JPWO2016199676A1 - 膜積層体および合わせガラス - Google Patents

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Abstract

透明基体上に積層膜を有する膜積層体において、前記積層膜は、1以上の機能層を有し、前記積層膜は、第1の部分を有し、該第1の部分は、第1の誘電体層、該第1の誘電体層上の第1の機能層、および該機能層上の第2の誘電体層を含む一連の部分で構成され、前記第1の機能層は、前記1以上の機能層のうち、前記透明基体から最も遠い側の機能層であり、前記第1の機能層は、ZrNxで構成され、前記第1の機能層は、波長500nmにおける屈折率nが1.2未満であり、波長1500nmにおける消衰係数kが6よりも大きく、当該膜積層体において、可視光透過率をTv(%)とし日射熱取得率をg(%)としたとき、Tv/gで表されるセレクティビティSeは、1.1≦Seを満たす。

Description

本発明は、遮熱性を有する膜積層体、およびそのような膜積層体を有する合わせガラスに関する。
建物および車両の断熱性を高める際には、しばしば、遮熱性を有する膜積層体が使用される。この膜積層体は、基体上に、熱線反射機能層を含む複数の層を積層することにより構成される。膜積層体を建物および車両の窓等に設置した場合、熱線反射機能層の赤外線反射効果等により、遮熱性を得ることができる。
このような膜積層体は、例えばフィルムの形態で提供され、被設置部材に膜積層体を接着することにより使用される。あるいは、膜積層体は、基体が例えばガラス板のような剛性を有するバルク体で構成され、そのままの形態で利用される。
特表2011−520755号公報
一般に、膜積層体は、銀または銀合金で構成された薄い層(以下、「銀層」という)を含む。これは、銀は、良好な熱線反射機能を示し、また可視光波長域において光をほとんど吸収しないためである。すなわち、膜積層体内に銀層を設置することにより、良好な遮熱性と高い透過性を得ることができる。
ところで、膜積層体の遮熱性を表す際に、しばしば、Tv/gで表されるセレクティビティSeと言う指標が使用される。ここで、Tv(%)は、膜積層体の可視光透過率(%)であり、g(%)は、膜積層体の日射熱取得率(%)である。日射熱取得率g(%)は、膜積層体の基体の側(第1の側)から入射される全太陽熱に対する、反対側(第2の側)まで直接透過される熱(透過熱)と、膜積層体の内部で吸収され、その後膜積層体の第2の側に放出される熱との総和の割合で表される。
膜積層体において、可視光透過率Tv(%)が高く、日射熱取得率g(%)が低いほど、すなわちセレクティビティSeが大きいほど、その膜積層体は、透明性が高く遮熱性能が高いと言える。
前述のような銀層を含む膜積層体は、一般にセレクティビティSeが大きいため、透明で良好な遮熱性を示すと言える。
しかしながら、銀層は、耐環境性があまり良好ではなく、使用とともに、酸化したり劣化したりする場合がある。さらには、銀層にそのよう現象が生じると、膜積層体の透明性および遮熱性が低下してしまうという問題が生じ得る。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、セレクティビティが高く、良好な耐環境性を有する膜積層体を提供することを目的とする。また、本発明では、そのような膜積層体を備える合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明では、透明基体の上に積層膜を有する膜積層体であって、
前記積層膜は、1または2以上の機能層を有し、
前記積層膜は、第1の部分を有し、該第1の部分は、第1の誘電体層、該第1の誘電体層上の第1の機能層、および該機能層上の第2の誘電体層を含む一連の部分で構成され、前記第1の機能層は、前記1または2以上の機能層のうち、前記透明基体から最も遠い側の機能層であり、
前記第1の機能層は、窒化ジルコニウムZrNで構成され、
前記第1の機能層は、波長500nmにおける屈折率nが1.2未満であり、波長1500nmにおける消衰係数kが6よりも大きく、
当該膜積層体において、前記透明基体の側から前記積層膜の最外層に向かって測定される可視光透過率をTv(%)とし日射熱取得率をg(%)としたとき、Tv/gで表されるセレクティビティSeが以下の(1)式:

1.1≦Se (1)式

を満たす、膜積層体が提供される。
本発明では、セレクティビティが高く、良好な耐環境性を有する膜積層体を提供することができる。また、本発明では、そのような膜積層体を備える合わせガラスを提供することができる。
本発明の一実施形態による膜積層体の概略的な構成を示した断面図である。 本発明の一実施形態による別の膜積層体の概略的な構成を示した断面図である。 各膜積層体において得られた可視光透過率Tv(%)と日射熱取得率g(%)の関係をプロットしたグラフである。 例56および65に係る膜積層体において得られた第1の機能層のインプレーンX線回折結果を示したチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
(本発明の一実施形態による膜積層体)
図1には、本発明の一実施形態による膜積層体(以下、「第1の膜積層体」という)の概略的な断面図を示す。
図1に示すように、第1の膜積層体100は、透明基体110と、積層膜120とを有する。
透明基体110は、上部に設置される積層膜120を支持する役割を有する。透明基体110は、第1の表面112および第2の表面114を有し、積層膜120は、透明基体110の第1の表面112の側に設置される。
積層膜120は、複数の層で構成される。例えば、図1に示した例では、積層膜120は、第1の誘電体層122、第1のシード層125、第1の機能層130、第1の犠牲層132、第2の誘電体層135、およびトップ層140をこの順に設置することで構成される。
ただし、これは単なる一例であって、積層膜120は、その他の構成を有しても良い。例えば、図1に示した積層膜120において、第1の誘電体層122と第1のシード層125との間に犠牲層を有していても良いし、第1のシード層125の代わりに犠牲層を設けても構わない。トップ層140も必要に応じて省略することが可能である。
積層膜120中の第1のシード層125は、直上に設置される第1の機能層130の結晶成長を促進させる役割を有する。
また、積層膜120中の第1の犠牲層132は、積層膜120(またはその一部)の熱処理の際に、隣接層(例えば、第1の機能層130)が熱により劣化することを抑制する役割を有する。さらに、トップ層140は、第1の膜積層体100の保護層として設置され、積層膜120を保護する役割を有する。
ここで、第1の膜積層体100において、積層膜120中の第1の誘電体層122〜第2の誘電体層135までの連続部分は、積層膜120の最も基本的な主要部分であるため、本願では、この連続部分を、特に第1の部分145と称する。なお、前述のように、第1のシード層125および第1の犠牲層132は、任意に設置される層であるため、これらの層は、必ずしも第1の部分145内に存在する必要はない。
第1の機能層130は、熱線反射機能を有する。より具体的には、第1の機能層130は、窒化ジルコニウムZrNで構成され、波長500nmにおける屈折率nが1.2未満であり、波長1500nmにおける消衰係数kが6よりも大きいという特徴を有する。
また、第1の膜積層体100では、第1の部分145の存在により、透明基体110の第2の表面114の側から、積層膜120の最外層に向かって照射される光の可視光透過率をTv(%)とし、日射熱取得率をg(%)としたとき、Tv/gで表されるセレクティビティSeは、以下の(1)式:

