JP2000146855A - 光情報記録媒体の欠陥検査装置及びその方法並びに欠陥サイズ決定方法 - Google Patents

光情報記録媒体の欠陥検査装置及びその方法並びに欠陥サイズ決定方法

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JP2000146855A
JP2000146855A JP10321894A JP32189498A JP2000146855A JP 2000146855 A JP2000146855 A JP 2000146855A JP 10321894 A JP10321894 A JP 10321894A JP 32189498 A JP32189498 A JP 32189498A JP 2000146855 A JP2000146855 A JP 2000146855A
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JP10321894A
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Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
Koichi Kawai
晃一 河合
Yosuke Akaha
陽介 赤羽
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光情報記録媒体の製造段階において、その後の
保存の状況によって成長しそうな欠陥を検出して、この
ような欠陥を有する光情報記録媒体を事前に排除する。 【解決手段】検出レベルViとハレー欠陥検出用のしき
い値Vaとを比較してハレー欠陥の有無を検出する第1
のコンパレータ502と、検出レベルViと異物検出用
のしきい値Vbとを比較して異物の有無を検出する第2
のコンパレータ504と、検出レベルViと第1のサイ
ズ検出用レベルVcとに基づいてハレー欠陥のサイズを
求め、得られたサイズが200μm以上を示す場合に、
基板を不良として判定する第1の判定回路520と、検
出レベルViと第2のサイズ検出用レベルVdとに基づ
いて異物のサイズを求め、得られたサイズが50μm以
上を示す場合に、基板を不良として判定する第2の判定
回路526とを有して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に、レーザ
光の照射により情報を記録することができる記録層を有
するヒートモード型の光情報記録媒体の欠陥を検査する
ための光情報記録媒体の欠陥検査装置及びその方法並び
に欠陥サイズ決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーザ光により1回限りの情報
の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)として
は、追記型CD(いわゆるCD−R)やDVD−Rなど
があり、従来のCD(コンパクトディスク)の作製に比
べて少量のCDを手頃な価格でしかも迅速に市場供給で
きるという利点を有しており、最近のパーソナルコンピ
ュータなどの普及に伴ってその需要も増している。
【0003】CD−R型の光情報記録媒体の代表的な構
造は、厚みが約1.2mmの透明な円盤状基板上に有機
色素からなる記録層、金や銀などの金属からなる光反射
層、更に樹脂製の保護層をこの順に積層したものであ
る。
【0004】また、DVD−R型の光情報記録媒体は、
2枚の円盤状基板(厚みが約0.6mm)を各情報記録
面をそれぞれ内側に対向させて貼り合わせた構造を有
し、記録情報量が多いという特徴を有する。
【0005】そして、これら光情報記録媒体への情報の
書き込み(記録)は、近赤外域のレーザ光(CD−Rで
は通常780nm付近、DVD−Rでは635nm付近
の波長のレーザ光)を照射することにより行われ、色素
記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇
し、物理的あるいは化学的な変化(例えばピットの生
成)が生じて、その光学的特性を変えることにより情報
が記録される。
【0006】一方、情報の読み取り(再生)も、通常、
記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を照射すること
により行われ、色素記録層の光学的特性が変化した部位
(ピットの生成による記録部分)と変化しない部位(未
記録部分)との反射率の違いを検出することにより情報
が再生される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、CD−RO
Mのような円盤状記録媒体においては、小さな欠陥があ
ってもエラー訂正機能によって訂正されるため問題とな
らない。例えばコンパクトディスク(CD)のフォーマ
ットでは600μm長程度までの欠陥であれば、前記エ
ラー訂正機能によって訂正される。従って、これより小
さな塵埃が少々あっても問題とならなかった。
【0008】しかし、色素を含有する記録層が形成され
た光ディスクの場合は、600μm以下の塵埃であった
としても、その後の保存の状況によって、欠陥が成長
し、600μm以上のサイズになる場合があった。この
場合、読取りエラーや記録エラーを引き起こすおそれが
ある。
【0009】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、光情報記録媒体の製造段階において、そ
の後の保存の状況によって成長しそうな欠陥を検出し
て、このような欠陥を有する光情報記録媒体を事前に排
除することができる光情報記録媒体の欠陥検査装置及び
その方法並びに欠陥サイズ決定方法を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に、レ
ーザ光の照射により情報を記録することができる記録層
を有するヒートモード型の光情報記録媒体の欠陥を検査
するための光情報記録媒体の欠陥検査装置において、前
記記録層の形成前又は形成中に付着した異物と、該異物
に基づく記録層の形成不良欠陥とを区別して検査するた
めの個別検査手段を有し、前記異物のサイズが50μm
以上を示す場合、あるいは前記形成不良欠陥のサイズが
少なくとも300μm以上を示す場合に、前記基板を不
良として判定することを特徴とする。
【0011】これにより、異物の存在とその判定基準に
基づく光情報記録媒体の良品/不良品判定と、記録層の
形成不良欠陥の存在とその判定基準に基づく光情報記録
媒体の良品/不良品判定をそれぞれ個別に行うことがで
きる。即ち、異物に対する判定基準を厳しくし、形成不
良欠陥に対する判定基準を緩やかにするなど、光情報記
録媒体に対する判定において、その特性に応じて柔軟な
対応をとることができる。
【0012】本発明では、前記異物のサイズが50μm
以上を示す場合、あるいは前記形成不良欠陥のサイズが
少なくとも300μm以上を示す場合に、前記基板を不
良として判定するようにしている。
【0013】ここで、少なくとも300μm以上とは、
形成不良欠陥のサイズが300μm以上であれば必ず排
除されることを示し、形成不良欠陥のサイズが300μ
m未満であっても光情報記録媒体の特性によっては、排
除される場合もあることを示すものである。
【0014】その結果、光情報記録媒体の製造段階にお
いて、その後の保存の状況によって成長しそうな欠陥を
確実に検出することができ、このような欠陥を有する光
情報記録媒体を事前に排除することができる。また、問
題となる欠陥はなく、その後の保存の状況によっても成
長しない欠陥があった場合は、良品として処理すること
ができ、検査に伴う歩留まりの低下を回避することがで
きる。
【0015】前記個別検査手段としては、前記記録層が
形成された基板に対して光を照射する光照射手段と、前
記基板を透過する光を検出する透過光検出手段と、前記
透過光検出手段からの検出信号に基づいて前記異物と前
記記録層の形成不良欠陥とを区別して検出する欠陥検出
手段とを有して構成することができる。
【0016】この場合、まず、光照射手段によって、前
記記録層が形成された基板に対して光が照射される。該
基板を透過する光は、透過光検出手段によって検出さ
れ、該透過光検出手段から例えば光量に応じた検出信号
が出力される。そして、後段の欠陥検出手段において、
前記透過光検出手段からの検出信号に基づいて前記異物
と前記記録層の形成不良欠陥とが区別して検出されるこ
とになる。
【0017】また、前記個別検査手段としては、前記記
録層と該記録層上に光反射層が形成された基板に対して
光を照射する光照射手段と、前記基板を反射する光を検
出する反射光検出手段と、前記反射光検出手段からの検
出信号に基づいて前記異物と前記記録層の形成不良欠陥
とを区別して検出する欠陥検出手段とを有して構成する
ことができる。
【0018】この場合、まず、光照射手段によって、前
記記録層と該記録層上に光反射層が形成された基板に対
して光が照射される。該基板を反射する光は、反射光検
出手段によって検出され、該反射光検出手段から例えば
光量に応じた検出信号が出力される。そして、後段の欠
陥検出手段において、前記透過光検出手段からの検出信
号に基づいて前記異物と前記記録層の形成不良欠陥とが
区別して検出されることになる。
