JP3859849B2 - 凸版印刷用感光性樹脂版 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、保護層に特徴を有する製版性能と取り扱い性に優れた水現像可能な凸版印刷用感光性樹脂版に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明でいう凸版印刷用感光性樹脂版(以下、感光性樹脂板とも言う)とは、一般的に0.5mm〜10mmの厚さに成型された感光性樹脂組成物を2層のフィルムでサンドイッチしたものである。このような感光性樹脂版の片方のフィルムを剥がして、そこにネガフィルムを介して感光させることによりレリーフが形成される。
レリーフを得る方法(以下製版という)としては、感光性樹脂組成物にネガフィルムを密着させ、活性光を照射してネガフィルムにより選択的に露光を行った後、未露光部を除去してレリーフを形成する方法が一般的である。
【0003】
この場合、感光性樹脂組成物の表面は、通常粘着性を帯びていることが多く、このためネガフィルムを密着させると、剥離する際に粘着により剥離不良が生じ、版、ネガフィルム双方を損傷してしまうとか、ネガフィルムとの密着時に気泡が入り込み、均一な密着が行えず、画像の再現性も悪くなる等の問題が生じることがある。このような問題を解決するために、最も一般的に行われている方法としては、現像液で除去可能な薄い保護層で感光性樹脂組成物の表面を被覆する方法が挙げられる。具体的には、例えば、特開昭51−49803号公報(ケン化度90%以上のポリビニルアルコール)、特開昭54−68224号公報(水溶性ポリマー)、特開昭56−110941号公報(可溶性ポリアミド)等に記載されている。
【0004】
水系処理液で現像可能な感光性樹脂組成物の場合、この保護層も水系処理液で現像可能とするために一般に水溶性のポリマー、例えばポリビニルアルコール、水溶性セルロース等を含有する保護層が用いられている。
しかしながら、これらのポリマーを用いると、製版作業時、保護層を保護するカバーフィルム(通常PETフィルム)を剥離すると、保護層の吸湿が生じ小皺(以下吸湿シワ)が表面に発生してしまう。この小皺が入った版材をそのまま露光すると、その小皺がレリーフにそのまま再現してしまうという問題が発生する。この際に生じる吸湿シワは、保護層の組成によって大きさが異なるが、おおよそ3〜20μmほどの高低差がみられるようなシワである。
【0005】
このような吸湿シワを抑制するために、カバーフィルムにマット処理を施して保護層のネガフィルムに接する面をマット化することが提案されている。しかしながら、この方法ではフィルムのマット処理のために工程が長くなりコストアップになる上に、マット処理による表面粗さの管理が非常に難しいこと、また、マット処理では光が散乱されるため画像再現の解像度が低下するという問題が発生する。更には、これらマット処理によりカバーフィルムとの接着力が高くなり、カバーフィルム剥離の作業性が悪くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、水系処理液での現像が可能で、製版時の吸湿による小皺を抑制することができ、剥離作業性に優れ、かつ、解像度に優れた凸版印刷用の感光性樹脂版を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、感光性樹脂層側に接する保護層として水溶性樹脂に吸水率5%以下の疎水性ポリマー微粒子を含有してなる層を用いることにより、該課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
また、保護層の上に更に、吸水率が5%以下の樹脂からなる層を設けた場合には、解像度の面において更に優れていることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の発明を提供する。
(1)感光性樹脂層に接して水系現像液により除去される保護層が積層された凸版印刷用感光性樹脂版において、該保護層が水溶性樹脂、及び吸水率が5%以下の疎水性樹脂微粒子を含むことを特徴とする水現像可能な凸版印刷用感光性樹脂版。
(2)水溶性樹脂と吸水率が5%以下の疎水性樹脂微粒子の組成重量比が5/95〜40/60であることを特徴とする(1)記載の水現像可能な凸版印刷用感光性樹脂版。