1.1≦Se (1)式

を満たす。
前述のように、薄い銀または銀合金で構成された、いわゆる「銀層」は、耐環境性があまり良好ではないという問題がある。このため、銀層を含む積層膜を有する膜積層体は、初期には良好な熱線反射機能を示すものの、使用時間ととともに銀層に酸化や劣化が進行し、これにより膜積層体の透明性および遮熱性が低下してしまうという問題が生じ得る。
これに対して、第1の膜積層体100では、第1の機能層130は、銀ではなく、窒化ジルコニウムZrNで構成されるという特徴を有する。すなわち、第1の膜積層体100では、熱線反射機能を発現するための第1の機能層130として、窒化ジルコニウムZrNが使用される。
この窒化ジルコニウムZrNは、銀および銀合金と比較して耐環境性に優れた材料であり、第1の機能層130が使用時間とともに劣化するという問題は生じ難い。このため、第1の機能層130では、長期にわたって安定に、熱線反射機能を維持することができる。
ただし、本願発明者らによれば、膜積層体の第1の機能層130として窒化ジルコニウムZrNを使用すると、しばしば、膜積層体が適正な透過性および遮熱性を示さない場合があることが認められている。
そこで、第1の膜積層体100では、第1の機能層130を構成する窒化ジルコニウムZrNは、波長500nmにおける屈折率nが1.2未満であり、波長1500nmにおける消衰係数kが6よりも大きくなるように構成される。窒化ジルコニウムZrNの屈折率nおよび消衰係数kをこのような範囲に設定することにより、良好な透過性と遮熱性を有する膜積層体を提供することができる。
また、第1の膜積層体100では、セレクティビティSeは、前述の(1)式を満たし、高い透過性と、高い遮熱性とを両立することができる。
このような効果により、第1の膜積層体100では、高い透明性および良好な遮熱性を安定的に発揮することが可能となる。
なお、前述のセレクティビティSeは、一般的には、

2.00>Se (2)式

である。
(第1の膜積層体100の適用例について)
前述のような特徴を有する第1の膜積層体100の適用例として、以下の形態が考えられる。ただし、これらの適用例は、単なる一例であって、第1の膜積層体100の適用例は、これらに限られるものではない。
(第1の形態)
第1の膜積層体100は、例えば、被設置部材に貼付されるフィルムの形態で使用されても良い。この場合、透明基体110は、可撓性を有するように、例えば0.5mm以下の薄い部材で構成されることが好ましい。これにより、第1の膜積層体100の被設置部材への貼付が容易となる。
被設置部材は、例えば、ガラス板等であっても良い。
(第2の形態)
第1の膜積層体100は、例えば、「そのまま」の形態で、建築用部材または車両用部材などの部材として使用されても良い。この場合、透明基体110は、剛性を有するように、例えば0.5mm以上の部材で構成されることが好ましい。例えば、透明基体110は、ガラス基板で構成されても良い。
透明基体110がガラス基板で構成される場合、第1の膜積層体100は、合わせガラス用の一ガラス部材として利用されても良い。
一般に、合わせガラスは、第1および第2のガラス板と、両ガラス板の間に配置され、両ガラス板を接合する中間膜とを有する。この合わせガラスの一方または両方のガラス板として、第1の膜積層体100が適用できる。この場合、第1の膜積層体100は、透明基体110の側が「内側」、すなわち中間膜側となるように使用されても、積層膜120の側が「内側」となるように使用されても良い。
また、透明基体110がガラス基板で構成される場合、第1の膜積層体100は、複層ガラス用の一ガラス部材として利用されても良い。
一般に、複層ガラスは、第1および第2のガラス板と、両ガラス板の間に設けられた空間層とを有する。この複層ガラスの一方または両方のガラス板として、第1の膜積層体100が適用できる。この場合、第1の膜積層体100は、透明基体110の側が「内側」、すなわち空間層側となるように使用されても、積層膜120の側が「内側」となるように使用されても良い。
第1の膜積層体100の適用例として、この他にも各種用途が想定される。
(第1の膜積層体を構成する各部材)
次に、前述のような特徴を有する第1の膜積層体100を構成する各部材について、より詳しく説明する。なお、以下の説明では、明確化のため、各部材を表す際に、図1に示した参照符号を使用する。
(透明基体110)
透明基体110を構成する材料は、特に限られない。
透明基体110は、ガラス、樹脂、またはプラスチック等で構成されても良い。
透明基体110の厚さは、特に限られず、第1の膜積層体100の使用目的によって適当な厚さが選定される。
例えば、第1の膜積層体100が前述の第1の態様で、すなわちフィルムとして使用される場合、透明基体110は、0.01mm〜1mmの厚さを有しても良い。
また、例えば、第1の膜積層体100が前述の第2の態様、特に合わせガラスまたは複層ガラス用のガラス部材として使用される場合、透明基体110は、ガラス基板で構成され、0.5mm〜20mmの厚さを有しても良い。
(第1の誘電体層122、および第2の誘電体層135)
第1の誘電体層122は、例えば、窒化ケイ素、アルミニウムを含有する窒化ケイ素、ジルコニウムを含有する窒化ケイ素の少なくとも一つを含む層で構成されても良い。あるいは、第1の誘電体層122は、例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、およびZrの少なくとも一つを含む層で構成されても良い。
第1の誘電体層122には、酸素が含まれてもよい。なお、第1の誘電体層122は単層の膜であっても異なる種類の膜からなる積層膜であっても構わない。
また、第1の誘電体層122は、第1の機能層130と接する領域(以下、「上部領域」と称する)に、「結晶性向上材料」を有してもよい。ここで、「結晶性向上材料」とは、上部に配置される第1の機能層130の結晶性を高めることが可能な材料を意味し、例えば、ZrN(ここでX>1.2)、NbN(ここでX>1)、TiN(ここで0.9<X<1.1またはX>1.2)等が挙げられる。
第1の誘電体層122がそのような「結晶性向上材料」を有する場合、第1の機能層130の波長500nmにおける屈折率nをよりいっそう低下させることが可能となり、波長1500nmにおける消衰係数kをよりいっそう向上させることが可能となる。
本願では、このような第1の機能層130の結晶性の改善効果を示す指標として、インプレーンX線回折法によって得られる配向指数Pを導入する。なお、インプレーンX線回折法を採用したのは、この方法では、第1の機能層130の上に第2の誘電体層135等が存在しても、第1の機能層130の結晶性を適正に評価することができるためである。
配向指数Pは、以下のように定められる:
Figure 2016199676

ここで、Max[a,b,c]は、a〜cのうちの最大値を表し、Min[a,b,c]は、a〜cのうちの最小値を表す。
また、Is(111)は、第1の機能層130(ZrN)のインプレーンX線回折により得られる面方位(111)でのピーク強度I(111)から得ることができる。同様に、Is(200)は、第1の機能層130(ZrN)のインプレーンX線回折により得られる面方位(200)でのピーク強度I(200)から得ることができ、Is(220)は、第1の機能層130(ZrN)のインプレーンX線回折により得られる面方位(220)でのピーク強度I(220)から得ることができる。ここで、ピーク強度I(111)は回折角2θ(入射X線方向と回折X線方向とのなす角度)が33.9°を中心に±1°の範囲内における最大強度、ピーク強度I(200)は回折角2θが39.4°を中心に±1°の範囲内における最大強度、ピーク強度I(220)は回折角2θが56.9°を中心に±1°の範囲内における最大強度から得ることができる。
より具体的には、Is(111)、Is(200)、およびIs(220)は、それぞれ、以下の式