【0019】そして、前記欠陥検出手段としては、入力
される検出信号のレベルと予め設定された形成不良欠陥
検出用のしきい値とを比較して形成不良欠陥の有無を検
出する形成不良欠陥検出手段と、入力される検出信号の
レベルと予め設定された異物検出用のしきい値とを比較
して異物の有無を検出する異物検出手段とを有して構成
することができる。
【0020】前記形成不良欠陥検査手段は、前記形成不
良欠陥を検出した場合に、前記検出信号のレベルと所定
の第1のサイズ検出用レベルとに基づいて前記形成不良
欠陥のサイズを求める形成不良欠陥サイズ検出手段を有
して構成することができる。
【0021】この場合、前記形成不良欠陥サイズ検出手
段にて得られた形成不良欠陥のサイズが少なくとも30
0μm以上を示す場合に、前記基板を不良として判定す
る形成不良欠陥用判定手段を有するようにしてもよい。
【0022】一方、前記異物検査手段は、前記異物を検
出した場合に、前記検出信号のレベルと所定の第2のサ
イズ検出用レベルとに基づいて前記異物のサイズを求め
る異物サイズ検出手段を有して構成することができる。
【0023】この場合、前記異物サイズ検出手段にて得
られた異物のサイズが50μm以上を示す場合に、前記
基板を不良として判定する異物用判定手段を有するよう
にしてもよい。
【0024】次に、本発明は、基板上に、レーザ光の照
射により情報を記録することができる記録層を有するヒ
ートモード型の光情報記録媒体の欠陥を検査するための
光情報記録媒体の欠陥検査方法において、前記記録層の
形成前又は形成中に付着した異物と、該異物に基づく記
録層の形成不良欠陥とを区別して検査することを特徴と
する。
【0025】これにより、光情報記録媒体の製造段階に
おいて、その後の保存の状況によって成長しそうな欠陥
を確実に検出することができ、このような欠陥を有する
光情報記録媒体を事前に排除することができる。また、
問題となる欠陥はなく、その後の保存の状況によっても
成長しない欠陥があった場合は、良品として処理するこ
とができ、検査に伴う歩留まりの低下を回避することが
できる。
【0026】そして、前記方法において、前記記録層が
形成された基板に対して光を照射し、前記基板を透過す
る光を検出し、前記透過光の検出に基づく検出信号に基
づいて前記異物と前記記録層の形成不良欠陥とを区別し
て検出するようにしてもよい。
【0027】あるいは、前記記録層と該記録層上に光反
射層が形成された基板に対して光を照射し、前記基板を
反射する光を検出し、前記反射光の検出に基づく検出信
号に基づいて前記異物と前記記録層の形成不良欠陥とを
区別して検出するようにしてもよい。
【0028】そして、入力される検出信号のレベルと予
め設定された形成不良欠陥検出用のしきい値とを比較し
て形成不良欠陥の有無を検出し、入力される検出信号の
レベルと予め設定された異物検出用のしきい値とを比較
して異物の有無を検出するようにしてもよい。
【0029】また、前記形成不良欠陥を検出した場合
に、前記検出信号のレベルと所定の第1のサイズ検出用
レベルとに基づいて前記形成不良欠陥のサイズを求める
ようにしてもよい。この場合、得られた形成不良欠陥の
サイズが少なくとも300μm以上を示す場合に、前記
基板を不良として判定するようにしてもよい。
【0030】一方、前記異物を検出した場合に、前記検
出信号のレベルと所定の第2のサイズ検出用レベルとに
基づいて前記異物のサイズを求めるようにしてもよい。
この場合、得られた異物のサイズが50μm以上を示す
場合に、前記基板を不良として判定するようにしてもよ
い。
【0031】次に、本発明は、基板上に、レーザ光の照
射により情報を記録することができる記録層を有するヒ
ートモード型の光情報記録媒体に発生し得る欠陥のサイ
ズを決定する方法において、前記光情報記録媒体を温度
約80℃、湿度約85%で、もはや前記記録層の性能が
発揮できなくなり、前記欠陥のサイズに依存せずに記録
上のエラーが発生する時間だけ保存した後における欠陥
のサイズを最終欠陥サイズとすることを特徴とする。
【0032】これにより、製造工程で成長する欠陥と成
長しない欠陥を確実に見つけ出すためのサイズ上の指標
を得ることができ、欠陥検査工程の精度の向上並びに光
情報記録媒体の品質の向上を図ることができる。
【0033】なお、上述の欠陥サイズ決定方法で、サイ
ズが例えば200μmの欠陥で問題となることがわかっ
たとしても、200μmそのものを欠陥検査におけるサ
イズ上の指標にするとは限らず、安全を見て150μm
以上を示す場合に不良として判定したり、少しぐらいの
量であれば問題が発生してもよいという考えで、250
μm以上を示す場合に不良として判定する場合もある。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光情報記録媒
体の欠陥検査装置及びその方法並びに欠陥サイズ決定方
法を例えばCD−R等の光ディスクを製造するシステム
に適用した実施の形態例(以下、単に実施の形態に係る
欠陥検査装置と記す)を図1〜図15を参照しながら説
明する。
【0035】まず、本実施の形態に係る欠陥検査装置が
適用される光ディスクの製造システム10について図1
〜図6を参照しながら説明する。
【0036】この製造システム10は、図1に示すよう
に、例えば射出成形、圧縮成形又は射出圧縮成形によっ
て基板を作製する2つの成形設備(第1及び第2の成形
設備12A及び12B)と、基板の一主面上に色素塗布
液を塗布して乾燥させることにより、該基板上に色素記
録層を形成する塗布設備14と、基板の色素記録層上に
光反射層を例えばスパッタリングにより形成し、その
後、光反射層上にUV硬化液を塗布した後、UV照射し
て前記光反射層上に保護層を形成する後処理設備16と
を有して構成されている。
【0037】第1及び第2の成形設備12A及び12B
は、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形、圧縮
成形又は射出圧縮成形して、一主面にトラッキング用溝
又はアドレス信号等の情報を表す凹凸(グルーブ)が形
成された基板を作製する成形機20と、該成形機20か
ら取り出された基板を冷却する冷却部22と、冷却後の
基板を段積みして保管するためのスタックポール24が
複数本設置された集積部26(スタックポール回転台)
とを有する。
【0038】塗布設備14は、3つの処理部30、32
及び34から構成され、第1の処理部30には、前記第
1及び第2の成形設備12A及び12Bから搬送された
スタックポール24を収容するためのスタックポール収
容部40と、該スタックポール収容部40に収容された
スタックポール24から1枚ずつ基板を取り出して次工
程に搬送する第1の搬送機構42と、該第1の搬送機構
42によって搬送された1枚の基板に対して静電気の除
去を行う静電ブロー機構44とを有する。
【0039】第2の処理部32は、第1の処理部30に
おいて静電ブロー処理を終えた基板を次工程に順次搬送
する第2の搬送機構46と、該第2の搬送機構46によ
って搬送された複数の基板に対してそれぞれ色素塗布液
を塗布する色素塗布機構48と、色素塗布処理を終えた
基板を1枚ずつ次工程に搬送する第3の搬送機構50と
を有する。この色素塗布機構48は6つのスピンコート
装置52を有して構成されている。
【0040】第3の処理部34は、前記第3の搬送機構
50にて搬送された1枚の基板の裏面を洗浄する裏面洗
浄機構54と、裏面洗浄を終えた基板を次工程に搬送す
る第4の搬送機構56と、該第4の搬送機構56によっ
て搬送された基板に対してロット番号等の刻印をインク
ジェット印刷にて行う番号付与機構58と、ロット番号
等の刻印を終えた基板を次工程に搬送する第5の搬送機
構60と、該第5の搬送機構60によって搬送された基
板に対して欠陥の有無並びに色素記録層の膜厚の検査を
行う第1の実施の形態に係る欠陥検査装置62と、該欠
陥検査装置62での検査結果に応じて基板を正常品用の
スタックポール64あるいはNG用のスタックポール6
6に選別する選別機構68とを有する。
【0041】第1の処理部30と第2の処理部32との
間に第1の仕切板70が設置され、第2の処理部32と
第3の処理部34との間にも同様に第2の仕切板72が
設置されている。第1の仕切板70の下部には、第2の
搬送機構46による基板の搬送経路を塞がない程度の開
口(図示せず)が形成され、第2の仕切板72の下部に
は、第3の搬送機構50による基板の搬送経路を塞がな
い程度の開口(図示せず)が形成されている。
【0042】後処理設備16は、塗布設備14から搬送
された正常品用のスタックポール64を収容するための
スタックポール収容部80と、該スタックポール収容部
80に収容されたスタックポール64から1枚ずつ基板
を取り出して次工程に搬送する第6の搬送機構82と、
該第6の搬送機構82によって搬送された1枚の基板に
対して静電気の除去を行う第1の静電ブロー機構84
と、静電ブロー処理を終えた基板を次工程に順次搬送す
る第7の搬送機構86と、該第7の搬送機構86によっ
て搬送された基板の一主面に光反射層をスパッタリング
にて形成するスパッタ機構88と、光反射層のスパッタ
リングを終えた基板を次工程に順次搬送する第8の搬送
機構90と、該第8の搬送機構90によって搬送された
基板の周縁(エッジ部分)を洗浄するエッジ洗浄機構9