(3)保護層(以下、第一保護層という)の上に更に、吸水率が5%以下の樹脂からなる層(以下、第二保護層という)を設けたことを特徴とする(1)記載の水現像可能な凸版印刷用感光性樹脂版。
(4)保護層及び/又は吸水率が5%以下の樹脂からなる層が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする(1)又は(3)記載の水現像可能な凸版印刷用感光性樹脂版。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる凸版印刷用感光性樹脂版は、一般的に寸法安定性を維持する支持体であるベースフィルム(通常は、PETフィルムが用いられる)、接着層、感光性樹脂組成物層、保護層、カバーフィルム(通常は、PETフィルムが用いられる)がこの順に積層された構造を有している。
保護層は、通常カバーフィルムの裏面に形成され、この面を感光性樹脂層に密着させることにより、積層される。
【0010】
本発明の第一保護層に用いられる水溶性樹脂としては、水に分散、溶解する樹脂であればよい。更に、具体的には水系の洗浄水に分散溶解できる樹脂であればどのようなものでも良い。そのような樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性ナイロン、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンイミン、水溶性セルロース誘導体などが挙げられる。水に溶解させたときの安定性、膜の機械的強度の面からは、ポリビニルアルコールを用いることが好ましい。
【0011】
本発明の第一保護層に用いられる疎水性樹脂微粒子は、吸水率が5%以下の樹脂からなり、樹脂粒径としては10μ以下のものをいう。吸水率が5%を越えると吸湿によるシワが発生し易くなり好ましくない。樹脂の種類としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂、ユリヤ系樹脂、メラミン系樹脂、グアナミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂が微粒子になっていれば良い。
【0012】
このような微粒子化の方法としては、重合時に微粒子化する懸濁重合、乳化重合する方法や、重合した樹脂を熱、溶媒等で微粒子化する方法等が挙げられる。水中に安定して存在できるという点からは、乳化重合した樹脂の微粒子が好ましい。
これら水溶性樹脂および疎水性樹脂微粒子は、水を主溶剤として塗工性、乾燥速度を早める等のためにアルコールや水溶性有機溶剤を混合溶解させて溶液とし、ポリエステルなどのフィルムに塗膜状にコートして乾燥することで容易に薄膜にすることができる。この薄膜の柔軟性、水現像性を変えるために、可塑剤や、界面活性剤などを混合して用いることも可能である。
【0013】
本発明における水溶性樹脂と疎水性樹脂微粒子の含有量比は、5/95〜40/60の範囲の含有率が望ましい。この含有量比が5/95未満になると保護層として水現像性の膜を形成することが難しくなり、40/60を越えると吸湿によるシワが発生し易くなる。
第一保護層の厚みは0.1〜20μm、好ましくは1〜10μmの範囲で選択される。この厚みが0.1μmより薄いと、保護層全体の水現像性が著しく低下する。また、この厚みが20μmを越えると保護効果のさらなる向上はみられずにレリーフの解像度を低下させる。
【0014】
本発明に用いられる第二保護層は、吸水率が5%以下のポリマーであり、かつ、紫外線を透過するものであればよいが、その樹脂としては、実用的には、第一保護層と併用して水現像性が付与されるようなものであればよい。
かかる樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂、ユリヤ系樹脂、メラミン系樹脂、グアナミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。また、水現像性、吸水率の点から、変性セルロース系樹脂が好ましい。
【0015】
また、第二保護層の厚みは、0.1〜10μm、好ましくは1〜5μmの範囲である。この厚みが0.1μmより薄いと粘着防止効果の低下が見られ、10μmを越えると水現像性が著しく低下する。
【0016】
