JP2003002691A - 低反射基板およびその製造方法 - Google Patents

低反射基板およびその製造方法

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JP2003002691A JP2001184334A JP2001184334A JP2003002691A JP 2003002691 A JP2003002691 A JP 2003002691A JP 2001184334 A JP2001184334 A JP 2001184334A JP 2001184334 A JP2001184334 A JP 2001184334A JP 2003002691 A JP2003002691 A JP 2003002691A
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正司 大西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射防止膜を被覆した低反射基板を加熱し、
曲げ加工及び/又は強化加工を施しても白濁を生じるこ
とがない高可視光線透過率及び膜面側の低可視光線透過
率を有する断熱特性、電波低反射性に優れた低反射基板
を得ること。 【解決手段】 透明基板表面に、第1層として膜厚が1
5〜60nmのチタニア膜、第2層として膜厚が1〜9
nmの窒化クロム膜、第3層として膜厚が20〜100
nmで屈折率が1.3〜2.2を有する透明保護膜が順
次積層された反射防止膜を被覆すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築用、車両用、
ディスプレー用等に好適な低反射基板およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無反射ガラスは、ガラスの透過光
量の増加、フレアー、ゴーストの防止、或いは分光透過
率の調整等に広く用いられてきた。その反射防止膜とし
ては、ガラスの上にMgF2の単層膜を成膜させて無反
射ガラスを得る方法が従来主に行われてきたが、単層膜
では十分な反射率低減を得る事が難しい事から、現在は
多層構成の反射防止膜が一般に使用されている。多層反
射防止膜に関する理論としては、J.T.Cox and G.H
ass氏のPhysics of Thin Film,JOSの文献による
と、図1に示す2層系においては、n1 2×ng=n2 2×
O 、n2=n1×√n2(ここで、n0:空気の屈折率、
1:上層の屈折率、n2:下層の屈折率、n g:ガラス
基板の屈折率を示す)、また、図2に示す3層系におい
ては、n1×n3=n2 2=ng、n1 2×ng=n3 2
2=2.1〜2.2、(ここで、n3:最下層の屈折率を
示す)という理論値が示されているが、実際は基板がガ
ラスのような低屈折率のものに反射防止膜を被覆し無反
射にする場合、上式に一致する屈折率を有する物質が存
在しなかったり、反射率の波長特性が中心波長の両端で
急激に高くなり(”Vコート”と呼ばれている)、膜厚
が少しでも変化すると目的の反射率が得られない事から
実際には非常に困難とされている。
【0003】従って、通常反射防止膜としては4層以上
のものが一般に生産されており、例えば、導電性透明材
料としての第1層、二酸化珪素を有する第2層、入/4
より小さい光学厚さを有する第3層(入は反射防止被膜
の中心波長であり420nm〜1600nm)、二酸化
珪素を有する第4層よりなる反射防止被膜に関して特開
平11−271507号公報等に開示されている。
【0004】また、特に建築用に好適なガラスとして、
例えば酸素窒化物薄膜としての第1層、窒素酸化物薄膜
としての第2層よりなる可視光反射率が20%以下であ
る可視光低反射型熱線遮蔽ガラスに関して特開平7−2
91670号公報、第1層として膜厚が30〜70nm
であるSnOx膜、第2層として膜厚が2〜7nmのC
rNx、第3層として膜厚が10〜60nmであるSn
x膜可視光線透過率が55〜68%である居住性を高
めたガラス板に関して特開平8−231246号公報等
に開示されている。
【0005】また、特にディスプレイ用の反射防止膜に
関しては、幾何学的膜厚が5〜25nmの光吸収膜、幾
