以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明の実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
図1を参照して、本発明の実施形態における遊技機1について説明する。図1は、遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠6によって構成される。
前面枠5には、遊技領域21を有する遊技盤20(図2参照)が配設される。前面枠5には、遊技盤20の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置が収容されており、枠装飾装置を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にランプやLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、ランプやLED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置とを備える。可動式照明9の枠演出装置は、遊技状態に応じて照明部材を駆動(例えば回転駆動)するように制御される。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカー10a及び下スピーカー10bを備える。上スピーカー10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカー10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。上皿11aは、前面枠5に設けられた球発射装置(図示省略)に遊技球を供給する。
ガラス枠6の下方位置であって前面枠5に固定される固定パネル12には、下皿13及び球発射装置を駆動するための操作部14が備えられる。遊技者が操作部14を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤20の遊技領域21(図2参照)に発射する。下皿13には、下皿13に貯まった遊技球を排出するための球抜き機構15が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン16が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン16を操作することによって、変動表示装置25(図2参照)での変動表示ゲームに遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、通常遊技状態においても演出パターンを変更することができる。
ガラス枠6の下部中央には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン17と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン18とが配設される。
図2を参照して、遊技機1に配設される遊技盤20について説明する。図2は、遊技機1の遊技盤20の斜視図である。
遊技盤20は、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体22の表面に、区画部材としてのガイドレール23を設けることで、略円形状の遊技領域21を区画形成している。
遊技領域21には、開口部24aを有するセンターケース(前面構成部材)24が配設される。遊技盤20にはセンターケース(前面構成部材)24の外周に沿った形状の開口が形成され、センターケース(前面構成部材)24はその開口に遊技盤20の前方から嵌装される。
遊技盤20の裏面には、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部25aを有する変動表示装置25が制御ベース(裏面構成部材)33を介して配設される。制御ベース(裏面構成部材)33には、動作演出や発光演出を行う側部演出ユニット34等が配設され、センターケース(前面構成部材)24の裏面側を覆うように構成されている。
変動表示装置25は、その表示部25aがセンターケース24の開口部24aに臨むように配設される。変動表示装置25の表示部25aは任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、表示画面上には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。例えば、変動表示装置25は、表示部25aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの可変表示領域等)を設定して各表示領域の各々で独立した画像を表示する。
遊技領域21の下部中央には、遊技球の入賞に基づき特別図柄(特図)変動表示ゲームの始動条件を付与可能な始動入賞口26が配設される。始動入賞口26は、遊技球が入賞した場合に第1特図変動表示ゲームが行われる第1始動入賞口26aと、遊技球が入賞した場合に第2特図変動表示ゲームが行われる第2始動入賞口26bとを備える。
第2始動入賞口26bは、第1始動入賞口26aの直下方に配設されており、左右一対の開閉部材26cを備えている。開閉部材26cは、通常状態においては、遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームが当りとなった場合)には、駆動装置としての普電ソレノイドによって先端が開くように開閉部材26cが回動され、第2始動入賞口26bに遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)となる。
遊技領域21における第2始動入賞口26bの下方には、遊技状態に応じて遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な大入賞口27が配設される。また、遊技領域21におけるセンターケース24の左側方には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームが行われる普図始動ゲート28が配設される。さらに、遊技領域21における始動入賞口26の両側方には、遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口29が複数配設される。これらの他に遊技領域21には、遊技球の落下方向を変える風車(図示省略)や釘(図示省略)等の方向変換部材や、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口30が配設される。
遊技盤20の右下部には、特図変動表示ゲームの特図の変動表示、特図入賞記憶数(始動記憶数)、普図変動表示ゲームの普図の変動表示、普図入賞記憶数、及び大当たりの決定ラウンド数を表示する状態表示器31が配設される。
上記のように構成される遊技機1では、球発射装置(図示省略)によって打ち出された遊技球は、ガイドレール23の内周壁に沿って区画された発射球案内通路32を通って遊技領域21に発射され、方向変換部材(図示省略)によって落下方向を変えながら遊技領域21内を流下する。遊技領域21内を流下した遊技球は、始動入賞口26、一般入賞口29、大入賞口27に入賞するか、アウト口30から排出される。
図3及び図4を参照して、遊技機1の裏面側の構成について説明する。図3は、遊技機1の裏面図である。図4は、前面枠5の前方斜視図である。
