JP3331124B2 - X線分析のための測定用試料およびその作製方法 - Google Patents
X線分析のための測定用試料およびその作製方法Info
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Description
すい流動物からなる試料をX線分析するための測定用試
料およびその作製方法に関するものである。
物からなる試料において、その金属元素の含有量を測定
するには、誘導結合プラズマ(ICP)による発光分光
分析(以下、ICP分析という)が用いられている。
は、試料を溶液化しなければならない等、手間がかか
る。一方、従来の蛍光X線分析によれば、Al 等の軽元
素についての感度を考慮して、真空中で行うとすると流
動物からなる試料が飛散するおそれがあり、ヘリウム雰
囲気中で行うとするとコストがかかる。
もので、真空中で飛散しやすい流動物からなる試料を、
低コストで迅速容易に、かつ正確にX線分析できる測定
用試料およびその作製方法を提供することを目的とす
る。
に、請求項1の測定用試料は、孔の開いた板の底面にそ
の孔を塞ぐように樹脂フィルムを張り付けられた支持基
板と、その支持基板において前記孔と樹脂フィルムで形
成される凹部に充填された流動物からなる試料と、その
充填された試料の表面を覆うように、前記支持基板の上
面に装着された多孔質フィルムとを備えている。
らなる試料が多孔質フィルムを介して脱気され、真空中
でも試料が飛散するおそれがないことから、ヘリウム雰
囲気中で測定する必要がないので、X線分析にコストが
かからない。また、試料を溶液化したりする必要がな
く、測定用試料の構成も複雑でないので、迅速容易にX
線分析できる。さらに、真空中でX線分析できるので、
特に軽元素について感度が向上し、正確に分析できる。
え、前記多孔質フィルムが、前記支持基板の上面に載せ
られ、さらにその支持基板の上面に前記支持基板の孔に
合致する孔を有する押さえ板を張り付けることにより装
着されたものである。請求項1の測定用試料によれば、
前記作用効果に加え、多孔質フィルムの支持基板への装
着が、簡単かつ確実になるという作用効果がある。
の開いた板の底面にその孔を塞ぐように樹脂フィルムを
張り付けて支持基板とし、その支持基板において前記孔
と樹脂フィルムで形成される凹部に、流動物からなる試
料を充填し、多孔質フィルムを、前記支持基板の上面に
載せ、さらにその支持基板の上面に前記支持基板の孔に
合致する孔を有する押さえ板を張り付けることにより、
前記充填された試料の表面を覆うように、前記支持基板
の上面に装着する。請求項2の測定用試料の作製方法に
よれば、請求項1の測定用試料と同様の作用効果があ
る。
求項2の測定用試料の作製方法において、前記支持基板
の凹部に前記試料を充填する際に、前記支持基板を平ら
な作業台の上に置き、前記支持基板の上面に載せた多孔
質フィルムを平らな板で押さえることにより、測定用試
料に保持される前記試料の量を一定にする。請求項3の
測定用試料の作製方法によれば、請求項2の測定用試料
の作製方法による作用効果に加え、試料の厚みが一定に
なるので、厚みのばらつきによる分析誤差がなくなり、
いっそう正確に分析できるという作用効果がある。
定用試料を図面にしたがって説明する。図1のホルダ2
にセットした状態での正面断面図に示すように、この真
空中でのX線分析のための測定用試料1は、まず、孔3
の開いたアクリル樹脂等からなる円板の上面にその孔3
を塞ぐようにポリプロピレン等からなる樹脂フィルム4
を張り付けられた支持基板5を備え、孔3と樹脂フィル
ム4で凹部が形成されている。この凹部に流動物からな
る試料6が充填され、その試料6の表面(図1では下
面)を覆うように、支持基板5の下面に装着された多孔
質フィルム7を備えている。ここで、例えば、プランク
トンネット、マイクロポーラスフィルム等の多孔質フィ
ルム7が、支持基板5の下面にあてがわれ、さらにその
支持基板5の下面に支持基板の孔3に合致する孔8を有
するアクリル樹脂等からなる円板状の押さえ板9を張り
付けることにより装着されている。
作製することができる。まず、図2の下方から見た斜視
図に示すように、孔3の開いたアクリル樹脂等からなる
円板の底面にその孔3を塞ぐように樹脂フィルム4(斜
線部)を張り付けて支持基板5とする。次に、図3の上
方から見た斜視図に示すように、支持基板5を、樹脂フ
ィルム4を下にして、金属等からなる平らな作業台10
の上に置き、支持基板5において孔3と樹脂フィルム4
で形成される凹部に、グリスや加圧成形できないパウダ
ー等の流動物からなる試料6(斜線部)をやや盛り上が
る程度に充填する。そして、図4の上方から見た斜視図
に示すように、充填された試料6の表面を覆うように、
多孔質フィルム7(斜線部)を支持基板5の上面に載
せ、さらに、図5の上方から見た斜視図に示すように、
金属等からなる平らな板11で多孔質フィルム7を押さ
えることにより、前記凹部の容積を超えた量だけ試料6
を凹部より排出し、保持される試料6の量を一定(凹部
の容積分)にする。その後、平らな板11を取り除く。
うな、支持基板の孔3に合致する孔8を有し、その孔8
を塞がないように底面に両面粘着フィルム12(斜線
部)を貼付された円板状の押さえ板9を、図7の上方か
ら見た斜視図に示すように、支持基板5の上面に張り付
ける。これにより多孔質フィルム7(斜線部)の周辺部
が、押さえ板9の下面と支持基板5の上面に挟まれて装
着される。このようにして作製された測定用試料1は、
作業台10から降ろされ、図1に示したように、樹脂フ
ィルム4を上にして、ホルダ2にセットされ、真空中で
1次X線13を照射され、試料6から発生した蛍光X線
14を検出することによりX線分析がなされる。なお、
樹脂フィルム4は、厚さ数ミクロンでポリプロピレン、
ポリエチレン等からなり、1次X線13や試料6から発
生した蛍光X線14を透過させる。
動物からなる試料6が多孔質フィルム7を介して脱気さ
れ、真空中でも試料6が飛散するおそれがないことか
