JP3859895B2 - ブローボトル用インモールドラベル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブローボトル用のインモールドラベルと、該ラベルをインモールド成形によって貼着したブローボトルに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
ボトル表面にラベルを貼着する方法として、ラベルをインモールド成形によりボトル表面に貼着することは、従来より実施されている。
【0003】
しかしながら、インモールド成形によりボトル表面にラベルを貼着した場合に、図4に示すように、成形時にラベルLaの端縁30に接するボトル壁31の部分32が、ラベルLaの角部によって薄肉となることがあり、そのために、落下衝撃によってラベル端縁30に接する部分32からクラックが入るという問題が生じることがあった。
【0004】
近年、プラスチック成形材料の節減とともに再利用が奨励され、廃棄ボトルの押潰し回収ということからもボトルの薄肉化が求められるようになっているが、ボトル壁が薄肉となると、ボトル壁のラベル端縁に接する部分32がさらに薄肉となるので、そこからクラックが入ることが多くなるという問題が生じるようになった。
【0005】
本発明は、インモールドラベルの端縁における落下衝撃によるクラックの発生を防止すること、とくに薄肉ボトルにおけるクラックの発生を防ぐことを課題とし、ラベル端縁を波形としたインモールドラベルと、該ラベルを貼着したブローボトルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため、ブローボトル用のインモールドラベルとして、インモールド成形によりブローボトルの少なくとも一つの壁面に貼着されるラベルであって、少なくとも左右の端縁を波形に裁断したことを特徴とする構成を採用する。
【0007】
インモールドラベルを貼着したブローボトルとして、ボトルの胴壁に、ラベル端縁の左右を波形に裁断したラベルをインモールド成形により貼着したブローボトルにおいて、胴壁にラベルの左右の端縁に沿い、上下方向に一定間隔を置いて、複数個の凹部を配設し、該凹部にラベルの端縁部分が凹部底面上に位置するようにしたことを特徴とする構成を採用する。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1,2において、Aはダイレクトブロー成形で成形されたボトルで、口部1、肩部2、胴部3、底部4とからなっており、素材樹脂としてPE、PP、その他の合成樹脂が用いられ、単層または積層としてブロー成形されている。
口部1の上部外周面5には、ネジ6が螺設され、その下方に把持リング7が設けられている。
把持リング7の外周面には、一部または全周にわたってローレット8が刻設されており、把持リング7の下部外周面9は、上部外周面5より拡径され、肩部2に続いている。
【0009】
肩部2と胴部3の間には、段部10が形成され、肩部2及び胴部3の断面形状は、前後を楕円面とし、両側を平面とした扁平断面となっている。
胴部3は、楕円状の前後壁面11と左右の側壁面12とからなっており、前後壁面11には、波形のラベルLが貼着されている。
【0010】
ラベルLは、波形のインモールドラベルであって、その端縁13は全周にわたって波形に裁断されており、全周の波の山を結ぶ線は四角形となっている。
波形の巾、高さは、ボトル胴壁の面積、肉厚等に応じて適宜に設定する。
【0011】
前後壁面11には、ラベルLの左右の端縁13a,bに沿って、複数個の浅い底面を有する平底凹部14が配設されている。
平底凹部14は、上下方向に一定間隔をおいて位置させた長円形の凹部であり、該長円形の端部は、凹部に対応するラベルLの端縁13a,bの部分が平底凹部14の底面内に位置するよう、ラベル端縁13a,bの波の山線と谷線を外側から挟むように横方向に延びている。
【0012】
側壁面12には、等間隔に複数個の凹部15が配設されている。
胴部3の下端部には、上部との間に段差を有する膨出周壁16が配設されており、底部4に続いている。
【0013】
底部4は、底周壁17と底壁18とからなっており、底周壁17は、ほぼ垂直な前後壁19と、傾斜した左右側壁20とから形成されている。
底周壁17と胴部3の膨出周壁16との接続部には、全周にわたって横リブ21が設けられており、前後壁19には、一定間隔を置いて複数個の縦リブ22が設けられている。
底周壁17の下端部には、全周にわたる横リブ23が配設され、該横リブ23の下側には、中央部を上に窪んだ湾曲面24とした底壁18が連続している。
【0014】
次に、ボトルの成形方法について説明すると、本発明のボトルは、ダイレクトブローで従来より周知のラベルインモールド成形法が利用される。
