JP3898757B2 - Pde iv インヒビターとして有用なトリ置換フェニル誘導体 - Google Patents

Pde iv インヒビターとして有用なトリ置換フェニル誘導体 Download PDF

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Description

本発明は、トリ置換フェニル誘導体の新規シリーズ、それらの製造方法、それらを含有する製薬組成物および医学におけるそれらの用途に関する。
多くのホルモンおよび神経系伝達物質は、アデノシン3',5'-サイクリック一リン酸(cAMP)の細胞内レベルを増加させることで組織の機能を調節する。cAMPの細胞レベルは、合成および分解を制御する機構によって調整される。cAMPの合成は、フォースコリン(forskolin)などの剤により直接的に活性化することができるか、またはアデニルシクラーゼにカップリングする細胞表面レセプターに対する特定のアゴニストの結合により間接的に活性化することができるアデニルシクラーゼにより制御される。cAMPの分解は、グアノシン3',5'-サイクリック一リン酸(cGMP)の分解をも制御するホスホジエステラーゼ(PDE)イソ酵素群により制御される。今日までのところ、この群の7つのメンバー(PDE I-VII)が記載されており、これらの分布は組織から組織へと変化する。これは、PDEイソ酵素の特定のインヒビターが異なる組織中でcAMPの異なる増加を達成することができることを示唆している(PDEの分布、構造、機能および調整の概説については、Beavo & Reifsnyder(1990)TIPS, 11: 150-155およびNicholson et al(1991)TIPS, 12: 19-27参照)。
炎症性白血球中でのcAMPの増加は、それらの活性化の阻害へと導くという明らかな証拠がある。さらに、気道平滑筋中でのcAMPの増加は、鎮痙性効果を有する。これらの組織中で、PDE IVはcAMPの加水分解において主要な役割を果たす。したがって、PDE IVの選択的インヒビターが喘息などの炎症性疾患において、抗炎症効果および気管支拡張効果の両方を達成することにより、治療効果を有することを期待することができる。
PDE IVインヒビターの設計は、合成された潜在的PDE IVインヒビターの多くが、効能に欠け、および/または非選択的な方法で2種以上のタイプのPDEイソ酵素を阻害することが可能であったという点で、今日まで成功が限られてきた。選択作用の欠如は、インビボのcAMPの広汎な役割に与えられた特別の問題であり、そして必要なものは、PDE IVに対しては阻害作用を有するが、他のPDEイソ酵素に対してはほとんどまたは全く作用しない、効力ある選択的PDE IVインヒビターである。
そこで、我々は、トリ置換フェニル誘導体の新規シリーズは、そのメンバーが他のPDEイソ酵素にほとんどまたは全く阻害作用を持たない濃度で効力あるPDE IVインヒビターであることを見出した。これらの化合物は、ヒト組み換えPDE IV酵素を阻害し、また、単離された白血球中でcAMPを増加させる。したがって、本発明の化合物は、医学において、特に喘息の予防および治療において用いられる。
したがって、本発明の一つの観点によれば、我々は、式(1)の化合物
Figure 0003898757
[式中、
=W-は、(1)=C(Y)-[ここで、Yはハロゲン原子、あるいはアルキルまたは-XRa基であり、Xは-O-、-S(O)m-(mはゼロ、または1または2の値の整数である)、または-N(Rb)-(Rbは水素原子または任意に置換されたアルキル基である)であり、Raは水素原子または任意に置換されたアルキル基である]であるか、あるいは(2)=N-であり;
Lは、(1)-C(R)=C(R1)(R2)または[-CH(R)]nCH(R1)(R2)基であり、ここで、Rは水素原子、フッ素原子またはメチル基であり、R1およびR2は同一でも異なってもよく、各々水素原子、フッ素原子または任意に置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、-CO2R8(R8は水素原子または任意に置換されたアルキル、アラルキルまたはアリール基である)、-CONR9R10(R9およびR10は同一でも異なってもよく、R8で定義したものと同様である)、-CSNR9R10、-CNまたは-NO2基であるか、あるいはR1およびR2はそれらが結合するC原子と一緒になって連結し、任意に置換されたシクロアルキル、シクロアルケニルまたはヘテロ環脂肪族基を形成し、nはゼロまたは1の整数であるか;あるいは(2)-(XanAlk'Ar'または-Alk'XaAr'であり、ここで、Xaは基Xであり、Ar'は酸素、硫黄または窒素原子から選択された1つ以上のヘテロ原子を任意に含有する、任意に置換されたヘテロ環脂肪族あるいは任意に置換された単環式または二環式のアリール基であり、Alk'は1つ以上のL1原子または基(L1は連結原子または基である)により任意に中断された、任意に置換された直鎖状または分岐状アルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン鎖であり、かつ、nはゼロまたは1の整数であるか;あるいは(3)XaR'であり、ここで、R'はAr'であるか、または1つ以上の-O-原子、-S-原子または-N(Rb)-基を任意に含有する、任意に置換されたポリシクロアルキルまたはポリシクロアルケニル基であり;
Zは、基(A)、(B)、(C)または(D):
Figure 0003898757
式中、
Arは、酸素原子、硫黄原子または窒素原子から選択された1つ以上のヘテロ原子を任意に含有する単環式または二環式のアリール基であり;
Z1は、基-NR12C(O)-[式中、R12は水素原子、任意に置換されたアルキル基または-(Alk)tAr基である]、-C(O)NR12-、-NR12C(S)-、-C(S)NR12-、-C≡C-、-NR12SO2-あるいは-SO2NR12-であり;
Alkは、原子または基Xにより任意に中断された、任意に置換された直鎖状または分岐状アルキル鎖であり;
tはゼロ、または1、2または3の整数であり;
R3は、水素原子、フッ素原子、任意に置換された直鎖状または分岐状アルキル基、あるいはOR11基[式中、R11は水素原子、任意に置換されたアルキル、アルケニル、アルコキシアルキル、アルカノイル、ホルミル、カルボキシアミドまたはチオカルボキシアミド基である]であり;
R4は、水素原子、任意に置換されたアルキル基、-CO2R8基、-CSNR9R10基、-CN基、-CH2CN基、または-(CH2tAr基(tはゼロ、または1、2または3の整数であり、Arは、酸素原子、硫黄原子または窒素原子から選択された1つ以上のヘテロ原子を任意に含有する単環式または二環式のアリール基である)であり、ただし、Lが上記タイプ(2)または(3)の基である場合、Zは、R4が-(CH2tAr基であるタイプ(A)または(B)の基であり;
R5は、基-(CH2tArであり;
R6は、水素原子、フッ素原子、任意に置換されたアルキル基、-CO2R8基、-CONR9R10基、-CSNR9R10基、-CN基または-CH2CN基であり;
R7は、水素原子、フッ素原子、任意に置換された直鎖状または分岐状アルキル基、あるいはORc基(ここで、Rcは水素原子、任意に置換されたアルキル基またはアルケニル基、アルコキシアルキル、アルカノイル、ホルミル、カルボキシアミドまたはチオカルボキシアミド基である)である]、
およびその塩、溶媒和物、水和物、プロ薬物およびN-オキシドを提供する。
式(1)のある化合物は、基Alk、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7の性質に依存して1つ以上のキラル中心を有しうることがわかる。1つ以上のキラル中心が存在する場合、エナンチオマーまたはジアステレオマーが存在することができ、本発明は全てのこのようなエナンチオマー、ジアステレオマー、およびラセミ体を包含するそれらの混合物まで拡張するものと理解されるべきである。
Lが-C(R)=C(R1)(R2)基であり、および/またはZが基(B)である式(1)の化合物は、基R、R1、R2、R4、R5およびR6の性質に依存して幾何学異性体として存在してもよく、本発明は全てのこのような異性体およびその混合物まで拡張するものと理解されるべきである。
式(1)の化合物において、=W-が=C(Y)-であり、Yがハロゲン原子である場合、Yは例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子であってもよい。
式(1)の化合物において、Wが基=C(Y)-であり、Yが-XRaである場合、Raは例えば水素原子であるか、あるいは任意に置換された直鎖状または分岐状アルキル基、例えば任意に置換されたC1-6アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピルまたはi-プロピル基であってもよい。Ra基上に存在してもよい任意の置換基としては、1以上のハロゲン原子、例えばフッ素または塩素原子などが挙げられる。特別なRa基としては、例えば-CH2F、-CH2Cl、-CHF2、-CHCl2、-CF3または-CCl3基が挙げられる。
式(1)の化合物において、Wが基=C(Y)-(Yは-N(Rb)である)である場合、=W-は、=C(NH2)-、=C(NHCH3)-または=C(NHC2H5)-基であってよい。
式(1)の化合物において、Xは、酸素原子、硫黄原子、あるいは基-S(O)-、-S(O)2-、-NH-またはC1-6アルキルアミノ、例えばC1-3アルキルアミノ、例えばメチルアミノ[-N(CH3)-]基またはエチルアミノ[-N(C2H5)-]基などであってよい。
式(1)の化合物において、Y、R1、R2またはRbで表されるアルキル基としては、1つ以上のX原子または基により任意に中断され、任意に置換された直鎖状または分岐状C1-6アルキル基が挙げられる。特別な例としては、C1-3アルキル基、例えばメチル,エチル基、n-プロピル基またはi-プロピル基などが挙げられる。これらの基上の任意の置換基としては、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子など、ヒドロキシル基、C1-6アルコキシ基、例えばC1-3アルコキシ基、例えばメトキシまたはエトキシなど、あるいは-CO2R8、-CONR9R10-、-CSNR9R10-または-CN基から選択された1つ、2つまたは3つの置換基が挙げられる。特別な置換アルキル基としては、例えば-CH2F、-CH2Cl、-CHF2、-CHCl2、-CH3または-CCl3が挙げられる。
式(1)の化合物において、R1またはR2で表されるアルケニル基としては、1つ以上のX原子または基により任意に中断され、任意に置換された直鎖状または分岐状C2-6アルケニル基が挙げられる。特別な例としては、エテニル、プロペニル-1および2-メチルプロペニル-1基が挙げられる。任意の置換基としては、基R1またはR2により表されるアルキル基について上記で述べたものが挙げられる。
式(1)の化合物において、R1またはR2で表されるアルキニル基としては、1つ以上のX原子または基により任意に中断され、任意に置換された直鎖状または分岐状C2-6アルキニル基が挙げられる。特別な例としては、エチニル基およびプロピニル-1基が挙げられる。任意の置換基としては、基R1またはR2により表されるアルキル基について上記で述べたものが挙げられる。
式(1)の化合物において、R1またはR2が、アルコキシ基またはアルキルチオ基である場合、それは、例えば1つ以上のX原子または基により任意に中断され、任意に置換されたC1-6アルコキシ基またはC1-6アルキルチオ基であってもよい。特別な例としては、C1-3アルコキシ基、例えばメトキシまたはエトキシ基など、あるいはC1-3アルキルチオ基、例えばメチルチオまたはエチルチオ基などが挙げられる。任意の置換基としては、基R1またはR2で表されるアルキル基について上記で述べたものが挙げられる。
式(1)の化合物において、R1およびR2が、それらが結合するC原子と一緒になって連結し、シクロアルキルまたはシクロアルケニル基を形成する場合、この基は、例えばC3-8シクロアルキル基、例えばシクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基など、あるいは例えば1つまたは2つの二重結合を含有するC3-8シクロアルケニル基、例えば2-シクロブテニル-1、2-シクロペンテニル-1、3-シクロペンテニル-1、2,4-シクロペンタジエニル-1、2-シクロヘキセニル-1、3-シクロヘキセニル-1、2,4-シクロヘキサジエニル-1または3,5-シクロヘキサジエニル-1基などであってもよく、各シクロアルキル基またはシクロアルケニル基は、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子など、直鎖状または分岐状C1-6アルキル基、例えばC1-3アルキル基、例えばメチルまたはエチル基など、ヒドロキシル基、あるいはC1-6アルコキシ基、例えばC1-3アルコキシ基、例えばメトキシまたはエトキシ基などより選択された1つ、2つまたは3つの置換基により任意に置換されている。
基L1で表される連結原子としては、例えば-O-または-S-原子が挙げられる。連結基L1で表される特別な基としては、-S(O)-、-S(O)2-、-N(Rb)-、-C(O)-、-C(O)2-、-C(S)-、-C(NRb)-、-CON(Rb)-、-CSN(Rb)-、-N(Rb)CO-、-N(Rb)CS-、-SON(Rb)-、-SO2N(Rb)-、-N(Rb)SO-、-N(Rb)SO2-、-N(Rb)SO2N(Rb)-、-N(Rb)SON(Rb)-、-N(Rb)CON(Rb)-または-N(Rb)CSN(Rb)-基が挙げられる。鎖Alkが2以上のL1原子または基により中断される場合、このような原子または基は互いに隣接して、例えば基-N(Rb)-C(NRb)-N(Rb)-または-O-CONHを形成してもよいことがわかる。
Lが、-(XanAlk'Ar'またはAlk'XaAr'基(式中、Alk'はアルキレン鎖である)である場合、Lは、例えば1以上のL1連結原子または基により任意に中断され、任意に置換された直鎖状または分岐状C1-8アルキレン鎖であってもよい。特別な例としては、-CH2Ar'、-(CH22Ar'-、-OAr'、-SAr'、-N(Rb)Ar'、-C(O)Ar'、-C(S)Ar'、-CON(Rb)Ar'、-CSN(Rb)Ar'、-SOAr'、-SON(Rb)Ar'、-SO2Ar'、-SO2N(Rb)Ar'、OCH2Ar'、-SCH2Ar'、-N(Rb)CH2Ar'、-CH2OAr'、-CH2SAr'、-CH2N(Rb)Ar'、-CH2C(O)Ar'、-CH2C(S)Ar'、-CH2CON(Rb)Ar'、-CH2CSN(Rb)Ar'、-CH2SOAr'、-CH2SO2Ar'、-(CH22OCH2Ar'、-(CH22SCH2Ar'、-(CH22SOCH2Ar'、-(CH22SO2CH2Ar'、-(CH23Ar'、-O(CH23Ar'、-S(CH23Ar'、-N(Rb)(CH23Ar'、-SO(CH23Ar'、-SO2(CH23Ar'、-(CH23OAr'、-(CH23SAr'、-(CH23N(Rb)Ar'、-(CH23SOAr'または-(CH23SO2Ar'基が挙げられる。これら基上の任意の置換基としては、Y、R1、R2またはRbで表されるアルキル基に関して上記で述べたものが挙げられる。
Lが、-(XanAlk'Ar'またはAlk'XaAr'基(式中、Alk'はアルケニレン鎖である)である場合、それは、1以上のL1連結原子または基により任意に中断され、任意に置換された直鎖状または分岐状のモノ-またはポリ不飽和C2-8アルケニレン鎖であってもよい。特別な例としては、-(CH=CH)Ar'、-CH=CH-CH2Ar'、-CH2-CH=CHAr'、-CH=CH-CH2Ar'、-CH2-CH=CHAr'、-OCH=CH-CH2Ar'、-OCH2-CH=CHAr'、-SCH=CH-CH2Ar'、-SCH2-CH=CHAr'、-N(Rb)CH=CH-CH2Ar'、-CH=CH-CH2-OAr'、-CH2-CH=CH-OAr'または-CH=CH-CH=CHAr'基が挙げられる。これら基上の任意の置換基としては、Y、R1、R2またはRbで表されるアルキル基に関して上記で述べたものが挙げられる。