Is(111)=I(111)/99 (4)式
Is(200)=I(200)/85 (5)式
Is(220)=I(220)/48 (6)式

から得ることができる。なお、各ピーク強度はバックグラウンド処理後のピーク高さを使用する。
ここで、(4)式〜(6)式における除数(右辺の分母)は、国立研究開発法人物質・材料研究機構の無機材料データベース(AtomWork)から得られる、ZrN粉末パターンの(111)、(200)、および(220)の3方位のピーク強度比、すなわち、99:85:48に対応している。
すなわち、Is(111)、Is(200)およびIs(220)は、第1の機能層130(ZrN)のインプレーンX線回折により得られたピーク強度を、粉末パターンのピーク強度により規格化された値とみなすことができる。
前述の(3)式で表される配向指数Pは、第1の機能層130(ZrN)の配向が、粉末パターンに対してどの程度偏りがあるかを表している。従って、配向指数Pが大きいほど、第1の機能層130(ZrN)がある特定の方位に配向していると言える。
一般に、第1の誘電体層122が、上部領域に結晶性向上材料を有しない場合、第1の機能層130の配向指数Pは、1前後である。これに対して、第1の誘電体層122が、上部領域に結晶性向上材料を有する場合、第1の機能層130の配向指数Pは、2以上となる。
第1の誘電体層122の厚さは、例えば、3nm〜300nmの範囲であっても良い。
第1の誘電体層122は、例えば、物理的気相成膜法(物理蒸着法、PVD法、スパッタリング法等)、または化学的気相成膜法(CVD法等)により、設置されても良い。これらの成膜法の中では、特に、スパッタリング法が好ましい。
第2の誘電体層135についても、第1の誘電体層122と同様のことが言える。なお、第2の誘電体層135の材質および/または厚さは、第1の誘電体層122と同じであっても、異なっていても良い。
(第1の機能層130)
前述のように、第1の機能層130は、窒化ジルコニウムZrNで構成される。ここでxは、0.9<x<1.0の範囲であることが好ましい。また、第1の誘電体層122の上部領域が前述の結晶性向上材料を有する場合、第1の機能層130は、0.9<x<1.1の範囲であることが好ましい。第1の誘電体層122の上部領域が前述の結晶性向上材料を有する場合、第1の機能層130の結晶配向がある一定の方位に揃えられる。それにより、第1の機能層130の配向性が高まり、過剰な窒素が粒界に入る余地がなくなり、より広い範囲のxで理想的な結晶が得られる。
xを0.9<x<1.0の範囲にすることにより、波長500nmにおける屈折率nが1.2未満であり、波長1500nmにおける消衰係数kが6よりも大きい窒化ジルコニウムZrNの層を、比較的容易に得ることができる。本実施形態では、0.9<x<1.0とし、化学量論比に比較的近く、窒素量も抑えることで、格子間に窒素も侵入しないため、耐久性の高い緻密な膜を安定して得ることが出来る。
第1の機能層130の膜厚は、例えば、1nm〜60nmの範囲である。
第1の機能層130は、例えば、物理的気相成膜法(物理蒸着法、PVD法、スパッタリング法等)、または化学的気相成膜法(CVD法等)により、形成されても良い。これらの成膜法の中では、特に、スパッタリング法が好ましい。
スパッタリング法では、成膜条件(例えば、成膜時の透明基体の温度、成膜圧力、導入ガスの組成、ターゲット組成、および後熱処理温度等)を制御することにより、窒化ジルコニウムZrNの組成、すなわちxの値を調整することができる。また、成膜条件を制御することにより、前述のような屈折率nおよび消衰係数kを有する窒化ジルコニウムZrNを比較的容易に成膜することができる。
なお、第1の機能層130を構成する窒化ジルコニウムZrNは、成膜時に不可避的に導入される不純物(例えば炭素および酸素等)を、最大3at%程度含んでも良い。スパッタリング法を用いる場合、第1の機能層130を構成する窒化ジルコニウムZrNは、Zrを含むターゲットに含まれる不純物(例えば、Hf、Ti、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、O、C等)を最大3at%程度含んでも良い。
(第1のシード層125および第1の犠牲層132)
前述のように、第1のシード層125および第1の犠牲層132は、任意に設置される層であり、それぞれ複数の層から形成されても良く、省略されても良い。
もし設置する場合、第1のシード層125は、例えば、Zr、Ti、Siなどの単体金属、TiNなどの金属窒化物で構成される。第1のシード層125の厚さは、例えば、1nm〜10nmの範囲であっても良い。一方、第1の犠牲層132は、例えば、Zn、Zr、Ti、NiCrで構成される。第1の犠牲層132の厚さは、例えば、1nm〜10nmの範囲であっても良い。
なお、第1のシード層125には、酸素が含まれてもよい。
これらの層は、例えば、物理的気相成膜法(物理蒸着法、PVD法、スパッタリング法等)、または化学的気相成膜法(CVD法等)により、形成されても良い。これらの成膜法の中では、特に、スパッタリング法が好ましい。
特に、第1のシード層125は、ZrN(ここでX>1.2)、NbN(ここでX>1)、またはTiN(ここで0.9<X<1.1またはX>1.2)のいずれかで構成されてもよい。
(トップ層140)
前述のように、トップ層140は、任意に設置される層であり、省略されても良い。特に、図1に示した構成において、第2の誘電体層135が保護層としての機能を兼ねる場合、トップ層140を設置する必要は少ない。
もし設置する場合、トップ層140は、例えば、SiO、TiNまたはC等で構成される。トップ層140の厚さは、例えば、1nm〜10nmの範囲であっても良い。
トップ層140は、例えば、物理的気相成膜法(物理蒸着法、PVD法、スパッタリング法等)、または化学的気相成膜法(CVD法等)により、形成されても良い。これらの成膜法の中では、特に、スパッタリング法が好ましい。
(積層膜120)
積層膜120は、第1の機能層130として、前述のような特徴を有する窒化ジルコニウムZrNで構成された層を有する。この材料は、銀に比べて、機械的耐久性および化学的耐久性に優れる。従って、積層膜120が単一の機能層(すなわち第1の機能層130)のみを有する場合、良好な耐環境性を有する膜積層体100を提供することが可能となる。
一方、後述するように、積層膜が複数の機能層を有する場合は、積層膜の最も外側に位置する機能層が、窒化ジルコニウムZrNで構成される。この場合、より「内側」の1または複数の機能層は、窒化ジルコニウムZrN以外の材料で構成されても良い。
最も外側に位置する機能層を前述のような特徴を有する窒化ジルコニウムZrNで構成することにより、積層膜全体として、良好な耐環境性を発揮することができる。
(本発明の一実施形態による別の膜積層体)
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態による別の膜積層体について説明する。
図2には、本発明の一実施形態による別の膜積層体(以下、「第2の膜積層体」という)の概略的な断面図を示す。
図2に示すように、第2の膜積層体200は、透明基体210と、積層膜220とを有する。
透明基体210は、上部に設置される積層膜220を支持する役割を有する。透明基体210は、第1の表面212および第2の表面214を有し、積層膜220は、透明基体210の第1の表面212の側に設置される。
積層膜220は、第1の誘電体層222、第1の機能層230、および第2の誘電体層235で構成された基本部分、すなわち第1の部分245を有する。
なお、図2には示されていないが、第1の部分245は、前述のように、さらに、第1のシード層および/または第1の犠牲層を有しても良い。この場合、第1のシード層は、第1の誘電体層222と第1の機能層230の間に配置され、第1の犠牲層は、第1の機能層230と第2の誘電体層235の間に配置される。
前述のように、第1の機能層230の直下に、結晶性向上材料の上部領域を有する第1の誘電体層222を配置した場合、第1の機能層230の配向指数Pが2以上となり、第1の機能層230の結晶性が向上する。
また、積層膜220は、第1の部分245の上部に、トップ層240を有する。ただし、トップ層240は、省略されても良い。なお、トップ層240の役割は、前述の第1の膜積層体100におけるトップ層140と同じである。
ここで、第1の部分245に存在する第1の機能層230は、窒化ジルコニウムZrNで構成され、波長500nmにおける屈折率nが1.2未満であり、波長1500nmにおける消衰係数kが6よりも大きいという特徴を有する。
また、第2の膜積層体200において、透明基体210の第2の表面214の側から、積層膜220の最外層に向かって測定される可視光透過率をTv(%)とし、日射熱取得率をg(%)としたとき、Tv/gで表されるセレクティビティSeは、以下の(1)式:

1.1≦Se (1)式

を満たす。
従って、第2の膜積層体200においても、第1の膜積層体100の場合と同様に、高い透明性および良好な遮熱性を安定的に発揮することが可能となる。
なお、積層膜220は、さらに、第1の部分245よりも下側、すなわち透明基体210により近い側に、第1の表面212に近い順に、第3の誘電体層250および第2の機能層255を有する。
積層膜220をこのような構成とした場合、第1の膜積層体100に比べて、色味の調整および/またはセレクティビティSeを、比較的容易に調整することが可能となる。
なお、第3の誘電体層250は、前述の第1の誘電体層の場合と同様に、結晶性向上材料からなる上部領域を有してもよい。第2の機能層255がZrN材料で構成される場合、前述のような結晶性向上材料の上部領域を有する第3の誘電体層250を配置することにより、第2の機能層255の結晶性を高めることができる。
(第2の膜積層体を構成する各部材)
次に、図2に示した第2の膜積層体200を構成する各部材について、より詳しく説明する。
ただし、第2の膜積層体200において、透明基体210、第1の部分245、およびトップ層240については、前述の図1に示したような第1の膜積層体100の各部材に関する記載を参照できる。そこで、ここでは、第3の誘電体層250および第2の機能層255についてのみ、説明する。また、以下の説明では、明確化のため、各部材を表す際に、図2に示した参照符号を使用する。
(第3の誘電体層250)
第3の誘電体層250は、例えば、窒化ケイ素、アルミニウムを含有する窒化ケイ素、ジルコニウムを含有する窒化ケイ素の少なくとも一つを含む層で構成されても良い。あるいは、第3の誘電体層250は、例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、およびZrの少なくとも一つを含む層で構成されても良い。
第3の誘電体層250の厚さは、例えば、3nm〜300nmの範囲であっても良い。
第3の誘電体層250は、例えば、物理的気相成膜法(物理蒸着法、PVD法、スパッタリング法等)、または化学的気相成膜法(CVD法等)により、形成されても良い。これらの成膜法の中では、特に、スパッタリング法が好ましい。
なお、第3の誘電体層250は、第1の誘電体層222および/または第2の誘電体層235と同じ組成であっても良い。
(第2の機能層255)
第2の機能層255は、透明で導電性を有する材料である限り、いかなる材料を用いても良い。
第2の機能層255は、例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)であっても良い。また、第2の機能層255は、第1の機能層230と同様の窒化ジルコニウムZrNで構成されても良い。
なお、第2の機能層255には、銀または銀合金で構成された薄い層、すなわち「銀層」を使用することもできる。第2の機能層255にそのような銀層を使用しても、第2の機能層255の上部には、耐環境性が良好な第1の部分245が存在するため、この第1の部分245が第2の機能層255に対する保護バリアとして機能するからである。
なお、第2の機能層255として銀層を使用する場合、第2の機能層255は、複数の層で構成されても良い。例えば、第2の機能層255は、第1の金属層/銀層/第2の金属層の3層構造を有しても良い。
第2の機能層255の膜厚は、例えば、1nm〜500nmの範囲である。
第2の機能層255は、例えば、物理的気相成膜法(物理蒸着法、PVD法、スパッタリング法等)、または化学的気相成膜法(CVD法等)により、形成されても良い。これらの成膜法の中では、特に、スパッタリング法が好ましい。
以上、図2を参照して、第2の膜積層体200の構成および特徴について説明した。
ただし、これは単なる一例であって、第2の膜積層体200は、その他の構成を有しても良い。例えば、図2に示した第2の膜積層体200において、第3の誘電体層250は、省略されても良い。この場合、透明基体210の第1の表面212には、第2の機能層255が直接設置される。
あるいは、図2に示した第2の膜積層体200において、第3の誘電体層250の下側に、さらに、第1の表面212に近い側から、別の機能層と誘電体層の組が、1以上設置されても良い。そのような組の数は、例えば、2、3、または4以上であっても良い。この場合、膜積層体の色味および/またはセレクティビティSeの調整がより容易となる。
本発明において、この他にも、膜積層体が各種層構成を取り得ることは、当業者には明らかである。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、以下の記載において、例1〜例9、例31〜例39、および例41〜例44は、実施例であり、例21〜例26、例51〜例55、および例65〜例67は比較例である。また、例56〜例64は、実施例である。
(例1)
以下の方法で、ガラス基板の一方の表面に積層膜を形成して、膜積層体を製造した。
ガラス基板には、縦100mm×横100mm×厚さ2.8mmの寸法を有するソーダライムガラスを使用した。
積層膜の構成は、ガラス基板に近い側から、第1の誘電体層/第1の機能層/第2の誘電体層の3層構造とした。第1の誘電体層はアルミニウムを含有する窒化ケイ素(目標膜厚46nm)とし、第1の機能層はZrN(目標膜厚42nm)とし、第2の誘電体層はアルミニウムを含有する窒化ケイ素(目標膜厚56nm)とした。
これらの層は、いずれもスパッタリング法により成膜した。より具体的には、第1の誘電体層の成膜には、Si−10wt%Alターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。
第1の機能層の成膜には、Zrターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=4.6:1(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.26Paであった。なお、第1の機能層の成膜の際には、ガラス基板を300℃まで加熱した。
第2の誘電体層の成膜には、Si−10wt%Alターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。
これにより、膜積層体(以下、「例1に係る膜積層体」という)が製造された。
(例2および例3)
例1と同様の方法により、膜積層体(それぞれ、「例2に係る膜積層体」および「例3に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例2および例3では、それぞれの層の厚さを例1の場合とは変化させた。
(例4〜例6)
例1と同様の方法により、膜積層体(それぞれ、「例4〜例6に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例4〜例6では、それぞれの層の厚さを例1の場合とは変化させた。また、例4〜例6では、第1の機能層の成膜の際に、ガラス基板を加熱しなかった。また、第2の誘電体層の成膜が完了後に、ガラス基板を600℃まで加熱し、600℃で20分間保持した。
(例7〜例9)
例1と同様の方法により、膜積層体(それぞれ、「例7〜例9に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例7〜例9では、それぞれの層の厚さを例1の場合とは変化させた。また、例7〜例9では、第1の機能層の成膜の際に、ガラス基板を加熱しなかった。さらに、第2の誘電体層の成膜後にも、加熱処理は実施しなかった。
(例21〜例22)
例1と同様の方法により、膜積層体(それぞれ、「例21〜例22に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例21〜例22では、それぞれの層の厚さを例1の場合とは変化させた。また、例21〜例22では、第1の機能層の成膜の際に使用した混合ガスにおいて、アルゴンと窒素の割合は、アルゴン:窒素=6.3:1(sccm)とした。成膜時の圧力は、0.35Paであった。
なお、これらの例では、第1の機能層の成膜の際に、ガラス基板を加熱しなかった。さらに、第2の誘電体層の成膜後にも、加熱処理は実施しなかった。
(例23〜例24)
例1と同様の方法により、膜積層体(それぞれ、「例23〜例24に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例23〜例24では、それぞれの層の厚さを例1の場合とは変化させた。また、例23〜例24では、第1の機能層の成膜の際に使用した混合ガスにおいて、アルゴンと窒素の割合は、アルゴン:窒素=1:1(sccm)とした。成膜時の圧力は、0.26Paであった。
なお、これらの例では、第1の機能層の成膜の際に、ガラス基板を加熱しなかった。さらに、第2の誘電体層の成膜後にも、加熱処理は実施しなかった。
(例25)
以下の方法で、ガラス基板の一方の表面に積層膜を形成して、膜積層体を製造した。
ガラス基板には、縦100mm×横100mm×厚さ2.8mmの寸法を有するソーダライムガラスを使用した。
積層膜の構成は、ガラス基板に近い側から、第1の誘電体層/第1の機能層/第2の誘電体層の構造とした。第1の誘電体層は、窒化ケイ素(目標膜厚20nm)と、酸化ケイ素(目標膜厚40nm)の2層構造とした。また、第1の機能層は窒化ニオブ(目標膜厚30nm)とし、第2の誘電体層はアルミニウムを含有する窒化ケイ素(目標膜厚30nm)とした。
これらの層は、いずれもスパッタリング法により成膜した。より具体的には、第1の誘電体層のうち、窒化ケイ素の成膜には、Si−10wt%Alターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。また、第1の誘電体層のうち、酸化ケイ素の成膜には、Siターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと酸素の混合ガス(アルゴン:酸素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paあった。
第1の機能層の成膜には、Nbターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=10:20(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.25Paであった。なお、第1の機能層の成膜の際に、ガラス基板は加熱しなかった。
第2の誘電体層の成膜には、Si−10wt%Alターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。
これにより、膜積層体(以下「例25に係る膜積層体」と称する)が製造された。
(例26)
前述の例7と同様の方法により、膜積層体(以下「例26に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例26では、それぞれの層の厚さを例7の場合とは変化させた。また、第1の機能層として、窒化クロム(目標膜厚10nm)を使用した。
第1の機能層の成膜には、Crターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=5:25(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.28Paであった。なお、第1の機能層の成膜の際に、ガラス基板は加熱しなかった。
(例31)
以下の方法で、ガラス基板の一方の表面に積層膜を形成して、膜積層体を製造した。
