JP2005218688A - パチンコ機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 賞球払出経路を構成する部品点数を削減して組立性及びメンテナンス性を向上することができるパチンコ機を得る。
【解決手段】 パチンコ機の内枠14裏面に設けられる賞球払出装置86を貯留タンク80に隣接させて配置し、賞球払出装置86の下方には、賞球を払い出す球通路98及び貯留タンク80の球抜きに用いる球抜き通路190をユニット化させた球通路ユニット90をプラスチックファスナー92によって着脱可能に取り付ける。これにより、賞球を賞球排出口へ案内するための球通路を1つにできるとともに、分割構成された2つの球通路を取り付ける取付ベース等が不要になって賞球払出経路を構成する部品の数が削減され、組立性及びメンテナンス性が向上する。

【選択図】 図5

Description

本発明は、パチンコ機に係り、詳細には、貯留タンクに貯留された遊技球を賞球排出口へ案内するための球通路を備えたパチンコ機に関する。
遊技盤に設けられた遊技領域に遊技球を打ち込んで遊技を行うパチンコ機では、機器の裏面に裏機構(通路構造体)を設け、この裏機構の上部に賞球(遊技球)を貯留する貯留タンクを配置し、裏機構の中央部の一側寄りに貯留タンクから供給された賞球を賞球排出口へ払い出す賞球払出装置を配置するとともに、貯留タンクと賞球払出装置との間、及び賞球払出装置と賞球排出口との間にはそれぞれ球通路を設けることで賞球払出経路を構成している(例えば、特許文献1参照)。
また、賞球払出装置から賞球排出口へ賞球を案内する上記の球通路と、賞球払出装置の遊技球を抜き取る球抜き通路とをユニット化して裏機構に着脱可能とすることにより、組み立て作業を簡略化するようにしたパチンコ機もある(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−35343号公報 特開2000−70494号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2のパチンコ機では、賞球払出装置の上下に分割して配置される2つの球通路、及び、各球通路と賞球払出装置の取付ベースとなる裏機構を設けていることにより、部品点数が多く組み立て作業に時間が掛かる。また、球詰まりなどのトラブルを解消する際やメンテナンスにおいても、部品点数が多いことにより各部品の着脱に時間を要する問題がある。
一方、近年のパチンコ機では、遊技性を高めるため遊技領域に配置する液晶表示装置や各種役物等を大型化させる傾向にあり、遊技盤の裏面には、液晶表示装置のドライバや制御基板、役物を駆動する電気的駆動源等の各種部品を搭載するためのより大きなスペースを確保する必要がある。しかし、これについても、特許文献1及び2のパチンコ機では、賞球払出装置が遊技盤裏面の側方に配置されるとともに、賞球払出装置の上下に配置された各球通路に設けられる複数列の通路がパチンコ機の幅方向に並列的に配置されているため、遊技盤裏面の側方における賞球払出経路の占有面積が大きく、遊技盤裏面の部品搭載スペースを拡大しにくいという問題がある。
本発明は上記事実を考慮して、賞球払出経路を構成する部品点数を削減して組立性及びメンテナンス性を向上することができるパチンコ機を提供することを課題とする。また、遊技盤裏面の部品搭載スペースを拡大することができるパチンコ機を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、パチンコ機本体の裏面上部に設けられ、外部から供給された遊技球を貯留する球貯留部材と、前記球貯留部材に隣接して設けられ、球貯留部材から供給された遊技球を払い出す又は払い出し停止する球払出手段と、前記球払出手段の下方に配置され、球払出手段から払い出された遊技球を受け入れて下方へ案内するとともに前記パチンコ機本体の下部に設けられた球排出口へ排出する球通路を備えた球通路部材と、前記球通路部材を前記パチンコ機本体の裏面に着脱可能に取り付ける取付手段と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明では、パチンコ機本体の裏面上部に設けられた球貯留部材に外部から遊技球が供給され、この球貯留部材に貯留された遊技球は、球貯留部材から、球貯留部材に隣接して設けられた球払出手段に供給される。さらに、球払出手段によって払い出された遊技球は、球払出手段の下方に配置された球通路部材の球通路に受け入れられて下方へ案内され、パチンコ機本体の下部に設けられた球排出口へ排出される。また、球通路部材は、取付手段によってパチンコ機本体の裏面に着脱可能に取り付けられる。
