JP2000040255A - 光情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光情報記録媒体及びその製造方法

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JP2000040255A
JP2000040255A JP10205196A JP20519698A JP2000040255A JP 2000040255 A JP2000040255 A JP 2000040255A JP 10205196 A JP10205196 A JP 10205196A JP 20519698 A JP20519698 A JP 20519698A JP 2000040255 A JP2000040255 A JP 2000040255A
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substrate
layer
light
recording medium
optical information
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JP10205196A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
Koichi Kawai
晃一 河合
Katsumi Sugiyama
勝美 杉山
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FUJI MAGNEDISK KK
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
FUJI MAGNEDISK KK
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光情報記録媒体の製造コストの低廉化と光反射
率の向上を図る。 【解決手段】基板202上に、レーザ光の照射により情
報を記録することができる色素記録層204を有し、該
色素記録層204上に光反射層208及び保護層210
を有するヒートモード型の光ディスクDの製造方法にお
いて、光反射層208を銀を含む材料で構成し、更に、
光反射層208の成膜後に2秒以上、5分以内で保護層
210を形成して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を用いて
情報の記録及び再生を行うことができるヒートモード型
の光情報記録媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーザ光により1回限りの情報
の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)として
は、追記型CD(いわゆるCD−R)やDVD−Rなど
があり、従来のCD(コンパクトディスク)の作製に比
べて少量のCDを手頃な価格でしかも迅速に市場供給で
きる利点を有しており、最近のパーソナルコンピュータ
などの普及に伴ってその需要も増している。
【0003】CD−R型の光情報記録媒体の代表的な構
造は、厚みが約1.2mmの透明な円盤状基板上に有機
色素からなる記録層、金などの金属からなる光反射層、
更に樹脂製の保護層をこの順に積層したものである(例
えば特開平6−150371号公報参照)。
【0004】また、DVD−R型の光情報記録媒体は、
2枚の円盤状基板(厚みが約0.6mm)の各情報記録
面をそれぞれ内側に対向させて貼り合わせた構造を有
し、記録情報量が多いという特徴を有する。
【0005】そして、これら光情報記録媒体への情報の
書き込み(記録)は、近赤外域のレーザ光(CD−Rで
は通常780nm付近、DVD−Rでは635nm付近
の波長のレーザ光)を照射することにより行われ、色素
記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇
し、物理的あるいは化学的な変化(例えばピットの生
成)が生じて、その光学的特性を変えることにより情報
が記録される。
【0006】一方、情報の読み取り(再生)も、通常、
記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を照射すること
により行われ、色素記録層の光学的特性が変化した部位
(ピットの生成による記録部分)と変化しない部位(未
記録部分)との反射率の違いを検出することにより情報
が再生される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光反射
層をAuを含む材料で構成した場合、製造コストが高く
なると共に、該Auを含む材料は一般に光反射率が低い
ことから、記録密度が高くなるにつれて読み込みエラー
が発生する可能性がある。
【0008】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、製造コストの低廉化と光反射率の向上を
図ることができる光情報記録媒体及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に、レ
ーザ光の照射により情報を記録することができる記録層
を有し、該記録層上に光反射層及び保護層を有するヒー
トモード型の光情報記録媒体において、前記光反射層を
銀を含む材料で構成し、前記光反射層の成膜後に2秒以
上、5分以内で前記保護層を形成して構成する。具体的
には、前記光反射層の成膜後に2秒以上、5分以内で前
記保護層を形成するための材料塗布を行うことである。
これにより、光反射層の成膜後に、該光反射層が酸化さ
れるのを有効に防止することができ、光反射率の向上、
エラーの発生率の低下を促進させることができる。
【0010】そして、前記光反射層の層厚としては、1
0〜800nmの範囲が適当であり、好ましくは20〜
500nmの範囲、更に好ましくは50〜300nmの
範囲である。また、保護層210の層厚としては、0.
