JPH06263486A - 熱線遮蔽ガラス - Google Patents

熱線遮蔽ガラス

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JPH06263486A
JPH06263486A JP5594793A JP5594793A JPH06263486A JP H06263486 A JPH06263486 A JP H06263486A JP 5594793 A JP5594793 A JP 5594793A JP 5594793 A JP5594793 A JP 5594793A JP H06263486 A JPH06263486 A JP H06263486A
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thin film
film
glass
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heat ray
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JP5594793A
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Yoshio Asai
祥生 浅井
Nobuyuki Takeuchi
伸行 竹内
Koichi Furuya
孝一 古屋
Toshiaki Ito
俊明 伊藤
Masaya Takayama
昌也 高山
Shigeru Mori
茂 森
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Central Glass Co Ltd
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】透明ガラス基板の片側表面に、膜厚が3〜100n
m の金属薄膜、窒化物薄膜及び酸化物薄膜を、第1層薄
膜として単層、又は下地層を含む多層或いは複合薄膜で
被覆し、次いで膜厚が 0.5〜4.5nm であるTaの窒化物薄
膜或いは窒素酸化物薄膜を保護膜として被覆した熱線遮
蔽ガラス。殊に第1層が膜厚5〜90nmのTi窒化物薄膜で
ある上述の熱線遮蔽ガラス。 【効果】ガラス面側の反射色調を変化させることなく、
耐摩耗性、耐食性並びに耐久性に優れ、比較的低透視性
かつ熱線遮蔽性で冷暖房効果を向上し、合せ或いは複層
ガラス等は勿論、建築用又は車輌用窓材の単板ガラスと
して使用でき、特に建築用各種窓材として有用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽輻射エネルギーを
遮蔽する主として建築物等の窓ガラスに用いる被膜付き
の熱線遮蔽ガラスであって、とりわけ冷暖房効果を向上
せしめるようにできるとともに比較的低い可視光透過率
を有するものであり、基材の反射色調を変えずに耐久性
に優れた熱線遮蔽ガラスに関する。
【0002】
【従来技術】近年、ビル、住宅あるいは自動車等の窓ガ
ラスに太陽光線を反射する熱線反射ガラスが使用されて
いる。熱線反射ガラスは、太陽輻射熱を反射し、室内へ
の侵入をカットして温度上昇を防ぐ省エネルギ−効果
や、直射日光を遮断して眩しさを防いだり、外部の視線
からプライバシ−を守る等の機能の他、ミラ−効果によ
り建物等に美観を付与するなどの効果も有し、各種窓ガ
ラス材として注目を集めている。
【0003】また、その製法としてCVD法、スパッタ
法等があるが、反射色調を自由に調節できて多品種、大
面積の生産に適する製法としてはスパッタ法が採用され
ており、その用途は建築用に限らず車輌用にも広く拡大
されつつあり、さらに単板のままで使用しても耐候性、
耐久性があるというものが提案されてきており、なかで
もスパッタ法で成膜した建築用断熱ガラスとして透明基
板にCrやTi等の単層膜系、金属膜/酸化物膜あるいは、
窒化物膜/酸化物膜の2層系または、酸化物膜/金属膜
/酸化物膜あるいは、酸化物膜/窒化物膜/酸化物膜の
3層系あるいは、それ以上の多層膜構成の熱線遮蔽ガラ
スも使われている。
【0004】単層膜と異なり、2層、3層系または、そ
れ以上の多層膜構成の断熱ガラスは、干渉を利用するこ
とで反射率や反射色調をかなり自由に選択することが可
能である。