ガラス基板には、縦100mm×横100mm×厚さ2.8mmの寸法を有するソーダライムガラスを使用した。
積層膜の構成は、ガラス基板に近い側から、第3の誘電体層/第2の機能層/第1の誘電体層/第1の機能層/第2の誘電体層の5層構造とした。
第3の誘電体層はアルミニウムを含有する窒化ケイ素(目標膜厚25nm)とし、第2の機能層はZrN(目標膜厚19nm)とし、第1の誘電体層はアルミニウムを含有する窒化ケイ素(目標膜厚91nm)とし、第1の機能層はZrN(目標膜厚40nm)とし、第2の誘電体層はアルミニウムを含有する窒化ケイ素(目標膜厚38nm)とした。
これらの層は、いずれもスパッタリング法により成膜した。より具体的には、第3の誘電体層の成膜には、Si−10wt%Alターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。
第2の機能層の成膜には、Zrターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=4.6:1(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.26Paであった。なお、第2の機能層の成膜の際には、ガラス基板を300℃まで加熱した。
第1の誘電体層の成膜には、Si−10wt%Alターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。
第1の機能層の成膜には、Zrターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=4.6:1(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.26Paであった。なお、第1の機能層の成膜の際には、ガラス基板を300℃まで加熱した。
第2の誘電体層の成膜には、Si−10wt%Alターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。
これにより、膜積層体(以下、「例31に係る膜積層体」という)が製造された。
(例32および例33)
例31と同様の方法により、膜積層体(それぞれ、「例32に係る膜積層体」および「例33に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例32および例33では、それぞれの層の厚さを例31の場合とは変化させた。
(例34〜例36)
例31と同様の方法により、膜積層体(それぞれ、「例34〜例36に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例34〜例36では、それぞれの層の厚さを例31の場合とは変化させた。また、例34〜例36では、第1の機能層の成膜の際に、ガラス基板を加熱しなかった。また、第2の誘電体層の成膜が完了後に、ガラス基板を600℃まで加熱した。
(例37〜例39)
例31と同様の方法により、膜積層体(それぞれ、「例37〜例39に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例37〜例39では、それぞれの層の厚さを例31の場合とは変化させた。また、例37〜例39では、いずれの層の成膜の際にも、ガラス基板を加熱しなかった。さらに、全ての層の成膜後にも、加熱処理は実施しなかった。
(例41)
以下の方法で、ガラス基板の一方の表面に積層膜を形成して、膜積層体を製造した。
ガラス基板には、縦100mm×横100mm×厚さ2.8mmの寸法を有するソーダライムガラスを使用した。
積層膜の構成は、ガラス基板に近い側から、第3の誘電体層/第2の機能層/第1の誘電体層/第1の機能層/第2の誘電体層の構造とした。
第3の誘電体層は、アルミニウムを含有する窒化ケイ素(目標膜厚28nm)とした。第2の機能層は、銀(目標膜厚15.5nm)とし、第2の機能層を挟むようにニッケルクロム合金(目標膜厚1nm)の犠牲層を2層設けた。第1の誘電体層は、アルミニウムを含有する窒化ケイ素(目標膜厚97.5nm)とした。また、第1の機能層はZrN(目標膜厚25.5nm)とし、第2の誘電体層はアルミニウムを含有する窒化ケイ素(目標膜厚48nm)とした。
これらの層は、いずれもスパッタリング法により成膜した。より具体的には、第3の誘電体層の成膜には、Si−10wt%Alターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。
第2の機能層の成膜には、Ni−20wt%CrおよびAgターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンを使用した。成膜時の圧力は、0.47であった。
第1の誘電体層の成膜には、Si−10wt%Alターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。
第1の機能層の成膜には、Zrターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=4.6:1(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.26Paであった。なお、第1の機能層の成膜の際には、ガラス基板を300℃まで加熱した。
第2の誘電体層の成膜には、Si−10wt%Alターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。
これにより、膜積層体(以下、「例41に係る膜積層体」という)が製造された。
(例42)
前述の例41と同様の方法により、膜積層体(以下「例42に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例42では、それぞれの層の厚さを例41の場合とは変化させた。また、例42では、第1の機能層の成膜の際に、ガラス基板を加熱しなかった。代わりに、全ての層の成膜が完了後に、ガラス基板を600℃まで加熱した。
(例43)
以下の方法で、ガラス基板の一方の表面に積層膜を形成して、膜積層体を製造した。
ガラス基板には、縦100mm×横100mm×厚さ2.8mmの寸法を有するソーダライムガラスを使用した。
積層膜の構成は、ガラス基板に近い側から、第2の機能層/第1の誘電体層/第1の機能層/第2の誘電体層の4層構造とした。
第2の機能層は、スズドープ酸化インジウム(目標膜厚55nm)とした。第1の誘電体層は、アルミニウムを含有する窒化ケイ素(目標膜厚13nm)とした。また、第1の機能層はZrN(目標膜厚20nm)とし、第2の誘電体層はアルミニウムを含有する窒化ケイ素(目標膜厚54nm)とした。
これらの層は、いずれもスパッタリング法により成膜した。より具体的には、第2の機能層の成膜には、ITOターゲットを使用した。
第1の誘電体層の成膜には、Si−10wt%Alターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。
第1の機能層の成膜には、Zrターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=4.6:1(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.26Paであった。
第2の誘電体層の成膜には、Si−10wt%Alターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。全ての層の性膜後に、300℃の加熱処理を2時間実施した。
これにより、膜積層体(以下、「例43に係る膜積層体」という)が製造された。
(例44)
前述の例43と同様の方法により、膜積層体(以下「例44に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例44では、それぞれの層の厚さを例43の場合とは変化させた。また、例44では、第1の誘電体層として、Zr(目標膜厚5nm)を使用した。さらに、例44では、全ての層の成膜が完了後に、ガラス基板を600℃まで加熱した。
(例51〜例52)
例31と同様の方法により、膜積層体(それぞれ、「例51〜例52に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例51〜例52では、それぞれの層の厚さを例31の場合とは変化させた。また、例51〜例52では、第1の機能層の成膜の際に使用した混合ガスにおいて、アルゴンと窒素の割合は、アルゴン:窒素=6.3:1(sccm)とした。
なお、これらの例では、第1の機能層の成膜の際に、ガラス基板を加熱しなかった。さらに、第2の誘電体層の成膜後にも、加熱処理は実施しなかった。
(例53〜例54)
例31と同様の方法により、膜積層体(それぞれ、「例53〜例54に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例53〜例54では、それぞれの層の厚さを例31の場合とは変化させた。また、例53〜例54では、第1の機能層の成膜の際に使用した混合ガスにおいて、アルゴンと窒素の割合は、アルゴン:窒素=1:1(sccm)とした。
なお、これらの例では、第1の機能層の成膜の際に、ガラス基板を加熱しなかった。さらに、第2の誘電体層の成膜後にも、加熱処理は実施しなかった。
(例55)
以下の方法で、ガラス基板の一方の表面に積層膜を形成して、膜積層体を製造した。
ガラス基板には、縦100mm×横100mm×厚さ2.8mmの寸法を有するソーダライムガラスを使用した。
積層膜の構成は、ガラス基板に近い側から、第3の誘電体層/第2の機能層/第1の誘電体層/第1の機能層/第2の誘電体層の構成とした。第3の誘電体層は、アルミニウムを含有する窒化ケイ素(目標膜厚40nm)とした。また、第2の機能層は、窒化ニオブ(目標膜厚12nm)とした。第2の誘電体層はアルミニウムを含有する窒化ケイ素(目標膜厚80nm)とした。また、第1の機能層は窒化ニオブ(目標膜厚13nm)とし、第2の誘電体層はアルミニウムを含有する窒化ケイ素(目標膜厚35nm)とした。
これらの層は、いずれもスパッタリング法により成膜した。より具体的には、第3の誘電体層の成膜には、Si−10wt%Alターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。
第2の機能層の成膜には、Nbターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=10:20(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.25Paであった。
第1の誘電体層の成膜には、Si−10wt%Alターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。
第1の機能層の成膜には、Nbターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=10:20(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.25Paであった。なお、第1の機能層の成膜の際に、ガラス基板は加熱しなかった。
第2の誘電体層の成膜には、Si−10wt%Alターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。
これにより、膜積層体(以下「例55に係る膜積層体」と称する)が製造された。
以下の表1には、各例に係る膜積層体の構成および層の厚さをまとめて示す。
Figure 2016199676

