JP2000331387A - 光情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

光情報記録媒体の製造方法

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JP2000331387A
JP2000331387A JP11138339A JP13833999A JP2000331387A JP 2000331387 A JP2000331387 A JP 2000331387A JP 11138339 A JP11138339 A JP 11138339A JP 13833999 A JP13833999 A JP 13833999A JP 2000331387 A JP2000331387 A JP 2000331387A
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information recording
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JP11138339A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
Koichi Kawai
晃一 河合
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板の周縁部にある色素記録層を液体の噴射に
よって除去するエッジ洗浄工程において、除去された色
素記録層の飛沫が光反射層や基板の裏面等に付着するこ
とを防止して、光情報記録媒体の歩留まりを向上させ
る。 【解決手段】基板202上に、レーザ光の照射により情
報を記録することができる色素記録層204を有するヒ
ートモード型の光情報記録媒体の製造方法において、基
板202を回転させながら該基板202の周縁部206
における色素記録層204を溶剤620の噴射によって
除去する場合に、溶剤620を基板202の内方におけ
る上方から基板202の周縁部206に向けて噴射させ
て、基板202の周縁部206における色素記録層20
4を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を用いて
情報の記録及び再生を行うことができるヒートモード型
の光情報記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーザ光により1回限りの情報
の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)として
は、追記型CD(いわゆるCD−R)やDVD−Rなど
があり、従来のCD(コンパクトディスク)の作製に比
べて少量のCDを手頃な価格でしかも迅速に市場供給で
きる利点を有しており、最近のパーソナルコンピュータ
などの普及に伴ってその需要も増している。
【0003】CD−R型の光情報記録媒体の代表的な構
造は、厚みが約1.2mmの透明な円盤状基板上に有機
色素からなる記録層、金などの金属からなる光反射層、
更に樹脂製の保護層をこの順に積層したものである(例
えば特開平6−150371号公報参照)。
【0004】また、DVD−R型の光情報記録媒体は、
2枚の円盤状基板(厚みが約0.6mm)を各情報記録
面をそれぞれ内側に対向させて貼り合わせた構造を有
し、記録情報量が多いという特徴を有する。
【0005】そして、これら光情報記録媒体への情報の
書き込み(記録)は、近赤外域のレーザ光(CD−Rで
は通常780nm付近、DVD−Rでは635nm付近
の波長のレーザ光)を照射することにより行われ、色素
記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇
し、物理的あるいは化学的な変化(例えばピットの生
成)が生じて、その光学的特性を変えることにより情報
が記録される。
【0006】一方、情報の読み取り(再生)も、通常、
記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を照射すること
により行われ、色素記録層の光学的特性が変化した部位
(ピットの生成による記録部分)と変化しない部位(未
記録部分)との反射率の違いを検出することにより情報
が再生される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、色素記録層
の形成においては、基板を回転させながら色素記録層を
形成するための溶液を基板上に塗布するようにしてい
る。このとき、溶液が基板の裏面まで回り込むことがあ
り、この場合、その後の工程で、基板の裏面を洗浄する
ようにしている(裏面洗浄工程)。
【0008】また、色素記録層上に光反射層を形成した
後に、基板の周縁部に形成されている色素記録層を液体
の噴射によって除去するようにしている(エッジ洗浄工
程)。この場合、例えば噴射圧力等の条件が悪いと、除
去された色素記録層の飛沫が光反射層の表面や基板の裏
面等に付着し、光情報記録媒体の歩留まりを劣化させる
要因となる。
【0009】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、基板の裏面に回り込んだ色素溶液を洗浄
するという裏面洗浄工程を省略することができ、製造工
程の簡略化を実現させることができる光情報記録媒体の
製造方法を提供することを目的とする。
【0010】また、本発明の他の目的は、基板の周縁部
にある色素記録層を液体の噴射によって除去するエッジ
洗浄工程において、除去された色素記録層の飛沫が光反
射層や基板の裏面等に付着することがなく、光情報記録
媒体の歩留まりを向上させることができる光情報記録媒
体の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に、レ
ーザ光の照射により情報を記録することができる記録層
を有するヒートモード型の光情報記録媒体の製造方法に
おいて、前記基板を回転させながら前記記録層を形成す
るための溶液を前記基板上に塗布する場合に、前記溶液
の塗布量を基板の裏面に溶液が回り込まない程度に制御
して行うことを特徴とする。
【0012】この場合、溶液の塗布量を1cc/秒より
多くすると、溶液が基板の裏面に回り込むことになり、
反対に、溶液の塗布量が少なすぎると、溶液が完全に基
板全体を覆うのに時間がかかるため、溶液の塗布量を
0.05〜0.9cc/秒とすることが好ましく、更に
好ましくは0.1〜0.8cc/秒であり、より好まし
くは0.2〜0.7cc/秒である。
【0013】これにより、基板の裏面に溶液が回り込む
ということがなくなるため、基板の裏面に回り込んだ色
素溶液を洗浄するという裏面洗浄工程を省略することが
でき、製造工程の簡略化を実現させることができる。
【0014】また、本発明は、基板上に、レーザ光の照
射により情報を記録することができる記録層を有するヒ
ートモード型の光情報記録媒体の製造方法において、前
記基板を回転させながら該基板の周縁部における前記記
録層を液体の噴射によって除去する場合に、前記液体を
前記基板の内方における上方から前記基板の周縁部に向
けて噴射させて、前記基板の周縁部における記録層を除
去することを特徴とする。
【0015】この場合、前記液体の噴射時における前記
基板の回転数は、低すぎると、記録層の周縁形状がきた
なくなり、高すぎると、液体が飛び散ってその跳ね返っ
た液体が基板上に付着して記録層にダメージを与えると
いう液体の跳ね返りが生じることになるため、100〜
500rpmが好ましく、更に好ましくは250〜35
0rpmである。
【0016】前記液体の吐出量は、少なすぎると、基板
の周縁部をきれいにすることができず、多すぎると、前
記液体の跳ね返りが生じることになるため、0.2〜
3.0g/秒がよく、好ましくは0.5〜2.0g/秒
であり、更に好ましくは0.8〜1.3g/秒である。
【0017】また、前記液体の噴射時間は、短すぎる
と、基板の周縁部をきれいにすることができず、長すぎ
ると、前記液体の跳ね返りが生じることになるため、前
記噴射ノズルを1本としたとき、0.5〜5秒が好まし
く、更に好ましくは1〜2秒である。
【0018】前記液体の噴射圧力は、低すぎると、基板
の周縁部をきれいにすることができず、高すぎると、前
記液体の跳ね返りが生じることになるため、0.1〜
1.0kgf/cm2 が好ましく、更に好ましくは0.