図3及び図4に示すように、本体枠2に対して開閉可能に設置される前面枠5は、遊技盤20を前方から着脱可能に収納する収納部5aと、遊技盤20の裏面に配設される各種部材を後方に露出させるための矩形状の開口部5bとを備える。
遊技盤20の裏面には、スイッチベース38を介して遊技を統括的に制御する遊技制御装置35が配設され、スイッチベース38の上方の制御ベース33を介して遊技制御装置35から送信される演出制御指令に基づいて変動表示装置25(図2参照)等を制御する演出制御装置36が配設される。演出制御装置36の後方には、演出制御装置36の裏面及び遊技制御装置35の裏面上部を覆う保護カバー37が設けられる。このように構成された遊技盤20が前面枠5の収納部5aに収納された状態では、遊技盤20の裏面に配設された保護カバー37及び遊技制御装置35は、開口部5bを介して前面枠5の後方に突出する。
前面枠5の裏面上部には、島設備に設けられた補給装置(図示省略)から補給される遊技球を貯留するとともに、貯留した遊技球を整列させて流下させる貯留ユニット50が配設される。貯留ユニット50は、両側部に形成された取付部51を介して前面枠5に固定されている。
前面枠5の一方の内側部(図4において左側)には上下方向に亘って取付壁5cが形成されており、この取付壁5cの裏面に、貯留ユニット50から流下してきた遊技球を上皿11a(図1参照)に払い出す払出ユニット90が配設される。
また、前面枠5の裏面下部には、遊技制御装置35から送信されるデータに基づいて払出ユニット90の動作を制御する払出制御装置41と、操作部14(図1参照)の回動操作に基づいて遊技球を発射する球発射装置42と、カードユニット(図示省略)と接続する接続端子43と、各種装置に電力を供給する電源装置44とが配設される。
次に、図5〜図9を参照して、前面枠5の裏面上部に配設される貯留ユニット50について説明する。
図5は貯留ユニット50及び払出ユニット90の後方斜視図であり、図6は貯留ユニット50の分解斜視図である。図7は、貯留ユニット50の平面図である。図8は、貯留ユニット50に設けられる整列流路70の下流端部の縦断面図である。図9(A)は遊技盤20と貯留ユニット50の関係を説明する図であり、図9(B)は図9(A)の破線領域の拡大図である。
図5及び図6に示すように、貯留ユニット50は、島設備の補給装置(図示省略)から補給される遊技球を貯留する貯留タンク60と、貯留タンク60に蓄えられた遊技球を整列して流下させる整列流路70とを備える。整列流路70を通過した遊技球は、整列流路70の下流端から下方に延設された払出ユニット90内に流下する。また、整列流路70の裏面には、遊技の進行に基づいて生成される遊技情報を外部の装置に出力するための外部情報ユニット80が取り付けられる。
図6及び図7に示すように、貯留タンク60は上部が開口した有底箱状部材であって、遊技球を貯留する第1貯留部61と、第1貯留部61の上部において前方に突出形成される段差部62と、第1貯留部61の後部に設けられる第2貯留部63と、を備える。
第2貯留部63は、第1貯留部61の後側に連設されている。第2貯留部63の底部63aは第1貯留部61の底部61aよりも低く設定されており、これにより第2貯留部63の下部は溝部63bとして形成される(図9(A)参照)。第2貯留部63の溝部63bは、1つの遊技球が流下可能な溝幅に設定されている。第2貯留部63の一側部、つまり下流端部には、溝部63bと連通する整列流路70が設けられる。
図7に示すように、段差部62は水平方向に延設されており、段差部62の底部62aは第1貯留部61に向けて(図7の下方向に)下り傾斜している。第1貯留部61の底部61aは、第2貯留部63に向けて(図7の下方向に)下り傾斜するとともに、整列流路70に向けて(図7の右方向に)下り傾斜している。第2貯留部63の底部63aは、整列流路70に向けて(図7の右方向に)下り傾斜している。
したがって、貯留タンク60に蓄えられた遊技球は、自重によって貯留タンク60から整列流路70に向かって流下する。なお、貯留タンク60内の遊技球が整列流路70に流入する時に整列流路70の入口部分で球詰まりが生じることがあるが、本実施形態では第2貯留部63の溝部63bを介して遊技球を整列流路70の入口部分に誘導するので、整列流路70の入口部分における球詰まりの発生を抑制できる。
図9(A)に示すように、貯留タンク60は、前面枠5の裏面上部に配設される。貯留タンク60は第1貯留部61の上部から前方に突出する段差部62を備えるので、図9(B)に示すように前面枠5の前面に配置される遊技盤20と第1貯留部61の下部との間に離隔空間S1が形成される。これにより、遊技盤20の上部後方における役物配置スペースを拡大することができる。また、貯留タンク60は、第1貯留部61、段差部62、及び第2貯留部63を備え、貯留タンク60の上部開口をできる限り広くしたので補給装置からの遊技球を受け入れやすく、遊技球の貯留量も確保することができる。
図6及び図7に示すように、整列流路70は、第2貯留部63の一側部、つまり下流端部から左右方向に直線的に延設される上流流路71と、上流流路71の下流端に接続され、前方に向けて折り返すように湾曲する湾曲流路72と、湾曲流路72の下流端に接続され、上流流路71と平行に延設される下流流路73とを備える。
上流流路71、湾曲流路72、及び下流流路73は、1つの遊技球が流下可能な溝幅にそれぞれ設定されている。
下流流路73は、貯留タンク60の段差部62よりも後方に位置するように設けられる。そのため貯留ユニット50を前面枠5に配設した場合には、前面枠5に設置される遊技盤20と下流流路73との間に離隔空間S2が形成される(図4参照)。したがって、貯留タンク60の一側部に整列流路70を配設しても、遊技盤20の上部後方における役物配置スペースを拡大することができる。
また、下流流路73の下流底面には、遊技球を下流流路73の下方に設けられた払出ユニット90内に流下させる流出口74が形成されている。下流流路73の下流端部には、流下してきた遊技球を流出口74に誘導するための球ならし部材75が設置される。
図6及び図8に示すように、球ならし部材75は、遊技球を流出口74に向けて誘導する誘導部75aと、誘導部75aを移動(揺動)可能に支持する支持部75bとを備える。
誘導部75aは、下流流路73の下流底面から流出口74の上方を覆う円弧状のガイド面75cを有する板部材である。
支持部75bは、縦断面が略U字状に形成された板ばね部材である。支持部75bの先端部には誘導部75aが設置され、支持部75bの後端は下流流路73の下流端部に固定される。支持部75bは、誘導部75aが受ける遊技球からの球圧に応じて可動するように構成されている。つまり、遊技球の球圧が増加した場合には誘導部75aが初期位置から遊技球流下方向に移動するように支持部75bの先端が後端側に接近し、遊技球の球圧が低下した場合には誘導部75aが初期位置に戻るように支持部75bの先端が後端側から離間する。
また、誘導部75aの上端面75dは、支持部75bを介して誘導部75aが移動しても、常に下流流路73に向かって下り傾斜するように形成されている。
貯留タンク60内の遊技球は、上流流路71、湾曲流路72、及び下流流路73を流下し、流出口74を介して払出ユニット90内に流入する。整列流路70の各流路71〜73は1つの遊技球が流下可能な溝幅にそれぞれ設定されているが、整列流路70内において遊技球は上下に重なりながら流下することがある。しかしながら、球ならし部材75の誘導部75aのガイド面75cが、上下に重なりながら流下してきた遊技球をならして、遊技球を1つずつ流出口74に誘導するので、流出口74の近傍で球詰まりが生じることがない。したがって、下流流路73を流下してきた遊技球は、スムーズに流出口74を通過して払出ユニット90内に流入する。
