JPH04243935A - 電波低反射の熱線反射ガラスおよびその製法 - Google Patents

電波低反射の熱線反射ガラスおよびその製法

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JPH04243935A
JPH04243935A JP1021391A JP1021391A JPH04243935A JP H04243935 A JPH04243935 A JP H04243935A JP 1021391 A JP1021391 A JP 1021391A JP 1021391 A JP1021391 A JP 1021391A JP H04243935 A JPH04243935 A JP H04243935A
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JP
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thin film
layer
metal
film
thickness
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Application number
JP1021391A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Takeuchi
伸行 竹内
Toshiaki Ito
俊明 伊藤
Masaya Takayama
高山 昌也
Koichi Furuya
孝一 古屋
Hiroshi Nakajima
弘 中嶋
Hironobu Iida
裕伸 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷暖房効果を向上させ
るようにするとともに比較的低い可視光透過率を有する
ものであって、しかも電波の透過が比較的よく耐摩耗性
も優れた単板で充分使用できる電波低反射熱線反射ガラ
ス、特に建築用、ことに高層建築物( ビルディングな
ど)等の窓ガラスとして有用であって、ビル周囲の住宅
等においてTVでのゴースト等の電波障害を低減できて
より居住性を高め得る断熱性能を有する無色あるいは有
色の電波低反射の熱線反射ガラスおよびその製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、スパッタ法での被膜による多層薄
膜を有し使用可能といわれる単板の熱線反射ガラスとし
ては、例えば、ガラス基板( 以下Gという)の表面上
に、例えばTiO2 (10〜200Å)/TiN(1
50〜800Å)/TiO2 (10〜200Å)の3
層膜を物理蒸着法により形成し、可視スペクトル帶域で
40%以下の透過率である熱線反射ガラスの製法が特開
昭63ー190742号公報に、TiO /TiN /
G等の2層膜を被膜したものが特開昭60ー43481
 号公報等に、SnO /CrN /SnO /Gの3
層膜を被膜したものが特開昭60ー36355 号公報
等に、SiO /TiO /TiN /TiO /Gの
4層膜を被膜したものが特開昭62ー216943号公
報等にそれぞれ記載され知られている。これらは日射透
過率を低くし、日射の反射率を高めて断熱性を強め、か
つある程度の耐久性等をもたせるために、銀などの貴金
属に替えてSUS 、TiN 、CrN 等の導電性材
料をかなり厚く被膜したものとなっている。その結果前
記熱線反射ガラスの電波反射率は高くなって、例えば高
層建築物の窓ガラスとして施工した際に、電波反射率が
周波数500 MHzにおいて25%程度である鉄筋コ
ンクリートより高い電波反射体となるものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】前述したような例え
ば特開昭60−43481号公報等に記載の熱線反射ガ
