JP4890301B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技の進行を制御する遊技制御装置を備える遊技機に関する。
従来、透明樹脂製の遊技盤を用い、後方に表示装置を配置した遊技機においては、通常遊技領域が形成される前面側の遊技領域に加え、ワープユニットを介してその裏面側に遊技球を案内するものがある(例えば、特許文献1参照)。
この場合、裏面側に案内された遊技球はステージ部となる裏側転動部上を遊技球が左右方向に転動し、ステージ部に形成された排出部から遊技球を排出するようになっている。また、このような構造を有する遊技機では、裏側転動部を二段構成としたり下り傾斜をつけたりして、直下に配設される始動口等の入賞口に案内しやすい箇所を設けるようにしている。
特開2005−270469号公報
しかしながら、上記特許文献1における遊技機では、裏面側に遊技領域を形成するにあたり、その左右方向に転動部を多段構成するスペースしか確保できず、下り傾斜をつけるなどして遊技球を転動させるようにしても奥行き方向の転動は不可能であり、その転動経路は単調なものとなっていた。
また、左右方向の転動を複雑化させるため、横方向に多段構成とすると、限られた遊技盤裏面の横方向のスペースにより、かえって構造がごちゃごちゃしてしまう。
そこで、本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、裏面に誘導された遊技球の転動を十分に楽しむことができ、さらには奥行き方向のスペースを有効活用することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
透明合成樹脂で形成された遊技盤に、遊技球が入賞可能な始動入賞口を備えた遊技機において、
前記遊技盤の前面側に、発射された遊技球が転動流下可能な前面遊技領域を形成するとともに、前記遊技盤の裏面側に、遊技球が転動流下可能な裏面遊技領域を形成し、
前記前面遊技領域に、
当該前面遊技領域へ発射された無駄球となった遊技球を前記裏面遊技領域に流入させるために開設された導入口と、
前記裏面遊技領域を流下転動した遊技球を当該前面遊技領域へ導出させるための導出口と、
前記裏面遊技領域を流下転動した遊技球を当該前面遊技領域における前記始動入賞口の直上へ導出させるための球誘導路と、を設け、
前記裏面遊技領域に、
当該裏面遊技領域における前面側に形成され、当該裏面遊技領域に流入した遊技球を前記導出口へ導出させる前側遊技領域と、
該前側遊技領域の後側に形成され、当該裏面遊技領域に流入した遊技球を前記球誘導路へ誘導する後側遊技領域と、
前記前側遊技領域及び前記後側遊技領域を連通させる開口部と、を設け、
当該裏面遊技領域が前記前側遊技領域と前記後側遊技領域とによって、前後方向に二重構造とされ、
前記遊技盤における前記開口部に対向する位置に、前記前面遊技領域と前記裏面遊技領域とに連通するように回動自在に軸支される可動部材を設け、
前記可動部材は、前記前面遊技領域を流下する遊技球と接触することにより回動するとき、前記裏面遊技領域における前記前側遊技領域を流下する遊技球と接触すると、当該前側遊技領域を流下する遊技球を、前記開口部を介して前記後側遊技領域へと転動させることを特徴としている。
ここで、無駄球とは、遊技領域のうち、入賞口が設けられた領域と異なる領域を転動流下して、入賞の可能性が低く無駄となる可能性の高い遊技球のことである。
請求項1に記載の発明によれば、前面遊技領域へ発射された無駄球を導入口から裏面遊技領域に流入して、導出口から前面遊技領域へ導出させることができるので、無駄となる可能性の高い右打ちされた無駄球を裏面遊技領域で転動させて再度遊技に供することができる。従って、遊技者は、裏面遊技領域での遊技球の転動を十分に楽しむことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技盤の裏面側に遊技球が転動流下可能な裏面遊技領域を形成し、この裏面遊技領域を二重構造とすることにより、遊技機の裏面側の奥行き方向のスペースを有効活用することができるとともに、二重構造の裏面遊技領域での遊技球の転動を楽しむという遊技機本来の興趣を向上させることができる。
さらに、可動部材が前面遊技領域を流下する遊技球と接触することにより回動するとき、裏面遊技領域における前側遊技領域を流下する遊技球と接触すると、当該前側遊技領域を流下する遊技球を、開口部を介して後側遊技領域へと転動させる。即ち、前面遊技領域を流下する遊技球によって、無駄球となって裏面遊技領域を転動流下する遊技球に影響を及ぼすため、前面遊技領域及び裏面遊技領域を流下する遊技球を関連させることができ、さらに変化に富んだ遊技球の転動を楽しむことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記可動部材は、断面略L字状をなし、
当該可動部材の二つの片のうち、短い方の短片は前記遊技盤の前面側に臨むように、先端部が前記遊技盤の前面側に突出して配設され、
当該可動部材の二つの片のうち、長い方の長片は前記遊技盤の裏面側に臨むように、先端部が前記遊技盤の裏面に当接した状態で配設され、
前記前面遊技領域を流下する遊技球が前記短片に接触すると、前記長片を跳ね上げるように後向きに回動することを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、断面略L字状をなす可動部材の二つの片のうち、遊技盤の前面側に臨む短片は、先端部を遊技盤の前面側に突出して配設し、遊技盤の裏面側に臨む長片は、先端部を遊技盤の裏面に当接した状態で配設し、前面遊技領域を流下する遊技球が短片に接触すると、長片を跳ね上げるように後向きに回動することにより、前側遊技領域を流下する遊技球を、開口部を介して後側遊技領域へと転動させることができる。即ち、前面遊技領域を流下する遊技球によって、無駄球となって裏面遊技領域を転動流下する遊技球に影響を及ぼすため、前面遊技領域及び裏面遊技領域を流下する遊技球を関連させることができ、さらに変化に富んだ遊技球の転動を楽しむという遊技機本来の興趣を向上させることができる。