このように、球払出手段を球貯留部材に隣接させて配置することにより、遊技球を球排出口へ案内するための球通路を1つにできるとともに、従来のように、分割構成された2つの球通路を取り付ける取付ベース(裏機構)等が不要になる。これにより、賞球払出経路を構成する部品の数が削減され、組立性及びメンテナンス性を向上することができる。さらに、球通路部材は取付手段によって容易に着脱できるため、組立性及びメンテナンス性がより良好になる。
また、球払出手段は、パチンコ機本体の裏面上部に配置された球貯留部材に隣接して設けられるため、パチンコ機本体の裏面においては、遊技盤裏面の側方に空きスペースが生じる。これにより、遊技盤裏面の部品搭載スペースを拡大することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のパチンコ機において、前記球通路部材は、前記球通路を複数有することを特徴としている。
請求項2に記載の発明では、球通路部材が球通路を複数有することにより、球払出手段から払い出された遊技球をその複数の球通路によって短時間により多く払い出すことができる。これにより、大量の遊技球を払い出す場合などに、その払い出しが完了する(遊技者が取得する)までの時間を短縮できる。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載のパチンコ機において、複数の前記球通路が前記パチンコ機本体の奥行き方向に沿って配置されていることを特徴としている。
請求項3に記載の発明では、複数の球通路をパチンコ機本体の奥行き方向に沿って配置することにより、複数の球通路をパチンコ機本体の幅方向に並列的に配置する場合に比べて、パチンコ機本体の裏面における球通路の占有面積を縮小できる。これにより、遊技盤裏面の部品搭載スペースを更に拡大することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項記載のパチンコ機において、前記球通路部材は、前記球貯留部材に貯留されている遊技球を抜き出す球抜き通路を有することを特徴としている。
請求項4に記載の発明では、球通路部材に球抜き通路を設けることにより、球抜き通路を別体とする場合に比べて、部品点数が削減され組立性及びメンテナンス性を更に向上することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4記載のパチンコ機において、前記球抜き通路が前記球通路よりも前記球貯留部材側に配置されていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明では、球通路部材に設ける球抜き通路を球通路よりも球貯留部材側に配置することにより、球貯留部材に貯留された遊技球の排出経路を球払出手段側から球抜き通路側へ切り替える切替機構や分岐通路等の構成を簡素化できる。
請求項6に記載の発明は、パチンコ機本体の裏面上部に設けられ、外部から供給された遊技球を貯留する球貯留部材と、前記球貯留部材に隣接配置され、球貯留部材から供給された遊技球を払い出す又は払い出し停止する球払出手段と、前記球払出手段の下方に前記パチンコ機本体の奥行き方向に沿って複数配置され、球払出手段から払い出された遊技球を受け入れて下方へ案内するとともに前記パチンコ機本体の下部に設けられた球排出口へ排出する球通路と、を有することを特徴としている。
請求項6に記載の発明では、パチンコ機本体の裏面上部に設けられた球貯留部材に外部から遊技球が供給され、この球貯留部材に貯留された遊技球は、球貯留部材から、球貯留部材に隣接して設けられた球払出手段に供給される。さらに、球払出手段によって払い出された遊技球は、球払出手段の下方に配置された複数の球通路に受け入れられて下方へ案内され、パチンコ機本体の下部に設けられた球排出口へ排出される。