ラスはいずれも高層建築物の窓ガラスとして施工した際
に電波反射体となって、例えば放送局からの電波を反射
することとなり、高層建築物と放送局の間にある一般家
庭などで見ているTVにおいて、前記高層建築物からの
反射の電波と前記放送局からの直接の電波との電波強度
差が少ないとゴースト現象を発現することとなり、こと
に導電性の高いものまたは膜厚を厚くした膜を熱線反射
ガラスに用いて断熱性を高めようとすればするほど電波
反射の強度が高まることとなり、TVにおけるゴースト
の発現が起き易いものとなるものであった。
【0004】従って断熱性能を保持しつつかつ電波反射
率が低くゴースト等の電波障害を低減でき、しかも単板
で使用して充分耐久性等がある積層膜を有するという条
件を満足する単なる熱線反射ガラスに替わるもの、こと
に高層建築物用として有用なものは未だないと言わざる
を得ないものであった。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のかか
る欠点に鑑みてなしたものであって、特定膜厚でかつ特
定の異なる表面抵抗を有する金属薄膜、金属炭化薄膜、
金属窒化薄膜およびこれらを主成分とする複合薄膜のい
ずれか1種を介して、特定の膜厚でなる特定の表面抵抗
を有する特異な透明誘電体薄膜で挟持積層して巧みに組
み合わせ、電波反射率をTV電波帯、ことに周波数50
0MHz付近において建築物の主要構造物である鉄筋コ
ンクリートの電波反射率より低くできて、ガラス基板の
値にかぎりなく近づくような電波低反射となり、しかも
断熱性能を保持しつつ、単板で充分使用することができ
る耐久性を有する無色あるいは有色の電波低反射の熱線
反射ガラスおよびその製法を提供するものである。
【0006】すなわち、本発明は、透明ガラス基板の表
面に、ガラス面より第1層として、膜厚が10〜100
Åの金属窒素酸化薄膜を積層し、該第1層上に第2層と
して、膜厚が10〜1000Åでかつ表面抵抗が1kΩ
/□以上の金属薄膜、金属炭化薄膜、金属窒化薄膜およ
びこれらを主成分とする複合薄膜のいずれか1種を積層
し、さらに該第2層上に第3層として、膜厚が210〜
1000Åの金属酸化薄膜を積層して成り、該被覆積層
薄膜層が1kΩ/□以上の高抵抗薄膜であって、しかも
該被覆積層薄膜層を有する透明ガラス基板の可視光線透
過率が60%以下ならびに日射透過率が55%以下であ
ることを特徴とする電波低反射の熱線反射ガラス。
【0007】ならびに前記第1層の金属窒素酸化薄膜と
しては、TaNO、TiNO、SUSNO、SnNOお
よびこれらを主成分とする複合薄膜から1種を選択する
ことを特徴とする上述した電波低反射の熱線反射ガラス
【0008】また、前記第2層の金属薄膜、金属炭化薄
膜、金属窒化薄膜としては、Cr、Ta、Zr、SUS
、SiC、TiC、TiN、CrN、TaN、ZrNお
よびこれらを主成分とする複合薄膜から1種を選択する
ことを特徴とする上述した電波低反射の熱線反射ガラス
。あるいは、前記第1層の金属窒素酸化薄膜としては、
TaNO、TiNO、SUSNO、SnNOおよびこれ
らを主成分とする複合薄膜から1種を選択しかつ前記第
2層の金属薄膜、金属炭化薄膜、金属窒化薄膜としては
、Cr、Ta、Zr、SUS、SiC、TiC、TiN
、CrN、TaN、ZrNおよびこれらを主成分とする
複合薄膜から1種を選択することを特徴とする上述した
電波低反射の熱線反射ガラス。
【0009】さらに、前記第3層の金属酸化薄膜として
は、TaO、TiOおよびこれらを主成分とする複合酸
化薄膜から1種を選択することを特徴とする上述した電
波低反射の熱線反射ガラス。あるいは、前記第1層の金
属窒素酸化薄膜としては、TaNO、TiNO、SUS
NO、SnNOおよびこれらを主成分とする複合薄膜か
ら1種を選択しかつ前記第3層の金属酸化薄膜としては
、TaO、TiOおよびこれらを主成分とする複合酸化