本発明によれば、前面遊技領域へ発射された無駄球を導入口から裏面遊技領域に流入して、導出口から前面遊技領域へ導出させることができるので、無駄となる可能性の高い右打ちされた無駄球を裏面遊技領域で転動させて再度遊技に供することができる。従って、遊技者は、裏面遊技領域での遊技球の転動を十分に楽しむことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技盤の裏面側に遊技球が転動流下可能な裏面遊技領域を形成し、この裏面遊技領域を二重構造とすることにより、遊技機の裏面側の奥行き方向のスペースを有効活用することができるとともに、二重構造の裏面遊技領域での遊技球の転動を楽しむという遊技機本来の興趣を向上させることができる。
さらに、可動部材が前面遊技領域を流下する遊技球と接触することにより回動するとき、裏面遊技領域における前側遊技領域を流下する遊技球と接触すると、当該前側遊技領域を流下する遊技球を、開口部を介して後側遊技領域へと転動させる。即ち、前面遊技領域を流下する遊技球によって、無駄球となって裏面遊技領域を転動流下する遊技球に影響を及ぼすため、前面遊技領域及び裏面遊技領域を流下する遊技球を関連させることができ、さらに変化に富んだ遊技球の転動を楽しむことができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について図1〜図9を用いて説明を行う。
本実施形態の遊技機100は、図1〜図6に示すように、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側に、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。
なお、矩形枠状の機枠110は、裏面側から見て左側の一辺が金属製とされ、その他の辺は木製となっている。これによって、裏面側から見て左側の一辺においては、強度を保ったまま厚みを薄くでき、後述するように大型の表示ユニット170を備える裏機構枠160の配設を可能としている。
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、前面枠本体130の裏面側に回動可能に軸支され、表示ユニット170を備える裏機構枠160とを有する。
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うように概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に後述する遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部131が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部131から前側に臨むようになっている。即ち、遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
また、前面枠本体130の開口部131、即ち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、図1に示すように、前面枠本体130の前側を覆うようにクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板141との間で、遊技盤1の前面に設けられた遊技領域区画壁9に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する第1遊技領域1aとされている(図4参照)。
クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の第1遊技領域1aの前側を開放可能となっている。
また、クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部131をほぼ閉塞するように、該開口部131に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な第1遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板141が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板141を介して遊技盤1の前面側の少なくとも第1遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板141が固定されて第1遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、枠装飾装置としてのランプやLED、音声を出力するスピーカ58、…などが設けられている。
また、前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。
鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部を構成するとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部を構成しており、当該鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば、左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば、右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部が前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151と、その下の下部パネル152とからなる。
開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置(図示略)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な演出用ボタン(図示略)が設けられている。
下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、第1遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該第1遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156や、スピーカ58などが設けられている。
また、図3に示すように、前面枠本体130の裏面側であって、遊技盤1が嵌め込まれた開口部131の上端部から中央より少し下側にわたる部分には、前面枠本体130の裏面側を覆うように裏機構枠160が配置されている。