2とを有する。
【0043】また、この後処理設備16は、エッジ洗浄
を終えた基板に対して静電気の除去を行う第2の静電ブ
ロー機構94と、静電ブロー処理を終えた基板の一主面
に対してUV硬化液を塗布するUV硬化液塗布機構96
と、UV硬化液の塗布を終えた基板を高速回転させて基
板上のUV硬化液の塗布厚を均一にするスピン機構98
と、UV硬化液の塗布及びスピン処理を終えた基板に対
して紫外線を照射することによりUV硬化液を硬化させ
て基板の一主面に保護層を形成するUV照射機構100
と、前記基板を第2の静電ブロー機構94、UV硬化液
塗布機構96、スピン機構98及びUV照射機構100
にそれぞれ搬送する第9の搬送機構102と、UV照射
された基板を次工程に搬送する第10の搬送機構104
と、該第10の搬送機構104によって搬送された基板
に対して記録層塗布面と保護層面の欠陥を検査するため
の第2の実施の形態に係る欠陥検査装置106と、基板
に形成されたグルーブによる信号特性を検査するための
特性検査機構108と、これら欠陥検査装置106及び
特性検査機構108での検査結果に応じて基板を正常品
用のスタックポール110あるいはNG用のスタックポ
ール112に選別する選別機構114とを有する。
【0044】ここで、1つのスピンコート装置52の構
成について図2〜図6を参照しながら説明する。
【0045】このスピンコート装置52は、図2及び図
3に示すように、塗布液付与装置400、スピナーヘッ
ド装置402及び飛散防止壁404を有して構成されて
いる。塗布液付与装置400は、塗布液が充填された加
圧タンク(図示せず)と、該加圧タンクからノズル40
6に引き回されたパイプ(図示せず)と、ノズル406
から吐出される塗布液の量を調整するための吐出量調整
バルブ408とを有し、塗布液は前記ノズル406を通
してその所定量が基板202の表面上に滴下されるよう
になっている。この塗布液付与装置400は、ノズル4
06を下方に向けて支持する支持板410と該支持板4
10を水平方向に旋回させるモータ412とを有するハ
ンドリング機構414によって、待機位置から基板20
2の上方の位置に旋回移動できるように構成されてい
る。
【0046】スピナーヘッド装置402は、前記塗布液
付与装置400の下方に配置されており、着脱可能な固
定具420により基板202が水平に保持されると共
に、駆動モータ(図示せず)により軸回転が可能とされ
ている。
【0047】固定具420により水平に保持された状態
で回転している基板202上に、上記の塗布液付与装置
400のノズル406から滴下した塗布液は、基板20
2の表面上を外周側に流延する。そして、余分の塗布液
は基板202の外周縁部で振り切られ、その外側に放出
され、次いで塗膜が乾燥されることにより、基板202
の表面上に塗膜(色素記録層204)が形成される。
【0048】飛散防止壁404は、基板202の外周縁
部から外側に放出された余分の塗布液が周辺に飛散する
のを防止するために設けられており、上部に開口422
が形成されるようにスピナーヘッド装置402の周囲に
配置されている。飛散防止壁404を介して集められた
余分の塗布液はドレイン424を通して回収されるよう
になっている。
【0049】また、第2の処理部32(図1参照)にお
ける各スピンコート装置52の局所排気は、前記飛散防
止壁404の上方に形成された開口422から取り入れ
た空気を基板202の表面上に流通させた後、各スピナ
ーヘッド装置402の下方に取り付けられた排気管42
6を通じて排気されるようになっている。
【0050】塗布液付与装置400のノズル406は、
図4及び図5に示すように、軸方向に貫通孔430が形
成された細長い円筒状のノズル本体432と、該ノズル
本体432を支持板410(図3参照)に固定するため
の取付部434を有する。ノズル本体432は、その先
端面及びその先端面から1mm以上の範囲の外側又は内
側、あるいは両方の壁面がフッ素化合物からなる表面を
有する。このフッ素化合物としては、例えばポリテトラ
フルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン含有物
等を使用することができる。
【0051】この実施の形態で用いられる好ましいノズ
ル406の例としては、例えば、図5に示すように、ノ
ズル本体432の先端面及びその先端面から1mm以上
の範囲をフッ素化合物を用いて形成したノズル406
や、図6に示すように、ノズル本体432の先端面44
0及びその先端面440から1mm以上の範囲の外側又
は内側、あるいは両方の壁面442及び444をフッ素
化合物を用いて被覆したノズル406を挙げることがで
きる。
【0052】ノズル本体432の先端面及びその先端面
から1mm以上の範囲をフッ素化合物で形成する場合、
強度などを考慮すると、実用的には、例えばノズル本体
432をステンレススチールで形成し、その先端面及び
その先端面から最大で5mmの範囲をフッ素化合物で形
成することが好ましい。
【0053】また、図6に示すように、ノズル本体43
2の先端面440及びその先端面440から1mm以上
の範囲の外側又は内側、あるいは両方の壁面442及び
444をフッ素化合物で被覆する場合、ノズル本体43
2の先端面440から10mm以上、更に好ましくは、
ノズル本体432の全領域をフッ素化合物で被覆するこ
とが好ましい。被覆する場合のその厚みは、特に制限は
ないが、5〜500μmの範囲内が適当である。また、
ノズル本体432の材質としては、上記のように、ステ
ンレススチールが好ましい。ノズル本体432に形成さ
れた貫通孔430の径は一般に0.5〜1.0mmの範
囲である。
【0054】次に、この製造システム10によって光デ
ィスクを製造する過程について図7A〜図8Bの工程図
も参照しながら説明する。
【0055】まず、第1及び第2の成形設備12A及び
12Bにおける成形機20において、ポリカーボネート
などの樹脂材料が射出成形、圧縮成形又は射出圧縮成形
されて、図7Aに示すように、一主面にトラッキング用
溝又はアドレス信号等の情報を表す凹凸(グルーブ)2
00が形成された基板202が作製される。
【0056】前記基板202の材料としては、例えばポ
リカーボネート、ポリメタルメタクリレート等のアクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化
ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフ
ィン及びポリエステルなどを挙げることができ、所望に
よりそれらを併用してもよい。上記の材料の中では、耐
湿性、寸法安定性及び価格などの点からポリカーボネー
トが好ましい。また、グルーブ200の深さは、0.0
1〜0.3μmの範囲内であることが好ましく、その半
値幅は、0.2〜0.9μmの範囲内であることが好ま
しい。
【0057】成形機20から取り出された基板202
は、後段の冷却部22において冷却された後、一主面が
下側に向けられてスタックポール24に積載される。ス
タックポール24に所定枚数の基板202が積載された
段階で、スタックポール24はこの成形設備12A及び
12Bから取り出されて、次の塗布設備14に搬送さ
れ、該塗布設備14におけるスタックポール収容部40
に収容される。この搬送は、台車で行ってもよいし、自
走式の自動搬送装置で行うようにしてもよい。
【0058】スタックポール24がスタックポール収容
部40に収容された段階で、第1の搬送機構42が動作
し、スタックポール24から1枚ずつ基板202を取り
出して、後段の静電ブロー機構44に搬送する。静電ブ
ロー機構44に搬送された基板202は、該静電ブロー
機構44において静電気が除去された後、第2の搬送機
構46を介して次の色素塗布機構48に搬送され、6つ
のスピンコート装置52のうち、いずれか1つのスピン
コート装置52に投入される。スピンコート装置52に
投入された基板202は、その一主面上に色素塗布液が
塗布された後、高速に回転されて塗布液の厚みが均一に
された後、乾燥処理が施される。これによって、図7B
に示すように、基板202の一主面上に色素記録層20
4が形成されることになる。
【0059】即ち、スピンコート装置52に投入された
基板202は、図2に示すスピナーヘッド装置402に
装着され、固定具420により水平に保持される。次
に、加圧式タンクから供給された塗布液は、吐出量調整
バルブ408によって所定量が調整され、基板202上
の内周側にノズル406を通して滴下される。
【0060】このノズル406は、上述したように、そ
の先端面及びその先端面から1mm以上の範囲の外側又
は内側、あるいは両方の壁面がフッ素化合物からなる表
面を有しているため、塗布液の付着が生じにくく、ま
た、これが乾燥して色素の析出やその堆積物が生じにく
く、従って、塗膜を塗膜欠陥などの障害を伴うことなく
スムーズに形成させることができる。
【0061】なお、塗布液としては色素を適当な溶剤に
溶解した色素溶液が用いられる。塗布液中の色素の濃度
は一般に0.01〜15重量%の範囲内、好ましくは
0.1〜10重量%の範囲内、特に好ましくは0.5〜
5重量%の範囲内、最も好ましくは0.5〜3重量%の
範囲内である。
【0062】駆動モータによってスピナーヘッド装置4
02は高速回転が可能である。基板202上に滴下され