3〜0.7kgf/cm2 である。
【0019】これにより、基板の周縁部にある色素記録
層を液体の噴射によって除去するエッジ洗浄工程におい
て、除去された色素記録層の飛沫が光反射層や基板の裏
面等に付着することがなく、光情報記録媒体の歩留まり
を向上させることができる。
【0020】そして、前記液体の噴射後に、乾燥を目的
とした基板の回転処理を所定時間行うことが好ましい。
この場合、前記基板の回転数は3000〜8000rp
mが好ましく、更に好ましくは3500〜6000rp
mである。また、前記所定時間は0.2〜4秒が好まし
く、更に好ましくは0.5〜1.5秒である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光情報記録媒
体の製造方法を例えばCD−R等の光ディスクを製造す
るシステムに適用した実施の形態例(以下、単に実施の
形態に係る製造システムと記す)を図1〜図20を参照
しながら説明する。
【0022】本実施の形態に係る製造システム10は、
図1に示すように、例えば射出成形、圧縮成形又は射出
圧縮成形によって基板を作製する2つの成形設備(第1
及び第2の成形設備12A及び12B)と、基板の一主
面上に色素塗布液を塗布して乾燥させることにより、該
基板上に色素記録層を形成する塗布設備14と、基板の
色素記録層上に光反射層を例えばスパッタリングにより
形成し、その後、光反射層上にUV硬化液を塗布した
後、UV照射して前記光反射層上に保護層を形成する後
処理設備16とを有して構成されている。
【0023】第1及び第2の成形設備12A及び12B
は、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形、圧縮
成形又は射出圧縮成形して、一主面にトラッキング用溝
又はアドレス信号等の情報を表す凹凸(グルーブ)が形
成された基板を作製する成形機20と、該成形機20か
ら取り出された基板を冷却する冷却部22と、冷却後の
基板を段積みして保管するためのスタックポール24が
複数本設置された集積部26(スタックポール回転台)
とを有する。
【0024】塗布設備14は、3つの処理部30、32
及び34から構成され、第1の処理部30には、前記第
1及び第2の成形設備12A及び12Bから搬送された
スタックポール24を収容するためのスタックポール収
容部40と、該スタックポール収容部40に収容された
スタックポール24から1枚ずつ基板を取り出して次工
程に搬送する第1の搬送機構42と、該第1の搬送機構
42によって搬送された1枚の基板に対して静電気の除
去を行う静電ブロー機構44とを有する。
【0025】第2の処理部32は、第1の処理部30に
おいて静電ブロー処理を終えた基板を次工程に順次搬送
する第2の搬送機構46と、該第2の搬送機構46によ
って搬送された複数の基板に対してそれぞれ色素塗布液
を塗布する色素塗布機構48と、色素塗布処理を終えた
基板を1枚ずつ次工程に搬送する第3の搬送機構50と
を有する。この色素塗布機構48は6つのスピンコート
装置52を有して構成されている。
【0026】第3の処理部34は、前記第3の搬送機構
50にて搬送された1枚の基板の裏面を洗浄する裏面洗
浄機構54と、裏面洗浄を終えた基板を次工程に搬送す
る第4の搬送機構56と、該第4の搬送機構56によっ
て搬送された基板に対してロット番号等の刻印を行う番
号付与機構58と、ロット番号等の刻印を終えた基板を
次工程に搬送する第5の搬送機構60と、該第5の搬送
機構60によって搬送された基板に対して欠陥の有無並
びに色素記録層の膜厚の検査を行う検査機構62と、該
検査機構62での検査結果に応じて基板を正常品用のス
タックポール64あるいはNG用のスタックポール66
に選別する選別機構68とを有する。
【0027】第1の処理部30と第2の処理部32との
間に第1の仕切板70が設置され、第2の処理部32と
第3の処理部34にも同様の第2の仕切板72が設置さ
れている。第1の仕切板70の下部には、第2の搬送機
構46による基板の搬送経路を塞がない程度の開口(図
示せず)が形成され、第2の仕切板72の下部には、第
3の搬送機構50による基板の搬送経路を塞がない程度
の開口(図示せず)が形成されている。
【0028】後処理設備16は、塗布設備14から搬送
された正常品用のスタックポール64を収容するための
スタックポール収容部80と、該スタックポール収容部
80に収容されたスタックポール64から1枚ずつ基板
を取り出して次工程に搬送する第6の搬送機構82と、
該第6の搬送機構82によって搬送された1枚の基板に
対して静電気の除去を行う第1の静電ブロー機構84
と、静電ブロー処理を終えた基板を次工程に順次搬送す
る第7の搬送機構86と、該第7の搬送機構86によっ
て搬送された基板の一主面に光反射層をスパッタリング
にて形成するスパッタ機構88と、光反射層のスパッタ
リングを終えた基板を次工程に順次搬送する第8の搬送
機構90と、該第8の搬送機構90によって搬送された
基板の周縁(エッジ部分)を洗浄するエッジ洗浄機構9
2とを有する。
【0029】このエッジ洗浄機構92は、図2〜図4に
示すように、基板202を保持して回転させる回転軸6
00と、該回転軸600を一方向に回転させる駆動モー
タ602とを有する回転駆動装置604と、2本の噴射
ノズル606A及び606B(溶剤を噴射させるための
ノズル)が並設されたノズルユニット608と、該ノズ
ルユニット608を支持するアーム610と、ノズルユ
ニット608を初期位置P1から規定の噴射位置P2
(図3参照)に移動させるアーム駆動装置612とを有
して構成されている。
【0030】各噴射ノズル606A及び606Bは、図
4に示すように、鉛直線mに対して約45°の角度θに
維持されている。溶剤620の配管途中には、濾過フィ
ルタが装着されている。また、溶剤620として、例え
ばジアセトンアルコールや1−メトキシ−2−プロパノ
ールなどを使用することができる。
【0031】前記ノズルユニット608が規定の噴射位
置P2にきたとき、図4及び図17Aに示すように、各
噴射ノズル606A及び606Bからの溶剤620が噴
射されることになるが、この場合、溶剤620は基板2
02の内方における上方から基板202の周縁部206
に向けて噴射され、この溶剤620の噴射によって基板
202の周縁部206における色素記録層204が除去
されることになる。この溶剤620の噴射に関する好適
な条件は後述する。
【0032】また、この後処理設備16は、エッジ洗浄
を終えた基板200に対して静電気の除去を行う第2の
静電ブロー機構94と、静電ブロー処理を終えた基板2
02の一主面に対してUV硬化液を塗布するUV硬化液
塗布機構96と、UV硬化液の塗布を終えた基板202
を高速に回転させて基板202上のUV硬化液の塗布厚
を均一にするスピン機構98と、UV硬化液の塗布及び
スピン処理を終えた基板202に対して紫外線を照射す
ることによりUV硬化液を硬化させて基板202の一主
面に保護層210を形成するUV照射機構100と、前
記基板202を第2の静電ブロー機構94、UV硬化液
塗布機構96、スピン機構98及びUV照射機構100
にそれぞれ搬送する第9の搬送機構102と、UV照射
された基板202を次工程に搬送する第10の搬送機構
104と、該第10の搬送機構104によって搬送され
た基板202に対して塗布面と保護層面の欠陥を検査す
るための欠陥検査機構106と、基板202に形成され
たグルーブによる信号特性を検査するための特性検査機
構108と、これら欠陥検査機構106及び特性検査機
構108での検査結果に応じて基板202を正常品用の
スタックポール110あるいはNG用のスタックポール
112に選別する選別機構114とを有する。
【0033】ここで、1つのスピンコート装置52の構
成について図5〜図9を参照しながら説明する。
【0034】このスピンコート装置52は、図5及び図
6に示すように、塗布液付与装置400、スピナーヘッ
ド装置402及び飛散防止壁404を有して構成されて
いる。塗布液付与装置400は、塗布液が充填された加
圧タンク(図示せず)と、該加圧タンクからノズル40
6に引き回されたパイプ(図示せず)と、ノズル406
から吐出される塗布液の量を調整するための吐出量調整
バルブ408とを有し、塗布液は前記ノズル406を通
してその所定量が基板202の表面上に滴下されるよう
