JP3863012B2 - 衝突回避システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の移動体と地上装置間で移動体情報を通信して移動体間の衝突を回避する衝突回避システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、コンテナが予め決められた場所に山積みされた物流基地等では、交差路の見通しが悪く、移動体間の出会い頭の衝突が発生し易い。
このような移動体間の出会い頭の衝突を回避する方法としては、移動体の走行状態を管理する管理装置を地上側に設け、各移動体に、自身の位置を検出する位置検出手段(例えばGPS装置等)を搭載し、各移動体から地上側管理装置に移動体位置等の移動体情報を送信することにより、管理装置側で各移動体の位置を把握して衝突の可能性があるか否かを判断し、この判断情報を各移動体に送信するような衝突回避システムが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のようなシステムでは、地上側の管理装置は複数の移動体と交信するので、管理装置側で受信した情報がどの移動体からの情報かを識別する必要がある。このために、従来では、各移動体に情報識別用の固有のIDを設定し、このIDを送信情報に付加して送信することにより、どの移動体からの送信情報かを識別するのが一般的である。
【0004】
しかし、このような識別方法では、この種の衝突回避システムを運用する際に、全ての移動体に対して固有のIDを設定する必要がある。また、故障により搭載装置を交換する際も、交換の度にIDの初期設定作業が必要になり、面倒である。更には、地上側の管理装置において、各移動体から送信される位置情報(例えば位置座標データ)に基づいて、移動体位置を走行路の地図データ上の位置に置き換え、衝突の可能性のある移動体を特定するデータ処理が必要であり、管理する移動体数が増えると地上側管理装置のデータ処理の負担が大きくなるという問題がある。
【0005】
尚、移動体間の出会い頭の衝突を回避する技術として、電磁波の回折を用いて交差点に接近する移動体間で情報通信を行い、各移動体が他の移動体の存在を互いに確認することにより、衝突を回避するような技術が提案されている(「車々間通信を用いた交通事故防止システム」EMC,No.146,2000年6月号参照)。
しかし、上述の技術は、回折による減衰が大きくエネルギー消費の点で効率が悪い。また、移動体に搭載した通信手段が故障により通信不能となった場合、移動体を管理する方法がない等の問題がある。
【0006】
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、移動体に対して固有のIDを設定する必要がなく、運用上使い勝ってのよい衝突回避システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1の発明は、複数の移動体と地上装置間で移動体情報を通信して移動体間の衝突を回避する衝突回避システムであって、移動体の走行管理領域を複数のブロックに分割し、各ブロックに互いに異なる位置IDを割り当てる一方、前記地上装置は、全ての位置IDを送信し、返信情報に移動体からの移動体情報が存在するとき前記移動体情報の付加されている位置IDに基づいて前記移動体が存在するブロック位置を識別し、前記返信情報受信後に前記全ての位置IDの前記返信情報を全ての移動体に対して送信する構成を備え、前記移動体は、前記地上装置と通信可能な車載装置を備え、該車載装置は、自身が存在する前記ブロックを示す位置IDを受信すると当該位置IDに自身の移動体情報を付加して前記地上装置側へ返信し、前記地上装置から送信される前記全ての位置IDの前記返信情報を受信すると当該返信情報の移動体情報の付加されている位置IDに基づいて他の移動体が存在するブロックを識別して衝突可能性を判断する構成を備える構成とした。
【0008】
かかる構成では、地上装置側は、複数のブロックに分割された移動体走行管理領域の各ブロックに割り当てられた全ての位置IDを送信し各位置IDの返信情報を受信する。返信情報に移動体情報が存在するときは、移動体情報の付加されている位置IDに基づいて移動体が存在するブロックを特定する。移動体の車載装置側では、地上装置から送信された位置ID情報に対して自身が存在するブロックの位置IDを受信するとその位置IDに自身の移動体情報を付加して地上装置側へ返信し、前記地上装置から送信される全ての位置IDの返信情報を受信して移動体情報の付加されている位置IDに基づいて他の移動体が存在するブロックを特定し衝突可能性を判断する。そして、移動体の移動に伴ってその移動体の位置IDは変化し、この位置IDが移動体の位置を示すことになる。これにより、各移動体に固有のIDを設定しなくとも、位置IDによりどの移動体の移動体情報かが識別できるようになる。
