JP3887742B2 - ヒンジキャップ - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、壜体に組付けられ、廃棄時において、この壜体と容易に分別可能とした合成樹脂製のヒンジキャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のヒンジキャップの従来例として、特開平11−321913号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
この従来技術は、キャップ本体の組付き筒に、縦方向に二条の弱化線を形成して裂き取り部を構成し、この裂き取り部の上端部を、組付き筒の上端に頂板を介して起立連設した注出筒片の外側に同心状に設けた把持部に一体に接続して形成し、さらに注出筒片および把持部の両方を覆う外蓋を設けて構成され、キャップの取扱いの邪魔となることがなく、かつ分別のための破断操作が行い易く、さらに最初の開放の際に誤操作されることがない把持部を構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、把持部は、注出筒片の外側に、外蓋で覆われる構成で設けられているので、その大きさに限界があり、このため指先で摘んだ把持部に、必ずしも充分な引っ張り力を作用させることができるとは限らず、このため裂き取り部の破断除去、すなわち分別処理が困難となることがある、と云う問題があった。
【0005】
また、裂き取り部は、組付き筒に縦帯状の欠部を形成するだけであるので、キャップを壜体口筒から取り外すには、裂き取り部を破断除去した組付き筒を、指先で拡径変形させながら、上方に引き抜かなければならず、キャップの分別操作が面倒で力を要するものとなる、と云う問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、弱化線を容易に破断できる状態とすると共に、この弱化線の破断動作がキャップの分別動作をも兼ねるようにすることを技術的課題とし、もって大きな操作力を要することなく、かつ行い易い状態で、キャップの分別処理を達成できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明のうち、請求項1記載の発明の手段は、
組付き筒により壜体口筒に外嵌組付きするキャップ本体と、このキャップ本体の後端にヒンジを介して連結する蓋体とから構成される合成樹脂製のヒンジキャップであること、
キャップ本体の組付き筒のヒンジに近接した箇所に、この組付き筒の全高さ範囲にわたって延びた縦弱化線を設けること、
また、キャップ本体の組付き筒の上端に連設された頂板に、縦弱化線の上端に接続して、組付き筒の周方向に延びた横弱化線を設けること、
にある。
【0008】
分別廃棄時には、蓋体を開いた状態で、この開姿勢の蓋体を握って上方に引き上げることにより、縦弱化線に続いて横弱化線を破断し、そのままヒンジキャップの壜体口筒からの分別を達成する。
【0009】
すなわち、蓋体の引き上げにより、キャップ本体の組付き筒の下端部に拡径方向への引っ張り力が作用し、これにより縦弱化線が破断するが、さらに蓋体を引き上げ続けると、縦弱化線の上端に連続した横弱化線が破断する。
【0010】
この横弱化線の破断により、壜体口筒に対するアンダーカット結合機能部分が形成されている組付き筒の上部部分が拡径変形し易くなり、キャップ本体の壜体口筒に対する組付き力が急激に弱化し、ヒンジキャップの壜体からの分別が達成されることになる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に、壜体口筒に密嵌入する密嵌筒の上端に、内容液の注出をガイドする注出筒を立設すると共に、壜体口筒の上端面に当接して嵌入組付き限を設定する外フランジを突周設して構成された中栓と組み合わさり、蓋体で中栓の注出筒を開閉すると共に、頂板を、中栓の外フランジを壜体口筒の上端面に押し付ける内鍔状に構成した、ことを加えたものである。
【0012】
この請求項2記載の発明にあっては、キャップ体の、壜体口筒に密に組付く必要のある部分を中栓で構成し、壜体口筒に対する強固で安定した組付きと、壜体口筒の開閉を達成する部分を、中栓とは別体のヒンジキャップで構成することができるので、中栓をシール性の良い合成樹脂材料で成形し、ヒンジキャップを優れた機械的強度を発揮する合成樹脂材料で成形することができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に、横弱化線を、肉薄構造で構成した、ことを加えたものである。