【0005】さらに例えば、特開平4ー42837 号公報に
は、透明ガラス基体の上に第1層として、Ti、Zr、Hf、
Cr、Taの金属群から選ばれた1種と窒素と酸素とからな
る熱線吸収膜が被覆され、前記第1層の上に第2層とし
て、Ta、Zr、Snの金属群から選ばれた1種と酸素と窒素
とからなる透明保護膜が被覆された熱線遮蔽ガラスが記
載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】前述したような、Cr
やTi等の単層膜系熱線遮蔽ガラスは、反射色もデザイン
面からブロンズ、ブル−、グリ−ン、ゴ−ルド、シルバ
−等の色がついている。しかし、単層膜では、耐擦傷
性、耐薬品性等の耐久性にあまり充分とはいい難く、使
用環境もきびしい用途には用いることは不可能であっ
た。
【0007】また、耐久性を向上させるためには、Crや
Ti等の上に酸化物膜の2層構成にする必要がある。ま
た、第2層の膜厚が比較的厚いため、生産性が悪くま
た、基材の反射色調が変化するため、デザイン上問題に
なることとなる。
【0008】さらに例えば、特開平4ー42837 号公報に
記載の熱線遮蔽ガラスでは、可視光透過率が比較的高
く、かつ日射透過率が比較的高く必ずしも断熱性に優れ
るものとは言い難いものである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明はこのような点
に鑑みてなされたものであり、透明なガラス基板の一方
の表面上に、熱線反射膜として特定膜厚の金属薄膜、窒
化物薄膜および酸化物薄膜を、単層、または下地層を含
む多層あるいは複合薄膜で被覆し、次いで保護膜として
特定膜厚の窒化物薄膜あるいは窒素酸化物薄膜を被覆積
層すること、またさらに、第1層薄膜として特定膜厚の
Tiの窒化物薄膜を巧みに組み合わせ被覆することで、比
較的低い可視光透過率を有するものとなり、耐久性、特
に薄い保護膜であっても耐擦傷性をより頑固に向上せし
めるものとなり、かつ基材の反射色調を変えずに、単板
で充分使用することができ、より経済性に富む熱線遮蔽
ガラスを提供するものである。
【0010】すなわち、本発明は、透明なガラス基板の
一方の表面上に、膜厚が3〜100nmの金属薄膜、窒化物
薄膜および酸化物薄膜を、第1層薄膜として単層、また
は下地層を含む多層あるいは複合薄膜で被覆し、該第1
層薄膜上に、膜厚が 0.5〜4.5nm のTaの窒化物薄膜ある
いは窒素酸化物薄膜を保護膜として被覆したことを特徴
とする熱線遮蔽ガラス。
【0011】ならびに、前記第1層薄膜が、膜厚が5〜
90nmのTiの窒化物薄膜であることを特徴とする上述した
熱線遮蔽ガラスをそれぞれ提供するものである。ここ
で、前記したように、膜厚が3〜100nm の金属薄膜、窒
化物薄膜および酸化物薄膜を、第1層薄膜として単層、
または下地層を含む多層あるいは複合薄膜で被覆したの
は、少なくとも熱線遮蔽性能を有し、かつ種々の所期の
色合いを発現せしめるように、適宜これらの薄膜とその
膜厚を巧みに組み合わせることによって所期のめざす光
学特性等各物性を得るためである。
【0012】また、前記基材のTiの窒化物薄膜である第
1層の膜厚が 5〜90nmとして被覆したのは、可視光透過
率を任意に調整し、また、ガラス面反射色調を任意の色
調を発現させ、所期の色調を得易いためであって、特に
好ましくは膜厚は10〜50nm程度である。
【0013】さらに、前記基材の上に、保護膜として膜
厚が0.5 〜4.5nm のTaの窒化物薄膜あるいは窒素酸化物
薄膜を保護膜として被覆したのは、基材の反射色調を変
えずに耐久性、特に耐擦傷性をより頑固に向上せしめる
ものであり、好ましくは膜厚は1〜3nm程度である。
【0014】つぎに、ガラス基板としては、無機質はも
ちろん有機質でも、また無色あるいは着色を問わず、透
明ガラスであればよく、また単板で使用できることはも
とより、複層ガラスあるいは合せガラス、強化ガラス等
各種板ガラス製品として使用できることは言うまでもな
い。
【0015】
【作用】前述したとおり、本発明の耐久性に優れた熱線
遮蔽ガラスは、透明なガラス基板の一方の表面上に、特
定膜厚で金属薄膜、窒化物薄膜および酸化物薄膜の単層
または多層あるいは複合薄膜、ことに特定膜厚のTiの窒
化物薄膜である熱線遮蔽膜を被覆して、その上に保護膜