になっている。この塗布液付与装置400は、ノズル4
06を下方に向けて支持する支持板410と該支持板4
10を水平方向に旋回させるモータ412とを有するハ
ンドリング機構414によって、待機位置から基板20
2の上方の位置に旋回移動できるように構成されてい
る。
【0035】スピナーヘッド装置402は、前記塗布液
付与装置400の下方に配置されており、着脱可能な固
定具420により、基板202が水平に保持されると共
に、駆動モータ(図示せず)により軸回転が可能とされ
ている。
【0036】スピナーヘッド装置402による水平に保
持された状態で回転している基板202上に、上記の塗
布液付与装置400のノズル406から滴下した塗布液
は、基板202の表面上を外周側に流延する。そして、
余分の塗布液は基板202の外周縁部で振り切られ、そ
の外側に放出され、次いで塗膜が乾燥されることによ
り、基板202の表面上に塗膜(色素記録層204)が
形成される。
【0037】飛散防止壁404は、基板202の外周縁
部から外側に放出された余分の塗布液が周辺に飛散する
のを防止するために設けられており、上部に開口422
が形成されるようにスピナーヘッド装置402の周囲に
配置されている。飛散防止壁404を介して集められた
余分の塗布液はドレイン424を通して回収されるよう
になっている。
【0038】また、第2の処理部32(図1参照)にお
ける各スピンコート装置52の局所排気は、前記飛散防
止壁404の上方に形成された開口422から取り入れ
た空気を基板202の表面上に流通させた後、各スピナ
ーヘッド装置402の下方に取り付けられた排気管42
6を通じて排気されるようになっている。
【0039】塗布液付与装置400のノズル406は、
図7及び図8に示すように、軸方向に貫通孔430が形
成された細長い円筒状のノズル本体432と、該ノズル
本体432を支持板410(図6参照)に固定するため
の取付部434を有する。ノズル本体432は、その先
端面及びその先端面から1mm以上の範囲の外側又は内
側、あるいは両方の壁面がフッ素化合物からなる表面を
有する。このフッ素化合物としては、例えばポリテトラ
フルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン含有物
等を使用することができる。
【0040】この実施の形態で用いられる好ましいノズ
ル406の例としては、例えば、図8に示すように、ノ
ズル本体432の先端面及びその先端面から1mm以上
の範囲をフッ素化合物を用いて形成したノズル406
や、図9に示すように、ノズル本体432の先端面44
0及びその先端面440から1mm以上の範囲の外側又
は内側、あるいは両方の壁面442及び444をフッ素
化合物を用いて被覆したノズル406を挙げることがで
きる。
【0041】ノズル本体432の先端面及びその先端面
から1mm以上の範囲をフッ素化合物で形成する場合、
強度などを考慮すると、実用的には、例えばノズル本体
432をステンレススチールで形成し、ノズル本体43
2の先端面及びその先端面から最大で5mmの範囲をフ
ッ素化合物で形成することが好ましい。
【0042】また、図9に示すように、ノズル本体43
2の先端面440及びその先端面440から1mm以上
の範囲の外側又は内側、あるいは両方の壁面442及び
444をフッ素化合物で被覆する場合、ノズル本体43
2の先端面440から10mm以上、更に好ましくは、
ノズル本体432の全領域をフッ素化合物で被覆するこ
とが好ましい。被覆する場合のその厚みは、特に制限は
ないが、5〜500μmの範囲が適当である。また、ノ
ズル本体432の材質としては、上記のように、ステン
レススチールが好ましい。ノズル本体432に形成され
た貫通孔430の径は一般に0.5〜1.0mmの範囲
である。
【0043】更に、前記製造システム10は、図1に示
すように、塗布設備14の第2の処理部32と並行して
空調システム300が設置されると共に、図10及び図
11に示すように、第1の処理部30と第3の処理部3
4の各天井にそれぞれ高性能充填層フィルタ(HEPA
フィルタ)700及び702を介して空調機704及び
706が設置されている。
【0044】空調機704及び706は、第1及び第3
の処理部30及び34に対してそれぞれ清浄な空気を送
り込むことにより、第1及び第3の処理部30及び34
内の温度をコントロールできるようになっている。
【0045】一方、空調システム300は、図10及び
図15に示すように、前記塗布設備14に対して清浄な
空気caを送り込む空気調和機302と、外気eaを取
り入れて除湿を行い、一次空気a1として出力する除湿
機304と、塗布設備14からの一部の排気(局所排
気)daを上位の排気系統に送る排気装置306(図1
3参照)とを有して構成されている。前記局所排気da
としては、例えば塗布設備14の色素塗布機構48にお
ける6つのスピンコート装置52からの排気が挙げられ
る。
【0046】一方、前記空調システム300は、図10
及び図11に示すように、除湿機304と空気調和機3
02との間に、除湿機304から出力される一次空気a
1を空気調和機302に送出するためのダクト310が
設けられ、図13に示すように、塗布設備14の色素塗
布機構48における前記6つのスピンコート装置52の
各排気側と排気装置306との間に上述した排気管42
6が設けられている。
【0047】空気調和機302と塗布設備14との間に
は、空気調和機302から出力される清浄な空気caを
塗布設備14に給気させるための複数本(図示の例では
4本)の給気ダクト320a〜320dと、塗布設備1
4における前記局所排気da以外の排気raを空気調和
機302に帰還させるための複数本(図示の例では8
本)のリターンダクト322が設置されている。
【0048】また、空気調和機302は、外気eaを取
り入れるための導入口710が設置され、該導入口71
0にはプレフィルタ712が取り付けられている。通常
の空調制御(低湿制御でない場合)においては、この導
入口710から取り入れられた空気が一次空気として空
気調和機302に供給されるようになっている。
【0049】前記除湿機304は、低湿制御のときに使
用され、図10及び図11に示すように、外気eaを取
り入れるための導入口324が設置され、該導入口32
4にはプレフィルタ326が取り付けられている。従っ
て、導入口324を通じて導入された外気eaは、前記
プレフィルタ326によってほこりや塵芥等が除去され
て、除湿機304の内部に取り入れられ、該除湿機30
4内において除湿処理が行われる。除湿された外気は一
次空気として後段の空気調和機302に供給される。
【0050】空気調和機302は、図15に示すよう
に、除湿機304あるいは導入口710からの一次空気
a1と塗布設備14からの排気(局所排気以外の排気)
raを混合して混合空気haとして出力する混合機33
0と、該混合機330から出力される混合空気haに対
して加湿処理を行って二次空気a2として出力する2つ
の加湿機332a及び332bと、これら2つの加湿機
332a及び332bからの二次空気a2を塗布設備1
4に給気する4つの送風機334a〜334dとを有し
て構成されている。
【0051】加湿機332a及び332bは、その内部
に、前記一次空気a1に対して水蒸気化した水分を加え
るための加熱板336を有する。この加熱板336には
純水が張られている。この場合の純水としては、比抵抗
が0.15MΩ(室温)以上の純水が適当であり、好ま
しくは比抵抗が1.5MΩ(室温)以上、より好ましく
は比抵抗が15MΩ(室温)以上の純水を使用すること
ができる。この実施の形態では、比抵抗が2MΩ(室
温)の純水を使用した。
【0052】前記純水を得る方法としては、例えば蒸留
やイオン交換樹脂を用いる方法などがあるが、不純物の
除去効率の点などからみてイオン交換樹脂を用いる方法
が好ましい。
【0053】一方、図10及び図11に示すように、塗
布設備14への給気経路のうち、塗布設備14の上部に
は4つの高性能充填層フィルタ(HEPAフィルタ)3
40a〜340dが設置されている。また、4つの送風
機334a〜334dからそれぞれ対応する4本の給気
ダクト320a〜320dの間には、それぞれ指向板3
42a〜342dが設置されている。これらの指向板3
42a〜342dのうち、図10中、最も右側に位置す
