JP3903146B2 - 旋回作業車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、旋回半径を縮小した小旋回式作業車などの上部旋回体の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、掘削型旋回作業車において、上部旋回体をコンパクトに構成する試みは行われている。たとえば、特開平11−303139号公報に示されるものである。これは小旋回式油圧ショベル等の小型油圧ショベルで、上部旋回体後部にエンジン等を配置する際、旋回体フレームに配設される縦板によりその配置位置に制約を受けていたものを、前記上部旋回体は、上部旋回体前後方向に立設された左右一対の前部強度部材と、一対の縦板とを直交させ、前記縦板の後端に接続されて立設された中間強度部材と、前記横板の前端を接続し、前後方向に立設された左右一対の後部強度部材と、前記中間強度部材と、前記後部強度部材とを接続するものである。
【0003】
また、旋回体フレームの組み立て性を向上すべく、フレームを鋳物により構成するもの知られている。例えば、実用新案登録公報第2584032号に示されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
旋回体をコンパクトに構成するためには、該旋回体内に配設する各部のレイアウトおよび形状を考慮する必要がありる。また、実用新案登録公報第2584032号に示される考案においては、フレームを鋳物により構成するにとどまっており、フレームに搭載されるエンジンなどの構成要素を十分考慮していないものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決すべく、本発明は次のような手段を用いる。
【0006】
請求項1においては、旋回可能に構成した旋回体(2)へ回動可能に取り付けられたブーム(6)と、該ブーム(6)へ回動自在に取り付けられたアーム(5)と、該アーム(5)へ回動自在に取り付けられた作業用アタッチメントとを有した作業機を備え、該旋回体(2)の後部のボンネット(14)内に、エンジン及び油圧機器用の作動油のリザーバタンク(43)を配設し、該旋回体(2)の後部を平面視円弧状に構成した旋回作業車において、該旋回体(2)の最後部略中央にマフラ(40)を配置すると共に、該マフラ(40)を縦置きとし、該マフラ(40)の後面形状を旋回体(2)の円弧状最突部の内側形状に合わせたものである。
【0007】
請求項2においては、請求項1記載の旋回作業車において、該旋回体(2)の旋回体フレーム(17)に、後部のカウンタウェイト部(71)、中央のエンジン載置部(73)、前部のブームブラケット枢支部(72)を構成し、該旋回体フレーム(17)の最後部のカウンタウェイト部(71)の略中央の空間に、前記マフラ(40)を縦置きに配設したものである。
【0008】
請求項3においては、請求項1記載の旋回作業車において、該旋回体(2)内に導入された空気を排出する上部開口部(52)を、旋回体フレーム(17)の後部に配置したボンネット(14)の後面で、前記縦置きに配置したマフラ(40)の上方に開口したものである。
【0009】
請求項4においては、請求項1記載の旋回作業車において、該旋回体(2)内に導入された空気を排出する下部開口部(52)を、該旋回体フレーム(17)の後部の底部で、前記縦置きに配置したマフラ(40)の下方に開口したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【0011】
図1は旋回作業車の全体側面図、図2は同じく平面図、図3は同じく正面図、図4は同じく後面図、図5はボンネット回動構成を示す側面図、図6は旋回体内部構成を示す平面図、図7は同じく後面図である。
【0012】
図8は同じく左側面図、図9は旋回体内部構成を示す右側面一部断面図、図10はフレームとサイドフレームの構成を示す側面図、図11は同じく平面図、図12はエンジンとマフラの構成を示す側面一部断面図、図13は同じく平面図である。
【0013】
本発明の旋回作業車の構成について説明する。図1乃至図4を用いて説明する。
