JP2001110099A - 情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

情報記録媒体の製造方法

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JP2001110099A
JP2001110099A JP28733999A JP28733999A JP2001110099A JP 2001110099 A JP2001110099 A JP 2001110099A JP 28733999 A JP28733999 A JP 28733999A JP 28733999 A JP28733999 A JP 28733999A JP 2001110099 A JP2001110099 A JP 2001110099A
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dye
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dye solution
recording medium
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JP28733999A
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English (en)
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Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吐出ノズルの肉厚を、厚肉にすることで記録層
の形成不良欠陥の発生を抑制し、情報記録媒体の歩留ま
りの向上を図る。 【解決手段】基板202上に、情報を記録することがで
きる色素記録層204を有する情報記録媒体の製造方法
において、基板202を回転させながら色素記録層20
4を形成するための色素溶液を基板202上に塗布する
場合に、色素溶液を吐出するための吐出ノズル406の
肉厚を少なくとも0.3mm以上の厚肉に形成する。ま
た、吐出ノズル406の先端面440及び該先端面40
0から1mm以上の範囲の内壁または外壁、あるいは両
方の壁面442及び444を、フッ素化合物で被覆す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に、情報を
記録することができる記録層を有する情報記録媒体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーザ光により1回限りの情報
の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)として
は、追記型CD(いわゆるCD−R)やDVD−Rなど
があり、従来のCD(コンパクトディスク)の作製に比
べて少量のCDを手頃な価格でしかも迅速に市場に供給
することができるという利点を有しており、最近のパー
ソナルコンピュータなどの普及に伴ってその需要も増し
ている。
【0003】CD−R型の光情報記録媒体の代表的な構
造は、厚みが約1.2mmの透明な円盤状の基板上に有
機色素からなる記録層、金などの金属からなる光反射
層、更に樹脂製の保護層をこの順に積層したものである
(例えば、特開平6−150371号公報参照)。
【0004】また、DVD−R型の光情報記録媒体は、
2枚の円盤状基板(厚みが約0.6mm)を各情報記録
面をそれぞれ内側に対向させて貼り合わせた構造を有
し、記録情報量が多いという利点がある。
【0005】そして、これら光情報記録媒体への情報の
書き込み(記録)は、近赤外域のレーザ光(CD−Rで
は通常780nm付近、DVD−Rでは635nm付近
の波長のレーザ光)を照射することにより行われ、色素
記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇
し、物理的あるいは化学的な変化(例えばピットの生
成)が生じて、その光学的特性を変えることにより情報
が記録される。
【0006】一方、情報の読み取り(再生)も、通常、
記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を照射すること
により行われ、色素記録層の光学的特性が変化した部位
(ピットの生成による記録部分)と変化しない部位(未
記録部分)との反射率の違いを検出することにより情報
が再生される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、基板上に、
色素溶液を塗布して記録層を形成する場合に、色素溶液
を吐出する吐出ノズルの肉厚が薄肉であると、色素溶液
が滴下された後に、該色素溶液が吐出ノズルの外側に回
り込んで外壁に付着してしまうという現象が生じる。こ
の外壁に付着した色素溶液が乾燥すると、溶解していた
色素や褪色防止剤の結晶が析出することになる。
【0008】このため、塗布処理を何回も繰り返し行う
と、吐出ノズルの外壁に析出した結晶が落下して基板上
に付着し、記録層の形成不良欠陥が発生する原因とな
る。また、情報記録媒体の歩留まりを劣化させる原因に
もなる。
【0009】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、吐出ノズルの肉厚を厚肉にすることで、
色素溶液が滴下された後に、該色素溶液が吐出ノズルの
外側に回り込んで外壁に付着することを抑制し、情報記
録媒体の歩留まりの向上を図ることができる情報記録媒
体の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上に、情
報を記録することができる記録層を有する情報記録媒の
製造方法において、前記基板を回転させながら、前記記
録層を形成するための色素溶液を該基板上に塗布する場
合に、前記色素溶液を吐出するための吐出ノズルの先端
の肉厚を、少なくとも0.3mm以上に形成することを
特徴とする。
【0011】これにより、色素溶液が滴下された後に、
該色素溶液が吐出ノズルの外側に回り込むことがないた
め、該色素溶液が該吐出ノズルの外壁に付着することが
抑制されるる。従って、塗布処理を何回も繰り返し行っ
ても、前記吐出ノズルの外壁に前記色素溶液が付着する
ことがないため、色素や褪色防止剤の結晶が析出するこ
とがなく、記録層の形成不良欠陥の発生を抑制し、情報
記録媒体の歩留まりの向上を図ることができる。
【0012】そして、前記吐出ノズルの肉厚が、0.5