1〜100μmの範囲が適当である。
【0011】次に、本発明は、基板上に、レーザ光の照
射により情報を記録することができる記録層を有し、該
記録層上に光反射層及び保護層を有するヒートモード型
の光情報記録媒体の製造方法において、銀を含む材料で
前記光反射層を形成し、前記光反射層の成膜後に2秒以
上、5分以内で前記保護層を形成する。具体的には、前
記光反射層の成膜後に2秒以上、5分以内で前記保護層
を形成するための材料塗布を行うことが好ましい。これ
により、光反射率の向上、エラーの発生率の低下を促進
させることができる。
【0012】そして、前記光反射層を厚み10〜800
nmの範囲で形成することが適当であり、好ましくは2
0〜500nmの範囲、更に好ましくは50〜300n
mの範囲で形成することである。また、保護層を厚み
0.1〜100μmの範囲で形成することが適当であ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光情報記録媒
体及びその製造方法を例えばCD−R等の光ディスクを
製造するシステムに適用した実施の形態例(以下、単に
実施の形態に係る製造システムと記す)を図1〜図10
を参照しながら説明する。
【0014】本実施の形態に係る製造システム10は、
図1に示すように、例えば射出成形、圧縮成形又は射出
圧縮成形によって基板を作製する2つの成形設備(第1
及び第2の成形設備12A及び12B)と、基板の一主
面上に色素塗布液を塗布して乾燥させることにより、該
基板上に色素記録層を形成する塗布設備14と、基板の
色素記録層上に光反射層を例えばスパッタリングにより
形成し、その後、光反射層上にUV硬化液を塗布した
後、UV照射して前記光反射層上に保護層を形成する後
処理設備16とを有して構成されている。
【0015】第1及び第2の成形設備12A及び12B
は、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形、圧縮
成形又は射出圧縮成形して、一主面にトラッキング用溝
又はアドレス信号等の情報を表す凹凸(グルーブ)が形
成された基板を作製する成形機20と、該成形機20か
ら取り出された基板を冷却する冷却部22と、冷却後の
基板を段積みして保管するためのストックポール24が
複数本設置された集積部26(ストックポール回転台)
を有する。
【0016】塗布設備14は、3つの処理部30、32
及び34から構成され、第1の処理部30には、前記第
1及び第2の成形設備12A及び12Bから搬送された
ストックポール24を収容するためのストックポール収
容部40と、該ストックポール収容部40に収容された
ストックポール24から1枚ずつ基板を取り出して次工
程に搬送する第1の搬送機構42と、該第1の搬送機構
42によって搬送された1枚の基板に対して静電気の除
去を行う静電ブロー機構44とを有する。
【0017】第2の処理部32は、第1の処理部30に
おいて静電ブロー処理を終えた基板を次工程に順次搬送
する第2の搬送機構46と、該第2の搬送機構46によ
って搬送された複数の基板に対してそれぞれ色素塗布液
を塗布する色素塗布機構48と、色素塗布処理を終えた
基板を1枚ずつ次工程に搬送する第3の搬送機構50と
を有する。この色素塗布機構48は6つのスピンコート
装置52を有して構成されている。
【0018】第3の処理部34は、前記第3の搬送機構
50にて搬送された1枚の基板の裏面を洗浄する裏面洗
浄機構54と、裏面洗浄を終えた基板を次工程に搬送す
る第4の搬送機構56と、該第4の搬送機構56によっ
て搬送された基板に対してロット番号等の刻印を行う番
号付与機構58と、ロット番号等の刻印を終えた基板を
次工程に搬送する第5の搬送機構60と、該第5の搬送
機構60によって搬送された基板に対して欠陥の有無並
びに色素記録層の膜厚の検査を行う検査機構62と、該
検査機構62での検査結果に応じて基板を正常品用のス
トックポール64あるいはNG用のストックポール66
に選別する選別機構68とを有する。
【0019】第1の処理部30と第2の処理部32との
間に第1の仕切板70が設置され、第2の処理部32と
第3の処理部34にも同様の第2の仕切板72が設置さ
れている。第1の仕切板70の下部には、第2の搬送機
構46による基板の搬送経路を塞がない程度の開口(図
示せず)が形成され、第2の仕切板72の下部には、第
3の搬送機構50による基板の搬送経路を塞がない程度
の開口(図示せず)が形成されている。
【0020】後処理設備16は、塗布設備14から搬送
された正常品用のストックポール64を収容するための
ストックポール収容部80と、該ストックポール収容部
80に収容されたストックポール64から1枚ずつ基板
を取り出して次工程に搬送する第6の搬送機構82と、
該第6の搬送機構82によって搬送された1枚の基板に
対して静電気の除去を行う第1の静電ブロー機構84
と、静電ブロー処理を終えた基板を次工程に順次搬送す
る第7の搬送機構86と、該第7の搬送機構86によっ
て搬送された基板の一主面に光反射層をスパッタリング
にて形成するスパッタ機構88と、光反射層のスパッタ
リングを終えた基板を次工程に順次搬送する第8の搬送
機構90と、該第8の搬送機構90によって搬送された
基板の周縁(エッジ部分)を洗浄するエッジ洗浄機構9
2とを有する。
【0021】また、この後処理設備16は、エッジ洗浄
を終えた基板に対して静電気の除去を行う第2の静電ブ
ロー機構94と、静電ブロー処理を終えた基板の一主面
に対してUV硬化液を塗布するUV硬化液塗布機構96
と、UV硬化液の塗布を終えた基板を高速に回転させて
基板上のUV硬化液の塗布厚を均一にするスピン機構9
8と、UV硬化液の塗布及びスピン処理を終えた基板に
対して紫外線を照射することによりUV硬化液を硬化さ
せて基板の一主面に保護層を形成するUV照射機構10
0と、前記基板を第2の静電ブロー機構94、UV硬化
液塗布機構96、スピン機構98及びUV照射機構10
0にそれぞれ搬送する第9の搬送機構102と、UV照
射された基板を次工程に搬送する第10の搬送機構10
4と、該第10の搬送機構104によって搬送された基
板に対して塗布面と保護層面の欠陥を検査するための欠
陥検査機構106と、基板に形成されたグルーブによる
信号特性を検査するための特性検査機構108と、これ
ら欠陥検査機構106及び特性検査機構108での検査
結果に応じて基板を正常品用のストックポール110あ
るいはNG用のストックポール112に選別する選別機
構114とを有する。
【0022】ここで、1つのスピンコート装置52の構
成について図2〜図6を参照しながら説明する。
【0023】このスピンコート装置52は、図2及び図
3に示すように、塗布液付与装置400、スピナーヘッ
ド装置402及び飛散防止壁404を有して構成されて
いる。塗布液付与装置400は、塗布液が充填された加
圧タンク(図示せず)と、該加圧タンクからノズル40
6に引き回されたパイプ(図示せず)と、ノズル406
から吐出される塗布液の量を調整するための吐出量調整
バルブ408とを有し、塗布液は前記ノズル406を通
してその所定量が基板202の表面上に滴下されるよう
になっている。この塗布液付与装置400は、ノズル4
06を下方に向けて支持する支持板410と該支持板4
10を水平方向に旋回させるモータ412とを有するハ
ンドリング機構414によって、待機位置から基板20
2の上方の位置に旋回移動できるように構成されてい
る。
【0024】スピナーヘッド装置402は、前記塗布液
付与装置400の下方に配置されており、着脱可能な固
定具420により、基板202が水平に保持されると共
に、駆動モータ(図示せず)により軸回転が可能とされ
ている。
【0025】スピナーヘッド装置402により水平に保
持された状態で回転している基板202上に、上記の塗
布液付与装置400のノズル406から滴下した塗布液
は、基板202の表面上を外周側に流延する。そして、
余分の塗布液は基板202の外周縁部で振り切られ、そ
の外側に放出され、次いで塗膜が乾燥されることによ
り、基板202の表面上に塗膜(色素記録層204)が
形成される。
【0026】飛散防止壁404は、基板202の外周縁
部から外側に放出された余分の塗布液が周辺に飛散する
のを防止するために設けられており、上部に開口422
が形成されるようにスピナーヘッド装置402の周囲に
配置されている。飛散防止壁404を介して集められた
余分の塗布液はドレイン424を通して回収されるよう
になっている。
【0027】また、第2の処理部32(図1参照)にお
ける各スピンコート装置52の局所排気は、前記飛散防
止壁404の上方に形成された開口422から取り入れ
た空気を基板202の表面上に流通させた後、各スピナ
ーヘッド装置402の下方に取り付けられた排気管42
6を通じて排気されるようになっている。
【0028】塗布液付与装置400のノズル406は、
図4及び図5に示すように、軸方向に貫通孔430が形
成された細長い円筒状のノズル本体432と、該ノズル
本体432を支持板410(図3参照)に固定するため
の取付部434を有する。ノズル本体432は、その先
端面及びその先端面から1mm以上の範囲の外側又は内
側、あるいは両方の壁面がフッ素化合物からなる表面を
有する。このフッ素化合物としては、例えばポリテトラ
フルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン含有物
等を使用することができる。
【0029】この実施の形態で用いられる好ましいノズ
ル406の例としては、例えば、図5に示すように、ノ
ズル本体432の先端面及びその先端面から1mm以上
の範囲をフッ素化合物を用いて形成したノズル406
や、図6に示すように、ノズル本体432の先端面44
0及びその先端面440から1mm以上の範囲の外側又
は内側、あるいは両方の壁面442及び444をフッ素
化合物を用いて被覆したノズル406を挙げることがで
きる。
【0030】ノズル本体432の先端面及びその先端面
から1mm以上の範囲をフッ素化合物で形成する場合、
強度などを考慮すると、実用的には、例えばノズル本体
432をステンレススチールで形成し、その先端面及び
その先端面から最大で5mmの範囲をフッ素化合物で形
成することが好ましい。
【0031】また、図6に示すように、ノズル本体43
2の先端面440及びその先端面440から1mm以上
の範囲の外側又は内側、あるいは両方の壁面442及び
444をフッ素化合物で被覆する場合、ノズル本体43
2の先端面440から10mm以上、更に好ましくは、
ノズル本体432の全領域をフッ素化合物で被覆するこ
とが好ましい。被覆する場合のその厚みは、特に制限は
ないが、5〜500μmの範囲が適当である。また、ノ
ズル本体432の材質としては、上記のように、ステン
レススチールが好ましい。ノズル本体432に形成され
た貫通孔430の径は一般に0.5〜1.0mmの範囲
である。
【0032】次に、この製造システム10によって光デ
ィスクを製造する過程について図7A〜図8Bの工程図
も参照しながら説明する。
【0033】まず、第1及び第2の成形設備12A及び
12Bにおける成形機20において、ポリカーボネート
などの樹脂材料が射出成形、圧縮成形又は射出圧縮成形
されて、図7Aに示すように、一主面にトラッキング用
溝又はアドレス信号等の情報を表す凹凸(グルーブ)2
00が形成された基板202が作製される。
【0034】前記基板202の材料としては、例えばポ
リカーボネート、ポリメタルメタクリレート等のアクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化
ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフ
ィン及びポリエステルなどを挙げることができ、所望に
よりそれらを併用してもよい。上記の材料の中では、耐
湿性、寸法安定性及び価格などの点からポリカーボネー
トが好ましい。また、グルーブ200の深さは、0.0
1〜0.3μmの範囲であることが好ましく、その半値
幅は、0.2〜0.9μmの範囲であることが好まし
い。
【0035】成形機20から取り出された基板202
は、後段の冷却部22において冷却された後、一主面が
下側に向けられてストックポール24に積載される。ス
トックポール24に所定枚数の基板202が積載された
段階で、ストックポール24はこの成形設備12A及び
12Bから取り出されて、次の塗布設備14に搬送さ
れ、該塗布設備14におけるストックポール収容部40
に収容される。この搬送は、台車で行ってもよいし、自
走式の自動搬送装置で行うようにしてもよい。