球ならし部材75の誘導部75aは支持部75bによって移動(揺動)可能に支持されており、遊技球の球圧が増加した場合には誘導部75aが初期位置から遊技球流下方向に移動するので、下流流路73を流下してくる遊技球の数が増加しても、遊技球をスムーズに流出口74に誘導することができる。
球ならし部材75の誘導部75aが移動した場合においても、誘導部75aの上端面75dは常に下流流路73に向かって下り傾斜している。そのため下流流路73を流下してきた遊技球が誘導部75aの上端面75dに乗り上げても、乗り上げた遊技球は下流流路73に落下するので、球ならし部材75の後側での遊技球の滞留を防止することができる。
また、上記した整列流路70は、図6に示すように、遊技球の流下を規制する流下規制部材76を備える。この流下規制部材76について、図10及び図11を参照して説明する。
図10(A)は整列流路70の前方斜視図であり、図10(B)は払出ユニット90設置前の整列流路70の縦断面図である。図11は、払出ユニット90設置後の整列流路70の縦断面図である。
図10(A)及び図10(B)に示すように、流下規制部材76は、整列流路70の下流流路73の前面に突出形成された取付部77に取り付けられる。流下規制部材76は、取付部77の下面に取り付けられる略L字状のベース部76aと、ベース部76aの下端から水平に延設される規制部76bと、規制部76bから下方に延設される押圧受部76cと、を備える。
ベース部76aは板ばね部材であって、ベース部76aの上端部には取付部77に形成された位置決め用突起79と係合する位置決め孔76dが形成される。ベース部76aは、位置決め孔76dによって位置決めされた状態で、ねじ78によって取付部77に固定される。
ベース部76aは取付部77の下面及び下流流路73の前面に沿って配設され、ベース部76aの下端は下流流路73の流出口74よりも僅かに下方に位置する。そのため、ベース部76aの下端に設けられた規制部76bは、図10(B)に示すように流出口74の一部を閉塞するように流出口74側に突出する。
このように貯留ユニット50が前面枠5に配設されていない場合には、規制部76bによって流出口74の一部が閉塞されるので、流出口74からの遊技球の流下が規制される。したがって、貯留ユニット50を前面枠5から取り外した時に貯留ユニット50内に遊技球が残っていても、流出口74から遊技球がこぼれ落ちることがない。
一方、図11に示すように、貯留ユニット50が前面枠5に設置された後に払出ユニット90が前面枠5に取り付けられると、払出ユニット90の上端部が流下規制部材76の押圧受部76cを前方に押圧する。払出ユニット90の上端は下流流路73の流出口74の下端との間で遊技球の直径よりも小さな隙間を形成するように構成されているので、払出ユニット90が押圧受部76cを前方に押圧すると、流下規制部材76の規制部76bが払出ユニット90の上端と流出口74の下端との間の隙間内に退避する。したがって、貯留ユニット50の下方に払出ユニット90が取り付けられた場合には、流下規制部材76の規制部76bによる遊技球の流下規制が解除され、貯留ユニット50内の遊技球は下流流路73の流出口74を介して払出ユニット90内に流下可能となる。
次に、図6、図12〜図14を参照して、貯留ユニット50の裏面に配設される外部情報ユニット80について説明する。
図12は、貯留ユニット50に設置される外部情報ユニット80の後方斜視図である。図13(A)及び図13(B)は、外部情報ユニット80の横断面図及び縦断面図である。図14(A)及び図14(B)は、外部情報ユニット80設置位置における遊技機1の後方斜視図及び縦断面図である。
図6及び図12に示すように、外部情報ユニット80は、遊技情報を外部の装置に出力する装置であって、下カバー81と、下カバー81上に配設される基板82と、基板82を覆うように下カバー81に取り付けられる上カバー83と、を備える。
下カバー81は矩形状の枠体であって、下カバー81の上部及び下部には上カバー83と係合可能な係合受部81aが形成されている。この下カバー81には、基板82が固定される。
基板82は遊技情報を外部装置に出力する出力基板であって、基板表面には外部装置と接続可能な接続端子82aが複数設けられている(図13(B)参照)。
上カバー83は、矩形状の枠体であって、基板82の一部を露出させる開口部83aと、下カバー81の係合受部81aと係合可能な係合突起83bとを備える。
上カバー83の開口部83aを介して、基板82の接続端子82aは遊技場に設置される外部装置(情報収集端末装置等)と接続可能となっている。上カバー83の下部には、後方に向かって膨出する膨出部83cが形成されている。上カバー83の膨出部83cの下面は、水平面として形成されている(図13(B)参照)。
上カバー83の係合突起83bは下カバー81の係合受部81aと対応する位置に設けられており、係合突起83bと係合受部81aが係合することによって、上カバー83は下カバー81に固定される。
上記した下カバー81、基板82、及び上カバー83によって構成される外部情報ユニット80は、図12及び図13に示すように、貯留ユニット50の整列流路70の裏面に取り付けられる。
図12、図13(A)、及び図13(B)を参照して、外部情報ユニット80の取付機構について説明する。
図12に示すように、外部情報ユニット80の上カバー83の両側部には、上下方向に亘って側方に突出する係合突起83dが形成される。係合突起83dよりも下方の上カバー83の両側部には、上下方向に貫通する貫通孔を有するボス部83eが形成されている。
貯留ユニット50の裏面上部には、リブ52が水平に突出形成されている。リブ52は、貯留ユニット50の剛性を補強する。
整列流路70の裏面には、リブ52から下方に延設され、上カバー83の係合突起83dが上下方向にスライド可能な状態で係合する一対の係合溝53が設けられる。これら係合溝53の下端部には、ねじ穴を有するねじ受部54が形成される。ねじ受部54は、貯留ユニット50及び係合溝53に一体形成されている。
図13(A)及び図13(B)に示すように、外部情報ユニット80は、上カバー83の係合突起83dを下方から係合溝53に挿入して下カバー81の上面がリブ52の下面に当接した状態で、貯留ユニット50の裏面に取り付けられる。リブ52は、貯留ユニット50の剛性を補強するだけでなく、外部情報ユニット80の上方へのスライド移動を規制する規制部材としても機能する。このように係合突起83dと係合溝53が係合している状態では、上カバー83のボス部83eはねじ受部54に下側から当接している(図10(B)参照)。ねじ55はボス部83eの貫通孔を介してねじ受部54に螺合し、これにより外部情報ユニット80は貯留ユニット50に固定される。
外部情報ユニット80が設置された貯留ユニット50は、図14(A)及び図14(B)に示すように前面枠5に取り付けられる。前面枠5に貯留ユニット50が設置された状態では、貯留ユニット50の下方に、遊技盤20の裏面構成部材(制御ベース33等)を覆う保護カバー37が位置する。保護カバー37の上端部は貯留ユニット50の下面に沿うように形成されているが(図3参照)、外部情報ユニット80の膨出部83cと対向する位置の保護カバー37の上端部は、膨出部83cとの間に手差し用空間S3を形成するように膨出部83cから離間して形成される。つまり、保護カバー37の上端部は、外部情報ユニット80と対向する部分に下方に窪む凹部を有している。
