JP3903119B2 - 蛍光x線分析用試料採取治具およびそれを用いる蛍光x線分析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に形成された膜を試料として採取して蛍光X線分析するための試料採取治具およびそれを用いる蛍光X線分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、TBT条約(船舶についての有害な防汚方法の管理に関する国際条約)遵守のためには、船底塗料にトリブチルスズ(TBT)系船舶塗料が用いられていないかをドック内で検査する必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように基板上に形成された膜に実質的な損傷を与えずに試料として簡便に採取できる試料採取治具や、それを用いて試料採取の現場で迅速に元素の含有率を分析できる装置は、従来なかった。
【0004】
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、基板上に形成された膜に実質的な損傷を与えずに試料として簡便に採取して蛍光X線分析できる試料採取治具、および、それを用いて試料採取の現場で迅速に元素の含有率を分析できる蛍光X線分析装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願第1の発明は、基板上に形成された膜を試料として採取して蛍光X線分析するための試料採取治具であって、大径部および小径部を有する段付き台座状の治具本体と、球状または笠状に膨出した前記小径部の先端面に貼り付けられ、前記治具本体とともに回転されながら前記膜に押し付けられることにより前記膜が試料として擦り付けられる研磨紙と、前記小径部の外周に着脱自在の輪状部材とを備えている。そして、前記研磨紙に試料が擦り付けられ、前記小径部の外周に輪状部材が係合した状態で、前記試料を蛍光X線分析するための試料ホルダとなる。
【0006】
この蛍光X線分析用試料採取治具によれば、回転軸を取り付けて回転させながら先端の研磨紙を基板上に形成された膜に押し付けるだけで、膜が試料として擦り付けられ、回転軸を取り外して小径部の外周に輪状部材を係合させると、そのまま試料を蛍光X線分析するための試料ホルダとなる。しかも、研磨紙が貼り付けられる小径部の先端面は、球状または笠状に膨出しているので、膜の表層のみを研磨紙上にむらなく適切に採取できる。したがって、基板上に形成された膜に実質的な損傷を与えずに試料として簡便に採取して蛍光X線分析に供することができる。
【0007】
本願第2の発明は、前記本願第1の発明の蛍光X線分析用試料採取治具を試料ホルダとして用い、前記研磨紙に擦り付けられた試料にX線源から1次X線を照射して、発生する2次X線の強度を検出手段で測定する蛍光X線分析装置である。そして、前記検出手段で測定したSn −L線およびSn −K線の強度に基づいて、前記試料中のスズの含有率を算出する定量手段を備えている。
【0008】
この蛍光X線分析装置によれば、前記蛍光X線分析用試料採取治具を試料ホルダとして用いて蛍光X線分析を行うので、試料採取の現場で迅速に元素の含有率を分析できる。しかも、スズ(Sn )については、Sn −L線とSn −K線の両方の測定強度に基づいて含有率を算出するので、感度が高くかつ妨害線の影響を受けにくく、より正確な分析ができる。
【0009】
本願第3の発明は、前記本願第1の発明の蛍光X線分析用試料採取治具を試料ホルダとして用い、前記研磨紙に擦り付けられた試料にX線源から1次X線を照射して、発生する2次X線の強度を検出手段で測定する蛍光X線分析装置である。そして、前記検出手段で測定したSn −L線またはSn −K線の強度に基づいて、前記試料中のスズの含有率を算出する定量手段と、前記検出手段で測定したコンプトン散乱線の強度、前記研磨紙の構成元素からの蛍光X線の強度または前記小径部の構成元素からの蛍光X線の強度に基づいて、前記試料の採取量が前記定量手段によるスズの含有率の算出に適切か否かを判定する判定手段とを備えている。
【0010】
この蛍光X線分析装置によれば、前記蛍光X線分析用試料採取治具を試料ホルダとして用いて蛍光X線分析を行うので、試料採取の現場で迅速に元素の含有率を分析できる。しかも、コンプトン散乱線の測定強度などに基づいて、試料の採取量が定量手段によるスズの含有率の算出に適切であったか否かが判定されるので、操作者が分析結果に対する信頼性を判断できる。
【0011】
