以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する、本発明の実施形態にかかる遊技機1は、遊技媒体として遊技球(=パチンコ球)を使用するパチンコ遊技機である。
説明の便宜上、本発明の実施形態にかかる遊技機1の向きの記し方に関しては、遊技者が遊技を行う側の面(=遊技者が遊技を行うに際して対向する側の面)を「前面」というものとし、「前面」の反対側の面(=「前面」に背中合わせの面)を「背面」というものとする。また、本発明の実施形態にかかる遊技機1の「上」、「下」、「右」、「左」とは、それぞれ、特に断りのない限り、通常の設置態様(または通常の使用態様)において、前面側から見た向きをいうものとする。なお、本発明の実施形態にかかる遊技機1を構成する各種の機器、部材、部品などについても同様とする。
まず、本発明の実施形態にかかる遊技機1の全体的な構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる遊技機1を前面側から見た平面図である。なお、図1においては、遊技盤3の遊技領域31に配設される機器や役物などの一部は省略してある。図1に示すように、本発明の実施形態にかかる遊技機1は、機枠11(「基枠」、「外枠」、「本体枠」などと称することもある)と、遊技盤取り付け枠12(「内枠」、「前面枠」などと称することもある)と、透明板枠13(「ガラス枠」と称することもある)と、遊技盤3と、上皿部材14と、下皿部材15と、プリペイドカードユニット16とを有する。機枠11、遊技盤取り付け枠12、透明板枠13、遊技盤3、上皿部材14、下皿部材15には、それぞれ、所定の部材や所定の構造物などが設けられる。
機枠11は、所定の奥行き寸法を有し、略四辺形の額縁状の構成を有する構造物である。機枠11の内側には、前面側から背面側につながる空間(開口部)が形成される。機枠11は、従来一般の遊技機の機枠と同じ構成が適用できる。したがって、詳細な説明は省略する。
遊技盤取り付け枠12は、遊技盤3や他の所定の装置や部材(たとえば、遊技球発射ハンドル121、遊技球発射装置602、球送りカセットなど(後述))が配設される部材である。遊技盤取り付け枠12は、上部側に遊技盤3を配設可能な領域が設けられ、下部側に他の所定の装置や部材が配設可能な領域が設けられる。遊技盤取り付け枠12の一側(本発明の実施形態にかかる遊技機1においては左側)は、機枠11の一側(本発明の実施形態にかかる遊技機においては左側)に着脱可能に軸着されている。このため、遊技盤取り付け枠12は、機枠11に対して、開き戸のような態様で開閉することができる。そして、遊技盤取り付け枠12が、機枠11に対して閉じた状態においては、遊技盤取り付け枠12の一部が、機枠11の内側に形成される空間に収容される。なお、遊技盤取り付け枠12は、従来公知の遊技機の遊技盤取り付け枠の構成が適用できる。したがって、詳細な説明は省略する。
遊技盤3は、略板状の部材である。遊技盤3の前面側には、ガイドレール301が配設される。そして、このガイドレール301によって、遊技球が通過可能な遊技球発射経路302と、遊技球が流下可能な遊技領域31とが形成される。遊技領域31には、図柄表示装置32、ステージ34、ゲート335、第一種始動口331、第二種始動口332、第一種大入賞口333、第二種大入賞口334、アウト口35、およびその他所定の役物などが配設される。遊技盤3の構成および遊技盤3に配設される役物などの詳細については後述する。
透明板枠13は、ガラス板やプラスチック板などからなる透明板131と、この透明板131を保持する額縁状の枠体とを有する部材である。透明板枠13は、その一側(本発明の実施形態にかかる遊技機1においては左側)が、遊技盤取り付け枠12の一側(本発明の実施形態にかかる遊技機1においては左側)に軸着されている。このため、透明板枠13は、当該一側を揺動中心(=回転中心)として、開き戸のような態様で、遊技盤取り付け枠12に対して開閉することができる。
そして、透明板枠13が遊技盤取り付け枠12に対して閉じられた状態にあると、透明板枠13の透明板131が、遊技盤取り付け枠12に配設される遊技盤3の遊技領域31の前面側に位置する。このため、透明板枠13が遊技盤取り付け枠12に対して閉じられた状態においては、遊技盤3の遊技領域31が、透明板131を通じて、本発明の実施形態にかかる遊技機1の前面側から視認可能となる。透明板枠13には、このほか、遊技機1を装飾する各種の所定の装飾部材や電飾部材が設けられる。さらに、透明板枠13の所定の位置(たとえば、上部の左右両側)には、音声を発する拡声手段132(スピーカなど)が配設される。
上皿部材14は、上皿141が設けられる部材である。上皿141は、遊技盤3の遊技領域31に向けて発射する遊技球や、賞球として払い出された遊技球を貯留可能な構造物である。上皿部材14には、このほかにも、貯留されている遊技球を下皿部材15の下皿151に流下させるための上皿操作部と、貸出可能な遊技球(すなわち貸し球)を払い出すための貸し球操作部と、遊技者が遊技中において操作する遊技ボタン類や遊技レバー類(いずれも図略)とが設けられる。
下皿部材15は、下皿151が設けられる部材である。下皿151は、上皿141から流下させた遊技球や、遊技球発射装置602により発射されたものの遊技領域31には到達せずに遊技球発射経路302を逆流した遊技球などを貯留可能な部材である。下皿部材15には、このほか、球抜き操作部(図略)が設けられる。この球抜き操作部を操作することにより、下皿151に貯留される遊技球を、本発明の実施形態にかかる遊技機1の外部(たとえば、下方に置かれた遊技球の容器など)に流し落とすことができる。
なお、上皿部材14および下皿部材15は、透明板枠13と同様に、それらの一側が遊技盤取り付け枠12の一側に軸着されており、遊技盤取り付け枠12に対して開閉可能である。
遊技盤取り付け枠12の下部(=遊技盤3の下側)には、遊技球発射装置602(図1においては隠れて見えない)、遊技球発射ハンドル121、球送りカセット(図1においては隠れて見えない)が配設される。
遊技球発射装置602は、遊技球を遊技盤3の遊技領域31に向けて発射するための装置である。遊技球発射ハンドル121は、遊技者が遊技球を発射させるために操作する装置である。遊技球発射ハンドル121が操作されると、この操作に応じて、遊技球発射装置602が遊技球を発射する。球送りカセットは、その内部に遊技球が通過可能な経路が設けられる部材である。そして、上皿部材14の上皿141に貯留される遊技球を、遊技球発射装置602に送り込むことができる。また、上皿部材14の球抜き操作部が操作された場合には、上皿部材14の上皿141に貯留される遊技球を、下皿部材15の下皿151に流下させることができる。
プリペイドカードユニット16は、遊技球を貸し出すプリペイドカードに関する処理をするための装置である。
遊技球発射装置602、遊技球発射ハンドル121、球送りカセットは、従来公知の構成が適用できる。また、プリペイドカードユニット16も、公知のものが適用できる。したがって、これらの詳細な説明は省略する。
図2は、本発明の実施形態にかかる遊技機1の背面図である。図2に示すように、本発明の実施形態にかかる遊技機1には、枠用外部端子基板701、図柄制御基板702、主制御基板703、サブ制御基板(図略)、音声制御基板704、払出制御基板706、発射装置制御基板707、電源基板708などの各種基板が設けられる。さらに、カードインターフェース接続部709、球寄せ710、タンク711、タンクレール712、遊技球払出装置713、遊技球発射装置602などが設けられている。なお、これらの構成も、従来公知の遊技機の構成が適用できる。したがって、説明は省略する。
本発明の実施形態にかかる遊技機1の動作の概略は、次のとおりである。遊技球発射ハンドル121が操作されると、遊技球発射装置602は、遊技球発射ハンドル121の操作に応じて、遊技球を、遊技盤3の遊技領域31に向けて発射する。発射された遊技球は、遊技盤3の遊技球発射経路302を通過して、遊技領域31に進入する。なお、発射の際の初速度が小さく、遊技領域に進入できなかった遊技球は、遊技球発射経路302を落下し、下皿部材15の下皿151に排出される。遊技領域31に進入した遊技球は、下方に向かって流下する。そして、遊技球が、第一種始動口331に入賞するなどすると、所定の遊技球が賞球として払い出されるとともに、遊技状態が変化する。詳細は後述する。第一種始動口331、第二種始動口332、第一種大入賞口333、第二種大入賞口334のいずれにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域31の最下部に達し、アウト口35から遊技領域31の外部に排出される。
次に、第二種大入賞口334の入賞口ユニット2について説明する。第二種大入賞口334は、遊技盤3の遊技領域31に設けられる入賞口(役物)の一種であり、入賞口ユニット2は、第二種大入賞口334を構成する部材の一つである。
図3は、入賞口ユニット2の内部構造を模式的に示した透視図であり、斜め前面側から見た図である。入賞口ユニット2の構成の概略は次のとおりである。入賞口ユニット2は、カバー部材21とベース部材23などから筐体が形成される箱状の装置であり、その内部には、遊技球が通過可能な四条の経路(=第一の経路201、第二の経路202、第三の経路203、第四の経路204)が形成される。さらに、入賞口ユニット2には、外部から内部に遊技球が進入可能な遊技球入口205と、内部から外部に遊技球を排出可能な二箇所の出口(=第一の遊技球出口206、第二の遊技球出口207)が形成される。
遊技球入口205から進入した遊技球は、第一の経路201を通過し、その後、第二の経路202と第三の経路203のいずれか一方に振り分けられる。第二の経路202に振り分けられた遊技球は、第二の経路202を通過して、第一の出口206から外部に排出される。一方、第三の経路203に振り分けられた遊技球は、第三の経路203および第四の経路204を通過して、第二の出口207から外部に排出される。
第二の経路202には、第一の遊技球検出手段208が設けられる。第四の経路204には、第二の遊技球検出手段209が設けられている。第一の遊技球検出手段208と第二の遊技球検出手段209は、それぞれ、遊技球の通過を検出することができる。このため、入賞口ユニット2は、第二の経路202を通過する遊技球の個数と、第三の経路203および第四の経路204を通過する遊技球の個数のそれぞれを計測することができる。さらに、第一の遊技球検出手段208と第二の遊技球検出手段209により検出された遊技球の個数を合算することにより、入賞口ユニット2の内部を通過する遊技球の総数を計測することができる。
入賞口ユニット2を構成する各部品(部材)の構成の詳細は、次のとおりである。図4と図5は、入賞口ユニット2の分解斜視図であり、入賞口ユニット2を構成する各部品(各部材)の構成を模式的に示した図である。なお、図4は入賞口ユニット2を前面側から見た図、図5は、背面側から見た図である。図4と図5のそれぞれに示すように、入賞口ユニット2は、カバー部材21と、ベース部材23と、裏蓋部材25と、可動部材200と、可動部材駆動動力源26と、リンク部材27と、第一の遊技球検出手段208と、第二の遊技球検出手段209と、発光基板(図略)と、を備える。
カバー部材21とベース部材23は、入賞口ユニット2の筐体となる部品である。カバー部材21とベース部材23とは、たとえば合成樹脂材料により成形される。なお、遊技球が第二の経路に振り分けられたか第三の経路に振り分けられたかが、外部から視認可能に構成される。このため、たとえば、カバー部材21のうち、少なくとも第一の経路201の終点近傍と、第二の経路202の始点近傍と、第三の経路203と、第四の経路204の始点近傍は、略透明に形成される。
