JPH0585776A - 電波低反射着色ガラス - Google Patents

電波低反射着色ガラス

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JPH0585776A
JPH0585776A JP3156517A JP15651791A JPH0585776A JP H0585776 A JPH0585776 A JP H0585776A JP 3156517 A JP3156517 A JP 3156517A JP 15651791 A JP15651791 A JP 15651791A JP H0585776 A JPH0585776 A JP H0585776A
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裕伸 飯田
Shigeru Mori
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Abstract

(57)【要約】 【構成】透明着色ガラス基板の表面に、ガラス面より第
1層として膜厚50〜200ÅのTiNO薄膜或いはそ
の複合薄膜を、第2層として膜厚200〜400ÅのT
iON系薄膜或いはその複合薄膜を順次被覆積層して成
り、該多層薄膜被覆層の表面抵抗率が1kΩ/□以上の
高抵抗薄膜層でかつ可視光線透過率が60%以下、可視
光反射率が10%以上ならびに日射透過率が55%以下
である電波低反射着色ガラス。 【効果】電波反射率を建築物主要構築体の鉄筋コンクリ
ートの値より低くてガラス板の値に限り無く近づき、殊
に高層建築物周辺の住宅等におけるTV画面のゴースト
等の電波障害を低減でき、かつ断熱性能と高耐久性を有
し、冷暖房効率を高めより居住性を向上せしめることが
でき、特に高層ビルでの単板の窓ガラス等として有用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷暖房効果を向上させ
るようにするとともに比較的低い可視光透過率を有する
ものであって、しかも電波の透過が比較的よく耐摩耗性
も優れた単板で充分使用できる電波低反射着色ガラス、
特に建築用、ことに高層建築物( ビルディングなど)等
の窓ガラスとして有用であって、ビル周囲の住宅等にお
いてTVでのゴースト等の電波障害を低減できてより居住
性を高め得る断熱性能を有する電波低反射着色ガラスに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スパッタ法での被膜による2層薄
膜を有したものとしては、例えば、特開平2ー4404
6号公報には、透明な基板の一方の表面上に、窒化チタ
ン膜が形成され、該窒化チタン膜上に透明な金属酸化物
からなる被膜が形成された、該透明基体の他方の面に於
ける反射光が青色乃至緑色を呈する透明体およびその製
造方法が記載されており、窒化チタン膜中に若干の酸素
が含まれていても良く、その組成比が原子比でO/N<
1であれば窒化チタン被膜の熱線遮へい能力は維持され
得、前記透明な金属酸化物がアルゴンと酸素の混合ガス
あるいは純酸素ガスによる反応性スパッタリングにより
得る酸化チタン等であることが開示されている。また例
えば、特開平1ー208344号公報には、同様の構成
で金色反射色を有する透明板が記載されている。さらに
例えば、特開平2ー307843号公報には、ガラス基
板上にガラス側から、窒化チタンを主成分とする膜、耐
久性の優れた保護膜の少なくとも2層からなる帯電防止
ガラスが記載されており、窒化チタンを主成分とする膜
が30〜60Åであって、保護膜が100〜200Åの
酸化チタン膜としたものとなっていること等が開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】前述したような例え
ば特開平2ー44046号公報および特開平1ー208
344号公報に記載の透明板は、いずれも高層建築物の
窓ガラスとして施工した際に電波反射体となって、例え
ば放送局からの電波を反射し、高層建築物と放送局の間
にある一般家庭などで見ているTVにおいて、前記高層
建築物からの反射の電波と前記放送局からの直接の電波
との電波強度差が少ないとゴースト現象を発現すること
となり、ことに導電性の高いものまたは膜厚を厚くした
膜を熱線反射ガラスに用いて断熱性を高めようとすれば
するほど電波反射の強度が高まることとなり、TVにお
けるゴーストの発現が起き易いものとなるものであると
ともに、加えて膜による色調を発現することとなるもの
である。