薄膜から1種を選択することを特徴とする上述した電波
低反射の熱線反射ガラス。あるいは、前記第2層の金属
薄膜、金属炭化薄膜、金属窒化薄膜としては、Cr、T
a、Zr、SUS、SiC、TiC、TiN、CrN、
TaN、ZrNおよびこれらを主成分とする複合薄膜か
ら1種を選択しかつ前記第3層の金属酸化薄膜としては
、TaO、TiOおよびこれらを主成分とする複合酸化
薄膜から1種を選択することを特徴とする上述した電波
低反射の熱線反射ガラス。あるいは、前記第1層の金属
窒素酸化薄膜としては、TaNO、TiNO、SUSN
O、SnNOおよびこれらを主成分とする複合薄膜から
1種を選択しかつ前記第2層の金属薄膜、金属炭化薄膜
、金属窒化薄膜としては、Cr、Ta、Zr、SUS、
SiC、TiC、TiN、CrN、TaN、ZrNおよ
びこれらを主成分とする複合薄膜から1種を選択しかつ
前記第3層の金属酸化薄膜としては、TaO、TiOお
よびこれらを主成分とする複合酸化薄膜から1種を選択
することを特徴とする上述した電波低反射の熱線反射ガ
ラス。
【0010】さらにまた、透明ガラス基板の表面に、ガ
ラス面より第1層として、O2 、N2 、N2 O、
Arガスの少なくとも2種以上のガス雰囲気中において
膜厚が10〜100Åの金属窒素酸化薄膜を、次いで第
1層上に第2層として、Ar、N2 ガスの少なくとも
1種以上のガス雰囲気中において膜厚が10〜1000
Åでかつ当該薄膜の表面抵抗が1kΩ/□以上である金
属薄膜、金属炭化薄膜、金属窒化薄膜およびこれらを主
成分とする複合薄膜のいずれか1種を、さらに該第2層
上に第3層として、O2 ガス雰囲気中において膜厚が
210〜1000Åの金属酸化薄膜を、それぞれスッパ
タ蒸着法にて被覆積層薄膜として形成し、該被覆積層薄
膜の表面抵抗が1kΩ/□以上の高抵抗薄膜となして、
しかも該被覆積層薄膜を有する透明ガラス基板が可視光
線透過率が60%以下ならびに日射透過率が55%以下
となるようにしたことを特徴とする電波低反射の熱線反
射ガラスの製法をそれぞれ提供するものである。
【0011】ここで、膜厚10〜1000Åでかつ表面
抵抗が1kΩ/□以上である金属薄膜、金属炭化薄膜、
金属窒化薄膜およびこれらを主成分とする複合薄膜から
1種の薄膜を介して、表面抵抗が104 MΩ/□以上
の誘電体薄膜で挟持するように積層することとしたのは
、電波反射率が周波数500MHzにおいて25%程度
である鉄筋コンクリートの電波反射率より低くてよりガ
ラス板に近い電波反射率となるものを得るためには、表
面抵抗が1kΩ/□以上のものが必要であることがわか
ったためであって、少なくとも表面抵抗が1kΩ/□以
上である金属薄膜、金属炭化薄膜、金属窒化薄膜および
これらを主成分とする複合薄膜から1種の薄膜を用いる
こととし、またこの表面抵抗値を有するものだけを被膜
しても日射透過率が55%以下、可視光透過率60%以
下とならず要求されている断熱性能を満たすことができ
ないので、前記25%以下とする電波反射率を悪化しな
いようにしつつ日射透過率を調節するために、表面抵抗
が104 MΩ/□以上である高抵抗の誘電体薄膜を用
いることとし、これら三層を巧みに組み合わせて干渉せ
しめ、ブルー、グリーンまたはゴールド色調等をも発現
させ、前記可視光透過率、日射透過率ならびに可視光反
射率を達成することができるものである。
【0012】また、表面抵抗が1kΩ/□以上の金属薄
膜としては膜厚50Å以下のCr、Ta、SUSおよび
130Å以下のZrの各薄膜、より好ましくは10〜3
0ÅのSUS薄膜であり、表面抵抗が1kΩ/□以上の
金属炭化薄膜としては膜厚1000Å以下のSiC薄膜
および膜厚70〜10ÅのTiC薄膜であり、表面抵抗
が1kΩ/□以上の金属窒化薄膜としては膜厚140Å
以下のCrNX 、TiNX 、900Å以下のZrN
X 、1000Å以下のTaNX およびこれらを主と
する膜厚1000Å以下の複合薄膜のいずれか1種、よ
