JPH05288694A - 陽電子消滅法による材料劣化検出装置 - Google Patents

陽電子消滅法による材料劣化検出装置

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JPH05288694A
JPH05288694A JP11393292A JP11393292A JPH05288694A JP H05288694 A JPH05288694 A JP H05288694A JP 11393292 A JP11393292 A JP 11393292A JP 11393292 A JP11393292 A JP 11393292A JP H05288694 A JPH05288694 A JP H05288694A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単かつ高精度に材料の劣化が検出でき、直
接現場に運んで安全に検出できる陽電子消滅法による材
料劣化検出装置を提供することにある。 【構成】 サポートシリンダ11にラック38とピニオ
ン36による距離調整機構39を介してγ線検出器31
を設け、この前方にアルミニウムのバッキン材26を介
して陽電子源18aを一体化した陽電子源装着体18を
陽電子源ホルダ19を介して着脱自在に取付ける。これ
により、陽電子源18aをγ線検出器31ごと被測定試
料Mに平行に押し当てるだけで検出準備ができ、材料M
の劣化を検出できる。また、陽電子源ホルダ19ごとサ
ポートシリンダ11から取外し、鉛のポット等に収納
し、運搬等を安全に行うことができる。さらに、距離調
整機構39による距離の調整で、陽電子源18aからの
陽電子の強さによってγ線検出器31の位置を調整して
均一な条件で高精度の検出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、陽電子消滅によるγ
線を検出して材料の表面近傍の状態を非破壊で詳しく調
べることができる材料劣化検出装置に関し、簡単かつ高
精度に検出できるとともに、安全に取扱うことができる
ようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】陽電子は電子の反粒子であり、電子と同
じ質量とスピンを持つが、電子と逆の正の電荷を持って
おり、電子と対消滅してγ線を発生する。このγ線のエ
ネルギ分布は物質中の電子の運動エネルギによって左右
される。物質中に原子空孔など微細な欠陥が存在する
と、陽電子はこれに捕獲され、最外郭電子との消滅の割
合が多くなり、γ線エネルギ分布のナロウィングがおこ
る。
【0003】この陽電子消滅現象を利用し、材料に陽電
子を照射し、その対消滅によって発生するγ線のエネル
ギ分布を計測すること等は、材料表面の材料の格子欠陥
分布や多層膜構造、界面の電子構造などについて重要な
情報を得ることができ、高感度で行える材料の劣化検出
法として注目されつつある。
【0004】この陽電子消滅法を利用して材料の劣化を
検出するためには、被測定試料に陽電子を照射するとと
もに、対消滅によって生じる材料からのγ線を検出する
必要がある。
【0005】そこで、これまで行われている陽電子消滅
法による材料の劣化の検出では、実際の機械等から切り
取って測定すべき試料を用意し、周囲の種々の物質(空
気)での対消滅を無くし、試料からのγ線のみを検出で
きるようにするため、図9に示すように、陽電子源1と
してのラジオアイソトープを2つの試料2,3の間に挾
むようにする。こののち、陽電子源1と一定距離のとこ
ろに発生するγ線を検出するγ線検出器4を置いて検出
するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような陽電子源1
と、これを測定するγ線検出器4とを用いて材料2(ま
たは材料3)の劣化を検出する場合には、1つの被測定
試料を半分に切り、研磨して2つの試料としたのち、こ
れら測定試料2,3の間に陽電子源1を挾んで被測定試
料としなければならず、被測定試料の準備が大変である
とともに、実際に使用されている機器の材料の劣化を知
る必要がある場合には、少なくとも一部分を破壊して試