裏機構枠160の前面の左端部は、前面枠本体130の裏面であって遊技機100の裏面側から見て右側の側部に回動可能に軸支されて扉状に開閉自在とされ、裏機構枠160を開くことにより、遊技盤1の裏面側の上部を開放可能となっている。
なお、裏機構枠160と前面枠本体130の連結部分は着脱自在であって、前面枠本体130、裏機構枠160はそれぞれユニット単位で交換やメンテナンスが可能となっている。
また、図2に示すように、前面枠本体130の裏面側であって遊技盤1が嵌め込まれた開口部131の下方には、排出ユニット190による賞球の排出、発射装置による遊技球の発射を制御する排出発射制御装置34、遊技機100内の各装置に電力を供給する電源回路としての電源供給装置37が取り付けられている。
なお、図示は省略するが、前面枠本体130には、各部材の取付位置に各部材を取り付けるための構造が設けられており、例えば、取り付けられた部材を囲むように補強用のリブが形成されていたり、ビス等による部材の取り付けのためのボス等が形成されている。
裏機構枠160は、図2〜図5に示すように、裏機構枠本体161と、画像を表示する画像表示装置としての表示ユニット170を案内するためのガイド部162とを有し、表示ユニット170の他、表示ユニット170を制御する第1演出制御装置33と、賞球などを排出する排出装置190と、排出装置190に遊技球を供給する貯留タンク192等が設けられている。
また、裏機構枠160は、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれる開口部131を裏面側から覆って遊技盤1の裏面に臨む状態と、後方に扉状に回動して遊技盤1の裏面側を開放する状態との間で回動可能となっている。即ち、裏機構枠160に表示ユニット170が配設されることで、表示ユニット170は、該裏機構枠160を介して前面枠120側に配設された状態で遊技盤1の後方位置に配設されることとなる。そして、裏機構枠本体161において遊技盤1と平行に配され、遊技盤1の裏面側を覆うように配される部分が後面部161aとなる。
裏機構枠本体161は、所定の厚みを有し、当該裏機構枠本体161の前後面に種々の機構体が取り付けられている。
即ち、裏機構枠本体161の前面には、表示ユニット170を前側に付勢する表示ユニット付勢手段をなす付勢部材としての圧縮コイルばね(図示略)を収納する後側が閉鎖された筒状の付勢部材収納部181,181(裏面側のみを図示)や、裏機構枠本体161を補強するための補強リブが形成されている。また、裏機構枠本体161の後面部161aの背面には、第1演出制御装置配設部165や接続用凹部183、流路形成凹部184、排出装置配設凹部185などの前方に窪んで後方に開口した凹部が形成されており、裏機構枠本体161の前面の一部はこれら凹部の裏面によって形成されている。また、裏機構枠本体161の前面の周囲には、上下の一部を除いて前側に延出する周囲壁187が形成されており、裏機構枠本体161の前面側は全体が凹部となっている。
また、裏機構枠本体161の前側には、図3に示すように、それぞれコ字状のガイド部162,162が左右の側面を前側に延長するように取り付けられている。そして、後面部161a及び周囲壁187、ガイド部162,162によって、所定の奥行きを有するとともに前面側(遊技盤1の裏面に臨む側)に開口した略矩形凹室形状の空間(少なくとも背面と左右側面とを囲まれた空間)が形成され、当該空間が表示ユニット170を収納する表示ユニット収納部168となっている。
即ち、ガイド部162,162は、裏機構枠本体161における後面部161aの左右端部の各々に設けられ、周囲壁187とともに表示ユニット収納部168の側面部をなしている。
表示ユニット収納部168には、画像表示面が前側(開口した側)となるように表示ユニット170が配設されており、裏機構枠160を遊技盤1の裏面に臨むように配することで、遊技盤1の裏面側に表示ユニット170の液晶表示パネル171の画像表示面が臨むようになっている。
表示ユニット170は、略矩形板状に形成された液晶表示パネル171と、この液晶表示パネル171が収容され、前面側が開口した略矩形箱状(額縁状)に形成された金属製の表示ユニットケース(図示略)とを有する。そして、表示ユニットケースの前面側から液晶表示パネル171の画像表示面を有する前面が露出している。
また、裏機構枠160の後面部161aの背面(裏面)には、図4に示すように、前方に窪んで後方に開口した略矩形状の凹部である第1演出制御装置配設部165が形成され、当該第1演出制御装置配設部165に液晶表示パネル171の液晶表示器の表示を制御する第1演出制御装置33が配設されている。
なお、第1演出制御装置33は、図3に示すように、前面側に演出データ基板と接続用のコネクタ部33mがボックスから露出されている。
裏機構枠本体161の上面には、遊技機100が設置される図示しない島設備に設けられた供給装置から供給される遊技球を一時貯留し、排出装置190に供給する貯留タンク192が取り付けられるようになっている。
貯留タンク192の底面は、裏機構枠本体161の後方に向かって下るとともに、裏機構枠本体161の裏面側から見て左方向に下る傾斜を有しており、この傾斜下流側に位置する貯留タンク192の底面には、貯留タンク192内の遊技球を外部に排出する排出口(図示略)が形成されている。
排出口は、後面部161aの背面に位置しており、後面部161aの背面に形成された流路形成凹部184には、この排出口に連通した導出流路を形成する導出流路形成部材195,196が取り付けられている。
導出流路は、排出口から排出された遊技球を裏機構枠160の右端部へ誘導するとともに、裏機構枠160の右端部においてさらに下方へ誘導するように形成されており、その下流側端部は、裏機構枠160の裏面に設けられた排出装置190に接続されている。また、貯留タンク192に隣設して、遊技機外部の装置(管理装置)と接続するための盤用外部出力端子が設けられている。
排出装置190は、裏機構枠本体161の裏面側から見た右端部における上下方向の略中央に形成された排出装置配設凹部185に取り付けられている。
また、排出装置190は、上部に導出流路に接続されて遊技球を受け入れる流入口を、下部に下部流路に接続されて遊技球を排出する排出口を備え、排出発射制御装置34が遊技制御装置30の制御の下で排出装置190を作動させることにより、所定数の遊技球を下部流路に排出するようになっている。
