JP3903087B2 - 光情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を用いて情報の記録及び再生を行うことができるヒートモード型の光情報記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、レーザ光により1回限りの情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)としては、追記型CD(いわゆるCD−R)やDVD−Rなどがあり、従来のCD(コンパクトディスク)の作製に比べて少量のCDを手頃な価格でしかも迅速に市場供給できるという利点を有しており、最近のパーソナルコンピュータなどの普及に伴ってその需要も増している。
【0003】
CD−R型の光情報記録媒体の代表的な構造は、厚みが約1.2mmの透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金や銀などの金属からなる光反射層、更に樹脂製の保護層をこの順に積層したものである。
【0004】
また、DVD−R型の光情報記録媒体は、2枚の円盤状基板(厚みが約0.6mm)を各情報記録面をそれぞれ内側に対向させて貼り合わせた構造を有し、記録情報量が多いという特徴を有する。
【0005】
そして、これら光情報記録媒体への情報の書き込み(記録)は、近赤外域のレーザ光(CD−Rでは通常780nm付近、DVD−Rでは635nm付近の波長のレーザ光)を照射することにより行われ、色素記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的な変化(例えばピットの生成)が生じて、その光学的特性を変えることにより情報が記録される。
【0006】
一方、情報の読み取り(再生)も、通常、記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を照射することにより行われ、色素記録層の光学的特性が変化した部位(ピットの生成による記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより情報が再生される。
【0007】
従って、光ディスクを構成する円盤状基板に色素液を塗布するに当たって、塗布装置における塗布室内の空気清浄度は、膜厚が均一でエラーの発生しない塗布面(色素記録層)を作る場合に重要となる。
【0008】
そこで、従来では、色素記録層を形成する工程から色素記録層の上に光反射層を形成する工程までの保存環境を相対湿度30%以下にする例が提案されている(特開平6−150371号)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の色素記録層の形成においては、相対湿度30%以下という低湿の環境下で行われることから、静電気が発生しやすくなるおそれがあり、基板全面に均一に色素を塗布できなくなる可能性がある。また、低湿にするための空調システムにコストがかかり、光ディスクの製造コストを低廉化する上で不利になるおそれもある。
【0011】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、色素塗布面の膜厚の均一化、エラーの発生しない塗布面(色素記録層)の形成を更に効率よく達成させることができ、保存性も良好な光情報記録媒体を容易に得ることができる光情報記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光情報記録媒体の製造方法は、基板上に、レーザ光の照射により情報を記録することができる色素記録層を有するヒートモード型の光情報記録媒体の製造方法において、塗布設備にて前記基板上に色素を塗布することにより、前記基板上に前記色素記録層を形成するに際し、外部からの一次空気と前記塗布設備からの排気を混合した混合空気に対して加湿処理を行った後の二次空気を前記塗布設備に供給しながら前記基板上に前記色素記録層を形成するものであって、前記加湿処理は、前記混合空気を、比抵抗が0.15MΩ以上の水を用いて加湿することを特徴とする。
【0013】
加湿源として0.15MΩ以上の水を用いるようにしているため、前記処理雰囲気中の浮遊不純物の発生を抑えることができ、当該処理雰囲気にて形成される色素塗布面の膜厚の均一化、エラーの発生しない塗布面(色素記録層)の形成を効率よく達成させることができ、保存性も良好となる。抵抗値としては、好ましくは1.5MΩ以上、最も好ましくは10MΩ以上である。
【0014】
そして、本発明において、前記処理雰囲気中の相対湿度を30%〜60%に設定することが好ましい。更に好ましくは40%〜55%である。これにより、前記色素塗布面の膜厚の均一化、エラーの発生しない塗布面(色素記録層)の形成を更に効率よく達成させることができる。なお、相対湿度を高くしすぎると、色素塗布面において白化が発生する。
【0015】
また、本発明において、前記基板への色素塗布から光反射層を成膜するまでの時間を15分〜4時間とすることが、エラーレートを低減させる上で好ましい。
【0016】
また、本発明において、前記処理雰囲気に対する給気と該処理雰囲気からの排気によって形成される前記基板への空気の流速を、0.8m/sec以下に設定することが適当であり、好ましくは0.5〜0.01m/sec、更に好ましくは0.3〜0.03m/secである。
【0017】
この場合、流速が小さすぎると、色素塗布部の溶剤蒸気がたまり、これにより、溶剤乾燥速度が変化し、色素膜厚が変動するからである。また、溶剤蒸気濃度が上昇すると、安全性上も好ましくない。一方、前記流速が大きすぎると、例えばディスク外周の色素膜厚が極端に厚くなるなど、ディスク面内の膜厚の均一性が悪くなり好ましくない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光情報記録媒体の製造方法を例えばCD−R等の光ディスクを製造するシステムに適用した実施の形態例(以下、単に実施の形態に係る製造システムと記す)を図1〜図16を参照しながら説明する。
【0023】
本実施の形態に係る製造システム10は、図1に示すように、例えば射出成形、圧縮成形又は射出圧縮成形によって基板を作製する2つの成形設備(第1及び第2の成形設備12A及び12B)と、基板の一主面上に色素塗布液を塗布して乾燥させることにより、該基板上に色素記録層を形成する塗布設備14と、基板の色素記録層上に光反射層を例えばスパッタリングにより形成し、その後、光反射層上にUV硬化液を塗布した後、UV照射して前記光反射層上に保護層を形成する後処理設備16とを有して構成されている。
【0024】
第1及び第2の成形設備12A及び12Bは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形、圧縮成形又は射出圧縮成形して、一主面にトラッキング用溝又はアドレス信号等の情報を表す凹凸(グルーブ)が形成された基板を作製する成形機20と、該成形機20から取り出された基板を冷却する冷却部22と、冷却後の基板を段積みして保管するためのストックポール24が複数本設置された集積部26(ストックポール回転台)とを有する。
【0025】