料を得なければならないという問題がある。
【0007】また、測定の際、陽電子源1とγ線検出器
4との距離が変わると測定精度が変化するという問題が
ある。
【0008】さらに、陽電子源1として用いるラジオア
イソトープは放射性物質であり、その取扱などに注意が
必要で、法上の規制もあり、実際に使用されている機器
の構成材料などの劣化を測定対象とする場合に周囲環境
への放射線の影響のための制約がある。
【0009】また、陽電子源1からの陽電子が周囲の金
属などに照射されることを極力防止するように、陽電子
源1を2つの試料2,3の間に挾むようにしているもの
の、陽電子が空気中もしくは消滅γ線エネルギ分布が未
知の物質などに照射されると、この部分においても陽電
子消滅が生じてγ線が発生するため、これがノイズとな
って測定精度が低下するという問題もある。
【0010】この発明は、かかる従来技術の問題点に鑑
みてなされたもので、被測定試料を破壊して得る必要が
なく、簡単かつ高精度に測定できるとともに、測定現場
に運んで安全に測定することができる陽電子消滅法によ
る材料劣化検出装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記従来技術が有する課
題を解決するため、この発明の陽電子消滅法による材料
劣化検出装置は、陽電子源と、この陽電子源で発生する
陽電子を被測定試料に照射し、電子との対消滅によって
生じるγ線のエネルギ分布を測定するγ線検出器とを備
えた陽電子消滅法による材料劣化検出装置において、前
記γ線検出器の前方にバッキング材を介して前記陽電子
源を一体に取付けたことを特徴とするものである。
【0012】また、この発明の陽電子消滅法による材料
劣化検出装置は、第1の発明の前記γ線検出器の前方に
被測定試料表面と平行に密着可能に可撓性支持機構を介
して前記陽電子源を着脱可能に支持したことを特徴とす
るするものである。
【0013】さらに、この発明の陽電子消滅法による材
料劣化検出装置は、第1および第2の発明の前記γ線検
出器の前方に陽電子源での発生陽電子に応じて前記陽電
子源と前記γ線検出器との距離を調整する距離調整機構
を設けたことを特徴とするものである。
【0014】また、この発明の陽電子消滅法による材料
劣化検出装置は、第1ないし第3の発明の前記陽電子源
の被測定試料への密着側をポリマフィルムで覆って密封
線源としたことを特徴とするものである。
【0015】さらに、この発明の陽電子消滅法による材
料劣化検出装置は、第1ないし第4の発明の前記陽電子
源の側方に鉛を備えた遮蔽筒を設けるとともに、この遮
蔽筒の前方に前記陽電子源の前面を覆う鉛を備えたキャ
ップを着脱可能に設けたことを特徴とするものである。
【0016】
【作用】この陽電子消滅法による材料劣化検出装置によ
れば、γ線検出器の前方にアルミニウム等のバッキン材
を介して陽電子源を一体に取付けるようにしており、こ
の陽電子源をγ線検出器ごと被測定試料に平行に押し当
てるだけで検出準備ができ、材料の劣化を検出すること
ができるようにしている。
【0017】また、この陽電子消滅法による材料劣化検
出装置によれば、γ線検出器の前方に設ける陽電子源を
バネなどによる可撓性支持機構を介してネジ等で着脱自
在に取付けるようにしており、γ線検出器の押付方向の
ずれをバネなどの可撓性支持機構で吸収して被測定試料
表面に平行に密着できるようにするとともに、この陽電
子源だけを可撓性支持機構部分から取外し、鉛のポット
等に収納できるようにし、運搬等を安全に行うことがで
きるようにしている。
【0018】さらに、この陽電子消滅法による材料劣化
検出装置によれば、γ線検出器の前方に設ける陽電子源
との間に距離調整機構を設けて距離を調整できるように
しており、陽電子源の崩壊数または強度によってγ線検
出器の位置を調整して測定条件を同一にできるように
し、時間の経過とともに強度が低下する陽電子源によっ
ても高精度の検出ができるようにしている。
【0019】また、この陽電子消滅法による材料劣化検
出装置によれば、γ線検出器の前方の陽電子源のアルミ
ニウム等のバッキン材と反対側の被測定試料への密着側
をポリマフィルムで覆うようにしており、この陽電子源