排出装置190の排出口に接続した下部流路は、裏機構枠160の裏面側から見て右端に沿って取り付けられた下部流路形成部材197によって形成され、排出装置190から排出された遊技球を下方に誘導するようになっている。
下部流路の下流側端部は、発射操作ユニット150の前面に形成された上皿153に連通され、排出装置190から排出された所定数の遊技球が上皿153排出されるようになっている。
なお、貯留タンク192の排出口から排出装置190に至る導出流路内には、常に遊技球が待機している状態となっており、排出装置190によって導出流路内の遊技球が排出されることに伴って貯留タンク192から流路に遊技球が流入するようになっている。
また、開口部131に嵌め込まれる遊技盤1は、図4及び図5に示すように、遊技盤本体1bと、遊技盤本体1bの裏面側に配される遊技盤裏面構成部材80とを備える。
遊技盤本体1bは、透明な合成樹脂(例えば、ポリカーボネートやアクリル)からなり、前面には、遊技領域区画壁9で囲まれた第1遊技領域1aを有し、この第1遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技盤本体1bの前面側には、第1遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9を備える遊技領域区画部材8,8,…が取り付けられている。
遊技領域区画部材8,8,…は、所定の厚みを有し、遊技盤本体1bの前面の四隅に配されて第1遊技領域1aを区画するものであって、遊技盤1の中心側に配される側面が第1遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9をなしている。また、遊技領域区画部材8,8,…は、不透明な材質からなり、第1遊技領域1a以外から遊技機100の内部が見えないようになっている。
さらに、遊技領域区画部材8,8,…には、遊技盤1を前面枠本体130に形成された開口部に対して着脱可能とする係合凹部、固定凹部(ともに図示略)が形成されている。
即ち、前面側から見て左側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた係合部材(図示略)が係合可能な係合凹部が形成され、一方、遊技盤1の前面側から見て右側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた固定部が係合可能な固定凹部が形成されている。そして、前面枠本体130に形成された開口部に対して、前面側から係合凹部を係合部材に係合させ、この係合部分を軸として他端部を後方に回動させて開口部に収容し、固定凹部に固定部(図示略)を係合させることで遊技盤1が前面枠本体130に固定されるようになっている。
遊技盤裏面構成部材80は、遊技盤本体1bの周囲に沿う矩形状をしており、不透明又は半透明とされた合成樹脂(例えば、ポリカーボネートやABS)からなる。また、遊技盤裏面構成部材80における遊技盤本体1bの裏面に沿って配されるベース盤81の略中央部には、遊技盤本体1bに形成された第1遊技領域1aの大部分と重なるように略矩形状の視認開口87が形成されている。
また、ベース盤81の裏面側には、視認開口87の左右及び下側に沿って後方に突出する表示領域区画壁82(図7参照)が形成されており、また上側には、演出部材を備え、遊技盤装飾装置(図示略)の一部をなす演出装置25が配されており、これによって前後方向に沿った筒状の空間が形成されている。
この表示領域区画壁82及び演出装置25は、遊技盤1の後方に配される後述する表示ユニット170の画像表示面に近接するように配される(当接はしない)ようになっており、特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームなどの表示領域を区画するものである。即ち、表示ユニット170の画像表示面のうち、視認開口87の周縁に沿って形成された表示領域区画壁82及び演出装置25で囲まれた領域が遊技盤1の前面側から視認可能な表示領域(視認領域)となる。また、表示領域区画壁82が遊技盤1と表示ユニット170との間の空間の側壁を構成する側部囲い壁をなす。これによって、第1遊技領域1aの大部分に表示ユニット170の画像が表示されることとなる。また後述するように、この遊技盤本体1bの裏面側における表示領域区画壁82及び演出装置25で囲まれた領域の一部が、遊技球が流下可能な第2遊技領域20とされている。
演出装置25は、内部に演出部材と、この演出部材を駆動する駆動装置が設けられており、遊技の進行に合わせて演出部材を視認開口87に現出させることで、遊技の演出を行うものである。
ベース盤81の裏面には、左右の端部に隣接する位置に、後方へ突出する押圧部83,83,…が上下に形成されている。
押圧部83,83,…は、遊技盤1の裏面側に配される表示ユニット170の前面(表示ユニット170の外枠をなす表示ユニットケースの前面)に、その後端部が当接するようになっている。この表示ユニット170は、表示ユニット付勢手段(圧縮コイルばね等)によって前側に付勢されているので、押圧部83,83,…と表示ユニット170は密着した状態で保持されるようになっている。
また、押圧部83,83,…は、ベース盤81に形成された基部83aと、基部83aの後端部にねじによって取り付けられた摩擦係数が低い材質(例えば、ポリアセタール、金属)からなる押圧部材83bとを有している。さらに、ベース盤81の裏面側から見て右側に位置する押圧部83,83の基部83aには、押圧部材83bに加え、上下方向に沿った軸を中心に回動可能なローラ83cが、外側に位置する角部に取り付け可能とされている。
遊技盤本体1bの前面側に形成された第1遊技領域1a内には、遊技盤1の装飾や遊技球を流下案内する遊技装置として、普図始動ゲート6、始動入賞口10及び普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4が設けられている。さらに、遊技装置として、一般入賞口形成部材14,14に設けられた一般入賞口2,2、風車と呼ばれる打球方向変換部材11,11、多数の遊技釘(図示略)、流下方向規制装置7、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口5、ランプ・LEDなどの遊技盤装飾装置(図示略)などが設けられている。さらに、遊技装置として、遊技盤本体1bの裏面側に設けられた第2遊技領域20への導入口をなすワープ入口12、第2遊技領域20からの導出口13が設けられている。