【0014】
この請求項3記載の発明にあっては、縦弱化線の破断に続く横弱化線の破断にそれなりの力を要するので、この操作力の変化が適当な抵抗感となって、分別操作が行い易いものとなるのであるが、蓋体を引き上げての横弱化線の破断は、キャップ本体の組付き筒が変形しない限り、かなりの力を要するので、この組付き筒を比較的変形させ易い構成のヒンジキャップに適用するのが有効である。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明に、横弱化線を、スリット構造で構成した、ことを加えたものである。
【0016】
この請求項4記載の発明にあっては、横弱化線が当初から分断状態となっているので、縦弱化線を破断するだけで、縦弱化線と横弱化線との連続した分断部分が形成され、キャップ本体の組付き筒の上部が変形し易い状態となるので、組付き筒の上部を変形させ難い構成のヒンジキャップに適用するのが有効である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1ないし図4は、本発明のヒンジキャップの第一の実施例を示すもので、壜体口筒17にアンダーカット結合により外嵌組付きするキャップ本体1と、このキャップ本体1の後端にヒンジ16を介して連結された蓋体12とから構成されている。
【0018】
キャップ本体1は、壜体口筒17に外嵌する組付き筒2の上端に頂板3を連設し、この頂板3の上面周端部に、蓋体12の周壁13が係脱可能に外嵌する嵌着筒片6を立設し、この嵌着筒片6の内側には、注出口を形成する、ラッパ状に拡がった注出筒片7が立設されている。
【0019】
注出筒片7内の下端部には、切れ目線溝9の内側部分を除去壁部10とした口壁8が閉鎖状に設けられており、除去壁部10は、その上面に一体設されたプルリング11を使用時に引き上げることにより、切れ目線溝9に沿って破断されて除去されて、注出口を形成する。
【0020】
キャップ本体1にヒンジ16を介して一体設された蓋体12の頂壁14の内面には、蓋体12の閉状態において、注出筒片7の開口部に密嵌入して、注出口を密閉する栓筒片15が突設されている。
【0021】
キャップ本体1の組付き筒2の、ヒンジ16の一方側に近接した箇所には、組付き筒2の全高さ範囲にわたって、破断し易い肉薄な縦弱化線5が形成されており、頂板3の後端部には、この縦弱化線5の上端に連続して、組付き筒2の沿って延びた横弱化線4が形成されている。
【0022】
横弱化線4は、組付き筒2の上部を、組付き筒2と壜体口筒17とのアンダーカット結合を解除することのできる程度に拡径変形せることのできる長さに成形されているが、その構造は、縦弱化線5と同じ肉薄構造であっても良いし、またはスリット構造であっても良い。
【0023】
ヒンジキャップの壜体口筒17からの分別は、図2に示した開状態のヒンジキャップの蓋体12を握って斜め上方に引き上げて縦弱化線5を破断し、引き続き蓋体12を斜め上方に引き上げて、図4に示すように、横弱化線4が形成する分断部分の幅を拡大するように、組付き筒2を拡径変形させ、これによりキャップ本体1と壜体口筒17とのアンダーカット結合を解除して達成する。
【0024】
図5は、本発明のヒンジキャップの第二の実施例を示すもので、シール性の良い合成樹脂材料、例えば軟質ポリエチレンで成形された中栓18と組み合わさってキャップ体を構成し、中栓18は、壜体口筒17に密嵌入する密嵌筒19に、ヒンジキャップの第一の実施例における、注出筒片7と口壁8と切れ目線溝9と除去壁部10そしてプルリング11との組合せと同じ構成の組合せである、注出筒20と口壁部22と切れ目線溝部23と除去壁片24そしてプルリング片25との組合せを設け、かつ壜体口筒17の上端面に当接する外フランジ21を設けて構成されている。
【0025】
この中栓18と組み合わさるヒンジキャップの第二の実施例は、第一の実施例における、注出筒片7と口壁8と切れ目線溝9と除去壁部10とプルリング11との組合せを除去し、頂板3を、中栓18の外フランジ21を壜体口筒17の上端面に押し付ける内鍔状に成形して構成され、強固で安定した機械的強度を発揮するポリプロピレンで一体成形されている。
【0026】