まず、ブロー金型のボトル胴部形成面の所定の位置にラベルLが装着される。続いて、パリソンが押し出されて金型間に挟持され、パリソン内にブローエァを吹込むことによって、胴部壁面にラベルLを貼着したボトルが成形される。
【0015】
次に、本発明ブロー成形ボトルの作用効果について述べる。
ラベルLは、インモールド成形により貼着されているので、従来と同様にラベルL端縁13の角部に接する胴壁が他に比して肉薄となっている。
【0016】
しかし、肉薄部がラベル端縁に沿って波形に湾曲して形成されることによって、クラックの発生が防止されている。
すなわち、クラックの発生は、落下衝撃により薄肉部に引張,圧縮,剪断力の応力が集中し、塑性変形を起こすことに起因して始まるが、薄肉部が波形に湾曲しているので、波の各部位において応力が異なること、また応力の集中する部分から部分的な塑性変形が起こってもその伝播が湾曲部に突き当たって阻止されることによって、クラックの発生が抑えられることになるのである。
【0017】
また、平底凹部14が端縁13に沿って配設されているので、平底凹部14は、胴壁の補強部材として作用し、端縁13に沿うクラックの発生をおさえることになる。
したがって、端縁が波形のインモールドラベルを用いたこと、またボトル胴壁に端縁に沿って平底凹部を配設したことと相まって、ボトルの落下衝撃に対して、ラベル端縁の部分からクラックが発生することを防止している。
【0018】
次に、ボトルの肉厚との関係について述べると、例えば、PE,PPの場合、胴部壁面の肉厚を薄肉にして0.6mm前後となると、ボトルの落下衝撃によりラベル端縁の部分からクラックが発生することもあるが、インモールドラベルの端縁を波形とすることによってクラックの発生を防止することができる。
【0019】
さらに薄肉ボトルの場合に、胴部壁面の厚さが前後壁中央部で約0.3mm以下となると、胴部、底部の補強によりボトルとしての形状を保つことができるが、廃棄時には手で簡単に押し潰すことができる。
平底凹部は、胴壁の補強部材となりボトルの保形性の維持に寄与し、波形のラベルとともに、ボトルの落下衝撃に対して、ラベル端縁の部分からクラックが発生することを防止する。
薄肉ボトルの場合の実施例として、保形性があり、且つ簡単に押し潰せる薄肉ボトルとして、胴部壁面の厚さが0.3mm以下0.1mm以上、樹脂量としてはボトルの単位容量あたりの樹脂重量は0.05〜0.015g/mlの範囲とすることもできる。
【0020】
上記実施形態では、ラベルの端縁13の全周を波形にしているが、ラベルの上下端縁の胴壁は、胴部の上下接続部に設けられた段部によって補強されるので、ラベルの上下端縁を直線とし、左右の端縁13a,bのみを波形としてもよい。波形の形状について、前述のように波の巾、高さは、適宜に設定することができるが、波の形についても、サインカーブ、円弧または楕円弧を連続したもの、円弧または楕円弧を波の山として配置し接続したもの、ジグザグ状のもの等を採用することができる。
【0021】
上記実施形態では、胴壁にラベルの端縁部分を囲む平底凹部を設けたが、湾曲面とした凹部でもよく、凹部の形状も円形、楕円形或いは角を円弧とした角形でもよい。
ある程度の肉厚がある場合、或いは胴壁に横方向に延びる凹溝を設け、上下に波うった壁面として補強されている場合には、凹部を設けなくてもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、上記のように構成されているから、次の効果を奏する。
胴壁表面にインモールド形成により貼着したラベルの端縁を波形とし、ボトル胴壁にラベル端縁に沿って平底凹部を形成するようにしたから、落下衝撃に対してラベル端縁の部分からクラックが発生することがなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ブロー成形ボトルの正面図である。
【図2】ボトルの側面図である。
【図3】平底凹部を説明する図2のA−A線における断面図である。
【図4】従来のラベル貼着部の説明図である。
【符号の説明】
A ボトル
L,La ラベル
1 口部
2 肩部
3 胴部
4 底部
11 前後壁面
12 側壁面
13 端縁
14 平底凹部
Claims (1)
- ボトルの胴壁に、ラベル端縁の左右を波形に裁断したラベルをインモールド成形により貼着したブローボトルにおいて、
胴壁にラベルの左右の端縁に沿い、上下方向に一定間隔を置いて、複数個の凹部を配設し、該凹部にラベルの端縁部分が凹部底面上に位置するようにしたことを特徴とするブローボトル。
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