何学的膜厚が70〜110nmのシリカ膜よりなる光吸
収性反射防止体に関して特開平9−156964号公
報、ケイ化物、光吸収膜、低屈折率膜よりなる光吸収性
反射防止膜付き有機基体に関して特開平10−2305
58号公報、第1の光吸収膜、微吸収性高屈折率膜、第
2の光吸収膜、透明低屈折率膜よりな光吸収性反射防止
膜に関して特開平2000−193801号公報等に開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平11−271507号公報の反射防止膜は膜厚が2
00nm以上と厚く、これらの膜を被膜したガラス基板
を熱処理により曲げ加工を行った場合にヘーズ(白濁)
が生じる。このヘーズの部分をSEM等の顕微鏡で観察
したところ微細な膜の割れが生じており、膜が厚い事に
よりガラスとの膨張率の差を吸収できずに膜が割れた事
が判明した。さらに、従来の無反射ガラスは、断熱特性
及びプライバシー性能がほとんど無く、逆に透過率が高
く熱線を通過させ省エネルギーという点で非常に不利で
あった。
【0007】また、前記特開平7−291670号公報
の可視光低反射型熱線遮蔽ガラスは、可視光線透過率が
約62%以下と低く、さらにガラス面側及び膜面側の可
視光線反射率が非常に高いという問題があり、また、特
開平8−231246号公報のガラスは可視光線透過率
は比較的高いが可視光線反射率も20%前後と非常に高
いという問題がある。
【0008】さらに、光吸収膜を有する前記の特開平9
−156964号公報、特開平10−230558号公
報、特開平2000−193801号公報の反射防止膜
は、抵抗値が1kΩ/□以下という問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、以上の課題
に鑑み種々研究した結果、光吸収体であるCrN膜が低
反射膜として最適な特性を有している事を見い出し、最
適な膜構成を検討した結果、透明基板の表面に高屈折率
のTiO2膜を成膜し、その上層にCrN膜を非常に薄
く成膜し、さらにその上層に低屈折率又は中屈折率の酸
化物膜及び/又は窒化物膜を成膜する事により、これま
でに反射防止膜として使用された事のない全く新しい膜
構成の低反射基板およびその製造方法を見い出した。
【0010】すなわち、本発明の低反射基板は、透明基
板表面に、第1層として膜厚が15〜60nmのチタニ
ア膜、第2層として膜厚が1〜9nmの窒化クロム膜、
第3層として膜厚が20〜100nmで屈折率が1.3
〜2.2を有する透明保護膜が順次積層された反射防止
膜を被覆してなることを特徴とする。
【0011】また、本発明の低反射基板は、透明保護膜
は透明酸化物膜及び/又は透明窒化物膜の単層又は積層
よりなることを特徴とする。
【0012】さらに、本発明の低反射基板は、可視光線
透過率が70〜85%、膜面側可視光線反射率が5%以
下であることを特徴とする。
【0013】さらにまた、本発明の低反射基板は、反射
防止膜の表面抵抗値が1kΩ/□以上であることを特徴
とする。
【0014】また、本発明の低反射基板の製造方法は、
透明基板表面に、スパッタリング法により、第1層とし
て膜厚が15〜60nmのチタニア膜、第2層として膜
厚が1〜9nmの窒化クロム膜、第3層として膜厚20
〜100nmで屈折率が1.3〜2.2を有する透明保
護膜が順次積層された反射防止膜を被覆することを特徴
とする。
【0015】さらに、本発明の低反射基板の製造方法
は、低反射基板を加熱し、曲げ加工及び/又は強化加工
をを施すことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の態様】本発明の低反射基板は、透明基板
表面に、第1層として膜厚が15〜60nmのチタニア
膜、第2層として膜厚が1〜9nmの窒化クロム膜、第
3層として膜厚20〜100nmで屈折率が1.3〜
2.2を有する透明保護膜が順次積層された反射防止膜
を被覆してなることを特徴とする。
【0017】透明基板表面に、第1層として高屈折率の
TiO2膜を成膜し、その上層にCrN膜を1〜9nm
の範囲で非常に薄く成膜し、さらにその上層に低屈折率
又は中屈折率の保護膜を積層する事により、これまでに
反射防止膜として使用された事のない全く新しい膜構成
を有する低反射基板を見い出したものであり、この膜構