塗布設備14は、3つの処理部30、32及び34から構成され、第1の処理部30には、前記第1及び第2の成形設備12A及び12Bから搬送されたストックポール24を収容するためのストックポール収容部40と、該ストックポール収容部40に収容されたストックポール24から1枚ずつ基板を取り出して次工程に搬送する第1の搬送機構42と、該第1の搬送機構42によって搬送された1枚の基板に対して静電気の除去を行う静電ブロー機構44とを有する。
【0026】
第2の処理部32は、第1の処理部30において静電ブロー処理を終えた基板を次工程に順次搬送する第2の搬送機構46と、該第2の搬送機構46によって搬送された複数の基板に対してそれぞれ色素塗布液を塗布する色素塗布機構48と、色素塗布処理を終えた基板を1枚ずつ次工程に搬送する第3の搬送機構50とを有する。この色素塗布機構48は6つのスピンコート装置52を有して構成されている。
【0027】
第3の処理部34は、前記第3の搬送機構50にて搬送された1枚の基板の裏面を洗浄する裏面洗浄機構54と、裏面洗浄を終えた基板を次工程に搬送する第4の搬送機構56と、該第4の搬送機構56によって搬送された基板に対してロット番号等の刻印を行う番号付与機構58と、ロット番号等の刻印を終えた基板を次工程に搬送する第5の搬送機構60と、該第5の搬送機構60によって搬送された基板に対して欠陥の有無並びに色素記録層の膜厚の検査を行う検査機構62と、該検査機構62での検査結果に応じて基板を正常品用のストックポール64あるいはNG用のストックポール66に選別する選別機構68とを有する。
【0028】
第1の処理部30と第2の処理部32との間に第1の仕切板70が設置され、第2の処理部32と第3の処理部34との間にも同様に第2の仕切板72が設置されている。第1の仕切板70の下部には、第2の搬送機構46による基板の搬送経路を塞がない程度の開口(図示せず)が形成され、第2の仕切板72の下部には、第3の搬送機構50による基板の搬送経路を塞がない程度の開口(図示せず)が形成されている。
【0029】
後処理設備16は、塗布設備14から搬送された正常品用のストックポール64を収容するためのストックポール収容部80と、該ストックポール収容部80に収容されたストックポール64から1枚ずつ基板を取り出して次工程に搬送する第6の搬送機構82と、該第6の搬送機構82によって搬送された1枚の基板に対して静電気の除去を行う第1の静電ブロー機構84と、静電ブロー処理を終えた基板を次工程に順次搬送する第7の搬送機構86と、該第7の搬送機構86によって搬送された基板の一主面に光反射層をスパッタリングにて形成するスパッタ機構88と、光反射層のスパッタリングを終えた基板を次工程に順次搬送する第8の搬送機構90と、該第8の搬送機構90によって搬送された基板の周縁(エッジ部分)を洗浄するエッジ洗浄機構92とを有する。
【0030】
また、この後処理設備16は、エッジ洗浄を終えた基板に対して静電気の除去を行う第2の静電ブロー機構94と、静電ブロー処理を終えた基板の一主面に対してUV硬化液を塗布するUV硬化液塗布機構96と、UV硬化液の塗布を終えた基板を高速回転させて基板上のUV硬化液の塗布厚を均一にするスピン機構98と、UV硬化液の塗布及びスピン処理を終えた基板に対して紫外線を照射することによりUV硬化液を硬化させて基板の一主面に保護層を形成するUV照射機構100と、前記基板を第2の静電ブロー機構94、UV硬化液塗布機構96、スピン機構98及びUV照射機構100にそれぞれ搬送する第9の搬送機構102と、UV照射された基板を次工程に搬送する第10の搬送機構104と、該第10の搬送機構104によって搬送された基板に対して塗布面と保護層面の欠陥を検査するための欠陥検査機構106と、基板に形成されたグルーブによる信号特性を検査するための特性検査機構108と、これら欠陥検査機構106及び特性検査機構108での検査結果に応じて基板を正常品用のストックポール110あるいはNG用のストックポール112に選別する選別機構114とを有する。
【0031】
ここで、1つのスピンコート装置52の構成について図2〜図6を参照しながら説明する。
【0032】
このスピンコート装置52は、図2及び図3に示すように、塗布液付与装置400、スピナーヘッド装置402及び飛散防止壁404を有して構成されている。塗布液付与装置400は、塗布液が充填された加圧タンク(図示せず)と、該加圧タンクからノズル406に引き回されたパイプ(図示せず)と、ノズル406から吐出される塗布液の量を調整するための吐出量調整バルブ408とを有し、塗布液は前記ノズル406を通してその所定量が基板202の表面上に滴下されるようになっている。この塗布液付与装置400は、ノズル406を下方に向けて支持する支持板410と該支持板410を水平方向に旋回させるモータ412とを有するハンドリング機構414によって、待機位置から基板202の上方の位置に旋回移動できるように構成されている。
【0033】
スピナーヘッド装置402は、前記塗布液付与装置400の下方に配置されており、着脱可能な固定具420により基板202が水平に保持されると共に、駆動モータ(図示せず)により軸回転が可能とされている。
【0034】
固定具420により水平に保持された状態で回転している基板202上に、上記の塗布液付与装置400のノズル406から滴下した塗布液は、基板202の表面上を外周側に流延する。そして、余分の塗布液は基板202の外周縁部で振り切られ、その外側に放出され、次いで塗膜が乾燥されることにより、基板202の表面上に塗膜(色素記録層204)が形成される。
【0035】
飛散防止壁404は、基板202の外周縁部から外側に放出された余分の塗布液が周辺に飛散するのを防止するために設けられており、上部に開口422が形成されるようにスピナーヘッド装置402の周囲に配置されている。飛散防止壁404を介して集められた余分の塗布液はドレイン424を通して回収されるようになっている。
【0036】
また、第2の処理部32(図1参照)における各スピンコート装置52の局所排気は、前記飛散防止壁404の上方に形成された開口422から取り入れた空気を基板202の表面上に流通させた後、各スピナーヘッド装置402の下方に取り付けられた排気管426を通じて排気されるようになっている。
【0037】
塗布液付与装置400のノズル406は、図4及び図5に示すように、軸方向に貫通孔430が形成された細長い円筒状のノズル本体432と、該ノズル本体432を支持板410(図3参照)に固定するための取付部434を有する。ノズル本体432は、その先端面及びその先端面から1mm以上の範囲の外側又は内側、あるいは両方の壁面がフッ素化合物からなる表面を有する。このフッ素化合物としては、例えばポリテトラフルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン含有物等を使用することができる。
【0038】
この実施の形態で用いられる好ましいノズル406の例としては、例えば、図5に示すように、ノズル本体432の先端面及びその先端面から1mm以上の範囲をフッ素化合物を用いて形成したノズル406や、図6に示すように、ノズル本体432の先端面440及びその先端面440から1mm以上の範囲の外側又は内側、あるいは両方の壁面442及び444をフッ素化合物を用いて被覆したノズル406を挙げることができる。
【0039】
