JP3865584B2 - 曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用、車両用等に好適な紫外線遮蔽性、プライバシー性、断熱特性、電波低反射性等を有する曲げ加工及び/又は強化加工のための加熱処理が可能な電波透過型プライバシーガラスに関する。
【0002】
【従来技術】
スパッタリング法によるコーティングガラスは、通常平面板に成膜されるのが一般的であったが、最近は建築用や車両用の用途として曲面形状を有する曲げガラスが用いられるようになってきた。従来、これらの曲げ製品は、曲げ加工された曲げガラスに成膜していた。しかしながら、曲げガラスに成膜する事は、その形状から膜を均一に成膜する事は難しくムラになり易く、曲げの曲率が大きいと素板ガラスを精密に洗浄できない或いは成膜装置自体に入らないという問題があった。従って、本来成膜後に曲げや強化を行えば品質や生産性の点で優れたものになる事は判かっていたが、従来の膜を加熱処理すると、本来有していたプライバシー性能や断熱性能が失われてしまうという問題があった。
【0003】
スパッタリング法によるコーティング被膜としては、可視光線及び赤外線を反射吸収する膜としてステンレス、Cr、NiCr、Ti等よりなる金属膜やTiN、窒化ステンレス、CrN等よりなる窒化物膜が膜構成の一部に使用されている。これらの膜は、曲げ加工や強化加工のための加熱処理を行うと、大気中の酸素やガラス中の酸素と容易に反応し、膜の体積膨張による膜のひび割れや剥離を生じたり、金属膜や窒化物膜が透明酸化物膜に変化することにより、本来有していた断熱性能(熱線遮断性能)やプライバシー性能(可視光線低透過率性能)を失ってしまうという問題があった。特に、窒化物を用いた膜は、350度付近の比較的低い加熱処理でも容易に酸化されてしまう。
また、これらの金属膜や窒化物膜は、電気的に低抵抗であるので、建物の外装窓ガラスにそれらの膜を使用した場合には該ガラスを用いたビルの周辺にTVゴーストが発生したり、或いは自動車用窓ガラスに用いた場合には、自動車用ガラスアンテナのアンテナ性能を悪化させる等の電波障害を起こす。
【0004】
従来、金属膜を用いた膜付きガラスの前記加熱処理による問題を改善する種々の特許出願が開示されている。例えば、ガラス基板表面に窒化クロム被膜が形成され、その上層にAlを含む被膜が形成された熱線反射ガラスを曲げ加工してなる曲げ熱線反射ガラスに関する特開昭63−265846号公報、金属コーティングされた平板ガラスを曲げ加工する大型曲面ガラスの製法に関する特開平3−16926号公報、ガラス基板表面にSUS、Ti、Ta、Cr、Zr、Niまたはそれらの合金からなる少なくとも1層の金属或いは窒化物薄膜をSi、Alまたはその合金の窒化物薄膜でもって挟み込むようにした多層膜を積層してなる熱的加工可能な断熱ガラスに関する特開平5−124839号公報、ガラス基板上に熱線遮断膜または導電性膜、非酸化物膜または完全には酸化されていない膜よりなる保護膜を形成した多層膜を有する被覆ガラスに熱処理を施してなる熱処理被覆ガラスの製造方法に関する特開平5−213632号公報、ガラス基板表面に窒化ケイ素の下側被覆層、ニッケル又はニッケル合金を含む金属層、窒化ケイ素の上側被覆層を有する熱処理可能なガラス製品に関する特開平09−183634号公報、ガラス基体表面に窒化クロムおよび窒化チタンからなる群から選ばれた金属的外観を有する透明な金属含有層と、クロム、チタンおよびケイ素からなる群から選ばれる前記金属含有層と異なる金属を有する熱処理可能な金属被覆物品に関する特開平11−302845号公報、基材表面にケイ素膜、ステンレス膜、保護膜が順次積層され、加熱曲げ成形時に50%未満にミラーの反射率を低下させないようにした熱成形可能なミラーに関する特表2000−501194号公報等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の特開昭63−265846号、特開平5−124839号、特開平5−213632号、特開平09−183634号、特開平11−302845号、特表2000−501194号の発明は、金属膜及び窒化物膜を使用しており、特にスパッタリング法により成膜された該金属膜及び窒化物膜は結晶化が十分ではなく、アモルファスの状態で不完全な膜であり容易に酸化される性質をもっているので基本的には酸化を防ぐ事は不可能であるという問題がある。また、膜面が内側となる凹曲げの場合、金属及び窒化物はガラスとの膨張率の差が大きく、膜のヒビ割れを生じ易く、さらに、プライバシー性能や断熱特性を発揮させるのに該金属膜或いは窒化物膜に依存していることから、電気的に高抵抗率のものが得られないという問題があり、電波障害の問題が残る。