なお、保護カバー37の上端縁には、図14(B)に示すように、遊技機1の後方から遊技盤20側への異物等の侵入を防止する起立壁37aが形成されている。
遊技機1を搬送する場合等には、貯留ユニット50の裏面に配設された外部情報ユニット80の下側に手を掛けて搬送することがある。本実施形態では、係合突起83dと係合溝53が係合し、外部情報ユニット80がリブ52に下側から当接した状態で、外部情報ユニット80と貯留ユニット50を固定しているので、外部情報ユニット80の下側に手を掛けても、外部情報ユニット80が貯留ユニット50から外れる等の破損が発生し難くなる。
また、上カバー83のボス部83eを係合溝53の下部のねじ受部54に下側から当接させ、ボス部83eの貫通孔を挿通したねじ55をねじ受部54に螺合させることで、外部情報ユニット80を貯留ユニット50に固定するので、外部情報ユニット80は下側からの外力の入力に対してより強くなる。
さらに、外部情報ユニット80の上カバー83の下部には膨出部83cが形成され、膨出部83cと保護カバー37との間には手差し用空間S3が形成されるので、外部情報ユニット80の下側に手を掛けやすくなり、遊技機1の搬送時等に外部情報ユニット80以外の部分に手を掛けて破損させてしまうことを回避することができる。
次に、図4、図15〜図19を参照して、払出ユニット90について説明する。
図15(A)及び図15(B)は、払出ユニット90の後方斜視図及び前方斜視図である。図16は、払出ユニット90の分解斜視図である。図17は、払出ユニット90の第1ケース部材100の上部前面図である。図18(A)は払出ユニット90の第1ケース部材100の下部前面図であり、図18(B)は払出ユニット90の下部の縦断面図である。図19は、通路切換機構160近傍の払出ユニット90の側面図である。
図4に示すように、払出ユニット90は、貯留ユニット50の整列流路70から流下してきた遊技球を貯留し、貯留した遊技球を払出条件の成立に基づいて上皿11a(図1参照)に払い出す装置である。払出ユニット90は、固定部材300を介して、前面枠5の取付壁5cの裏面に固定される。
図15(A)、図15(B)、及び図16に示すように、払出ユニット90は、第1ケース部材100と、第1ケース部材100と対向するように設けられる第2ケース部材200と、第1ケース部材100と第2ケース部材200との間に形成される待機通路120と、待機通路120内の遊技球を払い出す払出装置140と、を備える。
第1ケース部材100及び第2ケース部材200は、樹脂材によって形成されている。特に、第1ケース部材100は、払出ユニット90の内部を視認可能なように透明樹脂材によって形成されている。第2ケース部材200は前面枠5の取付壁5c(図4参照)の裏面に配設され、第2ケース部材200の裏面に第1ケース部材100が取り付けられる。第1ケース部材100及び第2ケース部材200は、上下方向に亘ってケース壁110、210を備えている。第1ケース部材100のケース壁110の前面には一対の仕切壁111が形成されており、第1ケース部材100と第2ケース部材200との間には、仕切壁111とケース壁110とケース壁210とによって待機通路120が形成される。
図17、図18(A)、及び図18(B)に示すように、待機通路120は、第1ケース部材100と第2ケース部材200との間において上下方向に延設され、貯留ユニット50の整列流路70から供給された遊技球を蛇行させながら流下させる通路である。待機通路120は、整列流路70の下流流路73から流下してきた遊技球を遊技機1の後方に導く上部通路121と、上部通路121の下流端に接続して遊技球を左右方向に蛇行させながら流下させる中部通路122と、中部通路122の下流端に接続して遊技球を遊技機1の前方に導く下部通路123とを備える。下部通路123を通過した遊技球は、上皿11a(図1参照)に遊技球を誘導する誘導通路(図示省略)に流入する。
図18(A)及び図18(B)に示すように、待機通路120の下部通路123には、払出条件の成立に基づいて遊技球を払い出す払出装置140が配設される。払出装置140は、回転体(スプロケット)141を駆動モータ142によって回転駆動することで、回転体(スプロケット)141よりも上方の待機通路120内に蓄えられている遊技球を1球ずつ払い出す装置である。払出装置140の詳細については、図20〜図22を参照して後述する。
なお、払出装置140より下方の下部通路123には、遊技球の払い出しを検出する球検出センサ126が設置されている。
図17に示すように、上部通路121の側方のケース壁110には、待機通路120内に十分な遊技球が待機しているか否かを検出するため、ケース壁110の裏面に回動自在に支持される略扇状の遮光板112及び遮光板112の一部が通過可能な凹部を有するフォトセンサ113が設置されている。
遮光板112は、フォトセンサ113の凹部に挿入されフォトセンサ113の発光部から発射された発射光がフォトセンサ113の受光部に届かないように遮る遮光部112aと、遮光部112aの一部を切欠くことで発射光を通過させる通光部112bと、遮光部112aの端部に立設された受圧部112cとを備える。
遮光板112の受圧部112cは、待機通路120内の遊技球の貯留数が不足している時に、上部通路121の一方の仕切壁111に形成された第1切欠部114を通じて、上部通路121内に位置するように形成されている。
上部通路121内に遊技球が待機していない場合には、受圧部112cが第1切欠部114を介して上部通路121内に突出するように遮光板112が回動し、遮光部112aによってフォトセンサ113の発射光が遮光状態となる。
これに対して、待機通路120の上部通路121まで遊技球が蓄えられている場合には、上部通路121内の遊技球によって受圧部112cが押され、受圧部113cが上部通路121内から外部に退避するように遮光板112が回動し、通光部112bによってフォトセンサ113の発射光が通光状態となる。なお、発射光通光状態では、遮光板112の遮光部112aの端部がケース壁110に形成されたストッパ115に下側から当接することで遮光板112の回動が規制され、また遮光板112の受圧部112cが仕切壁111と面一となって第1切欠部114を閉止する。
上記のようにフォトセンサ113の発射光の状態を検出することで、待機通路120内に十分な遊技球が待機しているか否かを判定することができる。待機通路120内に十分な遊技球が待機している場合(発射光通光時)には払出装置140の駆動モータ142の駆動が許可され、それ以外の場合(発射光遮光時)には駆動モータ142の駆動が禁止される。
図17に示すように、中部通路122は、流下する遊技球の流速を低減させるように左右方向に蛇行する通路である。このように蛇行させることで、中部通路122内で待機している遊技球の重量を仕切壁111によって分散させることができ、払出装置140の駆動モータ142に作用する負荷を低減できる。したがって、駆動モータ142の小形化を図ることが可能となる。
中部通路122の側方には、第1ケース部材100と第2ケース部材200の間において上下方向に亘って球抜通路124(図15(A)参照)が形成される。球抜通路124は、中部通路122の湾曲部分から分岐するように形成され、貯留ユニット50(図5参照)や払出ユニット90内に蓄えられている遊技球を遊技機外の島設備に流下させる。中部通路122の湾曲部分には、流下する遊技球の通路を中部通路122又は球抜通路124に切り替える通路切換機構160が設けられる。