カバー部材21は、全体として、背面側に向かって開放する底の浅い略箱状または略トレイ状の構成を有する部品である。すなわち、カバー部材21は、略平板状で所定の形状を有する前面部210と、前面部210の周縁部から背面側に向かって起立する周壁部211とを有する。前面部210の形状は特に限定されるものではないが、たとえば、図4と図5のそれぞれに示すように、略四辺形に形成される。そして、前面部210の背面側には、第一の経路の底部212と、第一の区画壁213と、第二の区画壁214と、第三の区画壁215と、第三の経路の底部216と、誘導部217と、ガイド部(図においては隠れて見えない)とが形成される。さらに、所定の位置には、遊技球進入口205と、第一の遊技球出口206となる第一の切り欠き219と、第二の遊技球出口となる第二の切り欠き220とが形成される。
遊技球入口205は、カバー部材21の外部の上方から(すなわち、入賞口ユニット2の外部の上方から)、カバー部材21の内部(=前面部210の背面側であって周壁部211に囲まれた領域。すなわち、入賞口ユニット2の内部)に遊技球が進入可能な開口部である。図4と図5のそれぞれに示すように、遊技球入り口205は、カバー部材21の上側隅部(具体的には、前面側から見て右上隅部)に、前面部210と周壁部211にまたがって形成される。
第一の経路の底部212は、前面部210の背面側に突起する略平板状の構造物である。第一の経路の底部212は、遊技球入口205の直下を始点とし、ケース部材21の反対側端部(ここでは、前面側からみて左側)に向かって延伸する。すなわち、第一の経路の底部212の始点は、カバー部材21の周壁部211の側辺(本発明の実施形態においては、右側の側辺)に繋がっており、終点は、カバー部材21の左右方向の中間に位置する(=反対側の側辺には達していない)。第一の経路の底部212の上面は、始点から終点に向かって下り勾配となる傾斜面である。
第一の区画壁213と第二の区画壁214は、第二の経路202を形成する構造物である。第一の区画壁213と第二の区画壁214は、略上下方向に延伸する略平板状の構造物であり、互いに所定の寸法(=遊技球が通過可能な寸法)をおいて略平行に形成される。そして、第一の区画壁213と第二の区画壁214との間のスペースが、遊技球が通過可能な第二の経路202となる。
第一の区画壁213の上端は、第一の経路の底部212の終点の下方に設けられる。そして、第一の区画壁213の上端と、第一の経路の底部212の終点との間には、隙間(=開口部)が形成される。この隙間の上下方向寸法は、可動部材200の第一の部分2001(詳細は後述)が遊挿可能な寸法(=通過可能な寸法)に設定される。一方、第一の区画壁213の下端は、ケース部材21の下辺に達しており、周壁部211の下辺に繋がって一体化している。
第二の区画壁214の上端は、第三の経路の底部216に繋がって一体化している。一方、第二の区画壁214の下端は、ケース部材21の下辺に達しており、周壁部211の下辺に繋がって一体化している。
そして、周壁部211の下辺うち、第一の区画壁213の下端と第二の区画壁214の下端との間に形成される部分には、第一の切り欠き219が形成される。換言すると、周壁部211の下辺のうち、第一の区画壁213の下端と第二の区画壁214の下端との間に形成される部分は、他の部分に比較して高さが低い(=背面側に向かって突出する突出寸法が小さい)。この第一の切り欠き219が、遊技球を外部に排出するための第一の遊技球出口206を形成する。
第三の区画壁215は、第四の経路204を形成する構造物である。第三の区画壁215は、略上下方向に延伸する平板状の構造物であり、ケース部材21の周壁部211の側辺(具体的には、第一の経路の底部212の始点が位置する側の側辺とは反対側の側辺。ここでは、前面側からみて左側の側辺)の内周面に、所定の寸法(=遊技球が通過可能な寸法)をおいて、当該内周面に略平行に形成される。そして、第三の区画壁215と周壁部211の側辺との間に形成されるスペースが、遊技球が通過可能な第四の経路204となる。
第三の区画壁215の上端は、第三の経路の底部216に繋がって一体化している。一方、第三の区画壁215の下端は、ケース部材21の下辺に達しており、周壁部211の下辺に繋がって一体化している。そして、ケース部材21の周壁部211の下辺のうち、第三の区画壁215の下端と周壁部211の側辺の下端との間には、第二の切り欠き220が形成される。この第二の切り欠き220は、遊技球を外部に排出するための第二の遊技球出口207を形成する。
なお、第一の区画壁213と第二の区画壁214には、それぞれ、第一の遊技球検出手段208を位置決めして固定するための係合部2131,2141が形成される。これらの係合部2131,2141は、たとえば、第一の遊技球検出手段208を収容可能な凹部(前後方向に延伸する溝)が適用できる。そして、第一の区画壁213に形成される係合部2131と第二の区画壁214に形成される係合部2141とが対向する。同様に、第三の区画壁215と周壁部211の側辺には、それぞれ、第二の遊技球検出手段209を位置決めして固定するための係合部2151,2111が形成される。これらの係合部2151,2111には、第二の遊技球検出手段209を収容可能な凹部が適用できる。そして、第三の区画壁215に形成される係合部2151と周壁部211の側辺に形成される係合部2111とが対向する。
これらの係合部2131,2141,2151,2111の寸法および形状は、適用される第一の遊技球検出手段208または第二の遊技球検出手段209の寸法および形状に応じて設定されるものであり、特に限定されるものではない。また、係合部2131,2141,2151,2111が形成される位置(上下方向の位置)も、特に限定されるものではない。
第三の経路の底部216は、背面側に向かって突起する構造物であり、第三の経路203を構成する構造物である。第三の経路の底部216は、第二の区画壁214の上端と第三の区画壁215の上端との間に跨って形成される。すなわち、第三の経路の底部216の一端(こちら側を始点とする)は、第二の区画壁214の上端と繋がって一体化しており、他の一端(こちら側を終点とする)は、第三の区画壁215の上端とつながって一体化している。第三の経路の底部216の上面は、第二の区画壁214の側から第三の区画壁215の側に向かって下り勾配となる傾斜面である。このため、第三の経路の底部216の上面に落下した遊技球は、重力によって、第三の区画壁215の側(すなわち、第四の経路204の側)に向かって流下することができる。なお、第三の経路の底216部の上面の傾斜(=水平面に対する角度)は、第一の経路の底部212の上面よりも大きく設定される。
第二の区画壁214の上端近傍であって第三の経路の底部216の一端(始点)近傍には、誘導部217が形成される。誘導部217は、遊技球を第二の経路202に誘導する機能を有する。誘導部217は、前面部210から背面側に向かって突起するとともに、第二の区画壁214および第三の経路の底部216の一端から第一の経路201の側に向かって突起する構造物である。誘導部217は、たとえば、第二の区画壁214および第三の経路の底部216に一体に形成される。
誘導部217は、第一の誘導面2171と第二の誘導面2172とを有する。
第一の誘導面2171は傾斜面であり、前面側または背面側から見ると、第三の経路の底部216の上面の一端(=先端。すなわち、第二の区画壁214の側の一端)を頂点とし、第一の区画壁213の側(換言すると、第一の経路の底部212の側)に向かって下り勾配となる。このため、第一の誘導面2171に落下した遊技球は、重力によって第一の区画壁213の側に流下し、第二の経路202に落下することができる。水平面に対する第一の誘導面2171の傾斜角度は、第三の経路の底部216の上面の傾斜角度よりも大きい角度に設定される(すなわち、傾斜がきつく設定される)。
第二の誘導面2172は、凹状の曲面である。具体的には、たとえば、軸線が上下方向に延伸する円筒の内周面の一部を抜き出したような構成を有する。第二の誘導面2172の曲率半径は、遊技球の半径よりも大きい値に設定される。
このため、誘導部217は、上側または下側から見ると、略直角三角形の形状を有する。すなわち、直角三角形の直角の隣辺の一方に相当する面が、ケース部材21の前面部210の背面側の面に繋がって一体化しており、直角の隣辺の他の一方に相当する面が、第二の区画壁214および第三の経路の底部216の端部に繋がって一体化している。そして、直角三角形の斜辺に相当する面が、第二の経路202の内側を向く面(=第二の経路202の内側を臨む面)であり、直角三角形の内側に窪むような凹状の曲面に形成される。誘導部217を上側から見た場合において、上側に現れる面(=上側から見える面。略直角三角形の形状を有する面)が第一の誘導面2171であり、直角三角形の斜辺に相当する面が第二の誘導面2172である。
第一の経路の底部212の下方には、ガイド部(図略)が設けられる。ガイド部は、可動部材200がスムーズに往復動できるようにガイドする構造物である。具体的には、図5に示すように、略水平方向に延伸する二条の構造物が、所定の距離をおいて略平行に形成される。これらの二条の構造物の長手方向の一端は、第一の経路の底部212の終点と第一の区画壁213の上端との間に形成される隙間に達する。すなわち、二条の構造物の一方(上側に形成される構造物)の一端は、第一の経路の底部212の終点と繋がっている。また、二条の構造物の他方(下側に形成される構造物)の一端は、第一の区画壁213の上端に繋がっている。
このため、可動部材200の第一の部分2001の前面側の一部をガイド部に係合させることにより(=二条の構造物の間に遊挿することにより)、可動部材200をガイド部の延伸方向に沿って(=二条の構造物の延伸方向(=略水平方向)に沿って)、往復動させることができる。そして、可動部材200の第一の部分2001の一部を、第一の経路の底部212の終点と第一の区画壁213の上端との間に形成される隙間から、第三の経路の底部216の側に突出させることができる。
ベース部材23は、全体として、背面側に向かって開放する底の浅い略箱状または略トレイ状の構成を有する部品である。すなわち、ベース部材23は、略平板状で所定の形状を有する前面部231と、前面部231の周縁部から背面側に向かって起立する周壁部232とを有する。前面部231の形状は特に限定されるものではないが、ベース部材23の前面部231の前面側にケース部材21が配設された場合において、ケース部材21の外周がベース部材23の前面部231の内側に収まる寸法および形状を有する。たとえば、図4と図5のそれぞれに示すように、全体としては、ケース部材21の外周の寸法および形状に略等しく設定され、必要な部分がさらにケース部材21の外周から外側に突出するような寸法および形状に設定される。
そして、ベース部材23の前面部231には、第三の経路の底部233と、誘導部234と、開口部235とが形成される。一方、ベース部材23の背面側(周壁部232に囲まれる領域)には、可動部材駆動動力源26と、可動部材200の一部と、リンク部材27を配設できる領域が設けられる。さらに、発光基板を配設できる領域が設けられる。
第三の経路の底部233および誘導部234は、一体に形成されるとともに、前面側に向かって突起する構造物である。第三の経路の底部233は、ケース部材21がベース部材23に組み付けられると、ケース部材21に形成される第三の経路の底部216と一体化して、第三の経路203の一部を形成する。
ベース部材23に形成される第三の経路の底部233および誘導部234と、ケース部材21に形成される第三の経路の底部216および誘導部217とは、略面対称の構成を有する。すなわち、ベース部材23に形成される第三の経路の底部233の上面が傾斜面である構成、ベース部材23に形成される誘導部234が第一の誘導面2341および第二の誘導面2342を有する構成、第一の誘導面2341が傾斜面である構成、第二の誘導面2342が凹状の曲面である構成、誘導部234が上側または下側から見ると略直角三角形である構成、およびそれらの具体的な構成は、ケース部材21に形成される第三の経路の底部216および誘導部217と同じである。したがって、詳細な説明は省略する。
