JP4399759B2 - 注出キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、壜体に組付けられ、廃棄時においてその壜体と容易に分別可能とした合成樹脂製注出キャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の注出キャップの従来例として、実開平6−76106号公報記載のものが知られている。
【0003】
この公報記載の注出キャップは、注出口を有し、壜体口部に組付く組付き筒に複数の縦スリットを設けたキャップ本体と、この組付き筒に上下方向にスライド可能に外嵌する補強リングと、キャップ本体に螺合して注出口を開閉する上蓋と、から構成されており、廃棄時においては、補強リングを上方へスライドさせて組付き筒から外せば、組付き筒が開き易くなるため、注出キャップを壜体口部から容易に分別取外しできるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、壜体の使用前や使用中の段階で、外力により補強リングがスライドして組付き筒から不本意に外れたり紛失したりする恐れがあり、そのため、壜体口部に対するキャップ本体の強固で密な組付き状態を保持できなくなる場合がある、と云う問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、組付き筒に外嵌する補強リング部の補強機能が損なわれないようにすることを技術的課題とし、もって壜体口部に対するキャップ本体の強固で密な組付きを常に確実に保持し、かつ、使用後における壜体口部からの分別取外しを容易に行なえるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、
頂部に注出口を有し、壜体口筒の外周にアンダーカット結合する組付き筒の外方に、下端同士を連結するフランジ壁を介してカバー筒を周設し、かつ組付き筒の上端内方に連設した頂壁の上面内縁に螺筒を立設したキャップ本体を有すること、
頂板の周縁に垂下設した外筒の下方に、破断可能な周方向の弱化部を介して、キャップ本体の組付き筒に外嵌する補強リング部を連設し、外筒の内方に、キャップ本体の螺筒の外周に螺合する螺合筒を垂下設した蓋体を有すること、
キャップ本体を人手によるもぎ取り状の取外しができるように壜体口筒に組み付けたこと、
にある。
【0007】
注出キャップの分別処理前においては、補強リング部がキャップ本体の組付き筒に外嵌し、かつこの補強リング部がカバー筒で覆われているので、外力により補強リング部が外れる等、組付き筒に対する補強リング部の補強機能が損なわれる恐れは全く無く、よって、壜体口部に対するキャップ本体の強固で密な組付きを常に確実に保持することができる。
【0008】
壜体使用後の注出キャップの分別処理時においては、補強リング部を含めて蓋体を取外した後、弱化部から補強リング部が分離除去された蓋体をキャップ本体に取付け、そのまま外筒を把持して上下方向に捻れば、組付き筒が容易に弾性変形して壜体口筒から外れるため、注出キャップの分別取外しを簡単に行なうことができる。
【0009】
壜体口筒に対するキャップ本体の組付きは、内容液のウオーターハンマー状の力で外れることがなく、壜体の使用中に、キャップ本体が壜体から妄りに外れる、と云う不都合の発生はない。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に、補強リング部を縦に横断して、弱化部に連続する縦弱化線を設けた、ことを加えたものである。
【0011】
この請求項2記載の発明においては、廃棄時における補強リング部の分離除去は、まず縦弱化線を破断し、次いで補強リングの一方の破断端を周方向に引張って、周方向の弱化部を破断することにより行なう(図2参照)。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に、補強リング部の外周面とカバー筒の内周面との間に、蓋体の螺脱方向に係止する係止部を設けた、ことを加えたものである。
【0013】
この請求項3記載の発明においては、キャップ本体に対して蓋体を、その周方向に沿った位置が略螺合限位置となるように位置合せした状態で、打栓により組付けるが、この際、キャップ本体は、予め壜体口筒にアンダーカット結合させてあっても良い。
【0014】