旋回作業車は、クローラ式走行装置1の上部中央に旋回体2を左右旋回可能に支持しており、該クローラ式走行装置1の前後一端部には、ブレード3を上下回動自在に配設している。旋回体2の上方にはエンジン等を被覆するボンネット14が配設され、該ボンネット14の上方にシート16が取り付けられている。該シート16の前方には、フロントコラム19に運転操作等を行うためのレバー類を配設して構成した運転操作部15が設けられている。該運転操作部15のフロントコラム19とボンネット14との間にはステップ20が配置されている。
【0014】
旋回体2の前端部にはブームブラケット12が左右回動自在に取り付けられ、該ブームブラケット12にはブーム6の下端部が上下回動自在に支持されている。ブーム6は途中部で前方に屈曲しており、側面視において屈曲部6dを有する略「く」字状に形成されている。該ブーム6の上端部にはアーム5が回動自在に支持され、該アーム5の先端部には作業用アタッチメントとしてのバケット4が回動自在に支持されている。これらのブーム6、アーム5、及びバケット4等により作業機7が構成されている。
【0015】
そして、前記ブーム6はブームシリンダ11により回動動作され、アーム5はアームシリンダ10により回動動作され、バケット4はバケットシリンダ9により回動動作されている。該ブームシリンダ11、アームシリンダ10、及びバケットシリンダ9は油圧シリンダに構成され、各シリンダ9・10・11は旋回台2のボンネット14内に配設される油圧ポンプから油圧ホースを通じて圧油を供給することにより伸縮駆動されている。
また、ブームシリンダ11はブームブラケット12のシリンダ支持部12bとブーム6の途中部前面に設けられたブームシリンダブラケット36との間に介装され、アームシリンダ10はブーム6の途中部背面に設けられるアームシリンダボトムブラケット31とアーム5基端部に設けられるバケットシリンダブラケット30との間に介装され、バケットシリンダ9は該バケットシリンダブラケット30とバケット4に連結されるバケットブラケット29との間に介装されている。
【0016】
旋回体2下部には、開口部31が設けられており、該開口部31よりスイングシリンダ32のシリンダロッドが突出している。該スイングシリンダ32の後端は、旋回体2のフレーム17に回動自在に枢支されている。そして、スイングシリンダ32のシリンダロッドの先端はブームブラケット12に接続されており、スイングシリンダ32により、ブームブラケット12を旋回体2に対して左右に回動するものである。
【0017】
旋回体2の後部は平面視円弧状に構成されており、該旋回体2の左右側面は互いに平行になるように構成されている。すなわち、旋回体2は平面視、4角形の後ろの一辺を円弧状に膨らませた形状となっている。これにより、旋回体2の横幅を短く構成できるものである。フレーム17は旋回体2後部のカウンタウェイトと一体的に構成されている。フレーム17は前部において、ブームブラケット12を枢支するとともに、後部においてはカウンタウェイトを構成するものである。ブームブラケット12はフレーム17前部において回動自在に枢支されているものである。フレーム17の中央部は旋回体2の下部を構成するとともに、後部のカウンタウェイト部分を接続するものである。
【0018】
旋回体2には側部に側面開口部14bが設けられており、後部には後開口部52および下開口部53が設けられている。側面開口部14bは、ボンネット14の左側部に設けられている。該側面開口部14bの内側には、ラジエータが配設されており、側面開口部14bより吸入した空気により冷却されるものである。後開口部52は、フレーム17の後部上方に設けられており、下開口部53はフレーム17の後下部に設けられている。前記側面開口部14bより導入された空気は、後開口部52および下開口部53より、旋回体2の外に排出されるものである。
【0019】