開口部235は、前面部231に形成される貫通孔であり、可動部材200の第一の部分2001を背面側から差し込んで前面側に突出させることができる。開口部235は、前面側に突出させた可動部材200の第一の部分2001を、略水平方向に所定の範囲で往復動させることができる寸法および形状を有する。たとえば、この開口部235には、略水平方向に延伸する長孔が適用できる。
可動部材200は、第二の経路202を開閉する機能を有する部材(換言すると、遊技球を、第二の経路202と第三の経路203のいずれか一方に振り分ける機能を有する部材)である。可動部材200は、第一の部分2001と第二の部分2002とを有する。
可動部材200の第一の部分2001は、可動部材200が入賞口ユニット2に組み付けられた状態において、ベース部材23の前面部231の前面側に位置する(=ベース部材23に形成される開口部235を通じて前面側に突出する)部分である。第一の部分2001は、直接的に、第二の経路202を開閉する機能を有する。第二の部分2002は、可動部材200が入賞口ユニット2に組み付けられた状態において、ベース部材23の前面部231の背面側に位置する部分である。第二の部分2002は、可動部材駆動動力源26からの駆動力の伝達を受ける部分である。
説明の便宜上、可動部材200については、入賞口ユニット2に組み込まれた状態において、第二の区画壁214および第三の経路の底部216の側に位置する端部を「先端部」と称し、第一の経路201の始点側に位置する端部を「基端部」と称する。
可動部材200の第一の部分2001の先端部2004は、上側または下側から見ると、さらに先端側に向かって張り出すような円弧または略円弧状の曲面に形成される。この先端部2004の曲率半径は、ケース部材21に形成される誘導部217の第二の誘導面2172の曲率半径と異なる値に設定されることが好ましい。また、第一の部分2001の先端部2004は、第二の区画壁214に対して所定の角度をもって傾斜する傾斜面に形成される。具体的には、第一の部分2001の先端部は、斜め下方を向く傾斜面に形成される。なお、この第一の部分2001の先端部の傾斜角度は、特に限定されるものではない。
第一の部分2001の上面の先端部2004の側には、基端部の側から先端部2004の側に向かって下り勾配となる傾斜面2003が形成される。なお、第一の部分2001の上面の全体が、基端部の側から先端部2004の側に向かって下り勾配となる傾斜面2003であってもよい。
可動部材200の第二の部分2002には、第一の係合部2005と第二の係合部2006とが形成される。第一の係合部2005は、裏蓋部材25に形成されるガイド部251(後述)に係合することにより、可動部材200を所定の方向(ガイド部205の延伸方向。ここでは略水平方向)にスムーズに往復動させることができる部分である。第一の係合部2005は、裏蓋部材25に形成されるガイド部251に係合可能な構成であればよく、具体的な構成は限定されるものではない。第二の係合部2006は、リンク部材27(後述)と係合することにより、可動部材駆動動力源26からの駆動力の伝達を受ける部分である。この第二の係合部2006の構成も、リンク部材27の構成などに応じて適宜設定されるものであり、特に限定されるものではない。
可動部材駆動動力源26は、往復運動を発生することができる機器である。この可動部材駆動動力源26は、往復運動を発生させることができる構成であればよく、その構成は限定されるものではない。このため、公知の各種動力源が適用できる。
可動部材駆動動力源26には、たとえば、次のような構成が適用できる。可動部材駆動動力源26は、ソレノイド263と、駆動部材261と、付勢部材(図略)とを有する。駆動部材261は、往復動可能に配設される部材である。付勢部材は、駆動部材261を往復動の可能範囲の一端側に向けて付勢する部材である。付勢部材には、たとえば圧縮コイルバネ(軸線方向の圧縮力に対して反発する力を発するコイルバネ)が適用できる。付勢部材は、駆動部材261の一端(こちら側を先端と称する)とソレノイド263との間に架設される。このため、ソレノイド263が磁力を発生していない状態では、駆動部材261は、付勢部材の付勢力によって、往復動の可動範囲の一端(駆動部材261の先端が最もソレノイド263から離れた位置)に、付勢された状態で位置する。ソレノイド263が磁力を発生すると、駆動部材261は、ソレノイド263が発する磁力に吸引される。そして、付勢部材の付勢力に抗して、可動範囲の他の一端に移動する(駆動部材261の先端が、ソレノイド263に接近する)。このように、ソレノイド263が発する磁力と、付勢部材の付勢力とによって、駆動部材261を往復動させることができる。
リンク部材27は、可動部材駆動動力源26の駆動部材261の往復動を、可動部材200に伝達する機能を有する部材である。リンク部材27の構成は限定されるものではない。要は、リンク部材27は、可動部材駆動動力源26の駆動部材261の往復動を可動部材200に伝達し、これによって可動部材200を往復動させることができる構成であればよい。たとえば、リンク部材27には、略棒状の部材が適用できる。そして、軸線方向の両端部には、係合孔(たとえば、)軸線方向に沿って長く、前面側から背面側に向かって貫通する長孔)が形成されるとともに、軸線方向の中間には、前面側および背面側に向かって突起する係合軸(図略。たとえば、略円柱状の部材または構造物)が設けられる。
裏蓋部材25は、ベース部材23の背面側に配設される部材である。裏蓋部材25は、略平板状の部材である。裏蓋部材25の前面側には、ガイド部251が形成される。ガイド部25は、可動部材200の第二の部分2002に形成される第一の係合部2005が係合することにより、可動部材200のスムーズな往復動を実現または補助する機能を有する構造物である。たとえば、ガイド部25は、図4に示すように、略水平方向に延伸する溝が形成される構造物が適用できる。そして、可動部材200の第二の部分2002の第一の係合部2005が、このガイド部251に係合することにより(=ガイド部251に形成される溝に嵌り込むことにより)、可動部材200は、略水平方向に往復動することができる。
第一の遊技球検出手段208および第二の遊技球検出手段209には、公知の各種遊技球検出手段が適用できる。要は、第一の遊技球検出手段208および第二の遊技球検出手段209は、遊技球(特に遊技球の通過)を検出できる構成であればよく、具体的な構成は限定されるものではない。たとえば、ソレノイドを有し、ソレノイドの内部を遊技球が通過した際のインダクタンスの変化を検出することにより、遊技球の通過を検出する構成の機器が適用できる。
発光基板は、LED(発光ダイオード)などの発光素子およびその他の必要な素子などが実装された基板である。そして、発光素子を所定の態様で発光させることによって、光によって遊技機1を装飾したり、遊技を演出したりする。発光基板の具体的な構成も、特に限定されるものではない。また、入賞口ユニット2が発光基板を備えない構成であってもよい。
以上説明した部材を有する入賞口ユニット2の組み付け構造は、次のとおりである。
ケース部材21の第一の区画壁213と第二の区画壁214に形成される係合部2131,2141に、第一の遊技球検出手段208が配設される。同様に、第三の区画壁215と周壁部211の側辺に形成される係合部2151,2111に、第二の遊技球検出手段209が配設される。
ケース部材21の背面側にベース部材23が配設され、ケース部材21がベース部材23にネジ(図略)などによって固定される。ケース部材21がベース部材23に固定されると、ケース部材21の背面側の開口部(=周壁部211に囲まれる領域)が、ベース部材23の前面部231によって蓋をされる構成となる。そして、ケース部材21の前面部210とベース部材23の前面部231との間に、第一の経路201と、第二の経路202と、第三の経路203と、第四の経路204とが形成される。
具体的には、次のとおりである。第一の経路201は、ケース部材21の第一の経路の底部212と、ケース部材21の前面部210と、ケース部材21の周壁部211(特に、上辺のうちの第一の経路の底部212に対向する部分)と、ベース部材23の前面部231とに囲まれる領域として形成される。第二の経路202は、ケース部材21の第一の区画壁213と、ケース部材21の第二の区画壁214と、ケース部材21の前面部210と、ベース部材23の前面部231とに囲まれる領域として形成される。第三の経路203は、ケース部材21およびベース部材23の第三の経路の底部216,233と、ケース部材21およびベース部材23の前面部210,231と、ケース部材21の周壁部(特に、上辺のうちの第三の経路の底部216,233に対向する部分)とに囲まれる領域として形成される。第四の経路204は、ケース部材21の第三の区画壁215と、ケース部材21の前面部210と、ケース部材21の周壁部(特に、側辺のうちの第三の区画壁215に対向する部分)と、ベース部材23の前面部231とに囲まれる領域として形成される。
ケース部材21がベース部材23の前面側に固定されると、ベース部材23の前面部231に形成される第三の経路の底面部233は、ケース部材21の前面部210に形成される第二の区画壁214および第三の区画壁215の上側で、かつ、ケース部材21の前面部210に形成される第三の経路の底面部210の背面側に位置する。そして、ベース部材23の前面部に形成される第三の経路の底面部233と、ケース部材21の前面部210に形成される第三の経路の底面部216とは、略一体化する。このため、ケース部材21の前面部210およびベース部材23の前面部231に形成される第三の経路の底面部216,233の上面は、第二の経路202の側から第四の経路204の側に向かって下り勾配となる一つの傾斜面を形成する。
さらに、ケース部材21およびベース部材23の誘導部217,234は、上側から見ると、全体として、第二の区画壁214(または第三の経路203の始点)から第一の区画壁213(換言すると第一の経路201)の側に向かって突出する構造物を形成する。そしてこの構造物の第一の区画壁213の側の端面は、第三の経路203の側に向かって(換言すると、第二の区画壁214の側に向かって)、円弧または略円弧状に凹状に窪んだ曲面となる。
ケース部材21およびベース部材23の誘導部217,234は、第二の区画壁214の上端であって、第三の経路203の始点(第三の経路の底面部216,233の一端)に形成される。この位置は、第二の経路202の始点である。したがって、第二の経路202の始点の縁部には、ケース部材21およびベース部材23の誘導部217,234の第二の誘導面2172,2342によって、前記構成の曲面が形成される。
さらに、第二の経路202の始点の縁部には、ケース部材21およびベース部材23の誘導部217,234の第一の誘導面2171,2341が位置する。このため、第二の経路202の始点の縁部には、第三の経路203の側から第一の経路201の終点側に向かって下り勾配となる傾斜面が形成される。
可動部材200の第一の部分2001が、ベース部材23の前面部231の開口235部を通じて、前面部231の背面側から前面側に突出するように配設される。このため、可動部材200の第一の部分2001がベース部材23の前面部231の前面側に配設され、可動部材200の第二の部分2002がベース部材23の前面部231の背面側に配設される。そして、可動部材200の第一の部分2001の前面側の端部は、ケース部材21のガイド部に係合する(=ガイド部の二条の構造物の間に遊挿される)。
ベース部材23の背面側には、可動部材駆動動力源26とリンク部材27とが配設される。具体的には次のとおりである。