る第1の送風機334aに対応する第1の指向板342
aは、第2の給気ダクト320bを通じて第2の処理部
32(図1参照)に給気される送風量が第1の処理部3
0への送風量よりも多くなるように斜め向きに設置さ
れ、図10中、最も左側に位置する第4の送風機334
dに対応する第4の指向板342dは、第3の給気ダク
ト320cを通じて第2の処理部32に給気される送風
量が第3の処理部34への送風量よりも多くなるように
斜め向きに設置されている。
【0054】また、第2の送風機334bに対応する第
2の指向板342bは、第3の給気ダクト320cを通
じて第2の処理部32に給気される送風量が第2の給気
ダクト320bを通じて第2の処理部32への送風量よ
りも多くなるように斜め向きに設置され、第3の送風機
334cに対応する第3の指向板342cは、第2の給
気ダクト320bを通じて第2の処理部32に給気され
る送風量が第3の給気ダクト320cを通じて第2の処
理部32への送風量よりも多くなるように斜め向きに設
置されている。
【0055】即ち、第2及び第3の給気バルブ320b
及び320cを通じて第2の処理部32に給気される送
風量が、第1の給気バルブ320aを通じて第1の処理
部30に給気する送風量並びに第4の給気バルブ320
dを通じて第3の処理部34に給気する送風量よりも多
くなるように、前記第1〜第4の指向板342a〜34
2dの向きが設定されている。
【0056】塗布設備14の上部において、4本の給気
ダクト320a〜320dとそれぞれ対応するHEPA
フィルタ340a〜340dとの間にも、それぞれ指向
板344a〜344dが設置されている。これらの指向
板344a〜344dのうち、図10中、最も右側に位
置する第1のHEPAフィルタ340aに対応する第1
の指向板344aは、第1の給気ダクト320aを通じ
て給気される清浄な空気caが第2の処理部32側に指
向されるように斜めに設置され、図10中、最も左側に
位置する第4のHEPAフィルタ340dに対応する第
4の指向板344dは、第4の給気ダクト320dを通
じて給気される清浄な空気caが第2の処理部32側に
指向されるように斜めに設置されている。
【0057】また、第2のHEPAフィルタ340bに
対応する第2の指向板344bは、第2の給気ダクト3
20bを通じて給気される清浄な空気caが第2の処理
部32にすべて給気されるのを抑える方向に斜め向きに
設置され、第3のHEPAフィルタ340cに対応する
第3の指向板344cは、第3の給気ダクト320cを
通じて給気される清浄な空気caが第2の処理部32に
すべて給気されるのを抑える方向に斜め向きに設置され
ている。
【0058】これら空気調和機302側の4つの指向板
342a〜342dの向きと塗布設備14側の4つの指
向板344a〜344dの向きによって、塗布設備14
の中央に配される第2の処理部32に給気される送風量
がその周辺部に配される第1及び第3の処理部30及び
34に給気される送風量よりも多くなり、これにより、
第2の処理部32における雰囲気中の圧力が、第1及び
第3の処理部30及び34における各雰囲気中の圧力よ
りも高くなる。
【0059】つまり、送風経路に上述のような複数の指
向板を設けることにより、空気調和機302で加湿され
た空気中の水分を均等にミキシングし、第2の処理部3
2における各スピンコート装置52での湿度のばらつき
を軽減させることができ、しかも、各スピンコート装置
52における下向きの風速に関し、各スピンコート装置
52間での風速差をなくすことができる。
【0060】また、図1に示すように、第1及び第2の
処理部30及び32間に第1の仕切板70を設け、第2
及び第3の処理部32及び34間に第2の仕切板72を
設けるようにしているため、第1の処理部30から第2
の処理部32への空気の回り込み並びに第3の処理部3
4から第2の処理部32への空気の回り込みがなくな
り、第2の処理部32における雰囲気中の圧力が、第1
及び第3の処理部30及び34における各雰囲気中の圧
力よりも高い状態を維持させることができる。
【0061】即ち、空気調和機302側の4つの指向板
342a〜342dと塗布設備14側の4つの指向板3
44a〜344d、並びに前記第1及び第2の仕切板7
0及び72は、第2の処理部32における雰囲気中の圧
力を第1及び第3の処理部30及び34における各雰囲
気中の圧力よりも高い状態にするための送風量制御手段
として機能することになる。
【0062】次に、排気装置306は、図13及び図1
4に示すように、外筐がほぼ直方体状に形成され、内部
が気密化されたバッファボックス500を有する。この
バッファボックス500内には、塗布設備14における
6つのスピンコート装置52に対応して6つの排気ブロ
ア502が設けられている。
【0063】また、6つのスピンコート装置52と対応
する排気ブロア502との間には、例えばバタフライ弁
504とシャッタ506とで構成された排気量調節弁機
構508と、排気量を電気的に検出するための排気量セ
ンサ510が設置され、排気量の調整によって塗膜の乾
燥条件を適宜変更できるようになっている。
【0064】前記バッファボックス500の後段には上
位の排気系統520が接続されている。この上位の排気
系統520は、図13に示すように、この塗布設備14
の排気のほか、成形設備や後処理設備、その他の各種製
造設備の排気が屋外に設置された屋外ブロア522を通
じて行われるようになっている。
【0065】上位の排気系統520における多数の排気
管のうち、塗布設備用に割り当てられた6本の排気管5
24は、それぞれバッファボックス500に接続されて
いる。そして、この実施の形態では、図14に示すよう
に、上位の排気系統520から塗布設備14に延びる6
本の排気管524と、排気ブロア502から導出された
6本の排気管426とは、バッファボックス500内に
おいてそれぞれ分離されている。なお、上位の排気系統
520から塗布設備14に延びる6本の排気管520に
はそれぞれバタフライ弁526が設置され、上位の排気
系統520への排気量を調整できるようになっており、
また、屋外ブロア522の前段と後段にはそれぞれバタ
フライ弁528及び530が設置されて、屋外への排気
量を調整できるようになっている。
【0066】次に、この製造システム10によって光デ
ィスクDを製造する過程について図16A〜図20も参
照しながら説明する。
【0067】まず、第1及び第2の成形設備12A及び
12Bにおける成形機20において、ポリカーボネート
などの樹脂材料が射出成形、圧縮成形又は射出圧縮成形
されて、図16Aに示すように、一主面にトラッキング
用溝又はアドレス信号等の情報を表す凹凸(グルーブ)
200が形成された基板202が作製される。
【0068】前記基板202の材料としては、例えばポ
リカーボネート、ポリメタルメタクリレート等のアクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化
ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフ
ィン及びポリエステルなどを挙げることができ、所望に
よりそれらを併用してもよい。上記の材料の中では、耐
湿性、寸法安定性及び価格などの点からポリカーボネー
トが好ましい。また、グルーブの深さは、0.01〜
0.3μmの範囲であることが好ましく、その半値幅
は、0.2〜0.9μmの範囲であることが好ましい。
【0069】成形機20から取り出された基板202
は、後段の冷却部22において冷却された後、一主面が
下側に向けられてスタックポール24に積載される。ス
タックポール24に所定枚数の基板202が積載された
段階で、スタックポール24はこの成形設備12A及び
12Bから取り出されて、次の塗布設備14に搬送さ
れ、該塗布設備14におけるスタックポール収容部40
に収容される。この搬送は、台車で行ってもよいし、自
走式の自動搬送装置で行うようにしてもよい。
【0070】スタックポール24がスタックポール収容
部40に収容された段階で、第1の搬送機構42が動作
し、スタックポール24から1枚ずつ基板202を取り
出して、後段の静電ブロー機構44に搬送する。静電ブ
ロー機構44に搬送された基板202は、該静電ブロー
機構44において静電気が除去された後、第2の搬送機
構46を介して次の色素塗布機構48に搬送され、6つ
