JP3868064B2 - 配送伝票 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、百貨店の商品や運送会社の宅配荷物に貼付する配送伝票に関し、特に荷物の受注から顧客の受取までを1枚のシートで管理することが可能な配送伝票に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の配送伝票は、感圧紙を複数枚積層した伝票が広く普及している。しかし、この種の配送伝票では、宛名等を書き込む際に、強い圧力を加えないと一番下の伝票まで鮮明に書き込むことができないため、ボールペンやインパクトプリンターを使用せざるを得なかった。そのため、伝票の記入に時間がかかり、短期間に多量の荷物を扱う百貨店等から配送伝票の発行のスピードアップが望まれていた。
【0003】
そうした市場からの要請を受けて、高速印字が可能なノンインパクトプリンターを使用できる配送伝票が開示されている(特開平7−134554公報)。
この配送伝票によれば、ノンインパクトプリンターを使用でき、配送伝票の発行が短時間で行える。また、発送者、配送者、受取人等は、この配送伝票に疑似接着されている受領証部等を剥がして、各工程の作業終了の確認を行うとともに、剥がされた受領証部の下層に印字されている「作業終了確認」等の文字を見て、前工程の進行状況を容易に把握できていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した配送伝票では、配送伝票を貼付した荷物の模様によっては、受領証部の下層に印字されている文字が見づらかった。この文字が、「受注確認」などのように文字数が少ないときは、文字を大きく書いたり、着色したりすることで確認できていたが、受取人への伝達情報など細かい文字が書かれているときや、或いは、荷物の包装紙が、多くの文字の書かれているデザインであるときなどには、包装紙の文字と伝達情報の文字が重なってしまい、伝達情報が非常に見づらかった。
【0005】
本発明の課題は、ノンインパクトプリンターによる高速印字を可能とし、かつ、受領証部の分離が容易に行え、受領証部の分離後、伝達情報が見やすい、配送伝票を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、宛先表示部と受領証部とを備える表示基材と、前記表示基材の受領証部の下面側に形成された剥離層と、少なくとも前記剥離層の下面側に形成され、前記受領証部の剥離後に目視可能な伝達情報を表示する伝達情報表示層と、前記伝達情報表示層の下面側に形成され、前記受領証部を剥離可能に接着する目止め層と、前記目止め層の下面側に形成され、前記表示基材を荷物に貼付可能な粘着剤層とを有し、前記目止め層が、前記荷物の模様・絵柄を隠蔽可能に着色されていることを特徴とする配送伝票である。
【0007】
また、本発明は、宛先表示部と受領証部とを備える表示基材と、前記表示基材の受領証部の下面側に形成された剥離層と、少なくとも前記剥離層の下面側に形成され、前記受領証部の剥離後に目視可能な伝達情報を表示する伝達情報表示層と、前記伝達情報表示層の下面側に形成され、前記受領証部を剥離可能に接着する透明又は半透明の目止め層と、前記目止め層の下面側に形成され、前記表示基材を荷物に貼付可能な粘着剤層と、前記伝達情報表示層と前記目止め層との間に介在し、前記荷物の模様・絵柄を隠蔽する遮蔽層とを有することを特徴とする配送伝票である。
【0012】
本発明では、表示基材は、その下層に剥離層を有する控え票をさらに備えるようにしてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の実施の形態について、さらに詳しくに説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による配送伝票の第1実施形態を示す図である。
配送伝票10は、図1(C)に示すように、表示基材11と、目止め層12と、伝達情報表示層12aと、粘着剤層13と、剥離基材14とを備えている。
【0014】
表示基材11は、図1(A)に示すように、受取人の宛名等を表示する宛先表示部11aと、荷物が受取人に届いたときに受領印を捺す受領証11bと、配送拠点で使用する控え票11c、11dとを備え、切り離し予定線11eで区画されている。
