JP3880348B2 - 基板処理装置のスケジュール作成方法及びそのプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウエハや液晶表示装置用のガラス基板(以下、単に基板と称する)に所定の処理を施す基板処理装置のスケジュール作成方法及びそのプログラムに係り、特に薬液の寿命により液交換作業が生じる基板処理装置におけるスケジューリング技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
処理液を使用する薬液処理部を備えた基板処理装置においては、処理液の寿命、すなわち、処理液の使用時間に基づく寿命である「ライフタイム」と、処理液の使用回数に基づく寿命である「ライフカウント」とにより液交換を定期的に行なう必要がある。
【0003】
従来の基板処理装置では、ライフカウントあるいはライフライムがアップしたという情報に基づいて、投入部からの新たなロットの搬入を停止するとともに、薬液処理部では処理するロットがなくなったことを受けてから液交換作業を行なう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の基板処理装置では、装置内に投入済みのロットが存在し、そのレシピが薬液処理部を使用するものであれば、そのロットに対する処理が完了するまでは、処理液が寿命になっているにもかかわらず処理が継続されることになる。換言すると、ロットに対する処理を最優先するので、液交換が遅れがちになり、ライフタイムやライフカウントに伴う液交換が守られないことが多いという問題がある。
【0005】
上記のように液交換が守られないと、寿命に達している処理液による処理が行なわれることが生じるので、プロセスの再現性が低くなったり、処理不良が生じたりといったことが生じる恐れがある。
【0006】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、処理液の寿命に伴う液交換予定を優先的に配置することによって、ライフタイムやライフカウントに伴う液交換を正確に実行することが可能な基板処理装置のスケジュール作成方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、処理液によって基板に処理を施す処理部を備えた基板処理装置により、前記処理部のリソースを使用しながら複数のロットを処理する際に、各リソースの使用タイミングを決定する基板処理装置のスケジュール作成方法において、制御部は、前記処理部における処理液の使用時間に応じて寿命を規定するライフタイムと、前記処理部における処理液の使用回数に応じて寿命を規定するライフカウントとに基づき前記処理部のリソースを液交換で使用することを考慮し、実際に処理を開始する前に、ライフタイムに応じた液交換予定を前記処理部のリソースに配置した後に、各ロットの各リソースの使用タイミングを液交換予定と重複しないように配置し、ライフカウントがアップした場合には、それ以降に既に配置されているライフタイムに応じた液交換予定を削除するとともに、ライフカウントがアップした直後にライフカウントのアップに伴う液交換予定を配置し、その後、再び各ロットの各リソースの使用タイミングを配置してゆくことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板処理装置のスケジュール作成方法において、ライフカウントのアップに伴う液交換予定を配置した後は、液交換の対象となった処理部においては前記液交換予定の前への次ロットの処理部の使用タイミングの配置を回避することを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の基板処理装置のスケジュール作成方法において、ライフカウントがアップした場合であって、ロットにおける液交換の対象となった処理部の使用間隔が液交換に要する時間よりも短い場合には、前記ロットの処理部の使用が終了した後に液交換予定を配置することを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置のスケジュール作成方法において、前記ロットの各リソースの使用タイミングの配置は、複数の処理工程を含むレシピに基づき、かつ、処理後にロットを待機させることが許容される処理工程で区切られたブロックごとに行なわれることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、処理液によって基板に処理を施す処理部を備えた基板処理装置により、前記処理部のリソースを使用しながら複数のロットを処理する際に、各リソースの使用タイミングを決定する基板処理装置