図16、図17、及び図19を参照して、通路切換機構160について説明する。
図16及び図17に示すように、通路切換機構160は、遊技機1の交換時等に作業者によって操作されるものであって、第1ケース部材100と第2ケース部材200との間において前後動可能に配設される操作部161と、操作部161を付勢するバネ162と、第1ケース部材100と第2ケース部材200との間において回動自在に配設される切換部163とを備える。
図16及び図19に示すように、操作部161の上部には、後方に突出する突起部161aが形成される。操作部161の突起部161aは、第1ケース部材100のケース壁110に形成された縦孔部116を介して、ケース壁110よりも後方に突出する。操作部161は、縦孔部116を挿通する突起部161aと、第2ケース部材200のケース壁210の裏面に形成された支持軸211とによって、第1ケース部材100と第2ケース部材200との間で前後動可能に支持される。
操作部161と第2ケース部材200との間には、支持軸211を挿通可能なバネ162が配設される。バネ162は、操作部161を第1ケース部材100側に付勢する。
操作部161の下部には、後方に突出する規制片161bが形成される。規制片161bは、切換部163の回動(状態変換)を規制する。
図17及び図19に示すように、切換部163は、操作部161よりも下方の第1ケース部材100のケース壁110に回動自在に支持される。切換部163は、中部通路122内を流下する遊技球をガイドするガイド壁163aと、前方に突出形成される突起163bと、を備える。
中部通路122の湾曲部分における球抜通路124側の仕切壁111には第2切欠部117が形成されており、切換部163のガイド壁163aは第2切欠部117を介して中部通路122内に臨むように配置される。ガイド壁163aは、中部通路122を左右方向に流下してきた遊技球を下方にガイドする。
切換部163の突起163bは、操作部161の規制片161bに下側から当接可能なように形成されている。
操作部161が操作されていない通常時には、切換部163の突起163bは操作部161の規制片161bに下側から当接するようになっている。そのため、中部通路122の湾曲部分を流下する遊技球がガイド壁163aと接触しても、切換部163の回動が禁止される。したがって、湾曲部分を通過する遊技球は、切換部163のガイド壁163aによって下方にガイドされ、中部通路122の下流に向かって流下する。
これに対して、遊技機1の交換時等には、操作部161の突起部161aが押圧され、操作部161がバネ162の付勢力に抗して前方に移動する(図19参照)。このように操作部161が移動すると、操作部161の規制片161bも前方に移動して、切換部163の突起163bと規制片161bとの当接が解除される。そうすると、中部通路122の湾曲部分よりも上方、つまり第2切欠部117よりも上流側にある遊技球がガイド壁163aを押圧して、切換部163が第2切欠部117を開くように回動する。これにより、中部通路122の湾曲部分よりも上方にある遊技球は、第2切欠部117を介して球抜通路124内に流入する。このように、遊技機1の交換時等には、操作部161を押圧操作することによって、貯留ユニット50(図5参照)や払出ユニット90内に蓄えられている遊技球を島設備内に戻すことができる。
図20〜図22を参照して、払出ユニット90に配設される払出装置140について説明する。
図20(A)は払出装置140の分解斜視図であり、図20(B)は第2ケース部材200に設置された払出装置140の後方斜視図である。図21(A)は払出ユニット90の待機通路120に沿った縦断面の斜視図であり、図21(B)は払出ユニット90の待機通路120に沿った縦断面図である。図22(A)及び図22(B)は、払出ユニット90を前面枠5に設置した時の払出装置140の後方斜視図及び横断面図である。
図20(A)及び図20(B)に示すように、払出装置140は、待機通路120の下部通路123内に配設される回転体(スプロケット)141と、回転体141を回転駆動する駆動モータ142と、を備える。
回転体141は、インサートパイプ143を介して駆動モータ142の出力軸142aに固定される。回転体141の外周には、円弧状に窪み、待機通路120を流下してきた遊技球を保持する保持部141aが形成される。保持部141aは、回転体141の外周に沿って複数設けられる。
回転体141の一方(駆動モータ142と対向する側)の端面には、円形のフランジ部141bが形成される。フランジ部141bのフランジ高さは、保持部141aに保持される遊技球の半分の高さを越えるように設定される。
第2ケース部材200のケース壁210の下部には、駆動モータ142に連結された回転体141が通過可能な円形の開口部212が形成されている。駆動モータ142は、回転体141を開口部212を介して下部通路123内に配設した状態で、ケース壁210の前面に固定される。この時、回転体141のフランジ部141bは、ケース壁210の開口部212を閉塞する。
払出装置140の駆動モータ142が停止している時は、遊技球は、回転体141の保持部141a上に保持されており、回転体141よりも下流には流下しない。これに対して、払出条件に応じて駆動モータ142が駆動されると、回転体141が下部通路123内で回転し、保持部141aに保持された遊技球が下部通路123の下流に払い出される。回転体141の保持部141aは遊技球1個を保持するように形成されているため、回転体141が回転することによって遊技球は1個ずつ払い出される。
図21(A)及び図21(B)に示すように、払出ユニット90の下部通路123は、中部通路122から流下してきた遊技球を後方に導いた後に再び前方に導くように前後方向に蛇行して形成されている。そのため、第2ケース部材200のケース壁210は、下部通路123の前後方向の蛇行に対応して後方に窪む窪み部213を有し、第1ケース部材100のケース壁110は、窪み部213に対応して後方に突出する突出部118を有する。
払出装置140の駆動モータ142は、ケース壁210の窪み部213に取り付けられるので、駆動モータ142の遊技盤20側への突出を抑制することができる。また、突出部118よりも上方のケース壁110の裏面には、駆動モータ142と払出制御装置41(図3参照)とを電気的に接続する配線を中継するための中継基板151が設置される。中継基板151は、ケース壁110の裏面に固定される基板カバー152によって保護されている。
このように駆動モータ142及び中継基板151は下部通路123の前後方向の蛇行を利用して第2ケース部材200及び第1ケース部材100に設置されるので、駆動モータ142及び中継基板151の配置効率が高められる。また、下部通路123の前後方向の蛇行によって、下部通路123内で待機している遊技球の重量を仕切壁111を介して分散でき、払出装置140の駆動モータ142に作用する負荷を低減できる。
図22(A)及び図22(B)に示すように、払出装置140が設置された払出ユニット90は、前面枠5の取付壁5cの裏面に取り付けられる。取付壁5cは、払出装置140の駆動モータ142と対応する位置に、駆動モータ142を通過させるための通過開口5dを有している。したがって、払出ユニット90が取付壁5cに取り付けられた場合には、駆動モータ142は通過開口5dを挿通した状態で配置される。このように駆動モータ142を取付壁5cの通過開口5dに挿通させることで、払出ユニット90が後方へ突出するのを抑制でき、払出ユニット90の配置効率が高められる。