【0009】
請求項2のように、前記車載装置は、自身の位置するブロックの位置IDに付加して前記地上装置側へ送信した移動体情報と前記地上装置から送信される前記返信情報の自身の位置IDに付加された移動体情報とを比較し、不一致のときに通信異常と判定する構成とするとよい。
【0010】
かかる構成のように、地上装置が、移動体から送信された移動体情報を移動体側に返信することで、移動体側において通信機能の正常/異常を判定できるようになる。
請求項3のように、前記車載装置は、前記走行管理領域の各ブロックに割り当てられた全ての位置IDの位置関係を示す地図データを有し、前記地図データに基づいて自身と衝突の可能性のある位置IDを特定し、前記地上装置から送信される前記返信情報の前記特定した位置IDに移動体情報が付加されているとき、衝突対象の移動体有りと判定する構成とするとよい。
【0011】
かかる構成では、各移動体側が地図データに基づいて他の移動体との衝突可能性を判断するようになるので、地上装置のデータ処理負担が軽減されるようになる。
請求項4のように、前記移動体情報は、移動体の速度、走行方向の情報を含む構成とするとよい。
【0012】
この場合、例えば他の移動体が停止状態か走行状態かにより、また、移動体が交差点に向かっているのかそうでないかにより、それぞれ衝突の危険度は異なり、衝突の危険度が低い状態であれば、そのまま走行できるので、移動体の走行を効率良く管理できるようになる。
請求項5の発明では、前記地上装置は、前記走行管理領域の各ブロックに割り当てられた全ての位置IDの位置関係を示す地図データを有し、前記地図データに基づいて互いに交差する走行路のいずれか一方の走行路に割り当てられた位置IDに進行指令情報を付加し、他方の走行路に割り当てられた位置IDに停止指令情報を付加して前記返信情報を送信し、前記車載装置は、前記返信情報を受信し自身が位置する位置IDに前記進行指令情報が付加されているときは、前記互いの走行路の交差点進入制御指令を徐行とし、前記停止指令情報が付加されているときは、前記交差点進入制御指令を走行停止とする構成とした。
【0013】
かかる構成では、互いに交差する走行路の交差点での移動体の衝突を確実に回避できるようになる。
請求項6のように、前記地上装置は、移動体の前記車載装置からの通信が停止したとき、通信停止以前に受信された移動体情報に基づいて、移動体が存在する可能性のある走行領域の少なくとも交差点領域に割り当てられた位置IDに警告情報を付加して前記返信情報を送信する構成とするとよい。
【0014】
かかる構成では、移動体と地上装置間の通信機能が停止した場合における移動体の安全性を確保できるようになる。
請求項7のように、前記地上装置は、前方の交差点領域を含めてその間に存在する走行領域に割り当てられた全ての位置IDに警告情報を付加して前記返信情報を送信する構成とすれば、移動体と地上装置間の通信機能が停止した場合の移動体の安全性をより一層向上できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る衝突回避システムの一実施形態を示す全体構成図で、コンテナが予め決められた場所に山積みされ、移動体が決められた走行路を走行するような物流基地に適用した例を示す。
【0017】
図1において、物流基地内において、移動体の走行を管理する走行管理領域1を、図示のように周囲と仕切って設定する。走行管理領域1内のコンテナ載置場所2を囲むようにして走行路3が設けられる。走行路3は、図示の破線で示すように複数のブロックに細分化され、各ブロックに位置ID#1〜#55が図示のように予め割り当てられている。
【0018】
走行管理領域1の出入口4付近に、走行管理領域1内を走行する移動体5A,5Bの走行を管理するための地上装置10を設置する。一方、移動体5A,5Bには、地上装置1と通信するための車載装置20(図3参照)が搭載される。
前記地上装置10は、図2に示すように、情報を送受信するための送受信器11と、走行路3の各ブロックの位置関係、言い換えれば位置IDの位置関係を示す地図データを記憶する地図データ記憶部12と、各移動体5A,5Bから送信される移動体情報を記憶する移動体情報記憶部13と、地図データ記憶部12及び移動体情報記憶部13の記憶データに基づいて移動体5A,5Bの走行を管理するためのデータ処理を行う処理装置14とを備える。
【0019】