表示基材11としては、クラフト紙,上質紙,複写用紙,グラシン紙,パーチメント紙,レーヨン紙,コート紙,合成紙,樹脂フィルムによりラミネートされた紙等の紙が好適に用いられるが、セロファン,延伸ポリプロピレン,ポリエチレンテレフタレート,延伸ポリスチレン,ポリ塩化ビニル等の樹脂フィルムであってもよい。表示基材の厚さは、通常は、20〜200μm程度が好ましい。
【0015】
受領証11b、控え票11c、11dは、下面に剥離層11fを有しており、目止め層12に剥離可能に接着されている。
剥離層11fとしては、接着性の低い樹脂を使用することが望ましく、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブチレン等のオレフィン系(共)重合体を用いることが最も好ましいが、他にも、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、セルロース樹脂等の熱可塑性樹脂およびこれらの混合物からなるフィルムでもよい。また、ポリウレタン等の熱硬化性樹脂等から形成されたフィルムを用いてもよい。さらに、所望に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤、フィラー等が添加されていてもよい。
【0016】
剥離層11fの塗布量・塗布厚は特に限定されないが、好ましくは、塗布量は0.1〜10g/m2 であり、塗布厚は0.1〜10μmである。また、目止め層12との接着力は、T字剥離法(300mm/min)で、5〜200g/25mmが望ましい。
なお、表示基材11が、樹脂フィルムのときは、剥離層を省略してもよい。
【0017】
目止め層12は、受領証11b、控え票11c、11dが剥離された後、粘着剤層13の粘着剤を保護する層であり、その下面に伝達情報表示層12aを備える。目止め層12の色は、透明若しくは半透明である。
目止め層12としては、被膜性が高くて軟らかい性質のものが望ましく、ポリウレタンを使用することが最も好ましいが、他にも、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどの透明なシートを用いてもよい。
目止め層12の塗布量・塗布厚は特に限定されないが、好ましくは、塗布量は0.1〜20g/m2 であり、塗布厚は0.1〜20μmである。
【0018】
伝達情報表示層12aは、受領証11b、控え票11c、11dが剥離された後、目視可能となる伝達情報を表示する層であり、目止め層12の下面に鏡像で印刷されている。
印刷方法としては、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷等が用いられる。
また、インキもUV硬化型インキ、酸化重合乾燥型インキ等が使用できる。
【0019】
粘着剤層13は、荷物に配送伝票10を貼付可能とする層であり、アクリル系粘着剤が最も好ましいが、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤等でもよい。
また、粘着剤層13は、下層にある荷物の模様・絵柄を隠蔽して、伝達情報表示層12aの伝達情報を見やすくするために、着色されている。色としては、白色が最も好ましいが、伝達情報表示層12aの伝達情報を見やすければ、銀色など他の色でもよい。
粘着剤層13の塗布量・塗布厚は、特に限定されないが、好ましくは、塗布量は0.1〜50g/m2 であり、塗布厚は0.1〜50μmである。
粘着剤層13の粘度は、配送伝票を後述の通り作製するため、10000〜100000mPa・s程度が望ましい。
荷物等の被着体に対する粘着剤層13の接着力は、剥離層11fと粘着剤保護層12との接着力よりも大きい必要があり、荷物等の被着体に応じて、適宜、調整が必要である。
また、剥離紙14と粘着剤層13との接着力は、製品の使用時に、剥離層11fと粘着剤保護層12を剥離させないために、剥離層11fと粘着剤保護層12との接着力よりも小さい必要がある。
【0020】
粘着剤層13の着色方法としては、以下の方法を用いることができる。
(1)顔料を含ませる方法
顔料としては、酸化チタン、マイクロシリカ、炭酸カルシウム、クレー、PMMA粒子、PSt粒子、ポリオレフィン粒子である。また、アルミ粉や鉄粉でもよい。顔料分の粒径は0.1〜50μm程度が好ましい。
(2)粘着剤層の表面を粗面化する方法
粘着剤の揮発成分、乾燥条件を調整して、ブラッシング現象を発生させる。粘着剤層が粗面化するため、光を乱反射し、白色に見える。