また、前記特開平3−16926号の発明は、スパッタ膜(Ti、Cr、ステンレス等)は非常に酸化し易く、10-1Pa程度の真空または窒素ガス雰囲気でも酸化が生じる。また、ガラス基板より発生する酸素による酸化は依然として防ぐことができないとともに曲げ加工時の膜割れを防ぐことはできないという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意研究した結果、Siを主成分とするSi膜は、約550℃〜700℃での曲げ加工及び/又は強化加工のための加熱処理においても、表面層のみが非常に薄い膜厚で酸化してSiO2になるがそれ以上の酸化は進行せず、加熱処理後も性能の多少の変化が見られるものの基本的な性能が維持でき、曲げ加工時の物理応力に対しても非常に柔軟性があり膜割れが生じにくい性質を有しているとともに、該Si膜は金属でありながらアモルファス構造をしており、構造内の自由電子が非常に少なく表面抵抗値は数GΩ/□と非常に高く、電波反射性能が殆ど無い性能等を有しており、曲げ加工及び/又は強化加工のための加熱処理が可能な電波透過型プライバシーガラスとして好適であることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明の曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラスは、ガラス基板表面に、スパッタリング法により、SnO 2 の誘電体膜、Si成分が100重量%よりなるSi膜、SnO 2 の誘電体膜がこの順に積層されてなり、透明フロートガラス3mm厚さ(FL3)換算で可視光線透過率が5〜70%、可視光線ガラス面反射率が5〜50%であることを特徴とする電波透過型建築用または自動車用の曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラスである。
【0008】
また、本発明の曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラスは、ガラス基板表面に、スパッタリング法により、Si 3 N 4 の誘電体膜、Si成分が100重量%よりなるSi膜、がこの順に積層されてなり、透明フロートガラス3mm厚さ(FL3)換算で可視光線透過率が5〜70%、可視光線ガラス面反射率が5〜50%であることを特徴とする電波透過型建築用または自動車用の曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラスである。
【0009】
またさらに、本発明の曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラスは、加熱処理前後の光学特性の変化値は、透明フロートガラス3mm厚さ(FL3)換算で可視光線透過率及び可視光線ガラス面反射率が何れも5%以下、ガラス面反射色調のa*値及びb*値が何れも4.0以下であることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラスは、加熱処理前のガラスの表面抵抗率は、1MΩ/□以上であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の態様】
本発明の曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラスは、ガラス基板表面に、スパッタリング法により成膜されたSi成分が100重量%よりなるSi膜が被覆されてなることを特徴とする。なお、Si主成分中に15重量%以内のB、P、Ge、Al、Cr、Tiのうちの少なくとも1種を15重量%以下含有することもできる。
【0012】
スパッタリング法により成膜されたSi膜は、金属でありながらアモルファス構造をしており、構造内の自由電子が非常に少なく、表面抵抗率は数GΩ/□と非常に高く、建物の外装窓ガラスにそれらの膜を使用した場合には該ガラスを用いたビルの周辺にTVゴーストが発生したり、或いは自動車用窓ガラスの場合には自動車用ガラスアンテナのアンテナ性能を悪化させる等の電波障害を起こすことがなく電波透過性等の利点を有する。この性能は他の金属膜、窒化物膜には全く見られない特性である。
【0013】
また、Si膜は、紫外・可視・日射(300〜2500nm)の広範囲にわたり反射性能、吸収性能を示し、紫外線遮蔽性、着色しているとともに可視光線透過率が小さく外部からガラスを通して室内、車内が見えにくいという優れたプライバシー性、および赤外域での熱線が吸収され遮断されるので室内、車内に入射する熱線の量が少ないことによる優れた断熱性を有する。特に、紫外域での吸収も非常に優れており紫外光遮蔽膜としての効果も十分に期待できる。
【0014】
さらに、Si膜は、ガラスの曲げ及び/又は強化のための加熱処理を行う場合、約550℃〜700℃の高温度での曲げ加工及び/又は強化加工のための加熱処理においても、表面層のみが非常に薄い膜厚において酸化してSiO2を生成するが、それ以上の厚さには酸化は生じない。従って、加熱処理後も各種の性能値において多少の変化が見られるものの、基本的な性能は維持できる利点を有するとともに曲げ加工時の物理応力に対しても非常に柔軟性があり膜割れが生じにくい性質を有している。
【0015】