り好ましくは60〜120ÅのTiNx ( 0 <x
≦1)薄膜である。
【0013】さらにガラスに被着する第1層では膜厚が
10〜100Åの金属窒素酸化薄膜、例えばTaNO、
TiNO、SUSNO、SnNOの各薄膜およびこれら
を主成分とする複合薄膜から1種、ならびに最外側表面
である第3層では膜厚が1000〜210Åの金属酸化
薄膜、例えばTiO、TaOの各薄膜を用いることとし
たのは、いずれも表面抵抗が104 MΩ/□以上の誘
電体薄膜であるためであるだけではなく、該両透明誘電
体薄膜によって、前述の金属薄膜、金属炭化薄膜、金属
窒化薄膜およびこれらを主成分とする複合薄膜のいずれ
か1種の薄膜層を挾み込むようにしたのは、前記第1層
でガラス基板自身との密着力はもとより、ガラス基板と
第2層との密着力をより強めることとなり、最外側表面
である第3層では耐薬品性、耐摩耗性等耐久性をより向
上せしめ、特異な前記電波特性あるいは前記光学特性を
有することに加えて反射率を多少向上させて美しい鏡面
効果を得るための透過膜となし、該各薄膜層ならびに全
薄膜積層においても、耐薬品性ならびに耐摩耗性等耐久
性をより充分にあるものとなすためである。なお、最外
側表面のみにさらに各種耐摩耗性等耐久性ならびに耐薬
品性の薄膜を被覆しても耐久性等がさらに向上するよう
にしたり、あるいは無反射性薄膜等を被覆してもよいも
のであることは言うまでもない。
【0014】さらにまた成膜の製法をスパッタ蒸着法と
しては、スパッタ法が最も優れた方法であって耐摩耗性
等上必要であり、例えばディッピング法等では耐摩耗性
において非常に弱いものとなり単板での使用に適さない
ものとなるためである。
【0015】また、光学特性のうち、可視光透過率を6
0%以下としたのは、建築物において当該電波低反射熱
線反射ガラスを施工した際に、建築物内外におけるガラ
スを介しての透視性に関して設定したものであり、例え
ばことに夜間あるいは昼間において建築物内部が見え過
ぎて居住性が悪化するようなことになるためであり、好
ましくは40%以下である。さらにブルーならびにゴー
ルド、グリーン系色調等となることは、前述の透視性に
加え熱吸収性を発現させて断熱性能に寄与せしめること
と建築物がその周囲に対してより好ましいものとなるも
のであり、しかも可視光反射率を10%以上となして、
前記色調をより鮮やかなものにして景観として環境に寄
与するものとしかつ多少鏡的にして透視性を持たせしめ
るようになるものであり、好ましくは10〜40%程度
である。さらにまた日射透過率を55%以下としたのは
、55%を超えると例えば冷暖房効果を向上させ、建築
物内部の住居性を向上させるために必ずしも役立たせた
とは言い難く、断熱効果が少ないものとなって熱線反射
ガラスとは言い難くなるためであり、好ましくは45%
以下である。
【0016】さらに前記被覆積層薄膜の表面抵抗を1k
Ω/□以上の高抵抗薄膜としたことにより、周波数50
0MHzにおける電波反射率を25%以下であって、被
膜なしのガラスにおける電波反射率8%程度にかぎりな
く近づけることができるものとなって、周波数100〜
1000MHzの間すなわちTV電波帯において電波の
反射を少なくすることができるものであって、建築物こ
とに高層の建築物における主要構造体である鉄筋コンク
リートが有する周波数500MHzでの電波反射率25
%より、熱線反射ガラスにおける電波反射率を小さな値
にすることによって、前述したように従来の熱線反射ガ
ラスを施工した高層建築物等の周辺では一般家庭におい
てTV映像に発現しやすいゴースト現象を低減できるこ
ととなるものであることがわかり、前記周波数500M
Hzでの電波反射率を25%以下にするには少なくとも
膜の表面抵抗すなわちシート抵抗が1kΩ/□以上必要
であり、より好ましくは通常の被膜なしガラスにおける
電波反射率8%程度で約1kΩ/□に近付ける必要があ