として特定膜厚のTaの窒化物薄膜あるいは窒素酸化物薄
膜を被覆積層することにより、基材の反射色調を変えず
に耐久性に優れたものであって、特に耐擦傷性をより頑
固に向上せしめるものとなり、単板で充分使用すること
ができる有用な熱線遮蔽ガラスを提供するものである。
【0016】しかも、可視光透過率を例えば5〜60%程
度の範囲内で任意にコントロ−ルすることができ、各薄
膜の密着性を高め、積層した多層膜全体の耐摩耗性なら
びに耐食性が向上し、耐久性に優れ、単板として充分採
用できるものとなることはもちろん、熱線反射を持たせ
て断熱機能を充分有するものとなって冷暖房の効果を高
め、透視性を適宣抑えてより色調に富むものとすること
ができる等、建築物内外の居住性ならびに景観性等環境
をより優れたものとすることができる。さらに自動車用
のル−フ熱線遮蔽ガラス等としても有効である。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0018】実施例1 大きさ約600mmx600mm 、厚さ約6mm のクリアーガラス
(FL6)を中性洗剤、水すすぎ、イソプロピルアルコール
で順次洗浄し、乾燥した後、DCマグネトロンスパツタリ
ング装置の真空槽内にセツトしてあるTiならびにTaのタ
ーゲツトに対向して上方を往復できるようセツトし、つ
ぎに前記槽内を真空ポンプで5x10-6Torr以下までに排
気した後、該真空槽内にN2ガス(但し、ArとN2の流量比
は9:1から0:1の範囲にあればよい。)を導入して
真空度を2x10-3 Torr に保持し、前記Tiのターゲツト
に約1.2kw の電力を印加し、N2ガスによるDCマグネトロ
ン反応スパツタにより、前記Tiターゲツト上方において
スピ−ド約84mm/minで前記板ガラスを搬送することによ
って約24nm厚さのTiNx薄膜を第1層として基材ガラスを
得た。成膜が完了した後、Tiターゲツトへの印加を停止
する。
【0019】次に、板ガラスを前記真空槽内に置いたま
ま、該真空槽内を5x10-6Torr以下までに排気した後、
該真空槽内に、N2ガス(但し、ArとN2の流量比は9:1
から0:1の範囲にあればよい。)を導入して真空度を
2x10-3Torrに保持し、Taターゲツトに約1.8kw の電力
を印加し、前記Taターゲツト上方においてスピ−ド約34
30mm/minで前記板ガラスを搬送することによって、前記
基材表面上に約0.5nm厚さのTaNx薄膜を保護膜として積
層成膜した。成膜が完了した後、Taターゲツトへの印加
を停止する。
【0020】得られた2層膜を有する熱線遮蔽ガラスに
ついて、可視光透過率(380nm〜780nm)、可視光反射率(3
80nm〜780nm)ならびに日射透過率(340nm〜1800nm) につ
いてはU-4000型自記分光光度計(日立製作所製)とJISZ
8722、JISR3106によってそれぞれの光学的特性を求め
た。
【0021】さらに、耐擦傷性については、トラバ−ス
テストにおいて、100g/cm2 の荷重で、速度30往復/分
で1000回往復した後、目視による膜の状態を見て判断し
たものであり、○印はほとんど変化が見られなかったも
の、×印は変化が明らかに目立ったものである。
【0022】さらにまた、テ−バ−試験によるヘ−ズ
(曇り具合)値の変化量(△H%)については、テ−バ
−試験機(MODEL 503 、TABER 社製)に膜面を上にした
10cm角の試験片をセットし、膜面に荷重500gのかかった
摩耗輪(CS-10F)が2箇所で当たるようになっているもの
で、300 回回転した後、ヘーズメーター(日本電色工業
製、NDH-20D )によって測定し、試験前の測定値と対比
し、その変化量(△H%)をもって表した数値である。
【0023】次に、耐薬品性のうち耐酸試験について
は、常温で1規定のHCl 溶液中に前記試験片を約6時間
浸漬した後、膜の劣化状態を見て判断したものであり、
耐アルカリ試験については、常温で1規定のNaOH溶液中
に試験片を約6時間浸漬した後、膜の劣化状態を見てJI
SR3221により判断したものであり、それぞれ○印はほと
んど劣化が見られなかったもの、×印は劣化が明らかに
目立ったものである。
【0024】次いで、ガラス面反射色調の変化について
は、Ta窒化物薄膜あるいは窒素酸化物薄膜を積層被覆し