このように、球払出手段を球貯留部材に隣接させて配置することにより、遊技球を球排出口へ案内するための球通路を1つにできるため、例えばパチンコ機本体の裏面に設けられる取付ベース等に球通路をネジ止め等によって取り付ける場合でも、従来のように、分割構成された2つの球通路を取り付ける場合に比べて組立性が良好になる。
また、球払出手段から払い出された遊技球を複数の球通路によって短時間により多く払い出すことができるため、大量の遊技球を払い出す場合などにその払い出しが完了するまでの時間を短縮できるとともに、その複数の球通路をパチンコ機本体の奥行き方向に沿って配置することにより、パチンコ機本体の裏面における球通路の占有面積を縮小することができて、遊技盤裏面の部品搭載スペースを拡大することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6記載のパチンコ機において、球貯留部材に貯留されている遊技球を抜き出す球抜き通路が前記複数の球通路よりも前記球貯留部材側に配置されていることを特徴としている。
請求項7に記載の発明では、球通路部材に設ける球抜き通路を複数の球通路よりも球貯留部材側に配置することにより、球貯留部材に貯留された遊技球の排出経路を球払出手段側から球抜き通路側へ切り替える切替機構や分岐通路等の構成を簡素化できる。
本発明のパチンコ機は上記構成としたので、賞球払出経路を構成する部品点数を削減して組立性及びメンテナンス性を向上することができる。また、遊技盤裏面の部品搭載スペースを拡大することができる。
以下、本発明の実施形態に係るパチンコ機について図面を参照して説明する。
図1には本発明の一実施形態に係るパチンコ機が示され、図2には本実施形態に係るパチンコ機に適用される内枠、ガラス枠、及び遊技盤が示されている。
図1に示されるように、パチンコ機10は、パチンコ機10の外郭を構成するとともにパチンコホールの島設備に設置される矩形状の外枠12を備えている。外枠12の前面には矩形額縁状の内枠14が配置されており(図2参照)、内枠14は、外枠12に設けられた一対のヒンジ部16、18に左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。また外枠12の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り20が取り付けられている。
内枠14の前面上部には、ガラス板22を装着したガラスフレーム24を窓部25に備えるガラス枠26が配置されており、ガラス枠26は左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられている。また、ガラスフレーム24に装着されたガラス板22は、図1の紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行に配置された一対のガラス板からなる二重構造となっている。このガラス枠26の裏面側となる内枠14の上部には、矩形状の開口部28が設けられている(図2参照)。開口部28には、交換可能とされた遊技盤100がセットされており、遊技盤100は、ガラス枠26を内枠14に閉塞した状態でガラス枠26(ガラス板22)に覆われるようになっている。
ガラス枠26の前面には、遊技の進行に応じて点灯又は点滅等し照明による演出効果を生み出す演出用の表示灯142がガラス板22(遊技盤100の遊技領域)を取り囲むように配置されており、さらに左上隅及び右上隅には、賞球払出エラー及び払出状態エラー等の各種エラーを報知するエラー用の表示灯144が配置されている。また、各エラー用の表示灯144の内側には、遊技の効果音をステレオ出力するスピーカー146L、146Rが配設されている。
内枠14の前面下部には、一般的な上皿及び下皿の機能を兼ね備える打球供給皿としての一体皿30が配置されている。一体皿30は、パネル部材32の左側端部が内枠14に軸支されて開閉可能に取り付けられており、パネル部材32の前面には、上部に遊技球を貯える球皿部34が形成された球皿本体36が突設されている。
球皿部34の底面は、正面視にて左側から右側へ下り傾斜しており、その傾斜方向下流側となる左側には、遊技球を1列に整列してパネル部材32の裏面に配置された球送り装置(図示省略)に送り込むための整列通路が設けられている。パネル部材32の前面の右側上部には、パチンコ機10内に設けられた後述する賞球払出装置86から払い出された賞球が排出される賞球排出口46が形成されている。この賞球排出口46から排出された賞球は球皿部34に貯留され、球皿部34内を左方向へ流下し整列通路により1列に整列されて球送り装置に送り込まれる。
