JP3875361B2 - パンタグラフの姿勢制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振子型車両等に用いるのに最適なパンタグラフの姿勢制御装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道用車両においては、曲線路を走行するときに車体を曲線路内方に傾斜させて走行の高速安定性を向上させるようにした振子型車両がある。ところで、このような振子型車両で、パンタグラフを車体に固定していたのでは、車体が傾斜する分だけ、パンタグラフが架線に対して左右に偏位してしまう。このため、パンタグラフの架線に対する接触位置を常に中心位置付近に保ち、パンタグラフが架線から外れることなどなく、常時良好な給電状態を維持するためのパンタグラフの姿勢制御装置が、例えば本出願人による特開平9−46807号公報に開示されている。
【0003】
図6〜図10には、この特開平9−46807号公報に開示されたパンタグラフの姿勢制御装置を示す。
【0004】
図6〜図9に示すように、鉄道車両(振子型車両)の車体3は、台車4上に支持される。この車両は、車体3を台車4に対して曲線路内方に傾斜させるための図示されない駆動装置を備えている(例えば、特開平5−115104号公報参照)。
【0005】
このような車両の車体3の屋根上において、パンタグラフ1は支持台2に取り付けられ、この支持台2が支持軸11を中心にガイドレール12に案内されつつ、進行方向に対して車体3の屋根と平行な面において左右方向に旋回自由に支持されている。さらに詳しく説明すると、支持台2は前端側にT型アーム部13を備え、このT型アーム部13の前端に、支持軸11が設けられる。また、このT型アーム部13の左右に張り出した後端には、支持枠14が連結され、この支持枠14の後端に配置された一対のローラ15がガイドレール12に沿って摺動するようになっている。
【0006】
さらに、T型アーム部13には、支持台2の姿勢位置(回動位置)を制御する保持シリンダ17が連結されている。この保持シリンダ17は両ロッド型シリンダであり、そのシリンダ部17aがT型アーム部13にピン結合されるとともに、ロッド17bの両端が車体3の屋根にブラケット19を介して連結される。そして、車体3の傾斜制御時には、保持シリンダ17は左右の油室18a、18bに対する作動油の給排によりストロークし、支持台2(したがってパンタグラフ1)を支持軸11を中心にして左右に旋回させるようになっている。
【0007】
また、T型アーム部13の両側に位置して、一対の復元シリンダ20a、20bが設けられる。このシリンダ20a、20bの作動により、車体3の非傾斜制御時には、支持台2(したがってパンタグラフ1)を中立位置に復帰させる。
【0008】
さらに、上述の保持シリンダ17に対する作動油の給排を制御するために、車両の左右には、車体3と台車4との相対変位に応じて作動する一対の傾斜検出シリンダ22a、22bが設けられる(図1には、傾斜検出シリンダ22bのみを示す)。
【0009】
これらの傾斜検出シリンダ22a、22bは、ブラケット23により車体3の下面に取り付けられるとともに、そのロッド先端にL字型のリンク24の一端が連結され、このリンク24の他端が台車4に連結したリングロッド25に連係する。そして、リンク24の中間軸24aは車体3側に支持され、車体3と台車4との間に相対変位が生じると、この中間軸24aを中心にリンク24が揺動し、この動きを傾斜検出シリンダ22a、22bに伝達し、これらをストロークさせるようになっている。この場合、傾斜検出シリンダ22a、22bは、車体3と台車4の中立状態からの相対変位が大きくなるときと小さくなるときとで(すなわち、車体3の傾斜方向が右方向のときと左方向のときとで)、反対方向にストロークする。
【0010】
また、傾斜検出シリンダ22aと傾斜検出シリンダ22bは、互いに車両の左右反対側に配置されているので、そのストローク方向は互いに反対向きとなり、各シリンダ22a、22bのピストン両側の油室は互いに相反的に収縮と拡大を行う。したがって、図10の油圧回路図に示すように、左右の傾斜検出シリンダ22a、22bの油室26a、26bは、車体3の同一の傾斜に対して、互いに拡大側の油室同士、縮小側の油室同士が連通するように、たすきがけに回路28a、28bにより接続される。