旋回体2に配設されたボンネット14は、図5に示すごとく、後方に回動可能に構成されている。ボンネット14は、後下部において、フレーム17の後上部に回動自在に接続されている。ボンネット14は閉じた状態において、該ボンネット14の下端がステップ20に当接する位置において、係止具等により係止され、閉じた状態に保持される構成になっている。そして、エンジンなどの整備を行う際には、前記係止具等を解除し、ボンネット14後方に回動するものである。
【0020】
次に、旋回体2内部の構成について、図6乃至図11を用いて説明する。
旋回体2には、中央部にスイベルジョイント36が接続されており、該スイベルジョイント36の近傍には旋回モータ37が配設されている。旋回モータ37はフレーム17に固設されているものである。フレーム17上には、エンジン34、油圧ポンプ35、スイングシリンダ32、およびリザーバタンク43が配設されている。さらに、リザーバタンク43の前方には作動油のオイルフィルタ44が配設されており、該リザーバタンク43の上にはラジエータ38が配設されている。また、スイングシリンダ32の上方には燃料タンク45が配設されており、燃料タンク45の後方にはバッテリ55が配設されている。
【0021】
旋回体2内部に配設された、エンジン34はラバーマウントもしくは防振具積層ゴム等を介してフレーム17上に配設されている。そして、エンジン34の側部に、油圧ポンプ35が接続され、該エンジン34により油圧ポンプ35が駆動されるものである。なお、エンジン34の排気ガスは、エンジン34の後方に配設したマフラ40を介して旋回体2の外に排出されるものである。マフラ40は楕円柱状に構成されており、排気ガスを上より導入して下方に排出するものである。
【0022】
旋回体2内において、エンジン34はクランク軸を旋回体2の左右方向になるように配設しており、該エンジン34のクランク軸芯上に油圧ポンプ35が接続されている。油圧ポンプ35は油圧ホースやフロントコラム19内のコントロールバルブ等を介して、スイングシリンダ32、旋回モータ37、スイベルジョイント36、作業機7のシリンダ等に接続されている。
そして、油圧ポンプ35より吐出される作業油により、スイベルジョイント36を介して前記走行装置1や、旋回モータ37、スイングシリンダ32、作業機7、ブレード3を駆動するものである。
【0023】
エンジン34の油圧ポンプ35を接続した側部と反対側には、ラジエータ38が配設されており、エンジン34とラジエータ38の間には、ファン39が配置されている。ラジエータ38は、ファン39の側方に配設されており、側面視ラジエータ38の配置位置がファン39の配置位置に重なるように配置されるものである。すなわち、ラジエータ38はファン39の正面前方に配設されており、ラジエータ38からエンジン34までの距離を短く構成できる。
【0024】
ラジエータ38には、ホース等を介してエンジン34のウォータジャケット内の冷却水が導入される。そして、ラジエータ38に導入され冷却された冷却水は、再びエンジン34のウォータジャケット内に戻されるものである。ラジエータ38は旋回体2の側面内側において、外側に向けて配設されており、ファン39によりボンネット14内に外気を取り込み、ラジエータ38を冷却するものである。そして、ボンネット14側部より内側に導入された外気は、ラジエータ38を冷却した後に、エンジン34の上部シリンダヘッドを冷却するものである。ファン39の側方に配設されており、側面視ラジエータ38の配置位置がファン39の配置位置に重なるように配置され、ラジエータ38はファン39の正面前方に配設される。これにより、ラジエータ38からエンジン34までの距離を短く構成できる。
【0025】
旋回体2のラジエータ38配設側には、リザーバタンク43が旋回体2の前後方向に配設されている。該リザーバタンク43は、前記油圧ポンプ35の作動油を蓄えており、油圧配管により油圧ポンプ35に接続されている。リザーバタンク43はフレーム17上に固設されており、該リザーバタンク43の後部上面にはラジエータ38が配設されるものである。リザーバタンク43の前部の上方にはステップ20が構成されている。該ステップ20の下方かつリザーバタンク43の前方にはオイルフィルタ44が配設されている。オイルフィルタ44はリザーバタンク43およびフロントコラム19内のコントロールバルブに接続されており、コントロールバルブを介してリザーバタンク43に戻る作動油は該オイルフィルタ44を経由してリザーバタンク43に戻るものである。