ノズル本体432の先端面及びその先端面から1mm以上の範囲をフッ素化合物で形成する場合、強度などを考慮すると、実用的には、例えばノズル本体432をステンレススチールで形成し、その先端面及びその先端面から最大で5mmの範囲をフッ素化合物で形成することが好ましい。
【0040】
また、図6に示すように、ノズル本体432の先端面440及びその先端面440から1mm以上の範囲の外側又は内側、あるいは両方の壁面442及び444をフッ素化合物で被覆する場合、ノズル本体432の先端面440から10mm以上、更に好ましくは、ノズル本体432の全領域をフッ素化合物で被覆することが好ましい。被覆する場合のその厚みは、特に制限はないが、5〜500μmの範囲内が適当である。また、ノズル本体432の材質としては、上記のように、ステンレススチールが好ましい。ノズル本体432に形成された貫通孔430の径は一般に0.5〜1.0mmの範囲である。
【0041】
次に、この製造システム10によって光ディスクを製造する過程について図7A〜図8Bの工程図も参照しながら説明する。
【0042】
まず、第1及び第2の成形設備12A及び12Bにおける成形機20において、ポリカーボネートなどの樹脂材料が射出成形、圧縮成形又は射出圧縮成形されて、図7Aに示すように、一主面にトラッキング用溝又はアドレス信号等の情報を表す凹凸(グルーブ)200が形成された基板202が作製される。
【0043】
前記基板202の材料としては、例えばポリカーボネート、ポリメルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン及びポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。上記の材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び価格などの点からポリカーボネートが好ましい。また、グルーブ200の深さは、0.01〜0.3μmの範囲内であることが好ましく、その半値幅は、0.2〜0.9μmの範囲内であることが好ましい。
【0044】
成形機20から取り出された基板202は、後段の冷却部22において冷却された後、一主面が下側に向けられてストックポール24に積載される。ストックポール24に所定枚数の基板202が積載された段階で、ストックポール24はこの成形設備12A及び12Bから取り出されて、次の塗布設備14に搬送され、該塗布設備14におけるストックポール収容部40に収容される。この搬送は、台車で行ってもよいし、自走式の自動搬送装置で行うようにしてもよい。
【0045】
ストックポール24がストックポール収容部40に収容された段階で、第1の搬送機構42が動作し、ストックポール24から1枚ずつ基板202を取り出して、後段の静電ブロー機構44に搬送する。静電ブロー機構44に搬送された基板202は、該静電ブロー機構44において静電気が除去された後、第2の搬送機構46を介して次の色素塗布機構48に搬送され、6つのスピンコート装置52のうち、いずれか1つのスピンコート装置52に投入される。スピンコート装置52に投入された基板202は、その一主面上に色素塗布液が塗布された後、高速に回転されて塗布液の厚みが均一にされた後、乾燥処理が施される。これによって、図7Bに示すように、基板202の一主面上に色素記録層204が形成されることになる。
【0046】
即ち、スピンコート装置52に投入された基板202は、図2に示すスピナーヘッド装置402に装着され、固定具420により水平に保持される。次に、加圧式タンクから供給された塗布液は、吐出量調整バルブ408によって所定量が調整され、基板202上の内周側にノズル406を通して滴下される。
【0047】
このノズル406は、上述したように、その先端面及びその先端面から1mm以上の範囲の外側又は内側、あるいは両方の壁面がフッ素化合物からなる表面を有しているため、塗布液の付着が生じにくく、また、これが乾燥して色素の析出やその堆積物が生じにくく、従って、塗膜を塗膜欠陥などの障害を伴うことなくスムーズに形成させることができる。
【0048】
なお、塗布液としては色素を適当な溶剤に溶解した色素溶液が用いられる。塗布液中の色素の濃度は一般に0.01〜15重量%の範囲内、好ましくは0.1〜10重量%の範囲内、特に好ましくは0.5〜5重量%の範囲内、最も好ましくは0.5〜3重量%の範囲内である。
【0049】
駆動モータによってスピナーヘッド装置402は高速回転が可能である。基板202上に滴下された塗布液は、スピナーヘッド装置402の回転により、基板202の表面上を外周方向に流延し、塗膜を形成しながら基板202の外周縁部に到達する。外周縁部に到達した余分の塗布液は、更に遠心力により振り切られ、基板202の縁部の周囲に飛散する。飛散した余分の塗布液は飛散防止壁404に衝突し、更にその下方に設けられた受皿に集められた後、ドレイン424を通して回収される。塗膜の乾燥はその形成過程及び塗膜形成後に行われる。塗膜(色素記録層)204の厚みは、一般に20〜500nmの範囲内、好ましくは50〜300nmの範囲内に設けられる。
【0050】
色素記録層204に用いられる色素は特に限定されない。使用可能な色素の例としては、シアニン色素、フタロシアニン系色素、イミダゾキノキサリン系色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、メロシアニン系色素、オキソノール系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙げることができる。これらの色素のうちでは、シアニン色素、フタロシアニン系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、オキソノール系色素及びイミダゾキノキサリン系色素が好ましい。
【0051】
色素記録層204を形成するための塗布剤の溶剤の例としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロ−1−プロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。
【0052】
前記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独または二種以上を適宜併用することができる。好ましくは、2,2,3,3−テトラフロロ−1−プロパノールなどのフッ素系溶剤である。なお、塗布液中には、所望により退色防止剤や結合剤を添加してもよいし、更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、そして潤滑剤など各種の添加剤を、目的に応じて添加してもよい。
【0053】
退色防止剤の代表的な例としては、ニトロソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩を挙げることができる。これらの例は、例えば、特開平2−300288号、同3−224793号、及び同4−146189号等の各公報に記載されている。
【0054】
結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。
【0055】