また、パネル部材32の前面における左側下部には灰皿38が設けられ、右側下部には打球の飛距離を調整するための発射ハンドル39が取り付けられている。
図2に示されるように、内枠14の前面下部における一体皿30の裏面側には、遊技盤100の左下に発射装置40が配置され、球皿本体36の後方に位置して、内枠14に着脱可能に構成された貯球タンク42が2個のプラスチックファスナー43によって取り付けられている。これらの発射装置40及び貯球タンク42は、一体皿30を内枠14に閉塞すると一体皿30に覆われるようになっている。
貯球タンク42は、上面が開口した箱型とされ、底面44が正面視にて左側から右側へ下り傾斜している。底面44の傾斜方向上流側となる貯球タンク42の左側面部にはタンク入口97が形成され(図5参照)、傾斜方向下流側となる貯球タンク42の前面右側端部には、一体皿30のパネル部材32に設けられた賞球排出口46と対応する位置にタンク出口45が形成されている。したがって、一体皿30を内枠14に閉塞した状態では、貯球タンク42と一体皿30の球皿部34とが、タンク出口45及び賞球排出口46を介して連通される。
また、一体皿30のパネル部材32裏面における賞球排出口46の下方位置と、内枠14前面の下部右側におけるタンク出口45の下方位置とには、上下方向に移動可能とされたシャッター板がそれぞれ設けられている(図2では内枠14側のシャッター板50のみを図示している)。これらのシャッター板は、一体皿30が閉塞されると各々下方へ移動して(図2に示したシャッター板50の位置)、タンク出口45と賞球排出口46とを連通させ、一体皿30が開放されると各々上方へ移動して、内枠14側のシャッター板50はタンク出口45の下縁側を、一体皿30側のシャッター板は賞球排出口46の下縁側を塞ぐよう構成されている。このシャッター板により、一体皿30を開放した際は、貯球タンク42及び球皿部34から遊技球(賞球)が流出しないようせき止められる。
図3〜図5に示されるように、内枠14の裏面上部には、島設備の球補給装置から供給される遊技球を貯える貯留タンク80が取り付けられている。貯留タンク80は、底面82が裏面視左側から右側へ向けて下り傾斜されており、右側端部には、遊技球をパチンコ機10の前後方向(奥行き方向)に2列に整列する球整列通路(排出通路)84が形成されている。
貯留タンク80の右側には、賞球払出装置86が配置されて球導入通路87が球整列通路84に接続されている。この球導入通路87と一体的に設けられたケース88内には、球払出機構として、球整列通路84及び球導入通路87に対応して前後方向に所定の間隔で配列されるとともに位相が異なる2枚のカム板部(スプロケット)を備えたカム軸130が収納されている。また、カム軸130を回転駆動する駆動源としてのステッピングモータ132は、内枠14の裏面に取り付けられたモータカバー134内に収納されており、モータカバー134の裏面にケース88を取り付けると、ステッピングモータ132にカム軸88が連結される(図5では球導入通路87及びケース88の図示を省略している)。
また、モータカバー134は、図示しないスライド機構により内枠14の裏面に沿って左右方向(図6の矢印A方向)に所定範囲だけスライドするよう取り付けられており、さらに図3及び図4に示される通常位置では、図示しないロック機構によりその位置にロックされている。
このロック機構によるロックを解除しモータカバー134を左右方向へスライドさせると、モータカバー134のスライドに伴い、上記の球導入通路87、ケース88、カム軸130、ステッピングモータ132、及びモータカバー134を含む賞球払出装置86全体が、内枠14の裏面に沿って左右方向へスライドする。
ここで、賞球払出装置86を右方向へスライドさせると、図6の二点鎖線で示されるように、球導入通路87は右方向へ移動して球整列通路84との接続が解除され、それらの間には隙間が形成される(球抜き位置)。また、その位置から賞球払出装置86を左方向へスライドさせると、図6の実線で示されるように、球導入通路87は左方向へ移動して球整列通路84に接続される(賞球払い出し位置)。