【0026】
リザーバタンク43の上面には、上方に延出された給油口43bが設けられており、該給油口43bより作動油の補充を行うことが可能となっている。リザーバタンク43の給油口43bは、旋回体2において、ステップ20の後方かつボンネット14立ち上がり部近傍に配設されるものである。すなわち、リザーバタンク43の前部上面はステップ20の下面に沿った形状となっており、給油口43bはボンネット14の前部分に構成された立ち上がり部の内側形状に沿って構成されている。リザーバタンク43の給油口43bは、配置高さにおいて、ボンネット14の中央部付近に位置している。これにより、ステップ20上の塵埃が給油口43b内に侵入することがない。また、作動油の補充を行う際に、作業者の労力を軽減できる。
【0027】
旋回体2内において、エンジン34前後長内にリザーバタンク43、ラジエータ38、燃料タンク45、バッテリ55を収めたものである。これにより、旋回体2内部構成をコンパクトに構成でき、旋回体2の後部において、マスの集中化を行うことができる。そして、リザーバタンク43の前部をステップ20の下方に延出することにより、リザーバタンク43の容量を増大できるとともに、リザーバタンク43とフロントコラム19内に配設されるコントロールバルブ間の距離を短くすることができる。同様に、燃料タンク45の前部をステップ20の下方に延出することにより、燃料タンク45容量を増大できるとともに、燃料をエンジン34より離れた場所いおいて貯蔵できる。
さらに、エンジン34、リザーバタンク43、ラジエータ38、燃料タンク45、バッテリ55がボンネット内に配設され、リザーバタンク43、ラジエータ38、燃料タンク45、バッテリ55が旋回体2の側部に位置するので、整備性が向上する。
【0028】
次に、旋回体2における燃料タンク45とスイングシリンダ32の配置構成について説明する。
燃料タンク45は、旋回体2において、リザーバタンク43の反対側に配設されている。燃料タンク45は、図9に示すごとく、側面視L字状に構成されている。燃料タンク45は前部上面がステップ20に沿った形状になっており、後部前面がボンネット14の立ち上がり部に沿った形状に構成されている。燃料タンク45の給油口は燃料タンク45上面に配設されている。燃料タンク45上部がボンネット14の開放側に配設されており、ボンネット14は後方に回動し開く構成になっているため、ボンネット14を開けた際に、燃料タンク45の給油口上方に障害物がなく、給油作業を容易に行うことができる。
【0029】
ボンネット14内において、燃料タンク45の旋回体内側の側方には遮蔽板50が配設されている。遮蔽板50は燃料タンク45の上部左側面および下部後面に沿った形状に構成されている。これにより、該遮蔽板50がエンジン34と燃料タンク45を隔離するものである。また、遮蔽板50は油圧ポンプ35の右端部上方において、機体前後方向にボンネット14内を仕切る構成になっている。遮蔽板50はフレーム17にボルト等により固設されている。
【0030】
燃料タンク45はステーなどによりフレーム17に固設されており、該燃料タンク45の下方には、スイングシリンダ32が配設されている。スイングシリンダ32の後端には、枢軸46が挿嵌されており、該スイングシリンダ32は枢軸46を中心として回動可能に構成されている。枢軸46の下端および上端はフレーム17設けた孔に挿嵌固定されているものである。スイングシリンダ32のシリンダロッド先端はブームブラケット12に接続されており、スイングシリンダ32により、ブームブラケット12を左右方向に回動するものである。
【0031】
次に、図10および図11を用いて、フレームの構成について説明する。