ることを見出し成したものである。
【0017】なお、前記したように、例えば前記SUS
薄膜のシート抵抗を1kΩ/□以上にするには膜厚を5
0Å前後以下、また前記TiNX 薄膜のシート抵抗を
1kΩ/□以上にするには膜厚を250Å前後以下にす
ることが必要である。
【0018】つぎに、ガラス基板としては、透明ガラス
であればよいが、特にブルー、ブロンズあるいはグリー
ンガラス等でもよく、ブルーあるいはゴールド、グリー
ン系色調を得やすいものであればより好ましいものであ
る。また単板で使用できることはもとより、複層あるい
は合せガラスとしても使用できることは言うまでもない
【0019】
【作用】前述したとおり、本発明の電波低反射の熱線反
射ガラスおよびその製法は、特定膜厚で特定の異なる表
面抵抗を有する金属薄膜、金属炭化薄膜、金属窒化薄膜
およびこれらを主成分とする複合薄膜から1種の薄膜を
介して、特定膜厚で特に表面抵抗が高い特異な透明誘電
体薄膜で挟持するように、特異な成膜条件のなかでスバ
ッタ蒸着法を用いて巧みに組み合わせて積層して成り、
該被覆積層薄膜の表面抵抗を1kΩ/□以上となるよう
にしたことにより、TV電波帯ことに周波数500MH
z付近において鉄筋コンクリートの電波反射率より低い
電波反射率とすることができて被膜なしのガラスの電波
反射率にかぎりなく近いものとなるようにでき、各薄膜
層の密着性を高め、積層した多層膜全体の耐摩耗性なら
びに耐食性が向上し、耐久性に優れ、単板として充分採
用できるものとなることはもちろん、建築物の周囲にお
いて従来発現していたTVの映像におけるゴースト現象
等の電波障害をほぼ低減でき、しかも可視光透過率ある
いは日射透過率等の光学特性をそれぞれ特定したものと
したことにより、適度の干渉効果をもって熱線反射ある
いは熱線吸収を巧みに組み合わせて断熱機能を充分有す
るものと成って冷暖房の効果を高め、透視性を適宜抑え
てより色調に富むものとすることができる等、建築物内
外の居住性ならびに景観性等環境をより優れたものとす
ることができる電波低反射の熱線反射ガラスおよびその
製法を提供できるものである。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0021】実施例1 大きさ600×900mm2 、厚さ10mmのブルー
ガラス(HFL10)を中性洗剤、水すすぎ、イソプロ
ピルアルコールで順次洗浄し、乾燥した後、DCマグネ
トロンスパッタリング装置の真空槽内にセットしてある
Tiのターゲットに対向して上方を往復できるようセッ
トし、つぎに前記槽内を真空ポンプで約5×10−6T
orrまでに脱気した後、該真空槽内にO2 、N2 
ガスを導入して真空度を約2×10−3Torrに保持
し、前記Tiのターゲットに約2.5KWの電力を印加
し、O2 、N2 の混合ガスによるDCマグネトロン
スパッタの中を、前記Tiターゲット上方においてスピ
ード約1200mm/minで前記板ガラスを搬送する
ことによって約10Å厚さのTiNOX 薄膜を第1層
として成膜した。成膜が完了した後、Tiターゲットへ
の印加を停止する。
【0022】次に、板ガラスを前記真空槽中においたま
ま、前記Tiターゲットに約1.5KWの電力を印加し
、N2 ガス( 但し、ArとN2 ガスの流量比は1
:1から0:1の範囲であればよい。)によるDCマグ
ネトロン反応スパッタの中を、前記Tiのターゲット上
方において約200 mm/min のスピードで搬送
することにより、前記板ガラスのTiNOX 成膜表面
に約100Å厚さのTiNX 薄膜を第2層として成膜
積層した。
【0023】次に、板ガラスを前記真空槽内に置いたま
ま、前記Tiターゲットに約2.5KWの電力を印加し
、O2 ガス(但し、ArとO2 ガスの流量比は1:
1から0:1の範囲であればよい。)によるDCマグネ
トロン反応スパッタの中を、前記板ガラスのTiNX 