結合剤を使用する場合に、結合剤の使用量は、色素100重量部に対して、一般に20重量部以下であり、好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5重量部以下である。
【0056】
なお、色素記録層204が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上および記録層の変質防止などの目的で、下塗層が設けられてもよい。
【0057】
下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤を挙げることができる。
【0058】
下塗層は、前記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法を利用して基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲内、好ましくは0.01〜10μmの範囲内に設けられる。
【0059】
色素記録層204が形成された基板202は、第3の搬送機構50を介して次の裏面洗浄機構54に搬送され、基板202の一主面の反対側の面(裏面)が洗浄される。その後、基板202は、第4の搬送機構56を介して次の番号付与機構58に搬送され、基板202の一主面又は裏面に対してロット番号等の刻印が行われる。
【0060】
その後、基板202は、第5の搬送機構60を介して次の検査機構62に搬送され、基板202の欠陥の有無や色素記録層204の膜厚の検査が行われる。この検査は、基板202の裏面から光を照射してその光の透過状態を例えばCCDカメラで画像処理することによって行われる。この検査機構62での検査結果は次の選別機構68に送られる。
【0061】
上述の検査処理を終えた基板202は、その検査結果に基づいて選別機構68によって正常品用のストックポール64か、NG用のストックポール66に搬送選別される。
【0062】
正常品用のストックポール64に所定枚数の基板202が積載された段階で、正常品用のストックポール64はこの塗布設備14から取り出されて、次の後処理設備16に搬送され、該後処理設備16のストックポール収容部80に収容される。この搬送は、台車で行ってもよいし、自走式の自動搬送装置で行うようにしてもよい。
【0063】
正常品用のストックポール64がストックポール収容部80に収容された段階で、第6の搬送機構82が動作し、ストックポール64から1枚ずつ基板202を取り出して、後段の第1の静電ブロー機構84に搬送する。第1の静電ブロー機構84に搬送された基板202は、該第1の静電ブロー機構84において静電気が除去された後、第7の搬送機構86を介して次のスパッタ機構88に搬送される。スパッタ機構88に投入された基板202は、図7Cに示すように、その一主面中、周縁部分(エッジ部分)206を除く全面に光反射層208がスパッタリングによって形成される。
【0064】
光反射層208の材料である光反射性物質はレーザ光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。
【0065】
これらのうち、好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上を組み合わせて用いてもよい。または合金として用いてもよい。特に好ましくはAu、Agもしくはその合金である。
【0066】
光反射層208は、例えば、前記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより記録層の上に形成することができる。反射層の層厚は、一般的には10〜800nmの範囲内、好ましくは20〜500nmの範囲内、更に好ましくは50〜300nmの範囲内に設けられる。
【0067】
光反射層208が形成された基板202は、第8の搬送機構90を介して次のエッジ洗浄機構92に搬送され、図8Aに示すように、基板202の一主面中、エッジ部分206が洗浄されて、該エッジ部分206に形成されていた色素記録層204が除去される。その後、基板202は、第9の搬送機構102を介して次の第2の静電ブロー機構94に搬送され、静電気が除去される。
【0068】
その後、基板202は、同じく前記第9の搬送機構102を介してUV硬化液塗布機構96に搬送され、基板202の一主面の一部分にUV硬化液が滴下される。その後、基板202は、同じく前記第9の搬送機構102を介して次のスピン機構98に搬送され、高速に回転されることにより、基板202上に滴下されたUV硬化液の塗布厚が基板全面において均一にされる。
【0069】
その後、基板202は、同じく前記第9の搬送機構102を介して次のUV照射機構100に搬送され、基板202上のUV硬化液に対して紫外線が照射される。これによって、図8Bに示すように、基板202の一主面上に形成された色素記録層204と光反射層208を覆うようにUV硬化樹脂による保護層210が形成されて光ディスクDとして構成されることになる。
【0070】
保護層210は、色素記録層204などを物理的及び化学的に保護する目的で光反射層208上に設けられる。保護層210は、基板202の色素記録層204が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設けることができる。保護層210で使用される材料としては、例えば、SiO、SiO2 、MgF2 、SnO2 、Si3 4 等の無機物質、及び熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、そしてUV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。
【0071】
保護層210は、例えば、プラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して光反射層208上及び/または基板202上にラミネートすることにより形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。
【0072】
UV硬化性樹脂の場合には、上述したように、そのまま、もしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調整したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによって形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層210の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲内に設けられる。
【0073】
その後、光ディスクDは、第10の搬送機構104を介して次の欠陥検査機構106と特性検査機構108に搬送され、色素記録層204の面と保護層210の面における欠陥の有無や光ディスクDの基板202に形成されたグルーブ200による信号特性が検査される。これらの検査は、光ディスクDの両面に対してそれぞれ光を照射してその反射光を例えばCCDカメラで画像処理することによって行われる。これらの欠陥検査機構106及び特性検査機構108での各検査結果は次の選別機構114に送られる。
【0074】
