JP2000242980A - 記録媒体の製造方法 - Google Patents

記録媒体の製造方法

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JP2000242980A
JP2000242980A JP11040211A JP4021199A JP2000242980A JP 2000242980 A JP2000242980 A JP 2000242980A JP 11040211 A JP11040211 A JP 11040211A JP 4021199 A JP4021199 A JP 4021199A JP 2000242980 A JP2000242980 A JP 2000242980A
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recording medium
drying
dye
liquid
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JP11040211A
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Yoshihisa Usami
由久 宇佐美
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液体の改質等を引き起こすことなく、自然乾燥
による乾燥時間を大幅に短縮できるようにして、記録媒
体の製造に係るサイクルタイムを短縮させる。 【解決手段】光ディスクの基板上に色素溶液を塗布する
スピナーヘッド装置において、該スピナーヘッド装置に
設置されるテーブル446の裏面(光ディスクの基板が
載置される面の反対側の面)に、多数の永久磁石448
をそれぞれ磁極が互い違いになるように同心円状に配置
して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体の製造方
法に関し、特に、液体をワークに対しスピンコートによ
って塗布する工程と液体を乾燥する工程を含む円盤状記
録媒体の製造方法に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】ワークに液体を塗布、乾燥して記録媒体
を作製するものとしては、例えば追記型CD(いわゆる
CD−R)やDVD−Rなどの円盤状記録媒体がある。
【0003】これらの円盤状記録媒体は、従来のCD
(コンパクトディスク)の作製に比べて少量のCDを手
頃な価格でしかも迅速に市場に供給できる利点を有して
おり、最近のパーソナルコンピュータなどの普及に伴っ
てその需要も増している。
【0004】CD−R型の光情報記録媒体の代表的な構
造は、厚みが約1.2mmの透明な円盤状基板上に有機
色素からなる記録層、金などの金属からなる光反射層、
更に樹脂製の保護層をこの順に積層したものである(例
えば特開平6−150371号公報参照)。
【0005】また、DVD−R型の光情報記録媒体は、
2枚の円盤状基板(厚みが約0.6mm)を各情報記録
面をそれぞれ内側に対向させて貼り合わせた構造を有
し、記録情報量が多いという特徴を有する。
【0006】そして、これら光情報記録媒体への情報の
書き込み(記録)は、近赤外域のレーザ光(CD−Rで
は通常780nm付近、DVD−Rでは635nm付近
の波長のレーザ光)を照射することにより行われ、色素
記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇
し、物理的あるいは化学的な変化(例えばピットの生
成)が生じて、その光学的特性を変えることにより情報
が記録される。
【0007】一方、情報の読み取り(再生)も、通常、
記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を照射すること
により行われ、色素記録層の光学的特性が変化した部位
(ピットの生成による記録部分)と変化しない部位(未
記録部分)との反射率の違いを検出することにより情報
が再生される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の円盤
状記録媒体の製造方法において、基板上に有機色素によ
る記録層を形成する場合、基板を回転させながら色素溶
液を基板上に塗布し、その後、乾燥するようにしてい
る。
【0009】前記乾燥は、自然乾燥が好ましく、熱風等
をあてて強制的に乾燥すると、色素の改質を引き起こ
し、劣化が生じやすいという問題がある。
【0010】しかし、自然乾燥の場合、乾燥に多くの時
間を要するために、サイクルタイムが長くなり、円盤状
記録媒体のスループットの向上に限界が生じるという不
都合がある。
【0011】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、液体の改質等を引き起こすことなく、自
然乾燥による乾燥時間を大幅に短縮することができ、記
録媒体の製造に係るサイクルタイムを短縮させることが
できる記録媒体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、磁場中で水
分の蒸発速度が向上するという磁場効果に基づいて完成
されたものである。この磁場効果については、例えば日
本応用磁気学会誌vol.22、No.4−2、199
8「水の蒸発に対する磁場効果とその発生機構」や日本
応用磁気学会誌vol.22、No.9、1998「磁
場により生起される種々の現象」を参照されたい。
【0013】そして、この発明は、記録媒体として完成