可動部材駆動動力源26は、可動部材200の第二の部分2002の下方に配設される。可動部材駆動動力源26は、駆動部材261が略水平方向(前面側から見て左右方向)に往復動可能な向きであって、駆動部材261の先端(付勢部材によって突出している側の端部)が第二の経路および第四の経路と反対側を向く態様で配設される。そして、可動部材駆動動力源26の駆動部材261と、可動部材200とが、リンク部材27によって連結される。すなわち、リンク部材27の一端に形成される係合孔を、可動部材駆動動力源26の駆動部材261の先端に形成される係合突起に係合させる。同様に、リンク部材27の他の一端に形成される係合孔を、可動部材200の第二の部分2002に形成される第二の係合部2006(=背面側に向かって突出する突起状の構造物)に係合させる。そして、リンク部材27の係合軸を、ベース部材23の前面部231の背面側に形成される軸受けに嵌め込む。
可動部材200と可動部材駆動動力源26とリンク部材27とが配設された領域の背面側に、裏蓋部材25が装着され、ネジ(図略)などによってベース部材23に固定される。この際に、可動部材200の第二の部分2002に形成される第一の係合部2005(=可動部材200の第二の部分2002の背面側の端部)を、裏蓋部材25に形成されるガイド部251に係合させる(=ガイド部251により形成される溝に嵌め込む)。
また、リンク部材27の係合軸を、裏蓋部材25に形成される軸受けに嵌め込む。このような構成によれば、リンク部材27の係合軸の前面側が、ベース部材23の軸受け部に嵌り込み、係合軸の背面側が、裏蓋部材25の軸受け部に嵌り込む。このため、リンク部材27は、係合軸を中心として揺動することができる。
発光基板は、ベース部材23の前面部231の背面側であって、第一の経路200から第四の経路204の上方にかけて形成される空間の背面側に配設される。
以上の組み付け操作により、入賞口ユニット2が組み付けられる。組み付けられた入賞口ユニット2の構成は、次のとおりである。図6は、入賞口ユニット2の第一の状態を模式的に示した図であり、図6(a)は上側から見た図、図6(b)は前面側から見た図である。図7は、入賞口ユニット2の第二の状態を模式的に示した図であり、図7(a)は上側から見た図、図7(b)は前面側から見た図である。なお、入賞口ユニット2の「第一の状態」とは、遊技球が第二の経路202に進入可能な状態という。入賞口ユニット2の「第二の状態」とは、遊技球が第二の経路202に進入不可能な状態または進入困難な状態(=第三の経路203に誘導される状態)をいう
図6と図7のそれぞれに示すように、入賞口ユニット2の内部には、第一の経路201と、第二の経路202の始点と、第三の経路203と、第四の経路204の始点とが、この記載の順序で、上側から見て左右方向に略直列(または略一直線上に)に並ぶ。図6と図7においては、上側から見て右側から順に、第一の経路201と、第二の経路202の始点と、第三の経路203と、第四の経路304の始点とが、略直列(または略一直線上に)に並ぶ構成を示す。
ただし、第一の経路201と、第二の経路202の始点と、第三の経路203と、第四の経路304の始点とが、直線または略直線に並ぶ構成のほか、曲線上に並ぶ構成であってもよい。すなわち、第一の経路201および第三の経路203の軸線(=遊技球の流下方向)が上側または下側から見て所定の形状の曲線を描く構成を有するとともに、第二の経路202の始点が、第一の経路201の終点と第三の経路203の始点との間であって前記曲線上に設けられる構成であってもよい。そして、この場合には、可動部材200が、この所定の曲線に沿って曲がった構成が適用できる。
第一の経路201は、略左右方向に延伸する経路である。第一の経路201は、入賞口ユニット2の上辺の一端(ここでは、前面側から見て右端)を起点とし、上辺の左右方向の中間位置を終点とする。そして、始点から終点に向かって緩やかな下り勾配となっている。このため、第一の経路201の始点に落下した遊技球は、重力によって、終点に向かって流下することができる。
第二の経路202は、略上下方向に延伸する経路である。このため、第二の経路202に進入した遊技球は、重力により落下する態様で、第二の経路202を通過できる。第二の経路202の始点は、第一の経路201の終点近傍に位置する。すなわち、第一の経路201を流下した遊技球が第一の経路201の終点から落下可能な位置に設けられる。第二の経路202の終点は、入賞口ユニット2の下辺に位置する。第二の経路202の終点には、第一の遊技球出口206が形成される。第二の経路202の上下方向の中間には、遊技球の通過を検出できる第一の遊技球検出手段208が設けられる。
第三の経路203は、略左右方向に延伸する経路である。第三の経路203は、第二の経路201の始点の縁部のうちの第一の経路201とは反対側を始点とし、始点から第一の経路201の側とは反対側に向かって延伸する。そして、第四の経路204の始点を終点とする。第三の経路203は、始点から終点に向かって下り勾配の傾斜となっている。このため、第三の経路203の始点に落下した遊技球は、重力によって、終点に向かって流下することができる。なお、第三の経路203の傾斜角度(ここでは、水平面に対する傾斜角度をいう)は、第一の経路303の傾斜角度よりも大きい角度に設定される。
第四の経路204は、略上下方向に延伸する経路である。このため、第四の経路204に進入した遊技球は、第四の経路204を、重力により落下する態様で通過することができる。第四の経路204の始点は、第三の経路203の終点近傍に位置する。第四の経路204の終点は、入賞口ユニット2の下辺に位置する。第四の経路204の終点には、第二の遊技球出口207が形成される。第四の経路204の上下方向の中間には、遊技球の通過を検出できる第二の遊技球検出手段209が設けられる。
可動部材200は、第一の部分2001の前面側の端部が、ケース部材21の前面部210のガイド部に係合し、第二の部分2002の第一の係合部2005が、裏蓋部材25のガイド部251に係合している。このため、可動部材200は、ケース部材21の前面部210のガイド部および裏蓋部材25のガイド部251の延伸方向に沿って、往復動することができる。逆に言うとこれらのガイド部,251の延伸方向以外の方向の移動が規制される。この往復動の方向は、上側または下側から見て、第一の経路201と第二の経路202と第三の経路203の配列方向に略等しい方向である。換言すると、遊技球の流下方向(特に、第一の経路201における遊技球の流下方向)に略等しい方向である。
可動部材駆動動力源26は、可動部材200の第二の部2002分の下方に配設される。前面側から見ると、第一の経路201と、第二の経路202と、周壁部211の下辺と、周壁部211の側辺とに囲まれる領域に配設される。そして、可動部材駆動動力源26は、駆動部材261の往復動の方向が可動部材200の往復動の方向と略平行になるように配設される。
このような構成を有する入賞口ユニット2の動作は、次のとおりである。
可動部材200は、可動部材駆動動力源26から伝達される動力によって(換言すると、可動部材駆動動力源26の駆動部材261の往復動に連動して)、前面側から見て略水平の左右方向に往復動することができる。そして、可動部材200が往復動の可動範囲の一端(第三の経路203の側の一端)に位置すると、図6(a),(b)に示すように、入賞口ユニット2は第一の状態となる。一方、可動部材200が往復動の可動範囲の他の一端(第一の経路201の始点の側の一端)に位置すると、図7(a),(b)に示すように、入賞口ユニット2は第二の状態となる。
図6に示すように、可動部材200が往復動の可動範囲の一端に位置すると、可動部材200の第一の部分2001の全体または略全体は、第一の経路の底面部212の下側に位置する。そして、可動部材200の第一の部分2001の先端部の側が、第一の経路の底面部212の終点と、第一の区画壁213の上端との間の隙間から、第三の経路203の側(=第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234の側)に向かって突出していないか、またはほとんど突出していない状態となる。このため、第二の経路202の始点は開放された状態(=可動部材200により塞がれていない状態)となり、遊技球は、第一の経路201の終点から第二の経路202に進入することができる。このように、入賞口ユニット2が「第一の状態」にあると、遊技球は第二の経路202に進入することができる。
図7に示すように、入賞口ユニット2が第二の状態にあり、可動部材200が往復動の可動範囲の他の一端(ここでは、第三の経路203の側)に位置すると、可動部材200の第一の部分2001の先端側の一部が、第一の経路の底面部212の終点と、第一の区画壁213の上端との間の隙間から、第三の経路203の側(=第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234の側)に向かって突出する。そして、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004と、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234(=第二の区画壁214の上端および第三の経路の底面部216の始点)とが近接する。
第二の状態においては、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004と、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234との隙間の寸法は、遊技球が通過不可能な寸法(=遊技球の直径よりの小さい寸法)に維持される。このため、第二の状態においては、第二の経路202の始点が可動部材200により蓋をされた状態となるから、遊技球は、第二の経路202に進入不可能となる。なお、可動部材駆動動力源26のソレノイド263に電力を供給していない状態(=ソレノイド263が磁力を発生させていない状態)においては、入賞口ユニット2は、第二の状態に維持される。
ここで、可動部材200と可動部材駆動動力源26の駆動部材261との動作の関係について説明する。可動部材200の第二の部分2002の第二の係合部2006は、リンク部材27の一端の係合孔に係合している。可動部材駆動動力源26の駆動部材261の先端は、リンク部材27の他の一端の係合孔に係合している(図4、図5においては省略してある)。リンク部材27は、係合軸を中心に揺動可能に配設されている。このため、駆動部材261が往復動を行うと、リンク部材27は駆動部材261の往復動に連動して、係合軸を中心として揺動する。そして、リンク部材27の揺動が可動部材に伝達されるから、可動部材200は、駆動部材261の往復動に連動して往復動を行う。なお、このような構成によれば、可動部材200の往復動の向きと、可動部材駆動動力源26の駆動部材261の往復動の向きとは、反対向きとなる。
また、可動部材駆動動力源26は、駆動部材261の先端が第一の経路201の始点の側を向くように配設される。すなわち、駆動部材の先端がソレノイド263から遠ざかった場合に、第一の経路201の始点の側に向かって移動し、ソレノイド263に接近した場合には、第一の経路201の始点の側とは反対側に向かって移動する。
このため、駆動部材261の先端がソレノイド263から最も遠い位置に移動すると(=第一の経路201の始点の側に移動すると)、可動部材200は、第三の経路203の側(すなわち、第一の経路201の始点の側とは反対側)に移動する。そうすると、可動部材200の第一の部分2001が、第一の経路の底面部212の終点と第一の区画壁213の上端との隙間から第三の経路203の側に向かって突出し、第二の経路202を塞ぐ。したがって、入賞口ユニット2は、第二の状態となる。一方、駆動部材261の先端が、最もソレノイド263に接近すると(=第一の経路201の始点の側から離れる方向に移動すると)、可動部材200は、第一の経路201の始点の側に移動する。このため、可動部材200の第一の部分2001の全部またはほとんどが、第一の経路の底面部212の下方に位置し、第二の経路202は可動部材200により塞がれない状態となる。したがって、入賞口ユニット2は、第一の状態となる。