【0004】また例えば、特開平2ー307843号公
報に記載の帯電防止ガラスは、シート抵抗が107 Ω/
口以下となるものの、可視光透過率が50〜60%以上
であるものであって、ことに間仕切りにはよいとして
も、建築窓用としては例えば耐摩耗性、耐擦傷性等が必
ずしも充分とは言い難いものである。
【0005】従って断熱性能を保持しつつかつ電波反射
率が低くゴースト等の電波障害を低減でき、しかも単板
で使用して充分耐久性があり、しかも充分可視光線透過
率があってほぼ無色から極淡い着色した透明で、透明着
色ガラス基板自体の色調を充分活かすことができる等が
あり、かつある程度プライバシーが確保できてしかも耐
摩耗性、耐擦傷性、耐薬品性、耐久性ならびに耐候性を
有し、2層の積層膜から成って単板で充分満足して使用
できる電波低反射着色ガラスとはなり難く、ことに高層
建築物窓用のガラス板として所期の有用なものとは言い
難いものと言わざるを得ないものであった。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のかか
る欠点に鑑みてなしたものであって、特定膜厚でかつ特
定の類似した成分であるTiNO系薄膜とTiON系薄
膜を2層に積層して巧みに組み合わせ、電波反射率をT
V電波帯、ことに周波数500MHz付近において建築
物の主要構造物である鉄筋コンクリートの電波反射率よ
り低くできて、ガラス基板の値にかぎりなく近づくよう
な電波低反射となり、しかも断熱性能を保持しつつ、単
板で充分使用することができる、優れた耐摩耗性、耐擦
傷性、耐薬品性、耐久性ならびに耐候性等を有し、ガラ
ス基板自身の色合いを活かし得る電波低反射着色ガラス
を提供するものである。
【0007】すなわち、本発明は、透明着色ガラス基板
の表面に、ガラス面より第1層として、膜厚が50〜2
00ÅであるTiNO薄膜あるいはTiNOを主成分と
する複合薄膜を、該第1層の表面上に第2層として、膜
厚が200〜400ÅであるTiON薄膜あるいはTi
ONを主成分とする複合薄膜を少なくとも被覆積層して
多層薄膜被覆層を形成して成り、該多層薄膜被覆層の表
面抵抗率が1kΩ/□以上の高抵抗薄膜であって、しか
も該多層薄膜被覆層を有する透明着色ガラス基板の可視
光線透過率が60%以下、可視光線反射率が10%以上
ならびに日射透過率が55%以下であることを特徴とす
る電波低反射着色ガラス。ならびに前記電波低反射着色
ガラスにおいて、該ガラスの膜面とガラス面の反射色な
らびに該ガラスの透視色が透明着色ガラス基板の色調を
少なくとも呈するようにするとともに、前記透明着色ガ
ラス基板によって、前記ガラス面の反射色ならびにガラ
スの透視色に対する濃淡を調整できるようにすることを
特徴とする前述した電波低反射着色ガラスをそれぞれ提
供するものである。
【0008】ここで、第1層として、膜厚50〜200
ÅであるTiNO薄膜あるいはTiNOを主成分とする
複合薄膜としたのは、可視光透過率を所期の数値内にな
るように低減させ、断熱効果を発現せしめ、かつ所期の
1kΩ/□以上の表面抵抗率を得るために必要であり、
しかも該薄膜自体優れた耐久耐候性等を有するからであ
り、好ましくは80〜170Åである。第2層として、
膜厚200〜400ÅであるTiON薄膜あるいはTi
ONを主成分とする複合薄膜としたのは、例えばTiO
2 薄膜に比して、より優れた耐摩耗性、耐薬品性等を有
しかつ表面抵抗率が無限大であるからであり、200Å
未満ではその効果が不充分となってき、また400Åを
超えてもかまわないが経済的でなくなるとともに干渉色
の発現が大きくなって好ましくなくなるからであり、好
ましくは230〜370Åである。さらに特にこれらを
組み合わせ順次積層したことで、ガラス表面と第1層の
TiNO薄膜と同系の第2層のTiON薄膜とが頑固な
密着力を発揮することとなるからであって、前記各薄膜
自身の強度に加えて積層した膜全体も、さらに耐摩耗
性、耐薬品性あるいは耐久耐候性等がより向上し、より
優れたものとなるものである。
【0009】なお、最外側表面のみに、高電気抵抗で電
波低反射性能を妨げない限り、さらにより優れた耐摩耗
性、耐久性ならびに耐薬品性等を有する薄膜、あるいは
各種機能性薄膜等を被覆してもよいものであることは言
うまでもない。
【0010】また、前記多層薄膜被覆層の表面抵抗率が
1KΩ/□以上の高電気抵抗薄膜であるとしたのは、電
波反射率が周波数500MHzにおいて25%程度であ
る鉄筋コンクリートの電波反射率より低くくて、被膜な
しのガラス板における電波反射率8%程度にかぎりなく