をバッキン材とポリマフィルムで覆うことで密封線源と
して運搬や測定場所の制約を減少し、取扱を容易とする
とともに、安全性を向上している。
【0020】さらに、この陽電子消滅法による材料劣化
検出装置によれば、陽電子源の側方に鉛のライニングを
備えた遮蔽筒を設けるとともに、前方にも鉛のライニン
グを備えたキャップを着脱できるように設けており、測
定現場などに運搬する場合の安全性を一層向上でき、測
定の際に、キャップだけを外すことで側方からの外部ノ
イズの影響を防止できるようにしている。
【0021】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づき詳細
に説明する。図1〜図6はこの発明の陽電子消滅法によ
る材料劣化検出装置の一実施例にかかり、図1は先端部
分のみを縦断面にして示す断面図、図2は可撓性支持機
構など先端部分の拡大断面図、図3は図2中のA−A矢
視図、図4は着脱機構など先端部分の概略斜視図、図5
は位置調整機構の縦断面図、図6は位置調整機構の横断
面図である。
【0022】この陽電子消滅法による材料劣化検出装置
10は、円筒状のサポートシリンダ11を供えており、
その先端部に、図4に示すように、円周方向3箇所から
突き出してメインアーム12が一体に取付けられ、3本
のメインアーム12は円すい面に沿って窄まって先端部
がサポートシリンダ11の中心軸と平行な水平とされた
のち中心に向かってL字状に曲げられ、固定部13が形
成されている。このメインアーム12の先端の固定部1
3には、可撓性支持機構14を構成するバネ15の先端
が一体に取付けられ、このバネ15の後端に雌ネジ16
が形成された固定板17が一体に取付けてある。
【0023】これら半径方向3箇所に設けられた固定板
17には、陽電子源18aが一体化された陽電子装着体
18を支持する陽電子源ホルダ19がボルト20で着脱
自在に取付けられる。
【0024】この陽電子源ホルダ19は、図1〜図4に
示すように、リング状の取付板21を備え、その円周方
向3箇所に外側に突き出してメインアーム12の固定部
13と対向させることができる取付部22が形成され、
ボルト20を挿入して固定部13の雌ネジ16に締付け
て固定したり、ボルト20をゆるめて取外すことがで
き、メインアーム12の固定部13に対して陽電子源ホ
ルダ19の取付部22をサポートシリンダ11の中心軸
回りに回動して対向位置からずらすようにすることで、
メインアーム12の前方に陽電子源ホルダ19を取出す
ことができる。
【0025】この陽電子源ホルダ19では、リング上の
取付板21の前方に円すい面に沿って3本の支持アーム
23が円周方向等間隔に配置されて一体に取付けてあ
り、これら支持アーム23の先端に円筒状の陽電子源固
定筒24が取付けてある。
【0026】この陽電子源固定筒24の対角位置に2本
の止めネジ25がねじ込まれ、陽電子源18aが一体化
された陽電子装着体18を挾んで固定できるようになっ
ている。
【0027】この陽電子源固定筒24に止めネジ25で
挾んで取付けられる陽電子源18aが一体化された陽電
子装着体18は、たとえば図2に示すように、直径が5
mm程度で厚さが3mm程度のアルミニウム製の円板状
のバッキング材26の前方に厚さが0.05mm程度の
ニッケルフォイル27が配置され、これらの中心に直径
が1mm程度のラジオアイソトープであるゲルマニウム
68が陽電子源18aとして配置され、さらにその外側
に0.1mm程度の厚さのポリマフィルム28が積層さ
れ、これらの周囲にアルミニウム板29が巻かれ、両端
の折曲部30で押えて積層状態を保持するように構成さ
れている。
【0028】次に、サポートシリンダ11へのγ線検出
器31の取付構造について、図5および図6により説明
する。
【0029】円筒状のサポートシリンダ11の内周の円
周方向に3等分した位置に2本のスライドレール32が
軸方向と平行に取付けられており、2本のスライドレー
ル32と嵌合してスライドするあり溝が形成されたスラ
イダ33が軸方向3箇所に配置されたリング状の検出器
取付筒34の外側に取付けられてサポートシリンダ11
に対して軸方向にスライドできるようになっている。ま