前記車載装置20は、図3に示すように、情報を送受信するための送受信部である送受信器21と、移動体自身の位置を検出する位置検出部である例えばGPS装置22と、車速を検出する車速センサ23と、走行路3の各ブロックの位置データをその位置IDと対応させた変換テーブル及び地上装置10側と同様の地図データを記憶するデータ記憶部24と、GPS装置22から入力する検出位置データを変換テーブルを用いて位置IDに変換処理すると共に、地上装置10との通信により得られた情報に基づいて通信機能の異常判定や衝突可能性の有無等の判定処理等を行う処理装置25とを備える。ここで、前記データ記憶部24及び処理装置25で位置ID変換部が構成される。
【0020】
そして、地上装置10と車載装置20間で情報通信する際には、各ブロックを示す位置IDを情報識別用のIDとして送信情報に付加して通信を行う。
次に、本実施形態による移動体の走行管理動作について説明する。
地上装置10は、例えば時分割通信方式(TDMA)により各位置ID#1〜#55に返信要求信号aを付加してその番号順に順次送信して各移動体の呼び出しを行う。この場合、移動体側から返信される移動体情報が受信できるように情報受信分の時間間隔を設けて間欠的に位置IDを送信する。図1の場合では、位置ID#38と#49の各ブロックに移動体5A,5Bが存在するので、地上装置10からの位置ID#1〜#55に対する呼び出しに対して、移動体側からの応答情報は、図4に示すように位置ID#38と#49に移動体情報が付加されて返信される。図中の破線は応答する移動体が存在せず移動体からの返信データがないことを示している。
【0021】
また、地上装置10は、移動体呼び出しのための位置ID#1〜#55の送信が終了し、図4のような移動体側からの返信情報を受信した後、再度番号順に全ての位置ID#1〜#55についてその受信情報を移動体側にブロードキャストする。このブロ−ドキャストの際に、前記返信要求信号に応答して図4のように移動体側から送信された移動体情報があれば、その移動体情報をその位置IDに付加して送信する。受信情報がなければ例えば移動体情報がないことを示す情報等をその位置IDに付加して送信する。移動体側からの返信情報が図4のような場合は、地上装置10から、図5に示すように位置ID#38と#49に移動体情報が付加された状態でブロードキャストされる。また、受信情報をブロードキャストする際に、互いに交差する走行路の一方の各ブッロクの位置IDに進行許可指令情報を付加し、他方の走行路の各ブロックの位置IDに停止指令を付加する。例えば、図1で位置ID#40の交差点ブロックで交差する一方の走行路のブロックは位置ID#37〜#39と位置ID#41〜#43、他方の走行路のブロックは位置ID#48〜#49と位置ID#50〜#51である。この場合、例えば位置ID#37〜#39と位置ID#41〜#43に位置ID#40の交差点ブロックへの進入を許可する進行指令情報を付加し、位置ID#48〜#49と位置ID#50〜#51に位置ID#40の交差点ブロックへの進入を禁止する停止指令情報を付加して送信するようにする。
【0022】
地上装置10は、上述の返信要求信号の送信動作と受信した移動体情報の送信動作を交互に繰り返す。
一方、移動体側では、以下のように動作する。
走行管理領域1内の走行路3を走行する移動体5A,5Bの各車載装置20の処理装置25は、図6のフローチャートに示すように、GPS装置22で検出される位置座標データを読込み(ステップ1、図中S1と記し、以下同様とする。)、データ記憶部24に記憶されている変換テーブルを用いて読込んだ位置座標データを位置IDに変換する(ステップ2)。また、地図データに基づいて現在自身が位置するブロックに対して衝突の可能性のあるブロックの位置IDを特定してリストを作成する(ステップ3)。
【0023】
例えば、図1のように、位置ID#38と#49に移動体5A、5Bが存在し、それぞれ位置ID#40の交差点ブロック方向に走行しているとする。この場合、位置ID#38のブロックの移動体5Aは、自身の走行路と交差する走行路の位置ID#49と#50のブロックの移動体と衝突する可能性がある。逆に、位置ID#49のブロックの移動体5Bは、自身の走行路と交差する走行路の位置ID#39と#41のブロックの移動体と衝突する可能性がある。従って、移動体5Aでは、衝突の可能性のある位置IDとして#49、#50を特定することになり、移動体5Bでは、衝突の可能性のある位置IDとして#39、#41を特定することになる。
【0024】
各移動体の処理装置25は、図6の動作をGPS装置22の位置データ検出周期で繰り返し実行している。