【0011】
さらに、これらの回路28a、28bは、それぞれ回路30a、30bを介して、それぞれ保持シリンダ17の油室18a、18bに接続している。これにより、鉄道車両が曲線路を走行するに際して車体3が曲線路内方に傾斜したときには、この車体3のロール角は、傾斜検出シリンダ22a、22bにおいて作動油の流暢に変換されて、保持シリンダ17に伝達される。すなわち、パンタグラフ1の支持台2を車体3の屋根の中心位置から、傾斜と反対側、つまり曲線路外方に向けて移動させるように、傾斜検出シリンダ22a、22bからの作動油が保持シリンダ17の一方の油室18aまたは18bに送り込まれ、他方の油室18bまたは18aからの作動油が傾斜検出シリンダ22a、22bに吸入されるようになっている。
【0012】
なお、この場合、回路30a、30bの途中には、それぞれオリフィス31とチェック弁32が介装され、保持シリンダ17からの作動油の排出に抵抗を付与する一方、吸入は円滑に行われるようにしている。
【0013】
図10に示すように、回路30a、30bは、それぞれ第1、第2の電磁弁33a、33bを介して、高圧回路35と接続する。そして、これらの電磁弁33a、33bが開いたときには、減圧弁34aを介して減圧された作動油が回路30a、30bに補給される。
【0014】
また、回路30a、30bは、リリーフ弁36a、36bを介して、低圧回路37にも接続する。そして、回路30a、30bの圧力が、所定の高圧値に達したならば、作動油の一部を逃がし、高温時などの回路圧力の異常上昇を回避するようになっている。
【0015】
復元シリンダ20a、20bは、非傾斜制御時に支持台2を中立位置に保持するため、ピストンロッド41を伸長側に付勢するスプリング40が設けられる。一方、傾斜制御時にはピストン42に油圧を作用させてピストンロッド41を収縮させるため、油室39が三方切換電磁弁43を介して高圧回路35と低圧回路37に選択的に接続される。これにより、復元シリンダ20a、20bが、保持シリンダ17の作動に影響を及ぼさないようになっている。
【0016】
なお、各電磁弁33a、33b、43の作動は、コントローラ50により制御される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなパンタグラフの姿勢制御装置では、各シリンダ間を結ぶ油圧回路28a、28b、30a、30bは、傾斜制御時においては閉回路(外部からの作動油の補給がない状態)になっているので、各シリンダからの作動油の漏れ分は補給されることはなく、また、温度変化による作動油量の変化も油量の増加分がリリーフ弁36a、36bにより調整されるしかない。したがって、姿勢制御装置が長時間にわたって使用された場合などには、油圧回路28a、28b内の油量や油圧が変化してしまい、保持シリンダ17のバランス位置が本来の中立位置からずれてしまうという問題点があった。
【0018】
そして、このように傾斜制御時にリリーフ弁36a、36bから排出された作動油は、電磁弁33a、33bを操作して補給しない限り、排出されたままになってしまう。したがって、毎回の制御開始ごとに、保持シリンダ17の中立位置の補正のために電磁弁33a、33bの操作が必要となり面倒である。
【0019】
また、この場合、油圧回路28a、28b、30a、30bをアキュムレータと接続しておいて保持シリンダ17の中立位置を保つことが考えられる。ところが、これでは傾斜制御時において保持シリンダ17への油圧供給がアキュムレータ側に吸収されてしまい、保持シリンダ17に応答遅れが生じてしまう。
【0020】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、車体の傾斜に基づいて保持シリンダを作動させてパンタグラフの姿勢を制御する姿勢制御装置において、車体の中立時には作動油を中立的に油圧閉回路に補充し、保持シリンダを自動的に中立位置に復帰させることができるとともに、車体の傾斜時には油圧閉回路内の油量変化を自動的に調整できるものを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、車体の屋根上で進行方向に対して左右方向に移動自由に構成されたパンタグラフの支持台と、この支持台を左右に駆動する保持シリンダと、この保持シリンダのストローク位置を中立位置に付勢する付勢手段と、車体と台車との間の相対的な傾斜に応じてストロークする傾斜検出シリンダと、この傾斜検出シリンダの両油室と前記保持シリンダの両油室とを互いに連通して作動油を流通させる油圧閉回路とを備え、台車に対して車体を傾斜させる傾斜制御時に傾斜検出シリンダからの作動油を保持シリンダに供給してパンタグラフの支持台を車体の傾斜と反対方向に変位させるパンタグラフの姿勢制御装置において、リザーバと前記油圧閉回路との間に介装された弁手段と、前記傾斜検出シリンダが中立位置にあるときに前記弁手段を開く制御手段とを備え、前記弁手段はオペレートチェック弁であるとともに、前記制御手段は傾斜検出シリンダに連動する連係手段で、傾斜検出シリンダが中立位置にあるときに前記オペレートチェック弁を強制的に開弁させることを特徴とするパンタグラフの姿勢制御装置。
【0023】
の発明は、車体の屋根上で進行方向に対して左右方向に移動自由に構成されたパンタグラフの支持台と、この支持台を左右に駆動する保持シリンダと、この保持シリンダのストローク位置を中立位置に付勢する付勢手段と、車体と台車との間の相対的な傾斜に応じてストロークする傾斜検出シリンダと、この傾斜検出シリンダの両油室と前記保持シリンダの両油室とを互いに連通して作動油を流通させる油圧閉回路とを備え、台車に対して車体を傾斜させる傾斜制御時に傾斜検出シリンダからの作動油を保持シリンダに供給してパンタグラフの支持台を車体の傾斜と反対方向に変位させるパンタグラフの姿勢制御装置において、アキュムレータと、このアキュムレータと前記油圧閉回路との間に介装された弁手段と、前記傾斜検出シリンダが中立位置にあるときに前記弁手段を開く制御手段とを備え、前記弁手段はオペレートチェック弁であるとともに、前記制御手段は傾斜検出シリンダに連動する連係手段で、傾斜検出シリンダが中立位置にあるときに前記オペレートチェック弁を強制的に開いて前記アキュムレータ側から前記油圧閉回路側に作動油を流入させるようにした。
【0025】
の発明は、前記連係手段は、前記傾斜検出シリンダのロッドと連係して変位するカムと、このカムの変位によりカム面上を転動しカム面に対して上下動するローラと、このローラのカム面上での上下動と連係して前記弁手段の弁体を移動させる手段とから構成される。
【0026】
の発明は、前記弁手段は電磁弁であるとともに、前記制御手段は前記傾斜検出シリンダが中立位置にあるときにこの電磁弁を開くように電磁弁への通電を制御する。
【0027】
の発明は、前記電磁弁への電力供給の電気回路上にリミットスイッチを介装するとともに、前記制御手段は前記傾斜検出シリンダが中立位置にあるときに前記電磁弁を開くようにこのリミットスイッチをオンまたはオフする。
【0028】
の発明は、前記傾斜検出シリンダのストロークを検出する変位センサを備え、前記制御手段はこの変位センサの検出結果に基づいて前記電磁弁への通電を制御する。
【0029】
【発明の作用および効果】
第1、第の発明では、車体を台車に対して傾ける傾斜制御と同時に、この車体と台車との傾斜を相殺して、車体の屋根上のパンタグラフを架線に正対させるパンタグラフの姿勢制御が行われる。すなわち、傾斜検出シリンダのストロークにしたがって保持シリンダへ作動油が導入され、保持シリンダがパンタグラフを支持する支持台を動かすことにより、パンタグラフが適切な位置に制御される。この場合、傾斜検出シリンダと保持シリンダとを結ぶ油圧回路は通常は閉回路となるので、保持シリンダへの油圧供給の応答性が確保される。
【0030】
一方、傾斜制御が行われず、傾斜検出シリンダが中立位置にあるときには、弁手段は開放され、第1の発明ではリザーバと油圧閉回路が、第の発明ではアキュムレータと油圧閉回路が、それぞれ同圧となり、作動油の余剰分または不足分は自動的に調整される。したがって、保持シリンダは、付勢手段に付勢されて自動的に中立位置に復帰し、このために作動油の供給などのメンテナンスが不要となる。また、この場合、第の発明では、アキュムレータの設定圧を変更することにより、低圧側の圧力を適切に設定できる。
【0031】