た、サポートシリンダ11の円周方向に3等分した残り
の一箇所には、外側に突き出してピオニオン取付部35
が形成されてピニオン36が設けられ、ピニオン36の
ピニオン取付部35の外側の回転軸につまみ37が設け
られ、手で回転駆動できるようになっている。そして、
このピニオン36と噛み合うラック38が検出器取付筒
34の外側に固定してあり、つまみ37でピニオン36
を回転することで、検出器取付筒34をサポートシリン
ダ11に対して軸方向に移動することができる距離調整
機構39が構成されている。
【0030】このような距離調整機構39の検出器取付
筒34の内部には、γ線検出器31が取付けられ、セン
サ部分が陽電子源18a側となるようにしてある。
【0031】なお、この距離調整機構39には、図示省
略したが、陽電子源18aに対して所定距離にγ線検出
器31を調整した後固定できるように、ネジ等による固
定機構が設けてある。
【0032】このように構成した陽電子消滅法による材
料劣化検出装置10では、次のようにして材料Mの劣化
の検出が行われる。
【0033】まず、準備として、陽電子源ホルダ19の
先端の陽電子源固定筒24にアルミニウム板29の折曲
部30で積層状態が保持された陽電子源18aが一体化
された陽電子装着体18を2本の止めネジ25で固定し
ておき、陽電子源ホルダ19ごと鉛製ポット等に収納し
て保管しておく。
【0034】一方、サポートシリンダ11の内側の検出
器取付筒34には、γ線検出器31を取付けておく。
【0035】こうして準備が完了した後、被測定試料M
がある現場にサポートシリンダ11部分と鉛製ポットに
入れた陽電子源ホルダ19を運び、サポートシリンダ1
1の先端部のメインアーム12の先端の3箇所の固定部
13とぶつからないように陽電子源ホルダ19の基端部
の3箇所の取付部22をメインアーム12の内側に入れ
た後、サポートシリンダ11の中心軸回りに回動して固
定板17と取付部22を対向させ、ボルト20で固定す
る。
【0036】これにより、陽電子源18aが一体化され
た陽電子装着体18が取付けられた陽電子源ホルダ19
はバネ15を介してサポートシリンダ11のメインアー
ム12の先端に取付けられ、陽電子源18aが一体化さ
れた陽電子装着体18がサポートシリンダ11に対して
中心軸に対して傾いたり、前後方向に動くことができ
る。
【0037】こののち、距離調整機構39のつまみ37
を回転して陽電子源18aに対してγ線検出器31の距
離を調整し、図示しない固定機構で固定する。
【0038】この距離調整機構39によって陽電子源1
8aからの発生陽電子の強度が変化してもこれによって
γ線検出器31の位置を変えることができ、特に、時間
の経過などによって発生陽電子の強度が低下してもさら
に使用することができる。
【0039】こうして全ての検出準備が完了した後、図
1および図2に示すように、サポートシリンダ11ごと
被測定試料Mの測定部分に陽電子源ホルダ19先端の陽
電子源18aが一体化された陽電子装着体18を押し当
てる。
【0040】このとき、被測定試料Mの測定部分が傾斜
面などであっても、陽電子源18aが一体化された陽電
子装着体18が陽電子源ホルダ19を介してサポートシ
リンダ11にバネ15を介して支持されているので、サ
ポートシリンダ11の位置が多少ずれても被測定面に平
行に陽電子源18aが一体化された陽電子装着体18を
密着させることができる。
【0041】この状態で、被測定試料Mの測定部分から
のγ線のエネルギ分布をγ線検出器31で測定すること
で材料Mの劣化を検出することができる。
【0042】この被測定部分からのγ線をγ線検出器3
1で測定する場合、陽電子が被測定面だけでなく、他の
方向にも照射されノイズとなることがあるが、陽電子源
18aの背面にアムミニウムのバッキング材26が配置
して陽電子装着体18が構成してあるので、この部分か
らのみの影響を考慮すれば良く、アルミニウムからは一
定のエネルギのγ線が発生することから常に安定した状
態で材料Mからのγ線を測定することができる。
【0043】また、この装置では、陽電子源18aをバ
ッキング材26およびニッケルフォイル27上に配置し
てポリマフィルム28で覆い、周囲をアルミニウム板2