mm以上であると更に好ましい。また、本発明の情報記
録媒体の製造方法において、吐出ノズルの形状は、該吐
出ノズルの先端の内壁をテーパ状に形成するようにして
もよい。
【0013】また、前記吐出ノズルの先端の内壁及び外
壁をテーパ状に形成するようにしてもよく、前記吐出ノ
ズルの先端に、外方に向かって広がる返しを一体的に形
成するようにしてもよい。さらに、前記吐出ノズルの先
端の外壁に切り込み(例えば、断面が略三角形のもの)
を形成するようにしてもよい。
【0014】前記吐出ノズルの先端面及び該先端面から
1mm以上の範囲の内壁または外壁、あるいは両方の壁
面を、フッ素化合物で被覆してもよい。また、該吐出ノ
ズルの材質をフッ素樹脂としてもよい。
【0015】これにより、吐出ノズルに色素溶液が付着
しにくくなり、また、色素溶液が乾燥して色素や褪色防
止剤の結晶が析出しなくなるため、欠陥などの障害を伴
うことなく、塗膜をスムーズに形成させることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る情報記録媒体
の製造方法を例えばCD−R等の光ディスクを製造する
システムに適用した実施の形態例(以下、単に実施の形
態に係る製造システムと記す)を図1〜図19を参照し
ながら説明する。
【0017】本実施の形態に係る製造システム10は、
図1に示すように、例えば射出成形、圧縮成形又は射出
圧縮成形によって基板を作製する2つの成形設備(第1
及び第2の成形設備)12A及び12Bと、基板の一主
面上に色素溶液を塗布して乾燥させることにより、該基
板上に色素記録層を形成する塗布設備14と、基板の色
素記録層上に光反射層を例えばスパッタリングにより形
成し、その後、光反射層上にUV硬化液を塗布した後、
UV照射して前記光反射層上に保護層を形成する後処理
設備16とを有して構成されている。
【0018】第1及び第2の成形設備12A及び12B
は、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形、圧縮
成形又は射出圧縮成形して、一主面にトラッキング用溝
又はアドレス信号等の情報を表す凹凸(グルーブ)が形
成された基板を作製する成形機20と、該成形機20か
ら取り出された基板を冷却するための冷却部22と、冷
却後の基板を段積みして保管するためのスタックポール
24が複数本設置された集積部26(スタックポール回
転台)とを有する。
【0019】塗布設備14は、3つの処理部30、32
及び34から構成され、第1の処理部30には、前記第
1及び第2の成形設備12A及び12Bから搬送された
スタックポール24を収容するためのスタックポール収
容部40と、該スタックポール収容部40に収容された
スタックポール24から1枚ずつ基板を取り出して次工
程に搬送する第1の搬送機構42と、該第1の搬送機構
42によって搬送された1枚の基板に対して静電気の除
去を行う静電ブロー機構44とを有する。
【0020】第2の処理部32は、第1の処理部30に
おいて静電ブロー処理を終えた基板を次工程に順次搬送
する第2の搬送機構46と、該第2の搬送機構46によ
って搬送された複数の基板に対してそれぞれ色素溶液を
塗布する色素塗布機構48と、色素塗布処理を終えた基
板を1枚ずつ次工程に搬送する第3の搬送機構50とを
有する。この色素塗布機構48は6つのスピンコート装
置52を有して構成されている。
【0021】第3の処理部34は、前記第3の搬送機構
50によって搬送された1枚の基板の裏面を洗浄する裏
面洗浄機構54と、裏面洗浄を終えた基板を次工程に搬
送する第4の搬送機構56と、該第4の搬送機構56に
よって搬送された基板に対してロット番号等の刻印を行
う番号付与機構58と、ロット番号等の刻印を終えた基
板を次工程に搬送する第5の搬送機構60と、該第5の
搬送機構60によって搬送された基板に対して欠陥の有
無並びに色素記録層の膜厚の検査を行う検査機構62
と、該検査機構62での検査結果に応じて基板を正常品
用のスタックポール64あるいはNG用のスタックポー
ル66に選別する選別機構68とを有する。
【0022】第1の処理部30と第2の処理部32との
間に第1の仕切板70が設置され、第2の処理部32と
第3の処理部34との間にも同様に第2の仕切板72が
設置されている。第1の仕切板70の下部には、第2の
搬送機構46による基板の搬送経路を塞がない程度の開
口(図示せず)が形成され、第2の仕切板72の下部に
は、第3の搬送機構50による基板の搬送経路を塞がな
い程度の開口(図示せず)が形成されている。
【0023】後処理設備16は、塗布設備14から搬送
された正常品用のスタックポール64を収容するための
スタックポール収容部80と、該スタックポール収容部
80に収容されたスタックポール64から基板を1枚ず
つ取り出して次工程に搬送する第6の搬送機構82と、
該第6の搬送機構82によって搬送された1枚の基板に
対して静電気の除去を行う第1の静電ブロー機構84
と、静電ブロー処理を終えた基板を次工程に順次搬送す
る第7の搬送機構86と、該第7の搬送機構86によっ
て搬送された基板の一主面に光反射層をスパッタリング
にて形成するスパッタ機構88と、光反射層のスパッタ
リングを終えた基板を次工程に順次搬送する第8の搬送
機構90と、該第8の搬送機構90によって搬送された
基板の周縁(エッジ部分)を洗浄するエッジ洗浄機構9
2とを有する。
【0024】また、この後処理設備16は、エッジ洗浄
処理を終えた基板に対して静電気の除去を行う第2の静
電ブロー機構94と、静電ブロー処理を終えた基板の一
主面に対してUV硬化液を塗布するUV硬化液塗布機構
96と、UV硬化液が塗布された基板を高速回転させて
該基板上のUV硬化液の塗布厚を均一にするスピン機構
98と、UV硬化液の塗布及びスピン処理を終えた基板
に対して紫外線を照射することによりUV硬化液を硬化
させて基板の一主面に保護層を形成するUV照射機構1
00と、前記基板を第2の静電ブロー機構94、UV硬
化液塗布機構96、スピン機構98及びUV照射機構1
00にそれぞれ搬送する第9の搬送機構102と、UV
照射された基板を次工程に搬送する第10の搬送機構1
04と、該第10の搬送機構104によって搬送された
基板に対して塗布面と保護層面の欠陥を検査するための
欠陥検査機構106と、基板に形成されたグルーブによ
る信号特性を検査するための特性検査機構108と、こ
れら欠陥検査機構106及び特性検査機構108での検
査結果に応じて基板を正常品用のスタックポール110
あるいはNG用のスタックポール112に選別するため