本願第4の発明は、前記本願第1の発明の蛍光X線分析用試料採取治具を試料ホルダとして用い、前記研磨紙に擦り付けられた試料にX線源から1次X線を照射して、発生する2次X線の強度を検出手段で測定する蛍光X線分析装置である。そして、前記検出手段で測定したSn −L線またはSn −K線の強度に基づいて、前記試料中のスズの含有率を算出する定量手段と、前記検出手段で測定したコンプトン散乱線の強度、前記研磨紙の構成元素からの蛍光X線の強度または前記小径部の構成元素からの蛍光X線の強度に基づいて、前記定量手段で算出したスズの含有率を補正する補正手段とを備えている。
【0012】
この蛍光X線分析装置によれば、前記蛍光X線分析用試料採取治具を試料ホルダとして用いて蛍光X線分析を行うので、試料採取の現場で迅速に元素の含有率を分析できる。しかも、スズについては、コンプトン散乱線の測定強度などに基づいて含有率を補正するので、試料の採取量の影響を受けにくく、より正確な分析ができる。
【0013】
本願第5の発明は、基板上に形成された膜を試料として採取して蛍光X線分析するための試料採取治具であって、大径部および小径部を有する段付き台座状の治具本体と、前記小径部の外周に着脱自在の輪状部材とを備えている。ここで、球状または笠状に膨出した前記小径部の先端面が粗面化されており、回転されながら前記膜に押し付けられることにより前記膜が試料として擦り付けられる。そして、前記小径部の先端面に試料が擦り付けられ、前記小径部の外周に輪状部材が係合した状態で、前記試料を蛍光X線分析するための試料ホルダとなる。つまり、本願第5の発明では、前記本願第1の発明における研磨紙に代えて、小径部の先端面そのものを粗面化して利用する。したがって、本願第5の発明によれば、第1の発明と同様の効果があるのに加えて、研磨紙が剥離するおそれがなく、また、水中でも試料を採取できる。
【0014】
本願第6の発明は、前記本願第5の発明の蛍光X線分析用試料採取治具を試料ホルダとして用い、前記小径部の先端面に擦り付けられた試料にX線源から1次X線を照射して、発生する2次X線の強度を検出手段で測定する蛍光X線分析装置である。そして、前記検出手段で測定したSn −L線およびSn −K線の強度に基づいて、前記試料中のスズの含有率を算出する定量手段を備えている。つまり、本願第6の発明の蛍光X線分析装置では、前記本願第2の発明の蛍光X線分析装置において前記本願第1の発明の試料採取治具を試料ホルダとして用いるのに代えて、前記本願第5の発明の試料採取治具を試料ホルダとして用いる。本願第6の発明によれば、第2の発明と同様の効果がある。
【0015】
本願第7、第8の発明の蛍光X線分析装置では、前記本願第3、第4の発明の蛍光X線分析装置において前記本願第1の発明の試料採取治具を試料ホルダとして用いるのに代えて、前記本願第5の発明の試料採取治具を試料ホルダとして用いる。本願第7、第8の発明によれば、第3、第4の発明と同様の効果がある。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態の試料採取治具について説明する。図1に示すように、この治具3は、基板1上に形成された膜2を試料として採取して蛍光X線分析するための、ここでは船底1の塗膜2を試料として採取してスズの含有率を蛍光X線分析するための試料採取治具3であって、大径部5および小径部6を有する段付き台座状の治具本体4と、球状に膨出した前記小径部6の先端面6aに接着などにより貼り付けられ、前記治具本体4とともに回転されながら前記膜2に押し付けられることにより前記膜2が試料として擦り付けられる研磨紙7と、前記小径部6の外周に着脱自在の輪状部材8とを備えている。輪状部材8は、試料採取時には取り外されている。
【0017】
大径部5と小径部6は中心軸を共通にする円柱状で、治具本体4として一体に構成されており、前記中心軸まわりに回転されるように、回転軸9が挿入される孔5aが治具本体4の基端部つまり大径部5の基端部に設けられ、回転軸9は径方向にねじ止めされる。小径部6の直径は8〜12mmで、治具本体4の先端面つまり小径部6の先端面6aは、中心部が周辺部よりも200〜500μm高くなるように、球状に膨出している。同程度に笠状(円錐側面状)に膨出していてもよい(図2)。なお、本発明においては、小径部の直径は、大径部の直径よりも小さいか、または同等であってもよい。研磨紙の砥粒は、例えばSi Cであり、粗さは300番〜600番で例えば400番である。治具本体4、研磨紙7、輪状部材8の材質は、蛍光X線分析で試料から検出しようとする元素、ここではスズを含まないように選択され、治具本体4、輪状部材8には、例えばアルミニウムが用いられる。