成は、従来の膜構成と異なり、3層構造と非常に簡単な
膜構成であるとともに、全膜厚が170nm以下と非常
に薄い膜厚のものである。これらの低反射基板は、全膜
厚が170nm以下と非常に薄いので、曲げ加工及び/
又は強化加工のための熱処理を施しても膜の割れが生じ
ることがなく、白濁(ヘーズ)は生じない。
【0018】CrN膜は、可視光線から赤外線までの光
線を幅広く遮断するので、低反射基板に赤外線遮蔽によ
る断熱性能を付加する事が可能である。該CrN膜の屈
折率は1.7〜2.8、好ましくは1.8〜2.3の範
囲が低反射率を得る上ではよい。
【0019】各膜の膜厚について、第1層目のチタニア
膜の膜厚は15〜60nmの範囲とする必要があるが、
15nm未満、60nmを越えると透過率が低くなり反
射率が高くなり好ましくなくなる。また、第2層目の窒
化クロム膜の膜厚は1〜9nmの範囲とする必要がある
が、1nm未満では反射率が増加し、9nmを越えると
反射率の増加と透過率が低下してくるので好ましくなく
なる。さらに、第3層目の透明保護膜の膜厚は、該保護
膜が透明金属酸化物膜である場合には、25〜100n
mとする必要があり、25nm未満では保護膜としての
機能を果たさなくなると共に反射率が増加し、100n
mを越えると透過率の低下と反射率の増加が起こり好ま
しくなくなる。また、該保護膜が透明窒化物膜の場合に
は、20〜100nmとする必要があり、20nm未満
では保護膜としての機能を果たさなくなり、100nm
を越えると透過率の低下と反射率の増加が起こり好まし
くなくなる。
【0020】透明保護膜としては、該保護膜が酸化物膜
の場合には、屈折率が1.3〜2.2、窒化物膜の場合
には、屈折率が1.5〜2.2とする必要があり、例え
ば、SnO2、ZnO、Si02、ZnSnO、ZnAl
O、Al23、Ta25等の透明金属酸化物、Si
34、 Al34等の透明窒化物等を用いることができ
る。なお、これらは、透明窒化物膜/透明酸化物膜又は
透明酸化物膜/透明窒化物膜等それぞれ積層し組みあわ
せて使用することもできるが、その場合にも透明保護膜
の膜厚は20〜100nmの範囲とすることが重要であ
る。なお、紫外線の遮蔽性能を上げたい場合には、紫外
線を吸収するZnO等の膜を選択することが好ましい。
膜の耐薬品性、耐摩耗性を向上させる場合はSnO2
Ta25を選択するのが好ましい。また、これらの効果
を同時に得る為にこれらの膜を組み合わせる事も可能で
ある。
【0021】また、本発明の低反射基板の光学特性は、
可視光線透過率が70〜85%、膜面側可視光線反射率
が5%以下であることを特徴とするが、基板面側の反射
率も下げたい場合は、第3層の透明保護膜としてSiO
2の様な低屈折率のものを選択するのが好ましい。な
お、得られた低反射基板の光学特性については、透明フ
ロートガラス3mm厚さ(FL3)換算で可視光線透過
率、膜面側可視光線反射率を示す。
【0022】さらに、本発明の低反射基板は、反射防止
膜の表面抵抗値が1kΩ/□以上であることを特徴とす
るものであり、表面抵抗率が1kΩ/□以上と高いの
で、建物の外装窓にそれらの膜を使用した場合に該窓を
用いたビル周辺のTVゴーストの発生や、或いは自動車
用窓として用いた場合に自動車用ガラスアンテナのアン
テナ性能を悪化させる等の電波障害を起こすことがな
く、電波透過性等の利点を有する。この性能は他の金属
膜、窒化物膜には全く見られない特性である。
【0023】本発明の低反射基板の製造方法は、透明基
板表面に、スパッタリング法により、第1層として膜厚
が15〜60nmのチタニア膜、第2層として膜厚が1
〜9nmの窒化クロム膜、第3層として膜厚が20〜1
00nmで屈折率が1.3〜2.2を有する透明保護膜
が順次積層された反射防止膜を被覆することを特徴とす
る。
【0024】透明基板としては、特に限定するものでは
なく、ガラス、プラスチック等を用いる事が可能であ
り、例えば、ガラス基板の場合には、ソーダ石灰珪酸塩
ガラス組成よりなる汎用のフロート板ガラスが建築用、
自動車用ガラス用等として一般に用いられるが、この組
成に限定されるものではない。
【0025】成膜方法としては、最適なCrN膜の屈折
率を得るためにスパッタリング法が好ましい。また、電