の選別機構114とを有する。
【0025】ここで、1つのスピンコート装置52の構
成について図2及び図3を参照しながら説明する。
【0026】このスピンコート装置52は、図2及び図
3に示すように、色素溶液付与装置400、スピナーヘ
ッド装置402及び飛散防止壁404を有して構成され
ている。
【0027】色素溶液付与装置400は、色素溶液が充
填された加圧タンク(図示せず)と、該加圧タンクから
吐出ノズル406に引き回されたパイプ(図示せず)
と、該吐出ノズル406から吐出される色素溶液の量を
調整するための吐出量調整バルブ408とを有し、色素
溶液は該吐出ノズル406を通してその所定量が基板2
02の表面上に滴下されるようになっている。
【0028】この色素溶液付与装置400は、吐出ノズ
ル406を下方に向けて支持する支持板410と該支持
板410を水平方向に旋回させるモータ412とを有す
るハンドリング機構414によって、待機位置から基板
202の上方の位置に旋回移動できるように構成されて
いる。
【0029】スピナーヘッド装置402は、前記色素溶
液付与装置400の下方に配置されており、着脱可能な
固定具420により、基板202が水平に保持されると
共に、駆動モータ(図示せず)により軸回転が可能とさ
れている。
【0030】スピナーヘッド装置402により水平に保
持された状態で回転している基板202上に、上記の色
素溶液付与装置400の吐出ノズル406から滴下した
色素溶液は、基板202の表面上を外周側に流延する。
そして、余分の色素溶液は基板202の外周縁部で振り
切られて、その外側に放出され、次いで色素溶液が乾燥
されることにより、基板202の表面上に塗膜(色素記
録層204)が形成される。
【0031】飛散防止壁404は、基板202の外周縁
部から外側に放出された余分の色素溶液が周辺に飛散す
るのを防止するために設けられており、上部に開口42
2が形成されるようにスピナーヘッド装置402の周囲
に配置されている。飛散防止壁404を介して集められ
た余分の色素溶液はドレイン424を通して回収される
ようになっている。
【0032】また、第2の処理部32(図1参照)にお
ける各スピンコート装置52の局所排気は、前記飛散防
止壁404の上方に形成された開口422から取り入れ
た空気を基板202の表面上に流通させた後、各スピナ
ーヘッド装置402の下方に取り付けられた排気管42
6を通じて排気されるようになっている。
【0033】ここで、本実施の形態で用いられる吐出ノ
ズル406について図4〜図6を参照しながら説明す
る。
【0034】色素溶液付与装置400の吐出ノズル40
6は、図4及び図5に示すように、軸方向に貫通孔43
0が形成された細長い円筒状のノズル本体432と、該
ノズル本体432を支持板410(図2参照)に固定す
るための取付部434とを有する。前記吐出ノズル本体
432の先端は、図6に示すように先端面440と内壁
面442と外壁面444とから構成されている。
【0035】前記ノズル本体432の材質は、ステンレ
ススチールであり、該ノズル本体432の肉厚は、少な
くとも0.3mm以上に形成される。また、前記貫通孔
430の内径は、0.5〜1.0mmの範囲に形成され
ている。
【0036】前記ノズル本体432の先端面440及び
その先端面440から1mm以上の範囲の内壁又は外
壁、あるいは両方の壁面442及び444がフッ素化合
物で被覆されている。このフッ素化合物としては、例え
ば、ポリテトラフルオロエチレンやポリテトラフルオロ
エチレン含有物等を使用することができる。この場合、
被覆するフッ素化合物の厚みは、5〜500μmの範囲
とする。
【0037】これにより、色素溶液付与装置400から
吐出ノズル406を通して、所定量の色素溶液が基板2
02の表面上に滴下された後に、前記色素溶液がノズル
本体432の外側に回り込むことがないので、該色素溶
液が該ノズル本体432の外壁面444に付着すること
を防止できる。従って、塗布処理を繰り返し行っても、
前記ノズル本体432の外壁面444に色素や褪色防止
剤の結晶が析出することがなく、記録層の形成不良欠陥
の発生を抑制し、情報記録媒体の歩留まりの向上を図る
ことができる。
【0038】次に、本実施の形態で用いられる吐出ノズ
ル406の変形例を図7〜図14を参照しながら説明す
る。
【0039】第1の変形例に係るノズル406は、ノズ
ル本体432の先端面440から10mm以上の範囲の
内壁又は外壁、あるいは両方の壁面442及び444を
フッ素化合物で被覆したものである(図7参照)。
【0040】第2の変形例に係るノズル406は、ノズ
ル本体432の全領域をフッ素化合物で被覆したもので
ある(図8参照)。
【0041】第3の変形例に係るノズル406は、ノズ
ル本体432の先端の内壁面442のみをテーパ状に形
成したものである(図9参照)。前記テーパの傾斜角θ
は、45゜以下が好ましい。
【0042】第4の変形例に係るノズル406は、内壁
面442と外壁面444との両面をテーパ状に形成した
ものである(図10参照)。この場合、先端面440の
平坦部の肉厚が、少なくとも0.3mm以上となるよう
に外壁面444のテーパの傾斜角ψを設定する。
【0043】第5の変形例に係るノズル406は、ノズ
ル本体432の先端に、外方に向かって広がる返しを一
体的に形成したものである(図11参照)。
【0044】第6の変形例に係るノズル406は、ノズ
ル本体432の先端の外壁面444に、断面が略三角形
の切り込みを形成したものである(図12参照)。この
場合、切り込み分だけ、吐出ノズル406の重量の低減
化を図ることができる。
【0045】第7の変形例に係るノズル406は、吐出
ノズル406の先端のみの肉厚を0.3mm以上に形成
したものである(図13参照)。この場合も第6の変形
例と同様に、前記吐出ノズル406の重量の低減化に有
効である。
【0046】上記した第3〜第7の変形例では、図面
上、フッ素樹脂の表示を省略しているが、実際は、吐出
ノズル406の先端にフッ素樹脂が形成されている。
【0047】第8の変形例に係るノズル406は、ノズ
ル本体432の材質をフッ素樹脂としたものである(図
14参照)。なお、ノズル本体432の材質をフッ素樹
脂にすることは、第3〜第7の変形例においても適用す
ることができる。
【0048】以上のように、ノズル本体432の肉厚
を、少なくとも0.3mm以上の厚肉に形成して吐出ノ
ズル406の先端をフッ素樹脂で被覆し、または、該ノ
ズル本体432の材質をフッ素樹脂にすることにより、
吐出ノズル406の外壁面444に色素溶液が付着しに
