JP3928317B2 - ヒンジキャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、壜体に組付けられ、廃棄時において該壜体と容易に分別可能とした合成樹脂製ヒンジキャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のヒンジキャップの従来例として、実用新案登録第2596699号公報記載のものが知られている。
【0003】
この公報記載のヒンジキャップは、壜体口筒の外周に嵌着するキャップ本体の組付き筒に、ヒンジの一側端近傍の上端から下端に亘って縦方向の弱化線を設けると共に、キャップ本体の頂板に、前記弱化線の上部に連続した周方向の弱化ラインを設けて構成され、廃棄時には、ヒンジを介して連結されている蓋体を引っ張ることにより、前記弱化線と弱化ラインを破断してキャップ全体を壜体口筒から取り外し、分別するようになっている。
【0004】
上記した従来技術にあっては、キャップを壜体口筒に固定するために、壜体口筒外周に設けた係合突条と、組付き筒内周に設けた係合突条とを打栓により乗り越えさせてアンダーカット結合させるが、この打栓による乗り越え時に、組付き筒が強制的に拡開するため、前記弱化線が破断してしまう恐れがある、と云う問題があった。
【0005】
このような問題を解決するための技術として、特開平8−151063号公報記載のものが提案されている。
【0006】
この公報記載のヒンジキャップは、壜体口筒にアンダーカット結合する、弱化線を設けないキャップ本体と、このキャップ本体に外嵌する、弱化線を設けた外筒(環状側壁)にヒンジを介して上蓋を連結したものとの2ピースで構成され、これにより、壜体口筒への打栓時に、弱化線に直接、力が加わらないようにして、弱化線が破断することを防止したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この特開平8−151063号記載の従来技術にあっては、分別廃棄時には、上蓋を引っ張ることにより外筒の弱化線を破断して、まず上蓋と外筒を取り外し、次いでキャップ本体を壜体口筒から取り外すが、このキャップ本体は壜体口筒に強固にアンダーカット結合しているため、その取り外しに大きな操作力を必要とし、キャップ本体の取り外しを迅速、円滑に行うことが困難であった。
【0008】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、弱化線を設けないキャップ本体と、このキャップ本体に組付く蓋体との2ピース構造のヒンジキャップにおいて、分別廃棄時における、壜体口筒からのキャップ本体の取り外しを容易にすることを技術的課題とし、もってヒンジキャップの分別を容易にかつ迅速、円滑に達成できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の手段は、注出口を有するキャップ本体(1)と、該キャップ本体(1)に組み付ける蓋体(13)とから構成したヒンジキャップにおいて、
前記キャップ本体(1)は、前記壜体口筒(22)の外側に組み付く組付き筒(2)を有し、該組付き筒(2)は、上部分に収納凹部(4)を具え、下部分を、容易に弾性変形可能な肉薄部(3)に形成したこと、
前記蓋体(13)は、前記組付き筒(2)の下部分に、該組付き筒(2)の外側より組み付く外筒(17)と、該外筒(17)の後部に設けられ、前記収納凹部(4)に収納される連結板(19)と、該連結板(19)の上部後方にヒンジ(20)を介して開閉自在に取り付けられた上蓋(14)を具えたこと、
更に前記外筒(17)は、前記組付き筒(2)の上部分とほぼ同一の外径を有し、前記連結板(19)の少なくとも一方の側端の略直下位置に、該外筒(17)の上端から下端に亘る肉薄の弱化線(21)を縦方向に有し、内面に、前記肉薄部(3)を介して前記壜体口筒(22)にアンダーカット結合により組み付く係合周条(18)を具えたこと、
前記蓋体(13)をキャップ本体(1)に組み付けた状態で前記壜体口筒(22)に嵌合させ、前記上蓋(14)により前記注出口を開閉させること、にある。
【0010】
壜体口筒へのヒンジキャップの取り付けは、キャップ本体の組付き筒の肉薄部を、蓋体の外筒に嵌入して一体に組付けた状態で、打栓によりアンダーカット結合させるが、その場合、キャップ本体の組付き筒には弱化線が設けてなく、また外筒には直接、力が加わらないので、この外筒の弱化線が破断する恐れもなく、ヒンジキャップを安全にかつ円滑に取り付けることができる。
【0011】
ヒンジキャップの分別取り外しは、上蓋を開けてこれを後方へ引っ張ることにより、ヒンジおよび連結板を介して外筒の弱化線を破断し、上蓋を取り外す。また、これにより外筒の後端部が切断、開放されるので、外筒も容易に取り外すことができる。
【0012】
次いで、キャップ本体を壜体口筒から取り外すが、壜体口筒に組付いている組付き筒の下部分は、容易に弾性変形可能な肉薄部に形成されているので、キャップ本体をつかんで持ち上げる等の極めて小さい操作力で、組付き筒を壜体口筒から容易に離脱させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照しながら説明する。