処理装置25は、地上装置10との情報通信に基づいて図7のフローチャートに示す動作を実行する。尚、以下では、図1の位置ID#38に存在する移動体5Aの処理装置25の動作を例に説明する。
【0025】
ステップ11では、ステップ2で変換した自身の位置ID#38が付加された返信要求信号aを受信したか否かを判定し、受信すればステップ12に進む。
ステップ12では、移動体情報として現在の速度及び走行方向の各データを位置ID#38に付加して送信する。
ステップ13では、地上装置10からブロードキャストされた図5の送信情報に基づいて、自身の位置ID#38、ステップ3で作成したリストの位置ID#49、#50を受信したか否かを判定し、位置ID#38を受信すればステップ14に進み、位置ID#49、#50を受信すればステップ17に進む。
【0026】
ステップ14では、受信した位置ID#38に付加されている移動体情報に関するデータとステップ12で自身が送信した移動体情報に関するデータが一致しているか否かを判定する。一致していればステップ15に進み、通信機能正常の判定出力を出力し、不一致の場合はステップ16に進み、通信機能異常の判定出力を出力する。通信機能異常判定出力が出力された場合は、この出力に基づいて図示しない制御装置により走行停止制御が実行される。これにより、移動体側で地上装置10との間の通信状態の正常/異常をチェックできると共に、通信状態が異常のときの安全性を向上できる。
【0027】
位置ID#49、#50を受信してステップ17に進んだ場合は、位置ID#49、#50に付加されているデータを読込む。
ステップ18では、読込んだ各位置ID#49、#50にそれぞれ移動体情報が付加されているか否かにより各ブロックに移動体が存在するか否かを判定する。図1の場合、位置ID#49のブロックに移動体5Bが存在するので、位置ID#49には移動体5Bからの移動体情報が付加されている。従って、ステップ18では衝突対象有りと判定し、ステップ19に進む。
【0028】
ステップ19では、自身の存在するブロックが属する走行路側が、位置ID#40の交差点ブロックに対して進行許可になっているか進行禁止になっているかに応じて自身の交差点進入制御指令を発生する。位置ID#37〜#39と位置ID#41〜#43に進行指令情報が送信されており、位置ID#48〜#49と位置ID#50〜#51に停止指令情報が送信されていれば、移動体5A側では徐行指令を発生し、移動体5B側では走行の停止指令を発生する。指令情報が逆の場合は、移動体5A側では走行停止指令を発生し、移動体5B側では徐行指令を発生する。これにより、移動体5Aと5Bの出会い頭の衝突を回避できる。
【0029】
また、地上装置10は、それまで移動体情報を受信していた例えば移動体5Aと所定時間通信不能になった場合、移動体5Aの通信機能故障と判断し、移動体情報記憶部13に記憶されている通信不能以前の移動体5Aの速度及び走行方向情報に基づいて、移動体5Aが存在する可能性のあるブロックを推定する。この場合、移動体5Aが存在する可能性のあるブロックとして位置ID#39、#40を推定する。そして、図5に示すように受信情報を移動体側にブロードキャストする際に、両ブロックの位置ID#39、#40に警告を示す情報を付加する。これにより、位置ID#49のブロックの移動体5Bは、位置ID#39、#40の警告情報を受信して、位置ID#39或いは位置ID#40のブロックに通信不能になった移動体5Aが存在することを位置ID#40の交差点ブロックに進入する以前に知ることができ、未然に衝突を回避できる。尚、出会い頭の衝突が生じる交差点ブロックの位置ID#40だけに警告情報を付加するようにしてもよい。
【0030】
以上のように、移動体が走行する走行路を複数のブロックに細分化し、各ブロックに位置IDを割り当て、各移動体が存在するブロックの位置IDを情報識別用のIDとして用いて移動体−地上間で情報を通信することにより、各移動体に固有のIDを設定することなく情報の識別が可能となる。従って、移動体の搭載装置を交換する場合でも、IDの初期設定作業をしなくて済み、システムの運用上の使い勝ってがよい。また、各移動体側で衝突可能性の有無等の判断処理が可能であるので、地上装置10側のデータ処理作業を簡素化でき、地上装置10の負担が軽減できる。
【0031】
尚、移動体の走行管理領域が本実施形態のように制限される場合には、走行管理領域を本実施形態のように周囲と仕切って出入口を設け、移動体が走行管理領域内に進入する以前に移動体の送受信機能をチェックして、送受信機能が正常な移動体のみ走行管理領域への進入を許可する構成とするとよい。