(3)粘着剤の粘着粒子そのものの粒径を大きくする方法
天然ゴムのように粒径の大きいものを使えば、粘着剤の粒子そのものが大きいため粘着剤層が白濁する。
(4)粘着剤に発泡剤を含ませる方法
発泡剤の一例としては、各種発泡カプセル、シラスバルーン等が挙げられる。
乾燥工程において、粘着剤中に気泡が残るため、粘着剤層は白濁化する。
【0021】
剥離基材14は、紙、織物、プラスチックフィルム等から形成されており、この上面、すなわち、粘着剤層13の側の面には、シリコーン系離型剤などにより剥離処理がなされている。剥離基材14の厚さは、特に限定はされないが、通常20〜200μm、好ましくは40〜100μm程度である。
【0022】
配送伝票10は、以下のように作製する。
(1)表示基材11に剥離層11f、目止め層12をこの順で積層し、伝達情報を鏡像で印刷する。
(2)一方、剥離基材14に粘着剤層13を形成する。このとき、剥離基材14の離型剤に弾かれないように粘着剤層13の粘着剤の粘度を高くしておくことが好ましく、前述の通り、粘度は、10000〜100000mPa・s程度が望ましい。
(3)最後に、(1)で作られた表示基材と、(2)で作られた粘着剤層を貼り合わせる。
【0023】
配送伝票10は、以下のように使用する。
配送伝票10は、宛先表示部11a、受領証11b、控え票11c、11dに必要な情報をノンインパクトプリンターで高速印字される。
発送者は、配送伝票10の剥離基材14を剥がして荷物に貼付する。そして、控え票11cを剥がして発送控えとし、荷物を発送する。
次に荷物は、配送拠点に到着し、配送拠点の配送人は、控え票11dを剥がして配送控えとし、荷物を受取人に届ける。
受取人は、荷物を受け取ると、受領証に受領印を捺して、受領証を配送人に渡す。そして、受取人は、配送伝票に書かれたさまざまな伝達情報を目視することができる(図1(B))。
【0024】
このように本実施形態によれば、ノンインパクトプリンターを使用して、表示基材に高速印字ができる。また、受領証11b、控え票11c、11dが剥離された後、伝達情報が目視できるので(図1(B))、配送伝票10が小さくても、多くの伝達情報が書き込める。
さらに、粘着剤層13は、着色されているので、伝達情報表示層12aの伝達情報を見やすい。
【0025】
(第2実施形態)
図2は、本発明による配送伝票の第2実施形態に係る積層状態を示した図である。
なお、前述した第1実施形態と同様な機能を果たす部分には、末尾が共通した符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
配送伝票20は、表示基材21と、目止め層22と、伝達情報表示層22aと、隠蔽層22bと、粘着剤層23と、剥離基材24とを備えている。
この配送伝票20は、第1実施形態の配送伝票10に対して、伝達情報表示層の下に隠蔽層22bを設けたものである。
【0026】
隠蔽層22bは、下層にある荷物の模様・絵柄を隠蔽して、伝達情報表示層22aの伝達情報を見やすくするための層である。隠蔽層22bは、伝達情報表示層22aを目止め層22の下面に鏡像で印刷するときに、伝達情報表示層22aそのものを2色以上で印刷して、背景を有色印刷して、隠蔽層としたものである。隠蔽層22bの色は、白色が最も好ましいが、伝達情報表示層22aの伝達情報が見やすければ、銀色など他の色でもよい。
【0027】
本実施形態によれば、隠蔽層22bが、下層にある荷物の模様・絵柄を隠蔽するので、粘着剤層23の色は制約を受けることなく、入手しやすいものを使用することができる。
【0028】
(第3実施形態)
図3は、本発明による配送伝票の第3実施形態に係る積層状態を示した図である。
配送伝票30は、表示基材31と、伝達情報表示層32aと、隠蔽層32bと、目止め層32と、粘着剤層33と、剥離基材34とを備えている。
この配送伝票30は、第2実施形態の配送伝票20に対して、伝達情報表示層、隠蔽層を目止め層の上に移動したものである。
【0029】
伝達情報表示層32aは、目止め層32の上面に、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷等で印刷されている。
隠蔽層32bは、下層にある荷物の模様・絵柄を隠蔽して、伝達情報表示層32aの伝達情報を見やすくするための層であり、伝達情報表示層32aを印刷するときに、伝達情報表示層32aそのものを2色以上で印刷して、背景を有色印刷して隠蔽層とする。