上述の欠陥検査処理及び特性検査処理を終えた光ディスクDは、各検査結果に基づいて選別機構114によって正常品用のストックポール110か、NG用のストックポール112に搬送選別される。
【0075】
正常品用のストックポール110に所定枚数の光ディスクDが積載された段階で、該ストックポール110が後処理設備16から取り出されて図示しないラベル印刷工程に投入される。
【0076】
そして、本実施の形態に係る製造システム10は、図1に示すように、塗布設備14の第2の処理部32と並行して空調システム300が設置されると共に、図9及び図10に示すように、第1の処理部30と第3の処理部34の各天井にそれぞれ高性能充填層フィルタ(HEPAフィルタ)700及び702を介して空調機704及び706が設置されている。
【0077】
空調機704及び706は、第1及び第3の処理部30及び34に対してそれぞれ清浄な空気を送り込むことにより、第1及び第3の処理部30及び34内の温度をコントロールできるようになっている。
【0078】
塗布設備14と並行して設けられる空調システム300は、図9及び図14に示すように、前記塗布設備14に対して清浄な空気caを送り込む空気調和機302と、外気eaを取り入れて除湿を行い、一次空気a1として出力する除湿機304と、塗布設備14からの一部の排気(局所排気)daを上位の排気系統に送る排気装置306(図12参照)とを有して構成されている。前記局所排気daとしては、例えば塗布設備14の色素塗布機構48における6つのスピンコート装置52からの排気が挙げられる。
【0079】
一方、前記空調システム300は、図9及び図10に示すように、除湿機304と空気調和機302との間に、除湿機304から出力される一次空気a1を空気調和機302に送出するためのダクト310が設けられ、図12に示すように、塗布設備14の色素塗布機構48における前記6つのスピンコート装置52の各排気側と排気装置306との間に上述した排気管426が設けられている。
【0080】
空気調和機302と塗布設備14との間には、空気調和機302から出力される清浄な空気caを塗布設備14に給気させるための複数本(図示の例では4本)の給気ダクト320a〜320dと、塗布設備14における前記局所排気da以外の排気raを空気調和機302に帰還させるための複数本(図示の例では8本)のリターンダクト322が設置されている。
【0081】
また、空気調和機302には、外気eaを取り入れるための導入口710が設置され、該導入口710にはプレフィルタ712が取り付けられている。通常の空調制御(低湿制御でない場合)においては、この導入口710から取り入れられた空気が一次空気として空気調和機302に供給されるようになっている。
【0082】
前記除湿機304は、低湿制御のときに使用され、図9及び図10に示すように、外気eaを取り入れるための導入口324が設置され、該導入口324にはプレフィルタ326が取り付けられている。従って、導入口324を通じて導入された外気eaは、前記プレフィルタ326によってほこりや塵芥等が除去されて、除湿機304の内部に取り入れられ、該除湿機304内において除湿処理が行われる。除湿された外気は一次空気として後段の空気調和機302に供給される。
【0083】
空気調和機302は、図14に示すように、除湿機304あるいは導入口610からの一次空気a1と塗布設備14からの排気(局所排気以外の排気)raを混合して混合空気haとして出力する混合機330と、該混合機330から出力される混合空気haに対して加湿処理を行って二次空気a2として出力する2つの加湿機332a及び332bと、これら2つの加湿機332a及び332bからの二次空気a2を塗布設備14に給気する4つの送風機334a〜334dとを有して構成されている。
【0084】
加湿機332a及び332bは、その内部に、前記一次空気a1に対して水蒸気化した水分を加えるための加熱板336を有する。この加熱板336には純水が張られている。この場合の純水としては、比抵抗が0.15MΩ(室温)以上の純水が適当であり、好ましくは比抵抗が1.5MΩ(室温)以上、より好ましくは比抵抗が15MΩ(室温)以上の純水を使用することができる。この実施の形態では、比抵抗が2MΩ(室温)の純水を使用した。
【0085】
前記純水を得る方法としては、例えば蒸留やイオン交換樹脂を用いる方法などがあるが、不純物の除去効率の点などからみてイオン交換樹脂を用いる方法が好ましい。
【0086】
一方、図9及び図10に示すように、塗布設備14への給気経路のうち、塗布設備14の上部には4つの高性能充填層フィルタ(HEPAフィルタ)340a〜340dが設置されている。また、4つの送風機334a〜334dからそれぞれ対応する4本の給気ダクト320a〜320dの間には、それぞれ指向板342a〜342dが設置されている。これらの指向板342a〜342dのうち、図9中、最も右側に位置する第1の送風機334aに対応する第1の指向板342aは、第2の給気ダクト320bを通じて第2の処理部32(図1参照)に給気される送風量が第1の処理部30への送風量よりも多くなるように斜め向きに設置され、図9中、最も左側に位置する第4の送風機334dに対応する第4の指向板342dは、第3の給気ダクト320cを通じて第2の処理部32に給気される送風量が第3の処理部34への送風量よりも多くなるように斜め向きに設置されている。
【0087】
また、第2の送風機334bに対応する第2の指向板342bは、第3の給気ダクト320cを通じて第2の処理部32に給気される送風量が第2の給気ダクト320bを通じて第2の処理部32への送風量よりも多くなるように斜め向きに設置され、第3の送風機334cに対応する第3の指向板342cは、第2の給気ダクト320bを通じて第2の処理部32に給気される送風量が第3の給気ダクト320cを通じて第2の処理部32への送風量よりも多くなるように斜め向きに設置されている。
【0088】
即ち、第2及び第3の給気ダクト320b及び320cを通じて第2の処理部32に給気される送風量が、第1の給気ダクト320aを通じて第1の処理部30に給気する送風量並びに第4の給気ダクト320dを通じて第3の処理部34に給気する送風量よりも多くなるように、前記第1〜第4の指向板342a〜342dの向きが設定されている。
【0089】
塗布設備14の上部において、4本の給気ダクト320a〜320dとそれぞれ対応するHEPAフィルタ340a〜340dとの間にも、それぞれ指向板344a〜344dが設置されている。これらの指向板344a〜344dのうち、図9中、最も右側に位置する第1のHEPAフィルタ340aに対応する第1の指向板344aは、第1の給気ダクト320aを通じて給気される清浄な空気caが第2の処理部32側に指向されるように斜めに設置され、図9中、最も左側に位置する第4のHEPAフィルタ340dに対応する第4の指向板344dは、第4の給気ダクト320dを通じて給気される清浄な空気caが第2の処理部32側に指向されるように斜めに設置されている。
【0090】
また、第2のHEPAフィルタ340bに対応する第2の指向板344bは、第2の給気ダクト320bを通じて給気される清浄な空気caが第2の処理部32にすべて給気されるのを抑える方向に斜め向きに設置され、第3のHEPAフィルタ340cに対応する第3の指向板344cは、第3の給気ダクト320cを通じて給気される清浄な空気caが第2の処理部32にすべて給気されるのを抑える方向に斜め向きに設置されている。