Lが、(XanAlk'Ar'またはAlk'XaAr'基(式中、Alk'はアルキニレン鎖である)である場合、それは、1以上のL1連結原子または基により任意に中断され、任意に置換された直鎖状または分岐状のモノ-またはポリ不飽和C2-8アルキニレン鎖であってもよい。特別な例としては、-C≡CAr'、-C≡C-CH2Ar'、-CH2-C≡C-Ar'、-OC≡C-CH2Ar'、-OCH2-C≡CAr'、-SC≡C-CH2Ar'、-SCH2-C≡CAr'、-N(Rb)C≡C-CH2Ar'、-N(Rb)CH2-C≡CAr'、-C≡C-CH2OAr'、-CH2-C≡COAr'、-C≡C-CH2SAr'、-CH2-C≡CSAr'、-CH2-C≡CN(Rb)Ar'または-C≡C-CH2N(Rb)Ar'が挙げられる。これら基上の任意の置換基としては、Y、R1、R2またはRbで表されるアルキル基に関して上記で述べたものが挙げられる。
R1およびR2が、それらが結合するC原子と一緒になって連結して、任意に置換されたヘテロ環脂肪族基を形成する場合、および/またはAr'がヘテロ環脂肪族基である場合、この基は、例えば1以上の-O-原子、-S-原子または-N(Rb)-基を有する任意に置換されたC3-8シクロアルキルまたはC3-8シクロアルケニル基、例えばピロリジニル、ジオキソラニルなど、例えば1,3-ジオキソラニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、1,4-ジオキサニル、モルフォリニル、1,4-ジチアニル、チオモルフォリニル、ピペラジニル、1,3,5-トリチアニル、3-ピロリニル、2-イミダゾリニルまたは2-ピラゾリニル基であってもよい。これらのような基上に存在してもよい任意の置換基としては、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子など、直鎖状または分岐状C1-6アルキル基、例えばC1-3アルキル基、例えばメチルまたはエチルなど、ヒドロキシル基、あるいはC1-6アルコキシ基、例えばC1-3アルコキシ基、例えばメトキシまたはエトキシナドから選択された1つ、2つまたは3つの置換基が挙げられる。
式(1)の化合物中において、R'で表されるポリシクロアルキル基としては、任意に置換されたC6-10ポリシクロアルキル基、例えば1つ、2つまたはそれ以上の-O-原子、-S-原子または-N(Rb)-基を任意に含有するビシクロアルキルまたはトリシクロアルキル基が挙げられる。Ar'で表されるポリシクロアルケニル基としては、任意に置換されたC6-10ポリシクロアルケニル基、例えば1つ、2つまたはそれ以上の-O-原子、-S-原子または-N(Rb)-基を任意に含有するビシクロアルケニルまたはトリシクロアルケニル基が挙げられる。ポリシクロアルケニル基の不飽和度は、幅広く変化してもよく、この用語は1つ、2つ、3つまたはそれ以上の-CH=CH-基を有する基を包含すると解される。これらのような基上に存在してもよい任意の置換基としては、Ar'がヘテロ環脂肪族基である場合のAr'に関して上記で述べたものが挙げられる。
式(1)の化合物において、基R7がORcである場合、それは、例えばヒドロキシル基;あるいは基-ORcであり、ここで、Rcは、任意に置換された直鎖状または分岐状C1-6アルキル基、例えばC1-3アルキル基、例えばメチルまたはエチル基など、C2-6アルケニル基、例えばエテニルまたは2-プロペニル-1基など、C1-3アルコキシC1-3アルキル基、例えばメトキシメチル、エトキシメチルまたはエトキシエチル基など、C1-6アルカノイル基、例えばC1-3アルカノイル基、例えばアセチル基など、あるいはホルミル[HC(O)-]、カルボキシアミド(CONR13R13a)またはチオカルボキシアミド(CSNR13R13a)基であり、各例示において、R13およびR13aは、同一でも異なってもよく、それぞれ水素原子、あるいは任意に置換された直鎖状または分岐状C1-6アルキル基、例えばC1-3アルキル基、例えばメチルまたはエチル基などである。このようなRc、R13またはR13a基上に存在してもよい任意の置換基としては、アルキル基R3、R4、R6、R7およびR12について後述するものが挙げられる。
式(1)の化合物において、R3、R4、R6、R7またはR12で表されるアルキル基としては、任意に置換された直鎖状または分岐状C1-6アルキル基、例えばC1-3アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピルまたはi-プロピル基などが挙げられる。これらの基上に存在してもよい任意の置換基としては、1以上のハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子など、ヒドロキシル基、あるいはC1-6アルコキシ基、例えばC1-3アルコキシ基、例えばメトキシまたはエトキシ基などが挙げられる。
R1、R2、R4またはR6が、-CO2R8、-CONR9R10または-CSNR9R10基である場合、それは、例えば-CO2H、-CONH2または-CSNH2基であるか、あるいはR8、R9およびR10が存在する場合の基-CO2R8、-CONR9R10、-CSNR9R10、-CONHR10または-CSNHR10であり、ここで、R8、R9およびR10は、C1-3アルキル基、例えばメチルまたはエチル基など、C6-12アリール基、例えば任意に置換されたフェニル、または1-または2-ナフチル基、あるいはC6-12アリールC1-3アルキル基、例えば任意に置換されたベンジルまたはフェネチル基である。これらのアリール基上に存在してもよい任意の置換基としては、基Arについて後述するR14置換基が挙げられる。
式(1)の化合物に鎖Alkが存在する場合、それは、原子または基Xにより任意に中断され、任意に置換された直鎖状または分岐状C1-3アルキレン鎖であってもよい。特別な例としては、-CH2-、-(CH22-、-(CH23-、-CH2OCH2-、-CH2SCH2-あるいは-CH2N(Rb)CH2-鎖、例えば-CH2NHCH2-または-CH2N(CH3)CH2-が挙げられる。任意の置換基としては、R3、R4、R6、R7およびR12で表されるアルキル基に関して上記で述べたものが挙げられる。
式(1)の化合物において、基-(Alk)t(X)nArが存在する場合、それは、基-Ar、-CH2Ar-、-(CH22Ar、-(CH23Ar、-CH2OAr、-CH2OCH2Ar、-CH2N(Rb)Arまたは-CH2N(Rb)CH2Ar基であってもよい。
式(1)の化合物において、基Ar、Ar'またはR'で表される単環式または二環式アリール基としては、例えば任意に置換されたC6-12アリール基、例えば任意に置換されたフェニル、1-または2-ナフチル、インデニル、あるいはイソインデニル基が挙げられる。
単環式または二環式アリール基Ar、Ar'またはR'が、1つ以上のヘテロ原子を含有する場合、それは、例えば、酸素原子、硫黄原子または窒素原子から選択された例えば1、2、3または4つのヘテロ原子を含有する、任意に置換されたC5-10ヘテロアリール基であってもよい。一般的に、Arヘテロアリール基は、例えば単環式または二環式ヘテロアリール基であってもよい。単環式ヘテロアリール基としては、酸素原子、硫黄原子または窒素原子から選択された1、2、3または4つのヘテロ原子を含有する、例えば5員環または6員環のヘテロアリール基が挙げられる。二環式ヘテロアリール基としては、酸素原子、硫黄原子または窒素原子から選択された1または2つ以上のヘテロ原子を含有する、例えば9員環または10員環のヘテロアリール基が挙げられる。
Ar、Ar'またはR'で表されるヘテロアリール基の例としては、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、N-メチルイミダゾリル、N-エチルイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、ピリジル、ピリミジミル、ピリダジニル、ピラジニル、1,3,5-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、ナフチリジニル、ピリド[3,4-b]ピリジル、ピリド[3,2-b]ピリジル、ピリド[4,3-b]ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、テトラゾリル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリニルおよび5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリニルが挙げられる。二環式ヘテロアリール基の例としては、キノリニルまたはイソキノリニル基が挙げられる。
Ar、Ar'またはR'で表されるヘテロアリール基は、環炭素または適当であるならば環ヘテロ原子を介して、式(1)の分子の残りと結合していてもよい。したがって、例えば基ArまたはAr'がピリジル基である場合、それは、2-ピリジル、3-ピリジルまたは4-ピリジル基であってもよい。基ArまたはAr'がチエニル基である場合、それは、2-チエニルまたは3-チエニル基であってもよく、同様に、基ArまたはAr'がフリル基である場合、それは、2-フリルまたは3-フリル基であってもよい。他の例においては、基Arがキノリニル基である場合、それは、2-、3-、4-、5-、6-、7-または8-キノリニルであってもよく、イソキノリニル基である場合、それは、1-、3-、4-、5-、6-、7-または8-イソキノリニル基であってもよい。
式(1)の化合物において、Ar、Ar'またはR'基が窒素含有ヘテロ環である場合、それは、第4級塩、例えばN-アルキル第4級塩を形成することができ、本発明は、このような塩まで拡張するものと理解されるべきである。したがって、例えば基Arがピリジル基である場合、ピリジニウム塩、例えばN-アルキルピリジニウム塩、例えばN-メチルピリジニウムなどを形成することができる。
式(1)の化合物において、Ar、Ar'またはR'で表されるアリールまたはヘテロアリール基は、それぞれ1、2または3つ以上の置換基[R14]により任意に置換されていてもよい。この置換基[R14]は、原子または基R15または-Alk1(R15mから選択することができ、ここでR15は、ハロゲン原子、アミノ(-NH2)、置換アミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル(-OH)、置換ヒドロキシル、シクロアルコキシ、環脂肪族、ホルミル[HC(O)-]、カルボキシル(-CO2H)、エステル化カルボシキル、チオール(-SH)、置換チオール、-C(O)R"[ここで、R"は、基Alk1(Alk1は、1つ、2つまたは3つの-O-原子、-S-原子または-S(O)z-基(zは1または2の整数である)または-N(Rb)-基により任意に中断された直鎖状または分岐状C1-6アルキレン、C2-6アルケニレンまたはアルキニレン鎖である)であるか、あるいは基Ar"(Ar"はArに関して定義した通りである)である]、-SO3H、-SO2R"、-SO2NH2、-SO2NHRNA"、-SO2N[R"]2、-CONH2、-CONHR"、-CON[R"]2、-NHSO2H、-N(R")SO2H、-NHSO2R"、-NR"SO2R"、-N[SO2R"]2、-NHSO2NH2、-NR"SO2NH2、-NHSO2NHR"、-NR"SO2NHR"、-NHSO2N[R"]2、-N(R")SO2N[R"]2、-NHC(O)R"、-NR"C(O)R"、-N[C(O)R"]2、-NHC(O)H、-N(R")C(O)H、-NHC(O)OR"、-NR"C(O)OR"、-NHC(O)OH、-NR"C(O)OH、-NHCONH2、-NHCONHR"、-NHCON[R"]2、-NR"CON[R"]2、-C(S)R"、-C(S)NH2、-C(S)NHR"、-C(S)N[R"]2、-NHC(S)R"、-NR"C(S)R"、-N[[C(S)R"]2、-NHC(S)H、-NR"C(S)H、-NHC(S)NH2、-NHC(S)NHR"、-NHC(S)N[R"]2、-NR"C(S)N[R"]2、Ar"あるいは-XAr"基であり;mはゼロ、あるいは1、2または3の整数である。
基-Alk1(R15mにおいて、mが1、2または3の整数である場合、1つまたは複数の置換基R15は、-Alk1中のどの好適な炭素原子上に存在してもよいと理解されるべきである。2つ以上のR15置換基が存在する場合、これらは、同一でも異なってもよく、Alk1中の同一または異なる炭素上に存在してもよい。mがゼロであり、置換基R15が存在しない場合、またはAlk1が-SO2Alk1のような基の一部を形成する場合、Alk1で表されるアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン鎖は、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基になることは明らかである。
R15が置換アミノ基である場合、それは、基-NH[Alk1(R15am](ここで、Alk1およびmは上記で定義した通りであり、R15aは上記でR15に関して定義した通りであるが、置換アミノ、置換ヒドロキシルまたは置換チオールではない)、または基-N[Alk1(R15am2(ここで、各-Alk1(R15amは同一または異なる)であってもよい。
R15が、ハロゲン原子である場合、それは、例えばフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子であってもよい。
R15が、シクロアルコキシ基である場合、それは、例えばC5-7シクロアルコキシ基、例えばシクロペンチルオキシまたはシクロヘキシルオキシ基などであってもよい。
R15が、置換ヒドロキシルまたは置換チオール基である場合、それは、それぞれ基-OAlk1(R15amまたは-SAlk1(R15amであってもよく、ここで、Alk1、R15aおよびmは先に定義した通りである。
基R15で表されるエステル化カルボキシル基としては、式-CO2Alk2の基が挙げられ、ここでAlk2は、直鎖状または分岐状の、任意に置換されたC1-8アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチルまたはt-ブチル基など;C6-12アリールC1-8アルキル基、例えば任意に置換されたベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、1-ナフチルメチルまたは2-ナフチルメチル基など;C6-12アリール基、例えば任意に置換されたフェニル、1-ナフチルまたは2-ナフチル基など;C6-12アリールオキシC1-8アルキル基、例えば任意に置換されたフェニルオキシメチル、フェニルオキシエチル、1-ナフチルオキシメチルまたは2-ナフチルオキシメチル基など;任意に置換されたC1-8アルカノイルオキシC1-8アルキル基、例えばピバロイルオキシメチル、プロピオニルオキシエチルまたはプロピオニルオキシプロピル基など;あるいはC6-12アロイルオキシC1-8アルキル基、例えば任意に置換されたベンゾイルオキシエチルまたはベンゾイルオキシプロピル基などである。Alk2基上に存在する任意の置換基としては、上記のR14置換基が挙げられる。
式(1)および(2)の化合物中の基R15が任意に置換されたC3-9脂環族基であるとき、それは、酸素、硫黄または窒素原子から選択された1つ、2つ、3つまたはそれ以上のヘテロ原子を含有する、C3-9シクロアルキルまたはC3-9シクロアルケニル基、例えばC5-7シクロアルキルまたはC5-7シクロアルケニル基などであってもよい。このようなR15の特別な例としては、ピロリル基、例えば2H-ピロリルなど、ピロリニル基、例えば2-または3-ピロリニルなど、ピロリジニル基、1,3-ジオキソラニル基、イミダゾリニル基、例えば2-イミダゾリニルなど、イミダゾリジニル基、ピラゾリニル基、例えば2-ピラゾリニルなど、ピラゾリジニル基、ピラニル基、例えば2-または4-ピラニルなど、ピペリジニル基、1,4-ジオキサニル基、モルフォリニル基、1,4-ジチアニル基、チオモルフォリニル基、ピペラジニル基、1,3,5-トリチアニル基、3H-ピロリル基、2H-イミダゾリル基、ジチオリル基、例えば1,2-または1,3-ジチオリルなど、オキサチオリル基、例えば3H-1,2または1,3-オキサチオリルなど、5H-1,2,5-オキサチオゾリル基、1,3-ジオキシニル基、オキサジニル基、例えば2H-1,3-、6H-1,3-、6H-1,2-、1,4-2H-1,2-または4H-1,4-オキサジニルなど、1,2,5-オキサチアジニル基、イソキサジニル基、例えばo-またはp-イソキサジニルなど、オキサチアジニル基、例えば1,2,5-、1,2,6-オキサチアジニルなど、1,3,5,2-オキサジアジニル基、あるいは1,2,4-ジアゼピニル基が挙げられる。これらのような基上に存在してもよい任意の置換基としては、Ar'がヘテロ環脂肪族基である場合のAr'に関して上記で述べたものが挙げられる。