成膜表面に約300Å厚さのTiOX 薄膜を第3層と
して成膜積層した。
【0024】得られた3層膜を有する電波低反射熱線反
射ガラスについて、可視光透過率(380〜780nm
)、可視光反射率(380〜780nm)ならびに日射
透過率(340〜1800nm)については340型自
記分光光度計(日立製作所製)とJISZ8722、J
ISR3106によってそれぞれその光学的特性を求め
た。 さらにテーバー試験によるヘーズ( 曇り具合)値の変
化量( ΔH%)については、テーバー試験機(MOD
EL503,TYBER社製)に膜面を上にした10c
m角の試験片をセットし、膜面に荷重500gのかかっ
た摩耗輪(CSー10F)が2ケ所で当たるようになっ
ているもので、300回回転した後、ヘーズメーター(
日本電色工業製、NDHー20D)によって測定し、試
験前の測定値と対比し、その変化量(ΔH%) をもっ
て表わした数値である。
【0025】次に、耐薬品性のうち耐酸試験については
、常温で1規定のHCl溶液中に前記試験片を約6時間
浸漬した後、膜の劣化状態を見て判断したものであり、
耐アルカリ試験については、常温で1規定のNaOH溶
液に試験片を約6時間浸漬した後、膜の劣化状態を見て
判断したものであり、それぞれ○印はほとんど劣化が見
られなかったもの、×印は劣化が明らかに目立ったもの
である。
【0026】さらに表面抵抗については、105 Ω/
□以下のものは四探針抵抗測定装置RTーS( NAP
SON社製)によって、105 Ω/□〜105 MΩ
/□のものは三菱油化製表面高抵抗計( HIREST
A  HTー210)によって測定したものである。
【0027】またさらに、電波反射率については、大型
導波管法によって測定することで得た。表1より明らか
なように、従来の熱線反射ガラスとほぼ同等の断熱性能
を示し、優れた住居性をもって、耐摩耗性、耐食性、耐
候性、耐久性を有し、電波を十分透過するものであって
、電波低反射熱線反射ガラスとして高層建築物等窓ガラ
スに有用なものとなり、所期のめざすものを得た。
【0028】実施例2〜11 実施例1と同様の方法によって、表1に示すような3層
の積層薄膜およびその各膜厚を得て、その膜構成におい
て実施例1で示したと同様の測定法等によって、同様の
評価手段で行い、その結果を表1にそれぞれ示す。
【0029】なお、例えばTaNOX 薄膜については
DCマグネトロン反応スパッタ装置でTaターゲットを
用い、同真空度、O2 、N2 の混合ガス、印加電力
約1.5KW、例えば板ガラス搬送スピード約160m
m/minで膜厚約50ÅのTaNOX 薄膜を得た。 またSUSNOX 薄膜については同装置でSUSター
ゲットを用い、同真空度、O2 、N2 の混合ガス、
印加電力約1.5KW、例えば板ガラス搬送スピード約
600mm/minで膜厚約50ÅのSUSNOX 薄
膜を得た。
【0030】さらに、例えばSnNOX 薄膜について
は同装置でSnターゲットを用い、同真空度、O2 、
N2 の混合ガス、印加電力約0.6KW、例えば板ガ
ラス搬送スピード約360mm/minで膜厚約50Å
のSnNOX 薄膜を得た。またSUS薄膜については
同装置でSUSターゲットを用い、同真空度、Arガス
、印加電力約0.5KW、例えば板ガラス搬送スピード
約1800mm/minで膜厚約10ÅのSUS薄膜を
得た。
【0031】さらにまた、例えばZrNX 薄膜につい
ては同装置でZrターゲットを用い、同真空度、N2 
ガス(但し、ArとN2 ガスの流量比は1:1から0
:1の範囲であればよい。)、印加電力約2.5KW、
例えば板ガラス搬送スピード約30mm/minで膜厚
約900ÅのZrNX 薄膜を得た。またTaNX 薄
膜については同装置でTaターゲットを用い、同真空度
、N2 ガス(但し、ArとN2 ガスの流量比は1:
1から0:1の範囲であればよい。)、印加電力約3.