また、Si膜の上層或いは下層に、ガラス面の反射率を変動させたり、色調にバリエーションを持たせたりする機能を有するTiO2、SnO2、ZnO、ZnSnxOy、ZnAlxOy、SiO2、Al2O3、Si3N4、Al 3N4、SiNxOy、AlNxOyの内の少なくとも1種よりなる透明な酸化物、窒化物の誘電体膜を設けることができる。
なお、下層に設ける場合には膜厚が約150nm以下、上層に設ける場合には膜厚が約300nm以下で用いることが好ましい。また、ニュートラルな反射色及び低反射率の膜を形成するためには、最適な膜厚設定が必要であり、例えばSnO2やSi3N4をSi膜の下層に用いる場合には60nm〜90nm、Si膜の上層に用いる場合には10nm〜20nmが最適である。さらに、TiO2の場合には、下層に用いる場合には15nm〜25nm、上層に用いる場合には70nm〜90nmが最適である。
【0016】
さらに、Si膜自体は、金属膜の中では比較的耐久性が高い膜(JIS R 3221 B類に合格)であるが、さらに、傷等からSi膜表面を保護する目的で酸化物や窒化物の膜で保護することが好ましく、この目的の上層膜としてはSnO 2 、またはSi 3 N 4 を5nm以上成膜する事が好ましい。
なお、熱加工前後の性能変化を少なくする為にはSi3N4、Al3N4等の窒化物の膜を用いる事がより好ましい。
【0017】
得られた曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラスを曲げ及び/又は強化のための加熱処理を行うには、加熱方式にもよるが、通常、ガラス温度において550〜700℃、好ましくは550〜650℃、で4〜10分程度加熱処理し、曲げのための成形加工或いは強化のための急冷処理を行う。
また、前記のSi膜或いは誘電体膜の成膜方法は、スパッタリング法による成膜方法を基本とするが、Si膜の下層及び上層の両方、又は一方の誘電体膜を成膜する場合にCVD法、溶液スプレー法、真空蒸着法等の成膜方法を組み合わせてもよい。
【0018】
得られた曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラス性能としては、光学特性については、加熱処理前のガラスにおいて、透明フロートガラス3mm厚さ(FL3)換算で可視光線透過率が5〜70%、可視光線ガラス面反射率が5〜50%のものを得ることができる。また、加熱処理前後の光学特性の変化値は、透明フロートガラス3mm厚さ(FL3)換算で可視光線透過率変化値及び可視光線ガラス面反射率変化値が何れも5%以下、ガラス面反射色調のa*変化値及びb*変化値が何れも4.0以下のものを得ることができる。
また、電気特性については、加熱処理前のガラスの表面抵抗率が1MΩ/□以上のものを得ることが出来、これらの高抵抗率のガラスは、車両用或いは建築用等の電波低反射性ガラスとして用いることができる。
なお、ガラス基板としては、ソーダ石灰珪酸塩ガラス組成よりなる汎用のフロート板ガラスが自動車用、車両用ガラス用等として一般に用いられるが、この組成に限定されるものではない。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明は係る実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例で得られた膜付きガラスの品質評価は下記に示す方法で評価した。
(1)表面抵抗率膜表面の表面抵抗率(Ω/□)は、4探針プローブ抵抗計(エプソン社製)により測定。加熱前のガラスの表面抵抗率が1MΩ/□以上を合格とした。
(2)光学特性
可視光線透過率(%)、可視光線ガラス面反射率(%)また、反射色調a*値、b*値(JIS Z 8729 L*a*b*表色系による物体色の表示方法)(波長範囲:380〜780nm)及び日射透過率(%、波長範囲:780〜2500nm)は、U4000型自記分光光度計(日立製作所製)を用いて測定。
なお、前記可視光線透過率、可視光線ガラス面反射率、日射透過率の加熱処理前後の変化値△が±5%以下を合格とした。
また、加熱処理前後のa*値、b*値の変化値△が±4.0以下を合格とした。
【0020】
〔実施例1〜4〕
(1)成膜
実施例1〜4の成膜方法を下記に示す。
ガラス基板として厚さ3mmのフロ−ト板ガラス(FL3)を用い、BOC社のプラナーカソード及びC−MAG(シリドリカルマグネトロン)カソード装置を使用して所定の膜構成及び膜厚となるように成膜を行った。なお、表1に実施例1〜7において成膜するSiおよびSnO 2 、Si 3 N 4 のそれぞれの誘電体層を成膜する場合のプロセスガス条件と成膜圧力の成膜条件を示した。また、表2に実施例1〜4の膜厚及び膜構成を示す。
なお、本実施例のSi膜用のSiターゲットとしては、純度5NでPPM単位のBを含んだ半導体を用いた。
【0021】
【表1】
【0022】
(2)加熱処理
上記で得られた曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラスを650℃に保持された加熱炉内において10分間保持し加熱処理を行った。