基Ar、Ar'またはR'は、環炭素原子または環ヘテロ原子のいずれを介しても式(1)の化合物の残りと結合ができることがわかる。
鎖Alk1が存在する場合、この特別な例としては、メチレン、エチレン、n-プロピレン、i-プロピレン、n-ブチレン、i-ブチレン、s-ブチレン、t-ブチレン、エテニレン、2-プロペニレン、2-ブテニレン、3-ブテニレン、エチニレン、2-プロピニレン、2-ブチニレンまたは3-ブチニレン鎖が挙げられ、これらは1、2または3つの-O-原子、-S-原子、-S(O)-、-S(O)2-基または-N(Rb)-基により任意に中断されている。
R14により表される特に有用な原子または基としては、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子、あるいはC1-6アルキル基、例えばメチルまたはエチルなど、C1-6アルキルアミノ基、例えばメチルアミノまたはエチルアミノなど、C1-6ヒドロキシアルキル基、例えばヒドロキシメチルまたはヒドロキシエチルなど、C1-6アルキルチオール基、例えばメチルチオールまたはエチルチオールなど、C1-6アルコキシ基、例えばメトキシまたはエトキシなど、C5-7シクロアルキル基、例えばシクロペンチルなど、C5-7シクロアルコキシ基、例えばシクロペンチルオキシなど、ハロC1-6アルキル基、例えばトリフルオロメチルなど、C1-6アルキルアミノ基、例えばメチルアミノまたはエチルアミノなど、アミノ基(-NH2)、アミノC1-6アルキル基、例えばアミノメチルまたはアミノエチルなど、C1-6ジアルキルアミノ基、例えばジメチルアミノまたはジエチルアミノなど、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基(-OH)、ホルミル基[HC(O)-]、カルボキシル基(-CO2H)、-CO2Alk2基(Alk2は上記で定義した通りである)、C1-6アルカノイル基、例えばアセチルなど、チオール基(-SH)、チオC1-6アルキル基、例えばチオメチルまたはチオエチルなど、スルホニル基(-SO3H)、C1-6アルキルスルホニル基、例えばメチルスルホニルなど、アミノスルホニル基(-SO2NH2)、C1-6アルキルアミノスルホニル基、例えばメチルアミノスルホニルまたはエチルアミノスルホニルなど、C1-6ジアルキルアミノスルホニル基、例えばジメチルアミノスルホニルまたはジエチルアミノスルホニルなど、フェニルアミノスルホニル基、カルボキシアミド基(-CONH2)、C1-6アルキルアミノカルボニル基、例えばメチルアミノカルボニルまたはエチルアミノカルボニルなど、C1-6ジアルキルアミノカルボニル基、例えばジメチルアミノカルボニルまたはジエチルアミノカルボニルなど、フェニルアミノカルボニル基、スルホニルアミノ基(-NHSO2H)、C1-6アルキルスルホニルアミノ基、例えばメチルスルホニルアミノまたはエチルスルホニルアミノなど、C1-6ジアルキルスルホニルアミノ基、例えばジメチルスルホニルアミノまたはジエチルスルホニルアミノなど、アミノスルホニルアミノ基(-NHSO2NH2)、C1-6アルキルアミノスルホニルアミノ基、例えばメチルアミノスルホニルアミノまたはエチルアミノスルホニルアミノなど、C1-6ジアルキルアミノスルホニルアミノ基、例えばジメチルアミノスルホニルアミノまたはジエチルアミノスルホニルアミノなど、フェニルアミノスルホニルアミノ基、C1-6アルカノイルアミノ基、例えばアセチルアミノなど、C1-6アルカノイルアミノC1-6アルキル基、例えばアセチルアミノメチルなど、あるいはC1-6アルコキシカルボニルアミノ基、例えばメトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノまたはt-ブトキシカルボニルアミノなど、チオカルボキシアミド基(-CSNH2)、C1-6アルキルアミノチオカルボニル基、例えばメチルアミノチオカルボニルまたはエチルアミノチオカルボニルなど、C1-6ジアルキルアミノチオカルボニル基、例えばジメチルアミノチオカルボニルまたはジエチルアミノチオカルボニルなど、アミノカルボニルアミノ基、C1-6アルキルアミノカルボニルアミノ基、例えばメチルアミノカルボニルアミノまたはエチルアミノカルボニルアミノなど、C1-6ジアルキルアミノカルボニルアミノ基、例えばジメチルアミノカルボニルアミノまたはジエチルアミノカルボニルアミノなど、アミノチオカルボニルアミノ基、C1-6アルキルアミノチオカルボニルアミノ基、例えばメチルアミノチオカルボニルアミノまたはエチルアミノチオカルボニルアミノなど、C1-6ジアルキルアミノチオカルボニルアミノ基、例えばジメチルアミノチオカルボニルアミノまたはジエチルアミノチオカルボニルアミノなど、アミノカルボニルC1-6アルキルアミノ基、例えばアミノカルボニルメチルアミノまたはアミノカルボニルエチルアミノなど、アミノチオカルボニルC1-6アルキルアミノ基、例えばアミノチオカルボニルメチルアミノまたはアミノチオカルボニルエチルアミノなど、ホルミルアミノC1-6アルキルスルホニルアミノ基、例えばホルミルアミノメチルスルホニルアミノまたはホルミルアミノエチルスルホニルアミノなど、チオホルミルアミノC1-6アルキルスルホニルアミノ基、例えばチオホルミルアミノメチルスルホニルアミノまたはチオホルミルエチルスルホニルアミノなど、C1-6アシルアミノスルホニルアミノ基、例えばアセチルアミノスルホニルアミノなど、C1-6チオ-アシルアミノスルホニルアミノ基、例えばチオアセチルアミノスルホニルアミノ、-Ar"基、例えばフェニルなど、-XAr"基、例えばフェニルオキシなど、あるいは-Alk1Ar"基、例えばベンジルまたはフェネチルなどが挙げられる。
望ましい場合には、二つのR14置換基は、一緒になって連結し、環状基、例えば環状エーテル、例えばC2-6アルキレンジオキシ基、例えばエチレンジオキシなどを形成してもよい。
2つ以上のR14置換基が存在する場合、これらは必ずしも同一の原子および/または基である必要がないと判断される。R14置換基は、式(1)の分子の残りに結合した環炭素から離れた環炭素のどれに存在してもよい。したがって、例えばArで表されるフェニル基において、どの置換基も、分子の残りに結合した環炭素に対して2-、3-、4-、5-または6-位に存在してもよい。
式(1)の化合物中の鎖Z1の特別な例としては、-NHCO-、-CONH-、-NHCS-、-CSNH-、-NHSO2-、-SO2NH-および-C=C-が挙げられる。
式(1)の化合物において、エステル基、例えば基-CO2R8または-CO2Alk2が存在する場合、これは、有利には代謝的に不安定なエステルであってもよい。
式(1)の化合物中における特定の置換基の存在により、これらの化合物の塩を形成することができる。好適な塩としては、製薬上許容される塩、例えば無機酸または有機酸から誘導される酸付加塩、および無機塩基および有機塩基から誘導される塩が挙げられる。
酸付加塩としては、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロアイオダイド、アルキルスルホネート、例えばメタンスルホネート、エタンスルホネートまたはイセチオネートなど、アリールスルホネート、例えばp-トルエンスルホネート、ベシレートまたはナプシレートなど、リン酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸、枸櫞酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マロン酸塩、こはく酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩および安息香酸塩が挙げられる。
無機塩基または有機塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩など、アルカリ土類金属塩、例えばマグネシウムまたはカルシウム塩など、および有機アミン塩、例えばモルフォリン、ピペリジン、ジメチルアミンまたはジエチルアミン塩などが挙げられる。
式(1)の化合物のプロ薬物としては、インビボで代謝手段により、例えば加水分解、還元、酸化またはエステル交換により、式(1)の化合物へ変換可能な化合物、例えばエステル、アルコールまたはアミンが挙げられる。
本発明に係る化合物の特に有用な塩としては、製薬上許容される塩、特に製薬上許容される酸付加塩が挙げられる。
式(1)の化合物において、基=W-は、好ましくは=C(Y)-基である。このタイプの化合物において、Yは、好ましくは-XRa基であり、ここで、Xは-O-であり、Raは任意に置換されたエチル基、またはとりわけ任意に置換されたメチル基である。Ra基上に存在してもよい特に有用な置換基としては、1、2または3つのフッ素または塩素原子が挙げられる。
式(1)の化合物の基Lは、好ましくは-CH=C(R1)(R2)基である。このタイプの化合物において、R1およびR2は、好ましくは、それらが結合するC原子と一緒になって連結し、任意に置換されたシクロアルキルまたはシクロアルケニル基、特に置換シクロペンチルまたはシクロヘキシル、あるいは、とりわけシクロペンチルまたはシクロヘキシル基を形成する。
式(1)の化合物において、Zが基(A)である場合、化合物の一つの好ましい群は、基R3が水素原子であり;基R6がメチル基または特に水素原子であり;基R7がメチル基または特に水素原子であり;かつ、R4およびR5が式(1)に関して定義した通りであるものである。このタイプの化合物において、ある好ましい態様ではR6およびR7はそれぞれメチル基であり;もう一つの好ましい態様ではR6またはR7の一方がメチル基で、他方が水素原子であるが、一般的にR6およびR7はそれぞれ特に水素原子である。
基R4およびR5が式(1)に存在する場合、それらは、それぞれ独立に、好ましくは-CH2Ar基、あるいは特に-Ar基である。このタイプの特に有用なR4およびR5基としては、Arが酸素原子、硫黄原子、または特に窒素原子から選択された1以上のヘテロ原子を任意に含有し、かつ、1、2または3つ以上のR14置換基により任意に置換された単環式アリール基であるものが挙げられる。これら化合物において、Arで表される基がヘテロアリール基である場合、それは好ましくは窒素含有単環式ヘテロアリール基、特に6員環の窒素含有ヘテロアリール基である。したがって、一つの好ましい例において、基R4およびR5は、それぞれ6員環の窒素含有ヘテロアリール基であってもよい。もう一つの好ましい例において、R4は、1以上の酸素、硫黄または窒素原子を含有する単環式アリール基あるいは単環式または二環式ヘテロアリール基であってもよく、R5は、6員環の窒素含有ヘテロアリール基であってもよい。これらの例において、6員環の窒素含有ヘテロアリール基は、任意に置換されたピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルまたはイミダゾリル基であってもよい。特別な例としては、任意に置換された2-ピリジル、3-ピリジル、5-イミダゾリル、あるいは特に4-ピリジル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、5-ピリダジニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、2-ピラジニルまたは3-ピラジニルが挙げられる。単環式アリール基は、フェニル基または置換フェニル基であってもよく、1以上の酸素、硫黄または窒素原子を含有する単環式または二環式ヘテロアリール基は、任意に置換された2-フリル、3-フリル、2−チエニル、3-チエニル、2-チアゾリル、2-ベンゾ(b)チオフェニル、2-ベンゾ(b)フリルまたは4-イソキノリニル基であってもよい。
Zが基(A)または(B)である場合、式(1)の化合物の特に有用な群は、R4およびR5が、それぞれピリジル基または特にモノ置換ピリジル基、または好ましくはジ置換ピリジル基であるか、あるいはR4がフェニル、チエニルまたはフリル基、あるいは置換フェニル、置換チエニルまたは置換フリル基であり、R5がピリジル基または特にモノ置換ピリジル基、または好ましくはジ置換ピリジル基である基である化合物である。
この特別な群の化合物において、また一般的に式(1)の化合物においても、R4および/またはR5が置換フェニル基である場合、それは例えば置換基が上記定義の原子または基R14であるモノ-、ジ-またはトリ置換フェニル基であってもよい。R4および/またはR5基がモノ置換フェニル基である場合、置換基は分子の残りに結合した環炭素に対して2-位、または好ましくは3-位、特に4-位に存在してもよい。R4および/またはR5基がジ置換フェニル基である場合、置換基は分子の残りに結合した環炭素に対して2,6-位に存在してもよい。
式(1)の化合物において、R4および/またはR5が置換ピリジル基である場合、それは、例えばモノ-またはジ置換ピリジル基、例えば1つまたは2つの上記定義の原子または基R14、特に1つまたは2つのハロゲン原子、例えばフッ素または塩素原子、あるいはメチル、メトキシ、ヒドロキシルまたはニトロ基により置換されたモノ-またはジ置換2-ピリジル、3-ピリジルまたは特に4-ピリジン基であってもよい。これらのタイプの特に有用なピリジル基は、3-モノ置換-4-ピリジルまたは3,5-ジ置換-4-ピリジル、あるいは2-または4-モノ置換-3-ピリジルまたは2,4-ジ置換-3-ピリジル基である。
Zが基(B)である式(1)の化合物の他の特に有用な群としては、R4が-CH3基または水素原子であり;R5が水素原子、-CN基または-CH3基であり;R6が、Zが基(A)である式(1)の化合物中のR4およびR5に関して記載した基である化合物が挙げられる。
Zが基(C)である式(1)の化合物のもう一つの特に有用な群は、式中のArがフェニル、ナフチル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリニルまたは5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリニル基であるものである。このタイプの化合物において、Arがキノリニル基である場合には、それは、例えばモノ-またはジ置換キノリニル基、例えば2-モノ置換-4-キノリニル基であってもよく;それがピリジル基である場合には、それは任意に置換された3-または4-ピリジル基、例えば2,3,5,6-テトラ置換-4-ピリジルまたは2,4,6-トリ置換-3-ピリジルであってもよく;それがピリミジニル基である場合には、それは、例えば5-ピリミジニル基または2-置換の5-ピリミジニル基であってもよく;それがイソキノリニル基である場合には、それは4-イソキノリニル基であってもよい。
式(1)の化合物の他のとりわけ有用な群としては、Zが基(D)であり、ここで、(1)-Z1-が-C(O)NR12基であり、R12が水素原子である化合物が挙げられる。このタイプの化合物において、tは好ましくはゼロであり、かつ、Arは2-ニトロフェニルまたは4-(3,5-ジクロロ)ピリジル基であるか、あるいは(2)-Z1-が-NR12C(O)-基であり、R12が水素原子である場合、tはゼロであり、かつ、Arは4-ピリジルまたは4-(3,5-ジクロロ)ピリジル、ベンジルまたは2-メチルベンゾエート基であるか、あるいはtは1の値を有する整数であり、かつ、Arは2-または3-ニトロフェニル、フェニル、または2-メチルフェニル基である。
式(1)の化合物の特に有用な群は、式(2):
Figure 0003898757
で表される化合物、その塩、溶媒和物、水和物、プロ薬物およびN-オキシドである。この式中、-Lは、(1)-CH=C(R1)(R2)基または-CH2CH(R1)(R2)であり、ここで、R1およびR2は、それらが結合する炭素原子と一緒に連結し、シクロアルキル基を形成するか;あるいは(2)Lは、基-OAlkAr'であり、ここで、AlkはC1-6アルキレン鎖であり、かつ、Arは単環式アリールまたはヘテロアリール基である。これらのようなL基の特別な例としては、ベンジルオキシ、チエニルオキシまたはフェニルペンチルオキシ基が挙げられ;あるいは(3)Lは、基OR'であり、ここで、R'は任意に置換されたポリシクロアルキルまたはポリシクロアルケニル基であるか、またはAr'に関して上記で記載した通りである。このようなR'基の好ましい例としては、任意に置換されたビシクロ[2.2.1]ヘプチルまたはビシクロ[2.2.1]ヘプテニル基が挙げられる。とりわけ、R'はビシクロ[2.2.1]ヘプチル-2基であり;Zは式(1)に関して定義した通りである)
式(2)の化合物において、R3、R6またはR7が存在する場合、それはそれぞれ好ましくは水素原子である。