【0018】
研磨紙7が治具本体4とともに回転軸9により回転されながら膜2に押し付けられると、その部分の膜2の表層2aが試料として擦り付けられ、その後、治具本体4から回転軸9が取り外され、小径部6の外周に輪状部材8が係合された状態で、試料採取治具3は、試料2aを蛍光X線分析するための試料ホルダとなる。つまり、図3に示すように、試料採取治具3を蛍光X線分析装置の試料台10に載置するだけで、ただちに研磨紙7に擦り付けられた試料2aに1次X線12を照射して、発生する2次X線13の強度を測定できる。
【0019】
第1実施形態の蛍光X線分析用試料採取治具3によれば、図1のように回転軸9を取り付けて回転させながら先端の研磨紙7を基板1上に形成された膜2に押し付けるだけで、膜2の一部2aが試料として擦り付けられ、回転軸9を取り外して小径部6の外周に輪状部材8を係合させると、そのまま試料2aを蛍光X線分析するための試料ホルダとなる。しかも、研磨紙7が貼り付けられる小径部6の先端面6aは、球状または笠状に膨出しているので、膜2の表層(厚さ10μm以下)2aのみを研磨紙7上にむらなく適切に採取できる。したがって、基板1が露出するようなことがなく、基板1上に形成された膜2に実質的な損傷を与えずに試料として簡便に採取して蛍光X線分析に供することができる。
【0020】
次に、本発明の第2実施形態の蛍光X線分析装置について説明する。図3に示すように、この装置は、前記第1実施形態の蛍光X線分析用試料採取治具3を試料ホルダとして用い、前記研磨紙7に擦り付けられた試料(船底塗膜の表層)2aにX線源11から1次X線12を照射して、発生する蛍光X線などの2次X線13の強度を検出手段14、例えばSDD型検出器で測定する蛍光X線分析装置である。そして、以下の定量手段16、判定手段17、補正手段18を含む分析手段15を備えている。
【0021】
定量手段16は、検出手段14で測定したSn −L線およびSn −K線の強度に基づいて、試料2a中のスズの含有率を算出する。判定手段17は、検出手段14で測定したコンプトン散乱線13の強度、研磨紙7の構成元素からの蛍光X線13の強度または小径部6の構成元素からの蛍光X線13の強度に基づいて、試料2aの採取量が定量手段16によるスズの含有率の算出に適切か否かを判定する。補正手段18は、検出手段14で測定したコンプトン散乱線13の強度、研磨紙7の構成元素からの蛍光X線13の強度または小径部6の構成元素からの蛍光X線13の強度に基づいて、定量手段16で算出したスズの含有率を補正する。研磨紙7の構成元素からの蛍光X線13は、例えばSi −K線であり、小径部6の構成元素からの蛍光X線13は、例えばAl −K線であり、いずれも試料2aに含まれない元素からの蛍光X線であることが条件である。
【0022】
第2実施形態の蛍光X線分析装置によれば、第1実施形態の蛍光X線分析用試料採取治具3を試料ホルダとして用いて蛍光X線分析を行うので、試料採取の現場で迅速に元素の含有率を分析できる。
【0023】
ここで、試料2aが船底塗膜である場合には前述したようにスズの含有が問題となるが、分析線をSn −L線とすると、感度は高いがCa 、Kなどの元素からの妨害線の影響を受けるおそれがあり、それに対しては自動的にピーク分離を行うが効果は必ずしも十分とはいえない。一方、分析線をSn −K線とすると、妨害線の影響は受けないが感度は低い。そこで、第2実施形態の蛍光X線分析装置では、定量手段16により、スズについては、Sn −L線とSn −K線の両方の測定強度に基づいて含有率を算出するようにしている。つまり、感度の高いSn −L線の測定強度の情報に、妨害線の影響を受けないSn −K線の測定強度の情報を加味して、データ処理で妨害線の影響を低減させてスズの含有率を算出する。したがって、感度が高くかつ妨害線の影響を受けにくく、より正確な分析ができる。なお、次述する判定手段17または補正手段18を備えるのであれば、定量手段16でSn −L線とSn −K線のいずれか一方の測定強度に基づいてスズの含有率を算出する蛍光X線分析装置も本発明に含まれる。
【0024】