図3〜図5に示されるように、賞球払出装置86の下方には、内枠14裏面の右側端部に位置して、上下方向に延出された球通路ユニット90が配置されている。
球通路ユニット90は、透明樹脂材料による成形品とされ、上部及び中央部が略直線状に、下部が左側へ突出された形状に形成されている。また、上面の右側には、賞球払出装置86に設けられたカム軸130の2枚のカム板部と対応して前後方向に隣接配置された2個の球導入口94が形成され、下部の左側面には球導入口94と対応して前後方向に隣接配置された2個の球排出口96が形成されており、内部には、球導入口94と球排出口96とを繋いで上下方向に延出されるとともに前後方向に隣接配置された2本の球通路98が設けられている。この2本の球通路98は、球導入口94と接続された上端部付近から下部までの所定範囲が前後方向に蛇行状に屈曲されており、下部から左方向へ屈曲されて球排出口96に接続されている。
また球通路ユニット90には、球通路98の左側に球抜き通路190が隣接して設けられている。球抜き通路190の球導入口192は、球導入口94の左側に少し離間して配置されるとともに球導入口94と同一面に配置されており、球排出口(図示省略)は、球通路ユニット90の下部の前面(取付面)に形成されている。これらの球導入口192及び球排出口を繋いでいる球抜き通路190は、上端部が左上側から右下側へ屈曲され、その屈曲部から下側の所定範囲が直線状とされ、さらにその直線状部の下側が左下側へ傾斜した形状とされている。
また、球通路ユニット90の右側面上端部に突設された位置決め部176及び下部の略中央には一対の位置決め孔178が形成されており、上端部の略中央にはプラスチックファスナー92が1個取り付けられ、左右側面の下端部に突設された各取付部180にはプラスチックファスナー92がそれぞれ取り付けられている。
一方、図5に示されるように、内枠14裏面における球通路ユニット90の取付部位には、上下に離間して配置された一対の位置決めボス172が設けられており、上側の位置決めボス172の近傍には取付孔174が1個形成され、下側の位置決めボス172の左右近傍には取付孔174が2個形成されている。さらに、下側の位置決めボス172の下方には球抜き口175が形成されている。
これにより、球通路ユニット90の取り付けでは、球通路ユニット90の各位置決め孔178を内枠14裏面の各位置決めボス172に嵌め入れることにより取り付け位置が決められ、その位置決め状態で、各プラスチックファスナー92の先端に設けられた拡縮部が内枠14裏面の各取付孔174に挿入される。そして、各プラスチックファスナー92の頭部を押圧し、拡縮部を拡径させて取付孔174に係合させると、球通路ユニット90は内枠14に固定される。
球通路ユニット90が内枠14の裏面に取り付けられると、球通路98の球導入口94は賞球払出装置86の球排出口89に接続され、球排出口96は貯球タンク42の裏面視右側面部に形成されたタンク入口97(図5参照)に接続される。また、球抜き通路190の球導入口192は、貯留タンク80の球整列通路84と賞球払出装置86の球導入通路87との接続部194(図6参照)の下方に配置され、球抜き通路190の球排出口は球抜き口175に接続される。
また、球通路ユニット90の取り外しでは、各プラスチックファスナー92を引っ張って拡縮部を縮径させると、拡縮部と取付孔174との係合状態が解除され、球通路ユニット90は内枠14の裏面から取り外し可能となる。
図3に示されるように、内枠14裏面の左側端部(正面視右側端部)には、上下方向に延出された施錠装置52が取り付けられている。施錠装置52の下部にはシリンダー錠(錠前)54が設けられており、シリンダー錠54の鍵孔56は、内枠14前面の右下部に設けられた台座55から露出されている。
施錠装置52の裏面側における上下端部近傍には、後方へ突出された一対の内枠固定用フック60A、60Bが設けられている。施錠装置52の前面側におけるガラス枠26との対応位置には、一対のガラス枠固定用フック62A、62Bが設けられており、このガラス枠固定用フック62A、62Bは、内枠14前面の右側端部に形成されたスリット64A、64Bを通して前方へ突出されている。また、施錠装置52の前面側における一体皿30との対応位置には、上下方向にスライドする一対の一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bが設けられている。