源装置は特に限定するものではないが、DC、RF、パ
ルス電源等を用いても良い。さらに、SiO2、Si3
4についてはMF電源のツインマグカソード(ライボル
ト社)やディュアルマグカソード(アルデンヌ社)、C
−MAG(BOC社)を用いることもできる。
【0026】先ず、第1層目のTiO2膜の成膜は、T
iターゲットを用いて酸素100%の雰囲気で成膜する
事が基本となるが、成膜速度を上げるため為に金属状態
となる直前までArを増加する事は可能である。但し、
プラズマが不安定となる事からプラズマモニターや微量
流量調整装置が必要である。また、安定性を高める為に
雰囲気ガスとしてAr、酸素の他に窒素ガスを50%程
度使用して成膜しても構わないが、窒素を添加すると屈
折率が低下するし反射防止膜の性能が悪くなる為、あま
り好ましくない。また、成膜速度を上げる為にTiO2
ターゲットを用いてAr雰囲気で成膜することもでき
る。
【0027】第2層目のCrN膜の成膜は、Crターゲ
ットを用いて窒素100%雰囲気で成膜する事を基本と
する。さらにCrNの窒化度(窒素との化合度合い)は
Crターゲットに加える電力の値によっても変化するの
で、膜の特性を確認しながら窒素ガス量を変化させてい
く必要がある。スパッタ設備にもよるが電力(kW)×
約10sccmの窒素量が基本となる。また、成膜の雰
囲気としてArを添加する事も可能であるが、屈折率が
急激に高くなるので注意する必要がある。また、低反射
基板の電波透過性(一般に、膜の電波透過性はシート抵
抗値が1kΩ/□以上あるものを指す)を向上させる為
に窒素の量を多くしたり、微量の酸素を雰囲気ガス中に
導入する事も可能であり、抵抗値は1MΩ/□以上に上
げる事も可能である。なお、Cr金属の膜特性が大きく
変化しない範囲でNi,Co,Fe等を含有させる事も
できる。
【0028】第3層目の透明保護膜としての酸化物膜及
び/又は窒化物膜は、酸化物膜の場合の屈折率が1.3
〜2.2、窒化物膜の場合の屈折率が1.5〜2.2の
範囲内の膜であるならば、特に限定されるものではな
い。なお、低反射基板を加熱し、曲げ加工及び/又は強
化加工を施す場合には、曲げ加工したあとの低反射基板
の光学特性の変化を小さくしたい場合には、熱に強いS
34等の膜を選択する事が好ましい。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。但し、本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例及び比較例で得られた低反射基板の品
質評価は下記に示す方法で評価した。
【0030】(1)表面抵抗率(シート抵抗値) 膜表面の表面抵抗率(Ω/□)は、4探針プローブ抵抗
計(エプソン社製)により測定。
【0031】(2)光学特性 可視光線透過率(%)、可視光線基板面側反射率
(%)、可視光線膜面側反射率(%)(可視光線の波長
範囲:380〜780nm)、紫外線透過率(%、波長
範囲:200〜380nm)及び日射透過率(%、波長
範囲:780〜2500nm)は、U4000型自記分
光光度計(日立製作所製)を用いて測定。
【0032】〔実施例1〜7〕 (1)成膜 実施例1〜7の成膜方法を下記に示す。ガラス基板とし
て厚さ3mmのフロ−ト板ガラス(FL3)を用い、B
OC社のプラナーカソード及びC−MAG(シリドリカ
ルマグネトロン)カソード装置を使用し、第1層目のT
iO2膜をTi(純度99.9以上)ターゲットを用い
て微量のプロセスガス(Ar5%、酸素95%)を導入
し成膜を行った。次に、第2層目のCrN膜をCrター
ゲット(純度99.9以上)を用いて窒素雰囲気で成膜
しCrNで成膜した。次に、第3層目のSnO2膜をS
nターゲット(純度99.9%以上)を用いて微量のプ
ロセスガス(Ar5%、酸素95%)を導入し成膜を行
った。
【0033】表1に実施例1〜7及び比較例1、2にお
いて成膜するチタニア膜、窒化クロム膜、透明保護膜を
成膜する場合のターゲット、プロセスガス条件と真空
度、電力等の成膜条件を示す。
【0034】
【表1】
【0035】(2)評価結果 前記実施例1〜7で得られた低反射ガラス基板の性能を
評価した結果、表2に示すように、可視光線透過率は全
て70%以上と高く、膜面側可視光線反射率は全て5%