本発明に係る化合物の特に有用な群は、式(2)の構造を有し、式中、Lは、OR'基であり、かつ、Zは基(A)である。この特別な化合物群において、R3、R6またはR7は、それぞれ水素原子であり、R4およびR5は、式(1)の化合物、およびその塩、溶媒和物、水和物およびN-オキシドに関して定義した通りである。R'がビシクロ[2.2.1]ヘプチル、特にビシクロ[2.2.1]ヘプチル-2基であるこのタイプの化合物は、特に有用である。この化合物群において、R4は好ましくは単環式アリール基、特にフェニルまたは置換フェニル基であるか、あるいはR4は6員環の窒素含有単環式ヘテロアリール基、特にピリジルまたは置換ピリジル基であり、R5は6員環の窒素含有単環式ヘテロアリール基、特にピリジルまたは置換ピリジル基、とりわけ4-ピリジルまたは置換4-ピリジル基である。
Lが基-C(R)=C(R1)(R2)または-(XanAlK'Ar'であり、かつ、Zが基(B)である式(1)または(2)の化合物の他の特に有用な群としては、R4が-CH3基または水素原子であり;R5が水素原子、-CNまたは-CH3基であり;R6は、Zが基(A)である式(1)または(2)の化合物においてR4およびR5に関して記載した通りである化合物である。
本発明に係る特別な化合物は:
(2R)-4-{2-[3-((2RS)-エキソ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イルオキシ)-4-メトキシフェニル]-2-フェニルエチル}ピリジン;
(±)-4-[2-(3-ベンジルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-フェニルエチル]ピリジン;
(±)-4-{2-[4-メトキシ-3-(3-チエニルオキシ)フェニル]-2-フェニルエチル}ピリジン;
(±)-4-[2-(3-シクロペンチリデニル-4-メトキシフェニル)-2-フェニルエチル]ピリジン;
(±)-4-[2-(3-シクロヘキシリデニル-4-メトキシフェニル)-2-フェニルエチル]ピリジン;
(E,Z)-3-(3-シクロペンチリデニル-4-メトキシフェニル)-2-(2,6-ジクロロフェニル)プロペンニトリル;
(E,Z)-3-(3-シクロペンチリデニル-4-メトキシフェニル)-2-(2,6-ジフルオロフェニル)プロペンニトリル;
(E,Z)-4-[2-(3-シクロペンチリデニル-4-メトキシフェニル)エテニル]-3,5-ジクロロピリジン;
3-(3-シクロペンチリデニル-4-メトキシフェニル)ピリジン;
5-(3-シクロペンチリデニル-4-メトキシフェニル)ピリミジン;
4-(3-シクロペンチリデニル-4-メトキシフェニル)ニトロベンゼン;
3-(3-シクロペンチルメチル-4-メトキシフェニル)ピリジン;
N-(3-シクロペンチリデニル-4-メトキシフェニル)-3,5-ジクロロ-4-ピリデンカルボキシアミド;
4-[2-(3-シクロペンチリデニル-4-メトキシフェニル)エチル]ピリジン;
N-{4-[2-(3-シクロペンチリデニル-4-メトキシフェニル)エチル]-3-ピリジル}フェニルスルホンアミド;
3-シクロペンチリデニル-4-メトキシ-N-(2-ニトロベンゾイル)アニリン;
N-(3-シクロペンチリデニル-4-メトキシフェニル)-4-ピリジンカルボキシアミド;
N-フェニル-3-シクロペンチリデニル-4-メトキシベンズアミド;
N-(2-ニトロフェニル)-3-シクロペンチリデニル-4-メトキシベンズアミド;
N-(3,5-ジクロロピリド-4-イル)-3-シクロペンチリデニル-4-メトキシベンズアミド;
およびその塩、溶媒和物、水和物、プロ薬物およびN-オキシドである。
本発明に係る化合物は、PDE IVの選択的、かつ効力あるインヒビターである。このように作用する化合物の能力は、以下の実施例に記載した試験により簡便に決定することができる。
本発明に係る化合物が向けられる特別な用途としては、喘息、特に喘息と関連した炎症肺、嚢胞性線維症の予防および治療、または炎症性気道疾患、慢性気管支炎、好酸球性肉芽腫、乾癬および他の良性および悪性増殖性の皮膚疾患、エンドトキシンショック、肺血症性ショック、潰瘍性大腸炎、クローン病、心筋および脳の再潅流損傷、炎症性関節炎、慢性糸球体腎炎、アトピー性皮膚炎、じんま疹、成人呼吸障害症候群、尿崩症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、春季カタル、動脈再発狭窄症および関節硬化症の治療が挙げられる。
また、本発明の化合物は、感覚ニューロン中のcAMPを増加させることにより、神経性炎症を抑えることもできる。したがって、本化合物は、刺激および痛みを伴う炎症性疾患において鎮痛性、鎮咳性および抗痛覚過敏性を有する。
また、本発明の化合物は、リンパ球中のcAMPを増加させ、これにより免疫に基づく疾患、例えば慢性関節リウマチ、膠着性脊椎炎、移植組織片拒絶反応および移植片対受容者疾患において、望ましくないリンパ球活性化を抑えることもできる。
また、本発明の化合物は、胃酸の分泌を低減することもでき、したがって、分泌過多と関連した状態を治療するために用いることができる。
本発明の化合物は、免疫性または感染性刺激に応答した炎症細胞によるサイトカイン合成を抑えることができる。したがって、本化合物は、サイトカイン、例えば腫瘍壊死因子(TNF)などが重要な媒介物質である細菌、真菌またはウィルスで誘発された敗血症および敗血症性ショックの治療において有用である。また、本発明の化合物は、サイトカインに起因する炎症および発熱を抑えることができ、したがって、例えば慢性関節リウマチまたは変形性関節炎などの疾患で生じる炎症およびサイトカイン媒介慢性組織変性の治療において有用である。
細菌、真菌またはウィルス感染、あるいはガンなどの疾患におけるサイトカイン、例えばTNFなどの生産過多は、悪液質および筋衰弱に導く。本発明の化合物は、これらの症状を改善することができ、結果としてライフオブクオリティーを増進させる。
また、本発明の化合物は、脳のある領域でcAMPを増加させることもでき、これにより、鬱病および記憶損傷を阻止(中和)することができる。
本発明の化合物は、ある腫瘍細胞中での細胞増殖を抑えることができ、したがって、正常組織の腫瘍成長および侵入を予防するために使用することができる。
疾患の予防および治療のために、本発明に係る化合物は、製薬組成物として投与することができ、本発明の更なる観点によれば、我々は、式(1)の化合物を1以上の製薬上許容されるキャリア、賦形剤または希釈剤と一緒に含有する製薬組成物を提供する。
本発明に係る製薬組成物は、経口、頬内、腸管外、鼻腔内、局所または直腸投与に好適な形態、あるいは吸入法または通気法による投与に好適な形態をとることができる。
経口投与のために、製薬組成物は、製薬上許容される賦形剤、例えば結合剤(例えば、前ゼラチン化コーンスターチ、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースなど);充填剤(例えば、ラクトース、微晶質セルロースまたはリン酸水素カルシウムなど);滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクまたはシリカなど);崩壊剤(例えば、ポテトスターチまたはグリコール酸ナトリウムなど);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなど)を用いて従来の方法により調製された、例えば錠剤、トローチ剤またはカプセル剤の形態をとってもよい。錠剤は、この分野で公知の方法により被膜することができる。経口投与のための液状製剤は、例えば溶液、シロップまたは懸濁液の形態をとってもよく、あるいはそれらは使用前に水または他の好適なビヒクルで再構成するための乾燥生成物として提供してもよい。このような液状製剤は、製薬上許容される添加物、例えば懸濁剤、乳化剤、非水性ビヒクルおよび保存剤を用いて従来の方法により調製することができる。これらの製剤は、適切なように、緩衝塩、矯味矯臭剤、着色剤および甘味剤を含有してもよい。
経口投与のための製剤は、活性化合物の制御された放出を与えるのに好適に処方することができる。
頬内投与のために、組成物は、従来の方法で処方された錠剤またはトローチ剤の形態をとることができる。
式(1)および(2)の化合物は、注射、例えば濃縮塊注射、または注入による腸管外投与のために処方してもよい。注射のための調製物は、例えばガラスアンプルなどの単位用量形態、または例えばガラスバイアルなどの多数用量容器で提供することができる。注射のための組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液または乳化液などのような形態をとってもよいし、処方用物質、例えば懸濁剤、安定剤、保存剤および/または分散剤を含有してもよい。あるいは、活性成分は、使用する前に、好適なビヒクル、例えば発熱物質を含まない滅菌水を用いて構成するための粉末状形態であってもよい。
上述した調製物に加えて、式(1)および(2)の化合物は、デポー剤としても処方できる。このような長期間作用する調製剤は、移植または筋肉内注射により投与することができる。
鼻腔投与または吸入法による投与のために、本発明に係る用途のための化合物は、好適な推進剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の好適なガスあるいはガス混合物を使用して、加圧パックまたは噴霧器のためのエアゾールスプレーの形態で送出することが好都合である。
組成物は、望まれるなら、活性成分を含む1以上の単位用量形態を含有できるパックまたはディスペンサー装置で供給してもよい。このパックまたはディスペンサー装置には、投与に関する指示を添付することができる。
特定の炎症状態の予防または治療に必要とされる本発明の化合物の量は、選択された化合物、および治療すべき患者の状態に依存して変化する。しかし、一般的に、一日の投与量は、経口または頬内投与については約100ng/kg体重〜100mg/kg体重、例えば約0.01mg/kg体重〜40mg/kg体重、腸管外投与については約10ng/kg体重〜50mg/kg体重、および鼻腔投与あるいは吸入法または通気法による投与については約0.05mg〜約1000mg、例えば約0.5mg〜約1000mgの範囲であってもよい。
本発明に係る化合物は、以下の方法により製造することができる。記号W、L、Z、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、以下の式中で用いられる場合、別に指摘しない限り、式(1)に関して上記したそれらの基を表すと理解されるべきである。以下に記載する反応において、反応性官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、チオ、カルボキシまたはアルデヒド基などは、これらが最終生成物中で望まれる場合は、これらが望ましくない反応に関与するのを回避するために保護が必要なことがある。従来の保護基を、標準的な慣行に従って用いることができる(例えば、Green, T.W.の“Protective Groups in Organic Synthesis”John Wiley and Sons,(1981)参照)。
したがって、本発明の更なる観点によれば、Lが、XaAlk'Ar'、Alk'XaAr'またはXaR'である一般式(1)の化合物は、式(3)
Figure 0003898757
a)(式中、L2は基-XaHである)の中間体を、試薬L3Alk'Ar'またはL3R'(ここで、L3は脱離基である)と;あるいは
b)(式中、L2は基-Alk'L3である)の中間体を、試薬Ar'XaHとカップリングさせることにより製造できる。
L3で表される脱離基としては、ハロゲン原子、例えばヨウ素、塩素または臭素原子など、スルホニルオキシ基、例えばアリールスルホニルオキシ基、例えばp-トルエンスルホニルオキシなど、あるいはヒドロキシル基が挙げられる。
このカップリング反応は、塩基の存在下、例えば無機塩基、例えば炭酸塩、例えば炭酸セシウムまたは炭酸カリウムなど、アルコキシド、例えばカリウム三級ブトキシドなど、あるいは水素化物、例えば水素化ナトリウムなどの存在下で、双極性非プロトン性溶媒中、例えばアミド、例えば置換アミド、例えばジメチルホルムアミドなど、あるいはエーテル、例えばジエチルエーテルまたは環状エーテル、例えばテトラヒドロフランなど、あるいはハロゲン化溶媒、例えばジクロロメタンなどの中で行うことができる。反応混合物の温度は、周囲温度またはそれ以上、例えば40℃〜還流温度まで変化させることができる。必要ならば、活性剤、例えばジエチル-、ジイソプロピル-またはジメチルアゾジカルボキシレートなどを、ホスフィン、例えばトリフェニルホスフィンなど、および塩基、例えばアミン、例えばトリエチルアミンの存在下で用いてもよい。
L2が基-Alk'L3であり、L3がハロゲン原子である式(3)の中間体は、Alk'L3が-Alk'OH基である式(3)の中間体を、ハロゲン化剤と、例えば無機酸ハロゲン化物、例えばチエニルクロリドなど、あるいは無水物、例えば無水アリールスルホン酸、例えば無水p-トルエンスルホン酸などと、従来の手順を用いて反応させることにより製造できる。
L2が基-Xaである式(3)の中間体は、式(4)
Figure 0003898757
(式中、Pは、ヒドロキシ、チオまたはアミノ保護基である)の保護化合物を脱保護することにより製造することができる。ヒドロキシ保護基の例としては、例えばエーテル基、例えばシクロペンチルオキシ基などが挙げられる。脱保護反応は、水性溶媒中、例えば水性エーテル、例えばジオキサン−水などの中で、酸の存在下、例えばスルホン酸の存在下で、高められた温度、例えば約90℃で行うことができる。保護基Pのもう一つの例としては、t-ブチルジメチルシリロキシ基が挙げられ、これはテトラブチルアンモニウムフルオリドを用いた処理により切断され、遊離ヒドロキシ基を再生成することができる。
Zが基(A)であり、基(A)中R3がヒドロキシル基であり、かつ、R7が水素原子である式(3)の中間体は、式(5)
Figure 0003898757
のケトンを、有機金属試薬R5R6CHM(ここで、Mは金属原子である)と反応させることにより製造することができる。
Zにより表される金属原子としては、例えばリチウム原子が挙げられる。
この反応は、溶媒、例えばエーテル、例えば環状エーテル、例えばテトラヒドロフランなど中で、低温、例えば約-70℃〜周囲温度で行うことができる。この反応は、R5が電子不足基、例えば2-または4-ピリジル基である式(3)の化合物の製造に特に好適である。
試薬R5R6CHMは、公知化合物であるか、または好ましくは、化合物AlkCH2M(式中、Alkはアルキル基、例えばn-プロピルなどである)を、化合物R5R6CH2と、必要ならば、塩基の存在下、例えばアミン、例えばジイソプロピルアミンなどの存在下で、上記で述べた条件を用いて反応させることにより、上述の工程中でその場で製造できる。
L2が基-XaHであり、-Xaが-NH-であり、かつ、R4が水素原子である式(5)の中間体は、式(6)
Figure 0003898757
の公知化合物から、還元剤、例えば水素化リチウムアルミニウムなどを用いて還元して、アルコール誘導体を生成することにより製造できる。続いて、これを、例えば二酸化マンガンを用いて酸化して、式(5)のアルデヒドを得ることができる。
Zが基(A)であり、基(A)中のR3がヒドロキシル基である式(3)の中間体は、式(5)のケトンを、試薬R5CHR6R7と、塩基の存在下、例えば有機金属塩基、例えば有機リチウム試薬、例えばn-ブチルリチウムなどの存在下で、溶媒中、例えばエーテル、例えばテトラヒドロフランなどの中で、約70℃〜室温にて反応させることにより製造できる。
式(5)のケトンは、式(7)
Figure 0003898757
のアルコールを、酸化剤、例えば酸化マンガン(IV)などを用いて、溶媒中、例えばジクロロメタンなどの中で、室温にて酸化することにより製造することができる。
あるいは、式(5)のケトンは、式(8)
Figure 0003898757
(式中、Halはハロゲン原子、例えば臭素または塩素原子である)のハロゲン化物と、塩基、例えばn-ブチルリチウムとを、ハロゲン−金属交換により反応させた後、ニトリルR4CN、酸クロリドR4COClまたはエステルR4CO2A(ここで、Aはアルキル基、例えばメチル基などである)と、溶媒中、例えばテトラヒドロフランなどの中で、低温で、例えば-70℃で反応させ、引続き、酸、例えば塩化水素酸などを用いて、例えば、-20℃〜周囲温度にて処理することにより製造できる。
式(7)のアルコールは、