上記した払出ユニット90では、第2ケース部材200のケース壁210に、駆動モータ142に連結された回転体141が通過可能な開口部212を形成する。これにより、回転体141を駆動モータ142に接続した状態で駆動モータ142をケース壁210に着脱することができ、ケース壁210を挟んで回転体141と駆動モータ142を接続する場合に比べ、回転体141や駆動モータ142の組付作業性を改善することが可能となる。
回転体141の一方の端面には開口部212を閉塞するフランジ部141bが形成されるので、外部から待機通路120内に異物が侵入したり、回転体141の保持部141aに保持された遊技球が外部に流出したりすることを回避できる。
また、回転体141の保持部141aは1個の遊技球を保持するように形成され、フランジ部141bのフランジ高さは保持部141aに保持された遊技球の半分の高さを越えるように設定される。保持部141aに保持された遊技球は、保持部141a及び保持部141aと一体的に回転するフランジ部141bに接触するが、第2ケース部材200のケース壁210に対して摺動することがないので、第2ケース部材200の摩耗等を防止することができる。
さらに、第2ケース部材200の後方に配置される第1ケース部材100は透明樹脂材によって形成されるので、前面枠5を開いた時に第1ケース部材100を介して待機通路120の内部を視認することができ、待機通路120内での球詰まりや回転体141の劣化等を確認することが可能となる。
なお、開口部212は、払出ユニット90の第2ケース部材200のケース壁210に形成するのではなく、第1ケース部材100のケース壁110に形成してもよい。この場合には、前面枠5の開放後に遊技盤20を取り外すことなく、回転体141を駆動モータ142に設置したまま駆動モータ142をケース壁110に着脱することができ、回転体141や駆動モータ142の組付作業性をより改善することが可能となる。
次に、図4、図5、図23〜図28を参照して、払出ユニット90を前面枠5の取付壁5cに固定する固定機構について説明する。
図23(A)及び図23(B)は、払出ユニット90上部の後方斜視図及び前方斜視図である。図24(A)は固定部材300の係合片320が第1位置にある状態を示す図であり、図24(B)は係合片320が第2位置にある状態を示す図である。図25(A)及び図25(B)は、第2ケース部材200に第1ケース部材100を設置した時の払出ユニット90の上部の前方斜視図及び縦断面図である。図26(A)及び図26(B)は、前面枠5の上部の後方斜視図及び前方斜視図である。図27は、払出ユニット90と前面枠5の後方斜視図である。図28(A)及び図28(B)は、前面枠5に払出ユニット90を設置した時の払出ユニット90の縦断面図及び横断面図である。
図4及び図5に示すように、払出ユニット90は、前面枠5よりも小形の部材であり、3つの固定部材300を介して前面枠5の取付壁5cの裏面に固定される。これら固定部材300による固定方法は同じであるので、払出ユニット90の上部に配設される固定部材300による払出ユニット90と前面枠5との固定の仕方についてのみ説明する。
図23(A)及び図23(B)に示すように、固定部材300は、前後方向に延設される軸部310と、軸部310の一端に設けられる係合片320と、軸部310の他端に設けられる操作部330と、を備える。
係合片320は、軸部310の一端部から軸部310の径方向(側方)に突出形成される突起である。係合片320は一対設けられ、これら係合片320は軸部310の中心に対して点対称に配置される。係合片320の軸部310の周方向における幅Wは、軸部310の直径Dよりも狭く設定されている(図23(B)参照)。
操作部330は、軸部310の他端部から側方に延設された板状部材であって、係合片320を回動させるために操作される。軸部310が設置される側の操作部330の端面には摺動リブ331が突出形成され、反対側の操作部330の端面には操作部330の操作を容易するための操作リブ332が突出形成される。
第1ケース部材100のケース壁110には、固定部材300の軸部310を回動可能に支持する軸受部171が前方に突出形成される。軸受部171は、前後方向に貫通し、軸部310を支持する支持孔171aと、支持孔171aと連通し、固定部材300の係合片320が前後方向に通過可能な通過溝171bとを有する。通過溝171bは係合片320に対応して一対設けられ、これら支持孔171aは水平に配置される。固定部材300は、支持孔171a及び通過溝171bを介して、第1ケース部材100の後方から第1ケース部材100に取り付けられる。
固定部材300が第1ケース部材100に設置されている時には、軸部310の先端及び係合片320は、支持孔171a及び通過溝171bを挿通した状態で、軸受部171よりも前方に突出する。軸受部171の先端の上部及び下部には、固定部材300の軸部310に沿って延設され、係合片320の回動位置に応じて係合片320の操作部330側の端面に当接可能な当接部172が突出形成される。
第1ケース部材100のケース壁110は固定部材300の操作部330が摺動する摺動壁として形成されており、ケース壁110の裏面には、操作部330の摺動リブ331をガイドするガイド部173と、操作部330の回動の上限及び下限を規制する上限ストッパ174及び下限ストッパ175とが形成される。
ガイド部173は、ケース壁110の裏面に円弧状に突出形成されている。固定部材300の操作部330の摺動リブ331は、ガイド部173の上面に沿ってスライド移動する。
上限ストッパ174はガイド部173の上端側に突出形成され、下限ストッパ175はガイド部173の下端側に突出形成される。固定部材300の操作部330は、上限ストッパ174と下限ストッパ175との間において略90°の回動範囲で回動可能となっている。
固定部材300の操作部330の一側面が下限ストッパ175に当接する場合には、一対の係合片320は水平位置(第2位置)に設定され(図24(A)参照)、固定部材300の操作部330の他側面が上限ストッパ174に当接する場合には、一対の係合片320は鉛直位置(第1位置)に設定される(図24(B)参照)。
図24(A)に示すように、固定部材300の係合片320が第2位置にある時には、係合片320は、軸受部171の当接部172から外れ、軸受部171の通過溝171bを通過可能な状態となる。したがって、係合片320が第2位置にある場合に、固定部材300を第1ケース部材100に着脱することが可能となる。
なお、固定部材300の操作部330は、軸部310の軸心からずれた位置に重心が設定されており、係合片320が第2位置にある場合に操作部330の重心が軸部310の軸心の直下に位置するように形成されている。
図24(B)に示すように、第1ケース部材100に取り付けられた固定部材300の係合片320が第1位置にある時には、係合片320は軸受部171の先端に設けられた当接部172と当接する。このように係合片320の操作部330側の端面と当接部172の先端面とが当接することで、固定部材300の操作部330は上限ストッパ174に接した状態で姿勢が維持される。
図23(A)及び図23(B)に示すように、第2ケース部材200のケース壁210には、第1ケース部材100の軸受部171と対応する位置に、固定部材300の係合片320及び第1ケース部材100の当接部172の先端を挿通させる挿通凹部220が形成される。