ない場合の熱線遮蔽ガラスのガラス面反射色調を基準と
して、積層被覆した後のもののガラス面反射色調を目視
により比較して判断したものであり、○印はほとんど変
化が見られなかったもの、×印は変化が明らかにみられ
たものである。
【0025】得られた熱線遮蔽ガラスは、表1より明ら
かなように、Ta窒化物薄膜あるいは窒素酸化物薄膜を積
層被覆しない場合の熱線遮蔽ガラスの色調を変えること
なく、従来の熱線反射ガラスとほぼ同等の断熱性能を示
し、優れた居住性をもって、耐摩耗性、耐食性、耐候
性、耐久性を有する熱線遮蔽ガラスとして高層建築物等
の窓ガラスに有用なものとなり、所期のめざすものを得
た。
【0026】実施例2 実施例1と同様の方法で、処理したガラスを使用し、DC
マグネトロンスパツタリング装置内の真空槽内にTiおよ
びTaのターゲツトをセツトし前記槽内を真空ポンプで5
x10-6Torr以下までに排気した後、該真空槽内にN2ガス
(但し、ArとN2の流量比は9:1から0:1の範囲にあ
ればよい。)を導入して実施例1と同真空度、同N2
ス、同印加電力にて、DCマグネトロン反応スパツタによ
り、前記Tiのターゲツト上方においてスピ−ド約40mm/m
inで前記板ガラスを搬送することによって約50nm厚さの
TiNx薄膜を第1層として基材ガラスを得た。
【0027】次に前記板ガラスを前記真空槽内に置いた
まま、該真空槽内を5x10-6Torr以下までに排気した
後、該真空槽内に、O2およびN2の混合ガス(O2:N2=5:9
5)を導入して真空度を2x10-3Torrに保持し、Taター
ゲツトに約1.8kw の電力を印加し、前記Taターゲツト上
方においてスピ−ド約360mm/min で前記板ガラスを搬送
することによって、前記基材の薄膜表面上に約4.5nm 厚
さのTaNxOy薄膜を保護膜として積層成膜した。成膜が完
了した後、Taターゲツトへの印加を停止する。
【0028】表1に示すように、得られた2層膜を有す
る熱線遮蔽ガラスは、その膜構成において実施例1で示
した測定法等によって同様の評価手段で行ない、その結
果は実施例1と同様に優れた所期の光学特性等各物性を
示すものであった。
【0029】実施例3〜5 前記実施例と同様の方法で、表1に示すように、TiNx薄
膜、TaNxOy薄膜、TaNx薄膜と、下記のSUS 薄膜である下
地層等でもって、2あるいは3層膜の各膜厚を得て、そ
の膜構成において実施例1で示した測定法等によって同
様の評価手段で行ない、その結果を表1に示す。
【0030】得られた2、3層膜を有する熱線遮蔽ガラ
スは、実施例1と同様に優れた所期の光学特性等各物性
を示すものであった。なお、下地層としてのSUS 薄膜
(ステンレス薄膜)については、同装置でSUSターゲツ
トを用い、同真空度、Arガス、印加電力0.5kw におい
て、例えば板ガラス搬送スピ−ド約327mm/min で膜厚約
15nmのSUS 薄膜を得た。
【0031】なおさらに、例えばTiNxOy薄膜も第1層と
して用いることができるものの、膜厚が約20〜90nm程
度、好ましくは25〜80nm程度であって、比較的低透視性
の薄膜であり、成膜については同装置でTiターゲツトを
用い、同真空度、N2とO2の混合ガス、印加電力1.2kw に
おいて、例えば板ガラス搬送スピ−ド約21.0mm/minで膜
厚約90nmのTiNxOy薄膜を得ることができる。
【0032】比較例1 実施例1と同様の方法で、処理したガラスを使用し、DC
マグネトロンスパツタリング装置内の真空槽内にTiター
ゲツトをセツトし前記槽内を真空ポンプで5x10-6Torr
以下までに排気した後、該真空槽内にN2ガス(但し、Ar
とN2の流量比は9:1から0:1の範囲にあればよ
い。)を導入して実施例1と同真空度、同N2ガス、同印
加電力にて、DCマグネトロン反応スパツタにより、前記
Tiのターゲツト上方においてスピ−ド約40mm/minで前記
板ガラスを搬送することによって約50nm厚さのTiNx薄膜
をとして基材単層膜を得た。
【0033】得られた単層膜であるTiNx薄膜ものは、実
施例1と同様の測定法、同様の評価手段で行った結果、
表1に示すように、特にトラバーステストにおいて充分
耐久性があるものとは言い難いものであった。
【0034】比較例2 実施例1と同様の方法で、処理したガラスを使用し、DC