のスピンコート装置52のうち、いずれか1つのスピン
コート装置52に投入される。スピンコート装置52に
投入された基板202は、その一主面上に色素塗布液が
塗布された後、高速に回転されて塗布液の厚みが均一に
された後、乾燥処理が施される。これによって、図16
Bに示すように、基板202の一主面上に色素記録層2
04が形成されることになる。
【0071】即ち、スピンコート装置52に投入された
基板202は、図5に示すスピナーヘッド装置402に
装着され、固定具420により水平に保持される。次
に、加圧式タンクから供給された塗布液は、吐出調整用
バルブ408によって所定量が調整され、基板202上
の内周側にノズル406を通して滴下される。
【0072】このノズル406は、上述したように、ノ
ズル本体432の先端面及びその先端面から1mm以上
の範囲の外側又は内側、あるいは両方の壁面がフッ素化
合物からなる表面を有しているため、塗布液の付着が生
じにくく、また、これが乾燥して色素の析出やその堆積
物が生じにくく、従って、塗膜を塗膜欠陥などの障害を
伴うことなくスムーズに形成させることができる。
【0073】なお、塗布液としては色素を適当な溶剤に
溶解した色素溶液が用いられる。塗布液中の色素の濃度
は一般に0.01〜15重量%の範囲にあり、好ましく
は0.1〜10重量%の範囲、特に好ましくは0.5〜
5重量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3重量%の範
囲にある。
【0074】駆動モータによってスピナーヘッド装置は
高速回転が可能である。基板202上に滴下された塗布
液は、スピナーヘッド装置402の回転により、基板2
02の表面上を外周方向に流延し、塗膜を形成しながら
基板202の外周縁部に到達する。
【0075】特に、本実施の形態では、図20に示すよ
うな処理手順で基板202上に色素溶液を塗布する。ま
ず、図20のステップS1において、基板202を回転
数=約270rpmまで上昇させると同時に、塗布液付
与装置400における支持板410(図6参照)を水平
方向に回転させてノズル406を基板202の半径46
mmの位置までもっていく。
【0076】その後、ステップS2において、基板20
2の回転数を270rpmとしたまま、色素溶液の塗布
を開始し、その状態で支持板410を水平方向に回転さ
せてノズル406を半径23mmの位置まで約2秒で移
動させる。
【0077】次に、ステップS3において、色素溶液の
塗布を行いながら、支持板410を水平方向に回転させ
てノズル406を半径40mmの位置まで約3秒かけて
移動させ、同時に基板202の回転数を550rpmま
で上昇させる。
【0078】その後、ステップS4において、色素溶液
の塗布を停止し、支持板410を水平方向に回転させて
ノズル406を元の位置(初期状態)に戻す。
【0079】次に、ステップS5において、基板202
の回転数を630rpmまで6秒かけて上昇させる。
【0080】その後、ステップS6において、基板20
2の回転数を6.3秒かけて1400rpmまで上昇さ
せる。
【0081】そして、ステップS7において、基板20
2の回転数を1.7秒かけて2200rpmまで上昇さ
せ、その後、基板202の回転数(=2200rpm)
を5秒間維持させる。
【0082】ステップS5〜ステップS7での回転数の
上昇によって、基板202の外周縁部に達した余分な塗
布液は、更に遠心力により振り切られ、基板202の縁
部の周囲に飛散する。飛散した余分な塗布液は、図5及
び図6に示すように、飛散防止壁404に衝突し、更に
その下方に設けられた受皿に集められた後、ドレイン4
24を通して回収される。塗膜の乾燥はその形成過程及
び塗膜形成後に行われる。塗膜(色素記録層)の厚み
は、一般に20〜500nmの範囲に、好ましくは50
〜300nmの範囲に設けられる。
【0083】また、上述のステップS1〜ステップS7
における色素塗布処理においては、前記空調システム3
00において、塗布設備14に送り込む清浄な空気の風
速を約0.4m/sec以下に設定している。つまり、
基板202の色素塗布面に対する空調風速を約0.4m
/sec以下に設定するようにしている。
【0084】前記ステップS7での処理が終了した段階
で、基板202の回転を停止させて基板202に対する
色素溶液の塗布処理が終了する。
【0085】ここで、色素記録層204に用いられる色
素は特に限定されない。使用可能な色素の例としては、
シアニン系色素、フタロシアニン系色素、イミダゾキノ
キサリン系色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色
素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、N
i、Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、
アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、イン
ドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、メロシ
アニン系色素、オキソノール系色素、アミニウム系・ジ
インモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙げることが
できる。これらの色素のうちでは、シアニン系色素、フ
タロシアニン系色素、アズレニウム系色素、スクワリリ
ウム系色素、オキソノール系色素及びイミダゾキノキサ
リン系色素が好ましい。
【0086】色素記録層204を形成するための塗布剤
の溶剤の例としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテー
トなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロル
メタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの
塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;
シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、
エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,
2,3,3−テトラフロロ−1−プロパノールなどのフ
ッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル
類などを挙げることができる。
【0087】前記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮し
て単独または二種以上を適宜併用することができる。好
ましくは、2,2,3,3−テトラフロロ−1−プロパ
ノールなどのフッ素系溶剤である。なお、塗布液中に
は、所望により退色防止剤や結合剤を添加してもよい
し、更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、そして潤滑
剤など各種の添加剤を、目的に応じて添加してもよい。
【0088】退色防止剤の代表的な例としては、ニトロ
ソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩
を挙げることができる。これらの例は、例えば、特開平
2−300288号、同3−224793号、及び同4
−146189号等の各公報に記載されている。
【0089】結合剤の例としては、ゼラチン、セルロー
ス誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機
高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・
ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹
脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポ
キシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・
ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物な
どの合成有機高分子を挙げることができる。
【0090】結合剤を使用する場合に、結合剤の使用量
は、色素100重量部に対して、一般に20重量部以下
であり、好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5
重量部以下である。
【0091】なお、色素記録層204が設けられる側の
基板202の表面には、平面性の改善、接着力の向上お
よび色素記録層204の変質防止などの目的で、下塗層
が設けられてもよい。
【0092】下塗層の材料としては例えば、ポリメチル
メタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、
スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ
ール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニ
ルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、
ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフ
ィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビ
ニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子
物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤を
挙げることができる。
【0093】下塗層は、前記物質を適当な溶剤に溶解ま
たは分散して塗布液を調整した後、この塗布液をスピン
コート、ディップコート、エクストルージョンコートな
どの塗布法を利用して基板表面に塗布することにより形
成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005
〜20μmの範囲、好ましくは0.01〜10μmの範
囲で設けられる。
【0094】色素記録層204が形成された基板202
は、第3の搬送機構50を介して次の裏面洗浄機構54
に搬送され、基板202の一主面の反対側の面(裏面)
が洗浄される。
【0095】前記色素溶液の塗布工程において、色素溶
液の塗布量を1cc/秒以上にした場合、図18Aに示
すように、色素溶液が基板202の裏面に回り込んで、
該基板202の上面から裏面にかけて色素記録層204
が形成されることになるため、図18Bに示すように、
前記塗布工程の後に、基板202の裏面に噴射ノズル6
22を位置させ、該噴射ノズル622から溶剤624を
噴射させて、前記基板202の裏面に形成された色素記
録層204を除去する必要がある。即ち、裏面洗浄機構
54による裏面洗浄工程が必要となる。
【0096】しかし、前記色素溶液の塗布量として、
0.05〜0.9cc/秒の範囲に設定すると、基板2
02の裏面に色素溶液が回り込むということがなくなる
ため、基板202の裏面に形成された色素記録層204
を洗浄するという裏面洗浄工程を省略することができ、
製造工程の簡略化を実現させることができる。
【0097】このように、色素溶液の塗布量としては、
上述の0.05〜0.9cc/秒が好ましく、更に好ま
しくは0.1〜0.8cc/秒であり、より好ましくは
0.2〜0.7cc/秒である。色素溶液の塗布量を
0.05cc/秒よりも少なくすると、溶液が完全に基
板全体を覆うのに時間がかかるため、単位時間に生産さ
れる処理数(スループット)が低下することとなる。
【0098】なお、図19に示すように、エッジ洗浄用
の噴射ノズル606と裏面洗浄用の噴射ノズル622を
用意して、エッジ洗浄と裏面洗浄とを同時に行う方法が
考えられるが、一度に噴射させる溶剤620及び624
の量が多くなり、また、エッジ洗浄によって除去された
色素記録層204の飛沫と裏面洗浄によって除去された
色素記録層204の飛沫とがぶつかり合って、これら飛
沫が四方八方に飛散し、基板202上に形成された色素
記録層204や基板202の裏面にこれら飛沫が付着す
るという問題が生じる。これを防止するための最適な条
件を導き出すことは非常に困難であり、現実的ではな
い。
【0099】一方、前記色素溶液の塗布工程を終えた基
板202は、第4の搬送機構56を介して次の番号付与
機構58に搬送され、基板202の一主面又は裏面に対
してロット番号等の刻印が行われる。
【0100】その後、基板202は、第5の搬送機構6
0を介して次の検査機構62に搬送され、基板202の
欠陥の有無や色素記録層204の膜厚の検査が行われ
る。この検査は、基板202の裏面から光を照射してそ
の光の透過状態を例えばCCDカメラで画像処理するこ
とによって行われる。この検査機構62での検査結果は
次の選別機構68に送られる。
【0101】上述の検査処理を終えた基板202は、そ
の検査結果に基づいて選別機構68によって正常品用の
スタックポール64か、NG用のスタックポール66に
搬送選別される。
【0102】正常品用のスタックポール64に所定枚数
の基板202が積載された段階で、正常品用のスタック
ポール64はこの塗布設備14から取り出されて、次の
後処理設備16に搬送され、該後処理設備16のスタッ
クポール収容部80に収容される。この搬送は、台車で
行ってもよいし、自走式の自動搬送装置で行うようにし
てもよい。
【0103】正常品用のスタックポール64がスタック
ポール収容部80に収容された段階で、第6の搬送機構
82が動作し、スタックポール64から1枚ずつ基板2
02を取り出して、後段の第1の静電ブロー機構84に
搬送する。第1の静電ブロー機構84に搬送された基板
202は、該第1の静電ブロー機構84において静電気
が除去された後、第7の搬送機構86を介して次のスパ
ッタ機構88に搬送される。
【0104】スパッタ機構88に投入された基板202
は、図16Cに示すように、その一主面中、周縁部(エ
ッジ部分)206を除く全面に光反射層208がスパッ
タリングによって形成される。
【0105】光反射層208の材料である光反射性物質
はレーザ光に対する反射率が高い物質であり、その例と
しては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、
Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、A
u、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、T
e、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属ある
いはステンレス鋼を挙げることができる。
【0106】これらのうちで好ましいものは、Cr、N
i、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼で
ある。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは
二種以上を組み合わせて用いてもよい。または合金とし
て用いてもよい。特に好ましくはAgもしくはその合金
である。
【0107】光反射層208は、例えば、前記光反射性
物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティン
グすることにより記録層の上に形成することができる。
反射層の層厚は、一般的には10〜800nmの範囲、
好ましくは20〜500nmの範囲、更に好ましくは5
0〜300nmの範囲で設けられる。
【0108】光反射層208が形成された基板202
は、第8の搬送機構90を介して次のエッジ洗浄機構9
2に搬送され、図17Aに示すように、エッジ洗浄機構
92における噴射ノズル606A及び606Bから噴射
された溶剤620によって、基板202の一主面中、エ
ッジ部分206が洗浄されて、該エッジ部分206に形
成されていた色素記録層204が除去される。
【0109】ここで、前記エッジ洗浄における最適な条
件について説明する。まず、前記溶剤620の噴射時に
おける前記基板202の回転数は、低すぎると、色素記
録層204の周縁形状がきたなくなり、高すぎると、溶
剤620が飛び散ってその跳ね返った溶剤620が基板