普図始動ゲート6は、遊技球が上下に通過可能なゲートであり、その内部には遊技球の通過を検出するゲートセンサ(図示略)が設けられている。そして、該ゲートセンサで遊技球が検出されることに基づき普図変動表示ゲームの始動条件が成立するようになっている。また、普図変動表示ゲームは、遊技盤1の前面側に設けられた図示しない普図変動表示器にて表示されるようになっている。
さらに、遊技盤1の前面側には、未処理となっている第1普図変動表示ゲームの回数をLEDの点滅で表示する図示しない普図始動記憶表示器が設けられている。
始動入賞口10及び普通変動入賞装置3は、第1遊技領域1aの下部にあって、その内部には遊技球の流入を検出する始動口センサ(図示略)が設けられている。即ち、始動入賞口10及び普通変動入賞装置3は、特図始動入賞口であって、始動口センサ(図示略)で遊技球が検出されることに基づき特図変動表示ゲームの始動条件が成立するようになっている。この特図変動表示ゲームは、遊技盤1の前面側に設けられた図示しない特図変動表示器にて表示されるようになっている。また、遊技盤1の前面側には、未処理となっている特図変動表示ゲームの回数をLEDの点滅で表示する図示しない特図始動記憶表示器が設けられている。
普通変動入賞装置3は、左右一対の開閉部材3a,3aを具備し、始動入賞口10の下部に配設され、この開閉部材3a,3aは、常時は遊技球が流入不能な閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置3の開閉部材3a,3aが所定時間(例えば、0.5秒間)逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置3に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化するようになっている。これにより、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
また、特図変動表示ゲームは、第1遊技領域1a内に設けられた特図変動表示器で実行されるが、ここで実行される特図変動表示ゲームに対応する表示ゲームが表示ユニット170の画像表示面に表示されるようになっている。この特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームの表示領域は、遊技盤裏面構成部材80に形成された表示領域区画壁82によって区画された領域であって、透明な材質からなる遊技盤本体1bを通して、その裏面側に配された表示ユニット170の画像表示面を視認可能な領域となっている。
なお、遊技機100に特図変動表示器を備えずに、表示ユニット170のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図変動表示器の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して画像表示面における表示ゲームの表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。
特別変動入賞装置4は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉4aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。
なお、開閉扉4aは、大入賞口ソレノイド(図示略)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するための大入賞口用センサ(図示略)が配設されている。
一般入賞口形成部材14,14は、第1遊技領域1aの下部に位置する遊技領域区画壁9に沿って配されており、前面側には一般入賞口2,2が形成されている。
一般入賞口2,2には、当該一般入賞口2,2に入った遊技球を検出するための一般入賞口センサ(図示略)が配設されている。
また、一般入賞口形成部材14,14は、遊技に関連した装飾が施されて不透明となっているとともにLEDなどを備えており、遊技盤1の装飾を行う遊技盤装飾装置の一部をなしている。
そして、遊技を開始することにより第1遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2,2、特図始動入賞口(始動入賞口10、普通変動入賞装置3)、大入賞口(特別変動入賞装置4)等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球としての遊技球が後述の排出発射制御装置34の制御により排出装置190によって貯留皿に排出される(払い出される)ようになっている。
また、流下方向規制装置7は、第1遊技領域1aとなる遊技盤本体1bの前面に突出するように取り付けられている。
流下方向規制装置7は、透光性を有する材質からなる部材で、鎧部7aとその左端に接続した長案内部7bと、右端に接続された短案内部7cとから下向きに開口するように形成されている。また、流下方向規制装置7は、第1遊技領域1aの中央部に配され、第1遊技領域1aの中央部分を区画するようになっている。
これによって、第1遊技領域1aに発射されて流下する遊技球が第1遊技領域1aの左右に振り分けられ、第1遊技領域1aの中央部分における画像表示面の視認性が保たれるようになっている。
鎧部7aは、第1遊技領域1aの中央部分に対して上側に配されて上方に突出するような円弧状をしており、その上面が中央から左右に下るような傾斜面とされている。このように上面が円弧状となっていることで、第1遊技領域1aの上方に発射され、流下する遊技球を傾斜に沿って左右に振り分けることができるようになっている。
長短の案内部7b,7cは、鎧部7aの端部に連続して形成され、第1遊技領域1aの中央部分に対して左右に配されて下方に向かって延在するようになっている。また、長短の案内部7b,7cは、鎧部7aで左右に振り分けられた遊技球が中央部分へ戻らないように下方へ案内するものである。
長案内部7bの下端部は、ワープ流路24aへの入口となるワープ入口12が、流下方向規制装置7の左側(長案内部7bと、対向する遊技領域区画壁9との間)を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されている。また、遊技盤本体1bにおけるワープ入口12が配される部分には、前後に貫通したワープ孔が形成され、ワープ入口12から流入した遊技球を、遊技盤本体1bの裏面側に形成された後述する第2遊技領域20へ誘導可能とされている。