以下と非常に低く、日射透過率も70%以下と断熱性能
を有し、表面抵抗率はいずれも40kΩ/□以上と電波
透過性を有し、非常にバランスのとれた低反射ガラスが
得られ、また、外観品質も良好であった。
【0036】
【表2】
【0037】(3)曲げ加工 上記で得られた低反射ガラス基板をステンレス製のキャ
リヤーに膜面を上にして載置し、大気中−650℃に保
持されたマッフル炉に入れる。その後10分間保持(通
常曲げ加工条件)した後、ガラスサンプルをキャリヤー
ごと炉外へ取り出し、大気中−室温(25℃)で除冷を
行った。なお、成膜後の低反射ガラス基板の一部のサン
プルは、光学特性を測定するために、平坦なステンレス
製キャリヤー上にガラスサンプルを載置し、曲げ加工は
行なわなかった。曲げ加工後の品質は、表2に目視評価
結果を示すように、白濁(ヘーズ)発生等の問題もなく
全て良好であった。
【0038】〔比較例1、2〕比較例1、2は、実施例
と同様にして表2の膜構成になるように成膜した。得ら
れた膜付きガラス基板の性能を実施例と同様に評価した
結果、表2に示すように何れも日射透過率が80%以上
と高く断熱性がなく、また、膜付きガラス基板を加熱し
曲げ加工を施した曲げガラス基板については、白濁(ヘ
ーズ)が生じた。
【0039】
【発明の効果】本発明の低反射基板は、反射防止膜を被
覆した低反射基板を加熱し、曲げ加工及び/又は強化加
工を施しても白濁を生じることがないとともに、高可視
光線透過率を有し、且つ膜面側可視光線透過率が極めて
低く、さらに断熱特性、電波低反射性等も兼備してお
り、建築用窓、車両用窓、ディスプレー用等の種々の用
途に使用できる著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】2層系の膜構成を示す図である。
【図2】3層系の膜構成を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H091 FA37X FA37Z FB06 FC02 FD06 GA01 LA16 2K009 AA06 AA07 BB02 BB11 CC02 CC03 DD04 4G059 AA01 AA08 AC04 EA01 EA02 EA04 EA07 EA12 EB04 GA02 GA04 GA12 5C094 AA11 AA37 AA43 DA13 EB02 ED12 FA02 FB02 FB03 FB16 GB10 JA05 JA08 JA13 5G435 AA01 AA07 AA12 AA14 AA17 FF01 HH03 HH16 KK07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板表面に、第1層として膜厚が15
    〜60nmのチタニア膜、第2層として膜厚が1〜9n
    mの窒化クロム膜、第3層として膜厚が20〜100n
    mで屈折率が1.3〜2.2を有する透明保護膜が順次
    積層された反射防止膜を被覆してなることを特徴とする
    低反射基板。
  2. 【請求項2】透明保護膜は透明酸化物膜及び/又は透明
    窒化物膜の単層又は積層よりなることを特徴とする請求
    項1記載の低反射基板。
  3. 【請求項3】可視光線透過率が70〜85%、膜面側可
    視光線反射率が5%以下であることを特徴とする請求項
    1又は2記載の低反射基板。
  4. 【請求項4】反射防止膜の表面抵抗値が1kΩ/□以上
    であることを特徴とする請求項1乃至3のいづれかに記
    載の低反射基板。
  5. 【請求項5】透明基板表面に、スパッタリング法によ
    り、第1層として膜厚が15〜60nmのチタニア膜、
    第2層として膜厚が1〜9nmの窒化クロム膜、第3層
    として膜厚が20〜100nmで屈折率が1.3〜2.
    2を有する透明保護膜が順次積層された反射防止膜を被
    覆することを特徴とする低反射基板の製造方法。
  6. 【請求項6】透明基板表面に反射防止膜を被覆した低反
    射基板を加熱し、曲げ加工及び/又は強化加工を施すこ
    とを特徴とする請求項5記載の低反射基板の製造方法。
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