可動部材駆動動力源26の駆動部材261は、ソレノイド263に通電されていない状態においては、その先端がソレノイド263から最も遠い位置に、付勢部材によって付勢された状態で位置する。このため、ソレノイド263に通電していない状態においては、入賞口ユニット2は、第二の状態に維持される。そして、ソレノイド263に通電されると、第二の状態から第一の状態に移行する。
入賞口ユニット2における遊技球の通過の態様は、次のとおりである。
遊技球は、遊技球入口205を通じて入賞口ユニット2の内部に進入する。入賞口ユニット2の内部に進入した遊技球は、まず、第一の経路201の始点に落下する(=第一の経路の底面部212の始点近傍の上面に落下する)。第一の経路201は、始点から終点に向かって下り勾配に傾斜する経路であるから(=第一の経路の底面部212の上面は、始点から終点に向かって下り勾配となる傾斜面であるから)、第一の経路201の始点に落下した遊技球は、重力によって、第一の経路201を始点から終点に向かって流下する。
入賞口ユニット2が第一の状態であると、第一の経路201を流下した遊技球は、第二の経路202に進入する。第二の経路202は、上下方向に延伸する経路であるから、第二の経路202に進入した遊技球は、略垂直方向に落下する態様で、第二の経路202を通過する。第二の経路202の終点には第一の遊技球出口206が形成されるから、第二の経路202を通過した遊技球は、第一の遊技球出口206から入賞口ユニット2の外部(=下方)に排出される。ここで、第一の遊技球検出手段208は、第二の経路202を通過する遊技球を検出する。
入賞口ユニット2が第二の状態にあると、第一の経路201を流下した遊技球は、可動部材200の第一の部分2001の上面に形成される誘導面2003に落下する。誘導面2003は、基端部から先端部に向かって下り勾配となる傾斜面である。そして、基端部が第一の経路200の側を向き、先端部が第三の経路203の側を向くように配設される。このため、可動部材200の第一の部分2001の誘導面2003に落下した遊技球は、重力によって(または、重力と第一の経路を流下した際の慣性によって)、第三の経路203に向かって流下する。
入賞口ユニット2が第二の状態にあると、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004と、第二の経路202の始点の縁部に形成される誘導部217,234との間に形成される隙間は、遊技球が通過できない寸法に維持される。このため、可動部材200の第一の部分2001の誘導面2003を流下した遊技球は、第二の経路202に進入することができず、第三の経路203に達する(=第三の経路の底面部216,233の上面に落下する)。第三の経路203は、第二の経路202の側から第四の経路204の側に向かって下り勾配の経路であるから(=第三の経路の底面部216,233の上面は、第二の経路202の側から第四の経路204に向かって下り勾配となる傾斜面であるから)、第三の経路203に達した遊技球は、第四の経路204に向かって流下する。
第三の経路203を流下した遊技球は、第三の経路203の終点から第四の経路204に進入する。第四の経路204は、上下方向に延伸する経路であるから、第四の経路204に進入した遊技球は、略垂直方向に落下する態様で、第四の経路204を通過する。第四の経路204の終点(=下端)には、第二の遊技球出口207が形成される。このため、第四の経路204を通過した遊技球は、第二の遊技球出口207から、入賞口ユニット2の外部(下方)に排出される。第四の経路204には、第二の遊技球検出手段209が設けられる。そして、第二の遊技球検出手段209は遊技球の通過を検出する。
このように、可動部材200が往復動を行うと、入賞口ユニット2は、第一の状態と第二の状態との間を交互に変換する。そして、入賞口ユニット2が第一の状態にある場合には、遊技球を第二の経路202に誘導し(=第二の経路202に振り分け)、第二の状態にある場合には、遊技球を第三の経路203および第四の経路204に誘導する(=第三の経路203および第四の経路204に振り分ける)。
入賞口ユニット2が第一の状態から第二の状態に変換する際に、可動部材200の先端部2004と、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234との間に、遊技球が挟まるおそれがある。しかしながら、本発明の実施形態にかかる遊技機1によれば、次のような構成により、遊技球が挟まることを防止できる(または、挟まった状態に維持されることを防止できる)。
図8と図9は、それぞれ、入賞口ユニット2における可動部材200の第一の部分2001の先端部2004と、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234との関係を模式的に示した平面図である。なお、図8は、入賞口ユニット2を上側から見た図であり、図9は、入賞口ユニット2を前面側から見た図である。
図8に示すように、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004は、上側または下側から見ると、第三の経路203の側に向かって張り出すような円弧または円弧状に形成される。このため、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004は、奥行き方向(=第一の経路201と第二の経路202と第三の経路203の配列方向に対して直角な方向)の中間部(具体的には略中心)が、最も第三の経路203の側に突出しており、奥行き方向の両端部(=前面側の端部および背面側の端部)が、第一の経路201の側に引き下がっている。
そして、この可動部材200の第一の部分2001の先端部2004は、所定の対称面S1(以下、「第一の対称面」と称する)に関して、奥行き方向に対称な形状を有する。第一の対称面S1は、図8に示すように、入賞口ユニット2を前面側から見て上下方向および左右方向に延伸する平面である。すなわち、第一の経路201と第二の経路202と第三の経路203の配列方向に略平行な平面である。
一方、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234は、奥行き方向の両端部(=前面側の端部と背面側の端部)が、第一の経路200の側に向かって突出し、中間部(具体的には略中心)が、第三の通路203の側に向かって円弧または円弧状に窪む構成を有する。換言すると、誘導部217,234は、奥行き方向の略中心において、第一の経路201の側への突出寸法が最も小さく(または、突出しておらず)、奥行き方向の前面側および背面側に向かうにしたがって、突出寸法が大きくなる構成を有する。このため、誘導部217,234の第二の誘導面2172,2342は、奥行き方向の中間部が、最も第三の経路203の側に窪んだ構成を有する(または、上側から見ると、奥行き方向の中間部が、第三の経路203の始点に略一致する)。
この誘導部217,234は、第一の対称面S1とは異なる他の所定の対称面S2(以下、「第二の対称面」と称する)に関して、奥行き方向に対称な形状を有する。このため、誘導部217,234に形成される第二の誘導面2172,2342も、第二の対称面S2に関して奥行き方向に対称な形状を有する。
この第二の対称面S2は、図8に示すように、入賞口ユニット2を前面側から見て上下方向および左右方向に延伸する平面である。すなわち、第一の経路201と第二の経路202と第三の経路203の配列方向に略平行な平面である。
そして、第一の対称面S1と第二の対称面S2とは略平行であり、所定の距離をおいて奥行き方向に離れた位置にある。換言すると、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004のうち、最も第三の経路203の側に突出している箇所K1と、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234(または誘導部217,234の第二の誘導面2172,2342)のうち、第三の経路203の側に向かって最も凹んでいる箇所K2(=第一の経路201に向かっての突出寸法が最も小さい箇所、または突出していない箇所)とは、第一の経路201、第二の経路202、第三の経路203、第四の経路204の配列方向に沿った直線(この直線は想定上の直線である)に対して直角な方向にずれた位置にある。
なお、本実施形態においては、第一の経路201、第二の経路202、第三の経路203、第四の経路204が一直線上に並ぶ構成を示したが、これらが曲線上に並ぶ構成であっても同様である。すなわち、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004のうち、最も第三の経路203の側に突出している箇所K1と、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234のうち、第三の経路203の側に向かって最も凹んでいる箇所K2とは、第一の経路201、第二の経路202、第三の経路203、第四の経路204の配列方向に沿った曲線(この曲線は想定上の直線である)に対して直角な方向にずれた位置にある。
さらに換言すると、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004のうち、最も第三の経路203の側に突出している箇所K1と、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234のうち、第三の経路203の側に向かって最も凹んでいる箇所K2とは、遊技球の軌跡に対して直角な方向にずれた方向にある。遊技球の軌跡は、第一の経路201、第二の経路202、第三の経路203、第四の経路204の配列の態様によって定まるものであり、直線または所定の形状の曲線となる。
具体的にはたとえば、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004のうち、最も第三の経路203の側に突出している箇所K1は、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234のうち、第三の経路203の側に向かって最も凹んでいる箇所K2よりも、奥行き方向に関して背面側に位置する。
このように、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234(または誘導部217,234の第二の誘導面2172,2342)は、第二の対称面S2に関して略面対称な曲面形状に形成される。一方、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004は、所定の対称面S1(以下、「第一の対称面」と称する)に関して、奥行き方向に対称な曲面形状を有する。そして、第一の対称面S1と第二の対称面S2は、第一の経路201と第二の経路202と第三の経路203の配列に沿った直線または曲線に対して直角な方向に互いにずれている。
入賞口ユニット2は、次のような作用により、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004と、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234との間に、遊技球が挟まることを防止できる(または、挟まった状態に維持されることを防止できる)。