ヒンジキャップは、壜体口筒22に組付くキャップ本体1と、このキャップ本体1を介して操作口筒22に組付く別体構造の蓋体13とから構成されている。
【0014】
キャップ本体1は、壜体口筒22に密に外嵌する組付き筒2の上端内方に、上蓋14の周壁15が外嵌する段部8を形成し、さらにその内方に、頂板5を介して、壜体口筒22の内周面に密接するシール筒6を連設すると共に、頂板5の上面内側には注出口を形成する注出筒片7が立設されている。
【0015】
キャップ本体1の注出口の底面は、破断溝10の内側部分を除去壁部11とした口壁9で閉塞されており、この除去壁部11は、その上面に一体設されたプルリング12を使用時に引き上げることにより、破断溝10部分で破断されて除去される。
【0016】
組付き筒2の下部分は、容易に弾性変形可能な程度の肉厚で、かつやや内方へ湾曲成形された肉薄部3に形成されている。
【0017】
また、肉厚部分である組付き筒2上部分の後端面には、その上端から下端に亘って、後述する連結板19の収納凹部4が形成されていると共に、この収納凹部4の上端に段状の受部4aが形成されている(図2参照)。
【0018】
蓋体13は、組付き筒2の肉薄部3に外嵌し、内周面に設けた係合周条18により、肉薄部3を介して壜体口筒22にアンダーカット結合する外筒17(図6および図7参照)の後端部上面に、連結板19を立設し、この連結板19の後面上端と、キャップ本体1の注出口を開閉する上蓋14とをヒンジ20で連結して構成されている。
【0019】
上蓋14の頂壁内面には、上蓋14の閉状態において注出筒片7の内周面に密接して注出口を密閉する栓筒片16が突設されている。
【0020】
連結板19は、組付き筒2の収納凹部4に収納可能な幅に形成されていると共に、その内面上端には、所定の組付き位置でキャップ本体1の受部4aに係止する突片19aが突設されている。
【0021】
また、外筒17の、連結板19の両側端の略直下の位置には、外筒17の上端から下端に亘って、一対の肉薄溝状の弱化線21が縦方向に形成されている(図3、図4参照)。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
廃棄時におけるヒンジキャップの分別取り外しは、上蓋を開けてこれを後方へ引っ張ることにより、ヒンジおよび連結板を介して、外筒の弱化線を破断して上蓋を取り外し、また、これにより外筒の後端部が切断、開放されるので、外筒も容易に取り外すことができる。
【0023】
次いで、キャップ本体を壜体口筒から取り外すが、壜体口筒に組付いている組付き筒の下部分は、容易に弾性変形可能な肉薄部に形成されているので、キャップ本体をつかんで持ち上げる等の極めて小さい操作力で、組付き筒を壜体口筒から容易に離脱させることができ、もってヒンジキャップの分別取り外しを容易にかつ迅速、円滑に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、分解斜視図。
【図2】図1に示した実施例の、縦断側面図。
【図3】図1に示した実施例における蓋体の、開いた状態の底面図。
【図4】図1に示した実施例における蓋体の、畳んだ状態の背面図。
【図5】図1に示した実施例の、組付け状態の全体斜視図。
【図6】図1に示した実施例の、壜体口筒に取り付けた状態の全体縦断側面図。
【図7】図6に示した状態の、要部拡大縦断側面図。
【符号の説明】
1 ; キャップ本体
2 ; 組付き筒
3 ; 肉薄部
4 ; 収納凹部
4a; 受部
5 ; 頂板
6 ; シール筒
7 ; 注出筒片
8 ; 段部
9 ; 口壁
10; 破断溝
11; 除去壁部
12; プルリング
13; 蓋体
14; 上蓋
15; 周壁
16; 栓筒片
17; 外筒
18; 係合周条
19; 連結板
19a; 突片
20; ヒンジ
21; 弱化線
22; 壜体口筒
Claims (1)
- 注出口を有するキャップ本体(1)と、該キャップ本体(1)に組み付ける蓋体(13)とから構成したヒンジキャップにおいて、
前記キャップ本体(1)は、前記壜体口筒(22)の外側に組み付く組付き筒(2)を有し、該組付き筒(2)は、上部分に収納凹部(4)を具え、下部分を、容易に弾性変形可能な肉薄部(3)に形成し、
前記蓋体(13)は、前記組付き筒(2)の下部分に、該組付き筒(2)の外側より組み付く外筒(17)と、該外筒(17)の後部に設けられ、前記収納凹部(4)に収納される連結板(19)と、該連結板(19)の上部後方にヒンジ(20)を介して開閉自在に取り付けられた上蓋(14)を具え、
更に前記外筒(17)は、前記組付き筒(2)の上部分とほぼ同一の外径を有し、前記連結板(19)の少なくとも一方の側端の略直下位置に、該外筒(17)の上端から下端に亘る肉薄の弱化線(21)を縦方向に有し、内面に、前記肉薄部(3)を介して前記壜体口筒(22)にアンダーカット結合により組み付く係合周条(18)を具え、
前記蓋体(13)をキャップ本体(1)に組み付けた状態で前記壜体口筒(22)に嵌合させ、前記上蓋(14)により前記注出口を開閉させることとしたヒンジキャップ。
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