される前のワークに対して液体を塗布する塗布工程と、
ワークに塗布された液体を乾燥する乾燥工程を含む記録
媒体の製造方法において、少なくとも前記乾燥工程は、
前記ワークを磁場中に設置して前記液体の乾燥を行うこ
とを特徴とする。上述の文献では、水分の蒸発速度が速
まることが記載されているが、水分だけでなく溶媒(揮
発成分)でも同様の効果が見出され、溶媒の蒸発速度そ
のものが速まることが判明した。
【0014】その結果、磁場中にワークを設置して液体
の乾燥を行うことから、上述の磁場効果によって溶媒の
蒸発速度が速まり、液体の乾燥が促進されることにな
る。この場合、熱風等をあてて強制的に乾燥するのでは
なく、磁場をかけるだけで自然乾燥と同じ状況となるた
め、色素の改質や劣化等は生じない。
【0015】このように、本発明に係る記録媒体の製造
方法においては、乾燥工程での乾燥時間が大幅に短縮さ
れ、記録媒体の製造に係るサイクルタイムを短縮させる
ことができる。なお、塗布工程と乾燥工程を磁場中で行
うことにより、液体の塗布と同時に液体の乾燥が促進さ
れることになる。
【0016】そして、前記製造方法において、少なくと
も前記乾燥工程は、永久磁石及び/又は電磁石による磁
場中で行うようにしてもよい。特に、永久磁石による磁
場中で行うことが好ましい。
【0017】前記乾燥工程としては、前記記録媒体が例
えば円盤状記録媒体である場合に、前記ワークを回転さ
せて前記液体を乾燥させる処理を含むようにしてもよ
い。
【0018】この場合、前記ワークを回転させるための
スピンコート用のテーブルに複数の永久磁石をそれぞれ
磁極が互い違いになるように、例えば複数の永久磁石を
円形のテーブルの同心円状に配置することによって、上
述の磁場効果を最大限に活用することができ、乾燥時間
の短縮化を促進させることができる。
【0019】スピンコート用のテーブルを回転させてワ
ークの乾燥を行う場合、ワークの内周部の乾燥に特に時
間がかかる。これは、ワークの内周部は遠心力が小さい
ため、あまり液体が吹き飛ばされないからであると考え
られる。しかし、上述のように、スピンコート用のテー
ブルに複数の永久磁石をそれぞれ磁極が互い違いになる
ように設置すれば、内周部の乾燥が促進されることにな
り、乾燥時間の短縮に有効となる。
【0020】なお、使用する前記永久磁石としては、N
dFeB磁石を用いることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る記録媒体の製
造方法を例えばCD−R等の光ディスクを製造するシス
テムに適用した実施の形態例(以下、単に実施の形態に
係る製造システムと記す)を図1〜図14を参照しなが
ら説明する。
【0022】本実施の形態に係る製造システム10は、
図1に示すように、例えば射出成形、圧縮成形又は射出
圧縮成形によって基板を作製する2つの成形設備(第1
及び第2の成形設備12A及び12B)と、基板の一主
面上に色素溶液を塗布して乾燥させることにより、該基
板上に色素記録層を形成する塗布設備14と、基板の色
素記録層上に光反射層を例えばスパッタリングにより形
成し、その後、光反射層上にUV硬化液を塗布した後、
UV照射して前記光反射層上に保護層を形成する後処理
設備16とを有して構成されている。
【0023】第1及び第2の成形設備12A及び12B
は、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形、圧縮
成形又は射出圧縮成形して、一主面にトラッキング用溝
又はアドレス信号等の情報を表す凹凸(グルーブ)が形
成された基板を作製する成形機20と、該成形機20か
ら取り出された基板を冷却する冷却部22と、冷却後の
基板を段積みして保管するためのスタックポール24が
複数本設置された集積部26(スタックポール回転台)
を有する。
【0024】塗布設備14は、3つの処理部30、32
及び34から構成され、第1の処理部30には、前記第
1及び第2の成形設備12A及び12Bから搬送された
スタックポール24を収容するためのスタックポール収
容部40と、該スタックポール収容部40に収容された
スタックポール24から1枚ずつ基板を取り出して次工
程に搬送する第1の搬送機構42と、該第1の搬送機構
42によって搬送された1枚の基板に対して静電気の除
去を行う静電ブロー機構44とを有する。
【0025】第2の処理部32は、第1の処理部30に
おいて静電ブロー処理を終えた基板を次工程に順次搬送
する第2の搬送機構46と、該第2の搬送機構46によ
って搬送された複数の基板に対してそれぞれ色素溶液を
塗布する色素塗布機構48と、色素塗布処理を終えた基
板を1枚ずつ次工程に搬送する第3の搬送機構50とを
有する。この色素塗布機構48は6つのスピンコート装
置52を有して構成されている。
【0026】第3の処理部34は、前記第3の搬送機構
50にて搬送された1枚の基板の裏面を洗浄する裏面洗
浄機構54と、裏面洗浄を終えた基板を次工程に搬送す
る第4の搬送機構56と、該第4の搬送機構56によっ
て搬送された基板に対してロット番号等の刻印を行う番
号付与機構58と、ロット番号等の刻印を終えた基板を
次工程に搬送する第5の搬送機構60と、該第5の搬送
機構60によって搬送された基板に対して欠陥の有無並
びに色素記録層の膜厚の検査を行う検査機構62と、該
検査機構62での検査結果に応じて基板を正常品用のス
タックポール64あるいはNG用のスタックポール66
に選別する選別機構68とを有する。
【0027】第1の処理部30と第2の処理部32との
間に第1の仕切板70が設置され、第2の処理部32と