挿通凹部220の前面(前面枠5側の面)はケース壁110から後方に窪んで形成され、挿通凹部220の裏面(第1ケース部材100側の面)はケース壁110から後方に突出形成されている。挿通凹部220は、前後方向に貫通し、係合片320と当接部172とが当接している場合(係合片320が第1位置にある場合)にのみ、係合片320及び当接部172の先端の挿通を許容する縦長の挿通孔221を有している。
したがって、固定部材300が設置された第1ケース部材100を第2ケース部材200に組付ける場合には、図25(A)及び図25(B)に示すように、固定部材300の係合片320は、第1位置にあって当接部172と当接した状態となっている。第1ケース部材100と第2ケース部材200の組付け時には、第1ケース部材100の軸受部171の先端は第2ケース部材200の挿通凹部220の裏面に当接し、挿通孔221を挿通した係合片320及び当接部172の先端は挿通凹部220内に突出する。
なお、第1ケース部材100と第2ケース部材200の組付け後に、固定部材300の操作部330を回動操作して、挿通凹部220の挿通孔221を挿通した係合片320を第1位置から第2位置に変換させると、係合片320が挿通孔221を通過できなくなって(係合片320が挿通凹部220の前面に引っ掛かるようになって)、固定部材300が第2ケース部材200から引き抜けなくなるので、固定部材300によって第1ケース部材100と第2ケース部材200とを仮止めすることが可能となる。
図26(A)及び図26(B)に示すように、前面枠5の取付壁5cには、第2ケース部材200の挿通凹部220と対応する位置に、固定部材300の係合片320と係合可能な係合受部45が形成される。
係合受部45の前面は取付壁5cから後方に窪んで形成され、係合受部45の裏面は取付壁5cから後方に突出形成されている。係合受部45は、前後方向に貫通し、係合片320と当接部172とが当接している場合(係合片320が第1位置にある場合)にのみ、係合片320及び当接部172の先端の挿通を許容する縦長の挿通孔46を有している。
なお、前面枠5の裏面の上部及び下部には、第2ケース部材200のケース壁210の前面に突出形成される突起214(図15(B)参照)と嵌合する嵌合穴47が形成されている。第2ケース部材200の突起214が前面枠5の嵌合穴47に嵌ることで(図11参照)、前面枠5に対して払出ユニット90が位置決めされる。なお、係合受部45が第2ケース部材200の挿通凹部220と嵌合することでも、払出ユニット90の位置決めが行われる。
図27及び図28(A)に示すように、固定部材300が設置された払出ユニット90を前面枠5の裏面に組付ける場合には、固定部材300の操作部330は上限ストッパ174に当接した状態、つまり係合片320が第1位置にあって当接部172と当接した状態となっている。この状態では、払出ユニット90の第2ケース部材200の挿通凹部220内に前面枠5の係合受部45が挿入され、挿通孔221及び挿通孔46を挿通した係合片320が係合受部45の前面側に突出する。また、係合片320と当接している当接部172の先端面と係合受部45の前面とは略面一となる。
図28(B)に示すように、払出ユニット90を前面枠5に組付けた後に、固定部材300の操作部330を回動操作して、挿通凹部220の挿通孔221及び係合受部45の挿通孔46を挿通した係合片320を第1位置から第2位置に変換させると、係合片320が当接部172から外れて、係合片320と係合受部45とが係合する。これにより、前面枠5よりも小形の払出ユニット90が、固定部材300の操作部330と係合片320との間で、前面枠5の取付壁5cに固定される。なお、払出ユニット90の第2ケース部材200は、第1ケース部材100の軸受部171の前面と前面枠5の係合受部45の裏面との間で挟持されている。
上記した払出ユニット90と前面枠5との固定機構によれば、次の効果を得ることができる。
小形の払出ユニット90側から固定部材300を取り付け、払出ユニット90の第1ケース部材100と摺動する固定部材300の操作部330と前面枠5の係合受部45と係合する係合片320とによって、前面枠5に払出ユニット90を固定する。このように取り回しが容易な小形の払出ユニット90に固定部材300を配設したので、固定部材300の取付作業を改善することが可能なる。また、固定部材300の係合片320は、第1ケース部材100の軸受部171に形成された当接部172と当接した状態で、前面枠5の挿通孔46に挿通されるので、挿通時に係合片320が挿通孔46等と衝突しても係合片320の破損が抑制される。
前面枠5の挿通孔46は、固定部材300の係合片320が第1位置にある場合にのみ係合片320の挿通を許容するように形成されており、払出ユニット90の当接部172は、係合片320が第1位置にある場合に係合片320と当接するように形成されている。係合片320と当接部172とが当接することで、係合片320を前面枠5の挿通孔46を挿通可能な状態に維持することができ、固定部材300が配設された払出ユニット90を前面枠5に取り付ける取付作業が簡便となる。
第1ケース部材100の当接部172は、軸受部171の先端から固定部材300の軸部310に沿って突出形成された突起であるので、払出ユニット90の固定作業時等における軸部310の破損等を抑制することができる。
固定部材300の係合片320は軸部310の周方向における幅が軸部310の直径よりも狭く設定されており、第1ケース部材100の軸受部171は係合片320が第2位置にある場合にのみ係合片320が通過可能な通過溝171bを備える。したがって、固定部材300の軸部310を軸受部171によって回動可能に支持でき、さらに固定部材300が第1ケース部材100に対して着脱可能となる。
前面枠5の係合受部45は取付壁5cに窪んだ状態で形成されるので、固定部材300の係合片320と係合受部45の係合時に、係合片320が取付壁5cよりも前方に突出することがない。固定部材300の係合片320が他の部材等と衝突し難くなるので、係合片320の破損等が抑制される。
固定部材300の操作部330は、係合片320が前面枠5の係合受部45と係合する第2位置にある場合に、操作部330の重心が軸部310の軸心の直下に位置するように形成されている。したがって、操作部330に振動等が加わっても、係合片320が第2位置から変化することがなく、係合片320と係合受部45との係合状態を維持させることが可能となる。
次に、図3、図29〜図34を参照して、遊技盤20の裏面に配設される演出制御装置36等(裏面構成部材)を保護する保護カバー37について説明する。
図29は、遊技盤20の後方斜視図である。図30は保護カバー37の一側部分を拡大した遊技盤20の後方斜視図であり、図31は保護カバー37の他側部分を拡大した遊技盤20の後方斜視図である。図32(A)及び図32(B)は、係合部370近傍の保護カバー37の後方斜視図及び横断面図である。図33は、遊技盤20の横断面図である。図34(A)は遊技盤20及び払出ユニット90が設置された前面枠5の裏面図であり、図34(B)は保護カバー37の係合部370と払出ユニット90の待機通路120との関係を説明する図である。