【0036】ストックポール24がストックポール収容
部40に収容された段階で、第1の搬送機構42が動作
し、ストックポール24から1枚ずつ基板202を取り
出して、後段の静電ブロー機構44に搬送する。静電ブ
ロー機構44に搬送された基板202は、該静電ブロー
機構44において静電気が除去された後、第2の搬送機
構46を介して次の色素塗布機構48に搬送され、6つ
のスピンコート装置52のうち、いずれか1つのスピン
コート装置52に投入される。スピンコート装置52に
投入された基板202は、その一主面上に色素塗布液が
塗布された後、高速に回転されて塗布液の厚みが均一に
された後、乾燥処理が施される。これによって、図7B
に示すように、基板202の一主面上に色素記録層20
4が形成されることになる。
【0037】即ち、スピンコート装置52に投入された
基板202は、図2に示すスピナーヘッド装置402に
装着され、固定具420により水平に保持される。次
に、加圧式タンクから供給された塗布液は、吐出量調整
バルブ408によって所定量が調整され、基板202上
の内周側にノズル406を通して滴下される。
【0038】このノズル406は、上述したように、そ
の先端面及びその先端面から1mm以上の範囲の外側又
は内側、あるいは両方の壁面がフッ素化合物からなる表
面を有しているため、塗布液の付着が生じにくく、ま
た、これが乾燥して色素の析出やその堆積物が生じにく
く、従って、塗膜を塗膜欠陥などの障害を伴うことなく
スムーズに形成させることができる。
【0039】なお、塗布液としては色素を適当な溶剤に
溶解した色素溶液が用いられる。塗布液中の色素の濃度
は一般に0.01〜15重量%の範囲にあり、好ましく
は0.1〜10重量%の範囲、特に好ましくは0.5〜
5重量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3重量%の範
囲にある。
【0040】駆動モータによってスピナーヘッド装置4
02は高速回転が可能である。基板202上に滴下され
た塗布液は、スピナーヘッド装置402の回転により、
基板202の表面上を外周方向に流延し、塗膜を形成し
ながら基板202の外周縁部に到達する。外周縁部に達
した余分の塗布液は、更に遠心力により振り切られ、基
板202の縁部の周囲に飛散する。飛散した余分の塗布
液は飛散防止壁404に衝突し、更にその下方に設けら
れた受皿に集められた後、ドレイン424を通して回収
される。塗膜の乾燥はその形成過程及び塗膜形成後に行
われる。塗膜(色素記録層204)の厚みは、一般に2
0〜500nmの範囲で、好ましくは50〜300nm
の範囲で設けられる。
【0041】色素記録層204に用いられる色素は特に
限定されない。使用可能な色素の例としては、シアニン
色素、フタロシアニン系色素、イミダゾキノキサリン系
色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニ
ウム系色素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの
金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン
系色素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色
素、トリフェニルメタン系色素、メロシアニン系色素、
オキソノール系色素、アミニウム系・ジインモニウム系
色素及びニトロソ化合物を挙げることができる。これら
の色素のうちでは、シアニン色素、フタロシアニン系色
素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、オキ
ソノール系色素及びイミダゾキノキサリン系色素が好ま
しい。
【0042】色素記録層204を形成するための塗布剤
の溶剤の例としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテー
トなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロル
メタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの
塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;
シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、
エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,
2,3,3−テトラフロロ−1−プロパノールなどのフ
ッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル
類などを挙げることができる。
【0043】前記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮し
て単独または二種以上を適宜併用することができる。好
ましくは、2,2,3,3−テトラフロロ−1−プロパ
ノールなどのフッ素系溶剤である。なお、塗布液中に
は、所望により退色防止剤や結合剤を添加してもよい
し、更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、そして潤滑
剤など各種の添加剤を、目的に応じて添加してもよい。
【0044】退色防止剤の代表的な例としては、ニトロ
ソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩
を挙げることができる。これらの例は、例えば、特開平
2−300288号、同3−224793号、及び同4
−146189号等の各公報に記載されている。
【0045】結合剤の例としては、ゼラチン、セルロー
ス誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機
高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・
ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹
脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポ
キシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・
ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物な
どの合成有機高分子を挙げることができる。
【0046】結合剤を使用する場合に、結合剤の使用量
は、色素100重量部に対して、一般に20重量部以下
であり、好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5
重量部以下である。
【0047】なお、色素記録層が設けられる側の基板表
面には、平面性の改善、接着力の向上および記録層の変
質防止などの目的で、下塗層が設けられてもよい。
【0048】下塗層の材料としては例えば、ポリメチル
メタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、
スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ
ール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニ
ルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、
ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフ
ィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビ
ニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子
物質、およびシランカップリング剤などの表面改質剤を
挙げることができる。
【0049】下塗層は、前記物質を適当な溶剤に溶解ま
たは分散して塗布液を調整した後、この塗布液をスピン
コート、ディップコート、エクストルージョンコートな
どの塗布法を利用して基板表面に塗布することにより形
成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005
〜20μmの範囲、好ましくは0.01〜10μmの範
囲で設けられる。
【0050】色素記録層204が形成された基板202
は、第3の搬送機構50を介して次の裏面洗浄機構54
に搬送され、基板202の一主面の反対側の面(裏面)
が洗浄される。その後、基板202は、第4の搬送機構
56を介して次の番号付与機構58に搬送され、基板2
02の一主面又は裏面に対してロット番号等の刻印が行
われる。
【0051】その後、基板202は、第5の搬送機構6
0を介して次の検査機構62に搬送され、基板202の
欠陥の有無や色素記録層204の膜厚の検査が行われ
る。この検査は、基板202の裏面から光を照射してそ
の光の透過状態を例えばCCDカメラで画像処理するこ
とによって行われる。この検査機構62での検査結果は
次の選別機構68に送られる。
【0052】上述の検査処理を終えた基板202は、そ
の検査結果に基づいて選別機構68によって正常品用の
ストックポール64か、NG用のストックポール66に
搬送選別される。
【0053】正常品用のストックポール64に所定枚数
の基板202が積載された段階で、正常品用のストック
ポール64はこの塗布設備14から取り出されて、次の
後処理設備16に搬送され、該後処理設備16のストッ
クポール収容部80に収容される。この搬送は、台車で
行ってもよいし、自走式の自動搬送装置で行うようにし
てもよい。
【0054】正常品用のストックポール64がストック
ポール収容部80に収容された段階で、第6の搬送機構
82が動作し、ストックポール64から1枚ずつ基板2
02を取り出して、後段の第1の静電ブロー機構84に
搬送する。第1の静電ブロー機構84に搬送された基板
202は、該第1の静電ブロー機構84において静電気
が除去された後、第7の搬送機構86を介して次のスパ
ッタ機構88に搬送される。スパッタ機構88に投入さ
れた基板202は、図7Cに示すように、その一主面
中、周縁部分(エッジ部分)206を除く全面に光反射
層208がスパッタリングによって形成される。
【0055】光反射層208の材料である光反射性物質
はレーザ光に対する反射率が高い物質であり、その例と
しては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、
Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、A
u、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、T
e、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属ある
いはステンレス鋼を挙げることができる。
【0056】これらのうちで好ましいものは、Cr、N
i、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼で
ある。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは
二種以上を組み合わせて用いてもよい。または合金とし
て用いてもよい。特に好ましくはAgもしくはその合金
である。
【0057】光反射層208は、例えば、前記光反射性
物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティン
グすることにより記録層の上に形成することができる。
反射層の層厚は、一般的には10〜800nmの範囲、
好ましくは20〜500nmの範囲、更に好ましくは5
0〜300nmの範囲で設けられる。
【0058】光反射層208が形成された基板202
は、第8の搬送機構90を介して次のエッジ洗浄機構9
2に搬送され、図8Aに示すように、基板202の一主
面中、エッジ部分206が洗浄されて、該エッジ部分2
06に形成されていた色素記録層204が除去される。
その後、基板202は、第9の搬送機構102を介して
次の第2の静電ブロー機構94に搬送され、静電気が除
去される。
【0059】その後、基板202は、同じく前記第9の
搬送機構102を介してUV硬化液塗布機構96に搬送
され、基板202の一主面の一部分にUV硬化液が滴下
される。その後、基板202は、同じく前記第9の搬送