第3の処理部34にも同様に第2の仕切板72が設置さ
れている。第1の仕切板70の下部には、第2の搬送機
構46による基板の搬送経路を塞がない程度の開口(図
示せず)が形成され、第2の仕切板72の下部には、第
3の搬送機構50による基板の搬送経路を塞がない程度
の開口(図示せず)が形成されている。
【0028】後処理設備16は、塗布設備14から搬送
された正常品用のスタックポール64を収容するための
スタックポール収容部80と、該スタックポール収容部
80に収容されたスタックポール64から1枚ずつ基板
を取り出して次工程に搬送する第6の搬送機構82と、
該第6の搬送機構82によって搬送された1枚の基板に
対して静電気の除去を行う第1の静電ブロー機構84
と、静電ブロー処理を終えた基板を次工程に順次搬送す
る第7の搬送機構86と、該第7の搬送機構86によっ
て搬送された基板の一主面に光反射層をスパッタリング
にて形成するスパッタ機構88と、光反射層のスパッタ
リングを終えた基板を次工程に順次搬送する第8の搬送
機構90と、該第8の搬送機構90によって搬送された
基板の周縁(エッジ部分)を洗浄するエッジ洗浄機構9
2とを有する。
【0029】また、この後処理設備16は、エッジ洗浄
を終えた基板に対して静電気の除去を行う第2の静電ブ
ロー機構94と、静電ブロー処理を終えた基板の一主面
に対してUV硬化液を塗布するUV硬化液塗布機構96
と、UV硬化液の塗布を終えた基板を高速に回転させて
基板上のUV硬化液の塗布厚を均一にするスピン機構9
8と、UV硬化液の塗布及びスピン処理を終えた基板に
対して紫外線を照射することによりUV硬化液を硬化さ
せて基板の一主面に保護層を形成するUV照射機構10
0と、前記基板を第2の静電ブロー機構94、UV硬化
液塗布機構96、スピン機構98及びUV照射機構10
0にそれぞれ搬送する第9の搬送機構102と、UV照
射された基板を次工程に搬送する第10の搬送機構10
4と、該第10の搬送機構104によって搬送された基
板に対して塗布面と保護層面の欠陥を検査するための欠
陥検査機構106と、基板に形成されたグルーブによる
信号特性を検査するための特性検査機構108と、これ
ら欠陥検査機構106及び特性検査機構108での検査
結果に応じて基板を正常品用のスタックポール110あ
るいはNG用のスタックポール112に選別する選別機
構114とを有する。
【0030】ここで、1つのスピンコート装置52の構
成について図2〜図7を参照しながら説明する。
【0031】このスピンコート装置52は、図2及び図
3に示すように、塗布液付与装置400、スピナーヘッ
ド装置402及び飛散防止壁404を有して構成されて
いる。塗布液付与装置400は、色素溶液が充填された
加圧タンク(図示せず)と、該加圧タンクからノズル4
06に引き回されたパイプ(図示せず)と、ノズル40
6から吐出される色素溶液の量を調整するための吐出量
調整バルブ408とを有し、色素溶液は前記ノズル40
6を通してその所定量が基板202の表面上に滴下され
るようになっている。
【0032】この塗布液付与装置400は、ノズル40
6を下方に向けて支持する支持板410と該支持板41
0を水平方向に旋回させるモータ412とを有するハン
ドリング機構414によって、待機位置から基板202
の上方の位置に旋回移動できるように構成されている。
【0033】スピナーヘッド装置402は、前記塗布液
付与装置400の下方に配置されており、基板202が
載置される円形のテーブル446を有し、着脱可能な固
定具420により、基板202が前記テーブル446上
に水平に保持されると共に、駆動モータ(図示せず)に
より軸回転が可能とされている。
【0034】スピナーヘッド装置402により水平に保
持された状態で回転している基板202上に、上記の塗
布液付与装置400のノズル406から滴下した色素溶
液は、基板202の表面上を外周側に流延する。そし
て、余分の色素溶液は基板202の外周縁部で振り切ら
れ、その外側に放出され、次いで塗膜が乾燥されること
により、基板202の表面上に塗膜(色素記録層20
4)が形成される。
【0035】飛散防止壁404は、基板202の外周縁
部から外側に放出された余分の色素溶液が周辺に飛散す
るのを防止するために設けられており、上部に開口42
2が形成されるようにスピナーヘッド装置402の周囲
に配置されている。飛散防止壁404を介して集められ
た余分の色素溶液はドレイン424を通して回収される
ようになっている。
【0036】また、第2の処理部32(図1参照)にお
ける各スピンコート装置52の局所排気は、前記飛散防
止壁404の上方に形成された開口422から取り入れ
た空気を基板202の表面上に流通させた後、各スピナ
ーヘッド装置402の下方に取り付けられた排気管42
6を通じて排気されるようになっている。
【0037】塗布液付与装置400のノズル406は、
図4及び図5に示すように、軸方向に貫通孔430が形
成された細長い円筒状のノズル本体432と、該ノズル
本体432を支持板410(図3参照)に固定するため
の取付部434を有する。ノズル本体432は、その先
端面及びその先端面から1mm以上の範囲の外側又は内
側、あるいは両方の壁面がフッ素化合物からなる表面を
有する。このフッ素化合物としては、例えばポリテトラ
フルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン含有物
等を使用することができる。
【0038】この実施の形態で用いられる好ましいノズ
ル406の例としては、例えば、図5に示すように、ノ
ズル本体432の先端面及びその先端面から1mm以上