さらに、保護層及び/又は吸水率が5%以下の樹脂からなる層に、紫外線吸収剤を添加することにより解像度を大幅に向上できる。この紫外線吸収剤の添加量は、吸収剤の吸光係数により変動するため膜の紫外線透過率が、20%〜70%の範囲になるよう調整することが好ましい。膜の紫外線透過率が20%以下であると、解像度の向上がみられなくなるうえに感度が低くなり、70%を越えると解像度の改良効果が小さくなる。
【0017】
本発明におけるカバーフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンその他の材料でも使用することができるが、寸法安定性や耐熱性、機械的性能の上からポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が最適である。
このカバーフィルム(通常50〜250μm厚み)の上に、本発明の保護層組成物の溶液を、乾燥後の厚さが通常1〜10μmになるように順次塗布して乾燥させる。この時、カバーフィルムとの塗工性を向上させるために種々の界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、浸透剤などを配合してもよい。このようにしてカバーフィルム上に形成された薄膜面を、感光性樹脂組成物表面に密着させて凸版印刷用感光性樹脂版を得ることができる。
【0018】
凸版印刷用感光性樹脂版を得る方法としては、ベースフィルム上に接着層、感光性樹脂組成物層、保護層、カバーフィルムを積層することもでき、凸版印刷用感光性樹脂版に本発明の保護層を使用することができる。
【0019】
本発明で言う水現像可能な凸版印刷用感光性樹脂版は、一般に親水性ポリマー、その他のポリマー、可塑剤、架橋性モノマー光開始剤、安定剤、その他増感剤、界面活性剤、ゲル化剤等の添加剤からなる水系処理液で現像可能な感光性樹脂組成物を含み、凸版印刷用に使用される樹脂版をいう。
【0020】
具体的には、親水性ポリマーとしてスルフォン酸基含有ポリウレタン樹脂、その他のポリマーとしてスチレンイソプレンブロックコポリマー、可塑剤、モノマーその他の成分としてポリブタジエン・ジアクリレート、脂肪族ジアクリレート、ジオクチル・フマレート、マレイン化変成ポリブタジエン、N−エチルトルエンスルホンアミド、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン、2,2−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ラウリルベンゼンスルフォン酸ナトリウムからなる感光性樹脂組成物を使用した凸版印刷用感光性樹脂版のほか、特開平9−216918号公報に開示の燐酸エステル基含有親水性ラジカル共重合体を含有する感光性樹脂組成物からなる凸版印刷用感光性樹脂版(日本ゼオン(株)製:商標名;ゼオフレックス)、特開平5−204139号公報に開示の架橋樹脂微粒子を含有する感光性樹脂からなる凸版印刷用感光性樹脂版(日本ペイント(株)製:商標名;フレキシード)等を挙げることができる。
【0021】
製版工程で使用される水系処理液(現像液)としては、水もしくは必要に応じて界面活性剤、消泡剤、分散剤、乳化剤、腐食抑制剤、腐敗防止剤、pH調整剤等を添加した溶液を使用することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づき具体的に説明する。
(評価試験)
1)耐吸湿シワ性
10cm×20cmの大きさに切り出した凸版印刷用感光性樹脂版を50℃×湿度1%以下で24時間置いた。その後20℃×2時間乾燥状態で冷却した後に20℃×70%RHの部屋でカバーフィルムを剥離して、保護層表面の吸湿による高低差5μm以上のスジ状のシワの発生状況を、5分を限度にチェックした。スジ状のシワの発生が200cm2 あたり3本未満のものを○、3本以上発生した場合には×とした。
【0023】
2)現像性
水系処理液として、ホウ酸ソーダ2部、オクチルフェノキシポリオキシエチレンエーテル2部、水100部を混合し、40℃にて現像性を、均一に現像除去できるものを○、ムラが残って均一に除去できないを×とした。
3)解像度
解像度試験用ネガフィルムにて150Line/1%のハイライトドットが形成したときに、500μm幅の白抜き線の深度で解像度を測定した。深度が深いものは解像度が優れている。
【0024】
4)密着性