この第二の実施例にあっては、ヒンジキャップの壜体口筒17への組付きにより、中栓18の壜体口筒17に対する組付きを、強固にかつ安定して保持するので、中栓18単体での壜体口筒17に対する組付きは弱くて良く、このようにすることにより、ヒンジキャップ分別後の中栓18の分別が容易となる。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明においては、掴み易い蓋体を持ってキャップ本体の組付き筒に引き上げ力を作用させるので、分別達成に充分に大きい操作力を簡単にまた安定して作用させることができ、これによりヒンジキャップの分別処理を容易にかつ確実に達成することができる。
【0028】
また、横弱化線の分断により、この横弱化線部分での組付き筒と頂板との結合がなくなり、その分、組付き筒の拡径変形がし易くなるので、ヒンジキャップの分別を無理なく円滑に達成することができる。
【0029】
請求項2記載の発明においては、シール性に束縛されることなくヒンジキャップを成形することができるので、優れたヒンジ機能と強固で安定した組付き機能とを発揮するものとすることができ、シール性の優れた中栓と組み合わさることにより、きわめて優れた開閉キャップ機能を発揮することになる。
【0030】
請求項3記載の発明においては、縦弱化線の破断に続く横弱化線の破断に、適当な抵抗感が生じて、ヒンジキャップの分別動作に勢いがつき過ぎるのを防止することができるので、比較的軟質な合成樹脂製のヒンジキャップに適用することにより、良好な分別処理操作を得ることができる。
【0031】
請求項4記載の発明においては、縦弱化線の破断に続く横弱化線の破断操作を要しないので、縦弱化線の破断の後は、組付き筒の拡径変形だけに操作力を作用させれば良く、それゆえ組付き筒を拡径変形させるのに、それなりの力を必要とする、比較的硬質な合成樹脂製のヒンジキャップに適用することにより、その分別操作を行い易いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、閉姿勢の全体縦断側面図。
【図2】図1に示した実施例の、やや後方から見た開姿勢の全体斜視図。
【図3】図1に示した実施例の、開姿勢の全体平面図。
【図4】図1に示した実施例の、分別処理の途中の状態を示す全体斜視図。
【図5】本発明の他の実施例を示す、閉姿勢の全体縦断面側面図。
【符号の説明】
1 ; キャップ本体
2 ; 組付き筒
3 ; 頂板
4 ; 横弱化線
5 ; 縦弱化線
6 ; 嵌着筒片
7 ; 注出筒片
8 ; 口壁
9 ; 切れ目線溝
10; 除去壁部
11; プルリング
12; 蓋体
13; 周壁
14; 頂壁
15; 栓筒片
16; ヒンジ
17; 壜体口筒
18; 中栓
19; 密嵌筒
20; 注出筒
21; 外フランジ
22; 口壁部
23; 切れ目線溝部
24; 除去壁片
25; プルリング片
Claims (4)
- 組付き筒(2)により壜体口筒(17)に外嵌組付きするキャップ本体(1)と、該キャップ本体(1)の後端にヒンジ(16)を介して連結する蓋体(12)とから構成される合成樹脂製のヒンジキャップであって、
前記組付き筒(2)のヒンジ(16)に近接した箇所に、該組付き筒(2)の全高さ範囲にわたり、前記ヒンジ(16)の引き上げにより下端から破断される縦弱化線(5)を設けると共に、前記組付き筒(2)の上端に連設された頂板(3)に、前記縦弱化線(5)の上端と接続した横弱化線(4)を、前記ヒンジ(16)と反対方向にのみ前記組付き筒(2)の周方向に沿って設け、かつ、該横弱化線(4)の周方向長さを、前記ヒンジ(16)を引き上げた際該横弱化線(4)で前記頂板(3)と前記組付き筒(2)との間隔が広がり、前記ヒンジ(16)で引き上げられた前記組付き筒(2)が、前記壜体口筒(17)とのアンダーカット結合が解除されるまで拡径する長さとしたヒンジキャップ。 - 壜体口筒(17)に密嵌入する密嵌筒(19)の上端に、内容液の注出をガイドする注出筒(20)を立設すると共に、前記壜体口筒(17)の上端面に当接して嵌入組付き限を設定する外フランジ(21)を突周設して構成された中栓(18)と組み合わさり、蓋体(12)で前記注出筒(20)を開閉すると共に、頂板(3)を、前記外フランジ(21)を壜体口筒(17)の上端面に押し付ける内鍔状に構成した請求項1記載のヒンジキャップ。
- 横弱化線(4)を、肉薄構造で構成した請求項1または2記載のヒンジキャップ。
- 横弱化線(4)を、予め破断したスリット構造で構成した請求項1または2記載のヒンジキャップ。
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