(1)式(8)のハロゲン化物、例えば臭化物などを、アルデヒドR4CHOと、塩基の存在下、例えばn-ブチルリチウムなどの存在下で、溶媒中、例えばテトラヒドロフランなどの中で、約-70℃〜室温の温度で反応させることにより;あるいは
(2)Waが-CHO基である式(9)のアルデヒド(下記のとおり)を、有機金属化合物、例えば有機リチウムR4LiまたはグリニャールR4MgBrなどと、溶媒中、例えばテトラヒドロフランなどの中で、低温で、例えば約-55℃〜0℃で反応させることにより、
製造できる。
Zが基(B)である式(3)の中間体は、式(9)
Figure 0003898757
(a)(式中、Waは-C(O)R4基であり、R4は式(1)に関して定義した通りであるが-CNまたは-CH2CN基ではない)の中間体を、化合物R5CH2R6と;あるいは
(b)(式中、Waは-CH2R4基である)の中間体を、アルデヒドまたはケトンR5COR6(ここで、R5はR4に関して定義した通りである)と;あるいは
(c)(式中、Waは-C(O)R4基である)の中間体を、シラン誘導体
(Alka3SiCH(R5)(R6)(ここで、Alkaはアルキル基である)と;
それぞれの場合に塩基または酸の存在下で、好適な溶媒中で縮合させることにより製造できる。
これらの反応に使用するための塩基としては、無機塩基、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩基、例えば水酸化物、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなど;アルコキシド、例えばナトリウムエトキシド;有機塩基、例えばアミン、例えばピペリジンなど;および有機リチウム塩基、例えばアルキルリチウム、例えばn-ブチルリチウム塩基などが挙げられる。好適な溶媒としては、アルコール、例えばエタノールなど、またはエーテル、例えばテトラヒドロフランなどが挙げられる。上記反応に用いるための酸としては、有機酸、例えばカルボン酸、例えば酢酸などが挙げられる。
上記反応は、出発材料の性質に依存して、任意の好適な温度、例えば約-78℃から周囲温度まで、または還流温度までにて行うことができる。
一般的に、塩基、酸、溶媒および反応条件は、出発材料の性質に依存して、このタイプの反応に関する公知の選択範囲より選択することができる。
式(Alka3SiCH(R5)(R6)のシラン誘導体において、Alkaは、例えばC1-6アルキル基、例えばメチル基などであってもよい。このタイプの誘導体は、例えば化合物R5-CH2-R6を、シラン誘導体、例えばクロロトリアルキルシラン、例えばクロロトリメチルシランなどと、塩基、例えばリチウムジイソプロピルアミドなどの存在下にて、溶媒、例えばテトラヒドロフランなど中で、低温、例えば約-10℃で反応させることにより製造できる。
出発材料R5COR6およびR5CH2R6は、公知の化合物であるか、または公知の化合物の製造のために用いられるのと類似した方法により公知の出発材料から製造できる。
-Waが-C(O)R4基であり、R4がアルキルまたはアリール基、(CH2tAr基、である式(9)の中間体は、-Waが-CHO基である式(9)のアルデヒドを、有機金属試薬と、溶媒、例えばテトラヒドロフランなど中で、低温で、例えば約10℃で反応させた後、酸化剤、例えば二酸化マンガンなどを用いて、溶媒、例えばジクロロメタンなど中で酸化することにより製造できる。
-Waが-CHOである式(9)の中間体は、上記の式(8)の化合物を、有機金属試薬、例えばn-ブチルリチウムと、溶媒中、例えばアミド、例えばジメチルホルムアミドなどの中で、低温で、例えば-60℃未満で反応させることにより製造できる。
式(8)の中間体は、式(10)
Figure 0003898757
の化合物を、L2が基XaHである式(4)の中間体から式(3)の中間体を得るために上記で述べた試薬および条件を用いて脱保護することにより製造できる。
式(10)の中間体は、式(11)
Figure 0003898757
の化合物を保護することにより製造することができる。
保護基の例としては、従来の手順を用いるヒドロキシ、チオまたはアミノ保護基が挙げられる(Green, T.W.上記を参照)。したがって、例えばXaが酸素原子である場合、ヒドロキシル基は、試薬AlkbL3(式中、Alkbはアルキル基であり、かつ、L3は脱離基である)を用いて、エーテル基として保護することができる。Alkbにより表されるアルキル基としては、シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基などが挙げられ、かつ、脱離基L3としては、ハロゲン原子、例えばヨウ素、塩素または臭素原子、あるいはスルホニルオキシ基、例えばアリールスルホニルオキシ基、例えばp-トルエンスルホニルオキシ基などが挙げられる。
この反応は、塩基の存在下、例えば無機塩基、例えば炭酸塩、例えば炭酸セシウムまたは炭酸カリウムなど、アルコキシド、例えばカリウム三級ブトキシドなど、あるいは水素化物、例えば水素化ナトリウムなどの存在下で、双極性非プロトン性溶媒中、例えばアミド、例えば置換アミド、例えばジメチルホルムアミドなど、あるいはエーテル、例えば環状エーテル、例えばテトラヒドロフランなどの中で、周囲温度またはそれ以上、例えば約40℃〜50℃で行うことができる。
Xaが-O-である式(11)のハロゲン化物は、後述する式(17)のアルデヒド(Rは水素原子である)を、酸化剤、例えば3-クロロ過安息香酸などを用いて、ハロゲン化炭化水素中、例えばクロロホルムなどの中で、約0℃〜室温の温度で酸化することにより製造できる。
Xaが-S-または-N(Rb)-である式(11)のハロゲン化物は、公知化合物であるか、または公知化合物の製造に用いられる方法と類似する方法を用いて、公知の出発材料より製造できる。
Zが基(A)であり、基(A)中のR3がヒドロキシル基であり、かつ、R7が式(1)の化合物に関して記載した通りである式(1)の化合物は、式(11)の化合物を、試薬R5R6CHMまたはR5CHR6R7と、式(5)のケトンから式(3)の中間体を得るために上記で述べた条件を用いて反応させることにより製造できる。
本発明に係るもう一つの方法において、Zが基(B)であり、かつR4が水素原子、アルキル基または-(CH2tAr基である式(1)の化合物は、式(12)
Figure 0003898757
の化合物を、ホスホン酸エステル(RdO)(ORe)P(O)CH(R5)(R6)(ここで、RdおよびReは同一であっても異なってもよく、アルキルまたはアラルキル基である)と、塩基の存在下、好適な溶媒中で反応させることにより製造できる。
好適な塩基としては、有機金属塩基、例えば有機リチウム、例えばn-ブチルリチウムなど、アルコキシド、例えばアルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムエトキシドまたはナトリウムメトキシドなど、および水素化物、例えば水素化カリウムまたは水素化ナトリウムなどが挙げられる。溶媒としては、エーテル、例えばジエチルエーテルまたは環状エーテル、例えばテトラヒドロフランなど、およびアルコール、例えばメタノールまたはエタノールなどが挙げられる。
この反応で用いられるホスホン酸エステル誘導体は、公知の化合物であるか、またはホスファイトP(ORd2(ORe)を、化合物R5CHR6Hal(Halはハロゲン原子、例えば臭素原子である)と、従来の方法を用いて反応させることにより製造できる。
R4が水素原子である式(12)の中間体は、式(13)
Figure 0003898757
(式中、Halはハロゲン原子、例えば臭素または塩素原子などである)のハロゲン化物を、有機金属試薬と、式(8)の中間体からの-Waが-CHOである式(9)の中間体の製造に関して、上記したのと同じ試薬および条件を用いて反応させることにより製造できる。
=W-が=N-であり、かつ、R4がHである式(2)の中間体は、式(14)
Figure 0003898757
の酸より、式(6)の酸から式(5)の中間体を製造することに関して上記で述べた条件を用いて製造できる。
LがXaAlk'Ar'またはXaR1であり、かつ、-Xaが-O-、-S-または-NH-である式(14)の中間体は、式(15)
Figure 0003898757
(式中、Halはハロゲン原子、例えば臭素、塩素またはヨウ素原子である)のハロゲン化物を、化合物ArAlk'XaH(ここで、Xaは-O-、-S-または-NH-である)と、塩基の存在下で反応させることにより製造できる。
この反応において用いられる塩基としては、溶媒中、例えばアミド、例えばジメチルホルムアミドなどの溶媒中、室温またはそれ以上の温度、例えば80℃の、水素化物、例えば水素化ナトリウムなど、あるいは有機金属塩基、例えばブチルリチウムなどが挙げられる。
式(15)の中間体は、式(16)
Figure 0003898757
の公知のアミンを、亜硝酸(亜硝酸ナトリウムと、酸、例えば硫酸または臭化水素酸との反応により現場で製造)と反応させてジアゾニウム塩を生成し、続いて、これをハロ酸、例えば臭化水素酸、塩化水素酸またはヨウ化水素酸と、必要ならば、対応する銅(I)ハロゲン化物(CuBrまたはCuI)、あるいはハロゲンBr2、Cl2またはI2の存在下で反応させることにより製造できる。
Lが-C(R)=C(R1)(R2)基である式(13)の中間体は、式(17)
Figure 0003898757
(式中、Halはハロゲン原子、例えば臭素原子である)の化合物を、ホスホニウム塩(R1)(R2)CHP(D)3Halと、式(19)の中間体から式(1)の化合物の製造に関して後述するようにしてカップリングさせることにより製造できる。
R4がアルキルまたは-(CH2tAr基である式(12)の中間体は、R4が水素原子である対応する式(12)の化合物を、有機金属試薬と反応させた後、R4が水素原子である式(9)の中間体から、Waが-C(O)R4であり、R4がアルキルまたはアリール基-(CH2tAr基である式(9)の中間体を製造することに関して既に記載したように酸化することにより製造できる。
Zが基(B)である式(1)の化合物の製造に関するもう一つの製法において、式(18)
Figure 0003898757
の中間体を、Heck反応において、化合物R5Hal(式中、Halはハロゲン原子、例えば臭素原子などである)およびパラジウム塩、例えば酢酸パラジウムから誘導される有機パラジウム化合物と、ホスフィン、例えばトリ-o-トリルホスフィンなど、および塩基、例えばトリエチルアミンなどの存在下で、高められた温度および圧力でカップリングさせることができる。
式(18)の中間体は、対応する式(12)の中間体を、ホスホニウム塩、例えばメチルトリフェニルホスホニウムブロミドを採用したWittig反応を用いて、塩基、例えばn-ブチルリチウムおよび不活性溶媒、例えばテトラヒドロフランなどの存在下で、例えば0℃〜周囲温度で反応させることにより得られる。
L2が-Alk'L3であり、Alk'がアルケニレン鎖-C=C-Alk'-であり、L3がヒドロキシル基である式(3)の中間体は、式(19)
Figure 0003898757
(式中、Rは水素原子またはアルキル基、例えばメチル基などである)の化合物を、オレフィン化剤とカップリングさせることにより製造できる。
オレフィン化剤の特別な例としては、ホスホニウム塩、例えば化合物HOAlk'P(D)3Hal(ここで、ヒドロキシル基を従来の保護基を用いて保護する必要がある場合がある)(式中、Halはハロゲン原子、例えば臭素原子などであり、かつ、Dは任意に置換されたアルキル基、例えばメチルなど、あるいはアリール基、特にフェニル基などである);ホスホランHOAlk'C=P(D)3;ホスホネート(DO)2P(O)Alk'OH;あるいはシラン誘導体、例えば式(D)3SiAlk'OHの化合物、例えばトリアルキルシラン、例えば(CH33SiAlk'OHなどが挙げられる。
Rがアルキル基である式(19)の中間体は、Rが水素原子である式(19)の中間体を、有機金属試薬、例えばアルキルリチウムなど、あるいは有機マグネシウムRMgHalと、上述した条件を用いて反応させた後、得られたアルコールを、酸化剤、例えば二酸化マンガンなどを用いて酸化することにより製造できる。
Rが水素原子である式(19)の中間体は、式(20)
Figure 0003898757
(式中、P1は保護されたアルデヒド基、例えばジオキサニル基である)の保護アルデヒドを、例えばトリフルオロ酢酸またはp-トルエンスルホン酸と、溶媒中、例えばアセトンまたは溶媒混合物、例えばクロロホルムおよび水の中で反応させることによる酸加水分解を用いて、脱保護することにより製造できる。
式(20)の中間体は、式(19)のアルデヒドまたはケトンを、アルデヒドまたはケトン保護基により、例えば好適なジオール、例えば1,3-プロパンジオールなどを用いて、酸触媒の存在下、例えば4-トルエンスルホン酸などの存在下で、溶媒中、例えば芳香族溶媒、例えばトルエンなどの中で、高められた温度で、保護することにより製造できる。
一般的に、この反応は、ここで述べた全ての中間体におけるアルデヒドを保護することが望まれる場合に使用できる。
Lが基-C(R)=C(R1)(R2)またはAlk'Ar'であり、Alk'がアルケニレン鎖-C=C-Alk'である式(1)の化合物は、式(19)の中間体より、適当なオレフィン化剤を用いて製造できる。
オレフィン化剤の特別な例としては、ホスホニウム塩、例えば化合物(R1)(R2)CHP(D)3HalまたはAr'Alk'P(D)3Hal(ここで、Halはハロゲン原子、例えば臭素原子などであり、Dは任意に置換れたアルキル基、例えばメチル、またはアリール基、特にフェニル基である);ホスホラン(R1)(R2)C=P(D)3または
Ar'Alk'=P(D)3;ホスホネート(DO)2P(O)CH(R1)(R2)または
(DO)2P(O)Alk'Ar';またはシラン誘導体、例えば式(D)3SiC(R1)(R2)または(D)3SiAlk'Ar'の化合物、例えばトリアルキルシラン、例えば
(CH33SiC(R1)(R2)または(CH33SiAlk'Ar'などが挙げられる。
上記の反応で用いる塩基としては、有機金属塩基、例えば有機リチウム化合物、例えばアルキルリチウム、例えばn-ブチルリチウムなど、水素化物、例えば水素化ナトリウムまたは水素化カリウムなど、あるいはアルコキシド、例えばナトリウムアルコキシド、例えばナトリウムメトキシドなどが挙げられる。
反応は、好適な溶媒、例えば極性の非プロトン性溶媒、例えばアルキルスルホキシド、例えばメチルスルホキシドなど、アミド、例えばN,N-ジメチルホルムアミドまたはヘキサメチルホスホラストリアミドなど;非極性溶媒、例えばエーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジエチルエーテルなど、あるいは芳香族溶媒、例えばベンゼン、トルエンまたはキシレンなど;あるいは極性のプロトン性溶媒、例えばアルコール、例えばエタノールなどの中で行うことができる。好ましくは反応は、低温で、例えば約-78℃〜約室温で行うことができる。
この反応に用いられるオレフィン化剤は、公知の化合物であるか、または公知化合物を製造するのに用いられるのと同様の試薬および条件を用いて、公知の出発材料より製造できる。例えば、ホスホランは、ホスホニウム塩を上述のタイプの塩基と反応させることにより現場で製造できる。もう一つの例では、ホスホネート試薬は、Arbuzov反応に記載されたように、ハロゲン化物Alk'Halをホスファイト(DO)3Pと反応させることで製造できる。シラン誘導体は、ハロシラン(D)3SiHal(ここで、Halはハロゲン原子、例えば塩素原子などである)を、塩基、例えばリチウムジイソプロピルアミドと、溶媒、例えばエーテル、例えば環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン中で、低温で、例えば約-10℃で反応させることで製造できる。
本発明の更なる観点によれば、Lが基-C(R)=CH(R1)であり、R1が任意に置換されたアルキル、アルケニルまたはアルキニル基である式(1)の化合物は、式(19)の中間体と有機金属試薬との反応の後、対応するアルコールの脱水により製造することもできる。
有機金属試薬の例としては、有機リチウムR1Liまたは有機マグネシウムR1MgHal試薬が挙げられる。有機金属試薬との反応は、溶媒、例えばエーテル、例えばジエチルエーテル、または例えば環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン中で、低温、例えば-10℃〜室温で行うことができる。脱水反応は、酸、例えば有機酸、例えばp-トルエンスルホン酸またはトリフルオロ酢酸を用いて塩基、例えばアミン、例えばトリエチルアミンの存在下で行うことができる。
