JP5521473B2 - 分析試料の研磨採取治具、分析方法及び判定方法 - Google Patents
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Description
図1に示す研磨治具10は、先端部21及び支持部22を有する本体20、並びに、先端部21に嵌合される押え部材30を有している。先端部21は、湾曲した先端面21aを有している。
研磨治具10には、例えば、図4に示すような短冊状の研磨フィルム40を用いることができる。研磨フィルム40は、柔軟に変形する性質を有する。研磨フィルム40には、少なくともその一主面側に、被研磨物の種類に応じた硬度や凹凸を有する研磨材41が設けられている。
上記のような湾曲形状の先端面21a上に配設された研磨フィルム40で、被研磨物の研磨を行うと、その先端面21aの湾曲形状のために、図6に点線で示したような研磨フィルム40上の楕円形状の領域ARに、研磨物51が集中的に採取されるようになる。
まず、研磨治具10の構成例について説明する。
図7は試料の一例の断面模式図である。
但し、以降の説明では、測定領域が上記のようなサイズの楕円形状で、上記のようなサイズ(長さL,幅W,高さH,曲率半径R1,R2)の先端面21aを設けた研磨治具10を用いる場合を例にする。
ここでは、研磨治具10を用いて試料100からNiめっき膜102を採取する場合に、研磨フィルム40の幅、及び研磨材41の表面性状が及ぼす影響について述べる。
図9より、研磨フィルム40に採取されるNiめっき膜102のNi−Kα線強度は、粒度が0.3μm〜30μm程度の範囲では、粒度の増加に伴って増加する傾向が認められる。0.3μm〜30μmの粒度範囲では、粒度が大きくなるほど、採取されるNiめっき膜102の量が増加していくことが分かる。従って、この粒度範囲では、粒度が大きくなるほど、採取されたNiめっき膜102中に含まれ得るNi以外の成分も分析し易くなると言える。
ここでは、Niめっき膜102の採取時の荷重を変化させるため、重量の異なる研磨治具10を作製する。重量の異なる各研磨治具10は、本体20の支持部22の重量を異ならせることで得ることができる。
図10より、例えば、荷重100gあたりの研磨深さは、約0.1μmとなる。ここでは、Niめっき膜102を対象としているが、Niめっきの種類や用途によっては、基材101上に、例えば、0.2μmといった薄い膜厚で、めっきが行われる場合もある。そのような場合には、荷重が大きすぎると、下地の基材101まで研磨してしまいかねず、その結果、採取した研磨物について、精度良く目的の分析を実施することができなくなることも起こり得る。従って、研磨対象の厚み、下地の種類、用いる分析装置や分析方法、分析目的等に基づき、採取時の荷重、研磨治具10の重量を設定することが好ましい。例えば、Niめっき膜102の膜厚が0.2μmである場合には、図10より、荷重を250g以下に抑えることが好ましい。
ここでは一例として、Al基材、Fe基材又はCuZn基材の上に、膜厚5μmのニッケルリン(NiP)めっき膜が形成された試料に対し、研磨治具10を用いて研磨を行い、NiPめっき膜を採取する。そして、試料のNiPめっき膜中に含まれる鉛(Pb)成分を、XRF分析法を利用して定量する(XRF定量分析)。
この図11に示すXRF定量分析では、まず、研磨物の採取前に、比較的粒度の大きな研磨フィルム40を用意し、その研磨フィルム40をXRF分析装置にセットし、XRF測定を行う(ステップS1)。このステップS1では、例えば、上記図9の知見に基づき、多量の研磨物を採取可能な粒度30μmの研磨フィルム40について、XRF測定を行う。XRF測定では、X線エネルギー(eV)とX線強度(cps/mA)との関係(XRFスペクトル)が得られる。
研磨物を採取した研磨フィルム40のXRF測定を行うと、例えば、この図12に示すようなX線エネルギー(eV)とX線強度(cps/mA)との関係(XRFスペクトル)が得られる。この図12の例では、採取した研磨物から、Ni−Kα線、Ni−Kβ1線のほか、Pb−Lα1線、Pb−Lβ1線が検出されている。
Pb濃度を求めるにあたっては、予め、この図13に示すようなPb−Lα1線強度(cps/mA)とPb濃度(ppm)との関係を示す検量線を求めておく。そして、ステップS4で取得された差スペクトルに見られるPb−Lα1線強度から、このような検量線を用いて、対応するPb濃度を求める。
この図14には、一例として、ステップS10〜S13の処理を5回繰り返した場合に得られるNi−Kα線強度(cps/mA)の積算量と、積算した各Ni−Kα線強度でのPb濃度(ppm)との関係を示している。尚、このときのPb濃度は、上記の例に従い、各回の処理で得られる差スペクトルと、上記図13に示したような検量線を用いて、求めることができる。
上記図11に示したような分析を実施するにあたっては、例えば、この式(1)から導出されるようなPbの検出下限を考慮して処理を行うことが可能である。
図15はXRF分析装置の一構成例を示す図である。
測定部61は、研磨物採取前の研磨フィルム40、及び研磨物採取後の研磨フィルム40に対し、所定エネルギーのX線を照射してXRF測定を行う(ステップS1,S3,S10,S12)。