202上に付着して色素記録層204にダメージを与え
るという溶剤620の跳ね返りが生じることになるた
め、100〜500rpmが好ましく、更に好ましくは
250〜350rpmである。
【0110】溶剤620の吐出量は、少なすぎると、基
板202の周縁部206をきれいにすることができず、
多すぎると、前記溶剤620の跳ね返りが生じることに
なるため、0.2〜3.0g/秒がよく、好ましくは
0.5〜2.0g/秒であり、更に好ましくは0.8〜
1.3g/秒である。
【0111】また、溶剤620の噴射時間は、短すぎる
と、基板202の周縁部206をきれいにすることがで
きず、長すぎると、前記溶剤620の跳ね返りが生じる
ことになるため、前記噴射ノズル606を1本としたと
き、0.5〜5秒が好ましく、更に好ましくは1〜2秒
である。本実施の形態では、2本の噴射ノズル606A
及び606Bを使用しているため、噴射時間を1/2に
短縮することができる。
【0112】溶剤620の噴射圧力は、低すぎると、基
板202の周縁部206をきれいにすることができず、
高すぎると、前記溶剤620の跳ね返りが生じることに
なるため、0.1〜1.0kgf/cm2 が好ましく、
更に好ましくは0.3〜0.7kgf/cm2 である。
【0113】これにより、基板202の周縁部206に
ある色素記録層204を溶剤620の噴射によって除去
するエッジ洗浄工程において、除去された色素記録層2
04の飛沫が光反射層208や基板202の裏面等に付
着することがなく、光ディスクDの歩留まりを向上させ
ることができる。
【0114】そして、溶剤620の噴射後に、乾燥を目
的とした基板202の回転処理を所定時間行うことが好
ましい。この場合、基板202の回転数は3000〜8
000rpmが好ましく、更に好ましくは3500〜6
000rpmである。また、前記所定時間は0.2〜4
秒が好ましく、更に好ましくは0.5〜1.5秒であ
る。
【0115】前記エッジ洗浄の後、基板202は、第9
の搬送機構102を介して次の第2の静電ブロー機構9
4に搬送され、静電気が除去される。
【0116】その後、基板202は、同じく前記第9の
搬送機構102を介してUV硬化液塗布機構96に搬送
され、基板202の一主面の一部分にUV硬化液が滴下
される。その後、基板202は、同じく前記第9の搬送
機構102を介して次のスピン機構98に搬送され、高
速に回転されることにより、基板202上に滴下された
UV硬化液の塗布厚が基板全面において均一にされる。
【0117】この実施の形態においては、前記光反射層
208の成膜後から前記UV硬化液の塗布までの時間が
2秒以上、5分以内となるように時間管理されている。
【0118】その後、基板202は、同じく前記第9の
搬送機構102を介して次のUV照射機構100に搬送
され、基板202上のUV硬化液に対して紫外線が照射
される。これによって、図17Bに示すように、基板2
02の一主面上に形成された色素記録層204と光反射
層208を覆うようにUV硬化樹脂による保護層210
が形成されて光ディスクDとして構成されることにな
る。
【0119】保護層210は、色素記録層204などを
物理的及び化学的に保護する目的で光反射層208の上
に設けられる。保護層210は、基板202の色素記録
層204が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高
める目的で設けることができる。保護層210で使用さ
れる材料としては、例えば、SiO、SiO2 、MgF
2 、SnO2 、Si3 4 等の無機物質、及び熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、そしてUV硬化性樹脂等の有機物
質を挙げることができる。
【0120】保護層210は、例えば、プラスチックの
押出し加工で得られたフィルムを接着剤を介して光反射
層208上及び/又は基板202上にラミネートするこ
とにより形成することができる。あるいは真空蒸着、ス
パッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。
また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これら
を適当な溶剤に溶解して塗布液を調整したのち、この塗
布液を塗布し、乾燥することによっても形成することが
できる。
【0121】UV硬化性樹脂の場合には、上述したよう
に、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調
整したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化
させることによって形成することができる。これらの塗
布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤
等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層
210の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲で設
けられる。
【0122】その後、光ディスクDは、第10の搬送機
構104を介して次の欠陥検査機構106と特性検査機
構108に搬送され、色素記録層204の面と保護層2
10の面における欠陥の有無や光ディスクDの基板20
2に形成されたグルーブ200による信号特性が検査さ
れる。これらの検査は、光ディスクDの両面に対してそ
れぞれ光を照射してその反射光を例えばCCDカメラで
画像処理することによって行われる。これらの欠陥検査
機構106及び特性検査機構108での各検査結果は次
の選別機構114に送られる。
【0123】上述の欠陥検査処理及び特性検査処理を終
えた光ディスクDは、各検査結果に基づいて選別機構1
14によって正常品用のスタックポール110か、NG
用のスタックポール112に搬送選別される。
【0124】正常品用のスタックポール110に所定枚
数の光ディスクDが積載された段階で、該スタックポー
ル110が後処理設備16から取り出されて図示しない
ラベル印刷工程に投入される。
【0125】このように、本実施の形態に係る製造シス
テム10においては、色素溶液の塗布工程において、色
素溶液の塗布量を基板202の裏面に溶液が回り込まな
い程度に制御して行うようにしたので、基板202の裏
面に溶液が回り込むということがなくなる。その結果、
基板202の裏面に形成された色素記録層を洗浄すると
いう裏面洗浄工程を省略することができ、製造工程の簡
略化を実現させることができる。
【0126】また、本実施の形態に係る製造システム1
0においては、エッジ洗浄工程において、溶剤620を
基板202の内方における上方から基板202の周縁部
206に向けて噴射させて、基板202の周縁部206
における色素記録層204を除去するようにしたので、
除去された色素記録層204の飛沫が光反射層208や
基板202の裏面等に付着することがなくなり、光ディ
スクDの歩留まりを向上させることができる。
【0127】ここで、その他の条件の好ましい態様につ
いて説明する。まず、色素記録層204を形成するため
の色素溶液に含まれる色素としては、下記の一般式
(1)で表されるベンゾインドレニン骨格を有するシア
ニン系色素化合物であることが好ましい。
【0128】
【化1】
【0129】式中、R1 及びR2 は、同じあるいは異な
っていてもよい一価の置換基であれば何でもよいが、好
ましくは直鎖あるいは分岐のエーテル、エステル結合を
含む、あるいは含まないアルキル基であり、その中でも
特にアルキル基が好ましい。炭素数は1〜18までであ
れば何でもよいが、好ましくは1〜12、更に好ましく
は1〜4である。
【0130】式中、R3 は、置換基であれば何でもよい
が、好ましくは水素、炭素数が1〜16のアルキル基、
ハロゲン、アラルキル基であり、特に好ましくはCH3
である。
【0131】式中、R4 からR9 は、同じあるいは異な
っていてもよい水素あるいは一価の炭化水素基であれば
何でもよいが、好ましくは水素、炭素数8以下のアルキ
ル鎖、その中で特に好ましくは水素、アルキル基、ハロ
ゲン、アラルキル基であり、特に好ましくはCH3 であ
る。
【0132】また、前記色素溶液に含まれる退色防止剤