の範囲をフッ素化合物を用いて形成したノズル406
や、図6に示すように、ノズル本体432の先端面44
0及びその先端面440から1mm以上の範囲の外側又
は内側、あるいは両方の壁面442及び444をフッ素
化合物を用いて被覆したノズル406を挙げることがで
きる。
【0039】ノズル本体432の先端面及びその先端面
から1mm以上の範囲をフッ素化合物で形成する場合、
強度などを考慮すると、実用的には、例えばノズル本体
432をステンレススチールで形成し、その先端面及び
その先端面から最大で5mmの範囲をフッ素化合物で形
成することが好ましい。
【0040】また、図6に示すように、ノズル本体43
2の先端面440及びその先端面440から1mm以上
の範囲の外側又は内側、あるいは両方の壁面442及び
444をフッ素化合物で被覆する場合、ノズル本体43
2の先端面440から10mm以上、更に好ましくは、
ノズル本体432の全領域をフッ素化合物で被覆するこ
とが好ましい。被覆する場合、その厚みは特に制限はな
いが、5〜500μmの範囲が適当である。また、ノズ
ル本体432の材質としては、上記のように、ステンレ
ススチールが好ましい。ノズル本体432に形成された
貫通孔430の径は一般に0.5〜1.0mmの範囲で
ある。
【0041】そして、この実施の形態に係る製造システ
ム10においては、上述のスピナーヘッド装置402に
設置されるテーブル446の裏面(基板202が載置さ
れる面の反対側の面)に、図7に示すように、多数の永
久磁石448がそれぞれ磁極が互い違いになるように同
心円状に配置されている。これらの永久磁石448はテ
ーブル446の裏面に例えば接着剤によって固着されて
いる。図7は、前記複数の永久磁石448が設置された
テーブル446をその裏面側からみた図であり、この図
7において、斜線で示す永久磁石448は手前が例えば
S極、白地で示す永久磁石448は手前が例えばN極を
示す。
【0042】各永久磁石448としては、磁石表面の最
大磁場が5000GのNdFeB磁石(直径1cm、厚
さ5mm)を使用した。
【0043】次に、この製造システム10によって光デ
ィスクを製造する過程について図8A〜図9Bの工程図
をも参照しながら説明する。
【0044】まず、第1及び第2の成形設備12A及び
12Bにおける成形機20において、ポリカーボネート
などの樹脂材料が射出成形、圧縮成形又は射出圧縮成形
されて、図8Aに示すように、一主面にトラッキング用
溝又はアドレス信号等の情報を表す凹凸(グルーブ)2
00が形成された基板202が作製される。
【0045】前記基板202の材料としては、例えばポ
リカーボネート、ポリメタルメタクリレート等のアクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化
ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフ
ィン及びポリエステルなどを挙げることができ、所望に
よりそれらを併用してもよい。上記の材料の中では、耐
湿性、寸法安定性及び価格などの点からポリカーボネー
トが好ましい。また、グルーブ200の深さは、0.0
1〜0.3μmの範囲であることが好ましく、その半値
幅は、0.2〜0.9μmの範囲であることが好まし
い。
【0046】成形機20から取り出された基板202
は、後段の冷却部22において冷却された後、一主面が
下側に向けられてスタックポール24に積載される。ス
タックポール24に所定枚数の基板202が積載された
段階で、スタックポール24はこの成形設備12A及び
12Bから取り出されて、次の塗布設備14に搬送さ
れ、該塗布設備14におけるスタックポール収容部40
に収容される。この搬送は、台車で行ってもよいし、自
走式の自動搬送装置で行うようにしてもよい。
【0047】スタックポール24がスタックポール収容
部40に収容された段階で、第1の搬送機構42が動作
し、スタックポール24から1枚ずつ基板202を取り
出して、後段の静電ブロー機構44に搬送する。静電ブ
ロー機構44に搬送された基板202は、該静電ブロー
機構44において静電気が除去された後、第2の搬送機
構46を介して次の色素塗布機構48に搬送され、6つ
のスピンコート装置52のうち、いずれか1つのスピン
コート装置52に投入される。スピンコート装置52に
投入された基板202は、その一主面上に色素溶液が塗
布された後、高速に回転されて色素溶液の厚みが均一に
された後、乾燥処理が施される。これによって、図8B
に示すように、基板202の一主面上に色素記録層20
4が形成されることになる。
【0048】即ち、スピンコート装置52に投入された
基板202は、図2に示すスピナーヘッド装置402に
装着され、固定具420により水平に保持される。次
に、加圧式タンクから供給された色素溶液は、吐出量調
整バルブ408によって所定量に調整され、基板202
上の内周側にノズル406を通して滴下される。
【0049】このノズル406は、上述したように、そ
の先端面及びその先端面から1mm以上の範囲の外側又
は内側、あるいは両方の壁面がフッ素化合物からなる表
面を有しているため、色素溶液の付着が生じにくく、ま
た、色素溶液が乾燥した際にも色素の析出やその堆積物
が生じにくく、従って、塗膜を塗膜欠陥などの障害を伴
うことなくスムーズに形成させることができる。
【0050】なお、色素溶液としては色素を適当な溶剤
に溶解した色素溶液が用いられる。色素溶液中の色素の
濃度は一般に0.01〜15重量%の範囲にあり、好ま
しくは0.1〜10重量%の範囲、特に好ましくは0.