可動部材200の第一の部分2001の先端部2004が、第二の経路202の縁部に接近する動作の間において、遊技球が第二の経路202に進入しようとすると、図8と図9に示すように、遊技球が、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004と、第二の経路202の縁部との間に挟まることがある。
可動部材200の第一の部分2001の先端部2004のうちの最も張り出した箇所(換言すると、第一の対称面S1)と、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234の第二の誘導面2172,2342の最も凹んだ箇所(換言すると、第二の対称面S2)とは、奥行き方向にずれた位置にある。このため、図8に示すように、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004と遊技球とが接触する点P1と、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234の第二の誘導面2172,2342と遊技球とが接触する点P2とは、奥行き方向に関して互いにずれた位置となる。
この状態で、可動部材200の第一の部分2001が、さらに第三の経路203の側に向かって突出しようとすると、遊技球には、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004と、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234とにより、押圧されるような力(=圧縮されるような力)が加わる。この力の方向は、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004と遊技球とが接触する点P1と、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234の第二の誘導面2172,2342と遊技球とが接触する点P2とを通過する直線L1の方向と略一致することがある。前記のとおり、これらの点は奥行き方向にずれた位置にあるから、この力の方向は、可動部材200の往復動の方向(=第一の経路201と第二の経路202と第三の経路203の配列方向、換言すると遊技球の流下方向)に対して、所定の角度をもって傾斜する方向となる。すなわち、上側または下側から見た場合において、遊技球に加わる力の方向と、可動部材200の往復動の方向D(=第一の経路201における遊技球の流下方向)とは、所定の角度をもって傾斜する。
このため、遊技球には、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004と、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234との間から、可動部材200の往復動の方向に対して斜めの方向に押し出されるような力が加わる。換言すると、遊技球に加わる力の分力(=可動部材200の往復動の方向に対して横方向の分力)が、遊技球を、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004と、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234との間から横方向に押し出すように作用する。
さらに、次のような作用も奏する。可動部材200の第一の部分2001の先端部2004と、誘導部217,234の第二の誘導面2172,2342とが、前記位置関係にあると、前記直線の方向と、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004の法線の方向(=遊技球が接触する点における法線の方向)とが一致しないようにできる。同様に、前記直線の方向と、第二の経路202の縁部に形成される誘導部217,234の第二の誘導面2172,2342の法線の方向とが一致しないようにできる。この場合には、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004が、第二の経路202の縁部にさらに接近しようとすると、遊技球には、前記直線L1に対して横方向に力が加わる。この力は、遊技球には、可動部材の第一の部分の先端部と、第二の経路の縁部との間から、横方向(特に、前面側または背面側)に押し出すような力である。
したがって、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004と、第二の経路202の縁部との間に、遊技球が存在する場合であっても、これらの間に遊技球が挟まること、または遊技球が挟まった状態に維持されることを防止または抑制できる。このため、入賞口ユニット2の内部において、いわゆる球詰まりが発生することを防止または抑制できる。
さらに、図9に示すように、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004は、第二の経路202に向かって傾斜する傾斜面に形成される。したがって、可動部材200の第一の部分2001の先端部2004の傾斜面に遊技球が当接すると、遊技球を第二の経路202に向かって押し出すことができるから、遊技球を第二の経路202に誘導することができる。
また、第三の経路の底面部233の上面の傾斜角度は、第一の経路の底面部212の上面の傾斜角度よりも大きい角度に設定される。このような構成によれば、第三の経路203を流下する遊技球の速度を、第一の経路201を流下する遊技球の速度よりも大きくすることができる。したがって、第三の経路203よりも第一の経路201の側において(換言すると、第三の経路203を先頭として)、遊技球が滞留することを防止できる。
なお、前記実施形態においては、可動部材200の往復動の方向と、第一の経路201と第二の経路202と第三の経路203の配列の方向(=遊技球の流下方向)とが略一致する構成を示したが、これらの方向が一致しない構成であってもよい。すなわち、可動部材200と第二の経路202の縁部との間に遊技球が存在する場合において、可動部材200と第二の経路202の縁部とによって遊技球に加わる力の方向と、可動部材200の往復動の方向とが一致しない構成(具体的には、所定の角度をもって傾斜する構成)であればよい。そして、誘導部217,234は、第二の経路202の縁部のうち、第二の状態において可動部材200の第一の部分2001の先端部2004が最も近接する部分に形成される構成であればよい。換言すると、誘導部217,234は、第二の経路202の縁部のうち、第一の状態において、可動部材200の第一の部分2001が位置する部分に対向する部分(=第二の経路202を挟んで、可動部材200の第一の部分2001が位置する部分とは反対側の部分)に形成される構成であればよい。
たとえば、可動部材200が、上側または下側から見て奥行き方向に往復動可能に配設される構成であってもよい。この構成においては、可動部材200の第一の部分2001がベース部材23の前面部231の背面側に位置すると、第二の経路202が可動部材200の第一の部分2001により塞がれないから、入賞口ユニット2は第一の状態となる。一方、可動部材200の第一の部分2001がベース部材23の前面部231よりも前面側に位置すると(前面部231の前面側に突出すると)、第二の経路202が可動部材200の第一の部分2001により塞がれるから、入賞口ユニット2は第二の状態となる。そして、第二の経路202の縁部のうち、第一の状態において可動部材200の第一の部分2001が位置する側とは反対側に、誘導部217,234が形成される。この場合には、誘導部217,234は、ケース部材21の前面部210に形成され、背面側に向かって突起する構成が適用される。
また、前記実施形態においては、可動部材200が略水平方向に往復動する構成を示したが、可動部材200の往復動の方向は、水平方向に限定されるものではない。たとえば、第一の経路の底面部212に略平行な方向(=水平方向に対して傾斜する方向)に往復動する構成であってもよい。この場合には、ケース部材21の前面部210のガイド部と、裏蓋部材25のガイド部251が、第一の経路の底面部212の上面に略平行に延伸する構成とすればよい。
次に、遊技盤3の構成と、遊技盤3に設けられる第二種大入賞口の入賞口ユニット以外の各種装置や機器の構成について説明する。図10は、本発明の実施形態にかかる遊技機1の遊技盤3の構成を模式的に示した図であり、遊技盤3を前面側から見た図である。
遊技盤3は、合板などを所定の形状に形成した板状の部材である。図10に示すように、遊技盤3の前面側には、ガイドレール301が設けられ、このガイドレール301によって、遊技球発射経路302と遊技領域31が形成される。すなわち、ガイドレール301に囲まれる略円形の領域が、遊技領域31となり、ガイドレール301どうしの間の領域が、遊技球発射経路302となる。
遊技球発射経路302は、発射装置によって発射された遊技球が通過する経路である。発射装置により発射された遊技球は、この遊技球発射経路302を通過して遊技領域31の内側に進入する。
遊技領域31は、遊技球が流下可能な領域である。遊技領域31の内側には、図柄表示装置32、ステージ34、第一種始動口331、第二種始動口332、第一種大入賞口333、第二種大入賞口334、ゲート335、アウト口35が設けられる。また、遊技領域31には、このほかにも所定の役物など(図略)が設けられることがある。
ガイドレール301は、遊技領域31と遊技球発射領域302とを形成する部材である。図10に示すように、ガイドレール301は、前面側から見て全体として略円形に形成される(=その内側に略円形の領域を形成する)。具体的には、ガイドレール301は、遊技盤3の下辺の左端近傍を起点とし、遊技盤3の左辺近傍、上辺近傍、右辺近傍、下辺近傍を通り、さらに遊技盤3の左辺近傍に位置するガイドレール301の内側に所定の距離をおいて略平行に延伸し、遊技盤3の左上部に達する。そして、ガイドレール301に囲まれる略円形の領域が遊技領域31となる。また、遊技盤3の左辺近傍において、略平行に設けられるガイドレール301どうしの間の領域が、遊技球発射経路302となる。なお、ガイドレール301の構成は、前記構成に限定されるものではなく、公知の各種構成が適用できる。
遊技球発射経路の上端には、逆流防止部材303が設けられる。この逆流防止部材303は、遊技球が遊技領域31から遊技球発射経路302に進入することを防止する部材である。逆流防止部材303は、公知の各種構成が適用できる。したがって、説明は省略する。
図柄表示装置32は、画像を表示可能な表示パネル(たとえば、液晶表示パネル)を備える。そして、図柄表示装置32には、第一特別図柄表示部321と、第二特別図柄表示部322と、普通図柄表示部323とが設けられる。これら第一特別図柄表示部321、第二特別図柄表示部322、普通図柄表示部323は、遊技中においては、種々の画像や動画を表示して遊技を演出することができる。そして、主制御基板703(正確には、主制御基板に構築される制御回路、またはこの制御回路上で動作する制御プログラム。本発明の「制御部」となる。以下同じ)が所定の契機により抽選動作を実行した場合には(後述)、抽選動作が実行されたこと(または実行されていること)を表示する「変動表示」と、抽選結果を表示する「確定表示」を行うことができる。
「変動表示」と「確定表示」は、スロットマシンのような態様の表示など、公知の各種態様の表示態様が適用できる。すなわち、「変動表示」には、所定の複数の図柄(たとえば三個の図柄)が左右方向に並べて表示されるとともに、各図柄が所定の態様で変化する(=所定の種類の図柄に順次切り替わる)態様の表示が適用される。「確定表示」には、各図柄の変化が停止した態様の表示が適用される。そして、抽選に当選した場合には、同じ図柄を並べて表示(いわゆる「ぞろ目」表示)することにより、抽選に当選したことを示す(=遊技者に知らせる)。抽選に当選しなかった場合には、それ以外の表示(「ぞろ目」以外の表示)をすることにより、抽選に当選しなかったことを示す。