フレーム17は鋳造により一体的に構成されており、後部のカウンタウェイト部71、中央の載置部73、前部のブームブラケット枢支部72により構成されている。後部のカウンタウェイト部71と前部のブームブラケット枢支部72を中央の載置部73が接続する構成となっているものである。載置部73の前部にはリブ74が設けられており、枢支部72の支持強度を増すと共に、該リブ74上にステップ20およびフロントコラム19が配設されるものである。載置部73の中央には、スイベルジョイント36を配置すべく、開口部75が設けられている。カウンタウェイト部71の下部には下開口部53が設けられている。下開口部53はマフラ40の下方に位置するものである。
【0032】
カウンタウェイト部71は、旋回体2のウェイトとして用いるべく、肉厚に構成されている。下開口部53はカウンタウェイト部71の下後面および底面後部に渡って設けられている。そして、平面視した場合、下開口部53はカウンタウェイト部71の肉厚部に挟まれた構成となっている。下開口部53の左右に立ち上がった部分が構成されているものである。また、カウンタウェイト部71の最後部は他の部分より肉薄に構成されている。すなわち、下開口部53の上方部分のカウンタウェイト部71は肉厚が薄く構成されている。
【0033】
そして、フレーム17の側部には、サイドフレーム76が接続されるものである。該サイドフレーム76はフレーム17の側部を被装するものであり、本実施例においては、フレーム17の側部に配設されたスイングシリンダ32とリザーバタンク43を被装するものである。なお、ステップ20はサイドフレーム76の上部に接続されるものである。
【0034】
フレーム17は、前部が細く、後部が太い形状となっており、後部にカウンタウェイト部71が構成され、前部に枢支部72が構成される。このため、後部が比較的重く構成されるものである。すなわち、フレーム17は形状においても後部が重くなるように構成されている。さらに、フレーム17の前部および中央部に配設するサイドフレーム60を合成樹脂やFRPにより構成することにより、カウンタウェイト部71のカウンタウェイトとしての効果を向上させることが可能である。
【0035】
フレーム17に設けた下開口部53は旋回体2内に導入された冷却用の空気を排出するためのものである。前述のごとく、旋回体2内にはボンネット14に設けた開口部14bよりファン39により冷却用の空気が導入される。そして、旋回体2内に導入された空気は、ボンネット14の後部設けた後開口部52および下開口部53より排出されるものである。これにより、旋回体2内において、2つの空気の流れが生じるものである。一つは開口部14bより導入され、ラジエータ38を介して、遮蔽板50に沿ってボンネット14後面にもうけた後開口部52より排出されるものである。もう一つは、同様に開口部14b、ラジエータ38を介し、フレーム17のカウンタウェイト部71内側面に沿って下開口部53より排出されるものである。
【0036】
旋回体2内において、冷却気を排出する開口部を2つ設けるため、該旋回体2内に熱気が溜まることが無く、旋回体2内部を良好な状態に保つことができる。また、旋回体2の後部中央において、ボンネット14に後開口部52を設け、フレーム17後下部に下開口部53を設けるので、エンジン34の駆動を停止した状態においても、旋回体2内の空気の流れを効率的に得ることができる。エンジン34を停止した直後など、エンジン34がまだ熱い場合、後開口部52より熱気が流れ出ると、フレーム17の下面に設けられた下開口部53から、冷気が旋回体2内に導入される。
そして、下開口部53より導入された冷気がまたエンジン34により暖められ、後開口部52より排出される構成となる。このため、旋回体2内においては、エンジン34を停止した場合においても良好な冷却気の流れを得ることができるものである。
【0037】
次に、図12および図13を用いて、マフラ40の配置構成について説明する。
エンジン34にはエアクリナ41およびマフラ40が接続されており、エアクリナ41を介してエンジン34内に空気が導入され、排気ガスはマフラ40を介して排出されるものである。エアクリナ41はエンジン34の後方に配設されており、エアクリナ41の吸気口より導入された空気は、エンジン34の吸気ポート34cに導入されるものである。マフラ40もエンジン34の後方に配設されており、エアクリナ41はマフラ40の上方に配設されるものである。
【0038】