近い電波反射率となるものを得るためには、表面抵抗率
が1kΩ/□以上のものが必要であることがわかったた
めであって、少なくとも表面抵抗率が1kΩ/□以上、
すなわちTiNO薄膜が膜厚50Åで2.8kΩ/□程
度、膜厚80Åで2.4kΩ/□程度、膜厚100Åで
2.2kΩ/□程度、膜厚140Åで1.4kΩ/□程
度、膜厚200Åで1kΩ/□程度等となるものと、T
iON薄膜が200〜400Åで∞の表面抵抗率である
ものとを、二層に巧みに組み合わせて用い、多層薄膜被
覆層体としても表面抵抗率が1KΩ/□以上の高電気抵
抗薄膜を確保するようにしたものである。このことによ
り、例えば周波数100〜1000MHzの間すなわち
TV電波帯において電波の反射を少なくすることがで
き、建築物ことに高層の建築物における主要構造体であ
る鉄筋コンクリートが有する周波数500MHzでの電
波反射率25%程度より、本電波低反射着色ガラスにお
ける電波反射率が小さな値となることによって、前述し
たように従来の熱線反射ガラスを施工した高層建築物等
の周辺では一般家庭においてTV映像に発現しやすいゴ
ースト現象を低減できることとなるものである。
【0011】さらに、光学特性のうち、可視光透過率を
60%以下としたのは、建築物において当該電波低反射
着色ガラスを施工した際に、建築物内外におけるガラス
を介しての透視性に関して設定したものであり、例えば
ことに夜間あるいは昼間において建築物内部が見え過ぎ
て居住性が悪化するようなことがなく、よりプライバシ
ー性をもたせしめることになるためであり、好ましくは
約50%以下である。さらにブルー、グレーならびにブ
ロンズ、グリーンガラス等の透明着色ガラス基板を用い
ることで、実質的に該基板の機能である色調、前述の透
視性に加え、熱吸収性を発現させて断熱性能に寄与せし
めること、ならびに建築物がその周囲に対してより好ま
しいものとなるものとするものであり、しかも可視光反
射率を10%以上となして、前記色調をより鮮やかなも
のにして景観として環境に寄与するものとしかつ多少鏡
的にして透視性を持たせしめるようにしてプライバシー
性や映えるものとなるものであり、好ましくは10〜3
0%程度である。さらにまた日射透過率を55%以下と
したのは、55%を超えると例えば冷暖房効果を向上さ
せ、建築物内部の住居性を向上させるために必ずしも役
立たせたとは次第に言い難く、断熱効果が少ないものと
なって断熱性能を有するガラスとは次第に言い難くなる
ためであり、好ましくは45%以下である。
【0012】さらにまた、成膜の製法としては、スパッ
タ法や蒸着法等であり、なかでもスパッタ法が最も優れ
た方法であって耐摩耗性等上から必要であり、例えばデ
ィッピング法等では耐摩耗性において非常に弱いものと
なり単板での使用に適さないものとなるものである。
【0013】さらにまた、前記透明着色ガラス基板とし
ては、無機質あるいは有機質の濃淡色をとわない透明着
色ガラスであればよいが、特にブルー、ブロンズ、グレ
ーあるいはグリーンガラス等がよく、実質的にブルー、
グレーあるいはブロンズ、グリーン系色調を得やすいも
のであってもよいものである。また単板で使用できるこ
とはもとより、強化ガラス、強度アップガラス、複層あ
るいは合せガラス、または曲げ板ガラスとしても使用で
きることは言うまでもない。またことに高層の建築物の
窓ガラス用としては4〜12mm程度の厚さのものがよ
い。
【0014】次いで、例えば、クリアガラス板(FL
3.5mm厚)/TiNO(100Å)/TiON(3
00Å)の構成においても、可視光透過率約55%程
度、可視光主波長約575nm、可視光反射率のガラス
面約28.8%と膜面約21.1%、刺激純度約7.
4、日射透過率約49.6、日射反射率のガラス面約1
9%と膜面約18.1%となって、透過色が黄緑系色
調、ガラス面側反射色がブルー系色調、膜面側反射色が
ブルー系色調となり、断熱性能が透明着色ガラス板を用
いた際よりやや劣るものの、表面抵抗率は約2.2KΩ
/□程度となり、耐摩耗性や耐薬品性等においても充分
前述したものと変わらず優れており、電波低反射着色ガ
ラスと言えるものとなるものである。
【0015】さらに次いで、例えば、外側クリアガラス
板(FL2.3mm厚)/TiNO(100Å)/Ti
ON(300Å)/PVB中間膜/内側クリアガラス板
(FL2mm厚)の合せガラス構成においても、可視光
透過率約60%程度、可視光主波長約571nm、可視
光反射率の外側ガラス面約21.9%と内側ガラス面約
12.2%、刺激純度約6.4、日射透過率約50.