【0091】
これら空気調和機302側の4つの指向板342a〜342dの向きと塗布設備14側の4つの指向板344a〜344dの向きによって、塗布設備14の中央に配される第2の処理部32に給気される送風量がその周辺部に配される第1及び第3の処理部30及び34に給気される送風量よりも多くなり、これにより、第2の処理部32における雰囲気中の圧力が、第1及び第3の処理部30及び34における各雰囲気中の圧力よりも高くなる。
【0092】
つまり、送風経路に上述のような複数の指向板を設けることにより、空気調和機302で加湿された空気中の水分を均等にミキシングし、第2の処理部32における各スピンコート装置52での湿度のばらつきを軽減させることができ、しかも、各スピンコート装置52における下向きの風速に関し、各スピンコート装置52間での風速差をなくすことができる。
【0093】
また、図1に示すように、第1及び第2の処理部30及び32間に第1の仕切板70を設け、第2及び第3の処理部32及び34間に第2の仕切板72を設けるようにしているため、第1の処理部30から第2の処理部32への空気の回り込み並びに第3の処理部34から第2の処理部32への空気の回り込みがなくなり、第2の処理部32における雰囲気中の圧力が、第1及び第3の処理部30及び34における各雰囲気中の圧力よりも高い状態を維持させることができる。
【0094】
即ち、空気調和機302側の4つの指向板342a〜342dと塗布設備14側の4つの指向板344a〜344d、並びに前記第1及び第2の仕切板70及び72は、第2の処理部32における雰囲気中の圧力を第1及び第3の処理部30及び34における各雰囲気中の圧力よりも高い状態にするための送風量制御手段として機能することになる。
【0095】
次に、排気装置306は、図12及び図13に示すように、外筐がほぼ直方体状に形成され、内部が気密化されたバッファボックス500を有する。このバッファボックス500内には、塗布設備14における6つのスピンコート装置52に対応して6つの排気ブロア502が設けられている。
【0096】
また、6つのスピンコート装置52と対応する排気ブロア502との間には、例えばバタフライ弁504とシャッタ506で構成された排気量調節弁機構508と、排気量を電気的に検出するための排気量センサ510が設置され、排気量の調整によって塗膜の乾燥条件を適宜変更できるようになっている。
【0097】
前記バッファボックス500の後段には上位の排気系統520が接続されている。この上位の排気系統520は、図12に示すように、この塗布設備14の排気のほか、成形設備や後処理設備、その他の各種製造設備の排気が屋外に設置された屋外ブロア522を通じて行われるようになっている。
【0098】
上位の排気系統520における多数の排気管のうち、塗布設備用に割り当てられた6本の排気管524は、それぞれバッファボックス500に接続されている。そして、この実施の形態では、図13に示すように、上位の排気系統520から塗布設備14に延びる6本の排気管524と排気ブロア502から導出された6本の排気管426は、バッファボックス500内においてそれぞれ分離されている。なお、上位の排気系統520から塗布設備14に延びる6本の排気管524にはそれぞれバタフライ弁526が設置され、上位の排気系統520への排気量を調整できるようになっており、また、屋外ブロア522の前段と後段にはそれぞれバタフライ弁528及び530が設置されて、屋外への排気量を調整できるようになっている。
【0099】
このように、前記空調システム300においては、前記加湿機332a及び332bの加湿源として0.15MΩ以上の水を用いるようにしているため、塗布設備14内の雰囲気中の浮遊不純物の発生を抑えることができ、当該塗布設備14にて製造される製品、即ち、光ディスクDの歩留まりを向上させることができる。
【0100】
特に、本実施の形態においては、空気調和機302に設けられた導入口710を通じて取り入れられた空気あるいは除湿機304からの空気を一次空気a1とし、この一次空気a1を空気調和機302に供給して、該空気調和機302における混合機330において、塗布設備14からの排気raと混合させて混合空気haとし、該混合空気haを加湿処理して二次空気a2として塗布設備14に給気するようにしたので、塗布設備14からの排気raを給気用として使用する循環システムを構成することができ、塗布設備14に給気すべき清浄な空気caの量を一定に保つための制御を容易に行うことができる。しかも、除湿機304にて除湿すべき空気の量も少なくて済むことから、除湿にかかる時間やコストの削減を有効に図ることができる。
【0101】
また、本実施の形態における空気調和機302と塗布設備14における第2の処理部32との循環系は、スピンコート装置52からの局所排気の影響で負圧になるおそれがあるが、本実施の形態では、空気調和機302の導入口710を通じて外気を取り入れ、特に低湿制御の際には除湿機304からの空気を取り入れるようにしているため、上述のような循環系での負圧は防止される。
【0102】
また、本実施の形態においては、塗布設備14の排気系統を2系統とし、一方の排気系統(循環系)を空気調和機302の混合機330に接続し、他方の排気系統(局所排気da)を気密化されたバッファボックス500を介して上位の排気系統520と接続し、更に、上位の排気系統520の排気管524と局所排気daの排気管426とをバッファボックス500内において分離するようにしている。
【0103】
この場合、塗布設備14における局所排気daは、バッファボックス500を介して上位の排気系統520に排気されるが、上位の排気系統520に接続されている他の設備の排気量にばらつきが生じても、そのばらつきがバッファボックス500内において吸収されることになる。
【0104】
つまり、上位の排気系統520に接続されている他の設備の排気量にばらつきが生じても、塗布設備14における第2の処理部32内での空気の流れ(第2の処理部32内の雰囲気)は一定となり、例えば、光ディスクDの色素塗布工程において、塗布面の膜厚の均一化、エラーの発生しない塗布面(色素記録層)の形成を効率よく達成させることができる。
【0105】
また、本実施の形態においては、塗布設備14への送風経路に、複数の指向板(342a〜342d)及び(344a〜344d)を設けるようにしたので、各送風機334a〜334dから出力される空気の向きを複数の指向板(342a〜342d)及び(344a〜344d)によって容易に変えることができ、当該塗布設備14における第2の処理部32の雰囲気中の圧力を、第1及び第3の処理部30及び34における雰囲気中の圧力よりも高くなるように設定することが可能となる。これにより、第2の処理部32の温度及び湿度を高精度に制御することができ、塗布面の膜厚の均一化、エラーの発生しない塗布面(色素記録層)の形成を更に効率よく達成させることができる。
【0106】
また、本実施の形態においては、第1の処理部30と第2の処理部32との間、第2の処理部32と第3の処理部34との間にそれぞれ仕切板70及び72を設けるようにしたので、第1及び第3の処理部30及び34から第2の処理部32に対する空気の回り込みがなくなり、第1及び第3の処理部30及び34から第2の処理部32への浮遊不純物の混入がなくなる。