但し、比較例2は真空マッフル炉(東京真空製FV−2真空炉)を使用し10-3(Pa)の真空度で650℃で10分間保持し加熱処理を行った。また比較例3は同じ装置を用いて大気圧のN2ガス中で650℃で10分間保持し加熱処理を行った。
【0023】
(3)評価結果
前記実施例1〜4で得られたガラスの性能を評価した結果、表2に示すように加熱処理前後の性能は、可視光線透過率変化値、膜面側可視光線反射率変化値、日射透過率変化値は何れも±5%以下と良好であり、また色調a*、b*の変化値は±4%以下と良好であり、さらに表面抵抗率はいずれも1MΩ/□以上と良好であった。また、外観品質も特に問題はなく、全ての品質において良好であり、電波透過型プライバシガラスとして好適なものであった。
【0024】
【表2】
【0025】
比較例1〜5は、実施例と同様に表2の膜構成になるように成膜したのち、実施例と同様に加熱処理を行った。
なお、比較例1〜5のステンレス、Cr、TiN、CrNの成膜条件を表3に示す。また、SnO2、Si3N4は表1に示す実施例と同じ成膜条件で成膜した。
【0026】
【表3】
【0027】
得られたガラスの性能を評価した結果、表2に示すように比較例1〜5における加熱処理前後の性能は、比較例1においては可視光線透過率変化値、膜面側可視光線反射率変化値、日射透過率変化値は何れも±5%を越え、色調b*値変化値も4%以上と不合格であるとともに、加熱処理後において膜の白濁および膜面割れが発生し、同じ膜を真空中で加熱した比較例2においても可視光線透過率変化値、膜面側可視光線反射率変化値、日射透過率変化値は何れも±5%を越え不合格であるとともに、色調a*、b*の変化値も4%以上と不合格であり、また同じ膜をN2ガス雰囲気で加熱処理した比較例3においても比較例1と同様に可視光線透過率変化値、膜面側可視光線反射率変化値、日射透過率変化値は何れも5%を越え、色調b*の変化値も4%以上と不合格であるとともに、加熱処理後において膜の白濁および膜面割れが発生し、比較例4においては可視光線透過率変化値、日射透過率変化値は何れも±5%を越え不合格であり、比較例5においては表面抵抗率が1kΩ/□以下で不合格であるとともに可視光線透過率変化、日射透過率変化値は何れも5%を越えて不合格であった。
以上のように、何れのサンプルも加熱処理(650℃,10分)により色調や外観品質が変化してしまい、曲げ加工、強化加工が不可能であった。
【0028】
【発明の効果】
本発明の曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラスは、紫外、可視、日射(300〜2500nm)で大幅な吸収や反射がみられ、紫外線遮蔽性能、プライバシー性能、断熱特性、電波低反射性を有していると共に、曲げ加工及び/又は強化加工等のための加熱処理を行ってもこれらの品質が変化することがないので、建築用、自動車用の曲げガラス及び/又は強化ガラスとして好適であり、さらに曲げ加工時の物理応力に対しても非常に柔軟性があり膜割れが生じにくいという著効を有する。
Claims (4)
- ガラス基板表面に、スパッタリング法により、SnO 2 の誘電体膜、Si成分が100重量%よりなるSi膜、SnO 2 の誘電体膜がこの順に積層されてなり、透明フロートガラス3mm厚さ(FL3)換算で可視光線透過率が5〜70%、可視光線ガラス面反射率が5〜50%であることを特徴とする電波透過型建築用または自動車用の曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラス。
- ガラス基板表面に、スパッタリング法により、Si 3 N 4 の誘電体膜、Si成分が100重量%よりなるSi膜、がこの順に積層されてなり、透明フロートガラス3mm厚さ(FL3)換算で可視光線透過率が5〜70%、可視光線ガラス面反射率が5〜50%であることを特徴とする電波透過型建築用または自動車用の曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラス。
- 曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラスの加熱処理前後の光学特性の変化値は、透明フロートガラス3mm厚さ(FL3)換算で可視光線透過率及び可視光線ガラス面反射率が何れも5%以下、ガラス面反射色調のa*値及びb*値が何れも4.0以下であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラス。
- 曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラスの加熱処理前のガラスの表面抵抗率は、1MΩ/□以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の曲げ加工用及び/又は強化加工用ガラス。
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