さらに、、第の発明では、傾斜制御(姿勢制御)中に油圧閉回路からの作動油が漏れ出したりした場合など、油圧閉回路内の作動油が足りなくなり、油圧回路内の油圧が所定の低圧より低くなってしまったときには、弁手段であるオペレートチェック弁を介して、第の発明ではリザーバから、また第の発明ではアキュムレータから、作動油が油圧閉回路内に流入し、油圧閉回路内の作動油の不足分は直ちに補給される。
【0032】
の発明では、傾斜検出シリンダのストロークが、カム機構からなる機械的な連係手段を介して、弁手段であるオペレートチェック弁のポペットに直接的に伝達される。この場合、カムの形状により、オペレートチェック弁の開閉のタイミングを適切に調整でき、傾斜検出シリンダの油室の圧力の上昇および下降のタイミングを適切に制御できる。
【0033】
〜第の発明では、弁手段は電磁弁であり、この電磁弁への通電が傾斜検出シリンダのストロークに応じて制御される。したがって、電磁弁の開閉を、外部からの電力供給の有無によって制御することも可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0035】
図1には、本実施の形態の姿勢制御装置の特徴となる構成を取り出して示す。なお、この本実施の形態の姿勢制御装置は、図6〜図10に示す姿勢制御装置の構成と同様の基本的構成に、図1に示した構成が加えられたものである。したがって、以下、従来と同様の構成の説明は省略し、図1にしたがって、この本発明の特徴となる構成について説明する。
【0036】
図示されるように、本実施の形態では、保持シリンダ17側に連通する油圧回路30a、30bは、それぞれリリーフ弁36a、36bを介して、アキュムレータ(またはリザーバ)80に接続される。
【0037】
このアキュムレータ80は所定の低圧に設定され、回路30a、30bの圧力が所定の高圧値に達したならば、リリーフ弁36a、36bが圧し開かれ、作動油の一部が、回路30a、30bからアキュムレータ80へと逃がされて、高温時などの回路圧力の異常上昇を回避するようになっている。
【0038】
さらに、傾斜検出シリンダ22a、22bの各油室26a、26bは、これらの油室ごとに設けられたオペレートチェック弁51を介して、アキュムレータ80に接続される。これにより、傾斜制御時に油圧回路28a、30aまたは28b、30bが負圧になったときに、油圧回路28a、30aまたは28b、30bからの作動油が、オペレートチェック弁51を介してアキュムレータ80側から油室26a、26b側へ流れ込むようになっている。
【0039】
また、各傾斜検出シリンダ22a、22bのロッド29a、29bは、それぞれリンク機構52a、52bを介して、軸状のカム53a、53bと連係する。これらのカム53a、53bの外周の一部にはカム面54が形成される。このカム面54上には4つのローラ(またはボールベアリング)55が配設され、これらのローラ55は、それぞれロッド56を介してオペレートチェック弁51に連係している。
【0040】
なお、カム53a、53bは、傾斜検出シリンダ22a、22bが中立位置にあるときには、カム面54の高い位置にローラ55が来るように、また、傾斜検出シリンダ22a、22bが中立位置からずれたときには、カム面54の低い地位にローラ55が来るように、その摺動位置が設定される。
【0041】
図2には、オペレートチェック弁51周辺の構成を詳細に示す。
【0042】
図示されるように、一対のオペレートチェック弁51のバルブボディ60は、カム53両側に配設される。このバルブボディ60内部では、ポペット61が、バルブボディ60の底面側に嵌め込まれた弁座62の中空部に、スリーブ63を介して摺動自在に収容されている。このポペット61と弁座62の間にはスプリング64が設けられ、ポペット61は、このスプリング64により弁座62と離間する方向に付勢され、その先端を、後述するリング部材67中央の開口に嵌合させている。
【0043】
ロッド56は、バルブボディ60の上面に開口した摺動穴65に、基端部56a側から摺動可能に収容される。ロッド56は、その一部に形成された大径部56bの外周に装着されたシール59により、摺動穴65の内周とぴったり嵌合して、摺動穴65からの作動油の流出が防止される。また、摺動穴65の開口付近には位置決めリング66が固設され、この位置決めリング66に大径部56bの端部に当接することにより、ロッド56の摺動穴65からの抜け出しが防止されるようになっている。