としては、下記の一般式(2)で表される化合物が好ま
しい。
【0133】
【化2】
【0134】式中、R10及びR11は、同じあるいは異な
っていてもよい一価の置換基であれば何でもよいが、好
ましくはアルキル鎖であり、その中でも炭素数が4以下
のものが特に好ましい。
【0135】前記基板202上に色素溶液を塗布する際
の色素吐出量は0.3cc〜5ccであることが好まし
く、特に好ましくは0.5cc〜2ccである。色素溶
液を塗布する際の温度は10℃〜50℃の範囲であれば
何でもよいが、好ましくは15℃〜35℃であり、更に
好ましくは20℃〜25℃である。この場合の温度変動
は±8℃であり、好ましくは±4℃、更に好ましくは±
2℃である。
【0136】色素溶液を塗布する際の湿度は25%RH
〜65%RHの範囲であり、好ましくは35%RH〜6
0%RH、更に好ましくは45%RH〜55%RHであ
る。この場合の湿度変動は±8%RHであり、好ましく
は±4%RH、更に好ましくは±2%RHである。
【0137】基板202に形成される色素記録層204
の膜厚変動は、正規の膜厚に対して±30%であり、好
ましくは±20%、更に好ましくは±15%である。
【0138】また、基板202の保存中におけるクリー
ン度はクラス20万以下であり、好ましくはクラス10
万以下、更に好ましくはクラス5万以下である。この場
合、基板202の保存中における温度変動は±15℃で
あり、好ましくは±10℃、更に好ましくは±5℃であ
る。
【0139】また、色素記録層204上に形成される光
反射層208は、反射率が70%以上ある反射膜であれ
ば何でもよいが、好ましくは金あるいは銀を含有した反
射膜、その中でも主成分が銀あるいは金の反射膜が特に
好ましい。光反射層208の厚みは10nm以上、80
0nm以下であり、20nm以上、500nm以下が好
ましい。
【0140】なお、この発明に係る光情報記録媒体の製
造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨
を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもち
ろんである。
【0141】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る光情
報記録媒体の製造方法によれば、基板の裏面に回り込ん
だ色素溶液を洗浄するという裏面洗浄工程を省略するこ
とができ、製造工程の簡略化を実現させることができ
る。
【0142】また、本発明に係る光情報記録媒体の製造
方法によれば、基板の周縁部にある色素記録層を液体の
噴射によって除去するエッジ洗浄工程において、除去さ
れた色素記録層の飛沫が光反射層や基板の裏面等に付着
することがなく、光情報記録媒体の歩留まりを向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る製造システムの一例を示す
構成図である。
【図2】エッジ洗浄機構を一部破断して示す正面図であ
る。
【図3】エッジ洗浄機構を示す平面図である。
【図4】エッジ洗浄機構において、ノズルユニットを規
定の噴射位置に位置させた場合を示す側面図である。
【図5】塗布設備に設置されるスピンコート装置を示す
構成図である。
【図6】塗布設備に設置されるスピンコート装置を示す
斜視図である。
【図7】スピンコート装置のノズルを示す平面図であ
る。
【図8】スピンコート装置のノズルの一例を示す側面図
である。
【図9】スピンコート装置のノズルの他の例を一部省略
して示す拡大断面図である。
【図10】空調システムを示す平面図である。
【図11】空調システムを示す正面図である。
【図12】空調システムを示す側面図である。
【図13】空調システムにおける排気装置の構成を上位
の排気系統と共に示す図である。
【図14】排気装置に設置されるバッファボックスの構
成を示す断面図である。
【図15】空気調和機の構成を示すブロック図である。
【図16】図16Aは基板上にグルーブを形成した状態
を示す工程図であり、図16Bは基板上に色素記録層を
形成した状態を示す工程図であり、図16Cは基板上に
光反射層を形成した状態を示す工程図である。
【図17】図17Aは基板のエッジ部分を洗浄した状態
を示す工程図であり、図17Bは基板上に保護層を形成
した状態を示す工程図である。
【図18】図18Aは基板の裏面まで色素溶液が回り込
んで、該基板の裏面に色素記録層が形成された状態を示
す説明図であり、図18Bは基板の裏面に形成された色
素記録層を洗浄除去している状態を示す説明図である。
【図19】エッジ洗浄と裏面洗浄を同時に行う方法を示
す説明図である。
【図20】本実施の形態に係る製造システムにおいて、
基板に色素溶液を塗布する場合の処理手順を示す工程ブ
ロック図である。
【符号の説明】
10…製造システム 14…塗布設
備 48…色素塗布機構 54…裏面洗
浄機構 92…エッジ洗浄機構 202…基板 204…色素記録層 206…周縁
部(エッジ部分) 208…光反射層 210…保護
層 300…空調システム 400…塗布
液付与装置 606A、606B…噴射ノズル 608…ノズ
ルユニット 620…溶剤

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、レーザ光の照射により情報を記
    録することができる記録層を有するヒートモード型の光
    情報記録媒体の製造方法において、 前記基板を回転させながら前記記録層を形成するための
    溶液を前記基板上に塗布する場合に、 前記溶液の塗布量を基板の裏面に溶液が回り込まない程
    度に制御して行うことを特徴とする光情報記録媒体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光情報記録媒体の製造方法
    において、 前記溶液の塗布量が0.05〜0.9cc/秒であるこ
    とを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の光情報記録媒体の製造方法
    において、 前記基板を回転させながら該基板の周縁部における前記
    記録層を液体の噴射によって除去する場合に、 前記液体を前記基板の内方における上方から前記基板の
    周縁部に向けて噴射させて、前記基板の周縁部における
    記録層を除去することを特徴とする光情報記録媒体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】基板上に、レーザ光の照射により情報を記
    録することができる記録層を有するヒートモード型の光
    情報記録媒体の製造方法において、 前記基板を回転させながら該基板の周縁部における前記
    記録層を液体の噴射によって除去する場合に、 前記液体を前記基板の内方における上方から前記基板の
    周縁部に向けて噴射させて、前記基板の周縁部における
    記録層を除去することを特徴とする光情報記録媒体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】請求項3又は4記載の光情報記録媒体の製
    造方法において、 前記液体の噴射時における前記基板の回転数が100〜
    500rpmであることを特徴とする光情報記録媒体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】請求項3〜5のいずれか1項に記載の光情
    報記録媒体の製造方法において、 前記液体の吐出量が0.2〜3.0g/秒であることを
    特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項3〜6のいずれか1項に記載の光情
    報記録媒体の製造方法において、 前記液体の噴射時間は、噴射ノズルを1本としたとき、
    0.5〜5秒であることを特徴とする光情報記録媒体の
    製造方法。
  8. 【請求項8】請求項3〜7のいずれか1項に記載の光情
    報記録媒体の製造方法において、 前記液体の噴射圧力が0.1〜1.0kgf/cm2
    あることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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