【0107】
前記空調システム300は、図1に示す製造システム10のほか、図15に示す製造システム600にも適用できる。
【0108】
この図15に示す製造システム600は、例えば射出成形、圧縮成形又は射出圧縮成形によって基板を作製する2つの成形設備(第1及び第2の成形設備602A及び602B)と、基板の一主面上に色素塗布液を塗布して乾燥させることにより、該基板上に色素記録層を形成する2つの塗布設備(第1及び第2の塗布設備604A及び604B)と、これら塗布設備604A及び604Bにおいて形成された色素記録層に対して検査を行う検査設備606と、基板の色素記録層上に光反射層を例えばスパッタリングにより形成し、その後、光反射層上にUV硬化液を塗布した後、UV照射して前記光反射層上に保護層を形成する後処理設備608とを有して構成されている。
【0109】
第1及び第2の成形設備602A及び602Bは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形、圧縮成形又は射出圧縮成形して、一主面にトラッキング用溝又はアドレス信号等の情報を表す凹凸(グルーブ)が形成された基板を作製する成形機610と、該成形機610から取り出された基板を搬送しながら冷却する冷却コンベア612とを有し、冷却コンベア612の終端には冷却後の基板を段積みして保管するためのストックポール614が設置されている。
【0110】
第1及び第2の塗布設備604A及び604Bは、色素塗布とエッジ洗浄を行うための3つのスピンコート装置616と、第1及び第2の成形設備602A及び602Bにおけるストックポール614に集積された基板を1枚ずつ取り出して、いずれかのスピンコート装置616に搬送する多関節ロボット618とを有して構成されている。
【0111】
検査設備606は、第1の塗布設備604Aでの処理を終えた基板を次工程に搬送するための第1の搬送コンベア620と、第2の塗布設備604Bでの処理を終えた基板を次工程に搬送するための第2の搬送コンベア622と、第1及び第2の搬送コンベア620及び622を介して搬送された基板に対してロット番号等の刻印を行う番号付与機構624と、ロット番号等の刻印を終えた基板を次工程に搬送する第1の搬送機構626と、該第1の搬送機構626によって搬送された基板に対して欠陥の有無並びに色素記録層の膜厚の検査を行う検査機構628とを有する。
【0112】
後処理設備608は、検査機構628での検査処理を終えた基板を受け入れる基板搬入機構630と、該基板搬入機構630によって搬入された基板の一主面に光反射層をスパッタリングにて形成するスパッタ機構632と、光反射層のスパッタリングを終えた基板を次工程に順次搬送する第2の搬送機構634と、該第2の搬送機構634を介して搬送された基板に対してUV硬化液を塗布した後、高速に回転させて基板上のUV硬化液の塗布厚を均一にする2つの塗布スピン機構(第1及び第2の塗布スピン機構636A及び636B)と、第1及び第2の塗布スピン機構636A及び636Bのいずれかで処理を終えた基板を次工程に搬送する第3の搬送機構638と、該第3の搬送機構638を介して搬送された基板に対して紫外線を照射することによりUV硬化液を硬化させて基板の一主面に保護層を形成するUV照射機構640と、UV照射された基板を次工程に搬送する第4の搬送機構642と、該第4の搬送機構642によって搬送された基板に対して塗布面と保護層面の欠陥を検査するための欠陥検査機構644と、欠陥検査機構644での検査結果に応じて基板を正常品用のストックポール646あるいはNG用のストックポール648に選別する選別機構650とを有する。
【0113】
そして、前記空調システム300は、第1及び第2の塗布設備604A及び604Bにそれぞれ並行して設置されることになる。これにより、第1及び第2の塗布設備604A及び604B内における雰囲気中の浮遊不純物の発生を抑えることができ、これら第1及び第2の塗布設備604A及び604Bにて製造される製品、即ち、光ディスクDの歩留まりを向上させることができる。
【0114】
【実施例】
次に、1つの実験例について説明する。この実験例は、図1に示す製造システム10にて光ディスクDを作製する場合において、実施例1〜3並びに比較例1〜5に関し、空調システム300における加湿機332a及び332bでの加湿源、塗布設備14における温度及び湿度、並びに色素塗布から光反射層を成膜するまでの時間(以下、便宜的に色素塗布経過時間と記す)をそれぞれ変えたときの光ディスクDの光反射率、エラーレート及び保存性をみたものである。
【0115】
ここで、光反射率は、グルーブにピットを形成しないとき、即ち、無記録状態のときの光反射率を示す。実際の光ディスクDに対する再生時の光反射率としては、65%以上であることが規定されているため、無記録状態での光反射率としては70%以上あればよい。また、エラーレートはブロックエラーレートを示す。保存性は、温度及び湿度が60℃及び85%の雰囲気中に250時間放置したときの色素記録層の状態をみたものである。
【0116】
なお、色素記録層の形成は以下の通りである。下記の一般式(A1)で表されるシアニン色素化合物2.65gと下記の一般式(A2)で表される退色防止剤0.265gを組み合わせて配合し、これらを下記の一般式(A3)で表される2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールに溶解して記録層形成用の塗布液を調製した。
【0117】
【化1】
Figure 0003903087
【0118】
【化2】
Figure 0003903087
【0119】
【化3】
Figure 0003903087
【0120】
この塗布液を表面にスパイラル状のグルーブ(トラックピッチ:1.6μm、グルーブ幅:0.4μm、グルーブの深さ:0.16μm)が射出成形により形成されたポリカーボネート基板(直径:120mm、厚さ:1.2mm)のそのグルーブ側の表面に、回転数を300rpm〜2000rpmまで変化させながらスピンコートにより塗布し、色素記録層(厚さ(グルーブ内):約200nm)を形成した。このとき、塗布設備への給気と塗布設備からの排気によって、上方から基板に向かって空気が流れることになるが、その風速を0.1m/secに設定した。
【0121】
そして、実施例1は、加湿源として比抵抗が2MΩ・cmの純水を用い、塗布設備14内の温度及び湿度を25℃及び30%に設定し、色素塗布経過時間を1時間とした。実施例2は、加湿源として比抵抗が2MΩ・cmの純水を用い、塗布設備14内の温度及び湿度を25℃及び60%に設定し、色素塗布経過時間を4時間とした。実施例3は、加湿源として比抵抗が2MΩ・cmの純水を用い、塗布設備14内の温度及び湿度を25℃及び40%に設定し、色素塗布経過時間を15分間とした。
【0122】
