JP3848804B2 - 積層固着品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚の単板を順次積層すると共にダボかしめにより結合される積層固着品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来モータやトランス等の積層鉄心は、鉄心材料である帯状薄板を間欠移送しながら、各プレス工程ごとに型抜き加工を施した後に、外形抜きパンチで鉄心形状の鉄心単板を帯状薄板から打ち抜き、これをダイ内に順次嵌入させて積層することによって製造される。
【0003】
ダイ内に蓄積された鉄心単板の積層間を接合する機械的な方法としては、例えば特開昭58−116033号公報に開示されているように、突起部によりカシメ結合する方法が知られている。この方法は、外形抜きする以前に鉄心単板に切り起こしや打ち出し突起(ダボ)を形成しておき、突起によって鉄心単板を積層する際に単板同士がカシメ結合するようにしたものである。
【0004】
以下、図面を参照しながら従来の積層固着品の製造装置の一例について説明する。
図6は、積層固着品を構成する薄板に打ち出し突起を形成し、多数枚の薄板個片を上下方向に重ねて、互いに隣り合う薄板個片同士を嵌合固着して積層固着品を製造する装置を示し、図において、22は上型、23は下型で、これら両型22、23間に設けた打ち出し突起成形位置Aにおいて、薄板16に打ち出し突起17を形成し、次に、外形打ち抜き積層位置Bで打ち出し突起17が形成された薄板16を必要な形状に外形打ち抜きし、プレスにより上下方向に互いに重なり合う薄板個片18を嵌合固着して積層固着品を製造するものである。前記上型22は、上ダイセット24と、この上ダイセット24の下側に取り付けられたパンチプレート11と、このパンチプレート11の下側にばね(図示せず)を介して設けられたストリッパープレート25から構成され、前記下型23は、下ダイセット14と、その上側に取り付けたダイプレート13から構成される。
【0005】
図7は、前記打ち出し突起位置Aで積層固着品の薄板個片に打ち出し突起を成形する部分の断面図である。図において、10はパンチプレート11に下向きに突設された打ち出し突起成形パンチである。前記パンチプレート11の下側には前記打ち出し突起成形パンチ10に対向するように、打ち出し突起成形ダイ12が埋め込まれたダイプレート13が設けられており、打ち出し突起成形ダイ12の内部には、成形された突起を成形ダイ12から突き上げるエジェクター13が設けられている。このエジェクター13の下端部は、ダイプレート13の下側に設けられた下ダイセット14の内部に位置し、下側からばね15によって上向きに付勢されている。
【0006】
図8は、前記打ち出し突起成形パンチ10および打ち出し突起成形ダイ12により、薄板16から打ち出し突起17を有する積層固着品を成形する状態を示しており、打ち出し突起成形パンチ10が下降し、成形パンチ10の先端部で薄板16を突起成形ダイ12の孔部に押しつけることによって、薄板16に打ち出し突起17が成形される。
【0007】
図9は、打ち出し突起17が成形された薄板16を必要な形状に外形抜きして薄板個片18とし、外形打ち抜きダイ20内に積層し、上側の薄板個片18の打ち出し突起17を、下側の薄板個片18の打ち出し突起17に設けた凹部19に嵌合し、外形打ち抜きダイ20内で薄板個片18を上下方向に積層固着した状態を示しており、外形打ち抜きダイ20と外形打ち抜きパンチ21により薄板16が必要な形状に打ち抜かれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来、積層固着品を製造する場合に、特に薄板の場合には、かしめ結合後の接合力を確保するために、打ち出し突起をハーフ抜きによる丸形状に成形したり、さらに特開平10−202332号公報に示されているように、金型の位置ずれによる接合力の低下を防ぐために、打ち出し突起の凸部または凹部の一部分のみ圧縮変形させて嵌合力を得る方法が知られている。
【0009】
しかし薄板の場合には、図10に示すように、外形抜きをした時に、薄板個片18と外形打ち抜きダイ20の側面抵抗により、薄板個片18に抜き反りが生ずる。この反りが大きくなると外形打ち抜きが行われた薄板個片18の打ち出し突起凸部17とその下側にある薄板個片18の凹部19に位置ずれが生じ、突起凸部17と凹部19が必要以上に干渉するため、突起部の嵌合が行われなかったり、また、所望の接合力が得られず接合不良が生ずるという問題を有していた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明は、薄板個片を外形抜きする際に抜き反りが生ずる方向に、逃がし形状を有する突起の円弧部を配置したものである。本発明によれば外形打ち抜き時に抜き反りが生じても、突起の凸部と凹部が干渉することなく安定してかしめ結合を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、金属材料からなる突起部を有する薄板個片を多数積層し、積層間をダボかしめにより結合固着してなる積層固着品であって、薄板個片に形成される突起部は、円形凸部から形成される表面と、円形凸部の円弧より大きい円弧部分と円形凸部の円弧の内側位置に設けられ、円形凸部が圧入される直線部分とからなる凹部裏面を備え、外形打ち抜き時において薄板に抜き反りが生ずる方向に、円形凸部より大きい凹部の円弧部分を配置したことを特徴とするものであり、外形打ち抜き時に、薄板個片に抜き反りが生じた場合であっても、薄板個片の抜き反りが生ずる方向には、突起部の凸部の円弧より大きい円弧部を有する凹部の円弧部を配し、両円弧間には逃し形状を形成する隙間が形成されているため、凸部が凹部に必要以上に干渉せず抜き反りによる凸部の位置ずれを吸収でき、安定したかしめ結合を行うことができ、また、凸部は凹部の直線部に圧入してかしめ結合されるため所望の結合力を有する積層固着品を提供することができる作用を有する。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の一実施の形態について、図1〜4に基づいて説明する。