機構102を介して次のスピン機構98に搬送され、高
速に回転されることにより、基板202上に滴下された
UV硬化液の塗布厚が基板全面において均一にされる。
【0060】この実施の形態においては、前記光反射層
の成膜後から前記UV硬化液の塗布までの時間が2秒以
上、5分以内となるように時間管理されている。
【0061】その後、基板202は、同じく前記第9の
搬送機構102を介して次のUV照射機構100に搬送
され、基板202上のUV硬化液に対して紫外線が照射
される。これによって、図8Bに示すように、基板20
2の一主面上に形成された色素記録層204と光反射層
208を覆うようにUV硬化樹脂による保護層210が
形成されて光ディスクDとして構成されることになる。
【0062】保護層210は、色素記録層204などを
物理的及び化学的に保護する目的で光反射層208の上
に設けられる。保護層210は、基板202の色素記録
層204が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高
める目的で設けることもできる。保護層210で使用さ
れる材料としては、例えば、SiO、SiO2 、MgF
2 、SnO2 、Si3 4 等の無機物質、及び熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、そしてUV硬化性樹脂等の有機物
質を挙げることができる。
【0063】保護層210は、例えば、プラスチックの
押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して光反射層
208上及び/または基板202上にラミネートするこ
とにより形成することができる。あるいは真空蒸着、ス
パッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。
また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これら
を適当な溶剤に溶解して塗布液を調整したのち、この塗
布液を塗布し、乾燥することによっても形成することが
できる。
【0064】UV硬化性樹脂の場合には、上述したよう
に、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調
整したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化
させることによって形成することができる。これらの塗
布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤
等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層
210の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲で設
けられる。
【0065】その後、光ディスクDは、第10の搬送機
構104を介して次の欠陥検査機構106と特性検査機
構108に搬送され、色素記録層204の面と保護層2
10の面における欠陥の有無や光ディスクDの基板20
2に形成されたグルーブ200による信号特性が検査さ
れる。これらの検査は、光ディスクDの両面に対してそ
れぞれ光を照射してその反射光を例えばCCDカメラで
画像処理することによって行われる。これらの欠陥検査
機構106及び特性検査機構108での各検査結果は次
の選別機構114に送られる。
【0066】上述の欠陥検査処理及び特性検査処理を終
えた光ディスクDは、各検査結果に基づいて選別機構1
14によって正常品用のストックポール110か、NG
用のストックポール112に搬送選別される。
【0067】正常品用のストックポール110に所定枚
数の光ディスクDが積載された段階で、該ストックポー
ル110が後処理設備16から取り出されて図示しない
ラベル印刷工程に投入される。
【0068】このように、本実施の形態に係る製造シス
テム10で製造される光ディスクDは、その光反射層が
銀を含む材料で構成されているため、製造コストの低廉
化と光反射率の向上を図ることができる。
【0069】特に本実施の形態では、前記光反射層20
8の成膜後に2秒以上、5分以内で保護層を形成するよ
うにしており、具体的には、光反射層208の成膜後に
2秒以上、5分以内でUV硬化液を塗布するようにして
いる。このため、光反射層208の成膜後に、該光反射
層208が酸化されるのを有効に防止することができ、
光反射率の向上、エラーの発生率の低下を更に促進させ
ることができる。
【0070】本実施の形態に係る光ディスクDは、図1
に示す製造システム10のほか、図9に示す製造システ
ム600でも製造することができる。
【0071】この図9に示す製造システム600は、例
えば射出成形、圧縮成形又は射出圧縮成形によって基板
を作製する2つの成形設備(第1及び第2の成形設備6
02A及び602B)と、基板の一主面上に色素塗布液
を塗布して乾燥させることにより、該基板上に色素記録
層を形成する2つの塗布設備(第1及び第2の塗布設備
604A及び604B)と、これら塗布設備604A及
び604Bにおいて形成された色素記録層に対して検査
を行う検査設備606と、基板の色素記録層上に光反射
層を例えばスパッタリングにより形成し、その後、光反
射層上にUV硬化液を塗布した後、UV照射して前記光
反射層上に保護層を形成する後処理設備608とを有し
て構成されている。
【0072】第1及び第2の成形設備602A及び60
2Bは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形、
圧縮成形又は射出圧縮成形して、一主面にトラッキング
用溝又はアドレス信号等の情報を表す凹凸(グルーブ)
が形成された基板を作製する成形機610と、該成形機
610から取り出された基板を搬送しながら冷却する冷
却コンベア612とを有し、冷却コンベア612の終端
には冷却後の基板を段積みして保管するためのストック
ポール614が設置されている。
【0073】第1及び第2の塗布設備604A及び60
4Bは、色素塗布とエッジ洗浄を行うための3つのスピ
ンコート装置616と、第1及び第2の成形設備602
A及び602Bにおけるストックポール614に集積さ
れた基板を1枚ずつ取り出して、いずれかのスピンコー
