が伝わることを抑制することができ、延いては発射装置10の安定動作を一層確実ならしめ得るのである。
以上本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態は例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、上記の実施形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものではなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈すべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲内での全ての変更が含まれる。