本発明に係るさらにもう一つの方法において、R3、R6およびR7がそれぞれ水素原子である式(1)の化合物は、式(21)
Figure 0003898757
の酸を、脱カルボキシル化することにより製造できる。
この反応は、式(21)の化合物を、塩基、例えば無機塩基、例えば水酸化物、例えば水酸化ナトリウムなどを用いて、溶媒中、例えばアルコール、例えばエタノールなどの中で、高められた温度、例えば還流温度で処理した後、反応混合物を、酸、例えば無機酸、例えば塩化水素酸を用いて、高められた温度、例えば還流温度にて、約pH4〜約pH6のpHまで酸性化することにより行うことができる。
望まれるならば、式(21)の酸は、対応するエステルまたはニトリルから、上記反応条件を用いて、または初期に酸で処理することにより、現場で生成させることができる。
式(21)の中間体は、式(22)
Figure 0003898757
(式中、R15は、酸-CO2Hのエステル(例えば、アルキルエステル、例えばエチルエステルなど)またはニトリル-CNである)の化合物を、グリニャール試薬R4MgBrと、錯化剤の存在下、例えば臭化銅(I)−ジメチルスルフィド錯体または塩化銅(I)などの存在下で、あるいは有機リチウム化合物、例えばR4Liと、溶媒中、例えばテトラヒドロフランなどの中で、低温で、例えば約-40℃で反応させた後、塩基または酸で処理して式(21)の酸を得ることにより製造できる。上記グリニャール試薬およびリチウム試薬は、公知化合物であるか、または公知化合物を合成するために用いられるのと同様の方法にて製造できる。
式(22)の化合物は、式(12)のアルデヒドを、エステルまたはニトリルR5CH2R15と、酸溶媒中、例えば酢酸などの中で、高められた温度、例えば還流温度で、塩基の存在下、例えば酢酸アンモニウムなどの存在下で反応させることにより得られる。
本発明に係る更なる方法において、R3、R6およびR7がそれぞれ水素原子であり、R5がヘテロアリール基である式(1)の化合物は、一般的に、式(23)
Figure 0003898757
(式中、R16は、カルボン酸(-CO2H)基またはその反応性誘導体であるか;またはニトリル(-CN)またはイミン塩である)の化合物を、二機能性試薬W1R5aW2、および必要ならば化合物R5bW3(これらの式中、W1、W2およびW3は同一でも異なってもよく、それぞれ反応性官能基またはその保護された誘導体であり;かつ、R5aおよびR5bは、W1、W2およびW3が一緒に式(23)の化合物中の基R16に付加した場合に、生成する基-RW1R5aW2または-RW1R5aW2R5bW3がヘテロアリール基R5を構成するような、ヘテロアリール基R5の構成部分である)と環化させることにより製造できる。
この反応において使用するためのカルボン酸の反応性誘導体としては、酸ハロゲン化物(例えば、酸クロリド)、チオアミドを包含するアミド、またはチオエステルを包含するエステルが挙げられる。イミン塩としては、例えば、式(例えばC(OAlk)=NH2 +A-、式中AlkはC1-4アルキル基であり、A-は対イオン、例えば塩化物イオンである)の塩が挙げられる。
この一般反応において、W1、W2またはW3で表される反応性官能基は、任意の好適な炭素、窒素、硫黄または酸素求核試薬であってもよい。特別な例としては、単純な求核試薬、例えばカルボアニオン(例えば、アルキル基と、有機金属化合物とのカップリングにより生成される)、アミノ、チオールおよびヒドロキシル基が挙げられる。
一般的に、この環化反応は、最初に、溶媒中、例えば不活性溶媒、例えばハロ炭素(halocarbon)、例えばジクロロメタンなど、エーテル、例えば環状エーテル、例えばテトラヒドロフランなど、または炭化水素、例えば芳香族炭化水素、例えばトルエンなどの中で、低温、例えば、-70℃〜約還流温度で、必要ならば塩基またはチア化試薬、例えばLawesson's試薬などの存在下で行い、次いで必要ならば、高められた温度、例えば還流温度まで加熱することにより行なわれる。
したがって、ある特別な例において、R3、R6およびR7がそれぞれ水素原子であり、R5がベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリルまたはベンズイミダゾリル基である式(1)の化合物は、R16が酸ハロゲン化物、例えば酸クロリドである式(19)の化合物を、それぞれ2-アミノチオフェノール、2-ヒドロキシフェノールまたは1,2-ジアミノベンゼンである試薬W1R5aW2と、塩基の存在下、例えば有機アミン、例えばピリジンなどの存在下で、溶媒中、例えばハロ炭素、例えばジクロロメタンなどの中で、約-70℃〜還流温度で反応させることにより製造できる。
一般的な環化工程のもう一つの例において、R16が上記の酸ハロゲン化物である式(23)の化合物を、モノアルキルマロネート、例えば水素マロン酸エチルである化合物W1R5aW2と反応させた後、ヒドラジンである化合物R5bW3と反応させて、R3、R6およびR7がそれぞれ水素原子であり、R5が5-ヒドロキシピラゾリル基である式(1)の化合物を得ることができる。
環化工程のもう一つの変形において、式(23)のハロゲン化物を、BrMg(CH23[-O(CH22O-]である化合物W1R5aW2と反応させた後、酸溶液中で、メチルアミンである化合物R5bW3と反応させて、R3、R6およびR7がそれぞれ水素原子であり、R5が、N-メチルピロール基である式(1)の化合物を得ることができる。
環化工程の更なる例において、式(23)の酸ハロゲン化物を、H2NNHCSNH2である化合物W1R5aW2と、芳香族炭化水素中、例えばトルエンなどの中で、高められた温度、例えば約150℃で反応させた後、塩基、例えば無機塩基、例えば重炭酸ナトリウムと反応させて、R3、R6およびR7がそれぞれ水素原子であり、R5が1,2,4-チアゾリル-5-チオレート基である式(1)の化合物を得ることができる。
式(23)の中間体化合物は特に有用であり、本発明の更なる観点を構成する。式(23)の酸の活性誘導体、およびR16がニトリルまたはイミン塩である式(23)の他の化合物は、R16が-CO2Hである対応する酸から、例えば以下の実施例に記載したようにして、カルボン酸をこのような化合物に転換するための従来の方法を用いて製造できる。
R16が-CO2Hである式(23)の酸は、式(24)
Figure 0003898757
(式中、A1はC1-4アルキル基、例えばエチル基である)のジエステルを、塩基、例えば水酸化ナトリウムを用いて、溶媒中、例えばジオキサン中で、高められた温度、例えば還流温度で加水分解した後、高められた温度で酸性化することにより製造できる。
式(24)のジエステルは、式(24)
Figure 0003898757
のジエステルを、有機金属試薬、例えばグリニャール試薬と、式(1)のアルコールの製造に関して記載した条件を用いて反応させることにより製造できる。
本発明に係るさらにもう一つの方法において、Zが基(C)である式(1)の化合物は、式(25)
Figure 0003898757
(式中、Eはボロン酸-B(OH)2または錫試薬Sn(R)3であり、Rはアルキル基、例えばメチル基である)の化合物を、試薬Z-L4(式中、L4は脱離基である)と、錯体金属触媒の存在下でカップリングさせることにより製造できる。
特別な脱離基L4としては、例えばハロゲン原子、例えば臭素、ヨウ素または塩素原子など、およびアルキルスルホネート、例えばトリフルオロメタンスルホネートなどが挙げられる。
好適な触媒としては、重金属触媒、例えばパラジウム触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられる。反応は、不活性溶媒中、例えば芳香族炭化水素、例えばトルエンまたはベンゼンなど、あるいはエーテル、例えばジメトキシエタンまたはジオキサン中で、必要ならば塩基の存在下、例えば炭酸アルカリ、例えば炭酸ナトリウムなどの存在下で、高められた温度で、例えば還流温度で行うことができる。一般的に、金属触媒および反応条件は、式(25)の化合物および/またはZ-L4の化合物の性質に依存して、このタイプの反応に関する公知の選択範囲より選択することができる(例えば、Miyaura、N et al, Synth. Comm. (1981),11, 513; Thompson, W. J.およびGaudino, J., J. Org. Chem, (1984), 49, 5237;およびSharp, M. J. et al, Tetrahedron Lett. (1987),28, 5093参照)。
中間体Z-L4は、公知の化合物であるか、または公知の出発材料から公知化合物の製造に用いられるのと類似する方法により製造できる。したがって、例えばL4がハロゲン原子、例えば臭素または塩素原子である化合物Z-L4を得ることが望まれるが、この化合物が容易に入手できない場合、このような化合物は、対応するアミンを、(1)亜硝酸t-ブチルおよび無水CuCl2またはCuBr2を用いて高められた温度で処理するか、あるいは(2)チオ亜硝酸t-ブチルまたはチオ硝酸t-ブチルおよびCuCl2またはCuBr2を用いて室温で処理した後、適当なハロゲン化銅(I)、例えば塩化または臭化第一銅と、水性酸中で反応させることにより製造できる。
式(25)の中間体は、Halが臭素原子である式(13)の化合物と、有機金属剤、例えばn-ブチルまたはt-ブチルリチウムとの間でハロゲン−金属交換させた後、ボレート、例えばトリイソプロピルボレートまたは錫試薬(R)3SnX(ここで、Rは上記の通りであり、Xはハロゲン原子、例えば塩素原子である)と、場合により低温で、例えば約-70℃で、溶媒中、例えばテトラヒドロフラン中で反応させることにより製造できる。
本発明のもう一つの観点によれば、Zが基(D)であり、基(D)中の-Z1が-NR12C(O)-または-C(O)NR12-である式(1)の化合物は、式(26)
Figure 0003898757
(式中、-Aは-CO2Hまたは-NHR12である)の化合物、またはその活性誘導体を、R12NH(Alk)t(X)nArまたはAr(X)n(Alk)tCO2Hの化合物、またはその活性誘導体とカップリングさせることにより製造できる。式(26)または
Ar(X)n(Alk)tCO2Hの酸の活性誘導体としては、例えば酸無水物または酸ハロゲン化物、例えば酸クロリドが挙げられる。
このカップリング反応は、このタイプの反応のための標準的な条件を用いて行うことができる。したがって、例えば反応は、溶媒中、例えば不活性有機溶媒、例えばエーテル、例えば環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン、アミド、例えば置換アミド、例えばジメチルホルムアミド、あるいはハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン中で、低温、例えば約-30℃〜周囲温度、例えば-20〜0℃で、場合により塩基の存在下、例えば有機塩基、例えばアミン、例えばトリエチルアミンまたは環状アミン、例えばN-メチルモルフォリンの存在下で行うことができる。式(17)またはAr(X)n(Alk)tCO2Hの酸が使用される場合、反応は、さらに縮合剤、例えばジイミド、例えばN,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下で、有利にはトリアゾール、例えば1-ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下で行うことができる。あるいは、この酸は、アミンとの反応に先立って、クロロホルメート、例えばエチルクロロホルメートと反応させてもよい。
Aが-CO2Hである式(26)の中間体は、式(27)
Figure 0003898757
(式中、Alkaはアルキル基である)の対応するエステルを、
塩基、例えばアルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化リチウムの存在下で、溶媒中、例えばアルコール、例えばメタノール中で加熱して加水分解することにより製造できる。
Aが-NHR12であり、R12が水素原子である式(26)の中間体は、式(28)
Figure 0003898757
の対応するニトロ化合物を、-Lが-CH=C(R1)(R2)鎖である式(1)の化合物から-Lが-CH2CH(R1)(R2)鎖である式(1)の化合物への水素化に関して後述する試薬を用いて水素化することにより製造できる。
Aが-NHR12であり、R12がアルキル基である式(26)の中間体は、R12が水素原子である式(26)の中間体を、ハロゲン化アルキル、例えばヨウ化アルキルを用いて、溶媒中、例えば芳香族溶媒、例えばベンゼン中でアルキル化することにより製造できる。
式(27)および(28)の化合物、および試薬R12NH(Alk)t(X)nArおよびAr(X)n(Alk)tCO2Hは、公知の化合物であるか、または公知化合物の製造に用いられるのと類似する方法により、公知の出発材料から製造できる。
本発明のさらにもう一つの観点において、Zが基(D)であり、基(D)のZ1が-C≡C-鎖であり、nおよびtがそれぞれゼロである式(1)の化合物は、式(29)
Figure 0003898757
の化合物を、試薬Ar(X)n(Alk)tL5(式中、L5は脱離基である)と、金属錯体触媒の存在下で、溶媒中で反応させることにより製造できる。
L5脱離基の例としては、ハロゲン原子、例えば臭素、ヨウ素または塩素原子、あるいはアルキルトリフレート、例えばトリフルオロメタン、スルホネートが挙げられる。好適な溶媒としては、例えばアミン、例えば3級アミン、例えばトリエチルアミン、2級アミン、例えばジメチルアミン、あるいは1級アミン、例えばn-ブチルアミンが挙げられる。
金属錯体触媒としては、ヨウ化銅(I)の存在下、室温〜高められた温度、例えば還流温度でのパラジウム触媒、例えばPd(Hal)2(PPh32またはPd(PPh34(式中、Halはハロゲン原子、例えば塩素原子である)が挙げられる(Comprehensive organic synthesis, vol. 3., 531-541; Trost, Fleming. Pergamon Press, 1991)。
式(29)の中間体は、式(30)
Figure 0003898757
(式中、Halはハロゲン原子、例えば臭素原子である)のジハロゲン化物を、塩基、例えば有機金属塩基、例えば有機リチウム、例えばn-ブチルリチウムと、溶媒中、例えばエーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジエチルエーテル中で、約-78℃〜室温の温度で反応させることにより製造できる。
式(30)の中間体は、R4が水素原子である式(12)のアルデヒドを、C(Hal)4およびP(Ar13から、塩基、例えば有機金属塩基、例えば有機リチウム、例えばn-ブチルリチウムの存在下に現場で製造される試薬Hal2C=P(Ar13(式中、Halはハロゲン原子、例えば臭素原子であり、Ar1はアリール基、例えばフェニルまたはo-トリルである)と反応させることにより製造できる。
本発明の更なる観点において、Zが基(D)であり、基(D)中のZ1が-NR12SO2-または-SO2NR12-基である式(1)の化合物は、式(30)
Figure 0003898757
(a)(式中、Wbは-NHR12である)の化合物を、Ar(X)n(Alk)tSO2Hal(ここで、Halはハロゲン原子、例えば臭素または塩素原子である)の化合物と、必要ならば塩基の存在下で反応させるか;あるいは
(b)(式中、Wbは-SO2Hal基である)の化合物を、Ar(X)n(Alk)tNHR12と、上記(a)で記載した試薬および条件を用いて反応させる
ことにより製造できる。
この反応において用いられる塩基の例としては、溶媒中、例えばエーテル、例えば環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン中のアミン、例えば3級アミン、例えばトリエチルアミンが挙げられる。
Ar(X)n(Alk)tNHR12の化合物およびWbが-NHR12基である式(30)の化合物は、公知の化合物であるか、または公知の化合物を製造するために用いられるのと同様の試薬および条件を用いて製造できる。
Wbが-SO2Halである式(30)の化合物は、式(13)の中間体ハロゲン化物を、有機金属試薬、例えば有機リチウム、例えばn-ブチルリチウムと、溶媒中、例えばエーテル、例えばテトラヒドロフラン中で、低温、例えば約-60℃〜-100℃で反応させた後、スルフリルクロリドと、溶媒中、例えば脂肪族溶媒、例えばn-ヘキサン中で、低温、例えば約0℃で反応させることにより製造できる。