た塗布液は、スピナーヘッド装置402の回転により、
基板202の表面上を外周方向に流延し、塗膜を形成し
ながら基板202の外周縁部に到達する。外周縁部に到
達した余分の塗布液は、更に遠心力により振り切られ、
基板202の縁部の周囲に飛散する。飛散した余分の塗
布液は飛散防止壁404に衝突し、更にその下方に設け
られた受皿に集められた後、ドレイン424を通して回
収される。塗膜の乾燥はその形成過程及び塗膜形成後に
行われる。塗膜(色素記録層)204の厚みは、一般に
20〜500nmの範囲内、好ましくは50〜300n
mの範囲内に設けられる。
【0063】色素記録層204に用いられる色素は特に
限定されない。使用可能な色素の例としては、シアニン
色素、フタロシアニン系色素、イミダゾキノキサリン系
色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニ
ウム系色素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの
金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン
系色素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色
素、トリフェニルメタン系色素、メロシアニン系色素、
オキソノール系色素、アミニウム系・ジインモニウム系
色素及びニトロソ化合物を挙げることができる。これら
の色素のうちでは、シアニン色素、フタロシアニン系色
素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、オキ
ソノール系色素及びイミダゾキノキサリン系色素が好ま
しい。
【0064】色素記録層204を形成するための塗布剤
の溶剤の例としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテー
トなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロル
メタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの
塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;
シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、
エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,
2,3,3−テトラフロロ−1−プロパノールなどのフ
ッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル
類などを挙げることができる。
【0065】前記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮し
て単独または二種以上を適宜併用することができる。好
ましくは、2,2,3,3−テトラフロロ−1−プロパ
ノールなどのフッ素系溶剤である。なお、塗布液中に
は、所望により退色防止剤や結合剤を添加してもよい
し、更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、そして潤滑
剤など各種の添加剤を、目的に応じて添加してもよい。
【0066】退色防止剤の代表的な例としては、ニトロ
ソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩
を挙げることができる。これらの例は、例えば、特開平
2−300288号、同3−224793号、及び同4
−146189号等の各公報に記載されている。
【0067】結合剤の例としては、ゼラチン、セルロー
ス誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機
高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・
ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹
脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポ
キシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・
ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物な
どの合成有機高分子を挙げることができる。
【0068】結合剤を使用する場合に、結合剤の使用量
は、色素100重量部に対して、一般に20重量部以下
であり、好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5
重量部以下である。
【0069】なお、色素記録層204が設けられる側の
基板表面には、平面性の改善、接着力の向上および記録
層の変質防止などの目的で、下塗層が設けられてもよ
い。
【0070】下塗層の材料としては例えば、ポリメチル
メタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、
スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ
ール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニ
ルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、
ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフ
ィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビ
ニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子
物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤を
挙げることができる。
【0071】下塗層は、前記物質を適当な溶剤に溶解ま
たは分散して塗布液を調整した後、この塗布液をスピン
コート、ディップコート、エクストルージョンコートな
どの塗布法を利用して基板表面に塗布することにより形
成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005
〜20μmの範囲内、好ましくは0.01〜10μmの
範囲内に設けられる。
【0072】色素記録層204が形成された基板202
は、第3の搬送機構50を介して次の裏面洗浄機構54
に搬送され、基板202の一主面の反対側の面(裏面)
が洗浄される。その後、基板202は、第4の搬送機構
56を介して次の番号付与機構58に搬送され、基板2
02の一主面又は裏面に対してロット番号等の刻印が行
われる。
【0073】その後、基板202は、第5の搬送機構6
0を介して次の第1の実施の形態に係る欠陥検査装置6
2に搬送され、基板202の欠陥の有無や色素記録層2
04の膜厚の検査が行われる。この検査は、基板202
の裏面から光を照射してその光の透過状態を例えばCC
Dカメラで画像処理することによって行われる。この欠
陥検査装置62での検査結果は次の選別機構68に送ら
れる。この欠陥検査装置62の構成及びその処理動作の
説明は、後で詳述する。
【0074】上述の検査処理を終えた基板202は、そ
の検査結果に基づいて選別機構68によって正常品用の
スタックポール64か、NG用のスタックポール66に
搬送選別される。
【0075】正常品用のスタックポール64に所定枚数
の基板202が積載された段階で、正常品用のスタック
ポール64はこの塗布設備14から取り出されて、次の
後処理設備16に搬送され、該後処理設備16のスタッ
クポール収容部80に収容される。この搬送は、台車で
行ってもよいし、自走式の自動搬送装置で行うようにし
てもよい。
【0076】正常品用のスタックポール64がスタック
ポール収容部80に収容された段階で、第6の搬送機構
82が動作し、スタックポール64から1枚ずつ基板2
02を取り出して、後段の第1の静電ブロー機構84に
搬送する。第1の静電ブロー機構84に搬送された基板
202は、該第1の静電ブロー機構84において静電気
が除去された後、第7の搬送機構86を介して次のスパ
ッタ機構88に搬送される。スパッタ機構88に投入さ
れた基板202は、図7Cに示すように、その一主面
中、周縁部分(エッジ部分)206を除く全面に光反射
層208がスパッタリングによって形成される。
【0077】光反射層208の材料である光反射性物質
はレーザ光に対する反射率が高い物質であり、その例と
しては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、
Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、A
u、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、T
e、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属ある