6、日射反射率の外側ガラス面約17%と内側ガラス面
約9.5%となって、透過色が黄緑系色調、内外ガラス
面側の反射色がブルー系色調となり、断熱性能が透明着
色ガラス板を用いた際よりやや劣るものの、表面抵抗率
は約2.2KΩ/□程度となり、自動車窓ガラスなどの
プライバシーガラスとして優れたものとなり、電波低反
射着色ガラスと言えるものとなるものである。
【0016】すなわち、上述したことから、クリアガラ
ス基板の色調をより活かし得た電波低反射着色ガラスが
提供できることとなるものである。
【0017】
【作用】前述したとおり、本発明の電波低反射着色ガラ
スは、同系成分系であって、特定膜厚で特定の異なる表
面抵抗率を有する、TiNO薄膜およびこれらを主成分
とする複合薄膜と、TiON薄膜およびこれらを主成分
とする複合薄膜とを順次透明着色ガラス基板上に、特異
な成膜条件のなかでスパッタ蒸着法を用いて巧みに組み
合わせて積層して成り、該被覆積層薄膜の表面抵抗率を
1kΩ/□以上となるようにしたことにより、TV電波
帯ことに周波数500MHz付近において鉄筋コンクリー
トの電波反射率より低い電波反射率とすることができ
て、被膜なしのガラスの電波反射率にかぎりなく近いも
のとなるようにでき、建築物の周囲において従来発現し
ていたTVの映像におけるゴースト現象等の電波障害を
ほぼ低減でき、さらに各薄膜層の密着性を高め、積層し
た多層膜全体の耐摩耗性ならびに耐食性が向上し、耐久
性に優れ、単板として充分採用できるものとなることは
もちろん、しかも可視光透過率あるいは日射透過率等の
光学特性をそれぞれ特定したものとしたことにより、適
度の干渉効果をもって熱線反射あるいは熱線吸収を巧み
に組み合わせて断熱機能を充分有するものと成って冷暖
房の効果を高め、基板の色調を活かしつつ濃淡の程度を
調整して透視性を適宜抑えてより色調に富むものとする
ことができる等、建築物内外の居住性ならびに景観性等
環境をより優れたものとすることができる、建築物、こ
とに高層建築物の窓用ガラス板として有用な、しかも自
動車窓用ガラス板等においても広く採用できる電波低反
射着色ガラスを提供できるものである。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし本発明は係る実施例に限定されるものではな
い。
【0019】実施例1 大きさ600×600mm2 、厚さ10mmのブルーガラス
(HFL10)を中性洗剤、水すすぎ、イソプロピルア
ルコールで順次洗浄し、乾燥した後、DCマグネトロン
スパッタリング装置の真空槽内にセットしてあるTiの
ターゲットに対向して上方を往復できるようセットし、
つぎに前記槽内を真空ポンプで約5×10-6Torrまでに
脱気した後、該真空槽内に90%N2 、10%O2 ガス
(但し、N2 とO2 ガスの流量比は99:1から80:
20の範囲であればよい。)を導入して真空度を約2×
10-3Torrに保持し、前記Tiのターゲットに約1.5
KWの電力を印加し、N2 、O2 の混合ガスによるDC
マグネトロンスパッタの中を、前記Tiターゲット上方
においてスピード約120mm/minで前記板ガラスを搬送
することによって約100Å厚さのTiNO薄膜を第1
層として成膜した。成膜が完了した後、Tiターゲット
への印加を停止する。
【0020】次に、板ガラスを前記真空槽中においたま
ま、前記Tiターゲットに約2.5KWの電力を印加
し、70%O2 、30%N2 ガス( 但し、O2 とN2
スの流量比は90:10から50:50の範囲であれば
よい。)によるDCマグネトロン反応スパッタの中を、
前記Tiのターゲット上方において約20 mm/min のス
ピードで搬送することにより、前記板ガラスのTiNO
成膜表面に約300Å厚さのTiON薄膜を第2層とし
て成膜積層した。
【0021】得られた2層膜を有する電波低反射着色ガ
ラスについて、可視光透過率(380〜780nm)、可
視光反射率(380〜780nm) ならびに日射透過率
(340〜1800nm)等については340型自記分光
光度計(日立製作所製)とJISZ8722、JISR
3106によってそれぞれその光学的特性を求めた。さ
らにテーバー試験によるヘーズ( 曇り具合)値の変化量
( ΔH%)については、テーバー試験機(MODEL5
03,TYBER社製)に膜面を上にした10cm角の試
験片をセットし、膜面に荷重500gのかかった摩耗輪
(CSー10F)が2ケ所で当たるようになっているも
ので、300回回転した後、ヘーズメーター(日本電色
工業製、NDHー20D)によって測定し、試験前の測
定値と対比し、その変化量(ΔH%) をもって表わした
数値である。
【0022】次に、耐薬品性のうち耐酸試験について
は、常温で1規定のHCl溶液中に前記試験片を約6時
間浸漬した後、膜の劣化状態を見て判断したものであ