5〜5重量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3重量%
の範囲にある。
【0051】駆動モータによってスピナーヘッド装置4
02が高速回転され、基板202上に滴下された色素溶
液は、スピナーヘッド装置402の回転により、基板2
02の表面上を外周方向に流延し、塗膜を形成しながら
基板202の外周縁部に到達する。
【0052】特に、本実施の形態では、図10に示すよ
うな処理手順で基板202上に色素溶液を塗布する。ま
ず、図10のステップS1において、基板202を回転
数=約270rpmまで上昇させると同時に、塗布液付
与装置400における支持板410(図3参照)を水平
方向に回転させてノズル406を基板202の半径46
mmの位置までもっていく。
【0053】その後、ステップS2において、基板20
2の回転数を270rpmとしたまま、色素溶液の塗布
を開始し、その状態で支持板410を水平方向に回転さ
せてノズル406を半径23mmの位置まで約2秒で移
動させる。
【0054】次に、ステップS3において、色素溶液の
塗布を行いながら、支持板410を水平方向に回転させ
てノズル406を半径40mmの位置まで約3秒かけて
移動させ、同時に基板202の回転数を550rpmま
で上昇させる。
【0055】その後、ステップS4において、色素溶液
の塗布を停止し、支持板410を水平方向に回転させて
ノズル406を元の位置(初期状態)に戻す。
【0056】次に、ステップS5において、基板202
の回転数を630rpmまで6秒かけて上昇させる。
【0057】その後、ステップS6において、基板20
2の回転数を6.3秒かけて1400rpmまで上昇さ
せる。
【0058】そして、ステップS7において、基板20
2の回転数を1.7秒かけて2200rpmまで上昇さ
せ、その後、基板202の回転数(=2200rpm)
を5秒間維持させる。
【0059】ステップS5〜S7での回転数の上昇によ
って、基板202の外周縁部に達した余分の色素溶液
は、更に遠心力により振り切られ、基板202の縁部の
周囲に飛散する。飛散した余分な色素溶液は、図2及び
図3に示すように、飛散防止壁404に衝突し、更にそ
の下方に設けられた受皿に集められた後、ドレイン42
4を通して回収される。塗膜の乾燥はその形成過程及び
塗膜形成後に行われる。塗膜(色素記録層)の厚みは、
一般に20〜500nmの範囲に、好ましくは50〜3
00nmの範囲に設けられる。
【0060】また、上述のステップS1〜S7における
色素塗布処理においては、図示しない空調システムにお
いて、塗布設備14に送り込む清浄な空気の風速を約
0.4m/sec以下に設定している。つまり、基板2
02の色素塗布面に対する空調風速を約0.4m/se
c以下に設定するようにしている。
【0061】前記ステップS7での処理が終了した段階
で、基板202の回転を停止させて基板202に対する
色素溶液の塗布処理が終了する。
【0062】特に、この実施の形態では、図7に示すよ
うに、スピナーヘッド装置402のテーブル446の裏
面に多数の永久磁石448をそれぞれ磁極が互い違いに
なるように同心円状に配置するようにしているため、テ
ーブル446上に載置された基板202に対して、図1
1に示すような磁場が形成される。
【0063】つまり、本実施の形態においては、磁場中
に基板202を設置して色素塗布を行い、その後、乾燥
を行うことから、上述した磁場効果によって色素溶液の
揮発成分(溶媒)の蒸発速度が速まり、色素溶液の塗布
と同時に色素溶液の乾燥が促進されることになる。特
に、磁束密度の変化が激しい箇所において溶媒の蒸発速
度が速くなるため、本実施の形態のように、複数の永久
磁石448をそれぞれ磁極が互い違いになるように配置
することが好ましい。
【0064】また、永久磁石448を設置しなかった場
合での乾燥時間と、永久磁石448を設置した場合での
乾燥時間を比較した結果、永久磁石448を設置しなか
った場合は乾燥終了まで16秒かかったのに対し、永久
磁石448を設置した場合は14秒で乾燥が終了した。
【0065】ここで、色素記録層204に用いられる色
素は特に限定されない。使用可能な色素の例としては、
シアニン系色素、フタロシアニン系色素、イミダゾキノ
キサリン系色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色
素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、N
i、Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系色素、
アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、イン
ドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、メロシ
アニン系色素、オキソノール系色素、アミニウム系・ジ
インモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙げることが
できる。これらの色素のうちでは、シアニン系色素、フ
タロシアニン系色素、アズレニウム系色素、スクワリリ
ウム系色素、オキソノール系色素及びイミダゾキノキサ
リン系色素が好ましい。
【0066】色素記録層204を形成するための塗布液
の溶剤の例としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテー
トなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロル
メタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの
塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;
シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、
エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,
2,3,3−テトラフロロ−1−プロパノールなどのフ
ッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル
類などを挙げることができる。
【0067】前記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮し