マフラ40は旋回体2の最後部中央付近に縦置きに配設されるものである。
マフラ40はエンジン34後部の排気ポート34bに接続されており、排気ポート34bは後方に向けて配設されている。マフラ40はフレーム17にステー等を介して固設されており、上下方向に配設されるものである。エンジン34上部の排気ポート34bより排出された排気ガスは上部よりマフラ40内に導入される。そして、上下方向に配設されたマフラ40の内部をとおり、排出口40bより排出される。該マフラ40の排出部40bはフレーム17の後下部に設けた後開口部53近傍に位置しており、排出部40bの後端はフレーム17後下端より後方に突出した構成となっている。これにより、排出部40bおよびマフラ40の下部がフレーム17により保護されるものである。
そして、エンジン34の排気ガスはマフラ40を介して、フレーム17の下開口部53より旋回体2の外に排出されるものである。また、エンジン34およびマフラ40の近傍において、下方に向けて開口した下開口部53が設けられているため、エンジン34の騒音が下方に向け放射される。このため、騒音は地面と旋回体2の底部との間において反射、干渉し、減少するものである。
【0039】
マフラ40は、図13に示すごとく、平面視楕円形状をしており、前後長より左右幅が長く構成されている。すなわち、前後扁平形状の楕円となっている。マフラ40を横幅の長い楕円形状にすることにより、旋回体2内において、少ない前後長の中でマフラ40の容量を大きくすることができる。これにより、マフラ40の消音効果を向上できるとともに、マフラ40内に配設する触媒量を増大することができ、排気ガスの浄化力を向上できる。
【0040】
マフラ40の後面は、フレーム17の後部内側に沿った形状となっている。もしくは、フレーム17のカウンタウェイト部71の後部内側面がマフラ40の後面に沿った形状となっているものである。フレーム17は鋳物により構成されているため、熱による膨張量が少ない。このため、マフラ40を該フレーム17の内側に近接させて配設した場合においても、マフラ40およびエンジン34の熱の影響をうけにくく、旋回体2の各部にひずみを生じることがなく、耐久性の高い旋回作業車を構成することができる。マフラ40は左右をフレーム17に囲まれた配置となっており、ボンネット14を開けた場合においても、露出しない構成となっている。すなわち、マフラ40はフレーム17に囲まれた空間内に配設されるものであり、該マフラ40の配置位置におけるフレーム17上端より低い位置に配設されるものである。これより、排気音の外部への伝播を減少でき、旋回作業車の静粛性を向上できる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1に記載のごとく、旋回可能に構成した旋回体(2)へ回動可能に取り付けられたブーム(6)と、該ブーム(6)へ回動自在に取り付けられたアーム(5)と、該アーム(5)へ回動自在に取り付けられた作業用アタッチメントとを有した作業機を備え、該旋回体(2)の後部のボンネット(14)内に、エンジン及び油圧機器用の作動油のリザーバタンク(43)を配設し、該旋回体(2)の後部を平面視円弧状に構成した旋回作業車において、該旋回体(2)の最後部略中央にマフラ(40)を配置すると共に、該マフラ(40)を縦置きとし、該マフラ(40)の後面形状を旋回体(2)の円弧状最突部の内側形状に合わせた構成としたので、旋回体の前後長さを短く構成でき、旋回体内の空間を有効に利用できる。
また、旋回体の最後部略中央にマフラを縦置きに配設し、該マフラを平面視、前後扁平状の楕円形状としたので、旋回体の前後長さを短く構成でき、旋回体内の空間を有効に利用できるとともに、マフラ容量の増大を両立できる。
また、旋回体の最後部略中央にマフラを縦置きに配設し、該マフラの後面形状を旋回体の円弧状最突部の内側形状に合わせたので、旋回体の前後長さを短く構成でき、旋回体内の空間を有効に利用できる。
【0042】