Lが基-CH(R1)(R2)であり、R2が-CO2H基である式(1)の化合物は、式(31)
Figure 0003898757
(式中、Hal1はハロゲン原子、例えば塩素または臭素原子である)の化合物を、ジアゾアルカンCH(R1)N2と反応させて、対応するジアゾケトン誘導体を得て、次いでこのジアゾケトン誘導体を水および酸化銀、または安息香酸銀およびトリエチルアミンを用いて処理することにより製造できる。
式(31)の中間体は、式(19)のアルデヒドを、酸化剤、例えば過マンガン酸塩またはクロム酸を用いて酸化させて、対応するカルボン酸を得て、次いでこのカルボン酸をハロゲン化試薬、例えば塩化チオニル、五塩化リンまたは五臭化リンと反応させることにより製造できる。
また、式(1)の化合物は、他の式(1)の化合物を相互転換することによっても製造できる。したがって、例えばZが基(A)であり、基(A)中のR3が水素原子である場合、Zが基(B)である式(1)の化合物の水素化により製造できる。
この水素化は、例えば触媒の存在下で水素を用いて行われる。好適な触媒としては、例えば任意に不活性担体、例えば炭素または炭酸カルシウムに担持させた金属、例えば白金またはパラジウム;ニッケル、例えばラニーニッケルまたはロジウムが挙げられる。反応は、好適な溶媒中、例えばアルコール、例えばメタノールまたはエタノール、エーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサン、あるいはエステル、例えば酢酸エチル中で、場合により塩基の存在下、例えば3級有機塩基、例えばトリエチルアミンの存在下で、例えば周囲温度にて行うことができる。
あるいは、上記反応は、有機水素供与体および転移剤(transfer agent)を用いた転移水素化(transfer hydrogenation)により達成できる。好適な水素供与体としては、例えば酸、例えばギ酸など、ギ酸塩、例えばギ酸アンモニウムなど、アルコール、例えばベンジルアルコールまたはエチレングリコールなど、ヒドラジン、およびシクロアルケン、例えばシクロヘキセンまたはシクロヘキサジエンなどが挙げられる。転移剤は、例えば上述したような不活性担体上で任意に担持された遷移金属、例えばパラジウムまたは白金、ニッケル、例えばラニーニッケルなど、ルテニウム、例えばトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムクロリド、あるいは銅であってもよい。この反応は、通常、周囲温度または高められた温度で、場合により溶媒、例えばアルコール、例えばエタノールなど、あるいは酸、例えば酢酸などの存在下で行うことができる。
相互転換工程の第2の例において、Zが基(A)であり、R7がORcであり、Rcがアルキルまたはアルケニル基である式(1)の化合物は、Zが基(A)であり、R7が-OH基である式(1)の化合物を、試薬Rc-OHと、酸、例えば硫酸などの存在下で反応させることにより製造できる。
相互転換工程のもう一つの例において、Zが基(A)であり、R7がORcであり、Rcがカルボキサミドまたはチオカルボキサミド基である式(1)の化合物は、Zが基(A)であり、R7が-OH基である式(1)の化合物を、イソシアネートRcN=C=OまたはイソチオシアネートRcN=C=Sと、塩基、例えば水素化ナトリウムなどの存在下で、溶媒、例えばテトラヒドロフランなど中で反応させることにより製造できる。化合物RcN=C=OおよびRcN=C=Sは、公知の化合物であるか、または公知の化合物の製造のために用いられる試薬および条件を用いて製造できる。RcN=C=Sが手に入らない場合、Rcがチオカルボキサミド基である式(1)の化合物は、Rcがカルボキサミド基である式(1)の化合物を、チア化剤、例えばLawesson剤(2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド)を用いて、芳香族溶媒、例えばキシレンまたはトルエンなど中で相互転換することにより製造できる。
相互転換工程のさらにもう一つの例において、Zが基(A)であり、R3がフッ素原子である式(1)の化合物は、Zが基(A)であり、R3がヒドロキシル基である式(1)の化合物を、フッ素化剤、例えば三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)と、溶媒、例えば塩素化溶媒、例えばジクロロメタンなど中で、低温で、例えば約0℃で反応させることにより製造できる。
相互転換工程の更なる例において、Zが基(A)であり、R3がアルキル基である式(1)の化合物は、Zが基(A)であり、R3がハロゲン原子である式(1)の化合物を、試薬R3L3と、塩基、例えばn-ブチルリチウムまたはリチウムジイソプロピルアミドを用いてアルキル化することにより製造できる。この工程において、出発材料におけるR4は、電子吸引基であることが好ましい。
相互転換工程の更なる例において、Lが(XanAlk'Ar'またはAlk'XaAr'であり、Alk'がアルキレン鎖である式(1)の化合物は、Alk'がアルケニレンまたはアルキニレン鎖である式(1)の化合物を、例えばZが基(B)である式(1)の化合物を水素化して、Zが基Aである式(1)の化合物を得ることに関して記載したように、金属触媒の存在下の水素を用いて水素化することにより製造できる。
また、Zが基(B)である式(1)の化合物は、Zが基(A)であり、R3がヒドロキシル基である式(1)の化合物を、酸、例えばトリフルオロ酢酸を用いて、塩基、例えばアミン、例えばトリエチルアミンの存在下で、溶媒中、例えばジクロロメタン中で、低温、例えば約-10℃で、脱水することによっても製造できる。
式(1)の化合物の特定なエナンチオマーを得ることが望まれる場合、これは、エナンチオマーの対応する混合物から、エナンチオマーを分割するための任意の好適な従来の手順を用いて製造できる。
したがって、例えばジアステレオマー誘導体、例えば塩などは、式(1)のエナンチオマーの混合物、例えばラセミ体など、および適当なキラル化合物、例えばキラル酸または塩基の反応により製造できる。好適なキラル酸としては、例えば酒石酸および他の酒石酸エステル、例えば酒石酸ジベンゾイルまたは酒石酸ジトルオイルなど、スルホネート、例えばカンファースルホネートなど、マンデル酸および他のマンデル酸エステル、およびリン酸エステル、例えばリン酸水素1,1'-ビナフタレン-2,2'-ジイルなどが挙げられる。次いでジアステレオマーは、好都合な手段、例えば結晶化により分離でき、所望のエナンチオマーは、これが塩である場合は、例えば酸または塩基での処理により回収できる。
もう一つの分割工程において、式(1)のラセミ体は、キラル高性能液体クロマトグフラフィーを用いて分離できる。あるいは、望ましいならば、特定のエナンチオマーは、上述の工程の一つにおいて適当なキラル中間体を用いることにより得られる。
式(1)の化合物のN-オキシドは、対応する窒素塩基を、酸化剤、例えば過酸化水素などを用いて、酸、例えば酢酸などの存在下で、高められた温度で、例えば約70℃〜80℃で酸化するか、あるいは過酸、例えば過酢酸などと、溶媒、例えばジクロロメタンなど中で、周囲温度で反応させることにより製造できる。
式(1)の化合物の塩は、式(1)の化合物を、適当な酸または塩基と、好適な溶媒または溶媒混合物、例えば有機溶媒、例えばエーテル、例えばジエチルエーテルなど、またはアルコール、例えばエタノールなど中で、従来の手順を用いて反応させることにより製造できる。
以下の実施例により本発明を説明する。実施例において、以下の略語が用いられる。DMEはエチレングリコールジメチルエーテル;THFはテトラヒドロフラン;CH2Cl2はジクロロメタン;Et2Oジエチルエーテル;EtOHはエタノール;RTは室温;DMFはN,N-ジメチルホルムアミド;EtOAcは酢酸エチル;MeOHはメタノールである。
中間体1〜6は、国際特許出願明細書No. WO94/14742に記載されたように製造した。
中間体1
3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシベンズアルデヒド
中間体2
(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)フェニルケトン
中間体3
(±)-4-[2-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル]ピチジン
中間体4
4-[2-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-フェニルエチル]ピリジンの(E)および(Z)異性体
中間体5
(±)-4-[2-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-フェニルエチル]ピリジン
中間体6
(i) (±)-4-[2-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-フェニルエチル]ピリジン
(ii) (-)-4-[2-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-フェニルエチル]ピリジン
中間体7
a) (R)-4-[2-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-フェニルエチル]ピリジン
濃H2SO4(10ml)を含有するジオキサン/水(20ml: 10ml)中の中間体6(i)(430mg)を90℃で1時間加熱した。反応混合物を冷却し、水性NaHCO3で中和した後、真空濃縮した。残留物をEtOAc(25ml)と水(15ml)との間に分配し、有機相を分離した。抽出物を塩水(25ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、真空濃縮した。残留物を再結晶(EtOH)して、表題の化合物(240mg)を黄白色結晶性固体として得た。融点195〜197℃。
Figure 0003898757
次の中間体は、中間体7a)と同様にして製造した。
b) (E)-4-[2-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-フェニルエチル]ピリジン
窒素雰囲気下、トルエン(200ml)中の中間体20(8.0g, 27.1mmol)およびp-トルエンスルホン酸H2O(10.3g, 54.2mmol)から。再結晶(EtOH)して、表題の化合物(3.8g)を無定形黄色固体として得た。融点196〜199℃。
Figure 0003898757
中間体8
2-メトキシ-4-(3-ピリジル)ベンズアルデヒド
DME(Al2O3を通して濾過)(50ml)中の5-ブロモ-2-メトキシベンズアルデヒド(10.00g, 1.82mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)(2.10g, 1.82mmol, 3.9mol%)の混合物をRTで0.25時間攪拌した。炭酸ナトリウム(2M, 50ml, 0.10mol%)およびジエチル(3-ピリジル)ボレート(6.817g, 46.36mmol)を加え、混合物を5.5時間加熱還流した後、RTで一夜放置した。暗褐色反応混合物を水(50ml)とEt2O(100ml)との間に分配し、有機層を分離し、さらに2回のEt2O抽出物(1 x 50ml, 1 x 25ml)と合併した。有機相を2N塩酸(2 x 50ml)で抽出し、次いで水性抽出物を3M NaOHで塩基性となし、Et2O(1 x 150ml, 2 x 5ml)で抽出した。合併した有機抽出物を塩水(50ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、真空濃縮した後、カラムクロマトグラフィ[SiO2, Et2O]にかけて、表題の化合物(3.318g)を淡黄色固体として得た(計算値:C, 73.40;H, 5.20;N,6.44. C13H11NO2必要値 C, 73.23;H, 5.20;N, 6.57%)。
中間体9
2-(5-ブロモ-2-メトキシフェニル)-1,3-ジオキサン
5-ブロモ-2-メトキシベンズアルデヒド(52.3g, 243mmol)、1,3-プロパンジオール(30ml, 31.6g, 415mmol)およびトルエン(350ml)中の4-トルエンスルホン酸(0.3g)の混合物を、ディーン-スターク装置中で20時間加熱還流した。混合物をRTに冷却し、飽和NaHCO3溶液(100ml)で洗浄した後、有機層を分離し、CH2Cl2溶液(100ml)と合併した。抽出物を洗浄(塩水;50ml)し、乾燥(Na3SO4)し、真空濃縮して、褐色油状物(66.2g)を得た。粗生成物を蒸留して、表題の化合物(58.2g)を無色粘稠油状物として得た。沸点115-120℃, 0.02mmHg。
Figure 0003898757
中間体10
3-[2-(1,3-ジオキサニル)]-4-メトキシベンズアルデヒド
n-BuLi(ヘキサン中1.6M溶液)(125ml, 200mmol, 1.06当量)を、THF(250ml)中の中間体9(51.65g, 189mmol)の溶液に-65℃未満で滴下した。3.5時間後、DMF(20ml, 258mmol, 1.37当量)を-60℃未満で加えた。反応混合物を放置してRTに温めた後、塩酸(0.05M;500ml)中に注ぎ、直ちにCH2Cl2(500ml, 2 x 150ml)で抽出した。抽出物を洗浄(塩水;200ml)し、乾燥(K2CO3)し、真空濃縮して、淡黄色油状物(44.0g)を得た。粗生成物を温ヘキサン(250mmol)と共に磨砕して、表題の化合物(38.75g)を黄白色結晶性固体として得た。
Figure 0003898757
中間体11
3-[3-(1,3-ジオキサン-2-イル)-4-メトキシフェニル]-2-(4-ピリジル)プロペンニトリル
中間体10(15.0g, 67.5mmol)および4-ピリジルアセトニトリル塩酸塩(10.75g, 69.5mmol)の混合物を、EtOH(300ml)およびNaOh溶液(3M;40ml, 150mmol)の混合物中でRTで攪拌した。1時間後、沈澱を濾過して集め、EtOH(50ml)、次いでEt2O(25ml)で順次洗浄し、真空乾燥して、表題の化合物(15.85g)を極淡黄色固体として得た。
Figure 0003898757
中間体12
5-ブロモ-2-メトキシベンジリデンシクロペンタン
n-BuLi(ヘキサン中1.6M溶液)(72.5ml, 116mmol)を、THF(300ml)中のシクロペンチルトリフェニルホスホニウムブロミド(45.85g, 111mmol)の溶液に0℃で滴下した。赤色溶液を0℃で0.5時間攪拌した後、THF(150ml)中の5-ブロモ-2-メトキシベンズアルデヒド(23.5g, 109mmol)の溶液で処理した。反応混合物をRTで一夜攪拌し、真空濃縮した後、CH2Cl2(250ml)と水(150ml)との間に分配した。有機相を分離し、さらなるCH2Cl2抽出物(2 x 50ml)と合併した。有機相を洗浄(塩水;50ml)し、乾燥(Na2SO4)し、真空濃縮した。残留物をクロマトグラフィ(SiO2;CH2Cl2)にかけて、表題の化合物(24.6g)を無色油状物として得た。
Figure 0003898757
中間体13
5-ホルミル-2-メトキシベンジリデンシクロペンタン
n-BuLi(ヘキサン中1.6M溶液)(22ml, 22.7mmol, 1.1当量)を、THF(50ml)中の中間体12(6.81g, 25.5mmol)の溶液に-70℃未満で滴下した。生じた橙色溶液をさらに0.5時間攪拌した後、DMF(3.0ml, 39mmol, 1.5当量)を-60℃未満で加えた。反応混合物を放置してRTに温め、1時間攪拌した後、塩酸(10%, 100ml)で処理した。1時間後、混合物をCH2Cl2(150ml, 2 x 50ml)で抽出した。抽出物を洗浄(塩水;50ml)し、乾燥(Na2SO4)し、真空濃縮して、黄色油状物(7.0g)を得た。粗生成物をクロマトグラフィ(SiO2;Et2O-ヘキサン, 1:3)にかけて、表題の化合物(4.58g)を無色油状物として得た。
Figure 0003898757
中間体14
2-[2-メトキシ-5-(フェニルヒドロキシメチル)]-1,3-ジオキサン
n-BuLi(ヘキサン中1.6M溶液)(115ml, 184mmol)を、THF(1000ml)中の中間体9(50.3g, 184mmol)の溶液に約-70℃で滴下した。THF(100ml)中のベンズアルデヒド(20.5g, 193mmol)の溶液を約-70℃で滴下し、反応混合物を3時間放置してRTに温めた。混合物を10%NH4Cl水溶液(200ml)でクエンチ(quench)し、勇気層を分離し、EtOAc抽出物(3 x 100ml)と合併した。抽出物を乾燥(MgSO4)し、真空濃縮して、表題の化合物(61.0g)を淡黄色結晶性固体として得た。