これにより、内枠14を外枠12に閉塞すると、施錠装置52の内枠固定用フック60A、60Bが外枠12の正面視右内側面設けられた一対の鍵受け部(図示省略)に係合し、内枠14は外枠12に保持される。ガラス枠26を内枠14に閉塞すると、ガラス枠26裏面の右側端部に取り付けられているガラス枠補強板68に設けられた一対の鍵受け部70A、70Bが施錠装置52のガラス枠固定用フック62A、62Bに係合し、ガラス枠26は内枠14に保持される。また、一体皿30を内枠14に閉塞すると、一体皿30裏面の右側端部に取り付けられている一対のフック(図示省略)が施錠装置52の一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bに係合し、一体皿30は内枠14に保持される。
また、内枠固定用フック60A、60B及びガラス枠固定用フック62A、62Bは、シリンダー錠54の鍵孔56に図示しない鍵を差し込んで所定の方向に回すことにより、それぞれ係合状態が解除され解錠されるようになっている。一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bは、ガラス枠26を開放すると露出される施錠装置52の解除レバー72を押し下げることにより、一体皿固定用鍵受け部材66A、66Bが下方へスライドして一体皿30の各フックとの係合状態が解除されるようになっている。
この施錠装置52により、内枠14は外枠12に、ガラス枠26は内枠14にそれぞれ施錠されるとともに、一体皿30は内枠14にロックされて、それぞれ閉塞状態に固定される。
図2に示されるように、遊技盤100は、装飾画(図示省略)を印刷した樹脂製シート状のセルが基板であるベニヤ板に貼着されてそのセルの表面が盤面100Aとなっている。盤面100Aの外周端部付近には、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられており、これらの外レール102、内レール104によって囲まれた円形状の領域は、遊技球が移動可能な遊技領域101とされている。
遊技領域101には、液晶ディスプレイを内蔵した特別図柄表示装置や、入賞口、始動口(スタート・チャッカー)、通過入賞口(スルー・チャッカー)、又、大入賞口(アタッカー)を備えた変動入賞装置(特別電動役物)がそれぞれ所定の位置に配置されると共に、遊技領域101内を落下する遊技球を所定の経路に誘導する多数の遊技釘等が設けられており(何れも図示省略)、最下位置にアウト口124が配置されている。
次に、以上説明した本実施形態に係るパチンコ機10の作用について説明する。
本実施形態のパチンコ機10では、内枠14の裏面上部に設けられた貯留タンク80に島設備から遊技球が供給されると、貯留タンク80内へ供給された遊技球は、貯留タンク80内を裏面視右方向へ流下しながら球詰まりとならないよう球整列通路84により前後方向に2列に整列され、球導入通路87を通って賞球払出装置86のカム軸130へ送り込まれる。そして賞球払出装置86の作動時に、ステッピングモータ132が回転駆動しカム軸130を回転させると、カム軸130の各カム板部によって球導入通路87の各列から交互に球排出口89を通り下方へ排出され、球通路部材90の球導入口94から球通路部材90に入り、球通路部材90内の各球通路98を通って球排出口96からタンク入口97を介し貯球タンク42内へ排出される。
ここで、球通路ユニット90内の球通路98は蛇行状にされているため、球通路98を流下する遊技球(賞球)の速度が抑えられて球通路98の下端部に加わる遊技球の落下衝撃は緩和される。さらに、貯球タンク42内が満杯になり、賞球払出装置86によって継続して払い出された遊技球が球通路98に滞留する場合でも、球通路98の下流側に滞留した遊技球に掛かる上流側の遊技球による圧力は、球通路98の蛇行形状によって減少されるため、球通路98あるいは貯球タンク42内での球詰まり発生が防止される。