いはステンレス鋼を挙げることができる。
【0078】これらのうち、好ましいものは、Cr、N
i、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼で
ある。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは
二種以上を組み合わせて用いてもよい。または合金とし
て用いてもよい。特に好ましくはAu、Agもしくはそ
の合金である。
【0079】光反射層208は、例えば、前記光反射性
物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティン
グすることにより記録層の上に形成することができる。
反射層の層厚は、一般的には10〜800nmの範囲
内、好ましくは20〜500nmの範囲内、更に好まし
くは50〜300nmの範囲内に設けられる。
【0080】光反射層208が形成された基板202
は、第8の搬送機構90を介して次のエッジ洗浄機構9
2に搬送され、図8Aに示すように、基板202の一主
面中、エッジ部分206が洗浄されて、該エッジ部分2
06に形成されていた色素記録層204が除去される。
その後、基板202は、第9の搬送機構102を介して
次の第2の静電ブロー機構94に搬送され、静電気が除
去される。
【0081】その後、基板202は、同じく前記第9の
搬送機構102を介してUV硬化液塗布機構96に搬送
され、基板202の一主面の一部分にUV硬化液が滴下
される。その後、基板202は、同じく前記第9の搬送
機構102を介して次のスピン機構98に搬送され、高
速に回転されることにより、基板202上に滴下された
UV硬化液の塗布厚が基板全面において均一にされる。
【0082】その後、基板202は、同じく前記第9の
搬送機構102を介して次のUV照射機構100に搬送
され、基板202上のUV硬化液に対して紫外線が照射
される。これによって、図8Bに示すように、基板20
2の一主面上に形成された色素記録層204と光反射層
208を覆うようにUV硬化樹脂による保護層210が
形成されて光ディスクDとして構成されることになる。
【0083】保護層210は、色素記録層204などを
物理的及び化学的に保護する目的で光反射層208上に
設けられる。保護層210は、基板202の色素記録層
204が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高め
る目的で設けることができる。保護層210で使用され
る材料としては、例えば、SiO、SiO2 、Mg
2 、SnO2 、Si3 4 等の無機物質、及び熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂、そしてUV硬化性樹脂等の有機
物質を挙げることができる。
【0084】保護層210は、例えば、プラスチックの
押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して光反射層
208上及び/または基板202上にラミネートするこ
とにより形成することができる。あるいは真空蒸着、ス
パッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。
また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これら
を適当な溶剤に溶解して塗布液を調整したのち、この塗
布液を塗布し、乾燥させることによっても形成すること
ができる。
【0085】UV硬化性樹脂の場合には、上述したよう
に、そのまま、もしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を
調整したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬
化させることによって形成することができる。これらの
塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収
剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護
層210の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲内
に設けられる。
【0086】その後、光ディスクDは、第10の搬送機
構104を介して次の第2の実施の形態に係る欠陥検査
装置106と特性検査機構108に搬送され、色素記録
層204の面と保護層210の面における欠陥の有無や
光ディスクDの基板202に形成されたグルーブ200
による信号特性が検査される。これらの検査は、光ディ
スクDの両面に対してそれぞれ光を照射してその反射光
を例えばCCDカメラで画像処理することによって行わ
れる。これらの欠陥検査装置106及び特性検査機構1
08での各検査結果は次の選別機構114に送られる。
第2の実施の形態に係る欠陥検査装置106の構成及び
その処理動作は、後で詳述する。
【0087】上述の欠陥検査処理及び特性検査処理を終
えた光ディスクDは、各検査結果に基づいて選別機構1
14によって正常品用のスタックポール110か、NG
用のスタックポール112に搬送選別される。
【0088】正常品用のスタックポール110に所定枚
数の光ディスクDが積載された段階で、該スタックポー
ル110が後処理設備16から取り出されて図示しない
ラベル印刷工程に投入される。
【0089】次に、第1及び第2に実施の形態に係る欠
陥検査装置62及び106について図9〜図15を参照
しながら説明する。
【0090】これら第1及び第2の実施の形態に係る欠
陥検査装置62及び106は、図9に示すように、同様
の構成を有し、基台300上に3つの部屋302、30
4及び306が積み上げられた形態の外観を有する。
【0091】中段の部屋304の外側には、基板202
を水平状態にしたまま回転自在に保持するチャッキング
機構308が設置されている。このチャッキング機構3
08は、基板202の中央を真空吸着するための吸引部
310と、該吸引部310を回転自在に支持するハウジ
ング部312とを有し、前記吸引部310にはハウジン
グ部312の下方まで延びる回転軸314が設けられて
いる。
【0092】中段の部屋304内には、基板202を回
転駆動するための駆動モータ316が設置され、前記吸
引部310の回転軸314には、前記駆動モータ316
の駆動力を伝達させるためのベルト318が掛けられて
いる。
【0093】下段の部屋302内には、基台300上に
固定された支持台320と、該支持台320上に固定さ
れ、かつ、光照射手段としての例えばハロゲンランプユ
ニット322と、該ハロゲンランプユニット322から
出射された光Lを上方に導く全反射ミラーユニット32
4と、該全反射ミラーユニット324によって導かれた
光Lを基板202に集光させるコリメータレンズユニッ
ト326と、基板202からの反射光Lrの光路に沿っ
て設置された支持板328と、該支持板328に取り付
けられ、かつ、受光面が基板202側に向けて設置され
た例えばCCDによる反射光検出ユニット330と、前
記支持板328に取り付けられ、かつ、前記基板202
からの反射光Lrを前記反射光検出ユニット330に結
像させる結像レンズユニット332とが設置されてい
る。
【0094】一方、上段の部屋306内には、例えばC
CDによる透過光検出ユニット334と、基板202を
透過した光Ltを前記透過光検出ユニット334に導く
全反射ミラーユニット336と、基板202からの透過
光Ltを前記全反射ミラーユニット336に集光させる
コリメータレンズユニット338とが設置されている。
【0095】下段の部屋302の上部のうち、前記ハロ
ゲンランプユニット322から出射された光Lの光路と
交わる部分にはガラス等の透光板340が例えば嵌め殺
し方式で固定され、上段の部屋306の下部のうち、前
記基板202からの透過光Ltの光路と交わる部分には
ガラス等の透光板342が例えば嵌め殺し方式で固定さ
れている。
【0096】なお、基台300の下部には、この欠陥検
査装置62又は106への不要な振動の伝達を防ぐため
の防振ゴム344が設置されている。
【0097】次に、この第1及び第2の実施の形態に係
る欠陥検査装置62及び106の処理動作について説明
する。
【0098】まず、第1の実施の形態に係る欠陥検査装
置62においては、第5の搬送機構60(図1参照)を
介して当該欠陥検査装置62に搬送された基板202
が、チャッキング機構308の吸引部310にてその中
央部分が吸着され、駆動モータ316によって一方向に
回転駆動される。
【0099】この段階で、ハロゲンランプユニット32
2から光Lが出射され、全反射ミラーユニット324及
びコリメータレンズユニット326を介して前記光Lが
基板202に照射される。この製造段階においては、色
素記録層204(図7B参照)の上に光反射層208
(図8A参照)が形成されていないため、光Lはそのま
ま色素記録層204を透過し、透過光Ltとしてコリメ
ータレンズユニット338及び全反射ミラーユニット3
36を介して透過光検出ユニット334に入射される。
【0100】そして、この透過光検出ユニット334に
おいて、前記入射された透過光Ltの光量に応じた例え