ネガフィルムと凸版印刷用感光性樹脂版との密着性を実際に製版評価を行い、均一に密着して、露光終了後には簡便に剥離できるものを○、注意すれば剥離できるものを△、注意してもネガフィルムもしくは樹脂版に損傷を与えずに剥離できないものを×とした。
5)吸水率
樹脂を厚み100μ以下のフィルム状にして40℃・湿度0.1%以下・7日以上乾燥させた重量を測定し(xとする)、40℃・80%・7日以上経時させ吸湿させた時の樹脂の重量を測定する(yとする)。
吸水率A(%)は A=100×(y−x)/xにより計算した。
とする。
【0025】
【実施例】
参考例1
(1)スルホン酸基含有ポリエステルジオールの合成
かきまぜ機、窒素導入口及び流出管を取り付けた1,000mlセパラブルフラスコに、スルホイソフタル酸ナトリウムジメチルエステル296g、エチレングリコール310g、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロシンナマミド)[IRGANOX1098:チバガイギー製]0.43g、酢酸亜鉛0.43gを仕込み、窒素雰囲気中において、200℃で5時間反応させた後、減圧下で未反応のエチレングリコールを留去して末端に水酸基を有する淡黄色のスルホン酸基含有ポリエステルジオールを得た。このものの数平均分子量は水酸基価の測定より492であった。
【0026】
(2)スルホン酸基含有ポリウレタンの合成
かきまぜ機、窒素導入口及び流出管を取り付けた3,000mlセパラブルフラスコに(1)で得たスルホン酸基含有ポリエステルジオール39.9g、数平均分子量2,439の両末端に水酸基を有するポリイソプレンジオール[ポリIP:出光石油化学製]377.7g、オクチル化ジフェニルアミン[NOCRAC AD:大内新興化学製]1.4gを仕込んだ後、ジメチルアセトアミド1000gと2−クロルトルエン1000gを加えて110℃で均一溶液とした。 次にジブチルチンジラウレート0.11gとスタナウスオクトエート0.34gを添加し、更にキシリレンジイソシアナート43.1gを滴下しながら110℃で3時間反応させた後、ジメチルアセトアミドと2−クロルトルエンを減圧留去して均一透明なスルホン酸基含有ポリウレタンを得た。
【0027】
(3)感光性樹脂組成物の作製
(2)で得たスルホン酸基含有ポリウレタン49.5gを窒素雰囲気下、150℃で加圧ニーダーを用いて、スチレン・イソプレンブロックコポリマー[カリフリックスTR1107:シェル化学製]20g、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム2g、ポリブタジエンジアクリレート[BAC−45:大阪有機化学製]5g、脂肪族ジアクリレート[C−2000:サートマー製]1g、ジオクチルフマレート2g、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン2g、マレイン化変性ポリブタジエン[ME−1000−80:日本石油化学製]10g、N−エチルトルエンスルホンアミド7.5g、2,2−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.1gと混練して均一透明な感光性樹脂組成物を得た。
【0028】
(4)ベースフィルム付き感光性樹脂組成物層の作製
(3)で得た感光性樹脂組成物を接着層を有するPETフィルムとシリコン系剥離剤が塗布されたPETフィルムでサンドイッチしてプレスを行い一定厚みの凸版印刷用感光性樹脂版を得た。保護層を積層するために、シリコン系剥離剤付きPETを剥離しておいた。
【0029】
実施例1
第二保護層に用いられる組成物の塗工溶液として、セルロース・アセテート・ブチレート(以下CABと略す)(イーストマン・コダック社製:グレード;CAB−551−0.2)を9.5部、ポリオキシアンモニウム塩を0.5部、これらをトルエン:65部、キシレン:7部、酢酸セルソルブ:10部、エタノール:18部の溶媒に溶かしたものを用いた。これをグラビアロールで厚み100μのポリエチレンテレフタレート(以下PETと略す)フィルムの上に乾燥厚み1.5μになるようコーティングして乾燥させた。この1.5μのフィルムの吸水率を測定したところ3%であった。
【0030】