て単独または二種以上を適宜併用することができる。好
ましくは、2,2,3,3−テトラフロロ−1−プロパ
ノールなどのフッ素系溶剤である。なお、色素溶液中に
は、所望により退色防止剤や結合剤を添加してもよい
し、更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、そして潤滑
剤など各種の添加剤を、目的に応じて添加してもよい。
【0068】退色防止剤の代表的な例としては、ニトロ
ソ化合物、金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩
を挙げることができる。これらの例は、例えば、特開平
2−300288号、同3−224793号、及び同4
−146189号等の各公報に記載されている。
【0069】結合剤の例としては、ゼラチン、セルロー
ス誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機
高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・
ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹
脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポ
キシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・
ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物な
どの合成有機高分子を挙げることができる。
【0070】結合剤を使用する場合に、結合剤の使用量
は、色素100重量部に対して、一般に20重量部以下
であり、好ましくは10重量部以下、更に好ましくは5
重量部以下である。
【0071】なお、色素記録層204が設けられる側の
基板202の表面には、平面性の改善、接着力の向上お
よび色素記録層204の変質防止などの目的で、下塗層
が設けられてもよい。
【0072】下塗層の材料としては例えば、ポリメチル
メタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、
スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ
ール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニ
ルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、
ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフ
ィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビ
ニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子
物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤を
挙げることができる。
【0073】下塗層は、前記物質を適当な溶剤に溶解ま
たは分散して色素溶液を調整した後、この色素溶液をス
ピンコート、ディップコート、エクストルージョンコー
トなどの塗布法を利用して基板202の表面に塗布する
ことにより形成する。下塗層の層厚は一般に0.005
〜20μmの範囲、好ましくは0.01〜10μmの範
囲で設けられる。
【0074】色素記録層204が形成された基板202
は、第3の搬送機構50を介して次の裏面洗浄機構54
に搬送され、基板202の一主面の反対側の面(裏面)
が洗浄される。その後、基板202は、第4の搬送機構
56を介して次の番号付与機構58に搬送され、基板2
02の一主面又は裏面に対してロット番号等の刻印が行
われる。
【0075】その後、基板202は、第5の搬送機構6
0を介して次の検査機構62に搬送され、基板202の
欠陥の有無や色素記録層204の膜厚の検査が行われ
る。この検査は、基板202の裏面側から光を照射して
その光の透過状態を例えばCCDカメラで画像処理する
ことによって行われる。この検査機構62での検査結果
は次の選別機構68に送られる。
【0076】上述の検査処理を終えた基板202は、そ
の検査結果に基づいて選別機構68によって正常品用の
スタックポール64またはNG用のスタックポール66
に搬送選別される。
【0077】正常品用のスタックポール64に所定枚数
の基板202が積載された段階で、正常品用のスタック
ポール64はこの塗布設備14から取り出されて、次の
後処理設備16に搬送され、該後処理設備16のスタッ
クポール収容部80に収容される。この搬送は、台車で
行ってもよいし、自走式の自動搬送装置で行うようにし
てもよい。
【0078】正常品用のスタックポール64がスタック
ポール収容部80に収容された段階で、第6の搬送機構
82が動作し、スタックポール64から1枚ずつ基板2
02を取り出して、後段の第1の静電ブロー機構84に
搬送する。第1の静電ブロー機構84に搬送された基板
202は、該第1の静電ブロー機構84において静電気
が除去された後、第7の搬送機構86を介して次のスパ
ッタ機構88に搬送される。
【0079】スパッタ機構88に投入された基板202
は、図8Cに示すように、その一主面中、周縁部分(エ
ッジ部分)206を除く全面に光反射層208がスパッ
タリングによって形成される。
【0080】光反射層208の材料である光反射性物質
はレーザ光に対する反射率が高い物質であり、その例と
しては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、
Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、A
u、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、T
e、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属ある
いはステンレス鋼を挙げることができる。
【0081】これらのうちで好ましいものは、Cr、N
i、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼で