本発明のシステムは、物流基地内の移動体走行だけでなく、工場内の移動体走行、鉄道車両の走行、通常道路における移動体走行等の管理にも適用できることは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、各移動体位置を位置IDで特定できるので、その位置IDを移動体情報識別用IDとして用いて地上側と通信することにより移動体情報の識別が可能となる。従って、各移動体の搭載装置に固有のIDを設定する必要がなくなり、ID設定の手間が省ける。
【0033】
また、移動体側で通信機能の正常/異常の判定や衝突可能性の判定等を行うことにより、地上装置側のデータ処理の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体構成図
【図2】同上実施形態の地上装置の構成図
【図3】同上実施形態の車載装置の構成図
【図4】移動体側からの情報送信形態の一例を示す図
【図5】地上装置側からの情報送信形態の一例を示す図
【図6】移動体の処理装置の動作を説明するフローチャート
【図7】地上装置との通信に基づく移動体の処理装置の動作を説明するフローチャート
【符号の説明】
1 走行管理領域
3 走行路
5A,5B 移動体
10 地上装置
20 車載装置
21 送受信器
22 GPS装置
24 データ記憶部
25 処理装置
#1〜W55 位置ID

Claims (7)

  1. 複数の移動体と地上装置間で移動体情報を通信して移動体間の衝突を回避する衝突回避システムであって、
    移動体の走行管理領域を複数のブロックに分割し、各ブロックに互いに異なる位置IDを割り当てる一方、
    前記地上装置は、全ての位置IDを送信し、返信情報に移動体からの移動体情報が存在するとき前記移動体情報の付加されている位置IDに基づいて前記移動体が存在するブロック位置を識別し、前記返信情報受信後に前記全ての位置IDの前記返信情報を全ての移動体に対して送信する構成を備え、
    前記移動体は、前記地上装置と通信可能な車載装置を備え、該車載装置は、自身が存在する前記ブロックを示す位置IDを受信すると当該位置IDに自身の移動体情報を付加して前記地上装置側へ返信し、前記地上装置から送信される前記全ての位置IDの前記返信情報を受信すると当該返信情報の移動体情報の付加されている位置IDに基づいて他の移動体が存在するブロックを識別して衝突可能性を判断する構成を備えることを特徴とする衝突回避システム。
  2. 前記車載装置は、自身の位置するブロックの位置IDに付加して前記地上装置側へ送信した移動体情報と前記地上装置から送信される前記返信情報の自身の位置IDに付加された移動体情報とを比較し、不一致のときに通信異常と判定する構成とした請求項1に記載の衝突回避システム。
  3. 前記車載装置は、前記走行管理領域の各ブロックに割り当てられた全ての位置IDの位置関係を示す地図データを有し、前記地図データに基づいて自身と衝突の可能性のある位置IDを特定し、前記地上装置から送信される前記返信情報の前記特定した位置IDに移動体情報が付加されているとき、衝突対象の移動体有りと判定する構成とした請求項1又は2に記載の衝突回避システム。
  4. 前記移動体情報は、移動体の速度、走行方向の情報を含む構成である請求項3に記載の衝突回避システム。
  5. 前記地上装置は、前記走行管理領域の各ブロックに割り当てられた全ての位置IDの位置関係を示す地図データを有し、前記地図データに基づいて互いに交差する走行路のいずれか一方の走行路に割り当てられた位置IDに進行指令情報を付加し、他方の走行路に割り当てられた位置IDに停止指令情報を付加して前記返信情報を送信し、
    前記車載装置は、前記返信情報を受信し自身が位置する位置IDに前記進行指令情報が付加されているときは、前記互いの走行路の交差点進入制御指令を徐行とし、前記停止指令情報が付加されているときは、前記交差点進入制御指令を走行停止とする構成である請求項1〜4のいずれか1つに記載の衝突回避システム。
  6. 前記地上装置は、移動体の前記車載装置からの通信が停止したとき、通信停止以前に受信された移動体情報に基づいて、移動体が存在する可能性のある走行領域の少なくとも交差点領域に割り当てられた位置IDに警告情報を付加して前記返信情報を送信する構成である請求項1〜5のいずれか1つに記載の衝突回避システム。
  7. 前記地上装置は、前方の交差点領域を含めてその間に存在する走行領域に割り当てられた全ての位置IDに警告情報を付加して前記返信情報を送信する構成である請求項6に記載の衝突回避システム。
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