ら、ヘリウム雰囲気中で測定する必要がないので、X線
分析にコストがかからない。また、試料6を溶液化した
りする必要がなく、測定用試料1の構成も複雑でないの
で、迅速容易にX線分析できる。さらに、真空中でX線
分析できるので、特に軽元素について感度が向上し、正
確に分析できる。また、多孔質フィルム7の支持基板5
への装着が、簡単かつ確実である。さらに、試料6の厚
みが一定になるので、厚みのばらつきによる分析誤差が
なくなり、いっそう正確に分析できる。
6として、この第1実施形態の測定用試料1を用いて行
った蛍光X線分析と、従来のICP分析との結果を次の
表1および表2に比較して示す。
用試料1を用いて蛍光X線分析を行えば、試料6中の鉄
や銅の含有率について、従来のICP分析とよく一致す
る正確な分析結果が得られることが明らかである。
流動物からなる試料が多孔質フィルムを介して脱気さ
れ、真空中でも試料が飛散するおそれがないことから、
ヘリウム雰囲気中で測定する必要がないので、X線分析
にコストがかからない。また、試料を溶液化したりする
必要がなく、測定用試料の構成も複雑でないので、迅速
容易にX線分析できる。また、多孔質フィルムを、支持
基板の上面に載せ、さらにその支持基板の上面に支持基
板の孔に合致する孔を有する押さえ板を張り付けること
により装着するので、多孔質フィルム7の支持基板5へ
の装着が、簡単かつ確実である。さらに、支持基板の凹
部に試料を充填する際に、支持基板を平らな作業台の上
に置き、支持基板の上面に載せた多孔質フィルムを平ら
な板で押さえることにより、測定用試料に保持される前
記試料の量を一定にする場合には、試料の厚みが一定に
なるので、厚みのばらつきによる分析誤差がなくなり、
いっそう正確に分析できる。
セットした状態で示す正面断面図である。
である。
る試料を充填した状態を上方から見た斜視図である。
ムを載せた状態を上方から見た斜視図である。
平らな板で押さえた状態を上方から見た斜視図である。
である。
り付けた状態を上方から見た斜視図である。
ム、5…支持基板、6…流動物からなる試料、7…多孔
質フィルム、8…押さえ板の孔、9…押さえ板、10…
作業台、11…平らな板。
Claims (3)
- 【請求項1】 真空中でのX線分析のための測定用試料
であって、 孔の開いた板の底面にその孔を塞ぐように樹脂フィルム
を張り付けられた支持基板と、 その支持基板において前記孔と樹脂フィルムで形成され
る凹部に充填された流動物からなる試料と、 その充填された試料の表面を覆うように、前記支持基板
の上面に装着された多孔質フィルムとを備え、 前記多孔質フィルムが、前記支持基板の上面に載せら
れ、さらにその支持基板の上面に前記支持基板の孔に合
致する孔を有する押さえ板を張り付けることにより装着
されたものである 測定用試料。 - 【請求項2】 真空中でのX線分析のための測定用試料
の作製方法であって、 孔の開いた板の底面にその孔を塞ぐように樹脂フィルム
を張り付けて支持基板とし、 その支持基板において前記孔と樹脂フィルムで形成され
る凹部に、流動物からなる試料を充填し、多孔質フィルムを、前記支持基板の上面に載せ、さらに
その支持基板の上面に前記支持基板の孔に合致する孔を
有する押さえ板を張り付けることにより、前記 充填され
た試料の表面を覆うように、前記支持基板の上面に装着
する測定用試料の作製方法。 - 【請求項3】 請求項2において、 前記支持基板の凹部に前記試料を充填する際に、前記支
持基板を平らな作業台の上に置き、 前記支持基板の上面に載せた多孔質フィルムを平らな板
で押さえることにより、測定用試料に保持される前記試
料の量を一定にする測定用試料の作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19564496A JP3331124B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | X線分析のための測定用試料およびその作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19564496A JP3331124B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | X線分析のための測定用試料およびその作製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1019812A JPH1019812A (ja) | 1998-01-23 |
JP3331124B2 true JP3331124B2 (ja) | 2002-10-07 |
Family
ID=16344609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19564496A Expired - Lifetime JP3331124B2 (ja) | 1996-07-05 | 1996-07-05 | X線分析のための測定用試料およびその作製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3331124B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018220935A1 (ja) * | 2017-05-31 | 2018-12-06 | 株式会社リガク | 蛍光x線分析装置用の試料ホルダ並びに試料ホルダ作成治具及び蛍光x線分析装置用の試料の作製方法 |
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-
1996
- 1996-07-05 JP JP19564496A patent/JP3331124B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1019812A (ja) | 1998-01-23 |
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