(評価)
次に、各例に係る膜積層体を用いて、以下の評価を行った。
(Zr:N比)
例4〜例9、例21〜例24、例34〜例39、例42〜例44、および例51〜例54に係る膜積層体を用いて、第1の機能層を構成する窒化ジルコニウムZrNのZrとNの元素比をラザフォード後方散乱分光法(Rutherford BackscatteringSpectrometry:RBS)を用いて測定した。
(屈折率nおよび消衰係数k)
各例に係る膜積層体を用いて、第1の機能層の波長500nmにおける屈折率n、および波長1500nmにおける消衰係数kを以下のようにして求めた。それぞれの積層体について、分光光度計(U−4100:日立社製)を用いて分光スペクトルを、分光エリプソメータ(M−2000:ジェー・エー・ウーラム社製)を用いて偏光情報の測定を行った。得られた分光透過および反射スペクトルと偏光情報とを用いて、光学モデルのフィッティングを行い、屈折率nと消衰係数kを決定した。
(可視光透過率Tvおよび日射熱取得率g)
各例に係る膜積層体を用いて、可視光透過率Tv(%)および日射熱取得率g(%)を以下のように測定した。
それぞれの積層体について、測定された分光透過スペクトルを用いてJIS R3106に準拠して可視光透過率Tvを算出し、放射率測定機(TSS−5X:ジャパンセンサー社製)を用いて放射率を測定し、ISO 9050に準拠して日射熱取得率gを算出した。
得られた可視光透過率Tv(%)および日射熱取得率g(%)から、前述の(1)式に従って、セレクティビティSeを算定した。
以下の表2には、各例に係る膜積層体において得られた評価結果をまとめて示す。この表2から、例21〜例26、および例51〜例55に係る第1の機能層は、波長500nmにおける光の屈折率nが1.2以上であり、波長1500nmにおける光の消衰係数kが6未満である。一方、例1〜例9、例31〜例39、および例41〜例44に係る第1の機能層ZrNは、波長500nmにおける光の屈折率nが1.2未満であり、光の波長1500nmにおける消衰係数kが6より大きい。
Figure 2016199676

図3には、各例に係る膜積層体において得られた可視光透過率Tv(%)と日射熱取得率g(%)の関係を示す。
この図3から、例21〜例26、および例51〜例55に係る膜積層体では、いずれもTv/g<1.1となっていることがわかる。これに対して、例1〜例9、例31〜例39、および例41〜例44に係る膜積層体では、Tv/g≧1.1の関係を満たし、高い透過性と良好な遮熱性をともに有することがわかった。
(耐久性試験)
以下の方法で、3種類の膜積層体を用いて耐久性試験を行った。各膜積層体は、以下の構成を有する。
(膜積層体A)
ガラス基板(100mm×横100mm×厚さ2.8mm)+Si層(40nm)+ZrN層(13nm)+Si層(58nm)
(膜積層体B)
ガラス基板(2.8mm)+Si層(25nm)+ZrN層(19nm)+Si層(91nm)+ZrN層(40nm)+Si層(38nm)
(膜積層体C)
ガラス基板(2.8mm)+Si層(40nm)+NiCr層(2.5nm)+Ag層(8nm)+NiCr層(2.5nm)+Si層(58nm)
各膜積層体A〜Cにおいて、それぞれの層は、スパッタリング法より成膜した。
なお、膜積層体A〜Cにおいて、Si層は、Siターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=70:30(sccm))を使用することにより成膜した。また、膜積層体AおよびBにおいて、ZrN層の成膜条件は、前述の例1の場合と同様である。また、膜積層体Cにおいて、NiCr層/Ag層/NiCr層の成膜条件は、前述の例42の場合と同様である。
耐久性試験として、以下の2種類の評価を実施した。
(機械的耐久性の評価)
エリクセン試験機(モデル494試験機:エリクセン社製)を用いて、膜積層体を水中に浸漬させた。
次に、膜積層体の積層膜側に研磨材(スコッチブライト#7448B:住友スリーエム社製)を接触させた。研磨剤は、90mm×40mmの寸法を有する。この研磨材に324gの荷重を加えて、研磨材を積層膜上で1000回往復させた。その後、膜積層体を回収し、光学顕微鏡により積層膜の状態を表面側から観察した。観察箇所は、膜積層体の略中央の、5mm×5mmの領域とした。
観察の結果、積層膜に生じた傷(幅が1μm以上の傷)の本数が5本以下の膜積層体を、機械的耐久性が良好であると判断した。また、傷(幅が1μm以上の傷)の本数が6本以上の膜積層体を、機械的耐久性が悪いと判断した。
以下の表3には、各膜積層体A〜Cにおける機械的耐久性の評価結果を示す。
Figure 2016199676