のスケジュール作成プログラムにおいて、制御部は、前記処理部における処理液の使用時間に応じて寿命を規定するライフタイムと、前記処理部における処理液の使用回数に応じて寿命を規定するライフカウントとに基づき前記処理部のリソースを液交換で使用することを考慮し、実際に処理を開始する前に、ライフタイムに応じた液交換予定を前記処理部のリソースに配置した後に、各ロットの各リソースの使用タイミングを液交換予定と重複しないように配置し、ライフカウントがアップした場合には、それ以降に既に配置されているライフタイムに応じた液交換予定を削除するとともに、ライフカウントがアップした直後にライフカウントのアップに伴う液交換予定を配置し、その後に、再び各ロットの各リソースの使用タイミングを配置してゆくように制御することを特徴とするものである。
【0012】
【作用】
請求項1に記載の発明の作用は次のとおりである。
すなわち、制御部は、各処理部のリソースにライフタイムに応じた液交換予定をまず配置し、その間をぬうようにして各ロットの各リソースの使用タイミングを液交換予定と重複しないように配置するので、ライフタイムに忠実に液交換を実施可能である。各ロットの各リソースの使用タイミングを配置してゆく上でライフカウントがアップした場合には、それ以降に配置されているライフタイムに伴う液交換予定を削除して液交換予定をその直後に配置するので、ライフカウントがアップした直後に液交換を行なうことができる。
【0013】
なお、本発明におけるリソースとは、例えば、基板を搬送する搬送機構、純水を含んだ処理液で基板を洗浄する純水洗浄処理部、加熱した純水を供給する温水ユニット、薬液を含んだ処理液で基板を洗浄する薬液処理部、基板を加熱する加熱処理部などを含む。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、ライフカウントは使用回数に伴う寿命であるので、これに伴って液交換予定を配置した後に、その前にロットの配置を行なうとライフカウントが増えてしまう。そこで前には配置しないようにすることでライフカウントがオーバーするのを防止できる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、ロットによる処理が複数回処理部を使用するような場合であって、ロットにおける処理部におけるロットの使用間隔が液交換時間よりも短い場合には、ロットによる処理部の使用が全て終了した後に液交換予定を配置することで、レシピの関係上ライフカウントによる液交換が正確に実施できない場合であっても液交換をできるだけ早く実施できる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、一つのリソースごとといった小さ過ぎる単位や一つのレシピといった大き過ぎる単位でなく、レシピのうちの待機が許容される処理工程で区切られたブロックごとに配置することでスケジュールの作成が効率的にできる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、プログラムとして上記請求項1と同様の作用を生じる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の一実施例を説明する。
図1及び図2は本発明の一実施例に係り、図1は実施例に係る基板処理装置の概略構成を示した平面図であり、図2はそのブロック図である。
【0019】
この基板処理装置は、例えば、基板Wに対して薬液処理及び洗浄処理及び乾燥処理を施すための装置である。基板Wは複数枚(例えば25枚)がカセット1に対して起立姿勢で収納されている。未処理の基板Wを収納したカセット1は、投入部3に載置される。投入部3は、カセット1を載置される載置台5を二つ備えている。基板処理装置の中央部を挟んだ投入部3の反対側には、払出部7が配備されている。この払出部7は、処理済みの基板Wをカセット1に収納してカセット1ごと払い出す。このように機能する払出部7は、投入部3と同様に、カセット1を載置するための二つの載置台9を備えている。
【0020】
投入部3と払出部7に沿う位置には、これらの間を移動可能に構成された第1搬送機構11が配置されている。第1搬送機構11は、投入部3に載置されたカセット1ごと複数枚の基板Wを第2搬送機構13に対して搬送する。
【0021】
第2搬送機構13は、収納されている全ての基板Wをカセット1から取り出した後、第3搬送機構15に対して全ての基板Wを搬送する。また、第3搬送機構15から処理済みの基板Wを受け取った後に、基板Wをカセット1に収容して第1搬送機構11に搬送する。第3搬送機構15は、基板処理装置の長手方向に向けて移動可能に構成されている。
【0022】