次いで、第一保護層に用いられる組成物の塗工溶液として、ポリビニルアルコール(以下PVAと略す)(日本合成化学製:グレード;KH−17)20部、アクリルエマルジョン(固形分:76部)(ハリマ化成製:グレード;TA−523)(このエマルジョンの粒径は約0.06μ、エマルジョン乾燥後の吸湿率は2%であった。)、紫外線吸収剤(オリエント化学製:VF−Y4126)4部の固形分を水:700部、エタノール:300部に溶かして得た。これを上記の第二保護層塗膜の上に同じくグラビアロールで塗布してこの層の厚みとして3.5μの膜を得た。
【0031】
参考例1で得られた感光性樹脂組成物層の表面に、該フィルムを第一保護層が感光性樹脂層に接するようにして130℃にて密着させた。このようにして得られた凸版印刷用感光性樹脂版を評価した結果を表1に示した。表1からわかるように、吸湿による小皺の発生がなく、水系処理液で現像可能であり、解像度の優れた保護層であることが確認された。
【0032】
実施例2
実施例1の第一保護層組成物のPVAの代わりに、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達製:グレード;HPC−L)を用いた他は、実施例1と同じように実施して得た凸版印刷用感光性樹脂版を評価した。表1から判るように、吸湿による小皺の発生がなく、水系処理液で現像可能であり、解像度の優れた保護層であることが確認された。
【0033】
実施例3
実施例1において、第二保護層を積層せずに第一保護層のみを積層して得た凸版印刷用感光性樹脂版を評価した。表1から判るように、若干剥離時の作業性が悪くなるが、吸湿による小皺の発生がなく、水系処理液で現像可能であり、解像度の優れた保護層であることが確認された。
【0034】
実施例4
実施例1において、第一保護層に含有させた紫外線吸収剤を使用しない他は、実施例1と同じように実施して得た凸版印刷用感光性樹脂版を評価した。表1から判るように、若干解像度が低下するが、吸湿による小皺の発生がなく、水系処理液で現像可能な優れた保護層であることが確認された。
【0035】
比較例1
実施例1において、第一保護層としてPVAを用いない他は、実施例1と全く同じようにして得た凸版印刷用感光性樹脂版を評価した。表1から判るように、水現像性がなく、解像度の評価もできなかった。
【0036】
比較例2
実施例1において、第一保護層のPVA樹脂の重量比を50、アクリルエマルジョン固形分の重量比を50とした他は、実施例1と全く同じようにして得た凸版印刷用感光性樹脂版を評価した。表1から判るように、吸湿によるシワが発生し、解像度等の評価もできなかった。
【0037】
比較例3
実施例1において、第二保護層のCABの代わりに、第一保護層で用いたPVAを使用し、PVA用の溶媒として水70部/エタノール30部を用いた他は、実施例1と全く同じようにして得た凸版印刷用感光性樹脂版を評価した。表1から判るように、吸湿によるシワが発生し、解像度等の評価もできなかった。尚このPVAの吸湿率は10%であった。
【0038】
比較例4
実施例1において、第一保護層を積層することなく、第二保護層を直接感光性樹脂層に接して用いる以外は、実施例1と全く同じようにして得た凸版印刷用感光性樹脂版を評価した。表1から判るように、水現像性がなく、解像度等の評価もできなかった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】
本発明の保護層に特徴を有する凸版印刷用感光性樹脂版は、水系処理液での現像が可能で、製版時の吸湿による小皺を抑制することができ、且つ高い解像度を有するという効果を奏する。
Claims (4)
- 感光性樹脂層に接して水系現像液により除去される保護層が積層された凸版印刷用感光性樹脂版において、該保護層が水溶性樹脂、及び吸水率が5%以下の疎水性樹脂微粒子を含むことを特徴とする水現像可能な凸版印刷用感光性樹脂版。
- 水溶性樹脂と吸水率が5%以下の疎水性樹脂微粒子の組成重量比が5/95〜40/60であることを特徴とする請求項1記載の水現像可能な凸版印刷用感光性樹脂版。
- 保護層の上に更に、吸水率が5%以下の樹脂からなる層を設けたことを特徴とする請求項1記載の水現像可能な凸版印刷用感光性樹脂版。
- 保護層及び/又は吸水率が5%以下の樹脂からなる層が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1又は3記載の水現像可能な凸版印刷用感光性樹脂版。
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