図3及び図29に示すように、遊技盤20の裏面には、制御ベース33を介して演出制御装置36が設けられ、制御ベース33の下方に配設されるスイッチベース38を介して遊技制御装置35が設けられる。保護カバー37は、演出制御装置36に配設され、演出制御装置36の裏面及び遊技制御装置35の裏面上部を覆う。このように保護カバー37は、遊技盤20の裏面に配設される各種部材(裏面構成部材)を保護するものである。遊技盤20が前面枠5に設置された状態では、保護カバー37は、貯留ユニット50の下方及び払出ユニット90の側方において前面枠5の開口部5b(図4参照)を介して遊技機1の後方に露出する。
図3、図29、及び図30に示すように、払出ユニット90側とは反対側の保護カバー37の側部は、演出制御装置36の裏面側部に形成された一対の支持部36aによって回動可能に支持されている。したがって、払出ユニット90側の保護カバー37の側部は、演出制御装置36に対して開閉回動自在となる。
なお、遊技制御装置35もスイッチベース38の裏面側部に形成された一対の支持部38aによって回動自在に支持されている。
図3及び図31に示すように、払出ユニット90側の保護カバー37の側部には、演出制御装置36の裏面側部に設けられた係合受部39と係合する係合部370が形成される。
図32(A)、図32(B)、及び図33に示すように、保護カバー37の係合部370は、保護カバー37の側部から前方に延設された後に折り返されて後方に延設される横断面U字状の板ばね部371と、板ばね部371の折り返し部分よりも先端側の側面に突出形成される係合爪372と、板ばね部371の先端から後方に突出形成される操作部373と、を備える。板ばね部371及び係合爪372は上下方向にそれぞれ一対設けられており、操作部373は上側の板ばね部371と下側の板ばね部371の間に形成されている。
係合部370と係合可能な演出制御装置36の係合受部39は、保護カバー37と払出ユニット90の間に配設される(図3参照)。係合受部39は保護カバー37と対向する壁部39aを有し、この壁部39aには係合部370の板ばね部371を挿通可能なように前後方向に貫通する貫通孔39bが形成されている。
図32(B)及び図33に示すように、払出ユニット90側の保護カバー37の側部が演出制御装置36に当接して、保護カバー37が演出制御装置36の裏面を覆っている場合、つまり保護カバー37が閉じている場合には、係合部370の板ばね部371は係合受部39の貫通孔39bを介して係合受部39の前方に突出する。この時、係合部370の係合爪372は係合受部39の前面側に位置する。したがって、払出ユニット90側の保護カバー37の側部を演出制御装置36から離間するように回動させようとしても、係合爪372が係合受部39の前面に引っ掛かるので、保護カバー37は閉じた状態に維持される。
一方、保護カバー37を開く場合には、係合部370の板ばね部371の先端が固定端に接近するように、係合部370の操作部373を操作する。このように操作することで係合爪372と係合受部39との係合が解除され、板ばね部371及び係合爪372を貫通孔39bから引き抜くことができ、保護カバー37を開くことが可能となる。
上記した保護カバー37を備えた遊技盤20を前面枠5の前面に配設した場合には、図34(A)に示すように、保護カバー37の係合部370の側方に払出ユニット90が位置している。払出ユニット90は、保護カバー37との間に係合部370の操作部373を操作するための操作用空間S4を形成するように、係合部370と対応する位置に凹部91を有している。
払出ユニット90の凹部91は、図34(B)に示すように、ケース壁110、210の間に設けられる待機通路120の中部通路122の側方に形成される。中部通路122は、左右方向に蛇行して形成された通路であって、係合部370の操作部373よりも上方に配設される第1通路131と、操作部373の側方に配設される第2通路132と、操作部373よりも下方に配設される第3通路133とを備える。
第1通路131は、操作部373よりも上方において左右方向に延設され、上流から流れてきた遊技球を操作部373から離間するように流下させる。
第2通路132は、操作部373の側方において上下方向に延設される。第2通路132は、第1通路131からの遊技球を操作部373の側方を通過するように流下させる通路であって、第1通路131からの遊技球を下方に誘導する上湾曲部132aと、上湾曲部132aからの遊技球を第3通路133に誘導するように湾曲する下湾曲部132bとを備える。
第3通路133は、操作部373よりも下方において左右方向に延設され、第2通路132の下湾曲部132bから流れてきた遊技球を操作部373に接近するように流下させた後に下方に流下させる。
操作用空間S4を形成するための払出ユニット90の凹部91は、中部通路122の蛇行形状を利用して設けられ、第1通路131と第3通路133の間であって第2通路132の側方に形成される。
また、中部通路122には、流下する遊技球の通路を中部通路122又は球抜通路124に切り替える通路切換機構160の切換部163が設けられている。球抜通路124は、保護カバー37とは反対側の上湾曲部132aの側面に形成された第2切欠部117を介して中部通路122から分岐している。通路切換機構160の切換部163は、ガイド壁163aは第2切欠部117を介して中部通路122内に臨むように、上湾曲部132aと球抜通路124との分岐部分に設けられている。このように中部通路122の第2通路132の上湾曲部132aに切換部163を配設する場合には、切換部163の配置を考慮して、第2通路132の上下方向長さがある程度長く設定される。これにより第1通路131と第3通路133の上下間隔が広くなり、第2通路132の側方に配設される凹部91が大きくなるので、操作用空間S4が拡大する。
なお、本実施形態では、保護カバー37を演出制御装置36の支持部36aに支持させ、演出制御装置36の係合受部39に係合させる構成としたが、制御ベース33に支持部及び係合受部を形成して制御ベース33に支持及び係合させるようにしてもよい。また、演出制御装置36や制御ベース33といった遊技盤要素の部材に支持及び係合させるのではなく、前面枠5の払出ユニット90とは反対側の端部に支持部を設けるとともに、払出ユニット90側の取付壁5c等に係合受部を設けてもよい。
上記した保護カバー37及び払出ユニット90によれば、次の効果を得ることができる。
遊技盤20の裏面に配設される裏面構成部材を保護する保護カバー37は払出ユニット90側の側部に係合受部39と係合可能な係合部370を備え、払出ユニット90は係合部370の操作部373を操作するための操作用空間S4を形成するように係合部370と対応する位置に凹部91を備える。これにより係合部370の操作部373の周囲に操作用空間S4が形成されるので、係合部370と係合受部39の係合解除時における操作部373の操作が容易となる。
また、操作用空間S4を形成するための払出ユニット90の凹部91は、中部通路122の蛇行形状を利用して設けられ、第1通路131と第3通路133の間であって第2通路132の側方に形成されるので、凹部91を形成しても払出ユニット90が大形化することがない。
さらに、中部通路122の第2通路132の上湾曲部132aに通路切換機構160の切換部163を配設するので、第2通路132の上下方向長さは切換部163の配置を考慮してある程度長く設定される。そのため、第1通路131と第3通路133の上下間隔が広くなって、第2通路132の側方に配設される凹部91が大きくなる。これにより操作用空間S4が拡大されるので、係合部370と係合受部39の係合解除時における操作部373の操作がより容易となる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなし得ることは明白である。