鎧部7aの傾斜面の短案内部7cの近傍には、第1遊技領域1aへ発射されワープ入口12側と反対側(右側)を転動流下する遊技球、即ち、普図始動ゲート6やワープ入口12への入賞の可能性が低く無駄となる可能性の高い無駄球を裏面遊技領域300に流入させるための導入口301が開設されている。
遊技盤本体1bの裏面側における表示領域区画壁82で囲まれた領域内には、遊技装置としてのステージ部材21が配されている。
ステージ部材21は、透光性を有する材質からなる板状の部材であって、より具体的には、左右両側が中央に向かって下る傾斜面となっているとともに、中央部が上向きに突出した略W字状に形成されている。また、ステージ部材21は、左右の端部は表示領域区画壁82の内周面と近接して配され、後端部は表示領域区画壁82の後端部と等しい前後位置に配されている。
遊技盤本体1bの裏面におけるワープ入口12と対応する位置には、遊技装置としての遊技球流路形成部材をなすワープ流路形成部材24が配されている(図5参照)。
ワープ流路形成部材24は、透光性を有する材質からなる部材で、ワープ入口12に流入してワープ孔を通って遊技盤本体1bの裏面に至った遊技球を、ステージ21a上に誘導するワープ流路24aを備える。
ワープ流路24aは、遊技球を一列で流下可能な筒状の流路であって、その入口となる上流側端部は遊技盤本体1bに形成されたワープ孔に接続しており、ここから遊技盤本体1bの裏面に沿って遊技盤本体1bの側端方向へ屈曲し、出口となる下流側端部はステージ21aの側端部の上方に近接した位置に配されるようになっている。これによって、第1遊技領域1aに開口したワープ入口12に流入した遊技球は、ワープ流路24aを通って第2遊技領域20におけるステージ部材21の上面に形成されたステージ21aに誘導されることとなる。
遊技盤本体1bの裏面における導入口301と対応する位置には、図5に示すように、裏面遊技領域300に遊技球を流入する裏面遊技領域流路302が配されている。裏面遊技領域流路302は、透光性を有する材質からなり、裏面遊技領域300に流下可能な筒状の部材である。
また、裏面遊技領域流路302の開口の下側には、内側に裏面遊技領域300を構成する裏面遊技領域区画壁303が形成されている。裏面遊技領域区画壁303は、透光性を有する材質からなり、左右の各々の下向きに湾曲して延設されている。具体的には、図5における右側の裏面遊技領域区画壁303は、導出口13の右側端部近傍まで延出され、左側の裏面遊技領域区画壁303は、表示領域区画壁82に接触する位置まで延出されている。
なお、裏面遊技領域区画壁303の裏側には、表示ユニット170の画像表示面を保護する透光性の保護カバー304が配設されている(図6参照)。
裏面遊技領域300には、図6に示すように、所定位置に所定数の風車305や遊技釘306(図8参照)が配設され、裏面遊技領域流路302を介して裏面遊技領域300に流入された遊技球を転動流下させて、ステージ部材21のステージ21aに誘導されることとなる。
ステージ21aには、上述したワープ流路24aを流下した遊技球が誘導されるようになっており、ステージ21aに誘導された遊技球は、略W字状の傾斜に沿って左右に転動するようになっている。
ステージ部材21の中央部は、遊技盤本体1bに形成された導出口13の後方に位置するように形成されており、ステージ21aは、導出口形成部材23によって形成された導出口13の底面に連続するようになっている。これによって、ステージ21a上を転動する遊技球は前側へ誘導され、導出口13から第1遊技領域1aへ導出されることとなる。
また、ステージ21aの左右方向の中央であって、遊技球が転動する面の下側には、遊技球が流下可能な流路である球誘導路22の後方部分が形成されている。
球誘導路22は、前後方向に沿って延在するように形成された遊技球が一個流下可能な内径を有する筒状の流路で、前側に向かって下るように傾斜している。この球誘導路22の下流側端部はステージ部材21の前端部に開口しており、導出口形成部材23に形成された球誘導路22の前方部分に接続するようになっている。
この球誘導路22には、ステージ21aから垂直に下方へ延在する流入流路21cが接続されている。この流入流路21cは、ステージの左右方向の中央に形成されており、流入口21dとなる上流側端部がステージ21a上に開口している。また、ステージ21aの上面であって流入流路21cの流入口21dの後側には、ステージ21a上を転動する遊技球を流入口21dに誘導するように、前後方向に沿って延在し、流入口21dに向かって下る傾斜を有する溝部21eが形成されている。この他にステージ21aの上面には、遊技球の転動態様に変化を与えるリブ21fや突条21gが形成されている。
第1遊技領域1aにおける始動入賞口10の上側には、第2遊技領域20及び裏面遊技領域300からの導出口13が形成されている。
導出口13は、遊技盤本体1bに形成された前後に貫通した導出孔に導出口形成部材23を取り付けることで構成されている。導出口形成部材23は、遊技盤本体1bと略同じ厚みを有し、導出孔に嵌め込まれる部分に導出口13を形成する筒状の開口23aが形成されている。筒状の開口23aの内周面における下側の面(導出口13の底面)は、後方に配されるステージ21aの形状に合わせた曲面とされているとともに前側に傾斜するようにされており、ステージ21aから前側に誘導された遊技球を第1遊技領域1aに誘導可能とされている。また、筒状の開口23aの下側の面の下方には、ステージ21aの下方に前後方向に沿って延在するように形成された球誘導路22の後方部分と連通する球誘導路22の前方部分が形成され、これらによって、前後方向に延在する球誘導路22が形成される。
導出口形成部材の前端部に位置する球誘導路22の下流側端部は、始動入賞口10の直上に位置するようになっており、ここを流下した遊技球は高い確率で始動入賞口10に流入するようになっている。
遊技盤裏面構成部材80の裏面側であって、視認開口87の下側には、取付ベース85が設けられている。
取付ベース85には、始動入賞口10、普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4、一般入賞口2,2などに入賞した遊技球を流下させる入賞球流路が設けられている。入賞球流路は、遊技機100の外部(島設備の回収樋)に連通する図示しない流路に接続するようになっている。