くくなり、色素溶液が乾燥して色素や褪色防止剤の結晶
が析出しなくなる。従って、欠陥などの障害を伴うこと
なく、塗膜をスムーズに形成させることができる。
【0049】次に、この製造システム10によって光デ
ィスクを製造する過程について、図15A〜図16Bの
工程図をも参照しながら説明する。
【0050】まず、第1及び第2の成形設備12A及び
12Bにおける成形機20において、ポリカーボネート
などの樹脂材料が射出成形、圧縮成形又は射出圧縮成形
されて、図15Aに示すように、一主面にトラッキング
用溝又はアドレス信号等の情報を表す凹凸(グルーブ)
200が形成された基板202が作製される。
【0051】前記基板202の材料としては、例えばポ
リカーボネート、ポリメタルメタクリレート等のアクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化
ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフ
ィン及びポリエステルなどを挙げることができ、所望に
よりそれらを併用してもよい。上記の材料の中では、耐
湿性、寸法安定性及び価格などの点からポリカーボネー
トが好ましい。また、グルーブ200の深さは、0.0
1〜0.3μmの範囲であることが好ましく、その半値
幅は、0.2〜0.9μmの範囲であることが好まし
い。
【0052】成形機20から取り出された基板202
は、後段の冷却部22において冷却された後、一主面が
下側に向けられてスタックポール24に積載される。ス
タックポール24に所定枚数の基板202が積載された
段階で、スタックポール24はこの成形設備12A及び
12Bから取り出されて、次の塗布設備14に搬送さ
れ、該塗布設備14におけるスタックポール収容部40
に収容される。この搬送は、台車で行ってもよいし、自
走式の自動搬送装置で行うようにしてもよい。
【0053】スタックポール24がスタックポール収容
部40に収容された段階で、第1の搬送機構42が動作
し、スタックポール24から1枚ずつ基板202を取り
出して、後段の静電ブロー機構44に搬送する。静電ブ
ロー機構44に搬送された基板202は、該静電ブロー
機構44において静電気が除去された後、第2の搬送機
構46を介して次の色素塗布機構48に搬送され、6つ
のスピンコート装置52のうち、いずれか1つのスピン
コート装置52に投入される。スピンコート装置52に
投入された基板202は、その一主面上に色素溶液が塗
布され、さらに高速回転されて色素溶液の厚みが均一に
された後、乾燥処理が施される。これによって、図15
Bに示すように、基板202の一主面上に色素記録層2
04が形成されることになる。
【0054】即ち、スピンコート装置52に投入された
基板202は、図2に示すスピナーヘッド装置402に
装着され、固定具420により水平に保持される。次
に、加圧式タンクから供給された色素溶液は、吐出量調
整バルブ408によって所定量に調整され、吐出ノズル
406を通して基板202上の内周側に滴下される。
【0055】この吐出ノズル406は、上述したよう
に、ノズル本体432の肉厚が、少なくとも0.3mm
以上に形成されており、その先端面440及びその先端
面440から1mm以上の範囲の内壁又は外壁、あるい
は両方の壁面442及び444がフッ素化合物からなる
表面を有している。そのため、色素溶液の付着が生じに
くく、また、色素溶液が乾燥して色素の析出やその堆積
物が生じにくく、従って、欠陥などの障害を伴うことな
く、塗膜をスムーズに形成させることができる。
【0056】なお、色素溶液としては色素を適当な溶剤
に溶解した溶液が用いられる。色素溶液中の色素の濃度
は、一般に0.01〜15重量%の範囲にあり、好まし
くは0.1〜10重量%の範囲、特に好ましくは0.5
〜5重量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3重量%の
範囲にある。
【0057】スピナーヘッド装置402は、駆動モータ
によって高速回転が可能である。基板202上に滴下さ
れた色素溶液は、スピナーヘッド装置402の回転によ
り、基板202の表面上を外周方向に流延し、塗膜を形
成しながら基板202の外周縁部に到達する。外周縁部
に到達した余分の色素溶液は、更に遠心力により振り切
られ、基板202の縁部周辺に飛散する。飛散した余分
の色素溶液は飛散防止壁404に衝突し、更にその下方
に設けられた受皿に集められた後、ドレイン424を通
して回収される。塗膜の乾燥はその形成過程及び塗膜形
成後に行われる。塗膜(色素記録層204)の厚みは、
一般に20〜500nmの範囲に、好ましくは50〜3
00nmの範囲に設けられる。
【0058】また、上述した色素塗布処理においては、
図示しない空調システムによって、塗布設備14に送り
込む清浄な空気の風速を約0.4m/sec以下に設定
している。つまり、基板202の色素塗布面に対する空
調風速を約0.4m/sec以下に設定するようにして
いる。
【0059】ここで、色素記録層204に用いられる色
素は特に限定されない。使用可能な色素の例としては、
シアニン系色素、フタロシアニン系色素、イミダゾキノ
キサリン系色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色
素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、N
i、Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、
アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、イン
ドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、メロシ
アニン系色素、オキソノール系色素、アミニウム系・ジ
インモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙げることが
できる。これらの色素のうちでは、シアニン系色素、フ
タロシアニン系色素、アズレニウム系色素、スクワリリ
ウム系色素、オキソノール系色素及びイミダゾキノキサ
リン系色素が好ましい。
【0060】色素記録層204を形成するための塗布剤
の溶剤の例としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテー
トなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロル
メタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの
塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;
シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、
エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,
2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなどの
フッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエー
テル類などを挙げることができる。
【0061】前記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮し
て単独または二種以上を適宜併用することができる。好
ましくは、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロ
パノールなどのフッ素系溶剤である。なお、色素溶液中
には、所望により退色防止剤や結合剤を添加してもよい
し、更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など
の各種の添加剤を、目的に応じて添加してもよい。
【0062】退色防止剤の代表的な例としては、ニトロ
ソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩
を挙げることができる。これらの例は、例えば、特開平
2−300288号、同3−224793号、及び同4
−146189号等の各公報に記載されている。
【0063】結合剤の例としては、ゼラチン、セルロー
ス誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機
高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・
ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹
脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポ
キシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・
ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物な
どの合成有機高分子を挙げることができる。
【0064】結合剤を使用する場合、結合剤の使用量
は、色素100重量部に対して、一般に20重量部以下
であり、好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5
重量部以下である。
【0065】なお、色素記録層204が設けられる側の
基板202の表面には、平面性の改善、接着力の向上お
よび色素記録層204の変質防止などの目的で、下塗層
を設けるようにしてもよい。
【0066】下塗層の材料としては、例えば、ポリメチ
ルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合
体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルア
ルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・
ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレ
ン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオ
レフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩
化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高
分子物質、およびシランカップリング剤などの表面改質
剤を挙げることができる。
【0067】下塗層は、前記物質を適当な溶剤に溶解ま
たは分散して色素溶液を調整した後、この色素溶液をス
ピンコート、ディップコート、エクストルージョンコー
トなどの塗布法を利用して基板表面に塗布することによ
り形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.0
05〜20μmの範囲、好ましくは0.01〜10μm
の範囲で設けられる。
【0068】色素記録層204が形成された基板202
は、第3の搬送機構50を介して次の裏面洗浄機構54
に搬送され、基板202の一主面の反対側の面(裏面)
が洗浄される。その後、基板202は、第4の搬送機構
56を介して次の番号付与機構58に搬送され、基板2
02の一主面又は裏面に対してロット番号等の刻印が行
われる。
【0069】その後、基板202は、第5の搬送機構6
0を介して次の検査機構62に搬送され、基板202の
欠陥の有無や色素記録層204の膜厚の検査が行われ
る。この検査は、基板202の裏面から光を照射してそ
の光の透過状態を例えばCCDカメラで画像処理するこ
とによって行われる。この検査機構62での検査結果は
次の選別機構68に送られる。
【0070】上述の検査処理を終えた基板202は、そ
の検査結果に基づいて選別機構68によって正常品用の
スタックポール64又はNG用のスタックポール66に
搬送選別される。
【0071】正常品用のスタックポール64に所定枚数
の基板202が積載された段階で、正常品用のスタック
ポール64はこの塗布設備14から取り出されて、次の
後処理設備16に搬送され、該後処理設備16のスタッ
クポール収容部80に収容される。この搬送は、台車で
行ってもよいし、自走式の自動搬送装置で行うようにし
てもよい。
【0072】正常品用のスタックポール64がスタック
ポール収容部80に収容された段階で、第6の搬送機構
82が動作し、スタックポール64から1枚ずつ基板2
02を取り出して、後段の第1の静電ブロー機構84に
搬送する。第1の静電ブロー機構84に搬送された基板
202は、該第1の静電ブロー機構84において静電気
が除去された後、第7の搬送機構86を介して次のスパ
ッタ機構88に搬送される。
【0073】スパッタ機構88に投入された基板202
は、図15Cに示すように、その一主面中、周縁部分