このような構成を有するXRF分析装置60の処理機能は、コンピュータを用いて実現することができる。その場合、XRF分析装置60の処理機能を記述したプログラムをコンピュータで実行することにより、当該処理機能がコンピュータ上で実現される。尚、XRF分析装置60の処理機能を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(ハードディスク装置(HDD)等の磁気記録装置、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の光ディスク)に記録しておくことができる。コンピュータは、このような記録媒体に記録されたプログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行する。
(付記1) 第1方向に沿って第1曲率半径で凸状に湾曲し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に沿って第2曲率半径で凸状に湾曲した先端面を備えた先端部を有することを特徴とする研磨治具。
(付記3) 前記先端部に嵌合されて前記先端部の側面を囲む押え部材を更に含むことを特徴とする付記1又は2に記載の研磨治具。
(付記5) 前記先端部に嵌合されて前記先端部の側面を囲む押え部材を更に含み、
前記研磨体は、前記先端面から、前記先端部の側面まで延在され、前記先端部の側面と、前記先端部に嵌合される前記押え部材の内面との間に挟持されて配設されていることを特徴とする付記4に記載の研磨治具。
(付記7) 第1方向に第1曲率半径で凸状に湾曲し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に第2曲率半径で凸状に湾曲した先端面を備えた先端部を有する研磨治具の、前記先端面に、研磨体を配設するステップと、
前記先端面に配設された前記研磨体を用いて被研磨物を研磨し、前記研磨体に研磨物を採取するステップと、
前記研磨体に採取された前記研磨物を、分析装置を用いて分析するステップと、
を含むことを特徴とする分析方法。
(付記9) 前記研磨治具は、前記先端部に嵌合されて前記先端部の側面を囲む押え部材を更に含み、
前記研磨体は、前記先端面から、前記先端部の側面まで延在され、前記先端部の側面と、前記先端部に嵌合される前記押え部材の内面との間に挟持されて配設されていることを特徴とする付記7又は8に記載の分析方法。
20 本体
21,201,301,401 先端部
21a,201a,301a,401a 先端面
21b 嵌合部
21c,31c 湾曲面
21d,31d 平坦面
22 支持部
22a テーパ部
30 押え部材
31 貫通孔
40 研磨フィルム
41 研磨材
51 研磨物
60 XRF分析装置
61 測定部
62 記憶部
63 データ処理部
64 判定部
65 出力部
100 試料
101 基材
102 Niめっき膜
301b 溝
S,T 方向
L,Lf 長さ
W,Wf 幅
H 高さ
R1,R2 曲率半径
Q1,Q2 中心線
AR 領域
Claims (6)
- 第1方向に沿って第1曲率半径で凸状に湾曲し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に沿って、前記第1曲率半径と異なる第2曲率半径で凸状に湾曲した先端面を備えた先端部を有することを特徴とする分析試料の研磨採取治具。
- 前記先端面に、研磨体が着脱可能に配設され、前記研磨体は、前記先端面側と反対の面側に研磨材を有していることを特徴とする請求項1に記載の分析試料の研磨採取治具。
- 前記先端部に嵌合されて前記先端部の側面を囲む押え部材を更に含み、
前記研磨体は、前記先端面から、前記先端部の側面まで延在され、前記先端部の側面と、前記先端部に嵌合される前記押え部材の内面との間に挟持されて配設されていることを特徴とする請求項2に記載の分析試料の研磨採取治具。 - 前記先端面は、前記先端面側から見て矩形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の分析試料の研磨採取治具。
- 第1方向に第1曲率半径で凸状に湾曲し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に、前記第1曲率半径と異なる第2曲率半径で凸状に湾曲した先端面を備えた先端部を有する研磨採取治具の、前記先端面に、研磨体を配設するステップと、
前記先端面に配設された前記研磨体を用いて被研磨物を研磨し、前記研磨体に研磨物を採取するステップと、
前記研磨体に採取された前記研磨物を、分析装置を用いて分析するステップと、
を含むことを特徴とする分析方法。 - 第1方向に第1曲率半径で凸状に湾曲し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に、前記第1曲率半径と異なる第2曲率半径で凸状に湾曲した先端面を有する研磨採取治具の、前記先端面に配設された研磨体により、被研磨物から採取された研磨物の分析結果に基づいて、判定処理を実行することを特徴とする判定方法。
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