開封時に、蓋体を最初に螺脱回転させると、補強リング部とカバー筒との間の係止部が係止するため、弱化部が破断されて補強リング部が蓋体から分離されて、そのまま組付き筒に外嵌して補強作用を常時発揮し、またこの弱化部の破断の有無を認識することにより開封の有無が判別できるため、不正開封防止機能を発揮する。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明における、壜体口筒に対するキャップ本体の組付き強度の設定手段を、キャップ本体の組付き筒の肉厚とした、ものである。
【0016】
この請求項4記載の発明においては、組付き筒の肉厚を薄くすると、外力による拡径方向への撓み変形量が大きくなり、逆に厚くすると同一外力による拡径方向への撓み変形量が小さくなるので、この肉厚を適正に設定することにより、壜体口筒に対するキャップ本体の組付き強度を、適正な範囲に設定することが、特別な構造を追加することなく達成される。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明における、壜体口筒に対するキャップ本体の組付き強度の設定手段を、組付き筒の少なくとも下端部に割り溝を設けることとした、ものである。
【0018】
この請求項5記載の発明においては、組付き筒への割り溝の付形により、壜体口筒に対する組付き筒の組付き強度を弱化させ、この割り溝の個数、配置、そして深さにより、壜体口筒に対するキャップ本体の組付き強度を、適正な範囲に設定することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1、図2は、本発明の第一実施例を示したもので、比較的軟質な合成樹脂製のキャップ本体1は、壜体口部31の外周にアンダーカット結合により組付く、壜体口筒31からの人手によるもぎ取りが可能な程度に肉薄に成形された組付き筒2の内方に、頂壁3を介して、壜体口部31に密嵌入するシール筒4が垂下設されていると共に、頂壁3の上面内端に、外周面に螺条を刻設した螺筒5を立設し、さらにこの螺筒5の内方に、注出口を形成する注出筒6が連結壁を介して連設されている。
【0020】
注出口の底面は、破断溝8の内側部分を除去壁部9とした口壁7で閉塞されており、この除去壁部9は、その上面に一体設されたプルリング10を使用時に引き上げることにより、破断溝8部分で破断されて除去される。
【0021】
また、組付き筒2の外方には、下端同士を連結するフランジ壁12を介してカバー筒11が周設されており、組付き筒2との間に挿入部13を形成している。
【0022】
キャップ本体1の注出口を開閉する蓋体14は、頂板15の周縁に、下端部外周にフランジ片17を周設した外筒16を垂下設すると共に、その下方に、挿入部13に挿入されて組付き筒2に外嵌する補強リング部18が、周方向に形成された弱化部19である肉薄溝状の弱化線20を介して連設されている。
【0023】
この補強リング部18には、弱化線20に連続する縦方向の縦弱化線21が上端から下端まで形成してあり、図2に示すように、この両弱化線21、20を破断して補強リング部18を分離除去できるように構成されている。
【0024】
外筒16の内方には、キャップ本体1の螺筒5の外周に螺合する螺合筒22が垂下設され、さらにその内方には、注出筒6の内周面に密接する栓筒片23が垂下設されている。
【0025】
図3は、本発明の第二実施例を示したもので、キャップ本体1には、その頂壁3の上面外周縁に、ストッパとして作用する所定高さの突片24を周設すると共に、カバー筒11の内周面に、蓋体14の螺脱方向に係止する係止部25の一方を構成する複数の縦突条26が形成されている。
【0026】
また、蓋体14には、螺筒22と外筒16の間に設けた連設部分の下面に、突片24が突き当って蓋体14を略螺合限位置で停止させる受溝27を設けると共に、外筒16と補強リング部18との間の弱化部19を、複数の破断可能な細い連結片28で形成する。
【0027】
さらに、補強リング部18の上端に、カバー筒11の上位に位置する外フランジ29を周設すると共に、補強リング部18の外周面に、係止部25の他方を構成する複数の縦溝30が形成されており、蓋体14の最初の螺脱回転時に縦突条26に係止することにより、連結片28が破断される。
【0028】
図4は、本発明の第三実施例を示すもので、組付き筒2を、通常の強固な組付き力を発揮することのできる肉厚で成形すると共に、壜体口筒31に対するアンダーカット結合機能部分を有する組付き筒2の下端部に、適当数の割り溝2aを設けたもので、他の構成は、第一実施例と同じである。
【0029】