また、取付ベース85の裏面側から見て左側の端部は、上下方向に沿って延在する回動軸86,86が形成されており、第2演出制御装置31が左右方向に扉状に回動可能に軸支されるようになっている。
第2演出制御装置31は、遊技機固有のデータを記憶するデータ装置として、演出に関するデータを記憶したROMを備える演出データ基板と、遊技盤1に配設された電気的機器の駆動機能を有する演出駆動基板をなすドライバ基板(何れも図示略)とを有し、遊技制御装置30の制御の下で演出の制御を行うものである。
また、第2演出制御装置31の裏面の略中央部には、左右方向に沿って延在する回動軸を備える一対の支持部71e,71eが形成され、遊技制御装置30が上下方向に扉状に回動可能に軸支されるようになっている。
遊技制御装置30は、第2演出制御装置31の裏面側に配設されている。遊技制御装置30は、CPU、RAM、ROM(何れも図示略)等を有し、遊技の進行を統括的に制御するものである。
以上のように、本実施形態の遊技機100によれば、遊技盤本体1bの前面側に、発射された遊技球が転動流下可能な第1遊技領域1aが形成され、遊技盤本体1bの裏面側に、遊技球が転動流下可能な裏面遊技領域300が形成されて、第1遊技領域1aへ発射された無駄球を導入口301から裏面遊技領域300に流入して、導出口13から第1遊技領域1aへ導出させることができるので、無駄となる可能性の高い右打ちされた無駄球を裏面遊技領域300で転動させて再度遊技に供することができる。
従って、遊技者は、裏面遊技領域300での遊技球の転動を十分に楽しむことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技盤本体1bの裏面側に裏面遊技領域300を形成することにより、遊技機100の裏面側の奥行き方向のスペースを有効活用することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
以下に、裏面遊技領域の変形例について説明する。
<変形例1>
以下に、変形例1の遊技機について図7並びに図8を参照して説明する。
変形例1の遊技機は、図7及び図8(a)に示すように、前後方向に二重構造とされた裏面遊技領域400を形成する裏面遊技領域形成部材401を備えている。
即ち、裏面遊技領域形成部材401は、透光性を有する材質からなり、外形が略直方体状に形成された外壁面部402と、外壁面部402の内側に配設されて、当該外壁面部402の内側の空間を前後方向に二分する分割部材403等を備えている。
なお、外壁面部402及び分割部材403は、例えば、所定の固着部材により遊技盤本体1bに固着されている。
分割部材403は、その上端部が導入口301と前後方向にほぼ重なる位置まで延在し、これにより、導入口301を介して流入される遊技球が二重構造の裏面遊技領域400のうち、後側遊技領域400aよりも前側遊技領域400bに流入し易くなっている。
また、分割部材403には、所定数の遊技釘306が所定位置に配設され、裏面遊技領域400に流入された遊技球を転動流下させるようになっている。即ち、二重構造の裏面遊技領域400のうち、前側遊技領域400bの下端部には導出口13が連通して設けられ、当該前側遊技領域400bを転動流下した遊技球(図8中、遊技球2)は導出口13を介してステージ21aに誘導される。一方、裏面遊技領域400のうち、後側遊技領域400aの下端部には、球誘導路22に連通される連通口(図示略)が形成され、当該遊技球が連通口を介して球誘導路22に誘導され、球誘導路22を流下した遊技球(図8中、遊技球1)は始動入賞口10に入賞し易くなっている。
つまり、裏面遊技領域300のうち、前側遊技領域(一方の遊技領域)400bに比べて後側遊技領域(他方の遊技領域)400aから導出口13を介して導出される遊技球の方が始動入賞口10への入賞確率が高くされている。
従って、変形例1の遊技機によれば、裏面遊技領域400を二重構造とすることにより、遊技機の裏面側の奥行き方向のスペースをさらに有効活用することができる。
さらに、二重構造の裏面遊技領域400での遊技球の転動を楽しむという遊技機本来の興趣を向上させることができる。また、前側遊技領域400bに比べて後側遊技領域400aから導出口13を介して導出される遊技球の方が始動入賞口への入賞確率が高くされているので、無駄球を再度遊技に供するうえ、後側遊技領域400aへ導入されれば始動入賞口への入賞確率が高くなるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
<変形例2>
変形例2の遊技機は、図9(a)に示すように、分割部材403の所定位置に板状の転動方向変換部材501が配設されている。
分割部材403の所定位置には、前側遊技領域400b及び後側遊技領域400aを連通させる開口部403aが所定数形成されている。
転動方向変換部材501は、例えば板バネ等のように、それ自体に弾性を有するバネ材であり、開口部403aの下端縁部に左右方向の回動軸を中心として回動自在に軸支されている。そして、転動方向変換部材501に前側遊技領域400bを流下する流下勢の強い遊技球が衝突すると、転動方向変換部材501の付勢力に抗して当該転動方向変換部材501を下向きに回動させることで前側遊技領域400bを流下していく一方で、流下勢が弱い遊技球の場合、転動方向変換部材501の上面を滑るようにして開口部403aに流入し、後側遊技領域400aに流入していくような構成となってる。
従って、変形例2の遊技機によれば、二重構造の裏面遊技領域400のうち、より不利な方の前側遊技領域400bに一度導入されても、板状の転動方向変換部材501により有利な方の後側遊技領域400aに転動変化されることがあり、遊技者の興味をより長く惹き付けることができる。
<変形例3>
変形例3の遊技機は、図9(b)に示すように、分割部材403の所定位置に転動方向変換部材としての風車502が配設されている。
風車502は、開口部403aの所定位置に左右方向の回動軸を中心として回動自在に軸支されている。これにより、導入口301を介して前側遊技領域400bに流入した遊技球であっても、転動変化して後側遊技領域400aに流入可能となるとともに、後側遊技領域400aに流入した遊技球であっても、転動変化して前側遊技領域400bに流入可能となる。