(エッジ部分)206を除く全面に光反射層208がス
パッタリングによって形成される。
【0074】光反射層208の材料である光反射性物質
はレーザ光に対する反射率が高い物質であり、その例と
しては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、
Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、A
u、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、T
e、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属ある
いはステンレス鋼を挙げることができる。
【0075】これらのうちで好ましいものは、Cr、N
i、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼で
ある。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは
二種以上を組み合わせて用いてもよい。または合金とし
て用いてもよい。特に好ましくはAgもしくはその合金
である。
【0076】光反射層208は、例えば、前記光反射性
物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティン
グすることにより色素記録層204上に形成することが
できる。光反射層208の層厚は、一般には10〜80
0nmの範囲、好ましくは20〜500nmの範囲、更
に好ましくは50〜300nmの範囲で設けられる。
【0077】光反射層208が形成された基板202
は、第8の搬送機構90を介して次のエッジ洗浄機構9
2に搬送され、図16Aに示すように、基板202の一
主面中、エッジ部分206が洗浄されて、該エッジ部分
206に形成されていた色素記録層204が除去され
る。その後、基板202は、第9の搬送機構102を介
して次の第2の静電ブロー機構94に搬送され、静電気
が除去される。
【0078】その後、基板202は、同じく前記第9の
搬送機構102を介してUV硬化液塗布機構96に搬送
され、基板202の一主面の一部分にUV硬化液が滴下
される。その後、基板202は、同じく前記第9の搬送
機構102を介して次のスピン機構98に搬送され、高
速回転されることにより、基板202上に滴下されたU
V硬化液の塗布厚が基板全面において均一にされる。
【0079】この実施の形態においては、前記光反射層
208の成膜後から前記UV硬化液の塗布までの時間が
2秒以上、5分以内となるように時間管理されている。
【0080】その後、基板202は、同じく前記第9の
搬送機構102を介して次のUV照射機構100に搬送
され、基板202上のUV硬化液に対して紫外線が照射
される。これによって、図16Bに示すように、基板2
02の一主面上に形成された色素記録層204と光反射
層208を覆うようにUV硬化樹脂による保護層210
が形成されて光ディスクDとして構成されることにな
る。
【0081】保護層210は、色素記録層204などを
物理的及び化学的に保護する目的で光反射層208上に
設けられる。保護層210を、基板202の色素記録層
204が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高め
る目的で設けてもよい。保護層210で使用される材料
としては、例えば、SiO、SiO2 、MgF2 、Sn
2 、Si34 等の無機物質、及び熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂、そしてUV硬化性樹脂等の有機物質を挙げ
ることができる。
【0082】保護層210を、例えば、プラスチックの
押し出し加工で得られたフイルムを接着剤を介して光反
射層208上及び/または基板202上にラミネートす
ることにより形成してもよいし、あるいは真空蒸着、ス
パッタリング、塗布等の方法により設けてもよい。ま
た、保護層210が熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂である
場合には、これらを適当な溶剤に溶解して色素溶液を調
整したのち、この色素溶液を塗布し、乾燥することによ
っても形成することができる。
【0083】また、保護層210がUV硬化性樹脂であ
る場合には、上述したように、そのまま、もしくは適当
な溶剤に溶解して色素溶液を調整したのちこの色素溶液
を塗布し、UV光を照射して硬化させることによって形
成することができる。これらの色素溶液中に、更に帯電
防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的
に応じて添加してもよい。保護層210の層厚は、一般
には0.1〜100μmの範囲に設けられる。
【0084】その後、光ディスクDは、第10の搬送機
構104を介して次の欠陥検査機構106と特性検査機
構108に搬送され、色素記録層204の面と保護層2
10の面における欠陥の有無や光ディスクDの基板20
2に形成されたグルーブ200による信号特性が検査さ
れる。これらの検査は、光ディスクDの両面に対してそ
れぞれ光を照射してその反射光を例えばCCDカメラで
画像処理することによって行われる。これらの欠陥検査
機構106及び特性検査機構108での各検査結果は次
の選別機構114に送られる。
【0085】上述の欠陥検査処理及び特性検査処理を終
えた光ディスクDは、各検査結果に基づいて選別機構1
14によって正常品用のスタックポール110又はNG
用のスタックポール112に搬送選別される。
【0086】正常品用のスタックポール110に所定枚
数の光ディスクDが積載された段階で、該スタックポー
ル110が後処理設備16から取り出されて図示しない
ラベル印刷工程に投入される。
【0087】ここで、検査機構62及び欠陥検査機構1
06について、図17及び図18A〜図18Cを参照し
ながら説明する。
【0088】検査機構62及び欠陥検査機構106は共
に同様の構成を有し、図17に示すように、基板202
の下方に設置された光源500から出射された光L1の
うち、基板202の下面(基板面)202aで反射した
光成分(反射光)Lr1を受光してその受光量に応じた
電気信号(検出信号S1)に変換する第1のCCDユニ
ット502と、前記光源500から出射された光L1の
うち、基板202を透過した光成分(透過光)Ltを受
光してその受光量に応じた電気信号(検出信号S2)に
変換する第2のCCDユニット504と、基板202の