【0044】
また、ロッド56の大径部56bの下方の基端部56a側は、小径部56cとなっている。そして、この小径部56cに隣接した摺動穴65の内周面には、アキュムレータ80に連通するアキュムレータ側ポート68が開口し、小径部56c外周には作動油が流通するようになっている。
【0045】
基端部56a下方の摺動穴65の底部にはリング部材67が固設され、前述のポペット61は、このリング部材67の奥側に配置される。さらに、ポペット61に隣接しては、傾斜検出シリンダ22a、22bの油室26a、26bのいずれかに連通するシリンダ側ポート69が開口している。ポペット61は、ロッド56の基端部56aによって押し込まれないとき(すなわち、ロッド56先端のローラ55がカム面54の低い位置にある傾斜制御時)には、アキュムレータ側ポート68とシリンダ側ポート69との間の作動油の流通に対してチェック弁として作用し、シリンダ側ポート69の圧力が所定値よりも小さくなったとき(例えば負圧となったとき)に、アキュムレータ側ポート68からシリンダ側ポート69側に作動油を流れ込ませるようになっている。
【0046】
これに対して、ローラ55がカム面54の高い位置に来たとき(すなわち傾斜検出シリンダ22a、22bが中立位置にありバランスしているとき)には、摺動穴65内に押し込まれたロッド56の基端部56aが、それまでは縁が切れていたポペット61先端に当接して、ポペット61をスプリング64に抗して弁座62側に押し込み、オペレートチェック弁51を強制的に圧し開く。これにより、アキュムレータ側ポート68とシリンダ側ポート69の間では、作動油が自由に流通し、傾斜検出シリンダ22a、22bの油室26a、26b側(油圧回路28a、28b側)とアキュムレータ80側とは同圧になる。
【0047】
なお、傾斜検出シリンダ22a、22bのストロークによる油室26a、26bの圧力の上昇および下降のタイミングは、傾斜検出シリンダ22a、22bのストローク方向によって決まって来る。したがって、例えば図3に示すように、カム面54の高い位置から低い位置へ向かう傾斜を、油室26a、26bの圧力が上昇する方向には急な傾斜に形成し、油室26a、26bの圧力が上昇する方向には緩やかな傾斜に形成する等して、オペレートチェック弁51の開閉のタイミングを適切なものに調整することができる。
【0048】
つぎに作用を説明する。
【0049】
鉄道車両は、曲線走行時などに、車体3を台車4に対して曲線路内方に向けて傾ける傾斜制御を行う。このため、パンタグラフ1の姿勢制御装置は、車体3上方に支持されるパンタグラフ1が架線6に対して中心で接触するように、パンタグラフ1の姿勢を制御する。すなわち、車体3の傾斜に応じて、傾斜検出シリンダ22a、22aが中立状態からストロークし、一方の油室26aまたは26bから作動油が排出される.これに伴い、回路28aまたは28bに送り込まれた作動油は、回路30aまたは30bから保持シリンダの一方の油室18aまたは18bに送り込まれ、保持シリンダ17をストロークさせる。これにより、保持シリンダ17に連係するパンタグラフ1の支持台2は、車体3の傾斜と反対方向に傾斜し、パンタグラフ1は架線6に対して正対する位置を保ち続ける。
【0050】
ところで、このような傾斜制御時においては、油圧回路28a、28b、30a、30b側と、アキュムレータ80側との間のオペレートチェック弁51は、チェック弁として作用している。すなわち、傾斜検出シリンダ22a、22bが中立位置からずれたときには、カム53の移動によりローラ55がカム面54の低い位置が来るようになっている。このため、ポペット61は、ローラ55を先端に備えたロッド56の基端部56aによって押し込まれることはなく、オペレートチェック弁51は、油圧回路28a、28b側の圧力が所定値よりも小さくなったとき(例えば負圧となったとき)に、アキュムレータ80側から油圧回路28a、28b側に作動油を流れ込ませる。これにより、本発明の姿勢制御装置は、車両の傾斜制御時にパンタグラフ1の姿勢制御を問題なく行いつつ、この制御において油圧回路30a、30bからリリーフ弁36a、36bを介して作動油が排出され、油圧回路28a、28b、30a、30bに負圧が生じてしまったときには、直ちにアキュムレータ80から作動油の補給がなされ、保持シリンダ17の中立位置に狂いが生じることはない。