0KW、例えば板ガラス搬送スピード約35mm/mi
nで膜厚約800ÅのTaNX 薄膜を得た。
【0032】さらにまた、例えばTa薄膜については同
装置でTaターゲットを用い、同真空度、Arガス、印
加電力約0.2KW、例えば板ガラス搬送スピード約1
500mm/minで膜厚約10ÅのTa薄膜を得た。 またSiC薄膜については同装置でSiCターゲットを
用い、同真空度、Arガス、印加電力約1.5KW、例
えば板ガラス搬送スピード約150mm/minで膜厚
約400ÅのSiC薄膜を得た。
【0033】さらにまた、例えばZr薄膜については同
装置でZrターゲットを用い、同真空度、Arガス、印
加電力約0.2KW、例えば板ガラス搬送スピード約1
60mm/minで膜厚約90ÅのZr薄膜を得た。ま
たCrNX 薄膜については同装置でCrターゲットを
用い、同真空度、N2 ガス(但し、ArとN2 ガス
の流量比は1:1から0:1の範囲であればよい。)、
印加電力約0.6KW、例えば板ガラス搬送スピード約
140mm/minで膜厚約130ÅのCrNX 薄膜
を得た。さらに、TaOX 薄膜については同装置でT
aターゲットを用い、同真空度、O2 ガス(但し、A
rとO2 ガスの流量比は1:1から0:1の範囲であ
ればよい。)、印加電力約1.5KW、例えば板ガラス
搬送スピード約10mm/minで膜厚約900ÅのT
aOX 薄膜を得た。
【0034】表1より明らかなように、従来の熱線反射
ガラスとほぼ同等の断熱性能を示し、優れた居住性をも
って、耐摩耗性、耐食性、耐候性、耐久性を有し、電波
を充分透過するものであって、電波低反射の熱線ガラス
として高層建築物等の窓ガラスに有用なものとなって所
期のめざすものとなり、各実施例共、実施例1と同様の
ものが得られた。
【0035】比較例1〜4 実施例1と同様の方法によって表1に示すような3層の
積層薄膜を得、その膜構成において、実施例1と同様の
測定法、同様の評価手段で行い、その結果を表1にそれ
ぞれ示す。
【0036】なお、例えばSnOX 薄膜についてはD
Cマグネトロン反応スパッタ装置でSnターゲットを用
い、同真空度、O2 ガス(但し、ArとO2 ガスの
流量比は1:1から0:1の範囲であればよい。)、印
加電力約0.6KW、例えば板ガラス搬送スピード約2
1mm/minで膜厚約840ÅのSnOX 薄膜を得
た。またSUSOX 薄膜については同装置でSUSタ
ーゲットを用い、同真空度、O2 ガス(但し、Arと
O2 ガスの流量比は1:1から0:1の範囲であれば
よい。)、印加電力約1.5KW、例えば板ガラス搬送
スピード約200mm/minで膜厚約150ÅのSU
SOX 薄膜を得た。
【0037】それぞれ、各実施例に比して、従来の熱線
反射ガラスであるこれらにおいては、例えば表面抵抗値
が低く、200Ω/□以下であって、電波反射率も25
%以上となり、建築物の鉄筋コンクリートの電波反射率
より悪く建築物の周辺に電波障害を発現し易いものまた
はするものである。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】以上前述したように、本発明はスパッタ
法で、特定の膜厚ならびに異なる種々の表面抵抗を有す
る金属薄膜、金属炭化薄膜、金属窒化薄膜およびこれら
を主成分とする複合薄膜から1種の薄膜を介して、特定
の膜厚で特定の表面抵抗を有する特異な透明の誘電体薄
膜で特異に組み合わせて挟持するように多層薄膜として
積層した構成にせしめ、しかも光学上ならびに表面抵抗