ば電圧レベルを有する検出信号S1が取り出されること
になる(図10B参照)。
【0101】一方、第2の実施の形態に係る欠陥検査装
置106においては、第10の搬送機構104(図1参
照)を介して当該欠陥検査装置106に搬送された基板
202が、チャッキング機構308の吸引部310にて
その中央部分が吸着され、駆動モータ316によって一
方向に回転駆動される。
【0102】この段階で、ハロゲンランプユニット32
2から光Lが出射され、全反射ミラーユニット324及
びコリメータレンズユニット326を介して前記光Lが
基板202に照射される。この製造段階においては、色
素記録層204の上に光反射層208(図8A参照)が
形成されているため、光Lは色素記録層204と光反射
層208との界面で反射し、反射光Lrとして結像レン
ズユニット332を介して反射光検出ユニット330に
入射される。
【0103】そして、この反射光検出ユニット330に
おいて、前記入射された反射光Lrの光量に応じた例え
ば電圧レベルを有する検出信号S2(図10B参照)が
取り出されることになる。
【0104】ところで、図10Aに示すように、基板2
02に形成された色素記録層204内、あるいはこれに
接して異物600が存在すると、異物600を核に欠陥
が大きく成長することがあり、この欠陥のサイズが10
0μm以下であっても、最終的に600μm以上になる
ことがある。この図10Aにおいて、一点鎖線で示す枠
は、透過光検出ユニット334あるいは反射光検出ユニ
ット330において1回のスキャンで撮像される領域を
示す。
【0105】また、欠陥のサイズが100μm以上であ
っても、最終的に600μm以上に成長しない場合もあ
る。これは、一般にハレーやコメットと呼ばれる欠陥
(以下、便宜的にハレー欠陥と記す)602で、色素塗
布時に異物600が存在すると、その周辺の色素塗布液
の流れに乱れが生じ、欠陥となるものである。
【0106】つまり、このハレー欠陥602は、色素記
録層204が未形成である欠陥として認識することがで
きる。
【0107】もっとも、ハレー欠陥602においても、
その中心に異物600が存在し、この異物600のサイ
ズが大きいと、最終的に600μm以上の欠陥になるこ
ともある。
【0108】この関係を調べたところ、図11に示すよ
うな結果となった。これにより、異物600のサイズが
50μm以上であると欠陥が大きく成長することがわか
った(サンプルe及びf参照)。ハレー欠陥602の場
合には、そのサイズが50μm以上であっても異物60
0のサイズが50μm以下であれば問題はない(サンプ
ルa、c及びd参照)。
【0109】異物600が成長するメカニズムは、色素
の結晶化か、異物600からの不純物の染み出しによる
色素記録層204の劣化と考えられる。
【0110】図11において、最終欠陥サイズとは、光
ディスクDを温度約80℃、湿度約85%で保存した後
の欠陥サイズである。最終というのは、もはや色素記録
層204の性能が発揮できなくなり、欠陥のサイズに依
存せずに記録上のエラーが発生する時間である。この例
では500時間であった。
【0111】色素記録層204の種類によって最終まで
の時間は異なってくるし、欠陥の成長の度合いも変わっ
てくるが、光ディスクDを温度約80℃、湿度約85%
で、もはや色素記録層204の性能が発揮できなくな
り、欠陥のサイズに依存せずに記録上のエラーが発生す
る時間だけ保存した後における欠陥のサイズを最終欠陥
サイズとすることにより、光ディスクDの製造工程で成
長する欠陥と成長しない欠陥を確実に見つけ出すための
サイズ上の指標を得ることができ、欠陥検査工程の精度
の向上並びに光ディスクDの品質の向上を図ることがで
きる。
【0112】そして、上述の方法で見つけ出したサイズ
上の指標に基づいて、色素塗布後に、第1及び第2の実
施の形態に係る欠陥検査装置62及び106によって、
問題となる欠陥がある基板202を排除することによ
り、良好な特性を有する光ディスクDを得ることができ
る。
【0113】この場合、異物600のみについては、例
えば50μm以上の欠陥がある基板202を排除すれば
よい。確実性を期すためには、ハレー欠陥602につい
ては、少なくとも300μm以上のハレー欠陥602を
有する基板202を排除すればよい。ここで、少なくと
も300μm以上とは、ハレー欠陥602のサイズが3
00μm以上であれば必ず排除されることを示し、ハレ
ー欠陥602のサイズが300μm未満であっても光デ
ィスクDの特性によっては、排除される場合もあること
を示すものである。
【0114】なお、上述の欠陥サイズ決定方法で、サイ
ズが例えば200μm以上のハレー欠陥602が問題と
なることがわかったとしても、200μm以上を欠陥検
査におけるサイズ上の指標にするとは限らず、安全を見
て150μm以上を示す場合に不良として判定したり、
少しぐらいの量であれば問題が発生してもよいという場
合は、例えば250μm以上を示す場合に不良として判
定することもある。
【0115】ハレー欠陥602と異物600は、後述す
るように信号処理系500(図12参照)にて区別する
ことができる。この場合、第1及び第2の実施の形態に
示すように、CCDセンサによる欠陥検査を用いること
が好ましい。
【0116】即ち、CCDセンサによる検査方式を用い
た場合、基板202をライン状にスキャンし、透過率あ
るいは反射率の変動を検知してハレー欠陥602や異物
600の有無を判断することができるからである。ハレ
ー欠陥602と異物600とでは、検出信号S1及びS
2のプロファイルが異なるため、簡単に区別することが
できる。
【0117】次に、この第1及び第2の実施の形態に係
る欠陥検査装置62及び106の信号処理系のうち、特
に欠陥検査に関する信号処理系500について図12〜
図15を参照しながら説明する。
【0118】この欠陥検査に関する信号処理系500
は、図12に示すように、透過光検出ユニット334あ
るいは反射光検出ユニット330からの検出信号S1あ
るいはS2の電圧レベルVi(以下、単に検出レベルV
iと記す)とハレー欠陥検出用のしきい値Vaとを比較
し、検出レベルViが該しきい値Vaよりも大きい期間
において高レベルの信号Saを出力する第1のコンパレ
ータ502と、検出レベルViと異物検出用のしきい値
Vbとを比較し、検出レベルViが該しきい値Vbより
も大きい期間において高レベルの信号Sbを出力する第
2のコンパレータ504と、検出レベルViと第1のサ
イズ検出用レベルVcとを比較し、検出レベルViが第
1のサイズ検出用レベルVcよりも大きい期間において
高レベルの信号Scを出力する第3のコンパレータ50
6と、検出レベルViと第2のサイズ検出用レベルVd
とを比較し、検出レベルViが第2のサイズ検出用レベ
ルVdよりも大きい期間において高レベルの信号Sdを
出力する第4のコンパレータ508とを有する。
【0119】ハレー欠陥検出用のしきい値Vaは、図1
3に示すように、正規の厚みを有する色素記録層204
からの透過光のレベルあるいは反射光のレベルを100
%としたとき、例えば110%のレベルが選ばれ、異物
検出用のしきい値Vbは、例えば90%のレベルが選ば
れる。
【0120】第1のサイズ検出用レベルVcは、正規の
厚みを有する色素記録層204からの透過光のレベルあ
るいは反射光のレベルを100%としたとき、例えば1
02%のレベルが選ばれ、第2のサイズ検出用レベルV
dは、例えば98%のレベルが選ばれる。
【0121】また、この信号処理系500は、前記第3
のコンパレータ506の後段に接続され、かつ、該第3
のコンパレータ506の出力Scが高レベルになった時
点t1から基準クロックPcの計数を開始し、リセット
端子Rに高レベルの信号が入力された時点で前記計数を
終了して該計数値Daを出力すると同時に計数値Daを
リセットする第1のカウンタ510と、前記第4のコン
パレータ508の後段にNOT回路512を介して接続
され、該NOT回路512の出力Seが高レベル(第4
のコンパレータ508の出力Sdが低レベル)になった
時点t2から基準クロックPcの計数を開始し、リセッ
ト端子Rに高レベルの信号が入力された時点で前記計数
を終了して該計数値Dbを出力すると同時に計数値Db
をリセットする第2のカウンタ514とを有する。
【0122】また、この信号処理系500は、前記第1
のカウンタ510の後段に、該第1のカウンタ510か
ら供給される計数値Daに基づいてサイズデータDcに
換算する計数値/サイズ換算回路516と、該計数値/
サイズ換算回路516からのサイズデータDcと、第1
の参照レジスタ518に格納されているハレー欠陥60
2のしきいサイズデータDdとを比較して、前記サイズ
データDcが示す値が前記しきいサイズデータDdが示
す値よりも小さい場合に、良品を示す高レベル信号Sf
(論理的に「1」)を出力し、前記サイズデータDcが
示す値が前記しきいサイズデータDdが示す値以上の場
合に、不良品を示す低レベル信号Sf(論理的に
「0」)を出力する第1の判定回路520が接続されて
いる。
【0123】第1の参照レジスタ518に格納されてい
るハレー欠陥602のしきいサイズデータDdが示す値
は、基板202を不良品として認めるハレー欠陥602
のサイズの下限値(基準値)であり、例えば300μ
m、250μm、200μm等の値が使用される。