上方に設置された光源506から出射された光L2のう
ち、基板202の上面(検査機構62では色素記録面2
02b、欠陥検査機構106では保護層面202c)で
反射した光成分(反射光)Lr2を受光してその受光量
に応じた電気信号(検出信号S3)に変換する第3のC
CDユニット508とを有して構成されている。
【0089】次に、検査機構62及び欠陥検査機構10
6の処理動作について説明する。まず、本実施の形態に
係る検査機構62においては、基板202が第5の搬送
機構60(図1参照)を介して検査機構62に搬送され
た段階で、各光源500及び506から光L1及びL2
が出射され、基板202の基板面202a及び色素記録
面202bに照射される。
【0090】この製造段階においては、色素記録層20
4(図15B参照)の上に光反射層208(図16A参
照)が形成されていないため、光源500からの光L1
のうち、基板202を透過した光が透過光Ltとして第
2のCCDユニット504に入射される。
【0091】また、基板202の基板面202aで反射
した光成分は、反射光Lr1として第1のCCDユニッ
ト502に入射され、基板202の色素記録層202b
で反射した光成分は、反射光Lr2として第3のCCD
ユニット508に入射される。
【0092】そして、第1〜第3のCCDユニット50
2、504及び508において、前記入射された反射光
Lr1、透過光Lt及び反射光Lr2の各光量に応じた
例えば電圧レベルを有する検出信号S1〜S3が取り出
される。
【0093】一方、欠陥検査機構106においては、基
板202が第10の搬送機構104(図1参照)を介し
て当該欠陥検査機構106に搬送された段階で、各光源
500及び506からそれぞれ光L1及びL2が射出さ
れ、基板202の基板面202a及び保護層面202c
に照射される。
【0094】この製造段階においては、色素記録層20
4の上に光反射層208(図16A参照)が形成されて
いるため、光源506からの光L2は光反射層208と
保護層210との境界で反射し、反射光Lr2として第
3のCCDユニット508に入射される。また、基板2
02の基板面202aで反射した光成分は、反射光Lr
1として第1のCCDユニット502に入射される。
【0095】そして、第1及び第3のCCDユニット5
02及び508において、前記入射された反射光Lr1
及びLr2の各光量に応じた例えば電圧レベルを有する
検出信号S1及びS3が取り出される。
【0096】本実施の形態では、CCDセンサによる検
査方式を用いているため、例えば図18Aに示すよう
に、基板202をライン状にスキャンし、透過率あるい
は反射率の変動を検知してハレー欠陥1002や異物1
000、ピンホール1004等の有無を判断することが
できる。
【0097】例えば指紋等による通常の欠陥1006に
対しては、図18Bに示すように、検出レベルが基準レ
ベルVoより僅かに低く、かつ、広範囲にわたった波形
w1となり、異物1000による欠陥に対しては、検出
レベルが局部的に大きな振幅で低くなるという負のイン
パルス的な波形w2となる。
【0098】また、異物1000を核とするハレー欠陥
1002に対しては、検出レベルが局部的に大きな振幅
で低くなるという負のインパルス的な波形と、検出レベ
ルが基準レベルよりも僅かに高く、かつ、広範囲にわた
った波形とが混在した波形w3を有する。
【0099】このように、上述の各種欠陥は、検出信号
S1及びS3のプロファイルが異なるため、簡単に区別
することができる。また、局部的に色素記録層204が
形成されていないピンホール1004による欠陥は、図
18Cに示すように、検出信号S2によって簡単に検出
することができる。この場合、検出レベルが局部的に大
きな振幅で高くなるという正のインパルス的な波形w4
となる。そして、検出信号S1〜S3から各種欠陥の個
数を検出することが可能となる。
【0100】このように、本実施の形態に係る製造シス
テム10においては、基板202を回転させながら色素
記録層204を形成するための色素溶液を基板202上
に塗布する場合に、該色素溶液を吐出する吐出ノズル4
06のノズル本体432の肉厚が、厚肉に形成されてい
るため、該色素溶液が滴下された後に、該色素溶液が該
ノズル本体432の外側に回り込むことがないので、該
色素溶液が該ノズル本体432の外壁面444に付着す
ることを防止できる。
【0101】従って、塗布処理を繰り返し行っても、前
記吐出ノズル406の外壁面444に色素や褪色防止剤
の結晶が析出することがなく、色素記録層204の形成
不良欠陥の発生を抑制し、情報記録媒体の歩留まりの向
上を図ることができる。
【0102】また、前記吐出ノズル406の先端がフッ
素化合物により被覆されているため、該吐出ノズル40
6に色素溶液が付着しにくくなり、該色素溶液が乾燥し
て色素や褪色防止剤の結晶が析出することがなくなる。
従って、高性能の検査機構62や欠陥検査機構106で
各種欠陥の大きさを測定しても、各種欠陥の大きさは直
径0.2mm以下に抑制することができるので、欠陥な
どの障害を伴うことなく、塗膜をスムーズに形成するこ
とができる。
【0103】
【実施例】次に、1つの実験例について説明する。この
実験例では、実施例1〜3並びに比較例においてそれぞ
れサンプルを用意した。そして、吐出ノズル406の形
状(肉厚、材質及び先端のテーパの有無等)を変えた各
サンプル毎に、図1に示す製造システム10により光デ
ィスクDを1000枚作製し、記録層形成時の歩留まり
をみたものである。
【0104】なお、この実験例の実施例1〜3並びに比
較例において、吐出ノズル406の貫通孔430の内径
は、いずれも0.8mmに統一されている。
【0105】色素記録層204の形成は以下の通りであ
る。下記の一般式(1)で表されるシアニン色素化合物
2.65gと下記の一般式(2)で表される退色防止剤
0.265gとを組み合わせて配合し、これらを下記の
一般式(3)で表される2,2,3,3−テトラフルオ
ロ−1−プロパノール100ccに溶解して記録層形成
用の色素溶液を調製した。
【0106】
【化1】
【化2】
【化3】 その後、表面にスパイラル状のグルーブ200(トラッ
クピッチ:1.6μm、グルーブ幅:0.4μm、グル
ーブの深さ:0.16μm)が射出成形により形成され
たポリカーボネート基板(直径:120mm、厚さ:
1.2mm)のそのグルーブ200側の表面に、回転数
を300rpm〜4000rpmまで変化させながら前
記色素溶液をスピンコートにより塗布し、色素記録層2