の特性値が特定できるものとなし得、断熱ガラスであっ
て耐摩耗性、耐食性ならびに耐候耐久性に優れ、電波透
過のよい特異なものとなり、単板はもちろん合わせガラ
スあるいは複層ガラスとして居住性のよい、建築物こと
に高層ビル周辺における電波障害を低減できる有用な電
波低反射の熱線反射ガラスおよびその製法を効率よく提
供できるものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  透明ガラス基板の表面に、ガラス面よ
    り第1層として、膜厚が10〜100Åの金属窒素酸化
    薄膜を積層し、該第1層上に第2層として、膜厚が10
    〜1000Åでかつ表面抵抗が1kΩ/□以上の金属薄
    膜、金属炭化薄膜、金属窒化薄膜およびこれらを主成分
    とする複合薄膜のいずれか1種を積層し、さらに該第2
    層上に第3層として、膜厚が210〜1000Åの金属
    酸化薄膜を積層して成り、該被覆積層薄膜層が1kΩ/
    □以上の高抵抗薄膜であって、しかも該被覆積層薄膜層
    を有する透明ガラス基板の可視光線透過率が60%以下
    ならびに日射透過率が55%以下であることを特徴とす
    る電波低反射の熱線反射ガラス。
  2. 【請求項2】  前記第1層の金属窒素酸化薄膜として
    は、TaNO、TiNO、SUSNO、SnNOおよび
    これらを主成分とする複合薄膜から1種を選択すること
    を特徴とする請求項1記載の電波低反射の熱線反射ガラ
    ス。
  3. 【請求項3】  前記第2層の金属薄膜、金属炭化薄膜
    、金属窒化薄膜としては、Cr、Ta、Zr、SUS、
    SiC、TiC、TiN、CrN、TaN、ZrNおよ
    びこれらを主成分とする複合薄膜から1種を選択するこ
    とを特徴とする請求項1あるいはおよび2記載の電波低
    反射の熱線反射ガラス。
  4. 【請求項4】  前記第3層の金属酸化薄膜としては、
    TaO、TiOおよびこれらを主成分とする複合酸化薄
    膜から1種を選択することを特徴とする請求項1乃至3
    記載の電波低反射の熱線反射ガラス。
  5. 【請求項5】  透明ガラス基板の表面に、ガラス面よ
    り第1層として、O2、N2 、N2 O、Arガスの
    少なくとも2種以上のガス雰囲気中において膜厚が10
    〜100Åの金属窒素酸化薄膜を、次いで第1層上に第
    2層として、Ar、N2 ガスの少なくとも1種以上の
    ガス雰囲気中において膜厚が10〜1000Åでかつ当
    該薄膜の表面抵抗が1kΩ/□以上である金属薄膜、金
    属炭化薄膜、金属窒化薄膜およびこれらを主成分とする
    複合薄膜のいずれか1種を、さらに該第2層上に第3層
    として、O2 ガス雰囲気中において膜厚が210〜1
    000Åの金属酸化薄膜を、それぞれスッパタ蒸着法に
    て被5積層薄膜として形成し、該被覆積層薄膜の表面抵
    抗が1kΩ/□以上の高抵抗薄膜となして、しかも該被
    覆積層薄膜を有する透明ガラス基板が可視光線透過率が
    60%以下ならびに日射透過率が55%以下となるよう
    にしたことを特徴とする電波低反射の熱線反射ガラスの
    製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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