【0124】一方、第2のカウンタ514の後段には、
該第2のカウンタ514から供給される計数値Dbに基
づいてサイズデータDeに換算する計数値/サイズ換算
回路522と、該計数値/サイズ換算回路522からの
サイズデータDeと、第2の参照レジスタ524に格納
されている異物600のしきいサイズデータDfとを比
較して、前記サイズデータDeが示す値が前記しきいサ
イズデータDfが示す値よりも小さい場合に、良品を示
す高レベル信号Sg(論理的に「1」)を出力し、前記
サイズデータDeが示す値が前記しきいサイズデータD
fが示す値以上の場合に、不良品を示す低レベル信号S
g(論理的に「0」)を出力する第2の判定回路526
が接続されている。
【0125】第2の参照レジスタ524に格納されてい
る異物600のしきいサイズデータDfが示す値は、基
板202を不良品として認める異物600のサイズの下
限値(基準値)であり、例えば100μm、70μm、
50μm等の値が使用される。
【0126】また、この信号処理系500は、第1のコ
ンパレータ502の後段に例えばSRフリップフロップ
回路からなる第1のラッチ回路530が接続され、第2
のコンパレータ504の後段にもNOT回路532を介
して例えばSRフリップフロップ回路からなる第2のラ
ッチ回路534が接続されている。
【0127】具体的には、第1のラッチ回路530のセ
ット端子Sには第1のコンパレータ502の出力Saが
入力され、第2のラッチ回路534のセット端子Sに第
2のコンパレータ504の出力Sbが入力され、各ラッ
チ回路530及び534のリセット端子Rに第4のコン
パレータ508の出力Sdが遅延回路536を介して入
力されるように配線接続されている。
【0128】つまり、前記第1のラッチ回路530は、
図13に示すように、第1のコンパレータ502の出力
Saが高レベルとなってハレー欠陥602が検出された
時点t1でその出力が高レベルとされ、異物600のサ
イズの検出が終了した時点t4から遅延回路536での
遅延時間τを加算した時間が経過した時点t5において
低レベルとなる信号W1を出力する。
【0129】遅延時間τとしては、例えば計数値/サイ
ズ換算回路516及び522と判定回路520及び52
6での処理時間を考慮した時間(例えば数nsec〜数
μsec)に設定される。この第1のラッチ回路530
から出力される信号W1は、ハレー欠陥602が検出さ
れたことを示すウィンドウパルスとして使用される。
【0130】前記第2のラッチ回路534は、第2のコ
ンパレータ504の出力Sbが高レベルとなって異物6
00が検出された時点t3でその出力が高レベルとさ
れ、異物600のサイズの検出が終了した時点t4から
遅延回路536での遅延時間τを加算した時間が経過し
た時点t5において低レベルとなる信号W2を出力す
る。この第2のラッチ回路534から出力される信号W
2は、異物600が検出されたことを示すウィンドウパ
ルスとして使用される。なお、遅延回路536として
は、数個のNOT回路を直列接続したものを使用するこ
とができる。
【0131】そして、第1のラッチ回路530の出力
(信号)W1と前記第1の判定回路520の出力Sfが
それぞれ第1のAND回路540に入力され、第2のラ
ッチ回路534の出力(信号)W2と前記第2の判定回
路526の出力Sgがそれぞれ第2のAND回路542
に入力され、これら第1及び第2のAND回路540及
び542からの出力Sh及びSiがそれぞれOR回路5
44に入力されるように配線接続され、このOR回路5
44からの出力Sjがこの信号処理系500の出力とし
て取り出されるようになっている。
【0132】そして、図14に示すように、検出レベル
Viがハレー欠陥検出用のしきい値Va未満でハレー欠
陥602が小さい場合は、第1のラッチ回路530から
出力される信号W1は低レベル(論理的に「0」)とな
るため、第1の判定回路520の出力Sfに拘わらずハ
レー欠陥602についての判定は「良」となる。
【0133】検出レベルViがハレー欠陥検出用のしき
い値Va以上でハレー欠陥602が大きい場合は、第1
のラッチ回路530から出力される信号W1は高レベル
(論理的に「1」)となるため、第1の判定回路520
から出力されるハレー欠陥602のサイズに応じた判定
結果がそのままハレー欠陥602についての判定結果と
される。例えばハレー欠陥602のサイズが第1のサイ
ズ検出用レベルVcが示すサイズ(例えば200μm)
未満であれば「良」として判定され、200μm以上で
あれば「不良」として判定される。
【0134】また、図15に示すように、検出レベルV
iが異物検出用のしきい値Vb未満で異物600が小さ
い場合は、第2のラッチ回路534から出力される信号
W2は低レベル(論理的に「0」)となるため、第2の
判定回路526の出力に拘わらず異物600についての
判定は「良」となる。
【0135】検出レベルViが異物検出用のしきい値V
b以上で異物600が大きい場合は、第2のラッチ回路
534から出力される信号W2は高レベル(論理的に
「1」)となるため、第2の判定回路526から出力さ
れる異物600のサイズに応じた判定結果がそのまま異
物600についての判定結果とされる。例えば異物60
0のサイズが第2のサイズ検出用レベルVdが示すサイ
ズ(例えば50μm)未満であれば「良」として判定さ
れ、50μm以上であれば「不良」として判定される。
【0136】そして、これらの判定結果が後段のOR回
路544にて論理和され、ハレー欠陥602について
「良」判定であっても、異物600について「不良」判
定であれば、「不良」として判定され、また、異物60
0について「良」判定であっても、ハレー欠陥602に
ついて「不良」判定であれば、「不良」として判定さ
れ、当該検査対象の基板202は、後段の選別機構68
及び114(図1参照)によってNG用のスタックポー
ル66及び112に搬送されて排除される。つまり、ハ
レー欠陥602及び異物600について共に「良」とし
て判定された基板202のみ後段の選別機構68及び1
14によって正常品用のスタックポール64及び110
に搬送されることになる。
【0137】このように、第1及び第2の実施の形態に
係る欠陥検査装置62及び106においては、色素記録
層204の形成前に付着した異物600と、該異物60
0に基づく色素記録層204の形成不良欠陥(ハレー欠
陥602)とを区別して検査するようにしたので、異物
600の存在とその判定基準に基づく光ディスクDの良
品/不良品判定と、ハレー欠陥602の存在とその判定
基準に基づく光ディスクDの良品/不良品判定とをそれ
ぞれ個別に行うことができる。即ち、例えば異物600
に対する判定基準を厳しくし、ハレー欠陥602に対す
る判定基準を緩やかにするなど、光ディスクDに対する
判定において、その特性に応じて柔軟な対応をとること
ができる。
【0138】その結果、光ディスクDの製造段階におい
て、その後の保存の状況によって成長しそうな欠陥を確
実に検出することができ、このような欠陥を有する光デ
ィスクDを事前に排除することができる。また、問題と
なる欠陥はなく、その後の保存の状況によっても成長し
ない欠陥があった場合は、良品として処理することがで
き、検査に伴う歩留まりの低下を回避することができ
る。
【0139】なお、この発明に係る光情報記録媒体の欠
陥検査装置及びその方法並びに欠陥サイズ決定方法は、
上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱する
ことなく、種々の構成を採り得ることはもちろんであ
る。
【0140】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る光情
報記録媒体の欠陥検査装置及びその方法並びに欠陥サイ
ズ決定方法によれば、光情報記録媒体の製造段階におい
て、その後の保存の状況によって成長しそうな欠陥を確
実に検出することができ、このような欠陥を有する光情
報記録媒体を事前に排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る欠陥検査装置が適用される
光ディスクの製造システムの一例を示す構成図である。
【図2】塗布設備に設置されるスピンコート装置を示す
構成図である。
【図3】塗布設備に設置されるスピンコート装置を示す
斜視図である。
【図4】スピンコート装置のノズルを示す平面図であ
る。
【図5】スピンコート装置のノズルの一例を示す側面図
である。
【図6】スピンコート装置のノズルの他の例を一部省略
して示す拡大断面図である。
【図7】図7Aは基板にグルーブを形成した状態を示す
工程図であり、図7Bは基板上に色素記録層を形成した
状態を示す工程図であり、図7Cは基板上に光反射層を
形成した状態を示す工程図である。
【図8】図8Aは基板のエッジ部分を洗浄した状態を示
す工程図であり、図8Bは基板上に保護層を形成した状
態を示す工程図である。
【図9】第1及び第2の実施の形態に係る欠陥検査装置
を示す構成図である。
【図10】図10Aは基板上に付着した異物と、異物に
基づくハレー欠陥を示す説明図であり、図10Bは異物
及びハレー欠陥を撮像した場合の検出信号の波形を示す
説明図である。
【図11】異物サイズ、ハレー欠陥サイズ及び最終欠陥
サイズの因果関係を示す図表である。
【図12】第1及び第2の実施の形態に係る欠陥検査装