ト装置616に搬送する多関節ロボット618とを有し
て構成されている。
【0074】検査設備606は、第1の塗布設備604
Aでの処理を終えた基板を次工程に搬送するための第1
の搬送コンベア620と、第2の塗布設備604Bでの
処理を終えた基板を次工程に搬送するための第2の搬送
コンベア622と、第1及び第2の搬送コンベア620
及び622を介して搬送された基板に対してロット番号
等の刻印を行う番号付与機構624と、ロット番号等の
刻印を終えた基板を次工程に搬送する第1の搬送機構6
26と、該第1の搬送機構626によって搬送された基
板に対して欠陥の有無並びに色素記録層の膜厚の検査を
行う検査機構628とを有する。
【0075】後処理設備608は、検査機構628での
検査処理を終えた基板を受け入れる基板搬入機構630
と、該基板搬入機構630によって搬入された基板の一
主面に光反射層をスパッタリングにて形成するスパッタ
機構632と、光反射層のスパッタリングを終えた基板
を次工程に順次搬送する第2の搬送機構634と、該第
2の搬送機構634を介して搬送された基板に対してU
V硬化液を塗布した後、高速に回転させて基板上のUV
硬化液の塗布厚を均一にする2つの塗布スピン機構(第
1及び第2の塗布スピン機構636A及び636B)
と、第1及び第2の塗布スピン機構636A及び636
Bのいずれかで処理を終えた基板を次工程に搬送する第
3の搬送機構638と、該第3の搬送機構638を介し
て搬送された基板に対して紫外線を照射することにより
UV硬化液を硬化させて基板の一主面に保護層を形成す
るUV照射機構640と、UV照射された基板を次工程
に搬送する第4の搬送機構642と、該第4の搬送機構
642によって搬送された基板に対して塗布面と保護層
面の欠陥を検査するための欠陥検査機構644と、欠陥
検査機構644での検査結果に応じて基板を正常品用の
ストックポール646あるいはNG用のストックポール
648に選別する選別機構650とを有する。
【0076】この製造システム600においても、光反
射層を銀を含む材料で形成するように設定され、更に、
光反射層の成膜後から前記UV硬化液の塗布までの時間
が2秒以上、5分以内となるように時間管理されてい
る。そのため、製造コストの低廉化と光反射率の向上を
図ることができる。
【0077】上述の製造システム10及び600におい
ては、光反射層208の成膜後に、基板202を連続し
て搬送して、光反射層208上に保護層形成のためのU
V硬化液を滴下するようにしているが、光反射層208
を成膜した基板202を一旦集積して、例えば枚葉方式
で基板202上にUV硬化液を滴下するようにしてもよ
い。この場合、光反射層208が成膜された基板202
をストックポールに集積して、これを次の例えばUV硬
化液塗布工程に運搬するようにしてもよいが、光反射層
208の形成工程と、UV硬化液塗布工程とが連続した
ラインになっていることが好ましい。
【0078】
【実施例】次に、1つの実験例について説明する。この
実験例は、図1に示す製造システム10にて光ディスク
Dを作製する場合において、実施例1〜3並びに比較例
1、2に関し、光反射層の成膜後からUV硬化液の塗布
までの時間(以下、便宜的に成膜後時間と記す)をそれ
ぞれ変えたときの光ディスクDのブロックエラーレート
及び光反射率をみたものである。
【0079】ここで、光反射率は、グルーブにピットを
形成しないとき、即ち、無記録状態のときの光反射率を
示す。実際の光ディスクDに対する再生時の光反射率と
しては、65%以上であることが規定されているため、
無記録状態での光反射率としては70%以上あればよ
い。
【0080】また、ブロックエラーレートは訂正可能な
エラーの頻度である。これが増加すると、訂正不可能な
エラー出現確率が増加する。ブロックエラーレートは、
1倍速再生時には、220.5個/sが規格とされてい
るが、これを越えなくても訂正不可能なエラーが発生す
ることもあり、少ないことが望ましい。
【0081】比較例1(図10参照)の20個程度のブ
ロックエラーでも規格は十分満たしているが、再生条件
が厳しくなると、訂正不可能なエラーが発生する確率が
増し、好ましくない。再生条件が厳しいというのは、再
生時の温湿度が極端に高かったり、低かったりするだけ
でなく、基板表面に微細なきずがついてしまったり、基
板が反ってしまったりすることを含む。好ましくは、実
施例1〜3のように5分未満程度がよい。
【0082】なお、色素記録層の形成は以下の通りであ
る。下記の一般式(A1)で表されるシアニン色素化合
物2.65gと下記の一般式(A2)で表される退色防
止剤0.265gを組み合わせて配合し、これらを下記
の一般式(A3)で表される2,2,3,3−テトラフ
ロロ−1−プロパノール100ccに溶解して記録層形
成用の塗布液を調製した。
【0083】
【化1】
【0084】
【化2】
【0085】
【化3】
【0086】この塗布液を表面にスパイラル状のグルー
ブ(トラックピッチ:1.6μm、グルーブ幅:0.4
μm、グルーブの深さ:0.16μm)が射出成形によ
り形成されたポリカーボネート基板(直径:120m
m、厚さ:1.2mm)のそのグルーブ側の表面に、回
転数を300rpm〜2000rpmまで変化させなが
らスピンコートにより塗布し、色素記録層(厚さ(グル
ーブ内):約200nm)を形成した。このとき、塗布
設備への給気と塗布設備からの排気によって、上方から
基板に向かって空気が流れることになるが、その風速を
0.1m/secに設定した。
【0087】また、光反射層は、実施例1〜3及び比較
例1、2に関し、すべて同様の材料、即ち、銀を含む材
料で形成した。
【0088】そして、成膜後時間として実施例1では2
秒、実施例2では1分、実施例3では5分とし、比較例
1では10分、比較例2では1時間とした。
【0089】この実験結果を図10に示す。この実験結
果から、成膜後時間を2秒〜5分に設定した実施例1〜
3は、比較例1、2の場合と比べてブロックエラーレー
ト及び光反射率において良好な結果が得られていること
がわかる。
【0090】ブロックエラーレートと反射率の測定方法
は、次のようにして行った。即ち、上述の実施例1〜3
及び比較例1、2の光ディスクに、パルステック社製の
評価機「OMT2000」を用いてレーザ光の波長78