04(グルーブ200内の厚さ:約200nm)を形成
した。
【0107】この実験結果を図19に示す。この実験結
果によれば、実施例1〜3並びに比較例に示す通り、吐
出ノズル406の肉厚が少なくとも0.3mm以上に形
成されていると、記録層形成時に90%以上歩留まりを
確保することができ、また、吐出ノズル406の先端に
テーパを設けてフッ素化合物で被覆した場合に、更に歩
留まりが向上することがわかる。
【0108】従って、この実験結果から、吐出ノズル4
00の肉厚を、少なくとも0.3mm以上の厚肉なもの
とし、かつ、吐出ノズル406の先端にテーパを設けて
フッ素化合物で被覆すると、記録層の成形不良欠陥の発
生が少なく、光ディスクの歩留まりが向上していること
がわかる。
【0109】なお、この発明に係る情報記録媒体の製造
方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を
逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろ
んである。
【0110】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る情報
記録媒体の製造方法によれば、吐出ノズルの外壁に色素
溶液が付着することが抑制されるため、色素や褪色防止
剤などの結晶が析出することがなく、記録層の成形不良
欠陥の発生を防止して、情報記録媒体の歩留まりの向上
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る製造システムの一例を示す
構成図である。
【図2】塗布設備に設置されるスピンコート装置を示す
構成図である。
【図3】前記スピンコート装置を示す斜視図である。
【図4】本実施の形態で用いられる吐出ノズルを示す平
面図である。
【図5】前記吐出ノズルを示す側面図である。
【図6】前記吐出ノズルの先端を示す拡大断面図であ
る。
【図7】第1の変形例に係る吐出ノズルの先端を示す拡
大断面図である。
【図8】第2の変形例に係る吐出ノズルの先端を示す拡
大断面図である。
【図9】第3の変形例に係る吐出ノズルの先端を示す拡
大断面図である。
【図10】第4の変形例に係る吐出ノズルの先端を示す
拡大断面図である。
【図11】第5の変形例に係る吐出ノズルの先端を示す
拡大断面図である。
【図12】第6の変形例に係る吐出ノズルの先端を示す
拡大断面図である。
【図13】第7の変形例に係る吐出ノズルの先端を示す
拡大断面図である。
【図14】第8の変形例に係る吐出ノズルの先端を示す
拡大断面図である。
【図15】図15Aは基板上にグルーブを形成した状態
を示す工程図であり、図15Bは基板上に色素記録層を
形成した状態を示す工程図であり、図15Cは基板上に
光反射層を形成した状態を示す工程図である。
【図16】図16Aは基板のエッジ部分を洗浄した状態
を示す工程図であり、図16Bは基板上に保護層を形成
した状態を示す工程図である。
【図17】検査機構及び欠陥検査機構を概略的に示す構
成図である。
【図18】図18Aは基板上に付着した異物、異物に基
づくハレー欠陥、指紋等による通常の欠陥並びにピンホ
ールによる欠陥を示す説明図であり、図18Bはこれら
欠陥を第1及び第3のCCDユニットにより撮像した場
合の検出信号の波形を示す説明図であり、図18Cはピ
ンホールによる欠陥を第2のCCDユニットにより撮像
した場合の検出信号の波形を示す説明図である。
【図19】吐出ノズルの形状(肉厚と材質と先端のテー
パの有無)を変化させたときの歩留まりをみた実験例の
結果を示す表図である。
【符号の説明】
10…製造システム 14…塗布設備 48…色素塗布機構 52…スピンコート
装置 202…基板 204…色素記録層 400…色素溶液付与装置 406…吐出ノズル 430…貫通孔 432…ノズル本体 434…取付部 440…先端面 442…内壁面 444…外壁面 D…光ディスク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に、情報を記録することができる記
    録層を有する情報記録媒体の製造方法において、 前記基板を回転させながら、前記記録層を形成するため
    の色素溶液を該基板上に塗布する場合に、 前記色素溶液を吐出するための吐出ノズルは、その先端
    の肉厚が、少なくとも0.3mm以上に形成されること
    を特徴とする情報記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の情報記録媒体の製造方法に
    おいて、 前記吐出ノズルの先端の内壁が、テーパ状に形成されて
    いることを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の情報記録媒体の製造方法に
    おいて、 前記吐出ノズルの先端の内壁及び外壁が、テーパ状に形
    成されていることを特徴とする情報記録媒体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の情報記録媒体の製造方法に
    おいて、 前記吐出ノズルの先端に、外方に向かって広がる返しが
    一体的に形成されていることを特徴とする情報記録媒体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の情報記録媒体の製造方法に
    おいて、 前記吐出ノズルの先端の外壁に、切り込みが形成されて
    いることを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報
    記録媒体の製造方法において、 前記吐出ノズルの先端面及び該先端面から1mm以上の
    範囲の内壁または外壁、あるいは両方の壁面が、フッ素
    化合物で被覆されていることを特徴とする情報記録媒体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報
    記録媒体の製造方法において、 前記吐出ノズルの材質がフッ素樹脂であることを特徴と
    する情報記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005185994A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Samsung Sdi Co Ltd 塗布用ヘッド及びそれを備えた塗布装置

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