さて、分析線のエネルギーが高いほど分析深さは深くなり、試料2aの採取量(より具体的には、採取した試料2aの厚さ)の変化による含有率の誤差が大きくなる。スズの分析では、Sn −L線の分析深さは約40μm、Sn −K線の分析深さは約800μmなので、分析線をSn −L線とすると、採取した試料2aの厚さが約40μm未満の場合に含有率に誤差が生じ、分析線をSn −K線とすると、採取した試料2aの厚さが約800μm未満の場合に含有率に誤差が生じる。つまり、Sn −L線とSn −K線のいずれを分析線に用いても、試料2aの採取量の影響を受けて含有率に誤差が生じるおそれがある。一方、コンプトン散乱線13の測定強度、研磨紙7の構成元素からの蛍光X線13の測定強度、または、小径部6の構成元素からの蛍光X線13の測定強度は、塗膜2の構成元素によって若干変動するものの代表的な塗膜2において試料2aの厚さとの関係式を作成しておくことができる。
【0025】
そこで、第2実施形態の蛍光X線分析装置では、判定手段17により、これら3つの測定強度うちいずれかに基づいて、試料2aの採取量が定量手段16によるスズの含有率の算出に適切であったか否かを判定するようにしている。したがって、操作者が分析結果に対する信頼性を判断できる。なお、第2実施形態での定量手段16のように、Sn −L線とSn −K線の両方の測定強度に基づいて含有率を算出する場合には、判定手段17は、より誤差の生じやすいSn −K線を基準に判定する。また、判定手段17は、前記3つの測定強度のうちいずれか1つだけでなく、2つまたは3つを採用し、1つでもそれに基づいて試料2aの採取量が不適切(不足)と判定されるものがあった場合に、総合的に考慮して試料2aの採取量が不適切であったと判定するようにしてもよい。
【0026】
さらに、第2実施形態の蛍光X線分析装置では、補正手段18により、前記3つの測定強度うちいずれかに基づいて(2つまたは3つを併用してもよい)、定量手段16で算出したスズの含有率を補正することもできる。したがって、試料2aの採取量の影響を受けにくく、より正確な分析ができる。なお、判定手段17と補正手段18のいずれか一方のみを備えてもよい。
【0027】
次に、本発明の第3実施形態の試料採取治具について説明する。第3実施形態の試料採取治具は、図1、2における前記第1実施形態の試料採取治具3から研磨紙7を取り除き、代わりに小径部6の先端面6aそのものをサンドブラストなどにより粗面化し、研磨面として利用するものである。他の構成は、第1実施形態の試料採取治具3と同様であるので説明を省略する。第3実施形態の試料採取治具3によれば、第1実施形態の試料採取治具3と同様の効果があるのに加えて、研磨紙が剥離するおそれがなく、また、水中でも試料2aを採取できる。なお、研磨による試料2aの採取およびその保存のために、治具本体4の材料は、硬質で腐食しにくい(錆びにくい)ものが好ましく、例えばアルミニウム合金を用いることができる。
【0028】
次に、本発明の第4実施形態の蛍光X線分析装置について説明する。第4実施形態の蛍光X線分析装置では、前記第2実施形態の蛍光X線分析装置において前記第1実施形態の試料採取治具を試料ホルダとして用いるのに代えて、前記第3実施形態の試料採取治具を試料ホルダとして用いる。つまり、図3において、試料ホルダとして用いる試料採取治具3において、研磨紙7がなく、代わりに小径部6の先端面6aそのものが粗面化され、そこに直接試料2aが擦り付けられている。したがって、研磨紙の構成元素からの蛍光X線はなく、測定されないので、判定手段17、補正手段18において利用されない。他の構成は、第2実施形態の蛍光X線分析装置と同様であるので説明を省略する。第4実施形態の蛍光X線分析装置によれば、第2実施形態の蛍光X線分析装置と同様の効果がある。
【0029】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の試料採取治具によれば、基板上に形成された膜に実質的な損傷を与えずに試料として簡便に採取して蛍光X線分析でき、それを用いる本発明の蛍光X線分析装置によれば、試料採取の現場で迅速に元素の含有率を分析できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、第3実施形態の蛍光X線分析用試料採取治具を示す概略図である。
【図2】同試料採取治具において小径部の先端面が笠状に膨出した例を示す概略図である。
【図3】本発明の第2、第4実施形態の蛍光X線分析装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1…基板、2…膜、2a…試料(膜の表層)、3…試料採取治具、4…治具本体、5…大径部、6…小径部、6a…小径部の先端面、7…研磨紙、8…輪状部材、11…X線源、12…1次X線、13…2次X線、14…検出手段、16…定量手段、17…判定手段、18…補正手段。