Figure 0003898757
中間体15
[3-(2-ジオキサン-1,3-イル)-4-メトキシ]ベンゾフェノン
CH2Cl2(1000ml)中の中間体14(60.0g, 200mmol)および二酸化マンガン(174g, 2.0mol)の混合物を、RTで18時間攪拌した。反応混合物をCeliteを通して濾過し、濾液を真空濃縮した。残留物をジイソプロピルエーテル-トルエンから再結晶して、表題の化合物(41.0g)を白色固体として得た。
Figure 0003898757
中間体16
(±)-1-{3-[2-(1,3-ジオキサニル)]-4-メトキシフェニル}-1-フェニル-2-(4-ピリジル)エタノール
n-BuLi(ヘキサン中2.5M溶液)(55.6ml, 139mmol, 1.05当量)を、THF(500ml)中の4-メチルピリジン(11.9ml, 133mmol)の溶液に-70℃で加えた。混合物を-70℃で0.5時間攪拌した後、THF(250ml)中の中間体15(40.0g, 133mmol)の溶液を滴下し、一夜放置してRTに温めた。反応混合物を10%NH4Cl水溶液(100ml)でクエンチし、CH2Cl2(300ml, 100ml)で抽出した。抽出物を分離し、乾燥(Na2SO4)し、真空濃縮した。残留物をEtOAcから再結晶して、表題の化合物(28.9g)を白色結晶性固体として得た。
Figure 0003898757
中間体17
(E,Z)-4-{2-[3-(2-ジオキサン-1,3-イル)-4-メトキシフェニル]エチル}ピリジン
無水トリフルオロ酢酸(11.3ml, 80.2mmol)を、CH2Cl2(500ml)中の中間体16(28.59g, 72.9mmol)およびトリエチルアミン(15.2ml, 109.3mmol)の溶液に約-10℃で滴下した。反応混合物を-10℃で0.5時間攪拌した後、10%炭酸ナトリウム水溶液(250ml)でクエンチした。有機層を分離し、さらなるCH2Cl2抽出物(3 x 50ml)と合併した後、乾燥(Na2SO4)し、真空濃縮した。残留物をクロマトグラフィ(SiO2;5%MeOH CH2Cl2)にかけて、表題の化合物(20.0g)を黄色固体として得た。δH(CDCl3)(1Hnmrは約3:1の異性体混合物を示し;存在した主要な異性体、おそらく(E)-体のデータ)
Figure 0003898757
中間体18
2-メトキシ-5-[1-フェニル-2-(4-ピリジル)エチル]ベンズアルデヒド
10%Pd/C(0.5g)を含有するTHF-MeOH(5:1;1200ml)中の中間体17(17.5g, 46.8mmol)を、RTで1時間かけて水素化した。反応混合物をCeliteを通して濾過した後、真空濃縮した。THF(750ml)および10%塩酸(75ml)中のこの粗アルカン(15.0g)を、RTで0.5時間攪拌した後、水性NaHCO3(2M;100ml)でクエンチした。有機溶剤を真空除去し、水相をEtOAc(3 x 100ml)で抽出した。抽出物を乾燥(MgSO4)し、真空濃縮して、表題の化合物(12.6g)を得た。
Figure 0003898757
中間体19
(±)-4-[2-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-ヒドロキシエチル]ピリジン
表題の化合物は、国際特許出願明細書No. WO94/20446に記載されたように製造した。
中間体20
(E)-4-[2-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)エチル]ピリジン
表題の化合物は、国際特許出願明細書No. WO94/20446に記載されたように製造した。
中間体21
5-フェニルペンチルブロミド
0℃で窒素雰囲気下の、乾燥CH2Cl2(80ml)中の5-フェニル-1-ペンタノール(2.80g, 17.07mmol)の攪拌溶液に、PBr3(4.62g, 1.62ml, 17.07mmol)を加えた。混合物をRTで34分間攪拌し、飽和NaHCO3溶液(100ml)で注意深くクエンチした。層分離し、水層をCH2Cl2(2 x 60ml)で抽出した。合併した有機抽出物を水(80ml)で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、残留物をクロマトグラフィ(SiO2)にかけて、表題の化合物(0.69g)を透明油状物として得た。
実施例1
a) (R)-4-[2-(3-ベンジルオキシ-4-メトキシフェニル)-2-フェニルエチル]ピリジン
カリウム三級ブトキシド(180mg, 1.57mmol)を、THF(15ml)およびDMF(5ml)中の中間体7(400mg, 1.31mmol)の攪拌溶液に加えた。混合物をRTで0.25時間攪拌した後、臭化ベンジル(246mg, 1.44mmol)で処理した。RTで0.5時間後、反応混合物を水(5ml)でクエンチし、真空濃縮した。残留物を水(20ml)とEtOAc(30ml)との間に分配した。有機層を分離し、さらなるEtOAc抽出物(2 x 30ml)と合併した。抽出物を乾燥(MgSO4)し、真空濃縮して淡褐色油状物を得、これをクロマトグラフィ(SiO2;EtOAc-ヘキサン、17:3)にかけて、表題の化合物(434mg)を無色油状物として得た。
Figure 0003898757
実施例2
a) (R)-4-[2-(4-メトキシ-3-(3-チエニルオキシ)フェニル)-2-フェニルエチル]ピリジン
ピリジン(4ml)中の中間体7a)(500mg, 1.64mmol)、無水炭酸カリウム(450mg, 3.28mmol)および3-ブロモチオフェン(3.48g, 21.3mmol)の混合物を、約90℃に加熱した。酸化銅(II)(330mg, 4.1mmol)を加え、反応混合物を52時間加熱還流した。冷却した反応混合物にCH2Cl2(20ml)を加え、次いで濾過した。濾液を真空濃縮し、残留物をクロマトグラフィ(SiO2;EtOAc-ヘキサン, 17:3)にかけて、表題の化合物(315mg)を無色油状物として得た。
Figure 0003898757
下記実施例の化合物は、実施例2a)の化合物と同様に製造した。
b) 4-{2-(R)-[3-(4-ビフェニルオキシ)-4-メトキシフェニル)-2-フェニル]エチル}ピリジン
中間体7a)(0.4g, 1.131mmol)、無水炭酸カリウム(0.36g, 2.62mmol)、4-ブロモビフェニル(0.4g, 1.70mmol)および酸化銅(II)(0.26g, 3.3mmol)から。クロマトグラフィ(SiO2;EtOAc-ヘキサン, 1:1、次いで7:3)により、表題の化合物(0.383g)を無色透明泡状油状物を得た。
Figure 0003898757
c) 4-[2-(R)-(4-メトキシ-3-フェニルオキシフェニル)-2-フェニルエチル]ピリジン
中間体7a)(0.4g, 1.131mmol)、無水炭酸カリウム(0.36g, 2.62mmol)、ブロモベンゼン(2.98g, 2.0ml, 19mmol)および酸化銅(II)(0.26g, 3.3mmol)から。クロマトグラフィ(SiO2;EtOAc-ヘキサン, 17:3)により、表題の化合物(0.433g)を透明油状物として得た。
Figure 0003898757
実施例3
(2R)-4-[2-(3-((2RS)-エキソ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イルオキシ)-4-メトキシフェニル)-2-フェニルエチル]ピリジン
ジエチルアゾジカルボキシレート(522mg, 3.0mmol)を、中間体7a)(610mg, 2.0mmol)、(±)-エンド-2-ノルボルネオール(224mg, 2.0mmol)、およびTHF(5ml)中のトリフェニルホスフィン(787mg, 3.0mmol)の混合物に加え、混合物を40時間加熱還流した。反応混合物を飽和NaHCO3溶液(10ml)中に注ぎ、CH2Cl2(2 x 25ml)で抽出した。抽出物を乾燥(Na2SO4)し、真空濃縮した後、クロマトグラフィ(SiO2;Et2O)にかけて、表題の化合物(256mg)を無色油状物として得た。
Figure 0003898757
実施例4
a) 4-[2-(3-シクロペンチリデニルメチル-4-メトキシフェニル)-2-フェニルエチル]ピリジン塩酸塩・半水和物
THF(30ml)中のシクロペンチルトリフェニルホスホニウムブロミド(1.43g、3.46mmol、1.1当量)の溶液に、n-BuLi(ヘキサン中1.6M溶液)(2.1ml、3.55mmol、1.06当量)を0℃で滴下した。赤色溶液を撹拌し、放置して1時間でRTに温めた後、THF(20ml)中の中間体18(1.00g、3.15mmol)の溶液で、0℃で処理した。RTで1時間撹拌した後、反応混合物を水(50ml)でクエンチし、CH2Cl2(1×75、1×50、1×25ml)で抽出した。抽出物を洗浄(塩水)し、乾燥(Na2SO4)し、真空濃縮して、無色シロップ状物を得、これを結晶化させて固体を得た。カラムクロマトグラフィ[SiO2;2%MeOH-CH2Cl2]により精製して、表題の化合物の遊離塩基(420mg)を得た。
Figure 0003898757
この遊離塩基(420mg)をEt2O(5ml)に溶解し、エタノール性HClを滴下して処理した。沈殿した生成物を濾過して集め、真空乾燥して、表題の化合物を白色固体として得た。
Figure 0003898757
b) 4-[2-(3-シクロヘキシリデニルメチル-4-メトキシフェニル)-2-フェニルエチル]ピリジン塩酸塩
中間体18(1.00g, 3.15mmol)、シクロヘキシルトリフェニルホスホニウムブロミド(1.47g, 3.46mmol, 1.1当量)およびn-BuLi(ヘキサン中1.6M溶液)(2.1ml, 3.36mmol, 1.07当量)から。粗生成物をクロマトグラフィ(SiO2;2%MeOH-CH2Cl2)にかけて、表題の化合物の遊離塩基(1.07g)を得た。
この遊離塩基の一部(400mg)をEt2O(5ml)に溶解し、エタノール性HClを滴下して処理して、表題の化合物を白色固体として得た。
Figure 0003898757
本発明に係る化合物の活性および選択性を、以下の試験において実証した。これらの試験において、略語FMLPはペプチドN-ホルミル-met-leu-pheを表す。
1.単離酵素
本発明の化合物の効能および選択性を、以下のような別々のPDEイソ酵素を用いて決定した:
i. PDE I、ウサギ心臓
ii. PDE II、ウサギ心臓
iii. PDE III、ウサギ心臓、Jurkat細胞
iv. PDE IV、HL60細胞、ウサギ脳、ウサギ腎臓およびヒト組み換えPDE IV
v. PDE V、ウサギ肺、モルモット肺
ヒトPDE IVを暗号化する遺伝子は、ヒト単球からクローン化されている(Livi, et al., 1990, Molecular and Cellular Biology, 10, 2678)。我々は、同様の手順を用いて、好酸球、好中球、リンパ球、単球、脳組織および神経組織を含む多くの源からヒトPDE IV遺伝子をクローン化させた。これら遺伝子を、誘導ベクターを用いて、酵母中にトランスフェクションし、PDE IVの生化学的特性を有する様々な組み換えタンパク質を発現させた(Beavo and Reifsnyder, 1990, TIPS, 11, 150)。これら組み換え酵素、特にヒト好酸球組み換えPDE IVを、効力ある選択的なPDE IVインヒビターのためのスクリーンの基礎として用いた。
酵素は、標準的なクロマトグフラフィ技術を用いて、イソ酵素均質性まで精製した。
ホスホジエステラーゼ活性を、以下のようにアッセイした。反応は、(最終濃度で)50mMの2-[[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ]-1-エタンスルホン酸(TES)-NaOH緩衝液(pH7.5)、10mMのMgCl2、0.1μMの[3H]-cAMPおよび様々な濃度のビヒクルまたは試験化合物を含有する標準的混合物150μl中で行った。反応は、酵素を添加することで開始し、30℃で5〜30分間行った。反応は、生成物の回収量を測定するための[14C]-5'AMPを含有する50μlの2%トリフルオロ酢酸を添加することで停止した。次いでサンプルのアリコートを中性アルミナのカラムに装填し、[3H]-cAMPを10mlの0.1TES-NaOH緩衝液(pH8)で溶出した。[3H]-5'AMP生成物を、2mlの2MNaOHでシンチレーションカクテル10mlを含有するシンチレーションバイアス中に溶出した。[3H]-5'AMPの回収量を、[14C]-5'AMPを用いて測定し、全てのアッセイは反応の線形範囲内で行った。
本明細書の実施例の化合物のような本発明に係る化合物は、0.1〜1000nMで、組み換えPDE IVの濃度依存的な阻害を引き起こし、100μMまでの濃度でPDE I、II、IIIまたはVに対してほとんどまたは全く活性を有しない。
2.白血球中のcAMPの上昇
本発明の化合物の細胞内cAMPへの効果を、ヒト好中球またはモルモット好酸球を用いて調べた。ヒト好中球を末梢血より単離し、ジヒドロサイトカラシンBおよび試験化合物とともに10分間インキュベートし、次いでFMLPで刺激した。モルモット好酸球を、ヒト血清の腹膜内注射で予め処理した動物の腹膜洗浄により収穫した。好酸球を腹膜滲出物より分離し、イソプレナリンおよび試験化合物とともにインキュベートした。両方の細胞タイプについて、懸濁物をインキュベーション終了後に遠心分離し、特定のラジオイムノアッセイ(DuPont)によるcAMPの測定の前に、細胞ペレットを緩衝液に再懸濁させ、10分間煮沸した。
最も能力のある実施例に係る化合物は、0.1nM〜1μMの濃度で、好中球および/または好酸球において濃度依存的なcAMPの上昇を引き起こした。
3.白血球機能の抑制
本発明の化合物を、スーパーオキシド生成、走化性、および好中球および好酸球の付着への効果について調べた。単離白血球を、FMLPで刺激する前に、ジヒドロサイトカラシンB(スーパーオキシド生成についてのみ)および試験化合物とともにインキュベートした。最も能力のある実施例の化合物は、0.1nM〜1μMの濃度で、濃度依存的なスーパーオキシド生成の抑制、走化性の抑制および付着の抑制を引き起こした。
ヒト末梢血単球(PBM)による腫瘍壊死因子(TNF)のリポ多糖類(LPS)-誘導合成は、実施例の化合物により0.01nM〜10μMの濃度で抑制される。
4.相反する効果
一般的に、我々の試験において、本発明の化合物は、動物に薬理的有効量で投与したとき、観察される毒性効果を有しなかった。

Claims (4)

  1. 式(1')の化合物、
    Figure 0003898757
    [式中、Lは、
    (i)-CH=C(R1)(R2)もしくは-CH2CH(R1)(R2)であり、R1およびR2が、それらが結合する炭素原子と一緒になって連結し、シクロブチル基、シクロペンチル基もしくはシクロヘキシル基を形成し、または
    (ii)-OCH2Arであり、ArはC6-12の単環式もしくは二環式のアリール基であり、または
    (iii)OR’であり、R’はC6-10のポリシクロアルキル基、C6-12の単環式もしくは二環式のアリール基、あるいはO、SおよびNから選択されるヘテロ原子を1〜4個含む5員環もしくは6員環のヘテロアリール基であり、
    Rはピリジルである。]、
    またはそれらの塩、水和物もしくはN−オキシド。
  2. 前記Lが-CH=C(R1)(R2)基であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  3. 前記化合物が、
    4-[2-(4-メトキシ-3-(3-チエニルオキシ)フェニル)-2-フェニルエチル]-ピリジン;
    4-[2-(3-((2RS)-エキソ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イルオキシ)-4-メトキシフェニル)-2-フェニルエチル]ピリジン;
    またはこれらの分割されたエナンチオマー、それらの塩、水和物もしくはN−オキシドである請求項1に記載の化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の化合物を、1以上の製薬上許容されるキャリア、賦形剤または希釈剤と一緒に含有し、選択的PDE IV阻害活性を有する製薬組成物。
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