さらに、球通路ユニット90から、図2に示される貯球タンク42の右側面部に形成されたタンク入口97を介して貯球タンク42内へ導入された遊技球(賞球)は、正面視にて左側から右側へ下り傾斜している貯球タンク42の底面44上を転動し、タンク出口45及び賞球排出口46を介して一体皿30の球皿部34へ排出される。そして球皿部34が遊技球で満杯になると、球皿部34に貯留しきれない余剰球は貯球タンク42に貯留される。また、貯球タンク42の底面44における最上流部(正面視左側部)には球検出スイッチが設けられており、貯球タンク42が遊技球で満杯になり、球検出スイッチが遊技球に押されて満杯であることが検出されると、その満杯状態が解消されるまで、賞球の払い出しが一時的に停止する。
また、貯球タンク42内の遊技球を球抜きする際は、ロック機構による賞球払出装置86(モータカバー134)のロックを解除して右方向へスライドさせ、球抜き位置へ移動させる。これにより、球整列通路84と球導入通路87との接続状態が解除されてそれらの間には隙間が形成され(図6参照)、貯球タンク42内及び賞球払出装置86内の各遊技球は、球整列通路84と球導入通路87との間の隙間から落下し、下方に位置する球抜き通路190の球導入口192に受け入れられ、球抜き通路190を通って球抜き口175へ排出される。球抜き完了後には、賞球払出装置86を左方向へスライドさせて元の位置に戻し、ロック機構によってロックすることにより、賞球払出装置86は球導入通路87が球整列通路84に接続された賞球払い出し位置に固定される。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、賞球払出装置86を貯留タンク80に隣接させて配置していることにより、遊技球を球排出口(タンク入口97)へ案内するための球通路98を、従来のように分割構成にする必要がなく1つにできるとともに、分割構成された2つの球通路を取り付ける取付ベース(裏機構)等が不要になる。これにより、賞球払出経路を構成する部品の数が削減され、組立性及びメンテナンス性を向上することができる。さらに、球通路ユニット90はプラスチックファスナー92によって容易に着脱できるため、組立性及びメンテナンス性がより良好になる。また、球通路ユニット90は透明樹脂製で球通路98が視認可能であるため、例えば球通路98に混入した異物等が原因で通路途中に球詰まりを生じた場合などは、その球詰まり箇所を迅速に特定して対応することができる。
また、賞球払出装置86は、内枠14の裏面上部に配置された貯留タンク80に隣接して設けられるため、内枠14の裏面においては、遊技盤100裏面の側方に空きスペースが生じる。これにより、遊技盤100裏面の部品搭載スペースを拡大することができる。
また、本実施形態では、球通路ユニット90が球通路98を2本有することにより、賞球払出装置86から払い出された遊技球をその2本の球通路98によって短時間により多く払い出すことができる。これにより、大量の遊技球を払い出す場合などに、その払い出しが完了する(遊技者が取得する)までの時間を短縮できる。
また、本実施形態では、2本の球通路98をパチンコ機10(内枠14)の奥行き方向に沿って配置していることにより、例えば2本の球通路をパチンコ機10の幅方向に並列的に配置する場合に比べて、内枠14の裏面における球通路占有面積を縮小できる。これにより、遊技盤100裏面の部品搭載スペースを更に拡大することができる。
また、本実施形態では、球通路ユニット90に球抜き通路190を設けていることにより、球抜き通路1901を別体とする構成に比べて、部品点数が削減され組立性及びメンテナンス性を更に向上することができる。
また、本実施形態では、球通路ユニット90に設けた球抜き通路190を球通路98よりも貯留タンク80側に配置していることにより、貯留タンク80に貯留された遊技球の排出経路を賞球払出装置86側から球抜き通路190側へ切り替える切替機構や分岐通路等の構成を簡素化できる。
以上、本発明を上述した特定の実施形態により詳細に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。
例えば、上述した実施形態では、2本の球通路98及び球抜き通路190をユニット化して球通路ユニット90を構成し、その球通路ユニット90を内枠14の裏面にプラスチックファスナー92によって着脱できるよう構成しているが、従来のようなパチンコ機の裏面に設けられる裏機構等に複数の球通路をネジ止め等によって取り付ける場合でも、賞球払出装置を貯留タンクに隣接させて配置することにより、遊技球を球排出口へ案内するための球通路を1つにできるため、分割構成された2つの球通路を取り付ける場合に比べて組立性が良好になる。また同様に、賞球払出装置から払い出された遊技球を複数の球通路によって短時間により多く払い出すことができるとともに、その複数の球通路をパチンコ機の奥行き方向に沿って配置することにより、パチンコ機の裏面における球通路占有面積を縮小することができて、遊技盤裏面の部品搭載スペースを拡大することができる。