9で囲むようにして陽電子装着体18を構成しており、
密封線源となり、法律上の規制も少なく、その取扱が容
易であり、測定場所の制約も少なく、現場での測定が簡
単にできる。
【0044】次に、この発明の他の一実施例について図
7および図8により説明するが、既に説明した実施例と
同一部分については同一記号を記し、説明は省略する。
【0045】この陽電子消滅法による材料劣化検出装置
40では、測定現場などへの運搬の安全性の向上と外部
ノイズによる測定精度低下を極力抑えるようにしてお
り、サポートシリンダ11の先端部のメインアーム12
や陽電子源装着体18等の側方を覆うように遮蔽筒41
が取付けてある。この遮蔽筒41の内側には、陽電子や
γ線を遮蔽する鉛のライニング42が取付けてある。そ
して、この遮蔽筒41の先端部には、着脱できるキャッ
プ43が取付けられ、測定の際には、取外し、運搬など
の際には、取付けたままにできるようになっている。こ
のキャップ43の内側にも鉛のライニング44が取付け
てある。なお、他の構成は既に説明した実施例と同一で
ある。
【0046】このような遮蔽筒41およびキャップ43
を設けることにより、測定の際には、キャップ43のみ
を取外して使用するが、陽電子源装着体18の側方が鉛
のライニング42を備えた遮蔽筒41で覆われているの
で、陽電子源18aから被測定部以外に照射されて発生
するγ線による外部ノイズとなることを防止することが
できる。
【0047】また、運搬などの際には、キャップ43を
取付けておくことで、陽電子源18aからの陽電子を完
全に遮蔽することができ、人体などのへの影響を与えず
一層安全に取扱うことができる。
【0048】さらに、既に説明した上記実施例と同様の
効果も奏する。
【0049】なお、上記実施例では、陽電子源としてゲ
ルマニウム68を用いるようにしたがこれに限らず、他
の陽電子源を用いるようにしても良い。
【0050】また、可撓性支持機構としてバネを介して
支持するようにしたが、これに限らず、ゴムなどの可撓
性材を介して支持するようにするなどしても良い。
【0051】さらに、距離調整機構もラック・ピニオン
によるものに限らず、他の構成としても良い。
【0052】また、この発明は上記各実施例に限らず、
この発明の要旨を逸脱しない範囲で各構成要素に変更を
加えても良いことは言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】以上、一実施例とともに具体的に説明し
たようにこの発明の陽電子消滅法による材料劣化検出装
置によれば、γ線検出器の前方にバッキン材を介して陽
電子源を一体に取付けるようにしたので、この陽電子源
をγ線検出器ごと被測定試料に平行に押し当てるだけで
検出準備ができ、材料の劣化を簡単に検出することがで
きるとともに、被測定試料以外からのγ線のノイズを一
定に保ち検出精度を保つことができる。
【0054】また、この陽電子消滅法による材料劣化検
出装置によれば、γ線検出器の前方に設ける陽電子源を
可撓性支持機構を介して着脱自在に取付けるようにした
ので、γ線検出器の押付方向のずれを可撓性支持機構で
吸収して被測定試料表面に平行に密着することができる
とともに、この陽電子源だけを可撓性支持機構部分から
取外して鉛のポット等に収納でき、運搬等を安全に行う
ことができる。
【0055】さらに、この陽電子消滅法による材料劣化
検出装置によれば、γ線検出器の前方に設ける陽電子源
との間に距離調整機構を設けて距離を調整できるように
したので、陽電子源の崩壊数または強度によってγ線検
出器の位置を調整して測定条件をほぼ同一にでき、時間
の経過等にともなって陽電子の強度が低下しても高精度
の検出ができる。
【0056】また、この陽電子消滅法による材料劣化検
出装置によれば、γ線検出器の前方の陽電子源のバッキ
ン材と反対側の被測定試料への密着側をポリマフィルム
で覆うようにしたので、この陽電子源をバッキン材とポ
リマフィルムで覆うことで密封線源として運搬や測定場
所の制約を減少し、取扱を容易とするとともに、安全性
を向上することができる。
【0057】さらに、この陽電子消滅法による材料劣化
検出装置によれば、陽電子源の側方に鉛のライニングを