ある。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは
二種以上を組み合わせて用いてもよい。または合金とし
て用いてもよい。特に好ましくはAgもしくはその合金
である。
【0082】光反射層208は、例えば、前記光反射性
物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティン
グすることにより記録層の上に形成することができる。
反射層の層厚は、一般的には10〜800nmの範囲、
好ましくは20〜500nmの範囲、更に好ましくは5
0〜300nmの範囲で設けられる。
【0083】光反射層208が形成された基板202
は、第8の搬送機構90を介して次のエッジ洗浄機構9
2に搬送され、図9Aに示すように、基板202の一主
面中、エッジ部分206が洗浄されて、該エッジ部分2
06に形成されていた色素記録層204が除去される。
その後、基板202は、第9の搬送機構102を介して
次の第2の静電ブロー機構94に搬送され、静電気が除
去される。
【0084】その後、基板202は、同じく前記第9の
搬送機構102を介してUV硬化液塗布機構96に搬送
され、基板202の一主面の一部分にUV硬化液が滴下
される。その後、基板202は、同じく前記第9の搬送
機構102を介して次のスピン機構98に搬送され、高
速に回転されることにより、基板202上に滴下された
UV硬化液の塗布厚が基板全面において均一にされる。
【0085】この実施の形態においては、前記光反射層
208の成膜後から前記UV硬化液の塗布までの時間が
2秒以上、5分以内となるように時間管理されている。
【0086】その後、基板202は、同じく前記第9の
搬送機構102を介して次のUV照射機構100に搬送
され、基板202上のUV硬化液に対して紫外線が照射
される。これによって、図9Bに示すように、基板20
2の一主面上に形成された色素記録層204と光反射層
208を覆うようにUV硬化樹脂による保護層210が
形成されて光ディスクDとして構成されることになる。
【0087】保護層210は、色素記録層204などを
物理的及び化学的に保護する目的で光反射層208の上
に設けられる。保護層210は、基板202の色素記録
層204が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高
める目的で設けることもできる。保護層210で使用さ
れる材料としては、例えば、SiO、SiO2 、MgF
2 、SnO2 、Si3 4 等の無機物質、及び熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂、そしてUV硬化性樹脂等の有機物
質を挙げることができる。
【0088】保護層210は、例えば、プラスチックの
押出加工で得られたフイルムを接着剤を介して光反射層
208上及び/または基板202上にラミネートするこ
とにより形成することができる。あるいは真空蒸着、ス
パッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。
また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これら
を適当な溶剤に溶解して塗布液を調整したのち、この塗
布液を塗布し、乾燥することによっても形成することが
できる。
【0089】UV硬化性樹脂の場合には、上述したよう
に、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調
整したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化
させることによって形成することができる。これらの塗
布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤
等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層
210の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲で設
けられる。
【0090】その後、光ディスクDは、第10の搬送機
構104を介して次の欠陥検査機構106と特性検査機
構108に搬送され、色素記録層204の面と保護層2
10の面における欠陥の有無や光ディスクDの基板20
2に形成されたグルーブ200による信号特性が検査さ
れる。これらの検査は、光ディスクDの両面に対してそ
れぞれ光を照射してその反射光を例えばCCDカメラで
画像処理することによって行われる。これらの欠陥検査
機構106及び特性検査機構108での各検査結果は次
の選別機構114に送られる。
【0091】上述の欠陥検査処理及び特性検査処理を終
えた光ディスクDは、各検査結果に基づいて選別機構1
14によって正常品用のスタックポール110またはN
G用のスタックポール112に搬送選別される。
【0092】正常品用のスタックポール110に所定枚
数の光ディスクDが積載された段階で、該スタックポー
ル110が後処理設備16から取り出されて図示しない
ラベル印刷工程に投入される。
【0093】このように、本実施の形態に係る製造シス
テム10においては、磁場中に基板202を設置して色
素溶液の塗布と乾燥を行うことから、上述の磁場効果に
よって色素溶液の溶媒の蒸発速度が速まり、色素溶液の
塗布と同時に色素溶液の乾燥が促進されることになる。
この場合、熱風等をあてて強制的に乾燥するのではな
く、磁場をかけるだけで自然乾燥と同じ状況となるた
め、色素の改質や劣化等は生じない。
【0094】これにより、その後の乾燥工程での乾燥時
間が大幅に短縮され、光ディスクDの製造に係るサイク
ルタイムを短縮させることができる。
【0095】一般に、スピンコート用のテーブル446
を回転させて基板202の乾燥を行う場合、基板202
の内周部の乾燥に特に時間がかかる。これは、基板20
2の内周部は遠心力が小さいため、あまり液体が吹き飛
ばされないからであると考えられる。しかし、上述のよ
うに、スピンコート用のテーブル446に複数の永久磁
石448をそれぞれ磁極が互い違いになるように設置す
れば、内周部の乾燥が促進されることになり、乾燥時間
の短縮に有効となる。
【0096】上述の実施の形態では、スピナーヘッド装
置402のテーブル446の裏面に複数の永久磁石44
8を同心円状に1ターンだけ配置した例を示したが、そ
の他、複数の永久磁石448を同心円状に複数ターン配