り、耐アルカリ試験については、常温で1規定のNaO
H溶液に試験片を約6時間浸漬した後、膜の劣化状態を
見て判断したものであり、○印はほとんど劣化が見られ
なかったことを示すものである。
【0023】さらに表面抵抗率については、105 Ω/
□以下であるので、四探針抵抗測定装置RTーS( NA
PSON社製)によって測定したものである。またさら
に、電波反射率については、大型導波管法によって測定
することで得た。
【0024】表1より明らかなように、可視光透過率T
vが42%、可視光主波長λD が507nm、可視光反
射率のガラス面Rgが16.2%と膜面Rfが21.3
%、日射透過率Tsが25.2%、日射反射率のガラス
面R' gが9.7%と膜面R' fが16.4%であっ
て、従来の熱線反射ガラスとほぼ同等の断熱性能を示
し、優れた住居性をもって、耐摩耗性、耐食性、耐候
性、耐久性を有し、表面抵抗率が2.2Ω/□となり電
波を充分透過するものであって、透明着色ガラス基板の
ブルー色を多少濃いめに活かしたガラス面反射色調がブ
ルー色である、電波低反射着色ガラスとして高層建築物
等の窓ガラスに有用なものとなり、所期のめざすものを
得た。
【0025】なお、オージェ電子分光装置(日本電子
(株)製)を用いて、上記の得られた電波低反射着色ガ
ラスについて、2層薄膜被覆層における膜の深さ方向で
のO、N、Ti等の各成分の強度を調べたところ、図1
に示すようになり、透明着色ガラス基板上に、間違いな
く第1層としてTiNO薄膜、第2層としてTiON薄
膜が順次積層されていることを確認することができた。
【0026】実施例2〜14 実施例1と同様の方法によって、表1に示すような2層
の積層薄膜およびその各膜厚を得て、その膜構成におい
て実施例1で示したと同様の測定法等によって、同様の
評価手段で行い、その結果を表1にそれぞれ示す。
【0027】表1より明らかなように、従来の熱線反射
ガラスとほぼ同等の断熱性能を示し、優れた居住性をも
って、耐摩耗性、耐食性、耐候性、耐久性を有し、電波
を充分透過するものであって、電波低反射着色ガラスと
して高層建築物等の窓ガラスに有用なものとなって所期
のめざすものとなり、各実施例共、実施例1と同様に評
価できるものが得られた。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】以上前述したように、本発明はスパッタ
法で、特定の膜厚ならびに異なる表面抵抗率を有する同
系成分のTiNO薄膜あるいはその複合膜とTiON薄
膜あるいはその複合薄膜とを、特異に組み合わせて用い
て多層薄膜として積層した構成にせしめ、しかも光学上
ならびに表面抵抗率の特性値が特定できるものとなし
得、断熱ガラスであって耐摩耗性、耐食性ならびに耐候
耐久性に優れ、ガラス基板の色調を充分活かして、電波
透過のよい特異なものとなり、単板はもちろん合わせガ
ラスあるいは複層ガラス等として居住性のよい、建築物
ことに高層ビル周辺における電波障害を低減できる有用
な電波低反射着色ガラスを効率よく提供できるものであ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】透明着色ガラス基板上における、薄膜の組成成
分を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明着色ガラス基板の表面に、ガラス面
    より第1層として、膜厚が50〜200ÅであるTiN
    O薄膜あるいはTiNOを主成分とする複合薄膜を、該
    第1層の表面上に第2層として、膜厚が200〜400
    ÅであるTiON薄膜あるいはTiONを主成分とする
    複合薄膜を少なくとも被覆積層して多層薄膜被覆層を形
    成して成り、該多層薄膜被覆層の表面抵抗率が1kΩ/
    □以上の高抵抗薄膜であって、しかも該多層薄膜被覆層
    を有する透明着色ガラス基板の可視光線透過率が60%
    以下、可視光線反射率が10%以上ならびに日射透過率
    が55%以下であることを特徴とする電波低反射着色ガ
    ラス。
  2. 【請求項2】 前記電波低反射着色ガラスにおいて、該
    ガラスの膜面とガラス面の反射色ならびに該ガラスの透
    視色が透明着色ガラス基板の色調を少なくとも呈するよ
    うにするとともに、前記透明着色ガラス基板によって、
    前記ガラス面の反射色ならびにガラスの透視色に対する
    濃淡を調整できるようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の電波低反射着色ガラス。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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