一方、比較例1は、加湿源として比抵抗が0.15MΩ・cm未満の水道水を用い、塗布設備14内の温度及び湿度を25℃及び40%に設定し、色素塗布経過時間を20分間とした。比較例2は、加湿源として比抵抗が2MΩ・cmの純水を用い、塗布設備14内の温度及び湿度を25℃及び25%に設定し、色素塗布経過時間を4時間とした。比較例3は、加湿源として比抵抗が2MΩ・cmの純水を用い、塗布設備14内の温度及び湿度を25℃及び55%に設定し、色素塗布経過時間を6時間とした。比較例4は、加湿源として比抵抗が2MΩ・cmの純水を用い、塗布設備14内の温度及び湿度を25℃及び55%に設定し、色素塗布経過時間を10分間とした。
【0123】
なお、比較例5は、加湿源として比抵抗が2MΩ・cmの純水を用い、塗布設備14内の温度及び湿度を25℃及び65%に設定したところ、色素塗布時に白濁過が発生し、明らかに不良となった。
【0124】
この実験結果を図16に示す。この実験結果から、加湿源として純水を用い、塗布設備14内の湿度を30%〜60%に設定し、色素塗布経過時間を15分〜4時間とした実施例1〜3は、比較例1〜4の場合と比べて光反射率、エラーレート及び保存性において良好な結果が得られていることがわかる。
【0125】
エラーレートと反射率の測定方法は、次のようにして行った。即ち、上述の実施例1〜3及び比較例1〜5の光ディスクに、OMT2000(パルステック社製)の評価機を用いてレーザ光の波長780nm(NA0.5にピックアップ)、定線速度1.2m/sec、EFM変調信号を記録パワー7mWで記録した。その後、記録レーザ光と同じ波長のレーザ光を用いて0.5mWのレーザ出力で信号を再生し、反射率とエラー(ブロックエラー:BLER)を測定した。
【0126】
反射率測定は、グルーブトラッキングをかけたときの戻り光の強度を測定して行った。エラーは前記評価機内蔵のデコーダでデコードするときのブロックエラー(BLER)を測定して行った。
【0127】
なお、この発明に係る光情報記録媒体及びその製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0128】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光情報記録媒体によれば、基板上に、レーザ光の照射により情報を記録することができる記録層及びその上に光反射層を有するヒートモード型の光情報記録媒体において、前記記録層の形成を行うための処理雰囲気を、抵抗比が0.15MΩ以上の水を用いて加湿しながら前記基板上に前記記録層を形成するようにしている。
【0129】
このため、色素塗布面の膜厚の均一化、エラーの発生しない塗布面(色素記録層)の形成を更に効率よく達成させることができ、保存性も良好となる。
【0130】
次に、本発明に係る光情報記録媒体の製造方法によれば、基板上に、レーザ光の照射により情報を記録することができる記録層及びその上に光反射層を有するヒートモード型の光情報記録媒体の製造方法において、前記記録層の形成を行うための処理雰囲気を抵抗比が0.15MΩ以上の水を用いて加湿しながら、前記基板上に前記記録層を形成するようにしている。
【0131】
このため、色素塗布面の膜厚の均一化、エラーの発生しない塗布面(色素記録層)の形成を更に効率よく達成させることができ、保存性も良好な光情報記録媒体を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る製造システムの一例を示す構成図である。
【図2】塗布設備に設置されるスピンコート装置を示す構成図である。
【図3】塗布設備に設置されるスピンコート装置を示す斜視図である。
【図4】スピンコート装置のノズルを示す平面図である。
【図5】スピンコート装置のノズルの一例を示す側面図である。
【図6】スピンコート装置のノズルの他の例を一部省略して示す縦断面図である。
【図7】図7Aは基板にグルーブを形成した状態を示す工程図であり、図7Bは基板上に色素記録層を形成した状態を示す工程図であり、図7Cは基板上に光反射層を形成した状態を示す工程図である。
【図8】図8Aは基板のエッジ部分を洗浄した状態を示す工程図であり、図8Bは基板上に保護層を形成した状態を示す工程図である。
【図9】空調システムを示す平面図である。
【図10】空調システムを示す正面図である。
【図11】空調システムを示す側面図である。
【図12】空調システムにおける排気装置の構成を上位の排気系統と共に示す図である。
【図13】排気装置に設置されるバッファボックスの構成を示す断面図である。
【図14】空気調和機の構成を示すブロック図である。
【図15】本実施の形態に係る製造システムの他の例を示す構成図である。
【図16】実験例の結果を示す図表である。
【符号の説明】
10…製造システム 12A…第1の成形設備
12B…第2の成形設備 14…塗布設備
16…後処理設備 30…第1の処理部
32…第2の処理部 34…第3の処理部
48…色素塗布機構 52…スピンコート装置
70…第1の仕切板 72…第2の仕切板
200…グルーブ(凹凸) 202…基板
204…色素記録層 208…光反射層
210…保護層 300…空調システム
302…空気調和機 304…除湿機
306…排気装置 310…ダクト
320a〜320d…給気ダクト 322…リターンダクト
330…混合機 332a、332b…加湿機
334a〜334d…送風機 336…加熱板
340a〜340d…HEPAフィルタ 342a〜342d…指向板
344a〜344d…指向板 426…排気管
500…バッファボックス 502…排気ブロア
520…上位の排気系統 522…屋外ブロア
524…排気管 600…製造システム
D…光ディスク

Claims (4)

  1. 基板上に、レーザ光の照射により情報を記録することができる色素記録層を有するヒートモード型の光情報記録媒体の製造方法において、
    塗布設備にて前記基板上に色素を塗布することにより、前記基板上に前記色素記録層を形成するに際し、
    外部からの一次空気と前記塗布設備からの排気を混合した混合空気に対して加湿処理を行った後の二次空気を前記塗布設備に供給しながら前記基板上に前記色素記録層を形成するものであって、
    前記加湿処理は、前記混合空気を、比抵抗が0.15MΩ以上の水を用いて加湿することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  2. 請求項記載の光情報記録媒体の製造方法において、
    前記二次空気を前記塗布設備に供給することによって、前記塗布設備の処理雰囲気中の相対湿度を30%〜60%に設定して、前記基板上に前記色素記録層を形成することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の光情報記録媒体の製造方法において、
    前記基板への色素塗布から光反射層を成膜するまでの時間が15分〜4時間であることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光情報記録媒体の製造方法において、
    前記塗布設備における処理雰囲気に対する前記二次空気の給気と該処理雰囲気からの排気によって形成される前記基板への空気の流速を0.8m/sec以下に設定して、前記基板上に前記色素記録層を形成することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
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