上記第3搬送機構15の移動方向における最も手前側には、複数枚の基板Wを低圧のチャンバ内に収納して乾燥させるための乾燥処理部17が配備されている。
【0023】
第3搬送機構15の移動方向であって上記乾燥処理部17に隣接する位置には、第1処理部19が配備されている。この第1処理部19は、複数枚の基板Wに対して純水洗浄処理を施すための純水洗浄処理部21を備えているとともに、複数枚の基板Wに対して処理液によって薬液処理を施すための薬液処理部23を備えている。また、これらの間で基板Wを搬送する第1副搬送機構25を備えている。この第1副搬送機構25は、第1処理部19内での基板搬送の他に、第3搬送機構15との間で基板Wを受け渡しする。
【0024】
第1処理部19に隣接した位置には、第2処理部27が配備されている。この第2処理部27は、上述した第1処理部19と同様の構成である。
【0025】
第2搬送機構13に付設されているカセット洗浄部35は、上述した第2搬送機構13が全ての基板Wを取り出した後、空になったカセット1を洗浄する機能を有する。
【0026】
上記のように構成されている基板処理装置は、図2のブロック図に示すように制御部37によって統括的に制御される。
【0027】
制御部37は、CPUなどから構成されており、以下に説明するスケジュール作成プログラムに相当する手順に基づき、レシピに応じて上述した各構成のリソースの使用タイミングを実際に処理を開始する前に予め決定する。その後、実際にロットを処理するにあたり、作成されたスケジュールに基づき各リソースを使用してレシピに応じた処理をロットに対して施す。
【0028】
記憶部39には、この基板処理装置のユーザによって予め作成され、ロットをどのようにして処理するかを規定した複数種類のレシピと、スケジュール作成プログラムと、作成されたスケジュールを実行する処理プログラム等が予め格納されている。
【0029】
ところで、薬液処理部23,31においては薬液を含む処理液を使用するが、処理液にはそれを生成した時点からの経過時間に相当する使用時間に基づき寿命を規定した「ライフタイム」と、処理液の使用回数に基づき寿命を規定する「ライフカウント」とが存在する。したがって、上述した制御部37は、スケジュールを作成するにあたり、まずライフタイムによる液交換予定を配置し、続いてロットの処理工程(各リソースの使用タイミング)を配置してゆく、その際にライフカウントがアップした場合にはそれ以降に配置されているライフタイムを削除するとともに、ライフカウントがアップした直後にライフカウントアップに伴う液交換予定を配置し、ライフタイムに応じた液交換予定を再び配置した後に各ロットの処理工程を配置してゆく点が特徴的になっている。
【0030】
次に、図3ないし7のスケジュールの作成過程を示したタイムチャートを参照しながらスケジュール作成プログラムに相当する手順について説明する。
【0031】
なお、レシピは、理解を容易にするために実際のものよりも簡略化したものを例に採って説明する。
【0032】
具体的なレシピとしては、
リソースとして、第2搬送機構13、純水洗浄処理部29、薬液処理部31、純水洗浄処理部29を使用する各処理工程からなるブロックAと、
リソースとして、純水洗浄処理部21、薬液処理部23、純水洗浄処理部21を使用する各処理工程からなるブロックBと、
リソースとして、乾燥処理部17、第2搬送機構13を使用する各処理工程からなるブロックCと、
を有するものとする。
【0033】
なお、このレシピでは、リソースとしての第3搬送機構15、第1副搬送機構25、第2副搬送機構33は省略されている。
【0034】
また、各処理部における処理には、予め処理時間が決められてはいるものの、処理を終えた後に次の処理工程までにある程度待機させても問題ない場合がある。例えば、第2搬送機構13等による搬送処理では基板Wをカセット1から取り出した状態で待機さておいてもよく、純水洗浄処理部29等による純水洗浄処理では基板Wを純水中に待機させておいてもよく、乾燥処理部17による乾燥処理では基板Wを乾燥させた後に待機しておいても問題はない。上述したレシピは、一部を複数回行なう9つの処理工程から構成されているが、このように待機させてもよい処理工程で区切るようにして上述したブロックA〜Cに分けている。
【0035】
まず、ロットの処理工程を配置するのに先立って、処理液のライフタイムに基づく液交換予定exを配置する。具体的には、図3に示すように、時間t0〜t2にわたってリソースとしての薬液処理部23に対して液交換予定exが配置され、そのライフタイムに応じたT1時間後である時間t4〜t6にわたって液交換予定exが配置され、さらにそのT1時間後である時間t8〜t10にわたって液交換予定exが配置される。