従って、変形例3の遊技機によれば、変形例2の遊技機と同様に、二重構造の裏面遊技領域400のうち、より不利な方の前側遊技領域400bに一度導入されても、風車502(転動方向変換部材)により有利な方の後側遊技領域400aに転動変化されることがあり、遊技者の興味をより長く惹き付けることができる。
<変形例4>
変形例4の遊技機は、図9(c)に示すように、分割部材403の所定位置に前側遊技領域400b及び後側遊技領域400aを連通させる開口部403bが所定数形成され、遊技盤本体1bの開口部403bに対向する位置に略「L」字型の可動部材503が配設されている。
可動部材503は、遊技盤本体1bの所定位置に左右方向の回動軸を中心として回動自在に軸支されている。また、可動部材503の二つの片のうち、より短い方の短片503aの先端部が遊技盤本体1bの前面側に突出するように配設されている。即ち、可動部材503の短片(一片)503aは遊技盤本体1bの前面側に臨むように配設されている。一方、可動部材503の二つの片のうち、より長い方の長片503bは、通常状態では、その自重により略真下を向くように配設され、先端部が遊技盤本体1bの裏面に当接した状態となっている。即ち、可動部材503の長片(一片)503bは、遊技盤本体1bの裏面側に臨むように配設されている。
このように、可動部材503は、第1遊技領域1aと裏面遊技領域400とに連通するように配設されている。
そして、遊技盤本体1bの前側の第1遊技領域1aを流下する遊技球が短片503aの先端部に接触すると、可動部材503がより長い方の長片503bを跳ね上げるように後向きに回動する。このとき、裏面遊技領域400のうち、より不利な方の前側遊技領域400bを流下する遊技球が長片503bに接触すると、開口部403bを介してより有利な方の後側遊技領域400aに転動される。
つまり、導入口301を介して前側遊技領域400bに流入した遊技球であっても、可動部材503の裏面側に臨む長片503bの動作に従って転動変化することで後側遊技領域400aに誘導される。
従って、変形例4の遊技機によれば、可動部材503の前面側に臨む短片503aに第1遊技領域1aを流下する遊技球が接触すると、当該可動部材503の裏面側に臨む長片503bを跳ね上げるように可動して、裏面遊技領域400のうちのより不利な方の前側遊技領域400bを流下する遊技球をより有利な方の後側遊技領域400aに誘導することができる。
即ち、第1遊技領域1aを流下する遊技球が、裏面遊技領域400での遊技球の転動流下に影響を及ぼすため、第1遊技領域1a及び裏面遊技領域400を流下する遊技球を関連させることができることとなって、さらに変化に富んだ遊技球の転動を楽しむことができる。
なお、本発明の遊技機100は、上述の実施形態に示されるようなパチンコ遊技機100に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機100に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明を適用した実施形態1の遊技機を示す正面図である。 図1の遊技機の背面側から見て示した斜視図である。 図1の遊技機のクリア部材保持枠及び遊技盤を取り外した状態の前面枠を前面側から見て示した斜視図である。 図1の遊技機の遊技盤を示す正面図である。 図4の遊技盤を背面側から見て示した斜視図である。 図5のVI−VI線における遊技盤の要部断面を示す図である。 変形例1の遊技機の遊技盤を背面側から見て示した斜視図である。 図7の遊技機に備わる裏面遊技領域を説明するための図である。 裏面遊技領域の変形例を説明するための図である。
符号の説明
100 遊技機
1 遊技盤
1a 第1遊技領域
120 前面枠
160 裏機構枠
300、400 裏面遊技領域
301 導入口
13 導出口
22 球誘導路
10 始動入賞口
501 転動方向変換部材
502 風車(転動方向変換部材)
503 可動部材
503b 長片
503a 短片

Claims (2)

  1. 透明合成樹脂で形成された遊技盤に、遊技球が入賞可能な始動入賞口を備えた遊技機において、
    前記遊技盤の前面側に、発射された遊技球が転動流下可能な前面遊技領域を形成するとともに、前記遊技盤の裏面側に、遊技球が転動流下可能な裏面遊技領域を形成し、
    前記前面遊技領域に、
    当該前面遊技領域へ発射された無駄球となった遊技球を前記裏面遊技領域に流入させるために開設された導入口と、
    前記裏面遊技領域を流下転動した遊技球を当該前面遊技領域へ導出させるための導出口と、
    前記裏面遊技領域を流下転動した遊技球を当該前面遊技領域における前記始動入賞口の直上へ導出させるための球誘導路と、を設け、
    前記裏面遊技領域に、
    当該裏面遊技領域における前面側に形成され、当該裏面遊技領域に流入した遊技球を前記導出口へ導出させる前側遊技領域と、
    該前側遊技領域の後側に形成され、当該裏面遊技領域に流入した遊技球を前記球誘導路へ誘導する後側遊技領域と、
    前記前側遊技領域及び前記後側遊技領域を連通させる開口部と、を設け、
    当該裏面遊技領域が前記前側遊技領域と前記後側遊技領域とによって、前後方向に二重構造とされ、
    前記遊技盤における前記開口部に対向する位置に、前記前面遊技領域と前記裏面遊技領域とに連通するように回動自在に軸支される可動部材を設け、
    前記可動部材は、前記前面遊技領域を流下する遊技球と接触することにより回動するとき、前記裏面遊技領域における前記前側遊技領域を流下する遊技球と接触すると、当該前側遊技領域を流下する遊技球を、前記開口部を介して前記後側遊技領域へと転動させることを特徴とする遊技機。
  2. 前記可動部材は、断面略L字状をなし、
    当該可動部材の二つの片のうち、短い方の短片は前記遊技盤の前面側に臨むように、先端部が前記遊技盤の前面側に突出して配設され、
    当該可動部材の二つの片のうち、長い方の長片は前記遊技盤の裏面側に臨むように、先端部が前記遊技盤の裏面に当接した状態で配設され、
    前記前面遊技領域を流下する遊技球が前記短片に接触すると、前記長片を跳ね上げるように後向きに回動することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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