この第三実施例は、割り溝2aの数、配置関係、さらには深さ等により、壜体口筒31に対する組付き筒2の組付き強度の弱化程度を、略正確に設定することが可能となり、またこの割り溝2aの成形は、後加工により行っても良いので、その実施が容易である。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、肉薄に成形された組付き筒に外嵌する補強リング部を覆うカバー筒をキャップ本体に設けたので、壜体の使用前や使用中の段階で、この補強リング部が外力により組付き筒から外れる等、その補強機能が損なわれる恐れは全く無く、もって、壜体口部に対するキャップ本体の強固で密な組付きを常に確実に保持することができる。
【0031】
また、壜体使用後の廃棄時においては、補強リング部を含めて蓋体を取外した後、補強リング部を分離除去した蓋体をキャップ本体に取付け、そのまま外筒を把持して上下方向に捻れば、キャップ本体の組付き筒が容易に弾性変形して壜体口部から外れるため、注出キャップの分別取外しを簡単にかつ迅速、円滑に達成することができる。
【0032】
請求項2記載の発明にあっては、補強リング部の蓋体からの破断除去が容易であるので、注出キャップの分別取外し処理が簡単で円滑なものとなる。
【0033】
請求項3記載の発明にあっては、補強リング部を分離させなければ蓋体を開放させることができないので、この補強リング部の分離を知ることにより、その壜体が既に開封されたものであることを認識することができ、これにより確実な不正開放防止機能を発揮することができ、また補強リング部の補強作用が常時働いているので、注出キャップの妄りな外れの発生を確実に防止することができる。
【0034】
請求項4記載の発明にあっては、キャップ本体の壜体口筒に対する組付き強度の設定を、組付き筒の肉厚の大小により達成するので、特別な構造を付加することなく、組付き強度の設定を達成することができる。
【0035】
請求項5記載の発明にあっては、キャップ本体の壜体口筒に対する組付き強度の設定を、組付き筒に対する割り溝の付形により達成するので、割り溝の数、配置関係、深さ等により、組付き筒の肉厚に関わりなく、組付き強度の設定を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す、半縦断面図。
【図2】図1に示した実施例における、蓋体の斜視図。
【図3】本発明の第二実施例を示す、半縦断面図。
【図4】本発明の第三実施例を示す、半縦断面図。
【符号の説明】
1 ; キャップ本体
2 ; 組付き筒
2a; 割り溝
3 ; 頂壁
4 ; シール筒
5 ; 螺筒
6 ; 注出筒
7 ; 口壁
8 ; 破断溝
9 ; 除去壁部
10 ; プルリング
11 ; カバー筒
12 ; フランジ壁
13 ; 挿入部
14 ; 蓋体
15 ; 頂板
16 ; 外筒
17 ; フランジ片
18 ; 補強リング部
19 ; 弱化部
20 ; 弱化線
21 ; 縦弱化線
22 ; 螺合筒
23 ; 栓筒片
24 ; 突片
25 ; 係止部
26 ; 縦突条
27 ; 受溝
28 ; 連結片
29 ; 外フランジ
30 ; 縦溝
31 ; 壜体口筒
Claims (5)
- 頂部に注出口を有し、壜体口筒(31)の外周にアンダーカット結合する組付き筒(2)の外方に、下端同士を連結するフランジ壁(12)を介してカバー筒(11)を周設し、かつ前記組付き筒(2)の上端内方に連設した頂壁(3)の上面内縁に螺筒(5)を立設したキャップ本体(1)と、頂板(15)の周縁に垂下設した外筒(16)の下方に、破断可能な周方向の弱化部(19)を介して、前記組付き筒(2)に外嵌する補強リング部(18)を連設し、前記外筒(16)の内方に、前記螺筒(5)の外周に螺合する螺合筒(22)を垂下設した蓋体(14)とから成り、前記キャップ本体(1)を人手によるもぎ取り状の取外しができるように前記壜体口筒(31)に組み付けたことを特徴とする注出キャップ。
- 補強リング部(18)を縦に横断して、弱化部(19)に連続する弱化線(21)を設けた請求項1記載の注出キャップ。
- 補強リング部(18)の外周面とカバー筒(11)の内周面との間に、蓋体(14)の螺脱方向に係止する係止部(25)を設けた請求項1記載の注出キャップ。
- 壜体口筒(31)に対するキャップ本体(1)の組付き強度の設定手段を、組付き筒(2)の肉厚とした請求項1、2または3記載の注出キャップ。
- 壜体口筒(31)に対するキャップ本体(1)の組付き強度の設定手段を、組付き筒(2)の少なくとも下端部に割り溝(2a)を設けることとした請求項1、2または3記載の注出キャップ。
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