Claims (8)
- 基板上に形成された膜を試料として採取して蛍光X線分析するための試料採取治具であって、
大径部および小径部を有する段付き台座状の治具本体と、
球状または笠状に膨出した前記小径部の先端面に貼り付けられ、前記治具本体とともに回転されながら前記膜に押し付けられることにより前記膜が試料として擦り付けられる研磨紙と、
前記小径部の外周に着脱自在の輪状部材とを備え、
前記研磨紙に試料が擦り付けられ、前記小径部の外周に輪状部材が係合した状態で、前記試料を蛍光X線分析するための試料ホルダとなる蛍光X線分析用試料採取治具。 - 請求項1の蛍光X線分析用試料採取治具を試料ホルダとして用い、前記研磨紙に擦り付けられた試料にX線源から1次X線を照射して、発生する2次X線の強度を検出手段で測定する蛍光X線分析装置であって、
前記検出手段で測定したSn −L線およびSn −K線の強度に基づいて、前記試料中のスズの含有率を算出する定量手段を備えた蛍光X線分析装置。 - 請求項1の蛍光X線分析用試料採取治具を試料ホルダとして用い、前記研磨紙に擦り付けられた試料にX線源から1次X線を照射して、発生する2次X線の強度を検出手段で測定する蛍光X線分析装置であって、
前記検出手段で測定したSn −L線またはSn −K線の強度に基づいて、前記試料中のスズの含有率を算出する定量手段と、
前記検出手段で測定したコンプトン散乱線の強度、前記研磨紙の構成元素からの蛍光X線の強度または前記小径部の構成元素からの蛍光X線の強度に基づいて、前記試料の採取量が前記定量手段によるスズの含有率の算出に適切か否かを判定する判定手段とを備えた蛍光X線分析装置。 - 請求項1の蛍光X線分析用試料採取治具を試料ホルダとして用い、前記研磨紙に擦り付けられた試料にX線源から1次X線を照射して、発生する2次X線の強度を検出手段で測定する蛍光X線分析装置であって、
前記検出手段で測定したSn −L線またはSn −K線の強度に基づいて、前記試料中のスズの含有率を算出する定量手段と、
前記検出手段で測定したコンプトン散乱線の強度、前記研磨紙の構成元素からの蛍光X線の強度または前記小径部の構成元素からの蛍光X線の強度に基づいて、前記定量手段で算出したスズの含有率を補正する補正手段とを備えた蛍光X線分析装置。 - 基板上に形成された膜を試料として採取して蛍光X線分析するための試料採取治具であって、
大径部および小径部を有する段付き台座状の治具本体と、
前記小径部の外周に着脱自在の輪状部材とを備え、
球状または笠状に膨出した前記小径部の先端面が粗面化されており、回転されながら前記膜に押し付けられることにより前記膜が試料として擦り付けられ、
前記小径部の先端面に試料が擦り付けられ、前記小径部の外周に輪状部材が係合した状態で、前記試料を蛍光X線分析するための試料ホルダとなる蛍光X線分析用試料採取治具。 - 請求項5の蛍光X線分析用試料採取治具を試料ホルダとして用い、前記小径部の先端面に擦り付けられた試料にX線源から1次X線を照射して、発生する2次X線の強度を検出手段で測定する蛍光X線分析装置であって、前記検出手段で測定したSn −L線およびSn −K線の強度に基づいて、前記試料中のスズの含有率を算出する定量手段を備えた蛍光X線分析装置。
- 請求項5の蛍光X線分析用試料採取治具を試料ホルダとして用い、前記小径部の先端面に擦り付けられた試料にX線源から1次X線を照射して、発生する2次X線の強度を検出手段で測定する蛍光X線分析装置であって、前記検出手段で測定したSn −L線またはSn −K線の強度に基づいて、前記試料中のスズの含有率を算出する定量手段と、
前記検出手段で測定したコンプトン散乱線の強度または前記小径部の構成元素からの蛍光X線の強度に基づいて、前記試料の採取量が前記定量手段によるスズの含有率の算出に適切か否かを判定する判定手段とを備えた蛍光X線分析装置。 - 請求項5の蛍光X線分析用試料採取治具を試料ホルダとして用い、前記小径部の先端面に擦り付けられた試料にX線源から1次X線を照射して、発生する2次X線の強度を検出手段で測定する蛍光X線分析装置であって、前記検出手段で測定したSn −L線またはSn −K線の強度に基づいて、前記試料中のスズの含有率を算出する定量手段と、
前記検出手段で測定したコンプトン散乱線の強度または前記小径部の構成元素からの蛍光X線の強度に基づいて、前記定量手段で算出したスズの含有率を補正する補正手段とを備えた蛍光X線分析装置。
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