マグネトロンスパツタリング装置内の真空槽内にTiのタ
ーゲツトをセツトし前記槽内を真空ポンプで5x10-6To
rr以下までに排気した後、該真空槽内にN2ガス(但し、
ArとN2の流量比は9:1から0:1の範囲にあればよ
い。)を導入して実施例1と同真空度、同N2ガス、同印
加電力にて、DCマグネトロン反応スパツタにより、前記
Tiのターゲツト上方においてスピ−ド約84mm/minで前記
板ガラスを搬送することによって約24nm厚さのTiNx薄膜
を第1層として基材ガラスを得た。
【0035】次に前記板ガラスを前記真空槽内に置いた
まま、該真空槽内を5x10-6Torr以下までに排気した
後、該真空槽内に、O2ガスを導入して真空度を2x10-3
Torrに保持し、Tiターゲツトに約1.9kw の電力を印加
し、前記Tiターゲツト上方においてスピ−ド約93mm/min
で前記板ガラスを搬送することによって、前記基材表面
上に約10nm厚さのTiOx薄膜を保護膜として積層成膜し
た。成膜が完了した後、Tiターゲツトへの印加を停止す
る。
【0036】得られた熱線遮蔽ガラスは、基材の反射色
調を変化させることとなり、所期のめざすものではなか
った。比較例3〜4 前記実施例および比較例と同様の方法で、表1に示すよ
うに、TiNx薄膜、TaNx薄膜、SUS 薄膜と、下記のTaOx薄
膜とでもって、2あるいは3層膜の各膜厚を得て、その
膜構成において実施例1で示した測定法等によって同様
の評価手段で行ない、その結果を表1に示す。
【0037】なお、TaOx薄膜については、同装置でTaタ
ーゲットを用い、同真空度、O2ガス、印加電力約0.9kw
において、例えば板ガラス搬送スピード約56mm/minで膜
厚約10nmのTaOx薄膜を得た。
【0038】得られたこれら熱線遮蔽ガラスは、ことに
ガラス面の反射色調の変化があり、所期のめざすもので
はなかった。比較例5 実施例と同様の方法で、同装置でTiターゲツト、同真空
度で、N2とO2の混合ガスを用い、また同装置でTaターゲ
ット、同真空度で、N2とO2の混合ガスを用い、第1層薄
膜として膜厚が約6nmのTiNxOy薄膜、第2層として膜厚
が約5.5nm のTaNxOy薄膜を積層して得た。
【0039】得られた2層薄膜のものは、表1に示すよ
うに、その膜構成において、実施例1と同様の測定法、
同様の評価手段で行い、その結果を表1にそれぞれ示
す。ことにガラス面の反射色調の変化があり、所期のめ
ざすものではなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上前述したように、本発明はスパッタ
法で、特定膜厚の金属薄膜、窒化物薄膜あるいは酸化物
薄膜、ことにTiの窒化物薄膜を第1層とし、次いで該第
1層上に、特定膜厚のTaの窒化物薄膜または窒素酸化物
薄膜を保護膜として被覆積層することで構成せしめたこ
とにより、基材の反射色調を変えない熱線遮蔽ガラスで
あって、比較的薄い保護膜でも充分耐摩耗性、耐食性な
らびに耐久性、特に耐擦傷性に優れ、居住性のよい、単
板ガラスはもちろん複層ガラス等として使用し得る、建
築用窓材等に有用な熱線遮蔽ガラスを効率よく提供する
ものである。
フロントページの続き (72)発明者 高山 昌也 三重県多気郡勢和村朝柄2289 (72)発明者 森 茂 三重県松阪市川井町246

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明なガラス基板の一方の表面上に、膜
    厚が3〜100nm の金属薄膜、窒化物薄膜および酸化物薄
    膜を、第1層薄膜として単層、または下地層を含む多層
    あるいは複合薄膜で被覆し、該第1層薄膜上に、膜厚が
    0.5〜4.5nmであるTaの窒化物薄膜あるいは窒素酸化物
    薄膜を保護膜として被覆したことを特徴とする熱線遮蔽
    ガラス。
  2. 【請求項2】 前記第1層薄膜が、膜厚が5〜90nmのTi
    の窒化物薄膜であることを特徴とする請求項1記載の熱
    線遮蔽ガラス。
JP5594793A 1993-03-16 1993-03-16 熱線遮蔽ガラス Pending JPH06263486A (ja)

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