備えた遮蔽筒を設けるとともに、前方にも鉛のライニン
グを備えたキャップを着脱できるように設けたので、測
定現場などに運搬する場合の安全性を一層向上でき、測
定の際に、キャップだけを外すことで側方からの外部ノ
イズの影響を鉛で防止することができ、測定精度を向上
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の陽電子消滅法による材料劣化検出装
置の一実施例にかかる先端部分のみを縦断面にして示す
断面図である。
【図2】この発明の陽電子消滅法による材料劣化検出装
置の一実施例にかかる可撓性支持機構など先端部分の拡
大断面図である。
【図3】この発明の陽電子消滅法による材料劣化検出装
置の一実施例にかかる図2中のA−A矢視図である。
【図4】この発明の陽電子消滅法による材料劣化検出装
置の一実施例にかかる着脱機構など先端部分の概略斜視
図である。
【図5】この発明の陽電子消滅法による材料劣化検出装
置の一実施例にかかる位置調整機構の縦断面図である。
【図6】この発明の陽電子消滅法による材料劣化検出装
置の一実施例にかかる位置調整機構の横断面図である。
【図7】この発明の陽電子消滅法による材料劣化検出装
置の他の一実施例にかかる概略縦断面図である。
【図8】この発明の陽電子消滅法による材料劣化検出装
置の他の一実施例にかかる側面図である。
【図9】従来の陽電子消滅法による材料劣化検出の概略
説明図である。
【符号の説明】
10 陽電子消滅法による材料劣化検出装置 11 サポートシリンダ 12 メインアーム 13 固定部 14 可撓性支持機構 15 バネ 16 雌ネジ 17 固定板 18 陽電子源装着体 18a 陽電子源 19 陽電子源ホルダ 20 ボルト 21 取付板 22 取付部 23 支持アーム 24 陽電子源固定筒 25 止めネジ 26 バッキング材 27 ニッケルフォイル 28 ポリマフィルム 29 アルミニウム板 30 折曲部 31 γ線検出器 32 スライドレール 33 スライダ 34 検出器取付筒 35 ピニオン取付部 36 ピニオン 37 つまみ 38 ラック 39 距離調整機構 40 陽電子消滅法による材料劣化検出装置 41 遮蔽筒 42 鉛のライニング 43 キャップ 44 鉛のライニング M 被測定試料(材料)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽電子源と、この陽電子源で発生する陽
    電子を被測定試料に照射し、電子との対消滅によって生
    じるγ線のエネルギ分布を測定するγ線検出器とを備え
    た陽電子消滅法による材料劣化検出装置において、前記
    γ線検出器の前方にバッキング材を介して前記陽電子源
    を一体に取付けたことを特徴とする陽電子消滅法による
    材料劣化検出装置。
  2. 【請求項2】 前記γ線検出器の前方に被測定試料表面
    と平行に密着可能に可撓性支持機構を介して前記陽電子
    源を着脱可能に支持したことを特徴とする請求項1記載
    の陽電子消滅法による材料劣化検出装置。
  3. 【請求項3】 前記γ線検出器の前方に陽電子源での発
    生陽電子に応じて前記陽電子源と前記γ線検出器との距
    離を調整する距離調整機構を設けたことを特徴とする請
    求項1または2記載の陽電子消滅法による材料劣化検出
    装置。
  4. 【請求項4】 前記陽電子源の被測定試料への密着側を
    ポリマフィルムで覆って密封線源としたことを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の陽電子消滅法に
    よる材料劣化検出装置。
  5. 【請求項5】 前記陽電子源の側方に鉛を備えた遮蔽筒
    を設けるとともに、この遮蔽筒の前方に前記陽電子源の
    前面を覆う鉛を備えたキャップを着脱可能に設けたこと
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の陽電
    子消滅法による材料劣化検出装置。
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