この結果から、機能層としてZrN層を有する膜積層体AおよびBは、機能層として銀層を有する膜積層体Cよりも良好な機械的耐久性を示すことが確認された。
(化学的耐久性の評価)
膜積層体A〜Cの化学的耐久性の評価として、耐汗試験、耐薬品性試験、および耐湿性試験を実施した。
(耐汗試験)
耐汗試験は、ISO12870に準じた方法で実施した。
まず、密閉容器内に人工汗液を注入した。人工汗液は、乳酸50g/L、および塩化ナトリウム100g/Lを含む。この密閉容器内に、人工汗液から離間した状態で、膜積層体A〜Cを導入した。
次に、密閉容器を密閉して、内部を55℃±5℃に維持した状態で1日保持した。その後、密閉容器から膜積層体A〜Cを取り出して、外観目視観察を行った。
観察の結果、積層膜に腐食および剥離等の劣化が生じていないものを「○(耐汗性良好)」と判定し、劣化が生じているものを「×」と判定した。
(耐薬品性試験)
耐薬品性試験は、以下のように実施した。
各膜積層体を、23℃の1N−NaOH溶液中に6時間浸積した。次に、膜積層体を純水で洗浄してから、23℃の1N−HCl溶液中に6時間浸積した。その後、膜積層体を純水で洗浄し、外観目視観察を行った。
観察の結果、積層膜に腐食および剥離等の劣化が生じていないものを「○(耐薬品性良好)」と判定し、劣化が生じているものを「×」と判定した。
(耐湿性試験)
耐湿性試験は、以下のように実施した。
各膜積層体を、温度60℃および湿度95%RHに設定した恒温恒湿試験器(KCH−1000:東京理化器械社製)に、2週間保持した。その後、膜積層体を取り出し、外観目視観察を行った。
観察の結果、積層膜表面に認められる欠点(白点)が5個/10cm以下の膜積層体を「○(耐湿性良好)」と判定し、それ以外のものを「×」と判定した。
以下の表4には、各膜積層体A〜Cにおける化学的耐久性の評価結果をまとめて示す。
Figure 2016199676

この結果から、機能層としてZrN層を有する膜積層体AおよびBは、機能層として銀層を有する膜積層体Cよりも良好な化学的耐久性を示すことが確認された。
(例56)
以下の方法で、ガラス基板の一方の表面に積層膜を形成して、膜積層体を製造した。
ガラス基板には、縦100mm×横100mm×厚さ2.8mmの寸法を有するソーダライムガラスを使用した。
積層膜の構成は、ガラス基板に近い側から、第3の誘電体層(上部領域を含む)/第2の機能層/第1の誘電体層(上部領域を含む)/第1の機能層/第2の誘電体層の構造とした。
これらの層は、いずれもスパッタリング法により成膜した。
第1の機能層は、ZrN(膜厚20nm)とし、第2の機能層は、ZrN(膜厚21nm)とした。
第1および第2の機能層の成膜には、Zrターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=4.6:1(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.26Paであった。なお、いずれの機能層の成膜の際にも、ガラス基板は加熱していない。
第1の誘電体層は、ZrN(x>1.2)からなる上部領域(膜厚10nm)を有する、アルミニウム含有窒化ケイ素(膜厚80nm)とした。第2の誘電体層は、アルミニウム含有窒化ケイ素(膜厚80nm)とした。第3の誘電体層は、ZrN(x>1.2)からなる上部領域(膜厚5nm)を有する、アルミニウム含有窒化ケイ素(膜厚25nm)とした。
第1の誘電体層の成膜には、以下の2段階の処理を行った。
まず、Si−10wt%Alターゲットを使用して、アルミニウム含有窒化ケイ素膜の成膜を行った。放電ガスには、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用し、成膜時の圧力は、0.4Paとした。
次に、アルミニウム含有窒化ケイ素膜の上に、上部領域を成膜した。上部領域の成膜には、Zrターゲットを使用し、放電ガスとして、窒素ガス(100sccm)を使用した。成膜時の圧力は、0.5Paであった。
第3の誘電体層の成膜も同様に実施した。
一方、第2の誘電体層は、Si−10wt%Alターゲットを使用して成膜した。放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用し、成膜時の圧力は、0.4Paとした。
これにより、膜積層体(以下、「例56に係る膜積層体」という)が製造された。
(例57〜例58)
例56と同様の方法により、膜積層体(それぞれ、「例57に係る膜積層体」および「例58に係る膜積層体)と称する)を製造した。
ただし、例57〜例58では、それぞれの層の厚さを、例56の場合とは変化させた。
(例59)
以下の方法で、ガラス基板の一方の表面に積層膜を形成して、膜積層体を製造した。
ガラス基板には、縦100mm×横100mm×厚さ2.8mmの寸法を有するソーダライムガラスを使用した。
積層膜の構成は、ガラス基板に近い側から、第3の誘電体層/第2の機能層/第1の誘電体層(上部領域を含む)/第1の機能層/第2の誘電体層の構造とした。
これらの層は、いずれもスパッタリング法により成膜した。
第1の機能層は、ZrN(膜厚13nm)とし、第2の機能層は、ZrN(膜厚15nm)とした。
第1および第2の機能層の成膜には、Zrターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=4.6:1(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.26Paであった。なお、いずれの機能層の成膜の際にも、ガラス基板は加熱していない。
第1の誘電体層は、NbNからなる上部領域(膜厚5nm)を有する、アルミニウム含有窒化ケイ素(膜厚96nm)とした。第2の誘電体層は、アルミニウム含有窒化ケイ素(膜厚42nm)とした。第3の誘電体層は、アルミニウム含有窒化ケイ素(膜厚10nm)とした。
第1の誘電体層の成膜には、以下の2段階の処理を行った。
まず、Si−10wt%Alターゲットを使用して、アルミニウム含有窒化ケイ素膜の成膜を行った。放電ガスには、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用し、成膜時の圧力は、0.4Paとした。
次に、アルミニウム含有窒化ケイ素膜の上に、上部領域を成膜した。上部領域の成膜には、Nbターゲットを使用し、放電ガスとして、窒素ガス(80sccm)を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。
一方、第2および第3の誘電体層は、Si−10wt%Alターゲットを使用して成膜した。放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=30:70(sccm))を使用し、成膜時の圧力は、0.4Paとした。
これにより、膜積層体(以下、「例59に係る膜積層体」という)が製造された。
(例60)
例59と同様の方法により、膜積層体(「例60に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例60では、それぞれの層の厚さを、例59の場合とは変化させた。
(例61)
例56と同様の方法により、膜積層体(「例61に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例61では、第1の誘電体層の上部領域、および第3の誘電体層の上部領域は、いずれもTiNとした。また、例61では、それぞれの層の厚さを、例56の場合とは変化させた。
第1の誘電体層の上部領域の成膜には、Tiターゲットを使用し、放電ガスとして、窒素ガス(80sccm)を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。
第3の誘電体層の上部領域も、同様の方法により成膜した。
(例62)
例61と同様の方法により、膜積層体(「例62に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例62では、それぞれの層の厚さを、例61の場合とは変化させた。
(例63)
例61と同様の方法により、膜積層体(「例63に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例63では、第1の誘電体層の上部領域、および第3の誘電体層の上部領域の成膜には、Tiターゲットを使用し、放電ガスとして、アルゴンと窒素の混合ガス(アルゴン:窒素=40:7(sccm))を使用した。成膜時の圧力は、0.4Paであった。また、例63では、それぞれの層の厚さを、例61の場合とは変化させた。
(例64)
例63と同様の方法により、膜積層体(「例64に係る膜積層体」と称する)を製造した。
ただし、例64では、それぞれの層の厚さを、例63の場合とは変化させた。
(例65〜例67)
例65、例66、例67に係る膜積層体は、それぞれ、前述の例37、例38、例39に係る膜積層体と同様の方法により製造した。
以下の表5には、各例に係る膜積層体の構成および層の厚さをまとめて示す。
Figure 2016199676