請求項2に記載のごとく、該旋回体(2)の旋回体フレーム(17)に、後部のカウンタウェイト部(71)、中央のエンジン載置部(73)、前部のブームブラケット枢支部(72)を構成し、該旋回体フレーム(17)の最後部のカウンタウェイト部(71)の略中央の空間に、前記マフラ(40)を縦置きに配設したので、旋回体の前後長さを短く構成でき、旋回体内の空間を有効に利用でき、マフラをフレームにより保護することが可能である。
【0047】
請求項3に記載のごとく、該旋回体(2)内に導入された空気を排出する上部開口部(52)を、旋回体フレーム(17)の後部に配置したボンネット(14)の後面で、前記縦置きに配置したマフラ(40)の上方に開口したので、旋回体内より排出される空気によりマフラを冷却することができる。また、マフラを冷却した空気を後方に排出するので、周囲に与える影響がすくない。
また、旋回体の後部より旋回体内の熱気を排出することができ、旋回体内の空気の流れを良好に保つことができ、耐久性を向上できる。エンジンの騒音が旋回体の後方に放出されるので、騒音を低減できる。
【0048】
請求項4に記載の如く、該旋回体(2)内に導入された空気を排出する下部開口部(52)を、該旋回体フレーム(17)の後部の底部で、前記縦置きに配置したマフラ(40)の下方に開口したので、フレームによりマフラを保護することができる。旋回体内より排出される空気によりマフラを冷却することができる。
また、旋回体内に導入された空気を排出する開口部を旋回体後部の底面に設けたので、旋回体内の空気の流れを良好に保つことができ、耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 旋回作業車の全体側面図。
【図2】 同じく平面図。
【図3】 同じく正面図。
【図4】 同じく後面図。
【図5】 ボンネット回動構成を示す側面図。
【図6】 旋回体内部構成を示す平面図。
【図7】 同じく後面図。
【図8】 同じく左側面図。
【図9】 旋回体内部構成を示す右側面一部断面図。
【図10】 フレームとサイドフレームの構成を示す側面図。
【図11】 同じく平面図。
【図12】 エンジンとマフラの構成を示す側面一部断面図。
【図13】 は同じく平面図。
【符号の説明】
2 旋回体
14 ボンネット
17 フレーム
34 エンジン
35 油圧ポンプ
36 スイベルジョイント
37 旋回モータ
38 ラジエータ
39 ファン
40 マフラ
43 リザーバタンク
45 燃料タンク
50 遮蔽板
55 バッテリ

Claims (4)

  1. 旋回可能に構成した旋回体(2)へ回動可能に取り付けられたブーム(6)と、該ブーム(6)へ回動自在に取り付けられたアーム(5)と、該アーム(5)へ回動自在に取り付けられた作業用アタッチメントとを有した作業機を備え、該旋回体(2)の後部のボンネット(14)内に、エンジン及び油圧機器用の作動油のリザーバタンク(43)を配設し、該旋回体(2)の後部を平面視円弧状に構成した旋回作業車において、該旋回体(2)の最後部略中央にマフラ(40)を配置すると共に、該マフラ(40)を縦置きとし、該マフラ(40)の後面形状を旋回体(2)の円弧状最突部の内側形状に合わせた構成としたことを特徴とする旋回作業車。
  2. 請求項1記載の旋回作業車において、該旋回体(2)の旋回体フレーム(17)に、後部のカウンタウェイト部(71)、中央のエンジン載置部(73)、前部のブームブラケット枢支部(72)を構成し、該旋回体フレーム(17)の最後部のカウンタウェイト部(71)の略中央の空間に、前記マフラ(40)を縦置きに配設したことを特徴とする旋回作業車。
  3. 請求項1記載の旋回作業車において、該旋回体(2)内に導入された空気を排出する上部開口部(52)を、旋回体フレーム(17)の後部に配置したボンネット(14)の後面で、前記縦置きに配置したマフラ(40)の上方に開口したことを特徴とする旋回作業車。
  4. 請求項1記載の旋回作業車において、該旋回体(2)内に導入された空気を排出する下部開口部(52)を、該旋回体フレーム(17)の後部の底部で、前記縦置きに配置したマフラ(40)の下方に開口したことを特徴とする旋回作業車。
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