【0051】
また、車両の非傾斜制御時など、傾斜検出シリンダ22a、22bが中立位置に戻ったときには、オペレートチェック弁51は、強制的に圧し開けられて、油圧回路28a、28b、30a、30b側とアキュムレータ80側とで作動油を自由に流通させる。すなわち、この場合には、ローラ55はカム面54の高い位置に位置し、ロッド56は摺動穴65内に押し込まれて基端部56aでポペット61先端をスプリング64に抗して弁座62側に押し込み、オペレートチェック弁51は、強制的に開放となる。これにより、油圧回路28a、28b、30a、30bはアキュムレータ80側と同圧になり、保持シリンダ17のピストン両側の油室18aと18bもこれと同圧となるので、保持シリンダ17は、付勢手段90(例えば図6〜図10の復元シリンダ20a、20b)の付勢力のバランスによって自動的に中立位置に復帰する。
【0052】
このように本発明によれば、姿勢制御装置を構成する油圧回路28a、28b、30a、30bから作動油の漏れがあったとしても、不足の作動油はオペレートチェック弁51を介して自動的に補給され、保持シリンダ17を確実に中立位置に復帰させることができる。
【0053】
図4には、本発明の他の実施の形態を示す。
【0054】
この実施の形態は、図1の実施の形態に比較して、オペレートチェック弁51を電磁弁であるオペレートチェック弁71に変更するとともに、このオペレートチェック弁71への電力供給をON/OFFするリミットスイッチ72に、ロッド56基端を連係させた点でのみ異なっている。
【0055】
すなわち、傾斜検出シリンダ22a、22bが中立位置にあるとき(非傾斜制御時)には、リミットスイッチ72は切断でオペレートチェック弁71には電力供給がなされず、オペレートチェック弁71は開放の弁ポジションをとる。これにより、油圧回路28a、28b、30a、30bは、アキュムレータ80側と同圧となり、保持シリンダ17は付勢手段90の作用により自動的に中立位置に復帰する。
【0056】
これに対して、傾斜検出シリンダ22a、22bが中立位置からずれたとき(傾斜制御時)には、ロッド56の移動にともなってリミットスイッチ72が接続され、電力供給がなされたオペレートチェック弁71はチェック弁として作用する弁ポジションを採る。これにより、油圧回路28a、28b側の圧力が所定値よりも小さくなったとき(負圧になったとき)には、オペレートチェック弁71を介して、アキュムレータ80側から油圧回路28a、28b側に作動油が流れ込み、不足の作動油が直ちに補給される。
【0057】
図5には、本発明のさらに他の実施の形態を示す。
【0058】
この実施の形態においては、図4の実施の形態に比較して、カム53、ローラ55、ロッド56、リミットスイッチ72の代わりに変位センサ73(例えばポテンショメータ、またはLVDT、またはMSSC等)を用いたものである。すなわち、変位センサ73は、傾斜検出シリンダ22a、22bのロッド29a、29bとリンク機構52a、52bを介して連係することにより、傾斜検出シリンダ22a、22bが中立位置からずれたことを検知し、この検知にしたがってオペレートチェック弁71に電力が供給される。これにより、オペレートチェック弁71は、傾斜検出シリンダ22a、22bが中立位置にあるときの開放の弁ポジションから、チェック弁として作用する弁ポジションに切り換えられ、パンタグラフ1の姿勢制御が行われる。
【0059】
これら図4、図5に示した実施の形態のように、オペレートチェック弁71として電磁弁を採用すれば、オペレートチェック弁71の開閉を外部からの電力供給のON/OFFによって制御することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す構成図である。
【図2】同じくオペレートチェック弁を示す断面図である。
【図3】同じくカムを示す説明図である。
【図4】同じく他の実施の形態を示す構成図である。
【図5】同じくさらに他の実施の形態を示す構成図である。
【図6】パンタグラフの姿勢制御装置を備えた車両を示す斜視図である。
【図7】パンタグラフの平面図である。
【図8】パンタグラフの正面図である。
【図9】傾斜検出シリンダの側面図である。