隠蔽層32bの色は、白色が最も好ましいが、伝達情報表示層32aの伝達情報を見やすければ、銀色など他の色でもよい。
【0030】
本実施形態によれば、隠蔽層32bが、下層にある荷物の模様・絵柄を隠蔽するので、目止め層32、粘着剤層33の色は制約を受けることなく、入手しやすいものを使用することができる。
【0031】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
例えば、図4(A)に示すような、配送伝票40を使用してもよい。この配送伝票40は、第1実施形態の配送伝票10に対して目止め層と伝達情報表示層を入れ替えたものであり、表示基材41、伝達情報表示層42a、目止め層42、粘着剤層43、剥離基材44の順に積層した。
この場合は、少なくとも目止め層42又は粘着剤層43のうちのいずれかひとつを着色すれば、伝達情報が見やすくなる。
【0032】
また、図4(B)に示すような、配送伝票50を使用してもよい。この配送伝票50は、配送伝票40に対して目止め層の下に隠蔽層を設けたものであり、表示基材51、伝達情報表示層52a、目止め層52、隠蔽層52b、粘着剤層53、剥離基材54の順に積層した。
この場合は、隠蔽層52bが、下層にある荷物の模様・絵柄を隠蔽するので、目止め層52、粘着剤層53の色は制約を受けることなく、入手しやすいものを使用することができる。
【0033】
さらに、粘着剤層の下層に、粘着剤を保護するための剥離基材はなくてもよい。その場合、粘着剤層は、剥離基材上に形成するのではなく、目止め層等に直接形成すればよい。
【0034】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明の配送伝票によれば、表示基材に宛先表示部、受領証部等を備え、各工程ごとに受領証等を剥がしていくので、荷物の受注から顧客の受取までを1枚のシートで管理することが可能である。
【0035】
また、本発明では、伝達情報表示層の下側に配置された目止め層が着色するか又は伝達情報表示層との間に遮蔽層を介在させているので、荷物の模様・絵柄が目止め層又は遮蔽層によって隠蔽され、伝達情報表示層の伝達情報を見やすいという効果がある。
【0036】
さらに、表示基材は、その下層に剥離層を有する控え票を備えるので、その控え票を各配送拠点の管理に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による配送伝票の第1実施形態を示す図である。
【図2】本発明による配送伝票の第2実施形態に係る積層状態を示す図である。
【図3】本発明による配送伝票の第3実施形態に係る積層状態を示す図である。
【図4】本発明による配送伝票の第4実施形態、第5実施形態に係る積層状態を示す図である。
【符号の説明】
10 配送伝票
11 表示基材
11a 宛先表示部
11b 受領証部
11c、11d 控え票部
11e 切り離し予定線
11f 剥離層
12 目止め層
12a 伝達情報表示層
13 粘着剤層
14 剥離基材
Claims (3)
- 宛先表示部と受領証部とを備える表示基材と、
前記表示基材の受領証部の下面側に形成された剥離層と、
少なくとも前記剥離層の下面側に形成され、前記受領証部の剥離後に目視可能な伝達情報を表示する伝達情報表示層と、
前記伝達情報表示層の下面側に形成され、前記受領証部を剥離可能に接着する目止め層と、
前記目止め層の下面側に形成され、前記表示基材を荷物に貼付可能な粘着剤層とを有し、
前記目止め層が、前記荷物の模様・絵柄を隠蔽可能に着色されていることを特徴とする配送伝票。 - 宛先表示部と受領証部とを備える表示基材と、
前記表示基材の受領証部の下面側に形成された剥離層と、
少なくとも前記剥離層の下面側に形成され、前記受領証部の剥離後に目視可能な伝達情報を表示する伝達情報表示層と、
前記伝達情報表示層の下面側に形成され、前記受領証部を剥離可能に接着する透明又は半透明の目止め層と、
前記目止め層の下面側に形成され、前記表示基材を荷物に貼付可能な粘着剤層と、
前記伝達情報表示層と前記目止め層との間に介在し、前記荷物の模様・絵柄を隠蔽する遮蔽層とを有することを特徴とする配送伝票。 - 請求項1又は2に記載の配送伝票において、
前記表示基材は、その下層に剥離層を有する控え票をさらに備えることを特徴とする配送伝票。
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