(各特性の評価)
次に、例56〜例67に係る膜積層体を用いて、前述の方法により、第1の機能層のZr:N比、屈折率n、消衰係数k、可視光透過率Tv、日射熱取得率g、およびセレクティビティの評価を実施した。
結果をまとめて、以下の表6に示す。
Figure 2016199676

表6に示すように、例56〜例67に係る膜積層体は、いずれも、セレクティビティが1.1を超えていることがわかる。このように、例56〜例67に係る膜積層体は、いずれも高い透過性と良好な遮熱性を有することがわかった。
(配向指数Pの評価)
次に、例56〜例67に係る膜積層体において、前述のように規定される配向指数Pの評価を行った。
第1の機能層のインプレーンX線回折測定には、インプレーンXRD装置(リガク社製ATX−G:線源CuKα)を使用した。
測定条件は以下の通りである:
多層膜ミラーにてCuKα取り出し;
入射角一定で面内方向に2θχ/φスキャン;
入射角0.5度;
面内方向のX線発散角0.5度(スリットにて制限)。
各膜積層体において、得られたインプレーンX線回折結果から、前述の(3)式を用いて、配向指数Pを算定した。
以下の表7には、例56〜例67に係る膜積層体において得られた配向指数Pをまとめて示す。
Figure 2016199676

表7から、第1の誘電体層が結晶性向上材料からなる上部領域を有さない、例65〜例67に係る膜積層体では、第1の機能層の配向指数Pが1.35程度と、あまり大きくないことがわかった。これに対して、第1の誘電体層が結晶性向上材料からなる上部領域を有する例56〜例64に係る膜積層体では、第1の機能層の配向指数Pが少なくとも2を超えることがわかった。
図4には、例56および例65に係る膜積層体において得られた、第1の機能層のインプレーンX線回折結果を合わせて示す。
図4から、例56に係る膜積層体では、例65に係る膜積層体に比べて、ZrNxの面方位(220)のピーク強度が、顕著に増加していることがわかる。
このように、結晶性向上材料からなる上部領域を有する第1の誘電体層を使用することにより、第1の機能層の結晶性が向上することが確認された。
(その他の評価)
例56に係る膜積層体を用いて、前述の機械的耐久性の評価、化学的耐久性の評価、耐汗試験、耐薬品性試験、および耐湿性試験の各試験を実施した。
その結果、例56に係る膜積層体は、いずれの試験においても、良好な結果が得られた。
本願は2015年6月11日に出願した日本国特許出願2015−118546号、および2016年1月27日に出願した日本国特許出願2016−13322号に基づく優先権を主張するものであり、同日本国出願の全内容を本願に参照により援用する。
100 第1の膜積層体
110 透明基体
112 第1の表面
114 第2の表面
120 積層膜
122 第1の誘電体層
125 第1のシード層
130 第1の機能層
132 第1の犠牲層
135 第2の誘電体層
140 トップ層
145 第1の部分
200 第2の膜積層体
210 透明基体
212 第1の表面
214 第2の表面
220 積層膜
222 第1の誘電体層
230 第1の機能層
235 第2の誘電体層
240 トップ層
245 第1の部分
250 第3の誘電体層
255 第2の機能層

Claims (12)

  1. 透明基体の上に積層膜を有する膜積層体であって、
    前記積層膜は、1または2以上の機能層を有し、
    前記積層膜は、第1の部分を有し、該第1の部分は、第1の誘電体層、該第1の誘電体層上の第1の機能層、および該機能層上の第2の誘電体層を含む一連の部分で構成され、前記第1の機能層は、前記1または2以上の機能層のうち、前記透明基体から最も遠い側の機能層であり、
    前記第1の機能層は、窒化ジルコニウムZrNで構成され、
    前記第1の機能層は、波長500nmにおける屈折率nが1.2未満であり、波長1500nmにおける消衰係数kが6よりも大きく、
    当該膜積層体において、前記透明基体の側から前記積層膜の最外層に向かって測定される可視光透過率をTv(%)とし日射熱取得率をg(%)としたとき、Tv/gで表されるセレクティビティSeが以下の(1)式:

    1.1≦Se (1)式

    を満たす、膜積層体。
  2. 前記可視光透過率Tv(%)は、30%を超える、請求項1に記載の膜積層体。
  3. 前記日射熱取得率g(%)は、50%未満である、請求項1または2に記載の膜積層体。
  4. 前記窒化ジルコニウムZrNにおいて、xは、0.9<x<1.0の範囲である、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の膜積層体。
  5. 前記第1の誘電体層および/または前記第2の誘電体層は、窒化ケイ素、アルミニウムを含有する窒化ケイ素、およびジルコニウムを含有する窒化ケイ素からなる群から選定された少なくとも一つの材料を含む、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の膜積層体。
  6. 前記第1の誘電体層および/または前記第2の誘電体層は、ITO、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、およびZrからなる群から選定された少なくとも一つの材料を含む、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の膜積層体。
  7. 前記積層膜は、さらに、前記第1の機能層よりも前記透明基体から近い側に、第2の機能層を有し、
    該第2の機能層は、ITO、銀またはZrNを含む、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の膜積層体。
  8. 前記第1の機能層は、以下の(3)式
    Figure 2016199676

    で表される配向指数Pが2以上である、請求項1乃至7のいずれか一つに記載の膜積層体:
    ここで、Max[a,b,c]は、a〜cのうちの最大値を表し、Min[a,b,c]は、a〜cのうちの最小値を表し、
    Is(111),Is(200)およびIs(220)は、それぞれ、前記第1の機能層のインプレーンX線回折により得られる面方位(111)、(200)および(220)のピーク強度を、それぞれ、I(111)、I(200)およびI(220)としたとき、

    Is(111)=I(111)/99
    Is(200)=I(200)/85
    Is(220)=I(220)/48

    から得られる。
  9. 前記第1の誘電体層の前記第1の機能層と接する領域は、ZrN(ここでX>1.2)、NbN(ここでX>1)、TiN(ここで0.9<X<1.1またはX>1.2)のいずれかの材料を含む、請求項8に記載の膜積層体。
  10. 前記透明基体は、ガラス基板である、請求項1乃至9のいずれか一つに記載の膜積層体。
  11. 当該膜積層体は、フィルムの形態を有する、請求項1乃至10のいずれか一つに記載の膜積層体。
  12. 中間膜を介して第1および第2のガラス板を相互に接続することにより構成された合わせガラスであって、
    前記第1または第2のガラス板は、請求項11に記載の膜積層体を有する、合わせガラス。
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