図柄表示装置32は、たとえば、遊技領域31の略中央(たとえば、中央からからやや上側にずれた位置)に設けられる。
ステージ34は、遊技球が進入可能な入口と、入口から進入した遊技球が通過可能な複数の経路が形成される部材である。そして、ステージ34は、入口から侵入した遊技球が、複数の経路を所定の態様で通過した場合には、当該遊技球を、第一種始動口331に入賞しやすい位置(または、原則として入賞する位置)に落下させることができる構成を有する。一方、入口から侵入した遊技球が、前記所定の態様以外の態様で通過した場合には、第一種始動口331に入賞し難い位置(または、原則として入賞しない位置)に落下させる構成を有する。
ステージ34は、表示装置32の直下の左側寄りに配設される。そして、ステージ34に設けられる遊技球の入口は、表示装置の左側の直下に位置する。
なお、ステージ34の構成は、特に限定されるものではなく、公知の各種ステージが適用できる。
ゲート335は、遊技球が通過可能な役物である。ゲート335には、遊技球検出手段(図略)が設けられており、この遊技球検出手段により、遊技球がゲート335を通過したことを検出することができる。このゲート335の具体的な構成は、特に限定されるものではない。要は、遊技球が通過可能であり、通過する遊技球を検出できる構成であればよい。ゲート335は、表示装置32の右側であって、第二種大入賞口334および第二種始動口332よりも上方に配設される。
第一種始動口331は、遊技球が入賞可能な役物(入賞口)である。第一種始動口331には、遊技球検出手段(図略)が設けられており、この遊技球検出手段により、遊技球が第一種始動口331に入賞したことを検出することができる。第一種始動口331は、遊技領域31の左右方向の略中心であって、ステージ34の下方に配設される。なお、第一種始動口331は、遊技球が常時入賞可能な構成を有する。
第二種始動口332は、遊技球が入賞可能な役物(入賞口)である。第二種始動口332は、遊技球が入賞不可能な閉鎖状態と、入賞可能な開放状態とを交互に変換することができる構成を有する。第二種始動口332は、遊技球検出手段を有しており、遊技球の入賞を検出できる。
第二種始動口332は、「花」を横から見た形状を模式化した構成を有する。すなわち、「萼(ガク)」に相当する一つの部材と、「花弁」に相当する二つの部材とを有する。そして、「萼」の上側に、二つの「花弁」が互いに所定に間隔をおいて配設される。「萼」には、遊技球が入賞可能な入賞口(換言すると、遊技球が通過可能な経路)が形成される。「花弁」は、それぞれ下端を中心として略左右方向に揺動可能な構成を有する。そして、「花弁」は、それらの上端どうしが接近する状態(閉鎖状態)と、離れる状態(開放状態)との間を交互に移行できる態様で開閉可能(=それぞれ、下端を中心として略左右方向に揺動可能)な構成を有する。「花弁」の上端が互いに最も接近した状態において、「花弁」どうしの間の直上には、入賞防止釘3322が配設される。
このため、「花弁」の上端どうしが最も接近した状態においては、遊技球は、入賞防止釘3322と「花弁」に阻碍されて、第二種始動口332に入賞できない。一方、「花弁」の上端どうしが最も離れた状態においては、「花弁」の上端と入賞防止釘との間に、遊技球が通過可能な隙間が形成される。さらに、「花弁」上に落下した遊技球は「萼」に向かって誘導される。このため、開放状態においては、遊技球は第二種始動口332に入賞できる。
第一種大入賞口333は、遊技球が入賞可能な入賞口である。第一種大入賞口333は、遊技球が入賞可能な状態(開放状態)と、入賞不可能な状態(閉鎖状態)とを、交互に変換することができる。そして、遊技球検出手段を備えており、第一種大入賞口333に入賞した遊技球を検出することができる。
第一種大入賞口333は、遊技盤3の前面側から背面側につながる遊技球の経路(=遊技球が通過可能な貫通孔)と、この遊技球の経路の前面側に、この経路を開閉することができる開閉部材とを有する。そして、開閉部材が開閉することによって、遊技球が入賞可能な状態と入賞不可能な状態とが交互に変化する。
開閉部材は略平板状の部材であり、その下辺を中心に揺動することにより、開閉部材が略垂直に立った状態と、上辺側が前面側に向かって倒れるように傾斜した状態との間を交互に移行することができる構成を有する。そして、開閉部材の下辺と、遊技球の経路の入口の下辺とが略一致(または近接する)構成を有する。このため、開閉部材が略垂直に立った状態に移行すると、遊技球の入口がこの開閉部材により覆われるともに、開閉部材が遊技領域31の前面の一部を構成する。このため、第一種大入賞口333は、遊技球が入賞できない状態となる。一方、開閉部材が傾斜した状態に移行すると、遊技球の経路の入口が塞がれた状態ではなくなる。さらに、前面側に向かって倒れるように傾斜した開閉部材が、遊技球を遊技球の経路に誘導する。このため、第一種大入賞口333は遊技球が入賞可能な状態となる。
第二種大入賞口334は、遊技球が入賞可能な入賞口である。第二種大入賞口334は、遊技球が入賞可能な状態(開放状態)と入賞不可能な状態(閉鎖状態)とを交互に変換することができる。第二種大入賞口334は、前記入賞口ユニット2と、前記入賞口ユニット2に遊技球を導く遊技球の経路と、この遊技球の経路の入口を開閉する開閉部材とを有する。そして、開閉部材が開閉動作を行うことにより、遊技球が入賞可能な状態と入賞不可能な状態との間を交互に変換することができる。入賞口ユニット2の構成は、前記のとおりである。入賞口ユニット2に遊技球を導く経路の始点は、右側に向かって開口する。
開閉部材は略平板状の部材である。開閉部材は、その下辺を中心に揺動することにより、開閉部材が略垂直に立った状態と、水平面および水平面に対して傾斜した状態との間を交互に移行することができる構成を有する。そして、開閉部材の下辺と、遊技球の経路の入口の下辺とが略一致(または近接する)構成を有する。このため、開閉部材が略垂直に立った状態に移行すると、遊技球の入口がこの開閉部材により覆われ、遊技球は第二種大入賞口334に入賞できない。一方、開閉部材が傾斜した状態に移行すると、遊技球の経路の入口が塞がれた状態ではなくなるから、遊技球は、第二種大入賞口334に入賞できる。さらに、開閉部材に落下した遊技球は、開閉部材の傾斜によって、遊技球の経路の入口に誘導され、第二種大入賞口334に入賞する。
第二種大入賞口334は、図柄表示装置32の右下に配設される。具体的には、第二種大入賞口334の入賞口ユニット2が、表示装置32の下方の右寄りであってステージ34の右隣に位置し、遊技球の入口が、表示装置32の右側の下部に位置するように配設される。
なお、前記した第二種始動口332、第一種大入賞口333、第二種大入賞口334の遊技球の入口と経路の構成は、それぞれ好ましい構成の例であり、この構成に限定されるものではない。要は、第二種始動口332、第一種大入賞口333、第二種大入賞口334の遊技球の入口と経路は、遊技球が入賞可能な開放状態と入賞不可能な閉鎖状態とを交互に変換することができるとともに、遊技球が入賞した場合には、その入賞を検出できる構成であればよい。
また、第二種始動口332、第一種大入賞口333、第二種大入賞口334の遊技球の入口と経路に設けられる遊技球検出手段には、公知の各種遊技球検出手段が適用できる。したがって、説明は省略する。
アウト口35は、第一種始動口331、第二種始動口332、第一種大入賞口333、第二種大入賞口334のいずれにも入賞しなかった遊技球を、遊技領域31の外側に排出するための遊技球の経路である。図10に示すように、アウト口35は、遊技領域31の最下部に設けられる。
なお、図10に示すように、第一種始動口331と、第一種大入賞口333と、アウト口35とは、遊技領域31の左右方向の略中心に、上下方向に略直列に配列される。
このほか、遊技領域31における遊技球が流下可能な部分には、遊技球が衝突すると遊技球の流下の向きを変える遊技釘(図略)や、遊技球の衝突によって回転する風車などの役物(図略)が配設されることがある。これらの役物には、公知の各種役物が適用できる。したがって、説明は省略する。
このような構成を有する本発明の実施形態にかかる遊技機1の動作は、次のとおりである。
遊技開始直後においては、第二種始動口332、第一種大入賞口333、第二種大入賞口334は、いずれも閉鎖状態(=遊技球が入賞できない状態)にある。また、入賞口ユニット2は、第二の状態にある。なお、本発明の実施形態にかかる遊技機1の遊技開始直後における遊技状態(換言すると、遊技者に有利な遊技状態に移行していない状態)を、「通常の遊技状態」と称する。
遊技球発射ハンドル121が操作されると、遊技球発射装置602は、遊技球発射ハンドル121の操作に応じて遊技球を発射する。発射された遊技球は、遊技盤3に形成される遊技球発射経路302を通過し、遊技領域31の上部に進入する。遊技領域31に進入した遊技球は、表示装置32の右側または左側を通過し、遊技領域31の下部に向かって流下する。なお、遊技球発射経路302の先端(=上端)には、逆流防止部材303が設けられているから、遊技球は、ひとたび遊技領域31に進入すると、遊技球発射経路302に進入(=逆流)することができない。
遊技球が、遊技領域31を流下して第一種始動口331に入賞すると、第一種始動口331に設けられる遊技球検出手段が、遊技球の入賞を検出する。そして、一個の遊技球が第一種始動口331へ入賞したことを契機として(=遊技球検出手段による遊技球の検出を契機として)、主制御基板703は、1/360の当選確率の抽選を実行するとともに、表示装置32の第一特別図柄表示部321が変動表示を開始する。この抽選を「第一特別図柄抽選」と称する。
第一特別図柄抽選の結果が当選ではなかった場合には、表示装置32の第一特別図柄表示部321は、所定の時間にわたって変動表示を行った後、変動表示を停止し、当選しなかったことを示す確定表示を行う。
一方、第一特別図柄抽選の結果が当選となった場合には、表示装置32の第一特別図柄表示部321は、所定の時間にわたって変動表示を行った後、変動表示を停止し、当選となったことを示す確定表示を行う。そして、第一種大入賞口333が所定の態様の開放動作が行われる(=遊技球が入賞可能な状態となる)。具体的にはたとえば、第一種大入賞口333が30秒間にわたって開放する動作が、15回繰り返される。この間に、遊技球が第一種大入賞口333に入賞すると、遊技球払出装置713は、入賞した遊技球の個数に応じて、所定の数の遊技球を賞球として上皿141に払い出す。
さらに、第一特別図柄抽選の結果が当選となった場合には、これを契機として、主制御基板703は、1/2の当選確率の抽選を実行する。この抽選を「時短抽選」と称する。時短抽選の結果が当選となった場合には、これを契機として、主制御基板703は、本発明の実施形態にかかる遊技機1の遊技状態を、遊技者に有利な所定の遊技状態(以下、この所定の遊技状態を「時短状態」と称する)に移行させる。時短抽選の結果が当選とならなかった場合には、時短状態に移行させず、通常の遊技状態に維持する。
また、遊技球がゲート335を通過すると、ゲート335に設けられる遊技球検出手段が遊技球の通過を検出する。そして、遊技球のゲート335の通過を契機として(=遊技球検出手段による遊技球の通過の検出を契機として)、表示装置32の普通図柄表示部323が変動表示を開始するとともに、主制御基板703が、所定の確率で当選となる抽選を実行する。この抽選を「普通図柄抽選」と称する。
普通図柄抽選における当選の確率は、本発明の実施形態にかかる遊技機1が通常の遊技状態にある場合には、たとえば1/360の確率が適用される。一方、本発明の実施形態にかかる遊技機1が時短状態にある場合には、たとえば1/2の確率が適用される。このように、本発明の実施形態にかかる遊技機1が時短状態における普通図柄抽選の当選確率は、通常の遊技状態における普通図柄抽選の当選確率に比較して高い確率に設定される。このように、時短状態は、通常の遊技状態に比較すると、遊技者に有利な遊技状態である。