【0036】
また、同様にして、薬液処理部31に対しても処理液のライフタイムに基づいて時間t1〜t3、時間t5〜t7、時間t9〜t11にわたって液交換予定exを配置する。その時間間隔は、ライフタイムに応じた時間T2としてある。なお、ライフカウントは「3」になった時点、つまり処理液を3回使用した時点で既定値に達したとする「アップ」になったものと扱う。
【0037】
次に、図4に示すように、液交換予定exと重複しないようにしながら、第1ロットのブロックA(図中では他のロットと区別するため符号1−Aと示す)を配置し、ブロックB(符号1−B)を配置し、さらにブロックC(符号1−C)を配置する。このとき薬液処理部31における液交換予定exが配置されていることにより、純水洗浄処理部29において待ち時間(点線で示す)が生じる。なお、この時点において、薬液処理部23と薬液処理部31ともにライフカウントLCは「1」となる。
【0038】
次に、図5に示すように、第2ロットのブロックA(符号2−A)とブロックB(符号2−B)とを配置し、さらに第3ロットのブロックA(符号3−A)を配置する。この時点において、薬液処理部31だけがライフカウントLC=3となってアップとなる。
【0039】
第3ロットのブロックA(符号3−A)を配置した時点で薬液処理部31のライフカウントがアップする(LC=3)ので、図6に示すように、これ以降に配置されているライフタイムに基づく液交換予定exを一旦削除し(図中に点線で示す)、ライフカウントがアップした直後、つまり時間ta〜tbにわたってライフカウントに応じた新たな液交換予定ex−cを配置する。さらに、この液交換予定ex−cから時間T2後に新たな液交換予定ex´を配置する。
【0040】
そして、図7に示すように、第2ロットと第3ロットの残りのブロックを配置する。つまり、第2ロットのブロックC(符号2−C)を配置し、第3ロットのブロックB(符号3−B)を配置した後、第3ロットのブロックC(符号3−C)を配置する。
【0041】
このようにして予め作成したスケジュールを記憶部39に格納し、制御部37が基板Wを含むロットを実際に処理するために各リソースをスケジュールに従って制御する。
【0042】
このようにライフタイムに応じた液交換予定exを先に配置し、その間を埋めるようにして各ロットのブロック、すなわち各ロットの各リソースの使用タイミングを配置することでライフタイムに忠実に液交換が実施可能となる。さらに、各ロットのブロックを配置してゆく上でライフカウントがアップした場合には、それ以降に配置されているライフタイムに伴う液交換予定exを削除して液交換予定ex−cをその直後に配置することでライフカウントのアップ直後に液交換を行なうようにスケジュールが可能である。よって液交換を優先的に配置ことで液交換を正確に実行できる。
【0043】
なお、上記の実施例では、ロットを配置するのに複数の処理工程を含むブロックを単位に配置していった。このような配置単位とすることにより、処理工程ごとのように小さ過ぎず、レシピごとのように大き過ぎずに効率的にスケジュール作成が可能となっている。しかしながら、本発明は処理工程ごとやレシピごとの配置を行なうようにしてもよい。
【0044】
上記のスケジュール作成によりスケジュールを予め作成するにあたり、次の二点を付加的に考慮することが好ましい。
【0045】
<付加処理1>
図8(a)のタイムチャートを参照する。
第1ロットのブロックが、第2搬送機構13と、純水洗浄処理部21と、純水洗浄処理部29と、薬液処理部31と、純水洗浄処理部29との処理工程からなり、時間teに薬液処理部31による処理が開始されるスケジュールが作成されたものとする。そして、これにより薬液処理部31のライフカウントがアップしたものとする。したがって、上述したスケジュール作成方法に基づいて薬液処理部31による処理工程の直後、時間tf〜tgにわたり液交換予定ex−cが配置されることになる。
【0046】
ここで、矢印で示すタイミングで新規のロット(第2ロット)が投入されるものとする。この場合には、新規ロットのレシピによっては図8(b)のタイムチャート中に点線矩形で示すように、液交換予定ex−cの前に薬液処理部31によるロットの処理が配置されるようにすることが可能である。しかしながら、この場合にはライフカウントがアップした後に新たに薬液を使用する処理を行なうことで、予定したライフカウントが狂うことになる。
【0047】
そこで、ライフカウントがアップしたことに伴う液交換予定ex−cを配置した後は、その前へのロットの配置を回避するルールを適用する。これにより新規ロットは、薬液処理部31による処理が液交換予定ex−cの後ろに隣接するように配置されることになる。これによりライフカウントがオーバーするのを防止し、スケジュールの作成を適切に行なうようにすることができる。