0nm(NA0.5にピックアップ)、定線速度1.2
m/sec、EFM変調信号を記録パワー7mWで記録
した。その後、記録レーザ光と同じ波長のレーザ光を用
いて0.5mWのレーザ出力で信号を再生し、反射率と
ブロックエラーレート(BLER)を測定した。
【0091】反射率測定は、グルーブトラッキングをか
けたときの戻り光の強度を測定して行った。エラーは前
記評価機内蔵のデコーダでデコードするときのブロック
エラーレート(BLER)を測定して行った。
【0092】なお、この発明に係る光情報記録媒体及び
その製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明
の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ること
はもちろんである。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る光情
報記録媒体によれば、基板上に、レーザ光の照射により
情報を記録することができる記録層を有し、該記録層上
に光反射層及び保護層を有するヒートモード型の光情報
記録媒体において、前記光反射層を銀を含む材料で構成
するようにしている。このため、製造コストの低廉化と
光反射率の向上を図ることができる。
【0094】また、本発明に係る光情報記録媒体の製造
方法によれば、基板上に、レーザ光の照射により情報を
記録することができる記録層を有し、該記録層上に光反
射層及び保護層を有するヒートモード型の光情報記録媒
体の製造方法において、銀を含む材料で前記光反射層を
形成するようにしている。このため、製造コストの低廉
化と光反射率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る製造システムの一例を示す
構成図である。
【図2】塗布設備に設置されるスピンコート装置を示す
構成図である。
【図3】塗布設備に設置されるスピンコート装置を示す
斜視図である。
【図4】スピンコート装置のノズルを示す平面図であ
る。
【図5】スピンコート装置のノズルの一例を示す側面図
である。
【図6】スピンコート装置のノズルの他の例を一部省略
して示す拡大断面図である。
【図7】図7Aは基板にグルーブを形成した状態を示す
工程図であり、図7Bは基板上に色素記録層を形成した
状態を示す工程図であり、図7Cは基板上に光反射層を
形成した状態を示す工程図である。
【図8】図8Aは基板のエッジ部分を洗浄した状態を示
す工程図であり、図8Bは基板上に保護層を形成した状
態を示す工程図である。
【図9】本実施の形態に係る製造システムの他の例を示
す構成図である。
【図10】実験例の結果を示す図表である。
【符号の説明】
10、600…製造システム 12A…第1の成
形設備 12B…第2の成形設備 14…塗布設備 16…後処理設備 30…第1の処理
部 32…第2の処理部 34…第3の処理
部 48…色素塗布機構 52…スピンコー
ト装置 70…第1の仕切板 72…第2の仕切
板 200…グルーブ(凹凸) 202…基板 204…色素記録層 208…光反射層 210…保護層 D…光ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河合 晃一 東京都羽村市神明台2丁目10番地8 富士 マグネディスク株式会社内 (72)発明者 杉山 勝美 東京都羽村市神明台2丁目10番地8 富士 マグネディスク株式会社内 Fターム(参考) 5D029 JB50 LB03 LB07 MA13 MA14 5D121 AA04 AA05 EE21

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、レーザ光の照射により情報を記
    録することができる記録層を有し、該記録層上に光反射
    層及び保護層を有するヒートモード型の光情報記録媒体
    において、 前記光反射層が銀を含む材料で構成され、 前記光反射層の成膜後に2秒以上、5分以内で前記保護
    層が形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光情報記録媒体において、 前記光反射層の成膜後に2秒以上、5分以内で前記保護
    層を形成するための材料塗布が行われていることを特徴
    とする光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の光情報記録媒体にお
    いて、 前記光反射層の厚みが10〜800nmの範囲であるこ
    とを特徴とする光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の光情
    報記録媒体において、 前記保護層の厚みが0.1〜100μmの範囲であるこ
    とを特徴とする光情報記録媒体。
  5. 【請求項5】基板上に、レーザ光の照射により情報を記
    録することができる記録層を有し、該記録層上に光反射
    層及び保護層を有するヒートモード型の光情報記録媒体
    の製造方法において、 銀を含む材料で前記光反射層を形成し、 前記光反射層の成膜後に2秒以上、5分以内で前記保護
    層を形成することを特徴とする光情報記録媒体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の光情報記録媒体の製造方法
    において、 前記光反射層の成膜後に2秒以上、5分以内で前記保護
    層を形成するための材料塗布を行うことを特徴とする光
    情報記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項5又は6記載の光情報記録媒体の製
    造方法において、 前記光反射層を厚み10〜800nmの範囲で形成する
    ことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項5〜7のいずれか1項に記載の光情
    報記録媒体の製造方法において、 前記保護層を厚み0.1〜100μmの範囲で形成する
    ことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
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