普通図柄抽選の結果が当選とならなかった場合には、表示装置32の普通図柄表示部323は、所定の時間にわたって変動表示を行った後、変動表示を停止し、当選とならなかったことを示す確定表示を行う。
一方、普通図柄抽選の結果が当選となった場合には、表示装置32の第一特別図柄表示部321が変動表示を行う。そして、所定の時間にわたって変動表示を行った後、変動表示を停止し、当選となったことを示す確定表示を行う。
そして、普通図柄抽選の結果が当選となった場合には、これを契機として、第二種始動口332が、所定の時間(具体的にはたとえば6秒間)にわたって開放状態となる(=「花弁」に相当する部材を開放して遊技球が入賞可能な状態とする)。なお、前記のとおり、第二種始動口332の直上には入賞防止釘3322が配設されている。このため、第二種始動口332が開放状態にない限り、遊技球は第二種始動口332に入賞できない。すなわち、普通図柄抽選の結果が当選とならない限りは、遊技球は第二種始動口332に入賞できない。
遊技球が第二種始動口332に入賞すると、第二種始動口332に設けられる遊技球検出手段が、遊技球の入賞を検出する。そして、遊技球が第二種始動口332に入賞したことを契機として(=遊技球検出手段による遊技球の検出を契機として)、主制御基板703は、1/2の当選確率の抽選を実行するとともに、表示装置32の第二特別図柄表示部322が変動表示を開始する。この抽選を「第二特別図柄抽選」と称する。
第二特別図柄抽選の結果が当選とならなかった場合には、表示装置32の第二特別図柄表示部332は、所定の時間にわたって変動表示を行ったのち、変動表示を停止し、当選とならなかったことを示す確定表示を行う。
第二特別図柄抽選の結果が当選となった場合には、表示装置32の第二特別図柄表示部332は、所定の時間にわたって変動表示を行ったのち、変動表示を停止し、当選となったことを示す確定表示を行う。そしてこの場合には、第二種大入賞口334が所定の態様の開放動作を行うとともに(たとえば、10秒間の開放を1回行うとともに)、主制御基板703は、第二種大入賞口334が開放状態にある間においては、入賞口ユニット2を第一の状態から第二の状態に移行させる。
このように、第二種大入賞口334が閉鎖状態(=遊技球が入賞できない状態)にある間は、入賞口ユニット2は第二の状態にあり、第二種大入賞口334が開放状態にある間は、入賞口ユニット2は第一の状態にある。すなわち、第二種大入賞口334の開閉状態と入賞口ユニット2の状態(第一の状態または第二の状態)とは連動する。
第二種大入賞口334と入賞口ユニット2の遊技球の入口との間には、遊技球検出手段が設けられる。この遊技球検出手段による遊技球の通過の検出に基づいて、第二種大入賞口334に入賞した遊技球の個数を計測する。
第二種大入賞口334に入賞した遊技球は、入賞口ユニット2の遊技球入口からその内部に進入する。入賞口ユニット2が第二の状態であると、第一の経路201を流下した遊技球は、可動部材200の上面(=誘導面)に落下して第三の経路203に誘導され、その後第四の経路204を落下する態様で通過する。一方、入賞口ユニット2が第一の状態にあると、遊技球は、第一の経路201を流下した後、第二の経路202に進入して第二の経路202を落下する態様で流下する。
入賞口ユニット2の第一の遊技球検出手段が、遊技球の通過を検出すると、これを契機として、第一種大入賞口333が所定の態様の開放動作を行う。具体的にはたとえば、第一種大入賞口333が30秒間にわたって開放状態となる(=遊技球が入賞できる状態にする)動作を15回繰り返す。この動作を「大当たり」と称する。この間に、遊技球が第一種大入賞口333に入賞すると、第一種大入賞口333に設けられる遊技球検出手段が遊技球の入賞を検出する。そして、遊技球払出装置713は、第一種大入賞口333に入賞した遊技球の個数(=遊技球検出手段により検出された遊技球の個数)に応じて、遊技球を賞球として払い出す。
このように、遊技状態が所定の状態に変更された状態(すなわち、「時短状態」に移行した状態)においては、主制御基板703は、可動部材200を第二の状態から第一の状態に変換する制御を行う。そして、主制御基板703は、第一の遊技球検出手段208が遊技球の通過を検出したことを契機として、遊技者に有利な動作(すなわち、「大当たり」の動作)を行う。
一方、入賞口ユニット2の第二の遊技球検出手段が、遊技球の通過を検出すると、これを契機として、遊技球払出装置713は、所定の個数の遊技球を賞球として払い出す。なお、この場合には、第一種大入賞口333は開放状態に移行しない。
第二種大入賞口334に入賞した遊技球は、入賞のタイミングなどによって、入賞口ユニット2の内部において、第二の経路202に振り分けられるか、第三の経路203に振り分けられるかが変化する。具体的には、次のとおりである。
遊技球が、第二種大入賞口334に入賞してから、入賞口ユニット2の第一の経路201の終点に到達するまでには、ある所定の時間を要する(=タイムラグがある)。ある遊技球が、入賞口ユニット2の第一の経路201の終点に到達した時点において、入賞口ユニット2がまだ第一の状態にあれば、当該ある遊技球は、第二の経路202に振り分けられる。
しかしながら、ある遊技球が、第二種大入賞口334に入賞してから、入賞口ユニット2の第一の経路201の終点に到達するまでの間に、入賞口ユニット2が第一の状態から第二の状態に移行することがある。この場合には、当該ある遊技球は、第三の経路203に振り分けられ、第三の経路203と第四の経路204を通過し、その後、入賞口ユニット2の外部に排出される。
入賞口ユニット2が第一の状態から第二の状態に移行する動作の間に、第一の経路の終点から第二の経路に進入しようとすることがある。この場合であっても、前記のとおり、可動部材200と第二の経路202の縁部との間に遊技球が挟まること(または挟まった状態に維持されること)が防止または抑制される。このため、入賞口ユニット2の内部において遊技球の滞留(いわゆる「球詰まり」)が発生することが防止または抑制される。したがって、正常に遊技を続けることができる。
なお、第二種大入賞口334が開放状態となった場合には、遊技制御手段601は、第二種大入賞口334に入賞した遊技球の個数(=第二種大入賞口334に設けられる遊技球検出手段が検出した遊技球の個数)と、入賞口ユニット2の内部を通過した遊技球の個数(=第一の遊技球検出手段が検出した遊技球の個数と、第二の遊技球検出手段が検出した遊技球の個数の合計)とを比較する。そして、比較の結果、これらの遊技球の個数が同数であった場合には、特に特別な処理を行わず、遊技を続行させる。一方、比較の結果、遊技球の個数が相違した場合には、エラーの報知を行う。このような構成によれば、入賞口ユニット2に対する不正な操作を検出できるから、不正な操作によって正常な個数(遊技上、設定された個数)を超える賞球の払い出しがなされることを防止(検知)できる。
主制御基板703は、本発明の実施形態にかかる遊技機1が時短状態にある場合には、所定の契機によって、時短状態を終了して通常の遊技状態に移行させる。時短状態の終了の契機は、たとえば次のようなものが挙げられる。
(1)入賞口ユニット2の第一の遊技球検出手段による遊技球の検出を契機として発生させた「大当たり」動作の終了を契機とする構成。(2)表示装置32の第一特別図柄表示部321または普通図柄表示323が時短状態において行った変動表示の回数を計測し、変動表示の実行が所定の回数(たとえば、100回)に達したことを契機とする構成。(3)入賞口ユニット2の第一の遊技球検出手段が遊技球を検出したこと、遊技球が第二種始動口332に入賞したこと、遊技球がゲート335を通過したこと、のいずれかを契機として、抽選手段が8/10の確率で当選する抽選を実行し、この抽選が当選となり、かつ、入賞口ユニット2の第一の遊技球検出手段が遊技球を検出したことを契機として「大当たり」が発生した場合には、時短状態を継続し、それ以外となったこと契機とする構成。
次いで、遊技者が行う遊技の流れについて説明する。遊技者が行う遊技の流れ(=本発明の実施形態にかかる遊技機1の遊技内容)は、次のとおりである。
(1)遊技者は、通常の遊技状態(たとえば、遊技開始時など)においては、遊技球が第一種始動口331に入賞することを狙って、遊技球が表示装置の左側を通過するように遊技球を発射する。遊技球が第一種始動口331に入賞すると、第一特別図柄抽選と時短抽選とが実行される。第一特別図柄抽選の結果が当選となると、第一種大入賞口333が所定の態様で開放動作を行う。このため、この場合には、遊技者は、遊技球が第一種大入賞口333に入賞することを狙って遊技球を発射する。遊技球が第一種大入賞口333に入賞すると、遊技者は、入賞した遊技球の個数に応じて、賞球の払い出しを受ける。また、時短抽選の結果が当選となると、遊技状態が時短状態に移行する。
このように、遊技者は、遊技状態が時短状態に移行するまでは(=時短抽選に当選するまでは)、遊技球が第一種始動口331に入賞することを狙う。
(2)遊技機が通常の遊技状態から時短状態に移行した場合には、遊技者は、遊技球がゲート335を通過することを狙って、遊技球が表示装置32の右側を通過するように遊技球を発射する。遊技球がゲート335通過すると、これを契機として普通図柄抽選が実行される。普通図柄抽選の結果が当選となると、第二種始動口332が開放する。このため、この場合には、遊技者は、遊技球が第二種始動口332に入賞することを狙い(期待し)、遊技球が表示装置32の右側を通過するように、遊技球の発射を継続する。
なお、通常の遊技状態であっても、遊技球がゲート335を通過した場合には、これを契機として普通図柄抽選が実行される。このため、通常の遊技状態においても、遊技球がゲート335を通過することを狙ってもよい。ただし、通常の遊技状態における普通図柄抽選の当選確率(=1/360)は、時短状態における当選確率(=1/2)に比較して大幅に低い。このため、遊技者は、通常は、まず(1)のように、遊技状態が時短状態に移行することを狙う。
(3)遊技球が第二種始動口332に入賞し、これを契機として実行される第二特別図柄抽選に当選した場合には、第二種大入賞口334が開放する。このため、遊技者は、遊技球が第二種大入賞口334に入賞することを狙い(期待し)、遊技球が表示装置32の右側を通過するように、遊技球の発射を継続する。
(4)遊技球が第二種大入賞口に入賞し、入賞した遊技球が入賞口ユニット2の第二の経路202を通過すると(=第二の遊技球検出手段が遊技球を検出すると)、これを契機として、「大当たり」となり、第一種大入賞口が所定の開放動作を行う。このため、この場合には、遊技者は、遊技球が第一種大入賞口333に入賞することを狙って遊技球を発射する。
このように、時短抽選に当選して時短状態に移行した場合には、普通図柄抽選の当選確率が大幅に高くなる。普通図柄抽選に当選すると、第二種始動口332が開放状態となる。遊技球が、開放状態となった第二種始動口332に入賞すると、第二特別図柄抽選が実行される。第二特別図柄抽選に当選すると、第二種大入賞口334が開放状態となる。そして、遊技球が第二種大入賞口334に入賞して第一の遊技球検出手段により検出されると、「大当たり」の動作が実行される。このため、本発明の実施形態にかかる遊技機1の遊技状態が時短状態に移行した場合には、遊技者は、「大当たり」の動作の発生を期待することになる。
前記の通り、ゲート335と、第二種始動口332と、第二種大入賞口334の入口とは、表示装置32の右側に設けられる。したがって、時短抽選に当選して時短状態に移行した場合には、遊技者は、遊技球が表示装置32の右側を通過するように遊技球を発射する。
(5)時短状態が終了した場合には、前記(1)に戻る。そして、再び時短抽選に当選することを狙う。