【0048】
<付加処理2>
図9(a)のタイムチャートを参照する。
このロットのブロックは、第2搬送機構13と、純水洗浄処理部29と、薬液処理部31と、純水洗浄処理部29と、薬液処理部31と、純水洗浄処理部29との処理工程を含むものとする。通常、薬液処理を二度行なう場合には、その間に純水処理が入ってそこで待機できるのでより小さなブロックに分けてスケジュールすることが考えられる。しかし、プロセスの実際においては、二度の薬液処理を規定時間内に行なうことが必須となるものもある。
【0049】
このような場合に、時間th〜tiにわたり薬液処理部31において薬液処理を行ない、時間ti〜tjにわたって純水洗浄処理部29において純水処理を行ない、最初の薬液処理からTG時間後に再び薬液処理部31において薬液処理を時間tj〜tkにわたって行なう場合であって、最初の薬液処理時にライフカウントがアップするような状況を想定する。しかも、図9(b)に示すように薬液使用間隔に相当するTG時間が液交換予定ex−cに要するTex時間よりも短く、ライフカウントがアップした直後に液交換予定ex−cを配置することはできないものとする。
【0050】
このような場合には、図9(c)のタイムチャートに示すように、後の薬液処理が終わる時点tkにおいて液交換予定exを配置する。これによりレシピの関係上ライフカウントによる液交換を正確に実施できない場合であっても液交換をできるだけ早く実施することができる。したがって、ロットの処理を正確に行ないつつもライフカウントに伴う液交換もほぼ正確に実施することができる。
【0051】
なお、本発明は、予め処理の前にスケジュールを作成してから実際の処理を行なうのであれば適用可能であるが、そのなかでも次のようなスケジュール作成方法が好適である。この方法における処理工程とは、上述したブロックである場合も含む。
【0052】
すなわち、基板に処理を施すための処理部を複数個備えた基板処理装置によって複数のロットを処理するにあたり、複数の処理工程を含むレシピに基づいて各々のロットを各処理部で順次に処理するために各ロットの処理順序を決定する基板処理装置のスケジュール作成方法において、いずれかのロットについて最初の処理工程を配置した後、各ロットの次なる処理工程のうち、各々の前の処理工程における終了予定時刻が最も早いロットに対する処理工程を次の処理工程として配置するのである。
【0053】
この方法によれば、予めスケジュールすることで前の処理工程の後作業と、その後の処理工程の前作業とを重複させて配置することができるとともに、配置可能な処理工程のうち前の処理工程が早く終わるロットの処理工程を次の処理工程として選択して配置することで、次の処理工程が終了するまでの時間を短縮することができる。したがって、基板処理装置の処理部を有効利用することができるので、待機時間を抑制して稼働率を向上することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、制御部は、処理部のリソースにライフタイムに応じた液交換予定を配置し、その間をぬうようにして各ロットの各リソースの使用タイミングを液交換予定と重複しないように配置することでライフタイムに忠実に液交換を実施可能であり、各ロットの各リソースの使用タイミングを配置してゆく上でライフカウントがアップした場合には、それ以降に配置されているライフタイムに伴う液交換予定を削除して液交換予定をその直後に配置することでライフカウントのアップ直後に液交換を行なえる。このように液交換を優先的に配置ことで液交換を正確に実行することができる。
【0055】
請求項2に記載の発明によれば、液交換予定の前へのロットの処理部の使用タイミング配置を回避することでライフカウントがオーバーするのを防止し、スケジュールの作成を適切に行なうことができる。
【0056】
請求項3に記載の発明によれば、ロットにおける処理部の使用間隔が液交換時間よりも短い場合には、ロットによる処理部の使用が全て終了した後に液交換予定を配置することで、レシピの関係上ライフカウントによる液交換が正確に実施できない場合であっても液交換をできるだけ早く実施できる。したがって、ロットの処理を正確に行ないつつもライフカウントに伴う液交換もほぼ正確に実施することができる。
【0057】
請求項4に記載の発明によれば、レシピのうちの待機させることが許容される処理工程で区切られたブロックごとに配置することでスケジュールの作成を効率的に行なうことができる。
【0058】