置の信号処理系を示すブロック図である。
【図13】第1及び第2の実施の形態に係る欠陥検査装
置の信号処理系での信号処理を示すタイミングチャート
である。
【図14】ハレー欠陥の検出状態とハレー欠陥のサイズ
に応じた判定結果を示す図表である。
【図15】異物の検出状態と異物のサイズに応じた判定
結果を示す図表である。
【符号の説明】
10…製造システム 62、106…欠
陥検査装置 202…基板 204…色素記録
層 208…光反射層 322…ハロゲン
ランプユニット 330…反射光検出ユニット 334…透過光検
出ユニット 500…信号処理系 502…第1のコ
ンパレータ 504…第2のコンパレータ 506…第3のコ
ンパレータ 508…第4のコンパレータ 520…第1の判
定回路 526…第2の判定回路 530…第1のラ
ッチ回路 534…第2のラッチ回路 600…異物 602…ハレー欠陥 D…光ディスク
フロントページの続き (72)発明者 赤羽 陽介 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2G051 AA71 AB02 AB20 AC02 AC12 BA01 BA05 BA20 CA03 CB01 CB02 DA01 DA08 DA13 EA04 EA11 EB01 EB02 EB09 EC01 5D121 HH01 HH18

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、レーザ光の照射により情報を記
    録することができる記録層を有するヒートモード型の光
    情報記録媒体の欠陥を検査するための光情報記録媒体の
    欠陥検査装置において、 前記記録層の形成前又は形成中に付着した異物と、該異
    物に基づく記録層の形成不良欠陥とを区別して検査する
    ための個別検査手段を有し、 前記異物のサイズが50μm以上を示す場合、あるいは
    前記形成不良欠陥のサイズが少なくとも300μm以上
    を示す場合に、前記基板を不良として判定することを特
    徴とする光情報記録媒体の欠陥検査装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光情報記録媒体の欠陥検査
    装置において、 前記個別検査手段は、 前記記録層が形成された基板に対して光を照射する光照
    射手段と、 前記基板を透過する光を検出する透過光検出手段と、 前記透過光検出手段からの検出信号に基づいて前記異物
    と前記記録層の形成不良欠陥とを区別して検出する欠陥
    検出手段とを有することを特徴とする光情報記録媒体の
    欠陥検査装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の光情報記録媒体の欠陥検査
    装置において、 前記個別検査手段は、 前記記録層と該記録層上に光反射層が形成された基板に
    対して光を照射する光照射手段と、 前記基板を反射する光を検出する反射光検出手段と、 前記反射光検出手段からの検出信号に基づいて前記異物
    と前記記録層の形成不良欠陥とを区別して検出する欠陥
    検出手段とを有することを特徴とする光情報記録媒体の
    欠陥検査装置。
  4. 【請求項4】請求項2又は3記載の光情報記録媒体の欠
    陥検査装置において、 前記欠陥検出手段は、 入力される検出信号のレベルと予め設定された形成不良
    欠陥検出用のしきい値とを比較して形成不良欠陥の有無
    を検出する形成不良欠陥検出手段と、 入力される検出信号のレベルと予め設定された異物検出
    用のしきい値とを比較して異物の有無を検出する異物検
    出手段とを有することを特徴とする光情報記録媒体の欠
    陥検査装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の光情報記録媒体の欠陥検査
    装置において、 前記形成不良欠陥検査手段は、 前記形成不良欠陥を検出した場合に、前記検出信号のレ
    ベルと所定の第1のサイズ検出用レベルとに基づいて前
    記形成不良欠陥のサイズを求める形成不良欠陥サイズ検
    出手段を有することを特徴とする光情報記録媒体の欠陥
    検査装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の光情報記録媒体の欠陥検査
    装置において、 前記形成不良欠陥サイズ検出手段にて得られた形成不良
    欠陥のサイズが少なくとも300μm以上を示す場合
    に、前記基板を不良として判定する形成不良欠陥用判定
    手段を有することを特徴とする光情報記録媒体の欠陥検
    査装置。
  7. 【請求項7】請求項4〜6のいずれか1項に記載の光情
    報記録媒体の欠陥検査装置において、 前記異物検査手段は、 前記異物を検出した場合に、前記検出信号のレベルと所
    定の第2のサイズ検出用レベルとに基づいて前記異物の
    サイズを求める異物サイズ検出手段を有することを特徴
    とする光情報記録媒体の欠陥検査装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の光情報記録媒体の欠陥検査
    装置において、 前記異物サイズ検出手段にて得られた異物のサイズが5
    0μm以上を示す場合に、前記基板を不良として判定す
    る異物用判定手段を有することを特徴とする光情報記録
    媒体の欠陥検査装置。
  9. 【請求項9】基板上に、レーザ光の照射により情報を記
    録することができる記録層を有するヒートモード型の光
    情報記録媒体の欠陥を検査するための光情報記録媒体の
    欠陥検査方法において、 前記記録層の形成前又は形成中に付着した異物と、該異
    物に基づく記録層の形成不良欠陥とを区別して検査し、 前記異物のサイズが50μm以上を示す場合、あるいは
    前記形成不良欠陥のサイズが少なくとも300μm以上
    を示す場合に、前記基板を不良として判定することを特
    徴とする光情報記録媒体の欠陥検査方法。
  10. 【請求項10】請求項9記載の光情報記録媒体の欠陥検
    査方法において、 前記記録層が形成された基板に対して光を照射し、 前記基板を透過する光を検出し、 前記透過光の検出に基づく検出信号に基づいて前記異物
    と前記記録層の形成不良欠陥とを区別して検出すること
    を特徴とする光情報記録媒体の欠陥検査方法。
  11. 【請求項11】請求項9記載の光情報記録媒体の欠陥検
    査方法において、 前記記録層と該記録層上に光反射層が形成された基板に
    対して光を照射し、 前記基板を反射する光を検出し、 前記反射光の検出に基づく検出信号に基づいて前記異物
    と前記記録層の形成不良欠陥とを区別して検出すること
    を特徴とする光情報記録媒体の欠陥検査方法。
  12. 【請求項12】請求項10又は11記載の光情報記録媒
    体の欠陥検査方法において、 入力される検出信号のレベルと予め設定された形成不良
    欠陥検出用のしきい値とを比較して形成不良欠陥の有無
    を検出し、 入力される検出信号のレベルと予め設定された異物検出
    用のしきい値とを比較して異物の有無を検出することを
    特徴とする光情報記録媒体の欠陥検査方法。
  13. 【請求項13】請求項12記載の光情報記録媒体の欠陥
    検査方法において、 前記形成不良欠陥を検出した場合に、前記検出信号のレ
    ベルと所定の第1のサイズ検出用レベルとに基づいて前
    記形成不良欠陥のサイズを求めることを特徴とする光情
    報記録媒体の欠陥検査方法。
  14. 【請求項14】請求項12又は13記載の光情報記録媒
    体の欠陥検査方法において、 前記異物を検出した場合に、前記検出信号のレベルと所
    定の第2のサイズ検出用レベルとに基づいて前記異物の
    サイズを求めることを特徴とする光情報記録媒体の欠陥
    検査方法。
  15. 【請求項15】基板上に、レーザ光の照射により情報を
    記録することができる記録層を有するヒートモード型の
    光情報記録媒体に発生し得る欠陥のサイズを決定する方
    法において、 前記光情報記録媒体を温度約80℃、湿度約85%で、
    もはや前記記録層の性能が発揮できなくなり、前記欠陥
    のサイズに依存せずに記録上のエラーが発生する時間だ
    け保存した後における欠陥のサイズを最終欠陥サイズと
    することを特徴とする欠陥サイズ決定方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103245667A (zh) * 2013-04-08 2013-08-14 上海华力微电子有限公司 自动检测机械性划痕的方法及系统
CN105891215A (zh) * 2016-03-31 2016-08-24 浙江工业大学 基于卷积神经网络的焊接视觉检测方法及装置
KR20220109625A (ko) * 2021-01-29 2022-08-05 케이앤피로지스 주식회사 Pdi 검사 장치

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