図1は、本発明の薄板個片に形成された突起の凸部形状と凹部形状を示す平面図である。図1において、破線部分は凸部形状部1を示し、円形状をしている。一方、実線部分は凹部形状部2を示し、円弧部3と直線部4から構成されている。直線部4は凸部形状部1の円弧の内側位置に設けられており、かしめ結合を行う場合に、凸部形状部1が圧縮変形して凹部形状部の直線部4に圧入される。一方、円弧部3は凸部形状部1の円弧より大きい形状で凸部形状部1の逃し用隙間を有しており、かしめ結合時には、凸部形状部1と凹部形状部間には隙間6が設けられるように設定されている。
【0013】
図2は、図1の凹部形状部2の直線部4の断面形状を示している。凸部形状部1の円弧は、凹部形状部2の両直線部4の直線間の幅より大きい径を有しているため、かしめ結合時には凸部形状部1を凹部形状部の直線部4に圧入することにより結合が行われ、所望の接合力が得られる。
図3は、図1の凹部形状部2の円弧部3の断面形状を示している。円弧部3は、凸部形状部1の円弧より大きい径を有しているため、かしめを行う際に、凸部形状部1と凹部形状部2の円弧部3には凸部形状部1を逃す隙間6が生ずることとなる。本発明は、嵌合される薄板個片5の凸部形状部1と嵌合される薄板個片5の凹部形状部2間に隙間6を設け、薄板個片5の外形打ち抜き時に抜き反りが生じた場合であっても、薄板個片5の凸部形状部1と凹部形状部2が干渉するのを防止するようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
図4は、薄板個片5に突起形状を成形した後、外形打ち抜きを行い,抜き反りが生じている状態を示している。図において、7は外形打ち抜きパンチ、8は外形打ち抜きダイを示し、5aは抜き反りが生じた薄板個片を示している。図4に示すように、外形打ち抜き時に、薄板個片5aに抜き反りが生じた場合でも、抜き反りが生ずる方向には、凸部形状部1の円弧より大きい円弧部を有する凹部形状部の円弧部3を配し、両者間には隙間6が形成されているため、凸部形状部1が凹部形状部2に必要以上に干渉することなくかしめ結合を行うことが可能となる。
【0015】
以上本発明の一実施の形態について述べたが、図5に示すように、凹部形状部2の圧入部を直線形状4でなく、4aで示すように複数の圧入部で構成しても良い。また、前記実施の形態では、凹部に直線形状または複数の圧入形状を設けているが、前記実施の形態とは逆に凸部に圧入形状を構成しても良い。
【0016】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、外形打ち抜き時に薄板個片に抜き反りが生じた場合であっても、薄板個片の抜き反りが生ずる方向には、凸部形状部の円弧より大きい円弧部を有する凹部形状部の円弧部を配し、両円弧間には隙間を形成したため、抜き反りが生じた場合であっても、凸部形状部が凹部形状に必要以上に干渉せず、抜き反りによる凸部形状部の位置ずれを吸収できるため、安定したかしめ結合を行うことができ、また、凸部形状部は凹部形状部の直線部に圧入してかしめ結合されるため所望の結合力を有する積層固着品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における薄板個片の突起形状の平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態における積層固着された薄板個片突起部(凹部直線部)の断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態における積層固着された薄板個片突起部(凹部円弧部)の断面図である。
【図4】薄板個片に突起形状を成形した後、外形打ち抜きを行っている状態図である。
【図5】本発明の他の実施の形態における薄板個片の突起形状の平面図である。
【図6】従来の積層固着品の製造装置である。
【図7】従来の積層固着品の薄板個片に打ち出し突起を成形する装置の断面図である。
【図8】従来の積層固着品の薄板個片に打ち出し突起を成形している状態図である。
【図9】従来の積層固着品の薄板個片を外形打ち抜きしている状態図である。
【図10】従来の積層固着品の薄板個片に突起形状を成形した後、外形打ち抜きを行っている状態図である。
【符号の説明】
1 凸部形状部
2 凹部形状部
3 円弧部
4 直線部
4a 圧入部
5 薄板個片
5a 反りが生じた薄板個片
6 隙間
Claims (1)
- 金属材料からなり突起部を有する薄板個片を多数積層し、積層間をダボかしめにより結合固着してなる積層固着品であって、薄板個片に形成される突起部は、円形凸部から形成される表面と、円形凸部の円弧より大きい円弧部分と、円形凸部の円弧の内側位置に設けられ、円形凸部が圧入される直線部分とからなる凹部裏面を備え、外形打ち抜き時において薄板に抜き反りが生ずる方向に、円形凸部より大きい凹部の円弧部分を配置したことを特徴とする積層固着品。
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