請求項5に記載の発明によれば、プログラムとして上記請求項1と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る基板処理装置の概略構成を示した平面図である。
【図2】実施例に係る基板処理装置の概略構成を示したブロック図である。
【図3】スケジュールの作成過程を示すタイムチャートである。
【図4】スケジュールの作成過程を示すタイムチャートである。
【図5】スケジュールの作成過程を示すタイムチャートである。
【図6】スケジュールの作成過程を示すタイムチャートである。
【図7】スケジュールの作成過程を示すタイムチャートである。
【図8】スケジュールの作成過程における付加処理を示すタイムチャートである。
【図9】スケジュールの作成過程における付加処理を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 … カセット
3 … 投入部
11 … 第1搬送機構
13 … 第2搬送機構
15 … 第3搬送機構
17 … 乾燥処理部
19 … 第1処理部
21 … 純水洗浄処理部
23 … 薬液処理部
25 … 第1副搬送機構
27 … 第2処理部
29 … 純水洗浄処理部
31 … 薬液処理部
33 … 第2副搬送機構
37 … 制御部
39 … 記憶部
ex … 液交換予定
ex−c … ライフカウントのアップに伴う液交換予定
Claims (5)
- 処理液によって基板に処理を施す処理部を備えた基板処理装置により、前記処理部のリソースを使用しながら複数のロットを処理する際に、各リソースの使用タイミングを決定する基板処理装置のスケジュール作成方法において、
制御部は、前記処理部における処理液の使用時間に応じて寿命を規定するライフタイムと、前記処理部における処理液の使用回数に応じて寿命を規定するライフカウントとに基づき前記処理部のリソースを液交換で使用することを考慮し、
実際に処理を開始する前に、ライフタイムに応じた液交換予定を前記処理部のリソースに配置した後に、各ロットの各リソースの使用タイミングを液交換予定と重複しないように配置し、ライフカウントがアップした場合には、それ以降に既に配置されているライフタイムに応じた液交換予定を削除するとともに、ライフカウントがアップした直後にライフカウントのアップに伴う液交換予定を配置し、その後、再び各ロットの各リソースの使用タイミングを配置してゆくことを特徴とする基板処理装置のスケジュール作成方法。 - 請求項1に記載の基板処理装置のスケジュール作成方法において、
ライフカウントのアップに伴う液交換予定を配置した後は、液交換の対象となった処理部においては前記液交換予定の前への次ロットの処理部の使用タイミングの配置を回避することを特徴とする基板処理装置のスケジュール作成方法。 - 請求項1または2に記載の基板処理装置のスケジュール作成方法において、
ライフカウントがアップした場合であって、ロットにおける液交換の対象となった処理部の使用間隔が液交換に要する時間よりも短い場合には、前記ロットの処理部の使用が終了した後に液交換予定を配置することを特徴とする基板処理装置のスケジュール作成方法。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置のスケジュール作成方法において、
前記ロットの各リソースの使用タイミングの配置は、複数の処理工程を含むレシピに基づき、かつ、処理後にロットを待機させることが許容される処理工程で区切られたブロックごとに行なわれることを特徴とする基板処理装置のスケジュール作成方法。 - 処理液によって基板に処理を施す処理部を備えた基板処理装置により、前記処理部のリソースを使用しながら複数のロットを処理する際に、各リソースの使用タイミングを決定する基板処理装置のスケジュール作成プログラムにおいて、
制御部は、前記処理部における処理液の使用時間に応じて寿命を規定するライフタイムと、前記処理部における処理液の使用回数に応じて寿命を規定するライフカウントとに基づき前記処理部のリソースを液交換で使用することを考慮し、
実際に処理を開始する前に、ライフタイムに応じた液交換予定を前記処理部のリソースに配置した後に、各ロットの各リソースの使用タイミングを液交換予定と重複しないように配置し、ライフカウントがアップした場合には、それ以降に既に配置されているライフタイムに応じた液交換予定を削除するとともに、ライフカウントがアップした直後にライフカウントのアップに伴う液交換予定を配置し、その後に、再び各ロットの各リソースの使用タイミングを配置してゆくように制御することを特徴とする基板処理装置のスケジュール作成プログラム。
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