【図10】姿勢制御装置の油圧回路図である。
【符号の説明】
1 パンタグラフ
2 支持台
3 車体
4 台車
13 T型アーム部
17 保持シリンダ
20a、20b 復元シリンダ
22a、22b 傾斜検出シリンダ
28a、28b 油圧回路
29a、29b 傾斜検出シリンダのロッド
30a、30b 油圧回路
36a、36b リリーフ弁
51 オペレートチェック弁
52a、52b リンク機構
53a、53b カム
54 カム面
55 ローラ
56 ロッド
71 オペレートチェック弁
72 リミットスイッチ
73 変位センサ
80 アキュムレータ
90 付勢手段

Claims (6)

  1. 車体の屋根上で進行方向に対して左右方向に移動自由に構成されたパンタグラフの支持台と、
    この支持台を左右に駆動する保持シリンダと、
    この保持シリンダのストローク位置を中立位置に付勢する付勢手段と、
    車体と台車との間の相対的な傾斜に応じてストロークする傾斜検出シリンダと、
    この傾斜検出シリンダの両油室と前記保持シリンダの両油室とを互いに連通して作動油を流通させる油圧閉回路とを備え、
    台車に対して車体を傾斜させる傾斜制御時に傾斜検出シリンダからの作動油を保持シリンダに供給してパンタグラフの支持台を車体の傾斜と反対方向に変位させるパンタグラフの姿勢制御装置において、
    リザーバと前記油圧閉回路との間に介装された弁手段と、
    前記傾斜検出シリンダが中立位置にあるときに前記弁手段を開く制御手段とを備え
    前記弁手段はオペレートチェック弁であるとともに、前記制御手段は傾斜検出シリンダに連動する連係手段で、傾斜検出シリンダが中立位置にあるときに前記オペレートチェック弁を強制的に開弁させることを特徴とするパンタグラフの姿勢制御装置。
  2. 車体の屋根上で進行方向に対して左右方向に移動自由に構成されたパンタグラフの支持台と、
    この支持台を左右に駆動する保持シリンダと、この保持シリンダのストローク位置を中立位置に付勢する付勢手段と、
    車体と台車との間の相対的な傾斜に応じてストロークする傾斜検出シリンダと、
    この傾斜検出シリンダの両油室と前記保持シリンダの両油室とを互いに連通して作動油を流通させる油圧閉回路とを備え、
    台車に対して車体を傾斜させる傾斜制御時に傾斜検出シリンダからの作動油を保持シリンダに供給してパンタグラフの支持台を車体の傾斜と反対方向に変位させるパンタグラフの姿勢制御装置において、
    アキュムレータと、
    このアキュムレータと前記油圧閉回路との間に介装された弁手段と、
    前記傾斜検出シリンダが中立位置にあるときに前記弁手段を開く制御手段とを備え
    前記弁手段はオペレートチェック弁であるとともに、前記制御手段は傾斜検出シリンダに連動する連係手段で、傾斜検出シリンダが中立位置にあるときに前記オペレートチェック弁を強制的に開いて前記アキュムレータ側から前記油圧閉回路側に作動油を流入させるようにしたことを特徴とするパンタグラフの姿勢制御装置。
  3. 前記連係手段は、前記傾斜検出シリンダのロッドと連係して変位するカムと、このカムの変位によりカム面上を転動しカム面に対して上下動するローラと、このローラのカム面上での上下動と連係して前記弁手段の弁体を移動させる手段とから構成されることを特徴とする請求項または請求項に記載のパンタグラフの姿勢制御装置。
  4. 前記弁手段は電磁弁であるとともに、前記制御手段は前記傾斜検出シリンダが中立位置にあるときにこの電磁弁を開くように電磁弁への通電を制御することを特徴とする請求項1または請求項に記載のパンタグラフの姿勢制御装置。
  5. 前記電磁弁への電力供給の電気回路上にリミットスイッチを介装するとともに、前記制御手段は前記傾斜検出シリンダが中立位置にあるときに前記電磁弁を開くようにこのリミットスイッチをオンまたはオフすることを特徴とする請求項に記載のパンタグラフの姿勢制御装置。
  6. 前記傾斜検出シリンダのストロークを検出する変位センサを備え、前記制御手段はこの変位センサの検出結果に基づいて前記電磁弁への通電を制御することを特徴とする請求項に記載のパンタグラフの姿勢制御装置。
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