また、貯球タンク42内の遊技球を球抜きするための機構については、上述の実施形態のような、賞球払出装置86を左右方向へスライドさせるスライド機構以外にも、例えば、球導入通路87が一体的に設けられたケース88を、カム軸130の軸心を回動中心として図6の時計/反時計回転方向へ所定範囲回動するようモータカバー134に取り付け、球抜き時にはケース88を図6の実線で示した賞球払い出し位置から反時計回転方向へ回転させることにより、球整列通路84と球導入通路87との接続状態が解除可能となるような回動機構等を用いることもできる。
また、本発明は、一体皿構成のパチンコ機に限らず上皿及び下皿構成のパチンコ機にも適用することができる。
本発明の一実施形態に係るパチンコ機を示す正面図である。 図1のパチンコ機における内枠、ガラス枠、及び遊技盤を示す正面側から見た斜視図である。 図1のパチンコ機における内枠、ガラス枠、及び遊技盤を示す裏面側から見た斜視図である。 図1のパチンコ機における内枠、ガラス枠、及び遊技盤を示す裏面側から見た斜視図である。 図1のパチンコ機における内枠及び遊技盤を示すとともに球通路ユニットが取り外された状態を示す裏面側から見た斜視図である。 図1のパチンコ機における賞球払出装置を示す裏面図である。
符号の説明
10 パチンコ機
14 内枠(パチンコ機本体)
80 貯留タンク(球貯留部材)
84 球整列通路(球貯留部材)
86 賞球払出装置(球払出手段)
87 球導入通路(球払出手段)
88 ステッピングモータ(球払出手段)
90 球通路ユニット(球通路部材)
92 プラスチックファスナー(取付手段)
97 タンク入口(球排出口)
98 球通路
190 球抜き通路

Claims (7)

  1. パチンコ機本体の裏面上部に設けられ、外部から供給された遊技球を貯留する球貯留部材と、
    前記球貯留部材に隣接して設けられ、球貯留部材から供給された遊技球を払い出す又は払い出し停止する球払出手段と、
    前記球払出手段の下方に配置され、球払出手段から払い出された遊技球を受け入れて下方へ案内するとともに前記パチンコ機本体の下部に設けられた球排出口へ排出する球通路を備えた球通路部材と、
    前記球通路部材を前記パチンコ機本体の裏面に着脱可能に取り付ける取付手段と、
    を有することを特徴とするパチンコ機。
  2. 前記球通路部材は、前記球通路を複数有することを特徴とする請求項1記載のパチンコ機。
  3. 複数の前記球通路が前記パチンコ機本体の奥行き方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項2記載のパチンコ機。
  4. 前記球通路部材は、前記球貯留部材に貯留されている遊技球を抜き出す球抜き通路を有することを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項記載のパチンコ機。
  5. 前記球抜き通路が前記球通路よりも前記球貯留部材側に配置されていることを特徴とする請求項4記載のパチンコ機。
  6. パチンコ機本体の裏面上部に設けられ、外部から供給された遊技球を貯留する球貯留部材と、
    前記球貯留部材に隣接配置され、球貯留部材から供給された遊技球を払い出す又は払い出し停止する球払出手段と、
    前記球払出手段の下方に前記パチンコ機本体の奥行き方向に沿って複数配置され、球払出手段から払い出された遊技球を受け入れて下方へ案内するとともに前記パチンコ機本体の下部に設けられた球排出口へ排出する球通路と、
    を有することを特徴とするパチンコ機。
  7. 球貯留部材に貯留されている遊技球を抜き出す球抜き通路が前記複数の球通路よりも前記球貯留部材側に配置されていることを特徴とする請求項6記載のパチンコ機。
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