置するようにしてもよい。図12に複数の永久磁石44
8を2ターンほど設置した例(第1の変形例)を示す。
【0097】この第1の変形例においては、1つのター
ンにおいて永久磁石448が互い違いに配置されるほ
か、2つのターン間においても永久磁石448が互い違
いに配置されることから、溶媒の乾燥時間を更に短縮さ
せることができる。
【0098】図7に示す例及び図12に示す第1の変形
例では、テーブル446に永久磁石448を設置するこ
とから永久磁石448も基板202と一緒に回転する形
態となるが、その他、図13及び図14の第2及び第3
の変形例に示すように、磁場発生装置500をテーブル
446の外に設置して、基板202と一緒に回転しない
形態にしてもよい。
【0099】図13に示す第2の変形例に係る磁場発生
装置500は、チャネル状の強磁性磁芯502にコイル
504を巻回して構成され、特に、この例では、磁芯5
02の互いに向かい合う両端部502a及び502b
が、テーブル446の側面及び基板202の側面に臨む
ように設置される。そして、電源506を通じてコイル
504に電流を流すことによって、磁場が発生し、基板
202上にスピンコートされる色素溶液の溶媒の蒸発が
促進されることになる。
【0100】図14に示す第3の変形例に係る磁場発生
装置500は、チャネル状の強磁性磁芯502にコイル
504を巻回して構成され、特に、この例では、磁芯5
02の互いに向かい合う両端部502a及び502b
が、基板202の表面及びテーブル446の裏面に臨む
ように設置される。そして、電源506を通じてコイル
504に電流を流すことによって、磁場が発生し、基板
202上にスピンコートされる色素溶液の溶媒の蒸発が
促進されることになる。
【0101】上述の例では、CD−R等の光ディスクD
を製造する場合に適用した例を示したが、これに限定さ
れるものではなく、記録媒体として完成される前のワー
クに対して液体を塗布する塗布工程と、ワークに塗布さ
れた液体を乾燥する乾燥工程を含むものであればすべて
適用可能である。
【0102】なお、この発明に係る記録媒体の製造方法
は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱
することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんで
ある。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る記録
媒体の製造方法によれば、液体の改質等を引き起こすこ
となく、自然乾燥による乾燥時間を大幅に短縮すること
ができ、記録媒体の製造に係るサイクルタイムを短縮さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る製造システムを示す構成図
である。
【図2】塗布設備に設置されるスピンコート装置を示す
構成図である。
【図3】塗布設備に設置されるスピンコート装置を示す
斜視図である。
【図4】スピンコート装置のノズルを示す平面図であ
る。
【図5】スピンコート装置のノズルの一例を示す側面図
である。
【図6】スピンコート装置のノズルの他の例を一部省略
して示す拡大断面図である。
【図7】テーブルの裏面に複数の永久磁石を配置した例
を示す平面図である。
【図8】図8Aは基板上にグルーブを形成した状態を示
す工程図であり、図8Bは基板上に色素記録層を形成し
た状態を示す工程図であり、図8Cは基板上に光反射層
を形成した状態を示す工程図である。
【図9】図9Aは基板のエッジ部分を洗浄した状態を示
す工程図であり、図9Bは基板上に保護層を形成した状
態を示す工程図である。
【図10】本実施の形態に係る製造システムにおいて、
基板に色素溶液を塗布する場合の処理手順を示す工程ブ
ロック図である。
【図11】永久磁石によって発生する磁場を模式的に示
す説明図である。
【図12】第1の変形例に係る永久磁石の配置例を示す
平面図である。
【図13】第2の変形例に係る磁場発生装置を示す構成
図である。
【図14】第3の変形例に係る磁場発生装置を示す構成
図である。
【符号の説明】
10…製造システム 14…塗布設備 48…色素塗布機構 52…スピンコー
ト装置 202…基板 204…色素記録
層 400…塗布液付与装置 402…スピナー
ヘッド装置 420…固定具 446…テーブル 448…永久磁石 500…磁場発生
装置 D…光ディスク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体として完成される前のワークに対
    して液体を塗布する塗布工程と、ワークに塗布された液
    体を乾燥する乾燥工程を含む記録媒体の製造方法におい
    て、 少なくとも前記乾燥工程は、前記ワークを磁場中に設置
    して前記液体の乾燥を行うことを特徴とする記録媒体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の記録媒体の製造方法におい
    て、 少なくとも前記乾燥工程は、永久磁石及び/又は電磁石
    による磁場中で行われることを特徴とする記録媒体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の記録媒体の製造方法
    において、 前記記録媒体が円盤状記録媒体である場合に、前記乾燥
    工程は、前記ワークを回転させて前記液体を乾燥させる
    処理を含むことを特徴とする記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の記録媒体の製造方法におい
    て、 前記ワークを回転させるためのスピンコート用のテーブ
    ルに複数の永久磁石をそれぞれ磁極が互い違いになるよ
    うに設置することを特徴とする記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の記録媒体の製造方法におい
    て、 前記複数の永久磁石は、円形のテーブルの同心円状に配
    置されることを特徴とする記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の記録
    媒体の製造方法において、 使用される前記永久磁石は、NdFeB磁石であること
    を特徴とする記録媒体の製造方法。
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